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EM農法について【応用編】




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EM農法の基本的考え方

農業においてEMは、「土と植物を健康にする」という大きな効果があります。
EM菌には5科10属80余種の微生物の中に含まれていると言われており、主な微生物は以下のとおりです。

  • 乳酸菌 --- 有機物の腐敗を防ぎ、発酵を進め、有効な養分にする
  • 酵母菌 --- こうじカビと同じ発酵系の菌で、有機物の有用発酵に導く働きをする
  • 放線菌 --- 抗生物質を生成し、カビや病原菌を抑制する
  • 糸状菌 --- 植物遺体の糖類やセルロース、リグニンなどを分解する
  • 光合成細菌 --- ビタミンや生理活性物質を作り出し、植物や他の有効菌の活性化を増進する

次のような効果を期待することが出来ます。

  1. 農産物の増収、品質向上
  2. 発芽、開花、結実、登熟促進
  3. 作物の生理障害抑制
  4. 土壌養分の有効利用、肥料節約
  5. 未分解有機物の有効利用
  6. 光合成能力のレベルアップ
  7. 連作障害の軽減
  8. 病害虫の発生抑止、農薬使用量の軽減
  9. 土壌の団粒化促進、透水性、保水性の向上
  10. 種子、地下茎の発芽発根促進

EMを農業に利用することにより、自然の力が最大限に発揮され諸悪の根元である酸化作用に対抗し、病虫害に侵されくくなり化学肥料や農薬をまったく使わない農業が可能となります。
EMの基本構成は放線菌主体のEM2号、光合成細菌主体のEM3号、乳酸菌主体のEM4号で成り立っており、それに3種類を混合したEM1号を加え、EM1号~EM4号までが基本です。



EM1号の有効利用により期待できる効果

EM1号に含まれる微生物は有機物を発酵分解させる働きがあります。また、EM1号に含まれる微生物やその微生物が作り出した代謝物などが、土壌の生物相の改善を行い、植物の生育生長に直接、あるいは間接的にプラスの影響を与えます。

●植物残渣などの有機物の処理
  • ボカシの製造
  • 畜糞堆肥の製造
  • 有機物施用時のEM散布による消臭
●汚水の浄化
  • 生活雑排水などで汚染された農業用水の浄化
  • 農地から河川や地下に流出する水の浄化
●土壌微生物の活性化
  • EMやその代謝物がきっかけ(スターター)となって土着菌を活性化させて、土壌を豊かにし、環境を整える。
●作物の活性化
  • EMやその代謝物がきっかけ(スターター)となって、葉面や根圏の微生物相を刺激し、作物の活力を高め農作物の健全化が促されます。
※ ただし、EMは薬剤ではありません。生き物であり、それぞれの環境で活動しやすいように心掛け、土壌全体を発酵させることをイメージして使用してください。




基本的なEMの使い方


EM1号は基本的に水で希釈し、下記の方法で施用します。

土壌散布する方法  葉面散布する方法
(ジョウロ・動力噴霧器での散布)
葉面散布する方法
(噴霧器にて霧状散布)
   
水田の水口より少量ずつ流し込む方法
(点滴法)
かん水パイプまたは、チューブから流し込む
(ビニールマルチをしている場合)



農業での使い方のポイント


EMは生き物です。化学肥料や農薬のような使用方法では効果が上がりません。
自然界には多種多様な微生物がいます。これら生物相(微生物相)を改善することは簡単なことではありません。
EMがそれぞれの環境の中で有害な菌に負けず、有用な微生物と連動できるような環境作りを行うことに心掛け、土壌全体を発酵させることをイメージして使用してください。


農業では、「土づくり」が重要ですが、これには物理性・化学性・生物性の改善という3つの要素があります。
この3つの要素は、土づくりの上で密接に連動するので、総合的に改善することが大切です。
EM活用はこの中の生物性(微生物性)の改善を図ることが主な目的です。
この生物性(微生物性)の改善は物理性・化学性の改善にもつながりますが、効果的にEMを活用する場合には化学性、物理性などの土壌診断を行い、適切な改善を行うことが大切です。



使い始めは有機物と共にEMを大量に施用する


土壌の微生物相を改善させるためには、予め活性を高めたEMを有機物と一緒に大量に施用する工夫が必要です。
EMは糖蜜や米ぬかなどの分解されやすい有機物を好みます。また、植物残渣や畜産廃棄物、水産残渣物、緑肥などの有機物もEMが働くために重要です。
これら有機物はなるべく新鮮なうちにEMを優占させて利用することがポイントです。

<EMの活性を高めるには>
  • EM活性液を作って施用する方法
  • 良質のEMボカシを作って施用する方法
  • 腸内でEMが優占した家畜の排泄物を活用する方法

●こまめに施用するほど有効

気温や水分など農業環境は変動が大きいので、EMの活性や密度も常に変化します。EMに援軍を送るつもりで、こまめなEMの施用がポイントです。
  • 前作残渣や堆肥のすき込み前後
  • 種子処理
  • 育苗中のかん水
  • 植え穴へのかん水
  • 生育中の土壌及び葉面散布

※栽培で水を使う時には、少しでもEM1号を混ぜる。こまめに散布することを心掛けてください。

<EM散布要領>
  • EMの散布は、雨ふりの前後か、曇りの日がよく、晴れの日は早朝か夕方に行いましょう。
  • かん水するたびに混入します(EM希釈倍率は1万倍でも良い)。
  • EM導入初年度は、EMやEMボカシの散布回数、使用量を通常より増やします。
  • EMを大量に使用する場合はEM活性液を利用すると良いでしょう。
  • またEM施用後は、土壌が乾燥しないように、敷きワラやマルチなどを利用します。
※注入器で土壌深くにEMをかん注する方法もあります。


