スタッフによる宝石ブログ

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【No.160】バイザヤードペンダントから背中まで45分 [ティファニー]

ティファニー バイザヤード ネックレス

スタッフのひとこと

ティファニー定番人気のネックレス「バイザヤード」。 一粒ダイヤのシンプルなこのネックレスは、デイタイムからナイトタイムまで幅広くお使い頂けます。 プラチナの一粒ダイヤはマスト!

このような、いわゆるプチネックレスなどと一般に呼ばれております、首回りを飾る軽めの宝飾品は、どういうわけか世間では薄着になる夏場専用のものであると認識されているようですが、サにあらず、シにあらず、スもあらず、もうエエちゅーねん!

もちろん、夏場にしてもろてアカンちゅーことは全然ないのでございますが、夏はほら四六時中皆さん薄着やさかい、こういった飾りモンの演出効果が薄れるわけですわ。

なんや、その演出効果いうのんは、ってか?そんなんも分からんとジュエリーつけとったら困りまんな、奥さん。

こういった光りモン、飾りモンちゅーんは、目立ってなんぼ。目立たんかったら何にもならへん、ちゃう?奥さん。

例えばや、お寺なんぞにお参りに行ても、たいていご本尊は本堂の奥に大切に安置されて、簡単に拝めんようになっとる。特に有名なお寺さんの、運慶快慶作みたいな国宝級の有り難いご本尊なんどになると、奥の院なんていうお寺の敷地の一層奥まった所の建物に恭しく納められてあって、年に一回、限られた日にしかご開帳されへん事が多いのです。

そや!ご開帳で思い出したけど、オッチャンが若い頃よう行ったストリップショーかて、最初から全裸、スッポンポンで飛び出してくる踊り子さんなんておらへん。みんなそれらしいセクシーな衣装を着けてやね、これを勿体ぶって一枚づつ脱いでいくわけですわ。その焦らしの小細工にまんまとアホなオッサンどもはハマって、エエ歳こいてエキサイトするわけやね。これが、すなわち演出効果言うもんですわ。

ティファニー バイザヤード ネックレス

「秘すれば花」いう言葉知ってまっか?これは室町時代、能の始祖とも言われる世阿弥が記した「風姿花伝」に出てくる、「秘すれば花なり秘せずは花なるべからず」という記述からの引用で、すなわち、なんでも初手からモロに見せつけるとアカン、艶消しや。ちょっと隠す、あるいは隠れているところに、もっとよう見てみたい、どないなっとんねんやろ、いう興味、欲望が湧いてくるわけですわ。すなわちストリップティーズと一緒で、折角の秘宝、お宝を御開帳するにはそれなりの演出が大事言うこっちゃ。

そりゃあなた、ティファニーのバイザヤードペンダントやからダイアモンドも特級で格別の輝きや。これをば、例えば水着からこぼれる日に焼けた素肌に着けてみなはれ。それなりに映えて、ええ風情になるのは当然。そやけどや、それでは芸がない、工夫が無い。あからさますぎる。大阪の古い言葉で言うと、ざんない。

ティファニー バイザヤード ネックレス

さて、これから季節も冬。皆様方もどんどん厚着になっていく訳で、実はここからがバイザヤードペンダントの本領発揮のシーズンなんですわ。

女性の方なんか冷えたらアカン、風邪ひいたらアカンいうことでやね、マフラーやらストールやらでニシンの昆布巻きみたいに、首グルグル巻きにしはりますわな。

なんや、そんなんやったら折角着けたネックレスが見えんようになるだけやん!わざわざ着ける必要あらへんがな、ナニ間抜けな事ほざいとんねんオッサン、舐めっとったらショーセンドーワレ!と河内弁の罵倒が何処からか聞こえてまいりそうですが、ちょー待っとくれやす。

まあ、ストールやらスカーフなんていうもの、寒いから言うて四六時中首にグルグル巻きにしてる訳やおまへんやろ、むち打ち症のコルセットやないんやから。もちろん室内に入ったら暖房もよう効いとるさかい、嫌でもこれをとらんと、逆に熱うてかなん、ちゃう?

さあ、ジュエリー演出効果のお話、佳境はこっからよ、よう聞いてや。

ティファニー バイザヤード ネックレス

季節は冬、冬のビッグイベントいうたらなんちゅうてもクリスマス。JR東海クリスマスエクスプレスの宣伝に使われた山下達郎のかの有名なCMソングのお陰で、その歌が流行した1980年代後半から今に至るまで、世の恋人たちはクリスマスイブいうクリスチャンの聖なる夜を、何を勘違いしてか、特別なデートの日とするしきたりが定着しております。

普段は吉牛やら丸亀、王将などでつましく晩飯を食いよるカップルも、この日ばかりは気張ってビストロなんちゃら言うような、コジャレタお店に背伸びして出掛けたり致します。

木枯らし吹きすさぶ夜の街。歌のとおり、日中に降り始めた雨は、雪に変わってしんしんと冷えてきよる。シナリオ通りや!

暖を求め飛び込むように入った店内。温度差でいっぺんに上気しピンクに染まる彼女の頬。

上着をお預かりします、と店員に促されるがまま、女性が外套を脱ぐと、その下は思いがけなく襟ぐりの広い、身体のシルエットもあらわな薄い黒のニット。肩から外した外套を店員が預かる刹那、体温と一緒に閉じ込められていた甘いフェロモンの芳香が辺りに拡散し男性の鼻孔をくすぐる。

これが先制のジャブからの左右のワンツーや。

ティファニー バイザヤード ネックレス

そしてとどめが、華奢な鎖骨の間で、エントランスホールのクリスマスツリーの電飾のきらめきを受けてまばゆく輝く、ティファニーバイザヤードペンダント至高のダイアモンド。

この井上尚弥ばりの電光石火のラッシュを受けて、男はもう茫然自失、ディナーの味なんかもう分からへん。スパークリングワインの酔いがさらに追い打ちをかけて、想いの向かう先はただ一つ、陽水の名曲「背中まで45分」。

またこの45分が長いんや、知らんけど。

【No.159】暴露系質屋ハーリー

【ビルマ産】 ルビー ダイヤリング

スタッフのひとこと

中央に鎮座されておりますのが宝石の女王ことルビー様。その周りにおりますのは召使いのダイヤモンドたち。ダイヤたちは女優ライトのように女王様を照らすのです。

最近何かと話題の某男性アイドル事務所。副社長の退社や人気アイドルの脱退など、アイドルの殿堂はまるで蜂の巣をつついたような大騒ぎ。

ロシアのウクライナ侵攻や北朝鮮のミサイル連射、あるいは中国の東シナ海における不穏な動きは、ひょっとするとわが身にも危険が及ぶマズイ事になるんやないやろか、という事で心配になったりするんですが、こういった芸能ネタは、こっちに何の不利益、災難が降りかかってこやん分、対岸の火事。安心してゲスな野次馬根性を満足させてくれるから、平和でええわしてよ(和歌山弁)。

しかし何ですな、某男性アイドル事務所というのは凄い力を持つ芸能事務所で、お抱えタレントの不祥事なんて、マスコミに出て世間に広まる前に、大概は事前に握りつぶしてしまうみたいですねー!

