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世の中には有名ブランドから、聞いたことがほぼ無いというようなプロテインパウダーのメーカー、製品がたくさん存在しております。よく、スポーツ用品店に行くとたくさんの商品が並んでいて、どれを購入したらよいのかわからないという声もたくさん聞こえてきます。
さてプロテインパウダーのことを消費者の皆さんはどのくらい知っているでしょうか? おそらく完成品しか見たことが無いと思いますので、カタログに載っている製品情報しか知らないケースがほとんどだと思います。
ホエイプロテインは牛乳です。
プロテインは子供に飲ませていいのでしょうか?というような質問が多く寄せられます。またプロテインを飲ませると身長が伸びなくなるという巷の噂もよく聞きます。その前にプロテインパウダーとは一体どのようなものなのでしょうか?
ホエイプロテイン
ホエイプロテインには大きく分けてWPC(WHEY PROTEIN CONCENTRATE)濃縮乳清タンパク質、おおよそタンパク質量80%とWPI(WHEY PROTEIN ISOLATE)分離乳清タンパク質、おおよそタンパク質90%以上の2種類があります。 両方とも原料は牛乳です。WPCの多くはチーズを作るときに余る、透明な液体を乾燥させたものが、ホエイプロテインパウダーになります。ようするにチーズを作った捨てるものから作られているものがホエイプロテインパウダーです。日本は残念ながら、牛乳の値段が高いこと、チーズの消費は外国と比べて低いことから、日本国内で製造販売されているプロテインパウダーは一つもありません。全て100%輸入品です。
余談ですが、チーズとホエイプロテインパウダーどちらが体によさそうですか?チーズの主は脂肪、ホエイプロテインパウダーはタンパク質です。脂肪を取り除いた、良質なタンパク質がホイプロテインパウダーですから、誰でも体にいいことは想像がつくことと思います。原料は牛乳です。牛乳を子供に飲ませてはいけないでしょうか?牛乳が身長の伸びを止めますでしょうか?(注・乳アレルギーの方は牛乳を飲めません)
ただし、注意しなくてはならない点もあります。ホエイプロテインパウダーに+何が混ぜられているか?こちらは注意が必要です。例えば、多いのが海外もののプロテインパウダーが個人輸入で手軽に購入が出来るようになりました。BCAAやWHEYなどの大きな文字が目立ちますが、成分を見てみると・・・英語表記でなんのことやら・・・
ちなみに私の会社にて作成しているプロテインは海外から直接原料を輸入することはしていません。なぜならば、日本の正式な通関を通すためには日本基準の規格をクリアすることができないといけないからです。中国には中国の基準、日本には日本の基準の法律があるわけで、日本は食品に関しての安全管理のリスクは非常に高いものを要求されます。仮にですが、40Ftという大きなコンテナ便でアメリカからプロテインパウダーを輸入したとしましょう。その時には日本の港につくと、抜き打ちの菌検査をされることがあります。プロテインパウダーの一部を抜き取りされ、日本規格に合っているのか?の菌検査をされます。規格をクリアしたものが、船から荷揚げされて、指定の倉庫に移動されます。 さて菌検査を通らなかったらどうなるでしょうか?
40Ftのコンテナごと、業界用語でShip Backと言って、日本に陸揚げされることなく、アメリカ本土に戻されてしまいます。その運賃は依頼主(日本の購入者負担)負担となります。
何千万円ものプロテイン代を支払い、何十万の船代を支払いして、全部が無駄・パーになります。 やはり、日本規格の製品を輸入するのには、それなりの専門企業でないと、大赤字になってしまうことから、乳製品輸入専門商社が日本には存在します。企業としてリスクが無いよう、購入するお客様にもリスクが無いようにと専門商社を使用することで、安心安全なプロテインパウダーを日本に持ち込むことが出来るのです。個人輸入の海外製品はその規格がその国に合わせているものであり、日本の規格に合わせているものではありません。規格がなぜあるのか?それは日本国民を守るためにあるのですから、どちらが安心安全か?はお分かりいただけると思います。
ちなみにですが、私の会社が作るプロテインは日本製だとしても、規格書のない、出せない原料は一切使用いたしません。
WPIプロテインについても触れておきましょう。WPIプロテインは簡単に言えば、WPCのプロテインをさらに細かな膜に通して、余分な乳糖や脂肪をさらに取り除いたものが
WPIプロテインと一般的には言われております。(イオン処理の方法もあります)1工程、2工程と処理加工が多くなるために加工代が高くなってしまいます。原料価格で言えば、WPCの1.5倍〜2倍の価格になることと、生産量が少ないことから、価格が高めになってしまうこと、また味も乳糖、脂肪が取り除かれることから、美味しくないという点も出てきます。ではなぜ、WPIが存在するのか?それは、乳糖不耐症の方(乳糖を分解できない、牛乳を飲むと下痢になる方)はWPCを飲むと下痢になってしまうために、
WPIが存在します。WPIが乳糖を限りなく取り除かれていることから、飲める可能性が高まります。またマッスル、フィジーク系の方は、コンテストが近くなると限りなく脂肪を除きたいとの要望から、WPIを好む傾向があります。アスリートや部活動選手で、カラダを大きくしたいという方は高価なWPIを飲むよりも安価なWPCの量を飲んだ方がカラダは大きくなります。WPIの方がカラダを大きくするのに、本当に効くのか?と言われると、筆者はWPCもWPIも効果は同じで、単にWPCの量を多めに飲めば同じ効果があると思っております。WPC80%よりもWPI90%などと表現できることから、何か効きそう!という感じに使われているのが一般的な見解です。
ソイプロテインとは?
