●麦門冬(バクモンドウ)

【効能】鎮咳、去痰、止渇、解熱、消炎、抗菌、滋養強壮、強心、利尿

【薬理作用】解熱・消炎・鎮咳・去痰・利尿・強心・強壮作用、抗菌作用

【性味:性】微寒

【性味:味】甘・微苦

【帰経】心・肺・胃経

【用量】6~18g。強心には大量に用いる。

【使用上の注意】 麦門冬と天門冬の比較:麦門冬は清肺潤燥の力が強く、天門冬は滋補肺腎の力が強い。肺結核の燥咳には天門冬と麦門 冬を同時に使用する。
 寒涼薬に配合するときには生で用い、補益薬に配合するときには酒炙する。
 気虚・胃寒(脾胃陽虚)・泥状便には使用しない。
 麦門冬心(胚芽)を服用すると胸部の熱感を生じやすいので、養肺陰の薬物として使用するときには心(胚芽)を除去すべきである。

 

●半夏(ハンゲ)

【効能】鎮嘔、鎮吐、鎮静、鎮咳、去痰、唾液分泌亢進

【薬理作用】和胃止嘔・燥湿去痰・散結消腫・制吐作用・催吐作用・鎮静作用・眼圧低下作用

【性味:性】温。有毒。

【性味:味】辛

【帰経】脾・胃経

【用量】9~12g

【使用上の注意】 半夏の性質は辛燥で、咽乾・舌のしびれなどの副作用がある。生半夏の性質はさらに激しく、咽喉の刺激・舌の腫脹・ 失声・嗄声などの中毒症状が発生するので、一般に十分に炮製してから使用すべきである。実験によると、明礬・生姜で炮炙したときに は、明礬は動物に対する半夏の発声障害を除去し、生姜は半夏の制吐作用に協同的にはたらく。“半夏を炮製すると薬力が低下するので 生半夏を用いるべきで、副作用の緩和には生半夏を砕いて生生姜に10分ぐらい漬けるだけでよい”と主張する人もいるが、一般に内服す るときは生半夏は使用すべきでない。寒痰による呼吸困難・咳嗽で生半夏が必要なときには、生姜を多量に加えて毒性を弱めるとともに 去痰・鎮咳の作用を強めるべきである。
 姜半夏(法半夏)は燥湿・去痰・制吐の力が強いので、脾湿(脾気虚のため水分代謝が障害されて生じた“湿”)による胃内の分泌物停滞(痰飲)・唾液が多く嘔気をともなう寒痰によく用いる。
 清半夏は辛燥の性質が非常に弱くなっているので、虚弱で痰が多く・寒湿の程度が軽いときに適している。このほかに清半夏と小麦粉を 発酵させて作った半夏麹があり、辛平・微甘で温胃化滞・解欝の効能があるので、腹が脹り嘔気をともなう脾胃気虚に適する。
 川貝母との比較:両者とも去痰作用があるが、半夏は辛温で湿痰に、川貝母は苦涼で熱痰に適している。また、半夏は(茯苓を配合して )胃中の痰を、川貝母は(陳皮を配合して)は胃中の痰を除く。一般には、川貝母と半夏を併用すると去痰の力が全面的で強力になる。
 陰虚・熱証・出血・肺燥で痰が喀出しにくいときなどには用いるべきでない。寒湿が原因でない咳嗽・痰・嘔吐には用いるべきでない。 妊婦には用いない方がよいが、状態に適合しているときには用いてもよい。ただし法半夏を使用すべきで、紫苑・括楼皮で代用してもよ い。
 半夏を服用して中毒症状があらわれたときには、砂糖で漬けた生姜片を服用するか、生姜を砂糖漬けにした汁を飲むと緩解する。
 習慣的に半夏と烏頭の配合は禁忌とされているが、最近のいくつの実験によると、半夏と烏頭を混合して動物に投与しても重篤な反応は 起こらない。

 

●薄荷(ハッカ)

【効能】健胃、駆風、解熱、発汗、止痒、抗菌

【薬理作用】疏散風熱・清利咽喉・透疹・消炎作用、鎮痛作用、健胃・整腸作用、止痒作用、抗菌作用

【性味:性】涼

【性味:味】辛

【帰経】肺・肝経

【用量】2~6g。煎剤にはあとでいれる。

【使用上の注意】肺虚の咳嗽・陰虚の発熱には使用すべきでない。乳汁分泌低下の副作用があるので、一般に授乳中の婦人には用いてはな らない。

 

●白豆蔲(ハクズク)

【効能】芳香性健胃駆風薬、香辛料
【薬理作用】化湿和胃・行気寛中 健胃・制吐・胃内ガスの下降作用、腸の蠕動促進作用
【性味:性】温
【性味:味】辛
【帰経】肺・脾・胃経
【用量】湯剤には3~6g。散剤として服用する方が効果があり、1.5g~3g用いる。
【使用上の注意】熱証の腹痛には使用しない。

 

●白扁豆(ハクヘンズ)

【効能】消炎、止瀉、解毒、利尿
【薬理作用】消暑化湿・和中健脾 利尿作用がある。
【性味:性】微温
【性味:味】甘
【帰経】脾・胃経
【用量】6~18g
【使用上の注意】




 

●貝母(バイモ)
【効能】
【薬理作用】
【性味:性】
【性味:味】
【帰経】
【用量】
【使用上の注意】