テレビ局各社は某男性アイドル事務所の機嫌を損ねたらお抱えの人気タレントを回してもらえないし、ゴシップ雑誌の出版元の大手出版社は、こぞってアイドルのカレンダーや写真集を出してる関係で、こちらも下手に逆らえないらしいですな、知らんけど。

【ビルマ産】 ルビー ダイヤリング

さて、「NHKをぶっ壊わーす!」でお馴染みNHK党の立●党首は、テレビは国民を洗脳する装置だと声高に主張されています。

NHKを除く民放各社や新聞雑誌社は、あくまで利潤を追求する営利団体であり、その利益の多くの部分がスポンサー企業からの宣伝広告費によって賄われております。よって、そういった広告主に不利益な放送や記事が出せないというのは当然のことわり。

その結果、数多くの広告スポンサーである巨大企業が絡む、不正行為や犯罪にはマスコミといえど、おいそれとは切り込めないようになっているらしいんですな。ですから正義を貫く、公正中立なジャーナリズムなどと云いながらも、大きな権力や権威におもねった、かなり偏向した報道がなされているという事らしいのです。

第二次世界大戦中の大日本帝国大本営発表の偏向報道は、未だに、その毛色こそ違えど、脈々と現代に受け継がれ続けているわけであります。

【ビルマ産】 ルビー ダイヤリング

ところがここにきて、インターネットの発達に伴い、ユーチューブや他のSNSなどで、市井の一個人が好き勝手、自由気ままにどこに忖度することも無く、単なる私怨などといった個人的動機が元の情報を簡単に発信できるようになりました。

その結果、今まで堅牢な要塞の如く堅く守られていた巨悪の既得権益の壁に、蟻の一穴が次々と穿たれ、今までその特権の上で胡坐をかき、左団扇でのうのうと我が世の春を謳歌していた選ばれし上級国民の地位が少しずつ不安定になってきているのではないでしょうか。

もちろん、単なる一個人がSNSなどで発信する声など小さなもの、たかが知れております。所詮は膨大な量の情報の海に飲み込まれ、塵芥のごとくに消え去ったり、あるいは強大な権力に裏から表から攻められ、締め付け潰されるのが関の山。

【ビルマ産】 ルビー ダイヤリング

ところが、そこに現れたのが強烈な発言力を持つ暴露系ユーチューバー。こういった方々がその庶民の声なき声や、もみ消されるはずのスキャンダルを拾い上げて、ネット上で拡散してくれるという、いわばネット上の拡声器、かわら版屋のような働きを担うようになってきたから、こりゃオモロイ!

長年社会から虐げられ、鬱屈したオッチャン等は野次馬根性丸出しで、もっとやれー!イテコマセーいうて無責任に楽しんでまんねん。

まあそんな世間の風潮の尻馬に乗ってやね、ここなオッチャンも暴露ネタを一つ。宝飾業界よ、覚悟して震えながら聞きさらせよ!ってそんな大層のもんやないけどね。

【ビルマ産】 ルビー ダイヤリング

さて、最近ではメルカリなど、ネットを介しての個人間で不要になった物品、すなわち中古品の売買が盛んに行われているようでございます。ただし、これが高額ブランドのバッグ、時計、ジュエリーなどになるとやはり真贋の面などで不安が付きまといます。そこで中古品はそういったモノの目利きの専門、質屋で買いましょうと言うのが消費者の賢明な判断。

そこで質屋の扱っている主な品物に目をやりますと、まず第一にブランドバッグ。エルメス、ヴィトン、シャネルなどなど憧れのブランドバッグが使用感の差などによってお安く買えるというもの。

女性のブランドバッグに対して、男性はなんと言っても高級腕時計に興味のある方が多ございます。腕時計などの場合外側のケースは研磨によって綺麗にして、見かけは新品のように販売しているところが多いようでございますが、これとて精密機器。専門家がその内蔵されているメカをチェックすれば中古かどうかは一目瞭然。したがって中古車同様、年式や程度によって中古価格が設定されるようでございます。

【ビルマ産】 ルビー ダイヤリング

さて問題は宝石貴金属のたぐい。こういった宝飾品と呼ばれる基本18金やプラチナなどの貴金属の土台で出来上がった品物は、新品仕上げと呼ばれる地金部分の研磨、および宝石が欠けていたらリカット、つまり再カット、あるいは石ごと入れ替えたりすることもできる。つまり中古品といってもそういった作業を品物に施せば新品と全く変わらぬ状態のものが、中古として安く買えるわけなのです。

ところが、こういった商品はあまり脚光を浴びていないのが現実。

なぜならば、このような中古宝石類は回り回って、また新品として宝石店の店頭に並ぶ道が開かれているからなのであります。

わたくし共のように質流れ品、買取り品の特に宝石の販売に力を入れているというのは、質屋、買い取りや等のリサイクル業界全体から見ればかなりの異端。

通常、質屋、買い取りやと言うものはこういった中古の品物を「市」と呼ばれる、業者専門のオークションに出品して捌きます。このオークションに買い手として参加するのは古手屋などと呼ばれる中古品専門のブローカー。古手屋にもそれぞれ専門分野があるようで、衣料専門、道具専門などそれぞれのスぺシャリティーがあるようでございますが、もちろん宝石専門の業者さんもございます。

こういった宝石専門の古手屋さん、規模の大きいところになりますと自社に宝石の工房を抱え、そこで先程説明いたしました新品仕上げや石の載せ替え、指輪を標準サイズに復元したり、一部分を加工替えしたりと、様々な手を使い中古ジュエリーの新品化を図ります。

【ビルマ産】 ルビー ダイヤリング

さて、こうして新品そっくりさんになった商品はどこへ行くかと言うと、これがなんと宝飾品の問屋さん、たまにはダイレクトに小売屋さんに流れる場合もあるのです。もちろんこの問屋、小売屋というのに中古専門のという但し書きはございません。中古専門の宝石店なんて聞いたことおまへんやろ?

こうした再生宝飾品の流れを具体的に、例を挙げてご説明すればいいのですが、あまり掘り下げると、生命の危機にさらされることがあるやも分かりませんので、ドバイの住人でないわたくしは、ここいらで暴露は差し控えたいと思います。

実際、新品仕上げした中古品と、全くの新品の見分けは専門家でも容易につけることはできません。新品の商品作成においても、最終段階の仕上げ作業は中古品に掛けるのと同じ新品仕上げ。またどうしても在庫として滞留期間の長い宝飾品、移動やディスプレイの最中にこすれたり、落としたりして付く小傷の除去も同様の研磨を掛けてメンテナンスいたします。即ち研磨痕があるからと言えど中古とは限らないわけ。

第一そんな研磨痕の残るような雑な仕上げはしませんしね。たとえ研磨で消えることのない深いキズや当たりがリングの腕部分にある場合は、腕ごと代えちゃえばいいのです。勿論、時計のように内蔵してるメカニックもありませんから調べようがない。

「いや、留まってる宝石が古いやろ?」

「宝石は新品中古の別なく、みんな古いんですわ、何億歳ばっかりでっせ」

という事で、知らずに中古品を新品価格で買わされるなら、知ってて新品同様に生まれ変わった、こんな素晴らしい中古のジュエリーをお安く買った方がお得ではないでしょうか?