SOY(ソイ)とは大豆のことです。大豆タンパク質がソイプロテインです。ソイプロテインパウダーが正確な製品名です。
ソイは世の中では、健康に良さそう、ダイエットに良さそうというイメージで減量系プロテイン、ウェイトダウン系プロテインに多く使用されております。ソイプロテインパウダーの特徴はホエイプロテインパウダーに比べて価格が安い。また女性にうれしいイソフラボンが豊富。大豆は血圧を安定させるなどの効果も医学的に発表されていることから、ヘルシー、健康志向の商品に多く使用されています。
ソイプロテインパウダーの弱点とは何でしょうか?味が美味しくない、粉っぽい、溶けにくい・・・健康、ヘルシーなのですが、大豆特有の匂いと味が弱点と言えると思います。 ちょっと待ってください、ヘルシーとはいっても同じタンパク質ですので、1g=4kcalのエネルギーを持っていますから、ダイエットとはいえ、たくさん量を摂取すれば、ホエイプロテインと何ら変わりませんのでご注意ください。
ソイプロテインはなぜホエイプロテインより安いのか?牛乳と大豆どちらが安いと思いますか?世間的には大豆ですよね。日本では国産大豆も作られております。しかし、ほんの僅かな量です。よく、豆腐のパッケージに「国産」と書いてありますよね。国産の意味は国内で製造加工したということであり、大豆が国産であると一言も書いていません。プロテインも「国産」というのは国内で製造したことであり、ホエイプロテインの原料が国産と書いてあるわけではないです。
大豆に話を戻しましょう。プロテインパウダーや豆腐、納豆の原料名の部分を見てみると・・・「非遺伝子組み換え大豆」と書いてあると思います。そうです。なぜこの表記があるのか?というと、日本は非遺伝子組み換えの大豆を好むからです。 大豆は国内消費量309万5000トンの91%を輸入に頼っています。国内で生産される大豆の量は30万トンに満たない程度です。日本の最大の大豆輸入先はアメリカで、184万9000トンを輸入しているようです。これは輸入量の65%で、第2位はブラジル、第3位はカナダで、この3カ国で輸入量のほぼ100%を占めているようです。
アメリカ農務省の作付面積データによると、アメリカ産大豆の94%が遺伝子組み換えのようで、逆に言うと、非遺伝子組み換え大豆は生産量のわずか6%に過ぎないようです。
要するにアメリアカの大豆のほとんどが遺伝子組み換えの大豆(病気になりにくいなどの遺伝子組み換えを行っている)がほとんどで、非遺伝子組み換えの大豆は、ほぼ日本向けに作られているのが多いと言われています。
日本は遺伝子組み換えの大豆は日本人は好みませんので、多くは非遺伝子組み換えを業者は選択します。ですが、遺伝子組み換えのソイプロテインパウダーは個人輸入だと入ってきてしまいます。ようするに、日本規格ではないものが手に入ってしまうわけです。海外製のプロテインパッケージを見て、遺伝子組み換えの大豆なのか?非遺伝子組み換えなのか?見てわかりますか?日本のメーカーであれば、問い合わせすることも可能ですが、アメリカの会社に直接問い合わせするのは相当難しいことと思います。
ソイプロテインパウダーは国産ものがあります。それは日本国内で大豆からソイプロテインパウダーに加工しているということでありますが、原料の大豆はほぼ海外製であることが言えます。
これは豆腐や納豆も全て同じことが言えます。 ソイプロテインパウダーは日本製の大手企業のものから、ソーセージやハムに増粘剤として、タンパク質の質を落とさないようにつなぎとして、ソイプロテインを多く使用されています。その多くは中国産のソイプロテインパウダーが多いのです。ソイプロテインパウダーの国内消費の多くは、実はハムやソーセージの原料の一部として使われているわけです。え〜中国製・・・と思うかもしれませんが、日本の上場大手企業が安心安全の管理の下で生産を行っているわけですから特に問題は発生しません。きちんと日本の正規ルートを経由していれば問題ないです。
ここでまた一つ疑問が・・・ハムやソーセージを食べていると、中国産のソイプロテインを食べているのと同じではないか!ということになります。よく栄養士の方が、食品は安心安全なものを、プロテインパウダーではなく、食材から摂りましょうなんて話をよく耳しますが、いやいや待っていください。ハムやソーセージに入っているプロテインパウダーはよくて、プロテインパウダーの単品はNOというのはおかしな話じゃないですか!プロテインパウダーも食材ですし、プロテインが体に良くないというならば、ハムやソーセージも食ることができないというとなります。
筆者の企業はお客様のご要望に応じるためにソイプロテインの原料を種類か用意しております。安価な中国製、アメリカ製、日本製の溶けやすい、大豆臭の限りかなく取り除かれているタイプなど・・・ご予算とお客様がどのレベルを用意して欲しいのか?により紹介をさせていただいております。
ちなみにですが、国内大豆加工の最大手不二製油さんのプロリーナ900という製品があります。これはホエイプロエイン並みに高価なものですが、溶けやすさ、味、大豆臭臭くないという点ではものすごくいい商品です。日本の加工技術の高さを感じます。筆者の自社商品はこのプロリーナ900のタイプのみを使用しております。