かつて、絹(シルク)の着物が日常着であった頃のことです。 当時も絹織物(シルク)は、庶民には大変高価で貴重な織物でした。 その絹(シルク)の着物を大切に着るのは当たり前のことですが、 膝の辺りが傷んできたりすると、前と後ろを裁ち代えて仕立て直し、 穴の開いた部分には裏から当て布をして目立たないように繕い、 表着として再生させました。 さらに全体的に生地が弱ってくると、 長襦袢(下着)として着用したそうです。 それも限界が見えてくると、傷んだところを除けて、 布団表や座布団、鏡台のカバーなどにリフォームしました。 それもお役御免となると、裂いてまとめて、 ハタキとして活用しました。 最後の最後は、裁ち屑などと一緒に燃やして、 その灰を、染物の媒染液として活用したり、 洗濯するときに石鹸の代わりとしても使われたそうです。 さたに畑の肥料としても利用されました。 最後は土に返る、循環型システムがきちんと確立されていたのです。 これって、究極のエコですよね。 |