【No.158】ギメルの葉っぱのフレディ [ギメル]

Gimel(ギメル) パヴェ ダイヤモンド ピンブローチ

スタッフのひとこと

コメント不要・ギメルのアレですわ、そうそうアレ

春爛漫花盛りの桜を愛でる花見に対して、秋は木々を彩る燃えるような紅葉を鑑賞するのがそれぞれの季節の愉しみの一つでございます。

春の花見が命の息吹を感じる花を楽しむのに対し、秋のそれは木々の葉っぱ、しかも命果てる間際、今まさに散ろうとする、枯葉一歩手前の葉を愛でるという、如何にもそれぞれの季節の性格に即した行楽であります。

まあ、わたくしなんぞも人生の黄昏時に差し掛かってまいりましたので、この秋の穏やかな日差しに映える、目にも優しい穏やかな暖色の木々を飾る葉のように、穏やかながらも人目を引く美しい姿を保ちながら老いていきたいものと願うところでございます。ただし、現実は想いとは裏腹、色づくどころか、木枯らしに震える枯れ枝のように衰え枯れるままの体たらく。

わたくしの様なジジイですらこのような儚い想いが去来いたす訳ですから、女性の方ならなおさらに、人生の黄昏時を宝塚歌劇のグランドフィナーレの如く華々しく、山一面朱に染める紅葉の如く豪華、華やかに終焉を迎えたいと思われるのではないでしょうか。

さて、そんな女性の切なる願いを叶えるのは紅葉、赤く色づいた葉っぱではなく、こちら神の降臨の如き眩い輝きを四方八方に放射する、ダイアモンドの葉っぱなのでございます。

この葉っぱを僅か一葉胸元に飾ることで、なんと紅葉の葉、大木一本分の効果がもたらされるのでございます。

Gimel(ギメル) パヴェ ダイヤモンド ピンブローチ

こちらは皆様ご存知、日本が世界に誇る宝飾ブランド、ギメルの逸品、ダイアモンドブローチでございます。

ギメルと言えば、芦屋奥池という日本最高峰の住宅地に本社を構え、デザイナー兼オーナーである穐原かおる女史の妥協を一切拒む厳しい監修の下、世界最高峰の宝飾品を紡ぎ出す奇跡の工房。

その商品と言うよりも作品は、未来のアンティークとも称されるが如く、その完成度の高さは最早芸術作品の粋。

Gimel(ギメル) パヴェ ダイヤモンド ピンブローチ

さて前置きが長くなりましたが、実際の作品を検分して参りましょう。

こちらブローチと申しましたが、そのサイズはさほど大きくはなく、横幅12ミリ縦21ミリほどの、いわゆるピンブローチでございます。ですから、黄昏時の奥様は勿論のこと、黄昏時はもとより、まだまだ現役バリバリ、チョイワルのご主人様のお遊びのお供にもご愛用していただける、汎用性の高い品物となっております。

さて、肝心のデザインでございますが、葉っぱのデザインはご覧の通りなのでございますが、そのデザインも細かいディテールを排除した、標識などに使われるピクトグラムのような飽きのこない、いたってシンプルな外形。

このシンプルなペンダント枠に囲まれセットされておりますのが、他の国内メーカーの追随を許さないどころか、世界の一流宝飾ブランドと比べても、一歩も引けを取らない最高級品質のメレダイアモンド。このダイアモンドのきらめきを抜きにしてギメルは語れません。

こういった最高品質のダイアを全ての製品に満遍なくいきわたるようにするには、よほどしっかりした海外からの仕入れルートが確立されているに違いありますまい。ここいらにギメル社製品の価格が伊達に高いわけではない秘密が隠されているのでございましょう。

Gimel(ギメル) パヴェ ダイヤモンド ピンブローチ

次にご注目頂きたいのが、このダイアモンドの配置。普通こうしたパヴェセッティングは均一な大きさのダイアを文字通り敷石の如くに並べていくことが多いのですが、こちらはご覧の通り、大きさの異なるダイアモンドが一見ランダムに配置されております。この工夫は決して平板ではない葉っぱの表面のおうとつを表現する狙いと、シンプルな枠組みのデザインを退屈に堕することなく、内部に躍動感を生み出す工夫だと見て良いでしょう。

さて、いみじくも「葉っぱのフレディー」などと云う人生を語る絵本がありましたが、あなた様の人生の最終章を飾るに相応しい、豪華にしてシンプルな葉っぱのペンダント。いかがでございましょう。

あなた様が恙なくこの世から消え失せた後も、残されたご家族が欣喜雀躍、おおいに喜ぶ形見となることは間違いございません。

【No.157】指輪だって洗って欲しい! [ギメル]

Gimel(ギメル) パヴェ ダイヤモンドリング

スタッフのひとこと

日本が世界に誇るジュエラー、ギメルの逸品。恐れ多くてコメントできません!嗚呼まばゆい(溜息)

世の中には潔癖症と呼ばれる方々がおられます。専門的な言葉で言うと強迫性障害などと言うらしいのですが、その障害の多岐に分かれる症状の中でも、不潔恐怖と呼ばれるのがそれに該当するようでございます。

まあ人間、程度の差こそあれ大方の人は不潔なものよりも清潔なものを好むようでして、わたくしの如き、ものぐさ、ずぼら、大雑把の不潔不浄な爺ですら、他人が口をつけたグラスや杯で同じ飲み物を頂くなどと言う事は、出来れば避けたいのでございます。

最近ではすでに廃れた風習になるかもわかりませんが、献杯とか返杯などと言う酒宴の風習。先輩や上司、取引先、あるいは親分、親方といった、たいていは如何にも歯周病に侵されたオッサンが口をつけた、その同じ杯でお酒を押し頂くというもの。そのような上下関係の強要のごとき習わしともども、実に不衛生で嫌悪すべき悪習と、わたくしかねてより厭わしく思っている次第でございます。

ただ、本物の潔癖症の方になると、それどころではございません。電車のつり革にはつかまれない。ドアノブには触れない。公衆トイレの便座には座れない。病院や公共の施設などに用意されているスリッパが履けない。人を自宅にあげたくない。などと云った様々な生活上の不便が降りかかります。

コロナが流行してからではございますが、わたくし電車でゴーグル、サージカルマスク着用の上、ゴム手袋をして乗車している方を見かけたことがございます。この度のコロナウイルスのパンデミックが、より一層そういった方の恐怖を煽って、症状を重くしているのではないかと懸念されるところでございます。

Gimel(ギメル) パヴェ ダイヤモンドリング

ところで質屋という商売柄、ひと様の使い古した宝飾品を見る機会が多いのでございますが、これが一様に、ものの見事に汚れきっているのであります。

もちろん、度重なる着用によって地金部分が被る、スレや小傷は致し方ございません。

着衣に一糸の乱れも隙もない一見して綺麗好き、石鹸の香り漂うかの如き清楚なご婦人ですら、その着用されてる指輪の裏側は、その御本人の見かけを裏切る、潔癖症の別腹行動が観察されるのです。即ち、指輪の裏側が石鹸カスと垢の混合物でとんでもない事になっていることが多々あるのです。これは何もこの奥様一人に責任を求めるのは酷。何をおいてもその指輪を販売した店側の責任。

