●黄耆(オウギ)

【効能】固表止汗、利水利尿作用、強壮作用

【薬理作用】補気升陽・固表止汗・利水消腫・托毒排膿、水浸液、70%エタノールエキス、エタノールエキスを実験動物に静脈投与すると血圧降下作用が認められた。また、煎液を皮下投与すると利尿作用が認められた。

【性味:性】微温

【性味:味】甘

【帰経】脾・肺経

【用量】一般には、9~15g。脱肛には30gを用いる。

【使用上の注意】高血圧症・顔面の炎症のある人には用いない。

 

●黄柏(オウバク)

【効能】解熱、消炎、健胃整腸、利尿、抗菌

【薬理作用】清熱燥湿・瀉火解毒・清虚熱・利尿・健胃作用もあり、外用すると皮下溢血の吸収をよくする。黄色ブドウ球菌の増殖阻止作用。胆汁分泌促進作用。

【性味:性】寒

【性味:味】苦

【帰経】腎・膀胱・大腸経

【用量】内服は、3~12g、外用は適宜

 

●黄連(オウレン)

【効能】鎮静、消炎、整腸、健胃、解毒、制菌

【薬理作用】清熱燥湿・瀉火解毒・黄連の50%エタノールエキスは、グラム陽性菌-陰性菌のある種のものに対して低濃度で制菌作用がある。また黄色ブドウ球菌増殖阻止作用があるが、大腸菌に対しては無効である。一方含有成分の berberineの抗菌作用は腸内細菌群に対しサルファ剤とを同程度の増殖阻止作用が認められた。また、黄連エキス及びberberineは、摘出小腸に対し鎮攣作用、摘出腸管・子宮に対し緊張作用・胆汁及び膵液分泌促進作用・動脈硬化に対する予防効果・抗炎症作用などが認められている。

【性味:性】寒

【性味:味】苦

【帰経】心・肝・胆・胃・大腸経

【用量】1.5~9g

【使用上の注意】黄連は、苦寒性が強いので長期間服用すると胃腸障害を起こす。

 

●黄芩(オウゴン)

【効能】消炎、利胆、解熱、利尿、止瀉

【薬理作用】清熱燥湿・瀉火解毒・安胎・胆汁分泌促進作用・利尿作用また解毒作用がある

【性味:性】寒

【性味:味】苦

【帰経】心・肝・胆・胃・大腸経

【用量】6~15g、2歳以下は1.5~5g

【使用上の注意】脾胃気虚の小児には単独では用いない。少量の党参を配合する。

 

●遠志(オンジ)


【効能】去痰、強壮、消癰、精神安定
【薬理作用】安心・去痰・消瘍 精神安定に用いる。
神経衰弱や病後の、不眠・動悸・身体があつ苦しいなどの症状に適用する。
抗消化性潰瘍 去痰作用 インターフェロン誘起作用
【性味:性】温
【性味:味】苦・辛
【帰経】肺・心・腎経
【用量】3~9g 常用量は5g
【使用上の注意】量が多すぎると嘔吐を引き起こす。