【1】栽培の基礎知識  【2】栽培方法  【3】種類別の育て方

【3-1】ア行〜カ行   【3-2】サ行〜タ行  【3-3】ナ行〜ハ行   【3-4】マ行〜ヤ行   【3-5】ラ行〜ワ行

【A】サフラン
 [収穫]開花したらすぐに、めしべの柱頭を摘み取り、ざるなどにのせて陰干し、保存瓶などに入れて保存します。

 [球根の堀上]開花後、細い葉が伸びてくるので、初夏に葉が黄変するまで、液肥などを数回施して、球根を充分に太らせます。葉が枯れたら球根を堀り上げます。

 [球根の保存]紙袋に入れ涼しい場所で乾燥保存してください。


【B】サントリーナ
サントリーナには葉が灰色のシルバー種と緑葉のグリーン種があります。

 [剪定]梅雨前に地面に接した枝を株際から剪定し、風通しをよくしてください。

 [冬対策]寒さには比較的に強いほうですが、冷涼地では北風に当てないように南だけあけた三方囲いをお勧めします。

花壇の縁取り]縁取りとして栽培する場合、株間は50cmくらいにします。日当たりのよい場所で乾燥気味に育てるとよいでしょう。冷涼地で縁取りや生垣にする場合は、梅雨までに3〜4回刈り込んで形を整えてください。

 [タネからの栽培]種子は微細で、管理に手間がかかるため、苗から育てた方がよいでしょう。

 [品種]サントリーナ・シルバー、サントリーナ・グリーン


【C】ジャスミン
 [花つき]日当たりを好みます。日かげに置くと花つきが悪くなります。

 [剪定]開花後に半分くらいに剪定をして、新しい芽を出させます。

 [植え替え]鉢植えの場合は、毎年植え替えたほうがよいでしょう。花期の終わった9月下旬くらいに行います。

 [冬越し]品種により耐寒性に違いがあります。 ハゴロモジャスミンは比較的寒さに強く暖地なら屋外でも成育は可能です。アラビアンジャスミンは寒さに弱いため、室内や温室など暖かい場所で冬越しさせます。



【D】スイートバイオレット
 [夏越し]高温と乾燥を嫌います。夏は50%遮光するか、日かげの涼しい場所に移動してください。水やりを忘れないようにし、ハダニが発生しやすいので、葉の裏にも葉水で予防をしてください。

 [冬越し]ベランダなどの日当たりのよい場所で花芽を育てます。水やりは午前中にしてください。夕方の水やりは根ぐされの原因になります。

 [植え替え・株分け]3〜4年すると株が増え、根づまりをおこします。株分けし新しい用土で植え替えてください。

 [ふやし方]株分けするかランナーについた子株を切り離し、鉢に植えつけます。

 [八重花の防寒]一重のスイートバイオレットは耐寒性があるのですが、八重花は耐寒性が弱いので冬は株元に厚く腐葉土を敷くか、室内に取り込みましょう。

 [病気と害虫]ナメクジが発生しやすいので対策を行ってください。また、ソウカ病が発生した場合は、治療法がないため被害株は焼き捨てましょう。 →病気と害虫についてはこちら

 [品種]一重 (紫色、桃色、白色)、八重 (紫色) 

【E】セイボリー(サマーセイボリー、ウインターセイボリー)
 [品種]セイボリーは、サマーセイボリー]一年草とウインターセイボリー]耐寒性常緑小低木の2種類が代表的な品種です。どちらも種子でよく増えます。

 [水やりと土質]水はけのよい場所で日当たりがよければ、特に土質は選びません。植える場所は畝などを作り、周囲より高くして水はけをよくします。

 [剪定]初夏に開花したら、収穫を兼ねて株元から半分ほど残して剪定します。

 [夏対策]高温多湿に弱いので、夏は涼しい場所に移動させてあげてください。

 [冬越し]鉢土が凍らなければ、ウインター種は越冬します。


【F】センテッド・ゼラニウム (センテッド・ペラルゴニウム)

センテッド・ゼラニウムは、1600年代の前半に南アフリカのオランダ・東インド会社の総督によってヨーロッパに紹介されたといわれています。当初はゼラニウム属に分類されていましたが、後にペラルゴニウム属(Pelargonium)として独立しました。このような経緯から、今でも最初の言い方がいまだに残っているため、ペラルゴニウムとゼラニウムのふた通りの呼び方をされています。ゼラニウムの方が発音がしやすいことも理由のひとつのようで、当店でもセンテッド・ゼラニウムと表記をしています。

 [冬越し]耐寒性はあまり強くないので、冷涼地での露地での冬越しは無理です。暖地では北風の当たらない南側の軒下で株元にわらを敷くなどして冬越しすることができます。鉢植えは室内に置くか、鉢部分を防寒して水やりを控えながら冬越しさせます。 