お洋服が定期的な洗濯やクリーニングが必要なように、あるいはまた、皮革を使用した紳士靴、パンプスが定期的なお手入れが必要なことは皆様常識的にご存知なのですが、その見かけの美しさこそが唯一の存在理由である宝飾品のお手入れに関して、販売店側の情報開示はあまりに不親切。適切な宝石のケアーの仕方を販売時にお客様にきちんと伝えないことがほとんどなのではないでしょうか。

Gimel(ギメル) パヴェ ダイヤモンドリング

さて、ご覧いただいておりますは、最高級のメレダイアモンドを使用した、目も眩むような奇跡の輝きを放つ、当店一押しのギメルのダイアモンドパヴェリングでございますが、この指輪とて、定期的なお手入れを欠かせばたちまちに、あたかも玉手箱を開けた浦島太郎の如く、あっという間に排水溝の裏蓋の如くになり果ててしまうのです、恐ろしや!

ダイアモンドと言うもは、親油性が高いなどと申しますが、非常に脂質が付着しやすい性質がございます。指輪をつけます手というものは、手に汗握るなどと云うくらい汗や脂の多い場所、それに輪をかけてご婦人方はハンドクリームなどを頻繁にご使用になりますから、ダイアモンドにとっては最悪な環境。

Gimel(ギメル) パヴェ ダイヤモンドリング

さて、いったんこの脂を身にまとったダイアモンドはどうなるかと申しますと、溶き卵をくぐらせたフライの食材、豚肉やエビがやすやすとパン粉を身にまとうが如く、あらゆるゴミ芥、角質化した皮膚の離脱した粉、あるいは垢などを隈なく身にまとう事になるのです。さらには、ギメルご自慢の裏側のハチの巣状の石枠構造がさらにこの汚れ蓄積に味方し、この蜂の巣一穴一穴に汚れが堆積して行く仕掛けとなっております。

そのような状態になった指輪というものは、たとえそれがギメルであろうとも、最早キュービックのオモチャにすら見劣りする、クサレ指輪に成り下がるのです。

Gimel(ギメル) パヴェ ダイヤモンドリング

では、それを防ぐお手入れ方法はと言うと、驚くほど簡単。超音波洗浄機なんて大層なものはいりません。着用の度毎に食器用洗剤で歯ブラシを用い、裏表隈なく洗って頂くだけでいいのです。万一石が取れた場合の用心のため、桶か洗面器に受けて実行してください。

なに、それだけのことがめんどくさい?それ寝間着で歯磨かんと銀座いくようなもんやで。

*注意、上記洗浄方法は、ダイアモンド製品のみに関してであり、他の宝石には洗浄すら不可のモノがございますので、宝飾品の洗浄は必ず専門店にご相談くださいませ。

【No.156】全ての道はローマに通ず、知らんけど

古代コイン ペンダントトップ

スタッフのひとこと

塩野七生先生の泣いて喜ぶ、かどうか知らんけど、歴史ロマンかおる古代ローマコインのペンダント

「そこに愛はあるんか?」と諫めてくれる美しい女将さんは、なんとわたくしより年上の元宝塚の大女優、大地真央さん。

これは皆様もお馴染みの、消費者金融アイフルのテレビコマーシャルの一コマ。

このコマーシャルは好評なのか続編が次々制作されていて、大女優がブルースリーかジャッキーチェンばりのカンフーアクションを披露されておられるパターンもございます。まあ、わたくしより年長の方がアクションというのも驚異ではございますが、それよりなにより驚くべきは、大地真央さんの昔と変わらぬその美貌。まさに楊貴妃が探し求めていたとされる不老不死の薬でも飲んだんじゃね?つーくらいの不老不変ぶり。

大地さんが宝塚のトップスターとして活躍されていたのは、今をさかのぼることおよそ40年前の1980年代。

その頃は、かく申すわたくしとて二十代の水も滴る好男子。もう押し寄せる女どもをかき分け押しのけ、時には押し倒ししつつ楽しい日々を過ごしていたものが、今では見るも無残な老醜悪臭漂うド腐れ爺。まさに朝に紅顔あって夕べに白骨となるの諺を身をもって実践中。

ところがどうした事か、年上お姉様の大地さんの容色は全くと言ってよいほどの衰え知らず、つか、むしろ昔よか綺麗になってんじゃね?

古代コイン ペンダントトップ

まあ、これはテレビのスクリーン越しの感想ですから、映像技術の進化した現代のこと、卓越した画像処理技術でもって、かなりの加工処理が施されているのかもわかりません。ただ、ご本人は舞台でもご活躍のこととて生身を晒す身、やはりこれはご本人自身の身体におけるアンチエイジング加工が大いにその威力を発揮していると見る方が的を得ているのかもわかりません。

いや、まだまだ大地真央ぐらいで驚いてちゃいけない、かの日本を代表すると云う大女優、吉永小百合様をご覧くだされ。ウィキペディアでしらべたら、なんと御年とって七十七歳、どーなってるの!?

ウチのばあさんが死んだのがちょうど七十七で、まあその前に脳溢血で倒れて半身が不自由にはなってたのですが、もうその晩年の姿たるや、見るも無残、妖怪砂かけ婆の如き容貌。それに引き比べてどうでしょう、この小百合ちゃんの驚異の若さ、その衰えぬ美貌。これはもはや、美容整形とかの範疇を乗り越えて、再生医療の分野のとびきり最新のヤツでもって施術してんじゃないですかねー?アンドロイドいうか、レプリカントいうんか、知らんけど。

古代コイン ペンダントトップ

ところで、わたくし疑問に思うのが、そのような大御所女優の皆様方はいったいぜんたい、そういった施術を全身のどの範囲まで施しているかということ。

まあ、いくら綺麗でも大御所女優。濡れ場など最早いくらなんでも無いはずですから、お顔やせいぜい腕や手といった普通の演技で露出する範囲のみで、あとのパーツは手つかず未開の原野。荒れ放題、朽ち放題、無人の民家の如き様相を呈しているのでありましょうか?

