コンタクトレンズの取り扱いについて

	コンタクトレンズの安全と快適の心得 コンタクトレンズは高度医療機器であり、本来であれば非常に慎重に扱わなければなりません。 しかし、慣れてくると取り扱いが雑になってはいませんか？ つけ始めの頃はあんなに丁寧だったのに・・・・・ 「初心忘れるべからず」ということで、最低限の忘れていけない心得を説明します。 ★コンタクトをつける前に ・ レンズを手に取る前にはレンズを傷つけないようにつめを短く切り、丸く滑らかにしておきましょう。手や指を必ず石けんで洗い、清潔にしておきましょう。指先の水気はふき取っておきましょう。 ★レンズのチェック ・ レンズを取り扱うときには、そのまま外面の周辺部を軽くつまむように持ってください。 この時につめでレンズに傷をつけないように注意しましょう。 ・ レンズをはめる前に、汚れがついていないか、傷や破れなどがないかよく確認してください。また、ご自身の目を見て、充血など普段とは違う症状があらわれていないかチェックしてください。もしレンズ、ご自身に何らかの異常がある場合は装用せず、眼科医にご相談ください。 ★レンズの裏表の見分け方について ・ 容器から取り出したレンズを人差し指の先にのせます。 レンズが裏返っている場合ですと、レンズの先端がわずかに外に反転しています。 ・ 容器から取り出して人差し指の先端にのせてから、もう一方の親指と人差し指でレンズを軽くつまみます。裏返っていればレンズの先端がわずかに反転しています。 ★装用時間・期間、取り扱い方法を正しく守ってご使用ください ・ レンズによって装用期間が決まっています。正しくお守りいただいてご使用ください。 ・ レンズの装用時間には個人差があります。眼科医から指示された装用時間を守ってください。 ・ レンズやケア用品の取り扱い方法を誤りますと目の障害につながります。 レンズはケア用品や保存ケースとともに常に清潔に保ち、正しくご使用ください。 ★定期検査は必ずお受けください ・ 自覚症状がなく、普段どおりに装用していても目やレンズに傷がついていたり、眼障害が進行している場合があります。異常がなくても眼科医に指示された定期検査を必ず受けてください。 ★自分のレンズは決して他人に渡さないでください ・ レンズは眼科医の指示によって、お客様に処方されたものです。 ご自身以外の方には決して渡さないでください。 ★レンズのケアについて ・ レンズのケア方法につきましては、各ケア用品に添付されている使用説明を必ず読み、正しくお取り扱いください。 ・ コンタクトレンズを快適にご使用にいただくために、眼科医から指示されたケア用品をご使用ください。

	コンタクトレンズ装用にともなう病気の症例 コンタクトレンズは日頃私達に快適な視生活を提供してくれる、非常に便利なものですが、 自分の眼に合っていないレンズを装用したり、間違った使い方をすると、大切な目を傷つけてしまうトラブルにつながります。 誤ったコンタクトレンズ装用によって起こりうる一般的な眼の病気を紹介します。 写真 原因と症状 角膜新生血管 角膜（黒目）には血管がないため、栄養分は内側から、酸素は空気から涙を介して取り込んでいます。コンタクトレンズを使用して角膜が酸素不足になると、角膜の周囲から中央に向けて血管が侵入してきます。これを角膜新生血管と呼びます。 ハードコンタクトレンズよりソフトコンタクトレンズのほうが角膜を覆う面積が大きいためにこの状態が起こりやすく、特に酸素透過性が低いレンズを長時間装用することはよくありません。 血管の侵入が著しい場合には、酸素透過性のよいレンズやハードコンタクトレンズに変更するか、眼鏡に変更します。 巨大乳頭結膜炎 コンタクトレンズの汚れによるアレルギーで生じた上まぶたの裏側の巨大乳頭結膜炎です。 正常者の瞼結膜は平らですが、この巨大乳頭結膜炎では瞼結膜にぼこぼことした盛り上がりがみられ、装用感の悪化や、目やに、かゆみを伴います。これはレンズの表面に付着した汚れやタンパクに対するアレルギー反応と考えられています。 この場合はレンズの使用は中止し、治療を受ける必要があります。 アカントアメーバ角膜炎 ソフト・使い捨てコンタクトを水道水ですすぐ事によって、水中にいる小さなアメーバがコンタクトレンズに付着し、目にキズが付いて弱っている時などに菌が目の中に入り込んで感染します。 アメーバに対する特効薬がないため、抗真菌薬を使用しますが、それに加えて感染した角膜表面を何度も削る治療を併用する必要があります。完治には何カ月もかかることがまれではありません。どうしても治らない場合は、角膜移植を余儀なくされる場合もあります。 角膜潰瘍 コンタクトレンズの装用時間を越えて付けっぱなしにしたり、レンズケースを洗わずに放っておいたりすると、目に菌が入り潰瘍ができます。 眼のころつき、痛み（時に激痛）、白眼の充血が起こり、瞳にかかる部分に潰瘍ができると、かなり視力が低下します。ひどい場合には、角膜全体に深い潰瘍ができたり、角膜の裏側に膿がたまったりします。 最悪の場合は角膜移植を行う必要があります。 角膜浸潤 コンタクトレンズの角膜への固着、装用時間のオーバー、不適切な使用などによって、レンズ下の涙液交換が不良になると、角膜は酸素不足になります。その際、角膜の上皮から実質にかけて混濁が生じ、角膜浸潤が起こります。感染を伴うと重症化しやすくなります。 衛生的な取扱と安全な装用を 心がけていただければ 毎日快適なコンタクトライフを おくる事が出来ます 万が一、眼に違和感・不安を感じた場合は、 速やかに眼科医の検診を受けていただきますようお願い申し上げます。