 [剪定]樹勢は強いですが、4〜5年で老化してきますので、剪定や植え替えが必要です。毎年開花後の初夏から秋に、強剪定(土際5〜10cm残す)を行います。

 [植え替え]年に1回秋〜早春に植え替えます。古い用土を3分の1ほど根と一緒に削り落とします。

 [肥料]植え替えの時に、堆肥と緩効性化成肥料を混ぜたものを使うとよいでしょう。

 [ふやし方]春か秋に挿し木を行います。挿し穂は葉を2〜3枚つけて下葉を落とし、2〜3分水あげして手早く挿し床に挿します。アップルゼラニウムは茎が無いため、株分けで増やします。

 [品種]アップルゼニウム、オーシャンウェーブゼラニウム、オールドスカーレットゼラニウム、グレープフルーツゼラニウム、クロリンダゼラニウム、シェルブランドゼラニウム、
    シナモンゼラニウム、スイートミモザゼラニウム、スケルトンローズゼラニウム、ノーフレークゼラニウム、ナツメグゼラニウム、ナツメグバリエゲイティッドゼラニウム、
    ファーンリーフゼラニウム、ヘーゼルナッツゼラニウム、ペパーミントゼラニウム、ミセスキングスリーゼラニウム、レッドフラワーローズゼラニウム、レディープリマスゼラニウム、
    レモンゼラニウム、レモンローズゼラニウム、ローズゼラニウム



【G】セージ

<コモンセージ系 (地中海沿岸原産)>

[剪定:葉や茎を利用する場合]毎年早春に株元から10〜20cmを残して刈り、その後5月から数回収穫します。剪定後は株元に堆肥をまいて耕します。鉢の場合は早春に剪定し、株分けを兼ねて植え替えます。

[剪定:花を利用する場合]早春に剪定をせず、夏前に花が咲いたものから順に、株元を4分の1残して刈り取り乾燥し保存します。

[夏対策]高温多湿に弱いため、30〜50%遮光し、風通しのよくします。

[植え替え]鉢植えは、根づまりが早いので、春に剪定したら植え替えをして株を元気にさせましょう。

[病気]高温多湿時に立枯病や根腐病に気をつけてください。 →病気についてはこちら

[品種]コモンセージ(ブルー、パープルセージ、ゴールデンセージ、トリカラーセージ、ベルクガルデンセージ、クラリーセージ



<パイナップルセージ系 (北米〜中南米原産)>
[摘芯]1年目は数回摘芯して枝分かれを促します。2年目以降は花芽がついたら古い枝や細枝を間引く程度にし、強い摘芯は控えてください。

[日当たり]日かげで栽培すると徒長して軟弱になりやすいので、日当たりと水はけのよい場所で栽培してください。

[夏の水やり]鉢植えの場合、乾燥しやすいので、朝夕たっぷりと水やりを行ってください。庭植えの場合は、わらや切り戻しした枝などを株元に強いて乾燥をふせぎましょう。

[冬越し]株元にわらを敷くなどして防寒しましょう。地上部が枯れても地下部が残り春に芽をだしてきます。

[品種]アンソニーパーカーセージ、エルサレムセージ、シルバーセージ、パイナップルセージ、ボックセージ、メキシカンセージ、メドーセージ、ロシアンセージ、ペインテッドセージ (パープル、ピンク、ホワイト)、チェリーセージ (イエロー、バイオレット、バリエゲータ、ピンク、ホワイト、ラズベリー、レッド、サーモンイエロー、ホットリップス)


【H】タイム

タイムの品種は約350種あり、樹形によって大きく2種類に分けられます。幹が立ち上がる立性タイプと、幹が横に広がる匍匐性タイプです。

[収穫]1年目の収穫は秋口に枝先を軽く取るだけにとどめ、2年目からは開花前と秋口に2回、上部3分の2を刈り取ります。

[剪定]枝を1年以上刈らずにおくと、木質化して下葉が枯れ、枝先のみに葉がついた姿になってしまいます。

[冬越し]冷涼地では、秋に株元に厚く腐葉土やわらを敷いて防寒します。

[植え替え]2〜3年に1回、春か秋に植え替えをします。大株になったものは植え替えを兼ねて株分けをします。そのままひと回り大きな鉢に植えつける場合は、古い土を3分の1程度落とし、腐った根などを取り除いて新しい用土で植え替えます。