普通は褒め言葉に使われる、「脱いだら凄い」が逆の意味で凄いことになってたとしたら、かなり怖いイメージを想像してしまいます。若々しく光輝く美貌のおかしら部分。しかし、その首から下は・・・。まさに名匠スタンリーキューブリック監督のホラー映画不朽の名作「シャイニング」のワンシーン。

ホテルの呪われた客室に彷徨いこんだジャックニコルソン演じる主人公のホテル管理人ジャック。無人のはずの部屋のシャワーカーテンをかき分け、バスタブから水滴を滴らせたまま現れ、近づいてくる全裸の謎の美女。根が好き者のジャック、彼女を思わず抱き寄せキスした瞬間、若い美女は一瞬にして全身に死斑の浮いた老婆に様変わりし、恐怖におののくジャックを追いかけまわすという、その恐るべき光景が蘇るようでございます。

という事で、この度は一部は新品同様、そして部分的に年老いて古びたままの状態のジュエリーのご紹介でございます。

古代コイン ペンダントトップ

さて、こちらご覧いただいておりますのは古代ローマのコインを用いたペンダントでございます。

古代コインのペンダントと申しましても、ペンダント本体、コインを囲むペンダント枠自体は現代に作られたもので、中心にセットされたコインだけがローマの遺跡などで発掘された、映画「テルマエ・ロマエ」でおなじみのローマ帝国時代の昔のコインなのでございます。

通常わたくし共が主に扱うのは質屋の販売でございますから、中古品がメインなのであります。ただ、宝飾品に限りましては新品仕上げと言いまして、その製品全体を再研磨することにより、まったく見た目新品のように再生することが出来るので、これを中古価格でご購入頂くのは真にお得。

古代コイン ペンダントトップ

ただし、この古代コインに新品仕上げを掛けてしまっては元も子もございません。写真でもご確認頂けると存じますが、コイン部分だけは如何にも発掘されたという感じが明らかな、骨董の世界などで云う、時代がついておりまして、いかにも古び朽ちた感じ。これがこの商品の値打の肝。これを研磨して紀元前、後500年くらいのローマ帝国時代の造られた状態に戻してしまったら何にもならない。ありがたみ、重みが消滅してしまうのです。ですからこちらは、コインは全くの手つかずのままにて、その側に当たるペンダント枠のみを研磨しました、コイン以外は新品同様といった、大女優の加工にも比肩すべき加工内容のお奨め商品となってございます。

【No.155】お肌が蘇るローズクォーツの魔力

ローズクォーツダイヤペンダント

スタッフのひとこと

豊満色白美女に是非ともお着け頂きたいローズというよりピーチと呼びたい大きなクォーツ

さて、前回は花束のような指輪のご紹介でございましたが、此度は果物のようなペンダントをご紹介させて頂こうかと存じます。

花も実もあるなどと申しますが、じつは花も、実である果物も、植物の種族保存、子孫繁栄のため自然の叡智がたくらんだ大いなる仕掛け。この仕掛けに人間だけではなく、他の動物や昆虫もおびき寄せられ、花粉を運んだリ、種子を運んだりするお手伝いをしているのは皆様も小学校で習いましたね。

ただ不思議なのは、赤白黄色と咲いた花を美しいと感じて、引き寄せられたり、甘い果汁に思わず食欲をそそられたりするのが人間ばかりでは無くて、その他多くの動物であったり、蝶や蜂などの虫でさえ引き寄せられるところ。

猫に小判、豚に真珠などと言いますように、人間の欲望の向かう先は必ずしも他の動物には何ら魅力のない事が多い中、この花の美しさ、果実の美味しさに関しての嗜好は他の生き物と共有、共通なわけであります。

花々の目を見張るような美しさや、瑞々しい果汁滴る新鮮な果物の甘さに魅力を感じるのは万人共通どころか、生物の種を越えての広がりを見せているわけであります。

ローズクォーツダイヤペンダント

さて、ご覧いただいております瑞々しく熟した果実の様なピンク色の宝石。このカボッションにカットされた大粒の宝石はローズクォーツ、和名では紅水晶と呼ばれる宝石でございます。

こちらはプラチナと18金イエローゴールドのコンビネーションによって形作られた優美なデザインのペンダント枠に納まった、サイズがなんと、横幅36.0 x 縦55.6 x 厚20.3mmという迫力満点の大型ペンダントなのでございます。

これくらいの大きさになりますと、変にあくの強い派手な宝石が留まったりしてますと、逆に悪目立ちして、嫌味に映ったり致しますが、この薄紅色の半透明のまったりした色合いですと、まことに長閑な春の日差しのごとき癒しを、着けている本人は勿論の事、観る人達の心にももたらします。

ローズクォーツダイヤペンダント

水晶と言いますと皆様、占いなどに用いる無色透明のロッククリスタルクォーツと呼ばれる水晶の球を思い浮かべ、無色で透き通ったという印象が強いかと存じます。しかし水晶も他の宝石同様、様々な色や模様を呈する種類が多くあり、この潤むような風情のピンクのローズクォーツもその中の一つ。

人の若さを色で表す場合、男の場合は青二才、青年などと言う言葉に表される通り、青色が通り相場となっておりますが、女性の場合はなんと言ってもこのローズクォーツの色、ピンクではないでしょうか。

ウェディングソングの定番ともなっております、一青窈さんのヒット曲「ハナミズキ」の一節、

“ 薄紅色の可愛い君のね 果てない夢がちゃんと終わりますように 好きな人と百年続きますように ” と歌われるように、この薄紅色つまりピンクの君と言うのは、紛れもなく若い女性を示しております。

さてこの女性の若さのシンボルカラーを身に着けることにより、“天城―ぃごぉーえ~っ、と峠を越えた熟女の皆様方におかれましても、再春館製薬の効能書きではございませんが、再び春が巡り来て、若い蝶や蜂どもがあなた様の足元に平伏し、甘い蜜のおねだりをするという仕儀となっております。

今の世の中、アテンダーと呼ばれる便利な方々や、マッチングアプリなどの恩恵を被り、男女の出会いも昔に比べ随分便利になっておるようでございますが、しかし最終的には人間力。最後の詰めが肝要。常に魅力ある女性であるべく、不断の努力を欠かしてはなりません。さあ、この大粒の薄紅色の宝石であなた様自身をライトアップ、セルフプロデュースしていただき、活きの良い若鮎のようなママ活男子を他に先んじてゲットいたしましょう!

【No.154】レクター博士のお好みキャンティの色

レッドトルマリン マルチダイヤリング

スタッフのひとこと

これぐらい赤こないとルベライトとは言えまへんねん、申し訳おまへんけど

こちらの豪華な花束のような指輪をご覧くださいませ。

中央に熟成された葡萄酒のような深い臙脂色のきわめて大きい透明宝石が配置され、その周囲を色とりどりのカット形状が異なる小さな宝石が囲んでおります。

世間一般にはダイアモンドの人気が圧倒的に高く、ともするとこうした色石宝石の製品は忘れられがちなのですが、いかがでしょうか。こういった様々な色の宝石を組み合わせた指輪というのもまことに華やか、楽し気で、着けていると自ずと気分も晴れやかになるようではございませんか?

