和豚もちぶたからはじまる、新潟県産コシヒカリの誕生。よつばフード株式会社 川上克さん和豚もちぶたからはじまる、新潟県産コシヒカリの誕生。よつばフード株式会社 川上克さん

和豚(わとん)もちぶたは、その名の通り、もちもちとした弾力のある歯ごたえと、したたる甘い脂が魅力の豚肉。塩こしょうをふるだけでその旨味や甘さを感じられるロース肉や、じゅわっと口の中で溢れる肉汁がたまらないベーコン、いくらでも食べられてしまいそうなしゃぶしゃぶなど、バラエティー豊かにその味を楽しめます。

一方で和豚もちぶたになるまでには、美味しく育てるための苦労や厳しい審査を乗り切らなくなりません。川作ファーム株式会社は養豚業を開始して今年で46年目。新潟市を代表する豚肉を日々研究しています。

 日本でいちばん、美味しい豚肉を目指して

日本でいちばん、
美味しい豚肉を目指して

よつばフードの代表を務める川上克さんは、同じく代表を務める川作ファームで和豚もちぶたの飼育、生産を行い、よつばフードで和豚もちぶたの加工、製造販売を行っています。

「約40年前になります。全国の有志の養豚農家が集まり” 日本一おいしい豚肉をつくろう”と一致団結。毎日食べても飽きない、あっさりとした食味をコンセプトに、グローバルピッグファーム株式会社を設立。日本一の養豚を目指した自社製品『和豚もちぶた』の育成をはじめました。餌はもちろんですが、育種改良のために、豚の品種にこだわっています。理想の和豚もちぶたという「子」を生み出すために、父親や祖父母にあたる豚の品種を厳選して育種。肉自体の質はもちろんですが、体型や歩き方、爪の形なども研究し、優れた豚に育てています。」

ただ、そのすべてが和豚もちぶたになれるわけではないのが厳しいところ。

新潟の地が生んだ、豚肉の最高峰を全国へ 新潟の地が生んだ、豚肉の最高峰を全国へ

新潟の地が生んだ、
豚肉の最高峰を全国へ

「市場に出る前に、熟練した専門家によって、和豚もちぶたとして販売して良いかの査定が行われます。見られる点は主に3つ。豚肉自体の形、赤身の色具合、脂の厚さと入り方。特に牛肉でいう“サシ”のように脂がどう赤身に入っているかが重要。胃もたれしないさっぱりとしていて甘みのある脂が持ち味なので、“サシ”に気を配っています。」

晴れて、和豚もちぶたとして認定を受けた豚肉のうち、新潟地区のみ『越後もちぶた』と呼ばれ、地域に根付いた特産品のひとつとして名を馳せています。

北は北海道から南は佐賀県まで約70の農場が参加しているグローバルピッグファーム。
そのうちの13農家が新潟に根を下ろし、和豚もちぶたの育成に励んでいます。

コシヒカリの稲作に必要なのは、和豚もちぶた!?

コシヒカリの稲作に必要なのは、
和豚もちぶた!?

よつばフードのもうひとつの顔は『お米づくり』。米処・新潟らしく、コシヒカリにこだわっています。

「元々は、明治時代から続くお米農家だったんです。区画整備により、お米の価値が下落。養豚業をはじめたのですが、稲作は毎年続けていました。」

そのコシヒカリを稲作する上で、欠かせないのがなんと和豚もちぶた。

「豚のフンや米ぬか、枝豆の殻などを混ぜこんだ『もみがら堆肥』を田んぼに入れて土づくりを行なっています。入れたからといって、すぐに土の状態が良くなるわけではないので、年月が必要になってきます。もみがら堆肥によって、土の中で微生物が増殖。お米に旨味や甘みをプラスしていきます。」

知り合いのお子さんはここのお米じゃないと食べないというほど美味しく、地元の生産者や事業者もここのお米は本当に甘いと、リピートしてくれる方が多くいるそうです。 また、冷めても甘みがあり、おにぎりなどにしても美味しく食べられるのも特徴です。

養豚×お米づくり
=循環型(エコ)農業

和豚もちぶたを飼育する上で蓄えた豚フンを使用した堆肥を土に混ぜ込み稲作したお米。よつばフードの【循環型農業】の特徴と言えます。

「もみがら肥料には発酵を促すための発酵菌や水も重要。有機質肥料を作り、田んぼに撒いて質の高いコシヒカリに仕上げています。冬は寒くて夏は暑いという新潟の気候条件は一見すると農業には厳しいのですが、湿度が高いため、農産物にとって良いとされています。豚肉とお米。両方をつくり続けることで、エコな農業を実現できているのがやりがいにもなっています。」

養豚×お米づくり=循環型(エコ)農業

新潟を日常で感じてもらいたい新潟を日常で感じてもらいたい

「これからはお米の良さをもっと知ってもらうための商品開発もしていきたいですね。もちぶたは、レンジでチンするだけで食べられるロースカツなどがあるので、ひとりで食べるごはんなど、ライフスタイルに合わせた商品を企画している真っ只中。 日常で食べてもらいながら、新潟という地を感じて食べていただければ嬉しいですね。」