●甘草 (カンゾウ)
●乾姜(カンキョウ)
●艾葉 (ガイヨウ)
●葛根 (カッコン)
●甘草(カンゾウ)top↑
【効能】鎮痙、鎮咳、抗炎症、潰瘍修復、抗アレルギー作用
【薬理作用】補脾益気・清熱解毒・潤肺止咳
glycyrrhizinの分解産物は生体の肝臓で有害産物と結合して解毒する。又gly-cyrrhizinは抗アレルギー作用があり皮膚科領域で応用されている。近年甘草エキス、gl-ycyrrhizin及びおその分解物には抗炎症作用、副腎皮質ホルモン様作用の有ることが明らかにされた。又glycyrrhizinの誘導体には抗潰瘍作用が見いだされた。甘草の鎮痙作用はそのフラボノイド成分にある。その他甘草エキスには鎮咳作用、免疫抑制作用等も報告される。
【性味:性】平
【性味:味】甘
【帰経】十二経
【用量】3~6g
【使用上の注意】腹部膨満感・嘔吐・浮腫などの症状がある場合。長期に甘草単味を服用すると、水腫・高血圧などの副作用が生じる。
●乾姜(カンキョウ)top↑
【効能】主として水分、体液の偏在、停滞を治す。また、嘔吐、咳、下痢、手足の冷え、煩悶して落ち着かないもの、腹部、胸部、腰部の疼痛も治す。清肺提気・きょ痰排膿
【薬理作用】温中・回陽・温肺化痰。 循環促進:血液循環を促進するので、服用すると胃腸に温暖感が生じる。これを「温中散寒」という。健胃:止嘔。
昇圧:反射的に血管運動中枢を興奮させ、交感神経系の興奮によって血圧を上昇する。辛辣な刺激は健康人の血圧を上昇させる。
【性味:性】大熱
【性味:味】大辛
【帰経】心・肺・胃・腎経
【用量】3~9g 大量で12~15g
【使用上の注意】妊婦には使用しない方がよい。陰虚内熱による咽頭痛や汗が多いときには使用しない
【効能】収斂止瀉、鎮静作用
【薬理作用】斂肺利咽・渋腸止瀉
【性味:性】平
【性味:味】苦・酸
【帰経】肺・大腸経
【用量】3~9g
【使用上の注意】急性のものには用いない。
●艾葉(ガイヨウ)top↑
【効能】消炎、収斂、止血、止瀉、温経薬
【薬理作用】温経・止血・散寒・除湿・止痛
【性味:性】温
【性味:味】苦・辛
【帰経】肝・脾・腎経
【用量】3~15g
●瓜呂仁(カロニン)top↑
【効能】消炎、解熱、鎮痛、袪痰、抗菌
【薬理作用】清熱化痰・利気通便・潤肺化痰
作用機序は消炎・袪痰・通便と考えられる。
抗菌作用・抗ガン作用
【性味:性】寒
【性味:味】苦
【帰経】肺・胃・大腸経
【用量】6~18g
●夏枯草(カゴソウ)top↑
【効能】消炎、清肝、散結、降圧利尿
【薬理作用】清肝熱・散結 あきらかな利尿作用がある。
【性味:性】寒
【性味:味】苦・辛
【帰経】肝・胆経
【用量】9~15g
●莪朮末(ガジュツ)top↑
【効能】芳香性健胃、消炎、駆瘀血、通経
【薬理作用】行血破瘀・攻逐積滞 吸収促進作用・抗腫瘍作用・健胃作用
【性味:性】温
【性味:味】苦・辛
【帰経】肝・脾経
【用量】3~9g
●何首烏(カシュウ)top↑
【効能】新鮮な鮮何首烏、乾燥した生何首烏は、潤腸、解毒、瀉下、消炎作用があり、製何首烏(黒豆汁で蒸したもの、または火で炙った炙何首烏)は、強壮、益精補血、補肝腎
【薬理作用】滋陰・強壮・益精補血 コレステロール降下作用・動脈硬化の抑制作用・瀉下作用・抗ウイルス作用
【性味:性】温
【性味:味】苦・甘・渋
【帰経】肝・腎経
【用量】9~15g
【使用上の注意】
●莪朮(ガジュツ)top↑
【効能】芳香性健胃、消炎、駆瘀血、通経
【薬理作用】行血破瘀・攻逐積滞
吸収促進作用・抗腫瘍作用・健胃作用
【性味:性】温
【性味:味】苦・辛
【帰経】肝・脾経
【用量】3~9g
【使用上の注意】莪朮の薬性はあまり激しくはないが、破削の薬物であるので、三稜を配合して使用する時は、等量の人参か党参を配合して用いる。
妊婦・月経過多には使用しない。
近年ダイエット効果がうたわれ、インターネットでブームになっております。100パーセント粉末を1日80グラム服用しても常用しても副作用がないとインターネットの記載を見ますが、気をつけたほうがよいかと思います。
●葛根(カッコン)top↑
【効能】止渇、生津、開腠、発汗、傷寒中風《本草備要》、主治項背強急《薬微;吉益東洞》
【薬理作用】解肌退熱・透疹・生津止瀉・滋潤筋脈
解熱作用・冠状動脈拡張作用・脳血流量の増加作用
【性味:性】平
【性味:味】甘・辛
【帰経】脾・胃経
【用量】6~24g。葛根総フラボンは、1日量100~300mgを2~3回に分服。
【使用上の注意】
●藿香(カッコウ)top↑
【効能】止瀉、胃液分泌促進、解熱
【薬理作用】化湿和中・解暑・解表
制吐作用・健胃作用・解熱作用・抗真菌作用。毛細血管拡張作用。
【性味:性】微温
【性味:味】辛
【帰経】脾・胃・肺経
【用量】6~15g
【使用上の注意】
- 霍香・紫蘇葉・芦根にはいずれも鎮嘔作用があるが、霍香は健胃止嘔・紫蘇葉は発汗解表の力が強く、芦根は胃熱(口が苦い・口乾・口臭・舌湿が紅・舌苔が黄色でザラザラしている・脈は滑数などの症状。)による嘔吐に効果がある。
- 霍香葉は発散の力が強く、霍香梗は制吐の力が強い。
- 陰虚火旺・胃熱による嘔吐には使用しない。
●栝樓根(カロコン)top↑
【効能】抗消化性潰瘍作用、インターフェロン誘起作用
【薬理作用】清熱潤燥・排膿消腫・生津止渇 現在では、抗腫瘍作用があることが実証されている。in vitro で、動物に接種した腫瘍に対しあきらかな抑制作用がある。
【性味:性】寒
【性味:味】甘・酸
【帰経】肺・胃経
【用量】湯剤には3~12g
【使用上の注意】
- 消化吸収能の低下(胃気虚)による湿痰やショック(亡陽)による煩渇には天花粉を使用してはならない。
- 天門冬・麦門冬との比較:3者とも清肺潤燥の効能があるが、胃熱によって生じた肺熱には天花粉が、心熱によって生じた肺熱には麦門冬が、腎陰虚によって生じた肺躁には天門冬が適している。3者を同時に併用してもよい。
- 天花粉は高分子の植物タンパクであるから、静注や筋注で発熱・心拍数増加・頭痛・胸苦しいなどの副作用を起こしやすい。それゆえ注意深く観察すると同時に、あらかじめ皮内試験を行わなければならない。