レッドトルマリン マルチダイヤリング

さて、この中央で指輪の主役を務めるワインレッドの透明な宝石は、トルマリンという宝石なのでございます。

トルマリンと一言で申しましても様々な色のバリエーションがございます。その中で、宝石ファンにも一番馴染み深いのが、緑色をしたグリーントルマリン。ただ緑色と言いましてもエメラルドのような明るく華やかなグリーンではなくて、もっと濃いというか、深く沈んだ色のダークグリーンのものが多いようでございます。

レッドトルマリン マルチダイヤリング

さて、この馥郁たる香りを放つイタリア・トスカーナ州で産するキャンティワインを彷彿とさせる赤いトルマリンですが、こちらはその色にちなんでルベライトなどとも呼ばれるレッドトルマリンでございます。

その色にちなんでなどと申しましたけども、ルベライトとは、元々はラテン語のルビー、rubeus(赤)から派生した rubellus(赤味を帯びた)が語源に当たるとの事で、実際古来からルビーの代用石、またはルビーと間違われて、いわれある由緒正しい王冠など、王侯貴族を飾る宝飾品などにも多く使われてきたという長い歴史がございます。

ただし、実際ルビーと見紛うほどにはっきりした赤、つまりこの指輪に留まっているほどのビビッドな赤い色目の石は大変希少で、たいていはもっと色の薄いピンク色の石、ピンクトルマリンと呼ばれるものがほとんど。そういった意味でも、この指輪の中石はその大きさとも相まって値打ちがあると言えるのでございます。

さて、それでは次はこの主役ルベライトを取り巻く脇役の細かい宝石を見てまいることにいたしましょう。

レッドトルマリン マルチダイヤリング

まず、ご覧いただいている写真で言いいますと、指輪正面左肩部分に五つ並んでセットされておりますのは、ピンクのサファイア。サファイアと言えば青色のイメージですが、こちらは可愛らしいイメージのピンクサファイアをペアシェイプと呼ばれる雫形にカットした石達。ピンクの宝石が仲良く肩を並べてセットされている様子がまことに愛らしいではございませんか。

そしてその反対側、右サイドの部分には葉っぱの型にカットされた緑色の鮮やかな石が散らばってセットされております。これはマーキーズカットにカットを施されたグリーングロッシュラーライトガーネットと呼ばれるグリーンのガーネット。別名ツァボライとも呼ばれますが、これはケニアのツァボ動物公園で最初に採掘されたところから、ティファニーが命名した商品名なのだそうです。さすがティファニーが眼をつけただけあって、非常に鮮やかで瑞々しく、グリーンが眩しい素晴らしい宝石でございます。

レッドトルマリン マルチダイヤリング

さて、写真の下の方に写っています二種類の宝石にご注目くださいませ。

まず、先ほどご説明いたしましたグリーンのガーネット、これを挟んでピンク系の宝石二個が隣り合っております。そのうち右のオーバルカットの石は最初にご紹介いたしましたピンクのサファイアなのですが、左側のマーキーズカットの石。こちらも同様にピンク系のサファイアなのですが、右に比べてややオレンジ色がかっております。所謂ところの帯橙ピンク系、という事で、この石はパパラチアサファイアであろうかと思われます。

また、このもう一方の右側のピンクサファイアを挟む形でセットされております小さい水色の宝石は、ブルートルマリンと鑑別書には記載されておりますが、色目からパライバトルマリンの可能性がございます。

なぜパパラチアサファイアと思われるとか、パライバトルマリンの可能性があるなどと言った回りくどい言い方になるかと申しますと、簡易な鑑別の為そこまでの突っ込んだ検査を施していないからなのです。

より細かな鑑別を行う場合はまず、個々の宝石を枠から外し個別に精密検査を施さねばなりません。その結果製品コストの上昇を招き、いたずらにお客様のご負担を増やす結果となることを恐れ、あえてこれを行ってはおりません。別に鑑別書をぶら下げて歩くわけじゃないですからね。

レッドトルマリン マルチダイヤリング

さて、しんがりはそれぞれの色石の間や石枠の装飾に配置されたダイアモンド。こういったマルチカラーの装飾品においても、色石のみで構成されるという事は極めて稀で、多かれ少なかれダイアモンドが煌めきのアクセントとして必ずと言って良いほどセットされております。

多分これは色石だけがぎっしり詰まっていると何やら重苦しいく、余裕がない感じになるからではないでしょうか。このダイアモンドの役割は、花束やブーケにおける、かすみ草が演ずる、名わき役の立ち位置に重なるところがあるのではないでしょうか。目立たぬ存在がかえって場を和ますといった役割ながら、もちろんこの役どころとてその品質は重要。汚いダイアを使えばかえって全体が汚れた感じとなり、商品全体に悪影響を及ぼしてしまいます。

そうした観点から見ましても、これらの細かいダイアモンドの品質も申し分なく、きちんと自らの役回りを果たしながらも、その輝きで製品全体に一層華やかな印象付加しているのでございます。

レッドトルマリン マルチダイヤリング

さて、いかがでございましょう、こちら冒頭で申し上げたような宝石の花束。生花の花束の美しさは、それなりに代えがたい美しさがございます。

しかし、「花の命は短くて」などと言われる如く、お楽しみ頂ける期間がはほんの束の間。しかしこちらの花束ならコンパクトで持ち運び便利、肌身離さず、しかも生涯枯れることのない美をご堪能頂けるのでございます。

少しでもご興味をくすぐられたと仰るお方は、下にお示しいたしましたURLより弊社楽天ホームページへお進みくださいませ。

【No.153】今どき漢のいなせな指輪

メンズ ダイヤモンド リング

スタッフのひとこと

ちょっと不良っぽくキメて、夜の街へ繰り出そうじゃないですか旦那。舘ひろしに間違えられますぜ!

わたくしが新卒で入社いたしました宝石屋は、伝統ある老舗ということで、大阪ではそこそこ名の通ったお店だったのですが、どんな会社でもそうなのかもわかりませんが、外から見るイメージと、中に入ってからの実際の企業風土とが大きくかけ離れていたのには、少なからず衝撃を受けたものでございます。

わたくしの入社当時と申しますから、今から四十年以上も昔。あー、歳いたなー、嫌んなるわ。

当時その会社には、兵庫県の東条湖の近くに会社が契約している保養所がありまして、新入社員は全員配属前にそこに集められ、一週間みっちり研修を受けるようになっていたのであります。

四十年を経た今となれば、いったいどんな内容の研修を受けたかなどさっぱり記憶にございませんが、唯一覚えているのは毎日早朝にたたき起こされ、近所の山道をジョギングさせられた事だけ。いまだに覚えてるからには、よっぽど辛かったんでしょうなー。

さてその研修の最終日、大阪から遠路はるばる、わざわざ社長がお出ましになり、わたくしども新入社員に訓示を垂れたもうという事で、一同玄関前で整列してお出迎えするようにとのお達し。

まあ、研修最終日という事もあり、ややだれ気味の新入社員どもが、不承不承並んで玄関前で社長様をお待ちしておりますと、遠目にも鮮やかなスカイブルーの大型のアメ車、リンカーンコンチネンタルが田舎道を砂煙を蹴立てて爆走してくるじゃありませんか。

当時、リンカーンと言いますと、今は無きプロ野球チーム南海ホークス、その球団のスター選手、ノムさんこと三冠王野村克也氏が、これ見よがしに球場に乗り付けていたことでも有名。それ以外にも、任侠の有力親分衆がその勢力を誇示するための有力なはったりの小道具でもあったわけであります。メルセデス・ベンツが流行る前の話ね。

