絶世の美女、クレオパトラや楊貴妃も愛したというシルク。 『繊維の女王』と呼ばれるほどの上品で 美しい光沢、とろけるような肌触り。 そんなシルクの魅力は見た目の美しさや 風合いのよさだけではありません。 未だ化学繊維にはまねのできない、 シルクの素晴らしいパワーをご紹介します。 |
伝統的な高級素材シルク |
シルク(絹)は、蛾の幼虫「蚕(カイコ)」の はきだす繭から作られる天然繊維です。 養蚕は紀元前6000年ごろ中国ではじまり、 シルクの生産は紀元前3000年ごろ、 本格化したのは紀元前2000年ごろと言われています。 日本には弥生時代に製法が伝わったと言われています。 他の天然繊維と比べ生産量が少ないこともあり (綿の300分の1、毛の30分の1)、 古代より珍重され愛されてきた高級素材です。 |
上品で美しい光沢、とろけるような肌触り |
シルクの繊維の断面は三角形をしており、 光をプリズムのように乱反射し、 美しい光沢を醸し出します。 また、非常に細い繊維が、優雅なドレープ性と 滑らかさを生みだし、身にまとう 私たちを豊かな気持ちにさせてくれます。 |
シルクは人間の肌にいちばん近い繊維 |
繭糸は人間の肌とほとんど同じタンパク質でできており、 人間の肌との相性が良く、人間の皮膚に必要不可欠なアミノ酸が 18種類も含まれていることから、手術の時の縫い糸や、 人工血管、医療製品、また食品などにも利用される貴重な原料です。 |
お肌がきれいになる? |
シルク(絹)は、フィブロイン(70%〜80%)と それを取り囲むセリシン(20%〜30%)の 二つのタンパク質で構成されています。 セリシンは生地になるとき精錬されて落とされてしまいますが、 フィブロインはグリシン、アラニン、セリン、 チロシン等のアミノ酸を多く含んでいます。 これらには美肌効果がある成分も含まれていて、 化粧品の材料としても使われています。 シルクを縫製している人たちの手は、 ハンドクリームをつけなくてもすべすべと綺麗なのもうなずけます。 さらに、シルクはデリケートな素材なので摩擦によって フィブリルと呼ばれる微細繊維が毛羽立ち、 優しく肌をなで不要な角質や 毛穴の汚れを落としてお肌を磨いてくれます。 シルクは、吸汗、速乾、通気、清涼、保温性、 紫外線カットを備えた、お肌にとって最適な素材なので、 肌の弱い方にも負担が少なく、身にまとうだけで お肌を優しく守り、美しく導く作用があります。 また、シルクの美しい光沢は、 着る人のお肌も美しく見せてくれます。 |
シルクには天然のUVカット効果が! |
シルクは、シミ・ソバカス・しわの原因となる 紫外線を自ら吸収して、 肌への到達を90%以上カットするといわれています。 黒いものほど紫外線カット率は高く、白いものは低いです。 シルクの衣類が日光に当たると変色しやすいのは、 紫外線を吸収するからです。 |
シルクは夏涼しく、冬はあたたか。 1年中着られます |
絹の繊維にはミクロ単位の穴がたくさん空いており、 1/3が空気層。この穴が、まるで除湿機のように 肌の汗を素速く吸いとって乾燥させます。 シルク(絹)は、吸水性だけとっても綿の 1.3〜1.5倍はあるとされ、放湿速度も速いため、 衣服中に余分な湿度が残らず着心地がいいのです。 また、寒い時期には空気層が体を包み、 保温性を発揮してくれます。 そのためシルクは、暑いときには涼しく、 寒いときにはあったかいという快適繊維なのです。 |
シルクは静電気がおきにくい |
シルクの繊維には、ほどよく水分が含まれているため、 電気抵抗が小さく静電気がおきにくいのが特徴です。 そのため、アレルギーの原因となるホコリを寄せ付けにくく、 抗菌性にも優れているといわれています。 著しく乾燥している場合は、 シルクも静電気がおきることはありますが、 化学繊維製品のような強い静電気は発生しにくいので、 扱いやすく肌への刺激も少なくてすみます |
燃えにくく安心 |
化学繊維は200度前後で燃焼して有毒ガスが発生し、 肌に付着し大やけどにあう場合があります。 これに対して、シルクは300〜400度になるまで燃えず、 有毒ガスが発生しません。 また、溶融しないので、肌から簡単に はがすことができる、安全度の高い繊維です。 |
シルクは地球にやさしい繊維 |
シルク由来製品には石油製品と違い生分解性があり、 最終的に土へとかえすことが出来ます。 地球環境に優しい繊維でもあるのです。 |