【1】栽培の基礎知識  【2】栽培方法  【3】種類別の育て方

【2-1】ハーブを苗から育てる   【2-2】ハーブをタネから育てる

【A】 タネまきの方法
タネまきの時期

 タネまきに適しているのは、春か秋で、それぞれのハーブによっても異なりますので確認してからタネまきをしましょう。

タネのまき方
 タネまきの方法は、主に3種類です。
 いずれの方法もタネが重なり合わないようにまき、発芽後間引きを行い、3号ポットなどに移植をして育てます。

 <すじまき>
 まき床にワリバシなどを使って溝(すじ)をつけ、そこにタネをまく方法です。発芽後は、間引きして育て、ある程度大きくなったら、ポットなどに移植します。

 <ばらまき>
 まき床全体に、均一になるようにタネをばらまく方法です。発芽後は、間引きして育て、ある程度大きくなったら、ポットなどに移植します。

 <点まき>
 1ヵ所に2〜3粒ずつ数ヵ所にまく方法です。発芽後は、1ヵ所に1本だけが残るように、成長の状態を見ながら間引きします。本葉がそろったら移植します。

*移植を嫌うハーブ
移植を嫌うハーブは、3号ポットなどに、2〜3粒ずつまき、発芽したら元気な1本だけにして、本葉がそろったら根をくずさないようにして植えつけます。
3号ポットくらいの大きさの苗であれば、移植に問題はありません。

細かいタネのまき方
 細かいタネをまくには、ハガキなどを利用するとうまくまくことができます。ハガキを二つ折りにして、折り目の溝にタネを置き、指でハガキをトントンと軽くたたきながらタネを落としていきます。すじまきの方法が向いています。
 細かいハーブのタネ:アニスヒソップ、オレガノ、カモミール、キャットニップ、キャットミント、タイム類、チャイブ、ヒソップ、フィーバーフュー、ベルガモット、マジョラム、マリーゴールド、ミント類、ラベンダー類、レモンバーベナ、レモンバーム、ロケットサラダ

中粒の大きさタネのまき方
 ばらまき、点まきの方法に向いています。ハガキなどを使ってもかまいません。
 中粒のハーブのタネ:コリアンダー、セージ類、バジル類、ボリジ、マーシュマロウ、ローズマリー


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【B】 ハーブのタネまきをする
1.タネ、まき床、道具、資材をそろえる
 まき床、ワリバシ、新聞紙、培養土、土入れ、ハガキを用意します。

2.まき床の準備をする
 まき床とは、タネをまく場所のことです。本格的には育苗箱を用意しますが、家庭栽培の場合は、口径の大きめで底の浅い鉢でもよいでしょう。鉢を利用する場合は、鉢底網を入れて準備します。

3.まき床に土を入れる
 新しい培養土を鉢に入れます。土は肥料分が入っていないものがよく、鉢の深さ8分目まで入れます。

4.タネをまく

<すじまきの方法>
培養土を入れたまき床にワリバシで溝を付けます。溝の深さは5〜10mm、5cmくらいの間隔でまき床に何本か作ります。2つ折りにしたハガキにタネをのせ、軽く叩きながらタネを落としていきます。タネが重ならないように、できるだき均一ににまきます。土はかぶせない方が失敗が少ないです。かぶせる場合は、ごく軽くかぶせて下さい。

<ばらまきの方法>
まく分量のタネを手の平に取り、親指と人差指、中指を使ってタネをばらまきます。

<点まきの方法>
まく分量のタネを手の平に取り、親指と人差指を使って1ヵ所に2〜3粒ずつ数ヵ所にまきます。タネが重ならないようにします。

5.底面吸水させる(底面灌水)
 鉢皿にタネをまいた鉢の底を付けて、鉢皿に水をいれます。鉢の底から水を吸水させ、水を土の表面まで上がって湿らせます。

6.新聞紙をかぶせる
 鉢よりも大きめに切った新聞紙1枚を湿らせて、鉢にかぶせます。新聞紙をかぶせることにより、タネの湿度を保たせます。新聞紙が乾いたら、再度湿らせてかぶせて下さい。

7.タネまき後の管理
 作業後は、発芽するまで、風の当たらない明るい日かげで管理します。時々、新聞紙を開けて状態を確認して下さい。発芽していたら、新聞紙を取り、すぐに日当たりのよい場所に移動させて下さい。

8.間引き
 間引きは、苗の葉と葉が触れ合わないようにし、育つのに充分なように苗間をあけて、元気のよい苗を残す大切な作業です。形の整った元気な苗を残し、形の悪いものや他に比べて茎が細いものなどから引き抜きます。あとは、隣どおしの苗の葉が、重なり合わない程度に間をあけます。


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【C】 ハーブの苗を鉢に植え替える(移植)
 発芽した苗に本葉が2〜3枚そろったら、1株ずつ鉢に植え替えます。

1.道具を準備する
 鉢(3〜4号)、培養土、鉢底網、移植ゴテ(細いタイプ)、土入れ。*4号鉢に移植する場合は、鉢底石も用意します。

2.石、土を入れる
 鉢に鉢底網を入れ鉢底石、培養土を8分目まで入れます。3号鉢は鉢底石は入れません。

3.植え付けの穴をあける
培養土を入れた土の中央に穴をあけておきます。苗の大きさに合わせてちょうどよい大きさ、深さにします。

4.苗を堀り上げる
 移植したい苗の株元から2〜3cmほど離れた市に移植ゴテを垂直に差込み、土ごと堀りあげます。周囲の土が崩れないように、株元を軽く押さえながら堀りあげます。

5.鉢に植えつける
 根の土が崩れないように、手で支えながら、移植ゴテごとなえを植えつける穴まで移動します。移動した苗は、移植ゴテごと植え穴の中央に入れて、苗が倒れないように株元を軽く押さえて苗を安定させます。
周囲の土を寄せて整えます。

6.肥料を施す
 植え付けが終わったら、ゆっくりと効果が現れる化成肥料を施します。中粒で4つくらいが目安で、苗からはなして鉢の縁近くに施します。

7.水やりをする
 苗が倒れないように注意して、たっぷりと水を与えます。

8.移植後の管理
 移植が終わった鉢は、数日は明るい日陰で管理します。苗がしおれたりしおれたりしなければ、うまく根付いているので、日当たりのよい場所に移動させます。

9.水やりと摘芯
 土の表面が乾いたら、たっぷりと水やりをして下さい。伸びてきたら、摘芯してわき芽を出させて、枝数を増やします。摘芯は、ハーブの品種や成長させたい樹形によっても異なりますが、数回行い、樹形を整えます。



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