[肥料]あまり必要としません。収穫後に液肥を、春と秋に骨粉入り油粕を与える程度でよいでしょう。

[夏対策]高温多湿に弱いので梅雨から夏の間は風通しのよい場所に移動させてあげるとよいでしょう。

[品種]立性 / コモンタイム、 オレンジバルサムタイム、 カンファータイム、 ゴールデンクイーンタイム、 シルバークイーンタイム、 シルバータイム、 フレンチタイム、 レモンタイム
   匍匐性 / イブキジャコウソウ、 オレンジスパイスタイム、 クリーピングタイム、 クリーピングタイムホワイト、 クリーピングタイムレッド、 ゴールデンタイム、 ドーンバレイタイム、 フォックスリータイム、 マジックカーペットタイム、 マスチックタイム、 ロンギカウリスタイム、 ロングウッドタイム、 レイタータイム



【I】タラゴン
品種]南ヨーロッパ原産のフレンチ種とロシア原産のロシアン種があります。ロシアンタラゴンは、種子から栽培でき繁殖力が旺盛で育てやすいのですが風味が落ちます。フレンチタラゴンは香りが強く料理に利用されます。不稔性(開花するが結実しない)なので挿し芽か株分けでふやします。

[株分け]鉢植えは根づまりが早いので、1〜2年ごとに株分けします。根土を落とさないようにナイフやハサミで切って分けます。

[挿し芽]秋に株元の地下部に吸枝(きゅうし)ができるので、充分に寒さに当ててから、春先に12cmほどの長さに切手挿し芽します。

[収穫]早春の萌芽期から一気に成長させ、6月上旬までに収穫を兼ねて基部から10cm残して刈り取ります。

[肥料]収穫後に骨粉や油粕の固形肥料を与えます。

[夏対策]夏の高温に非常に弱いので、70%の遮光をするか、半日陰の涼しい状態に置きます。特に西日はさえぎるようにしましょう。



【J】チコリ(ウィットロフ)
[軟白栽培]初夏にタネをまき、5ヶ月ほど株を養成し、秋に根を堀り上げます。箱にもみがら、わら、砂などを入れて湿った暖かい(10℃以上)暗いところで約一ヶ月育て、15〜20cmくらいに成長したら収穫します。サラダや炒め物などの料理に使います。 →軟白栽培についてはこちら

[収穫]軟白栽培した場合の収穫時期は12〜3月くらいです。露地栽培した場合で、葉茎の収穫は5〜10月、根は2年目以降のものを秋に掘りあげます。



【K】チャイブ

[肥料]保水性のある肥沃な土壌を好むので、植え付け時に堆肥や腐葉土を充分に施し、緩効性肥料を与えます。秋に追肥をし、晩秋または早春に株まわりを耕し堆肥や緩効性肥料を与えます。また、収穫後には追肥を与えてください。

[収穫]収穫は2年目から行います。高さ20cmを超えたら、土際2〜3cmから刈り取ります。ふたたび新芽が出て、何回でも収穫できます。

[タネまき]箱などにすじまきすると、約2週間ほどで発芽します。種子は嫌光性なので、覆土は厚くします。

[株分け]球根の分けつが盛んになると球根が小さくなの、葉もこまかく、収量も少なくなります。2〜3年に一回株分けし更新しましょう。葉と球根を傷つけないように、1株2〜3球となるように分けて新しい用土に植えつけます。

[夏越し]夏は30%遮光するか、明るい日かげの涼しい場所に移しましょう。

[冬場]冬場は、室内で育てれば周年、収穫が可能になります。台所の窓際などでも比較的簡単によく育ってくれます。

[品種]チャイブ、ガーリックチャイブ




【L】チャービル
[株の衰弱を防ぐ]株は開花・結実すると枯れてしまいます。花茎が伸びてきたら切り取って株の衰弱を防ぎましょう。

[夏対策]直射日光が当たる場所ではうまく育たないので、初夏からすだれなどで70%の遮光をしましょう。

[秋冬場]室内の明るい窓辺に置けば秋冬も長期間楽しめます。





【M】ディル

収穫]茎葉の収穫は高さ25〜30cmになったら、外側の大きな葉から収穫します。一度にたくさん収穫すると生育が衰えてしまいます。また、ほとんど枝分かれしないため頂上の成長点を切るとそれ以上伸びなくなるので注意しましょう。

[夏対策]高温乾燥を嫌います。風通しのよい涼しい場所移動しましょう。水やりは土が乾いたらたっぷりと与えます。夏は1日に2〜3回与えることもあります。

[冬越し]耐寒性があるので、冬越しは戸外で大丈夫です。水やりは午前中の暖かい時間帯に与えてください。

[支柱を立てる]花が大きいので、風雨で倒れるのを防ぐため支柱を立てましょう。鉢栽培の場合は根が深く張れるように深めの鉢を用意し、植えつけ時に支柱を鉢底に固定しておくと根を傷めません。




         PAGE TOP へ