●その他の注意点

気温や水分など農業環境は変動が大きいので、EMの活性や密度も常に変化します。EMに援軍を送るつもりで、こまめなEMの施用がポイントです。

1)有効期間
  • ボトルに標示してある有効期限内です。開封後は早めに使い切ってください。

2)保存場所

  • 1日の温度変化の少ない暗所で保存してください。(10~25度が最適です。)
  • 冷蔵庫での保存は避けてください。
  • ビニールハウスの中などは1日の温度変化が大きいので避けてください。
  • 冬期にEMを凍らせないようにしてください。

3) 希釈液

  • EMの希釈液は使う直前に作製し、すぐに利用してください。
    EM希釈液は夏期で1~2日、冬期でも3日以内には使い切るようにしてください。

4) 葉面散布

  • 葉物など作物の種類によっては、濃い濃度の葉面散布をおこなうと、EMに含まれる有機酸で葉面に黄色い斑点が発生したり、乾燥が激しい時期に生理障害を起こすことがありますので、ご注意ください。

5) 殺菌剤とは併用しないでください。


参考例


下の作業表は、5月中旬田植えの場合(10a当たり)の参考例です。

生育段階 EM活性液の使用料   作業内容
      9    
収穫  
   
10L 10 秋処理 土壌改良・有機物散布・耕起
  土の高低差を補正
(予め降雨後に水溜りマップを作ると良い)
   
         
     
     
3    
入水準備 畦の補修・強化、水路の整備 水もち確保
耕起 EMボカシ施用
秋の施用量・地力に合わせて加減する
10L 4 入水 ムラなくまける程度に薄めてEM散布。
または流し込み














荒代かき 浅水湛水で雑草の発芽を促進させる
育苗はp10を参照してください
  地温15℃以上をできるだけ長期間確保する
10L 5 植代かき 主に発生する雑草が発芽したのを確認してから行う。
深さ2~3cm


  田植え 寒い日に行わずに暖かい日を選んで
2.5cmの深さに植える



10L   畦の見回りと補修の励行(溜水管理)
  6 除草 雑草が見え始めたら早めに行う。攪拌は浅く
10L   必要に応じて2回目のEMボカシ施用
10L 間断かん水または中干し 有効茎数がとれたら必要に応じて
間断かん水または軽めの中干しを行う
10L 7 追肥 必要に応じて、出穂30~40日前
EMボカシ50kg程度施用












10L    
   
10L 8 出穂 開花中はEMの葉面散布をしないこと
    育苗用土の準備開始


  必要に応じてEMストチュウや木酢液(良質)の
50倍液を2、3日おきに数回葉面散布
9 落水 早すぎないように
  採種 できのよいところから多めに確保
収穫  


<補足および注意点>
  • 無耕起栽培やレンゲなどの緑肥を作る場合秋起しをしませんが、EMボカシとEM散布は同じように行います。
    ただし、それぞれの地域の諸条件により、方法は異なります。
  • 施肥設計
    地力とEMボカシの施用量を湛案して行ってください。
  • EM活性液
    EM活性液が作れない場合は、原液を希釈して施用してもかまいません。入水など水を使うときにEMを少しでも流し込む。また、こまめに散布することです。


1) 秋処理
有機物の分解や土作りを促進するために、
  1. 稲刈後、気温が下がらない内にできるだけ早く、稲ワラ、籾ガラ(必要に応じて堆肥、貝化石、クン炭、ゼオライトなども)とともにEMボカシ100kg/10a程度(地力に応じて加減する)を施用します。
  2. その上からEM活性液(10L/10a)を適当に薄めて散布し、土が適度に湿っている時に耕起します(あまり深すぎないように)。


2) 育苗期
  1. 種籾をEM1の1000倍(またはEM2の500倍)希釈液に浸種します。希釈液は、前半は2~3日おきに、後半は毎日作りなおします。
  2. 育苗期間中はEM1000~2000倍希釈液を4~5回以上散布します。これらは、EMとの接触を生育初期から早く確実にするために行います。



3) 春処理
  1. 春の耕起は必要に応じて行ない、ボカシ施用も秋の施用量や地力に応じて行ってください。また、併せてEM活性液の散布を行うとさらに効果的です。



4) 代かき・田植え
  1. 代かき時にEM活性液(10L/10a)を適当に希釈し、まんべんなく散布します。流し込みでもかまいません。
  2. 田植え後、EM活性液(10L/10a)をムラなく散布できる程度に希釈して散布または流し込みます。この場合、水尻を止めて、EMを土壌にしみ込ませるようにします。



5) 生育期
田植え後も土を育て、また有機物の分解を促進する狙いで、
  1. 10日前後おきに、EM活性液の散布または流し込みを行います。中耕除草する前にも行ないましょう。
  2. 稲の生育を見ながら必要に応じてEMボカシを追加施用します。施用時期は出穂30日前頃に50kg/10a程度です。施用量は稲の生育、地力に応じて加減してください。多すぎるとイモチの発病や食味低下の誘因になりますので注意してください。



EM研究所HPより転載



EM農法【基本編】3つのバランスがとれている土とは。 EM農法【実践編】化学肥料を使わずに土を作ってみましょう。