ブルゴーニュとは
ブルゴーニュは中世、修道院の管理のもとに発展したワイン生産地。
フランスの昔の公国の中では最も豊かな地域としても有名でした。
ブルゴーニュと一口に言っても、様々な個性を持つ幾つかの地区にわかれます。
最も重要なのは、位置としてもクオリティとしてもまさに『心臓』と言える『コート・ドール』(=黄金の丘)。「ロマネ・コンティ」や「シャンベルタン」「モンラッシェ」などのそうそうたるワインがここから生まれます。
北半分をコート・ド・ニュイ、南半分をコート・ド・ボーヌと呼びます。その他、辛口白ワインの生産地区として有名な『シャブリ』や11月解禁のヌーヴォーで有名な『ボジョレ』、コストパフォーマンスに優れたワインを生む『マコネ』『コート・シャロネーズ』が主な地区となります。
ブルゴーニュはその昔からの名声の高さにも関わらず、どこか素朴で牧歌的な印象の地域。ボルドーのような壮麗な城館はほとんど見られません。その理由として、ブルゴーニュでは「ドメーヌ」と呼ばれる栽培から瓶詰までを一貫して行う中小規模の生産者が数千存在し、彼らこそがブルゴーニュの今日の名声を担っていることがあります。
また、フランス大革命以来、ナポレオン法典によって、畑の均等分割相続が今でも定められている為、ただでさえ小さな畑が時と共に複数の所有者によって分割所有されていくという事情もあります。(例えば、有名な「クロ・ド・ヴージョ」は50haをなんと80人で分割しています!)しかし、この多数の小規模生産者の存在、細分化された畑がブルゴーニュの面白さ、無数の多様性を生み出していることもまた事実なのです。
ボルドーのワインが複数の品種のブレンドによって、複雑なスタイルを特徴とするのに対して、ブルゴーニュは一般的に、赤はピノ・ノワール、白はシャルドネに代表される単一の品種からワインを生み出すことで、品種・造り手・土地・天候の個性をより率直に表現した味わいとなります。同時にピノ・ノワール、シャルドネ共に世界最高峰のワインが生まれる地域として万人が認めるのがこのブルゴーニュでもあります。
ブルゴーニュで造られるワインは、赤はピノ・ノワール、白はシャルドネが主体となっています。ボルドーなどと違い、いくつかの例外を除いては基本的にこの2品種しか使用しないのが最大の特徴です。この単一品種によって、わずか数kmしか離れていない村々の持つ土地の個性=テロワールの違いが驚くほど鮮明に描き出されます。ピノ・ノワールは栽培・醸造の難しい品種として知られ、最上のワインを仕上げるには造り手に非常に高い技量を要求します。しかし、それが成功した時には何にも変え難い官能的なワインが生まれるのが特徴です。一方、シャルドネは世界中で栽培されるポピュラーな品種ながら、ここブルゴーニュのものは最上の評価をされています。
際立った個性のないブドウがゆえに、ブルゴーニュのテロワールのを力強く表現できるのが強み。しかも、そのしっかりした骨格と美しい余韻は間違いなく飲み手に幸福感を与えます。