EM農法について【実践編】
EM活性液(10倍)の作り方
EM1号を大量に使用する時には、EM2号・3号と糖蜜を加えることにより、数倍に増やすことが可能です。
(※培養は1リットル分をペットボトルで作成する配合割合を示しています。例えば、2リットルの容器で作るときには2倍の量を、10リットルの容器で作るときは10倍の量をそれぞれ配合してください。)
- 糖蜜25ccを適量の水またはお湯によく溶かし、ペットボトルに入れます。
(お湯の場合には、人肌くらいに冷ましてから2.へ進みます。)
- サイオンEM1号 ⇒ 100cc (10 %)
サイオンEM2号 ⇒ 5cc (0.5%)
サイオンEM3号 ⇒ 5cc (0.5%)
以上をペットボトルに入れ、水を900ccの目盛りまで加えます。(肩口くらいまで)
- 2、3回ペットボトルをゆっくりと上下させる。
- しっかりとキャップを閉め、できるだけ太陽の光が当たる場所か湿度の高い場所に置いて下さい。
- 1~2日で炭酸ガスが出てきてペットボトルがパンパンに膨れあがります。
この時にキャップをゆっくりとゆるめながら、ガスを抜いて、またしっかりとキャップを閉めます。
このガス抜きを、膨れなくなるまで何度か繰り返します。
- 膨れなくなり、開けてもプシュッとした音が出なくなれば出来上がりです。
ph測定器でph=3.9以下になっていることを確認します。
(具体的には、舐めてみて甘みがなくすっぱい事。くさい臭いがしなければOKで、且つphが3.9以下で出来あがりです。)
- 出来上がった状態で、冷暗所で1ヶ月以上保存してから使うようにしてください。(熟成期間は十分ににとると良い。)
太陽の当たらない涼しい場所で保存します。空気の層をできるだけ少ない状態で保存するのが良いので、より小さな容器に分割するのが好ましい。
活性液をつくるポイント
- 一度作ったEM活性液を再度培養すると、発酵していても微生物のバランスが崩れるため効果は期待できません。
- 「100倍活性液」はお勧めしておりません。
培養液を作る際に悪玉菌が多少でも入ってしまうと「100倍活性液」の場合、EM菌の割合はわずか1%となりますので悪玉菌には勝てません。
今回、ご説明したEM培養液なら10%程がEM菌となるため、腐敗のもととなる悪玉菌に勝つことができます(『サン興産業HP』参考)。
そのため当店では、「10倍活性液」をお勧めしております。
- EM1号と糖蜜だけでは、きちんとした培養液はできません。
EM1号に含まれている菌のうち、放線菌・光合成細菌は糖蜜をエサとしないため、糖蜜を入れても増えません。
そのため、EM1号だけで培養すると菌のバランスが崩れてしまいます。
糖蜜だけでは増えない菌を補うため、放線菌が配合されているEM2号・光合成細菌が配合されているEM3号を入れて培養します。
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●培養には、EM1号だけではなく、EM2号・3号も入れると良い。
●糖蜜は水またはぬるま湯で丁寧に溶かす。
●きちんと密閉(空気中の雑菌が入り込むと腐敗する場合があります。)
●暖かい場所で発酵させて下さい。(20~40度)ただし直射日光は避ける。
●ペットボトルなどの容器は、雑菌の入っていない清潔なものを使用してください。
ペットボトルを使う場合には、炭酸飲料が入っていたものがおススメです。
(圧力に強いため) |
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EMボカシの作り方
EM菌を利用した農業資材に、「EMボカシ」があります。
EMボカシは土壌改良や肥料、畜産など農業全般に幅広く利用可能です。
EMボカシには生ごみ処理用の1型と家庭菜園用の2型とがありますが、ここでは主にEMボカシ2型の作り方について説明したいと思います。
【用意するもの】
- 米ヌカ 4kg(生ヌカ、脱脂ヌカどちらでも可)
- 油カス 1.5kg(菜種油カスが望ましい)
- 魚粉 1.5kg
- 菜園EMパウダー 70g
- 湯 100cc(40~50度)
- くみ置き水 1500cc
- EM1 15cc
- 糖蜜 15cc
- 15リットルの密閉容器
- タライなど
(※上記分量は目安です)
1.米ヌカ、油カス、魚粉、菜園EMパウダーをタライに入れ、よく混ぜ合わせます。
2.EM活性液をジョウロなどでかけながらよく混ぜ合わせます。
混ぜ合わせたものを団子状に握り、触れると壊れる程度の硬さがベストです。
3.密閉容器にいっぱいになるように仕込みます。
この際、すき間が空かないように押し込みます。
4.フタをして密閉し、約1ヶ月間発酵させます。
発酵したら使用したい分だけ取り出します。
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材料を入れた密閉容器は、直射日光の当たらないところに置き熟成させましょう。
発酵温度は15~40度が最適です。
1ヶ月くらいで発酵し、甘酸っぱいフルーティーな匂いになったら完成です。
※発酵温度と期間は積算温度600度程度を目安にしてください。
[例] 平均気温20度の場合
600度/20度=30日
出来ばえの良いEMボカシが完成したら、次回に作るときの種ボカシに使用すると、発酵が良くなります。
特に発酵の遅い冬場に使用すると効果大。10%程度入れてください。 |
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化学肥料を使わずに土を作ってみよう
EMの使い方はいたって簡単。水で薄めて水やりしたり、EMボカシを肥料代わりにしたりするだけで、植物を健康に育ててくれます。
●どのような物が必要なの?
- 完熟堆肥
落ち葉や雑草、作物の残りなどを、半年から一年かけて熟成させたものです。
水はけや水もち、肥もちが良く微生物の棲みかになります。
市販の腐葉土やバーク堆肥などでの代用もOKです。
- EMボカシ2型
米ヌカ、油カス、魚粉などの有機物にEM1と糖蜜を混ぜて発酵させたものです。
- EM希釈液
[作り方] EM1:水=1:1000の割合で混ぜ合わせます。
●実際にはどうやって土を作っていくの?
(1)EMボカシを入れよう
土壌改良剤として、完熟堆肥を1平方メートルあたり3kg、EMボカシを200~300g程度土に投入します。(やせ土の場合は500gくらい)
菜園EMパウダーをボカシの量の0.1~1%混入すれば、EMの働きがさらに安定しやすくなります。
(2)EM希釈液をまこう
土に資材を投入したら、EM希釈液または米のとぎ汁EM発酵液を500~1000倍に薄めて、1平方メートルあたり1リットル以上散布します。
(3)植え付け
畝をたて2週間以上たってから植え付けましょう。
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