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えっ、まさかあれ?と思う間もなく保養所玄関脇にピタッと停車した巨大魚エイのようなリンカーン。左側運転席からまず下車したのが、テレビドラマ西部警察の渡哲也を彷彿とさす、三つ揃い紺色ペンシルストライプのスーツも颯爽と、ブッダのごときパンチパーマが頭部で黒々と波うち、レイバンのナス型サングラスがバッチシ決まった、どこからどう見ても、紛うかた無き、半グレどころか全グレの渡世人。

このヤーさんが恭しく後部ドア―を開け、直角最敬礼のお辞儀でお迎え、お出ましになったのが如何にも仕立ての良さそうなダブルブレスト高級紳士服に身を包んだ恰幅の良い、昔の俳優、佐分利伸が金縁の眼鏡を掛けたような貫禄十分の紳士。

その光景を見るが早いか隣の同期の男が青い顔して、「アッチャー、えらい会社入ってもた、ヤーコやがな」と、思わず口をついて出たつぶやきが今も忘れられません。

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話はこれだけでは終わりません。後続の車でやって来たのは、その社長が熱心に信奉するという、ローカル新興宗教の教祖とその一団。七十~八十年配の白髪色黒の老人を先頭に、お付きの者が二三人ほどおりましたでしょうか、全員和服に袴を身に着けていたような記憶がございます。

その後、研修の教室に使われていた部屋に一同入室。先ずは社長登壇にて有り難い訓示があったのですが、その前の登場シーンの衝撃が大きすぎて、話の内容がまったく頭に入って来ません。

メンズ ダイヤモンド リング

さて、社長の後にスピーチに登場したのが例の教祖様。この教祖様のお話をなんとか覚えているのは、その内容がヤバすぎたせい。

その話たるや、自分の前職はヤクザであり、ある日突然神様の掲示をうけ、神の言葉を伝えるための伝道師としての今の地位にあるといった自己紹介の後、何やら難解な神道系の神様のお話。その後、延々と続くは社長への賛辞。

曰く、「●●社長はあたかも戦国武将、武田信玄同様、その疾きこと風の如く、その徐なること林の如く、侵掠すること火の如く、動かざること山の如し、まことに知略に長けた名将であらせられ・・・・・」などと云うヨイショが延々と続き、もういい加減飽きてきたところで、突然「喝―ツ!!」と教祖様の大声が鳴り響いたのです。

「この中にワシの言葉を真剣に聞いてない者が何人かおる!神のお言葉を聴き取ることのできるワシには、不届き者の心の動きなんぞは手に取るようにわかるのじゃ。しかしワシは敢て咎めることはせん。なぜなればそのような心根の腐った者は自ずと滅びの道を歩むこととなるのが道の道理というもの、ワーッハハハハハハハハハハ!」

さて現在、小生わが身を振り返るに、この教祖様のいう事ひょっとして当たってたのかもなー・・・・・・

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研修も無事終わり、各部署に配属された新入社員たち。わたくしも大阪はキタの阪急三番街というショッピングモールにある支店に無事落ち着いたわけであります。しかし気になるのが件のリンカーンとその運転手。就職難の中、折角入社した会社が、今で云うところの反社勢力によるいわゆるフロント企業だったのではないかという疑念がどうしても晴れません。

結局、後日いろんな会社の先輩、取引先に尋ねた結果、その疑念はようやく一掃、反社勢力とは何ら関係のない健全な個人商店だと判明して安堵したのでございます。

ただし、そのレイバン、パンチパーマの運転手だけは例外。その人こそはまさに元暴力団構成員で、当時は社長の運転手兼用心棒として雇われていたホンモノ。実際に接すると、我々下っ端の社員には非常に優しい方だったのですが、人相だけはニカッと笑うと金歯がずらっとむき出しとなる獅子舞いの獅子のよう。東映ヤクザ映画常連のピラニア軍団などはるかに凌ぐ本物の迫力。レイバンのサングラス外した方がさらに怖いというくらいの迫力の顔面凶器だったのです。

なにせ、当時は暴対法などが出来る前の無法の暗黒社会。お店で恐喝紛いのクレーム、いちゃもんをつけるチンピラも少なくはなかったのです。そんな時はこの用心棒のダンナが、社長のお出かけまでの暇な時間を、自室で寛いでいる格好のまんま、すなわちダボシャツ、腹巻。スラックスに雪駄を突っかけて登場、そのクレーマーを優しく諭してくれるのです。

「兄ちゃん、ごねる場所間違ごてえんか、おう?どこのモンやワレ?」

「あっ、いや、ちゃいまんねん。俺はなにも・・・」

「ごちゃごちゃぬかさいでええさかい、店先で目障りや、さっさといんでくれるか、おう?それとも事務所でゆっくり話聞かへてもらおか?」

「へ、へっ、すんまへん、すんまへなんだ、さいなら、すんまへん」

そういう時の、漢を売る商売の本物の胆力というものは、根が臆病者のへなちょこ野郎のわたくしにはまことに頼もしく、憧憬の念を禁じえませんでした。

さあ、そういう本物の漢、兄さんへお奨めいたしたいのがこちらのメンズリング。

メンズ ダイヤモンド リング

どないです、兄さん、昔やったら印台の後光留めたら言う如何にも渡世人です、いう風ないかついデザインが人気あったんですが、今どきそんなん流行りまへん。パンチパーマや角刈りが廃れ、業界でもツーブロックとか結構人気ちゃいますん?それと一緒で漢のリングも今はこないな優雅で洗練されたデザインになってま。

言うても地金はプラチナ900、本チャンの白金。これに18金のラインが規則ただしく指輪を横切り、その真ん中には四枚の花びらのような窪みの真ん中に0.3キャラットのダイヤがおさまって、あたかも代紋のような風情。これをば、まだ無事に残っている指のどれかにはめてもろて、是非とも男っぷりをあげていただけたら思いまんねん。どないですやろ?

【No.152】アテンド仕事も楽じゃないの巻

ファイアオパール ペンダント

スタッフのひとこと

採掘したまんまを活かしたナチュラリストのためのペンダント!

以前勤めておりました宝石店の香港支店開業にともない、わたくしが香港に移り住んだのは今から、なんと30年以上昔の1991年の事だったと記憶しております。

なにせ、人生初めての海外生活、色々戸惑う事も多く、毎日がカルチャーショックの連続。

日常の生活を営なむ、あるいは会社の業務をこなして行く上では、まあ拙い片言英語と広東語の断片的単語でなんとか乗り切っておりましたが、それでも馴れない外国での生活、さまざまな不具合が生じます。そんな折、大変助けになったのが、現地採用で会社が雇ってくれていた、日本語の流暢なエドウィン君の存在。

当時香港はまだ英国の植民地であった影響か、香港の人たちの多くは英語のファーストネームを名乗っていて、彼も本名は林青祐というれっきとした中国名があるにも関わらず、エドウィン・ラムと名乗っていたわけであります。ジャッキー・チェンみたいなもんやね。

さて、このエドウィン君、地元香港の高校を卒業すると日本は東京にある、ヒコみずの宝石カレッジという宝石の専門学校に留学し、日本で宝石学と日本語を習得。その後なんとアメリカに飛びGIA、米国宝石学協会にてGIA・GGの資格を取得したという、まさに宝石業界のエリート。

