●山茱萸  

●山薬

●柴胡

●山梔子

●山査子

●三稜

●山椒

●酸棗仁


●山茱萸(サンシュユ)top↑

【効能】強壮、収斂、止血、補腎

【薬理作用】補益肝腎・渋精・斂汗

【性味:性】微温

【性味:味】酸・渋、

【帰経】肝・腎経

【用量】常用は3~9g。虚脱には60~120g。

【使用上の注意】尿が出にくいものには投与してはならない

 

●山薬(サンヤク)top↑

【効能】滋養強壮、強精、止瀉、鎮咳、止渇

【薬理作用】補脾胃・益肺腎・滋養作用・止瀉作用・去痰作用

【性味:性】微温

【性味:味】甘

【帰経】脾・肺経

【用量】9~30g、多いときは60~120g。食料には適量で、最高250gまで用いてよい。

【使用上の注意】炎症性の下痢に用いてはならない。大便が硬いときには使用しない方がよい。多服するとかえって気滞を生じやすい。脾虚でも、腹が脹って苦しいときには用いない方がよい。またアルカリ性の薬物と混合したり、煎じる時間が長すぎると、含有するアミラーゼの効力がなくなる。

 

●柴胡(サイコ)top↑

【効能】解熱、解毒、鎮痛、鎮静、胸脇苦満、寒熱往来などの消炎

【薬理作用】解表・解熱・疏肝解欝・升挙陽気解表・解熱・疏肝解欝・升挙陽気 解熱作用、鎮静、鎮痛、鎮咳作用等の中枢抑制作、抗炎症作用、抗潰瘍作用、脂質代謝に 対する作用等きわめて多岐にわたって薬理作用をもっていることが認められている。 かつこれら薬理作用を示すものが主として柴胡の有効成分であるsaikosaponinによ るものであることが、明らかにされた。 柴胡の薬理作用として、鎮痛、鎮静、 鎮咳などの中枢抑制作用や、抗炎症作用、抗潰瘍作用、脂質代謝作用等が認められている。これらの薬理作用は柴胡の薬能の一部を説明しているものと思われる。

【性味:性】微寒

【性味:味】苦

【帰経】心包・肝・三焦・胆経

【用量】6~18g 肝気鬱結をといて鎮静・鎮痛するときは6~9g。解熱発汗作用を強めるときには15~18gまで用い、時間をかけて濃く煎じる。

【使用上の注意】陰虚による咳嗽や潮熱には、柴胡を用いるべきではない。

 

●山梔子(サンシシ)top↑

【効能】消炎、解熱、鎮静、止血、緩下、整腸、胆汁分泌促進

【薬理作用】清熱瀉火・涼血解毒、解熱作用、黄疸消退作用、止血作用、抗菌・抗真菌作用、鎮静作用、降圧作用

【性味:性】寒

【性味:味】苦

【帰経】 心・肝・肺・胃経

【用量】3~9g

【使用上の注意】

梔子鼓湯は、熱性疾患回復期の不眠・胸があつ苦しいなどの症状に用いるものである。古人は経験的に、生山梔子を服用すると嘔吐しやすい(炒山梔子ではおこらない)としている。実際には、痰がつまって胸苦しいときに梔子鼓湯を服用すると、嘔吐しやすく、嘔吐のあとはかえって気分がよくなる。痰や胸苦しさがないときには嘔吐は生じない。
虚寒による泥状便には使用してはならない。

 

●山査子(サンザシ)top↑


【効能】健胃、消化、整腸、駆瘀血
【薬理作用】消食化積・去瘀行滞 消化促進作用、抗菌作用、血管拡張・降圧作用
【性味:性】微温
【性味:味】酸・甘
【帰経】脾・胃・肝経
【用量】6~12g
【使用上の注意】呑酸・吐酸など胃酸過多の症状があるときには用いない方がよい。胃潰瘍にも用いない方がよい。

 

●三稜(サンリョウ)top↑

【効能】健胃、通経、破血、駆瘀血
【薬理作用】破血去瘀 莪朮と似ているが、吸収促進作用もある
【性味:性】平
【性味:味】苦
【帰経】肝・脾経
【用量】3~9g
【使用上の注意】等量の人参か党参を配合して用いる。
 妊婦・月経過多には使用しない

 

●山椒(サンショウ)top↑ 


【効能】芳香辛味健胃、鎮痛、鎮咳
【薬理作用】温中・止痛・去湿・駆回 抗菌作用・回虫駆除作用
【性味:性】大熱。有毒。
【性味:味】辛
【帰経】脾・胃・肺・腎経
【用量】2.5~6g
【使用上の注意】

 

●酸棗仁(サンソウニン)top↑ 


【効能】神経・精神の強壮、鎮静、催眠、健胃
【薬理作用】養肝・寧心・安神・斂汗 鎮静作用・降圧作用・子宮興奮作用
【性味:性】平
【性味:味】甘・酸
【帰経】心・脾・肝・胆経
【用量】9~18g。大量では21~24g、最大30gまで。大量に用いて昏睡・知覚喪失を来したとの報告があるので注意を要する。
【使用上の注意】 薬性はおだやかで、精神安定と同時に滋養強壮作用がある。一般に炒って用いる。実験データと臨床経験によると、生酸棗仁と炒したものにはそれぞれ適応症がある。虚熱・もうろう状態、あるいは煩躁・疲れやすいなどの症状があるときは、鎮静効果が強い生あるいは半生半灼を用いる方がよい。消化不良・自汗など脾胃気虚の症状がある場合は炒って用いる方がよい。