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棹と音色の微妙なカンケイ!?
はいさい♪ぐすーよーちゅーうがなびら!(ご機嫌いかがですか?)
皆さまこんにちは、
オド親方です。
秋の夜長、三線の練習頑張っていますか!?
皆さまのペースで、のんびり三線とお付き合いください。
さて。
三線の音色は、張りが同じ場合、
八重山黒木 > 黒檀 > 縞黒檀 > 紫檀 > 樫、ゆし
の順で、良く鳴ると言われ、価格もその順番で値付けされています。
(例外として紫檀の一種の浜紫檀[和名:ミズガンピ]は、程度の良い物は八重山黒木と同じぐらいの値段で取引されています。)
ですが、本皮張りにした場合、張りを同じような強さで張っても、材料となるニシキヘビの皮の個体差や、張り職人の技量によって、微妙に音色に違いや個性が出てきます。
そこで!
「全く同じ胴(胴体と張り)を各棹に部当てした場合、
本当に上の順番で音色が変化するのか!?」
を探るべく、実験してみました!今回の実験では、純粋に棹の素材による音色の違いを調べるため、棹以外の部品(胴、絃、ウマ、糸かけ、ツメ、演奏者(?))は全く同じものを使って、音を録音してみました。
(1)棹に部当てをする→(2)音を撮る→(3)胴や絃などを外して次の棹へ
という工程を、樫、紫檀、縞黒檀、黒檀、八重山黒木と計5回行いました。
基準の棹
棹素材:縞黒檀
/ 型:知念大工型
[録音時の気温25.8℃ 湿度78%]
縞黒檀は、5種類の棹の中でも、ちょうど真ん中に位置づけされている素材です。
今回は、縞黒の棹を基準にして、それぞれの棹の「男絃」「中絃」「女絃」の周波数を調べてみました。
▼クリックで拡大します
棹ごとの比較
棹素材:樫
/ 型:真壁型
[録音時の気温25.8℃ 湿度78%]
入門用の三線に使われる手ごろな素材。
一応ちゃんとした三線の棹なので、本張りで皮を張れば立派な音がでます。
<結果>
全体的な音色は、軽めで余韻の短い音でした。
縞黒檀と比べて、女絃の高音域の音の厚みがやや劣ります。
▼クリックで拡大します
棹素材:紫檀
/ 型:知念大工型
[録音時の気温25.8℃ 湿度78%]
見た目の美しさから人気のある「紫檀」は、家具の世界では、黒檀よりも上質とされ、高級家具などに好んで使われます。
樫やゆし木よりやや堅い素材です。
<結果>
男絃でも、高音がよりきれいに出ています。
縞黒檀と比べても、男絃・中絃の音色は特に遜色はありませんでした。中絃の高音域の落ち込みも少なく、高音域が強いという特徴があるようです。
▼クリックで拡大します
棹素材:黒木
/ 型:真壁型
[録音時の気温25.9℃ 湿度77%]
沖縄とやや気候の近いフィリピンで育った、「黒木(黒檀)」です。
八重山黒木同様成長がとても遅く密度の高い良質な木です。
<結果>
全体的に音の厚みがあり、縞黒檀に比べ高音域がよりきれいに出ています。
▼クリックで拡大します
棹素材:八重山黒木
/ 型:小知念型
[録音時の気温25.7℃ 湿度77%]
現在、棹材の最高峰とされる「八重山黒木」は、八重山で採られた黒木です。数が少ない分希少価値が高く、三線として仕上げた時の価格もかなりお高めです。
<結果>
全体的に音の厚みがあり、縞黒檀に比べ高音域がよりきれいに出ています。
▼クリックで拡大します
今回の実験では、黒檀と八重山黒木の差はそれほど感じられませんでした(−−;
また別の角度から八重山黒木、黒檀の差を検証したいと思います。
録音して検証してみた結果、
樫は音に厚みがなく、紫檀は高音域がよく出ていて、黒檀、八重山黒木は音に厚みがあり、かつ、高音もよく出ている。
という結果になりました。
今回の実験は、胴を部当てし直すので、次の棹にいくまで約30分の時間差があり、耳での比較は難しかったです。
弾いた感じは、縞黒の棹が一番耳なじみがよかったかも。黒檀や八重山黒木の棹は、まだ新しいので、音は少し硬質な感じでしたが、棹に音の振動が伝わって、弾き心地がとてもよかったです。
樫と八重山黒木では同じ胴を使ってもかなりの音の差がありますが、黒木と八重山黒木については、データ上では見分けが難しいですね。
また、人工皮と本皮は明らかに音が違いますが、棹による音の変化は、張りによる変化とは違い、より繊細な音の違いなので、音のデータだけで判断するのではなく、実際に耳で感じることと、弾いたときの心地よさも、違いを感じるための大切な要素になっているのかもしれません。
やはり、他の楽器と同様、三線を選ぶときも「実際に弾いて確かめる」のが最もいい方法なのだなと思いました。
みなさまも、機会がございましたらぜひ、いろいろな三線屋さんであれこれ訪ねながら、いろいろ弾き試してみて下さい。
(三線屋さんの極秘よもやま話も聞けたりするかも!?)
弾いていて心地よいと感じられるような三線に出会えますように(^-^)
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