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輝くにかほの職人たち

株式会社 飛良泉本舗

時を遡ること530年以上前の室町時代。酒蔵・飛良泉は幕を開けました。山廃造りを真骨頂に、その歴史を現代へ息づかせています。 齋藤雅昭さんは、27代目の当主。東京で広告マンとして働いていた異例の経歴を持ち、30歳を節目に実家である酒蔵を2018年より引き継いでいます。

明治後期からはじまったとされる技法・山廃造り

明治後期からはじまったとされる技法・山廃造りとは、日本酒の土台となる酒母(蒸米、麹、仕込み水を発酵させたもの)づくりを、一般的な1週間よりも4倍の約1ヶ月間かけて行うことを表しています。 自然由来の乳酸が増えるのを待つため時間がかかってしまうんです。その分、こってりとした舌触りの中にも重さがなく、コクで勝負できる味に仕上がります。特徴のひとつである酸味がより旨味を引き出しているのも魅力です。

現代の主流である人工の乳酸を使用する醸造方法とは異なり、手間も時間もかかりますが、鳥海山の伏流水というミネラル豊富な水源や、外気温0度から5度というお酒造りには最適とされる寒さのあるにかほの地だからこそ、行う価値があると思っています。

また、山廃造りを継承している中でも、年代毎に変わる食文化に合わせて進化させています。 お酒造りは、食文化と一緒に新しくなっていくと思っているので、根底がありながらも、その時代に受け入れられる味を追求しています。

飛良泉のお酒ができるまで

飛良泉のお酒ができるまで

当蔵のお酒が完成するまでの工程は大きく分けて15段階。 出来上がるまでに約3ヶ月ほどかかります。新米の時季である10月くらいから始まり、12月中旬から年明けに、いわゆる「新酒」がお目見えします。
原料となる「酒米(さかまい)」を磨いていく作業から入るのですが、人気のある吟醸酒や大吟醸酒はこの工程で決まります。60%磨いたのが吟醸、半分の50%以上磨いたのが大吟醸。磨けば磨くほど雑味が消え、キレイな味へと変化していきます。
5段階目の浸漬ではストップウォッチで秒単位で計測。米一粒一粒の水分量を均一にし、より質の高いお酒になるように手間を惜しみません。最後に行う火入れの後は、瓶にオリジナルのラベルを貼って完成。店頭に並びます。

日本酒ができるまで

にかほの四季を
”集めたくなる”
ラベルへのこだわり


四季に分けて味の変化を楽しめる『FOUR SEASONS』もラベルに目が留まる商品。 写真左から「秋」ひやおろし、「冬」しぼりたて、「春」うすにごり、「夏」涼冷(すずび)え。 それぞれ鳥海山が最もキレイに見える時間帯を優しい色合いで表現しており、漫画の背表紙のように集める楽しさも感じてもらえればと思っています。

ボトルデザイン

バナナのように変化、味を育てる おすすめの酒器は、平盃

バナナのように変化
味を育てる


味は日々変化していきます。開栓するとよりスピードがすすむため、定期的に飲みながら、好みの味を見つけて欲しいです。例えばバナナと同じで、緑色の固いときが好きな方もいれば、熟成されたちょっと黒みがある皮のときが好きな方もいるかと思います。それと同じで、フレッシュなお酒は苦味を感じやすく”若い味”がします。あえて時間を置き、熟成させると苦味が消えていい香りだけが残る。ご自身の好みの味になるまで育てていって欲しいですね。

おすすめの酒器は、平盃

器によって味が変わってくる日本酒。飛良泉のお酒の場合は、平盃がおすすめ。できれば薄く仕上がっているもの。ワイングラスと違い、入射角や口の中に流れ込んでくるスピードが違うので、舌に浸透していくように旨味、コクを味わえる平盃でぜひ試してみて欲しいです。

飛良泉

今後は日本以外にも海外の方にも飛良泉を知ってもらうために輸出の拡大を考えています。 ただその一方で、地域に寄り添った酒造りも目指しているので、原料となる米作りにも挑戦する予定です。530年以上という歴史に甘んじず、地元にかほ市に密着した酒蔵になっていくのが目標です。


飛良泉のお酒を飲む

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