菅野:まず、単純な質問ですが、「発音を良くする」「今の発音を矯正する」には何が必要なのでしょうか。

奥村:自分の発音を冷静に(笑)聞いてみることが一番大事だと思います。

比べてもどこが違うかわからない、という状態では、まず心構えができないので、自分はネイティヴとは違うという前提から、ほんとうに細かい違いを聞き取る気持ちになってみてください。

ネイティヴじゃないから発音がだいたいできていればOK、というのでは、おそらく大きな「ズレ」にも気が付かないでしょう。

菅野:このソフトを開発するにあたって、奥村社長のこだわった部分、ぜひここを学んで欲しいというところはどこでしょうか。

奥村:自分の発音に耳を傾ける習慣をつけていただきたい、というところです。「正しい発音」とは、ネイティヴが聞き取ってくれる「音の周波数領域」にあるということです。その領域に入れる練習をするのがプロンテストの「発音力®シリーズ」なので、とにかく、ほんの少しでも、ソフトの中で指摘されていることを直しながら、手探りをするように音を探ってほしいと思っています。

菅野:今回のリニューアルにより、学習者の何がスキルアップするのでしょうか。

奥村:これまでは、「発音力®」の中で、単語の中の音素、つまりラケットの握り方に相当するようなごく当たり前の基本形を練習してきましたが、今度は、ある程度、音のかたまりを口にする練習になります。

一つ一つの文字を音に変えながら丁寧に読んで、次に、文章でできるだけ正確に発音できるようになったら、今度は新しい「発音検定®」で、文章単位で英語らしい発音かどうかを学んでもらえます。

ピアノでいうと、プレーンな音の指使いを習ったら、今度は和音の練習をする感じでしょうか。

菅野:どうして「母音判定」が必要なのでしょうか。

奥村:日本語は、ご存じのように「あいうえお」の五個しか母音がありません。それに引き替え、英語にはその3倍もの母音があります。つまり、日本語の母音同士の間にもう一つ別の音があり、それを識別しなければならないのです。母音こそ、口の開け方ひとつでまるっきり違う音になってしまいます。

しかも、日本語のアイウエオ、は口を横に開いたまま発音できますが、英語では違っています。

英語は子音ベースの舌の動かし方をしているので、母音は子音のつなぎめに次の子音がクリアに発音しやすい状態でできる音だと思っていただくとよいと思います。

したがって、日本語の「あいうえお」のそれぞれの音の間に音があり、むしろその中間の音を使っていると思っていただくとよいでしょう。

そして、その違いが聞きなれていないと明確ではないので、自分の出した音が見えるようにした「母音の台形」の中から自分の音を探しだすことができるわけです。

菅野:「発音検定®」では、文章のなめらかさなどを検証できるそうですが、 どのようにしてそれがわかるのですか。

奥村:これは、企業秘密の一つですが(笑)、少しだけお話ししましょう。

プロンテストには、「リエゾン法®」といわれている商標登録されたメソッドがあります。単語のつなぎめを練習する方法です。そして、このソフトには単語のつなぎめがちゃんとできているかどうかを調べるプログラムが入っているのです。

菅野:3つになった学習コンテンツの使い方、使い分けを教えて下さい。

奥村:

◆「発音検定®」ソフトの使い方

(1)まず、「発音検定®」ソフトで単語、文章のそれぞれがどのぐらいの点数が取れるのかをやってみます。
(2)単語の発音別に点数の低いものを選んで「発音力®」ソフトで 練習します。
(3)また、文章のなめらかさ、子音らしさ、なども「発音力®」の中で、それぞれの音の練習をし、リエゾン法での練習もして単語のつなぎかたも覚えましょう。
(4)それから、また「発音検定®」に戻ってください。

◆母音の練習

(1)母音の台形で、少し遊んでみるのもよいでしょう。英語、日本語の母音の周波数領域を色分けできる切り替えボタンが画面の右側のメニューの中にありますのでクリックしてみてください。そこで、普段使っている日本語のアイウエオの領域をみてみましょう。そのくせが、英語にも反映します。
(2)次に、単語を発音してみてください。違っている場合には、その画面から発音力の練習の方にリンクして いますので、参考になるレッスンを選択して、そちらで練習しましょう。
(3)「発音検定®」や「発音力®」を練習しながら、ときどきこちらの母音の台形に戻って、自分の発音の周波数領域を確かめてみると楽しいですよ。

菅野:この3つのコンテンツをどれくらいの期間学べば、どれくらいの力になるのでしょうか。

奥村:青山学院大学で行われた実験によると、10時間でリスニングとディクテーションに差が出てきています。しかし、実際には集中して毎日少しずつ練習するのがよいでしょう。楽器の練習や野球のピッチング、ゴルフのスイングなどの練習をするのと同じ感覚です。

自分の出す発音の周波数を固めるということは、その発音をするための口の筋肉の運動が楽に無意識にできる、というだけのことです。正しい領域の音が固まってくると、続けて平均的に80点が出るようになります。その後は、ときどき、楽器のチューニングをするように試してみたり、ほかのソフトや教材を使って英語の練習をする前に、10分ぐらいやっておくと、そのほかの教材の効果もとても上がるようになります。

菅野:なるほど、よくわかりました。発音を根本からやり直したい方に、特にお薦めですね。 ありがとうございました。