アウトドアでの眠りを作るのに欠かせないのがシュラフ。
ふかふかの等身大サイズで疲れを癒す、布団の役割を果たします。
自分に合った型はもちろん、目的地の気温を事前にチェックして、対応するシュラフを選びましょう。
シュラフの豆知識
シュラフのメンテナンス・洗い方
日頃のお手入れ
シュラフを使った後にそのまま放置しておくと、臭いがしたり、中綿がつぶれて保温力が低下してしまいます。必ず、ほこりをはらい落とし、表面のちょっとした汚れは水で湿らせたタオルなどでふき取ったり部分洗いをしてから陰干しして乾燥させてから保管しましょう。
洗い方
シュラフは洗うと保温力が低下したり、中綿が切れたりするので避けたいところですが、汚れや臭いがひどい場合は思い切って洗ってしまいましょう。
本来は、クリーニング専門店に出すのが一番ですが、自分で挑戦したい方は、まずは必ず表示されているお取り扱い方法を良く読んでください。(モノによっては水洗い厳禁と記されているものもありますので、必ずチェック。)大きな容器で一気に洗うのがコツなので、バスタブを使うと洗いやすいですよ。
洗う前にファスナーを全開にして広げ、糸のほつれや生地の切れ・裂けなどを確認、補修してください。中身の綿や生地全てが水を含んでしまうので、洗っている最中はシュラフがものすごい重量になります。このとき表地や裏地に切れ・裂けがあるとその部分に負担がかかり、傷が広がってしまうことがあります。
STEP1
表示されているお取り扱い方法を良く読んでから、シュラフの中綿に合わせて洗剤を用意します。中綿が化学繊維の場合は中性洗剤、ダウンの場合はダウン専用洗剤を用意。
STEP2
人肌程度のぬるま湯を30cmくらい溜め、洗剤をよく溶かします。そこへシュラフを入れて押し洗い。ファスナー全開のまま中の空気を押し出すようにゆっくりと湯に沈め、押し洗いを十分に行ってください。
汚れのひどい箇所は、歯ブラシ等でかるくこすって落とします。生地や中綿が傷ついてしまわないようにやさしく押し洗いを繰りかえし、繊維同士をこすりつけることは避けてください。
STEP3
全体の押し洗いを終えたら浴槽の栓を抜いてよごれた湯を流してください。シュラフをなるべくきれいに折りたたんだ状態で上から押し、含んだ水分を押し出します。
再度お湯をためるなどして、シュラフから泡が出なくなるまで押し洗いの要領ですすぎを繰り返していきます。このとき洗剤が残っていると変色の原因になる場合もありますので、すすぎは念入りにしましょう。はじめに薄めに洗剤を溶かすのは、このすすぎのときに洗剤がなるべく残らないようにするためです。
STEP4
浴槽の中で小さく折りたたみ、体重をかけてなるべく水をしぼり出してください。 水を含んで重たくなったシュラフを上からつまみ上げると、生地に大きな負担がかかってしまいます。
繰り返しになりますが、水を含んだシュラフの重さはハンパではありません。ハッキリ言って想像をはるかに越えるものです。 両手で下からすくうようにして浴槽から取り出してあげないと生地に大きな負担がかかり、最悪の場合切れてしまう場合がありますし、中綿がかたよる原因ともなってしまいます。
水をしぼり出してすくいあげた後、すのこなどの平らな台の上にタオルを敷いて、その上に暫く置いて水気を取ってあげるとさらによいと思います。
STEP5
水気を切った後はまず形を整えてください。このあとすぐに物干し竿やロープにかけてしまうと中綿が偏ってしまいますので、まずはハンモックや網戸、スノコや綺麗にしたハシゴの上に乗せ、風通しの良いところで陰干ししてください。直射日光のあたるところで干してしまうと、生地の変色・劣化の原因になってしまいます。
シュラフが完全に乾くまでは真夏で4日程、オフシーズンの今頃で10日程かかると考えてもらったほうがいいです。ダマになっている箇所があるとそこだけ乾きが悪くなるので、時々チェックしてほぐしてあげてください。洗っている最中に中綿が万一かたよっていた場合でも、このときにほぐすことで均一にしてあげることができます。
STEP6
しっかり水分が取れたら防水スプレーをかけてます。水をはじくだけでなく、汚れもつきにくくなるためです。ジッパーにはシリコンスプレーなどの潤滑剤をつけておきましょう。
中綿素材の特徴
シュラフの性能は中綿の素材にかかっています。
一昔前までは中綿といえばダウンでしたが最近では化学繊維もダウンにひけをとらないほど良いものが開発されてきています。化学繊維はダウンに比べコストパフォーマンスに優れ、ご家庭で水洗いできるなどメンテナンスも楽なのでオススメです。
ダウン
軽量で保温性の高い水鳥の羽毛。 天然のエアコンディショニング効果があり、体からの熱を効率よくキープすることができます。
ひとくちに羽毛といってもダウンとフェザーにわかれます。ダウンとはタンポポの綿毛のようなまるい形状をしているもので、フェザーはいわゆる「ハネ」のことで、割合としてダウンが多くてフェザーが少ないほど、風合いが良いです。 ダック(アヒル)とグース(ガチョウ)の2種類あり、グースの方が高品質となります。
ホロファイバー
ポリエステルの繊維一本一本にマカロニのような穴があいている中綿素材。繊維内に温かい空気を溜めることにより、保温性を高める機能を持ちます。
同種のホロフィル808は、米国デュポン社製。
4ホールフィアバー
繊維に4つの穴があいた高性能ポリエステル中空素材。復元力が高く、少ない量でも保温性を発揮する。速乾性があり、洗濯も可能なので、取り扱いやすい。
同種のホロフィルIIは、米国デュポン社製。
インナーのセレクト
すでに持っているシュラフに、ぜひ加えたいアイテムがインナー。冬の急な冷え込みや、汗ばむ夏の夜など、季節に合わせて温度調整ができます。
たとえば冬ならば、保温力が高まるフリースインナーがおすすめ。反対に夏は、吸湿性が抜群のタオル地タイプなら、肌寒いときだけでなく、暑くなったときにはシュラフを敷き布団に、インナーを掛け布団にして寝ることもできます。
テント内のレイアウト
夜間もテント内のスペースを有効に使うために、シュラフの並べ方を工夫してみましょう。
シュラフは、基本的に足元の方に出入り口がくるように配置します。そうすると、夜中にトイレに起きた場合でも、人をまたぐ必要がないので、ほかの人を起こしてしまう、ということもありません。
同様に、荷物も出入りの邪魔にならないよう、枕元へ。もし、左の図とは違って、出入り口と平行に並べなければならない場合は、人が通りやすいように、足元に空いたスペースを確保しておきましょう。
マットの種類
エアマット
空気を抜けば、コンパクトに。ポンプで空気を入れるので、準備には時間がかかります。
フォールディングマット
折りたたんだり、分割されるタイプ。収納が楽。
ロールマット
他と比べて安価。収納するときには少しかさばります。