実際彼は香港の大手宝石卸業者に勤務しているところを、私が勤めていた会社の営業部長に香港出店に際してのサポート役として、その日本語能力を買われヘッドハンティングされたのでありました。

エドウィン君の最初の印象は、当時日本では未だ一般に広く普及していなかったバカでかい携帯電話をしょっちゅうかけまくっていて、その話の内容はもちろん広東語だからこっちにはチンプンカンプンのため、何やら怪しげ、胡散臭く映ったのです。しかし徐々に親しくなるにつけ、なかなか良い奴だとわかってまいりまして、私生活でも親しくお付き合いさせていただいたものでした。

実は彼の元々のルーツは台湾にあり、彼のお父さんは、戦前の日本の領土であった台湾で日本人として教育を受けた方で、後年、香港に移住して、当時は香港政庁にお勤めのいわば国家公務員、エリートの上級国民。一度電話でお話する機会があったのですが、その日本語たるや、エドウィン君の日本語など足元にも及ばない完璧な標準日本語。私などが話すローカルな河内弁よりよっぽど正しいスタンダードジャパニーズ。

ファイアオパール ペンダント

さて、その電話で話した内容なのですが、外国人としてのわたくしを気遣い、何か困ったことや、災難が降りかかった際はお力になりますからご遠慮無きようにという事だったのですが、その実際の言い回しが物凄い。なにか不測の事態が起こればと言うところをお父さん、「一旦緩急あらば」と述べられたものですから、びっくり仰天。今どきの並みの日本人じゃ意味すらわかりまへんで、一旦緩急あらばって。

さて、エドウィン君、前職をなぜあっさりと辞めたかを聞くと、なんと取引先の日本人相手の接待が嫌だったからという事。確かに彼は日本語こそ堪能なれど、まったくの下戸。一滴もお酒が飲めない体質。日本人の接待と言えばなんと言っても昔から酒宴、酒盛りというくらいで、お酒とは切っても切れない訳。さだめしお酒の飲めない彼が、酔っ払いの相手をするのはつらかったろうと勝手に一人合点したのですが、実はそうじゃなかったのです。

実際彼が嫌がった日本人相手の接待業務というのは、最近ネットでも盛んに暴露系ユーチューバーの動画拡散によって広まった、人気女性芸能人が秘かに小遣い稼ぎの為にやってると噂のパパ活。それの手引きをする「アテンド」のお仕事。つまり、売春斡旋のお手伝い。

中国共産党の支配下にある現在の香港事情は全く分かりませんが、日本のバブル経済花盛り当時、香港の宝石産業界にとっての最大の得意先は日本企業。香港に買い付けに来る、日本の宝石問屋や百貨店、大手小売り店の仕入れ担当者、即ちバイヤーなどと呼ばれる人間に対する接待攻勢はもう半端ない。飲み食いだけの宴席なんかじゃ納まらない。文字通り酒池肉林、女性をあてがい、場合によってはこっそりキックバック、所謂袖の下を渡したりもする徹底ぶり。

香港の繁華街、夜の街にはナイトクラブと呼ばれる所謂女性の接待を伴うお店が乱立しているのは日本と同様。ただし日本と大きく異なるのは、それら多くのお店は、女性のお持ち帰りが出来る点にあるのです。米国スタバで注文に際して尋ねられる、for here or to go ? のgo の方。まあ、なんぼんなんでも for here は無理やけど、香●照之やないんやから。

ファイアオパール ペンダント

そして、エドウィン君が前職で嫌ったのが、豪華有名中華レストランにて飲み食いの後、こういったお店に日本からのお客をいざない、好みの娘を選んであげ、客とお姉ちゃんの間をうまく取り持って、最後ウハウハの日本人オヤジをお姉ちゃんとともに店から送りだした後、独り寂しく家路につくというところ。そりゃ嫌やわ。憤懣やるかたない言う感じ、痛いほどわかるよ、うん。

まあ、最近のネット記事なんか見てますと、日本の有力政治家が中国でハニートラップに引っかかってるみたいな噂を目にしたりしますが、そりゃしゃーないわ、それがかの国のオ・モ・テ・ナ・シ やねさかい。

まあ、実際私が勤務いたしておりましたその宝石屋でも、会社の営業のトップたる営業部長、まあ昔風に言うと大番頭はんが香港に来た時なんぞは、我々香港組も一緒に福臨門などの高級中華料理店でフカヒレやら上海蟹やら、香港宝石業者による豪華接待のご相伴にあずかったのですが、その後は我々香港組は、ハイお疲れという感じで強制退去。部長殿はひとり香港の業者一行と歓楽の夜の街へ消えていくのが定石でしたなー。

ファイアオパール ペンダント

さて、そのアテンドのお仕事を日本語ではなんというかをエドウィン君に教えたところ、その音の響きが気に入ってか頻繁に冗談で云ったりするようになってしまったので、わたくし上司の前などでは秘かにビクビクしてた訳なのでありました。誰や、しょーもない日本語教えた奴は、言うて俺しかおらんがな。

さてその言葉というのは、アテンダーなんて洒落たもんやない、「ポン引き」言いまんねん。「アメリカまでわざわざ行ってさ、GIA・GGの資格取って、まさか香港帰ってポン引きになるなんて思ってもいなかったよー、まいったねー」と、事あるごとにこぼしてたエドウィン君。今頃どないしてんねやろ?ポン引きにアテンドされる側になるくらい出世してたらええねけど。

さて、当時ペーペーのわたくしなんぞ一歩たりとも踏み込んだこともない、香港の夜を彩る魅惑の不夜城ナイトクラブ。そのネオンのごとく妖しげな輝きを宿しているのがこちらのファイアーオパールの大ぶりのペンダント。

ファイアオパール ペンダント

このペンダントにセットされておりますファイアーオパールですが、採掘された原石そのままの形を活かしペンダントにセットされております。

もちろんギザギザなラフな面や尖って欠けやすい箇所は研磨してスムースな状態に加工されておりますので、見た目はあたかもゼリーか寒天のようなプルンとしたゲル状で実に瑞々しい。思わず舐めればオレンジの風味がしそうな塩梅。こちらオパールではございますが、まったく遊色効果のないタイプで、それが一層石のゼリー感を高め、何とも艶めかしい香港の夜の女性のよう、知らんけど。

柔らかくて潰れそう、瑞々しくてジューシー、そして、とても甘そうに見えて、実は硬く冷たい鉱物のような女、そんな女に私はなりたい、という悪女志望の女性には是非ともお着け頂きたい、夜の女の出世石。別に昼の女でもエエヨ!

【No.151】New York State of Tiffany [ティファニー]

ティファニー バイザヤード ネックレス

スタッフのひとこと

ティファニー定番人気の一粒ダイヤのネックレス「バイザヤード」。
独特の世界観で知られるデザイナー「エルサ・ペレッティ」の魅惑的なジュエリーは、官能的で立体的なデザインが特徴です。
アイコニックなデザインは現在も、これまで以上にモダンな魅力を放っています。

近頃ではYouTubeなどインターネット経由で自由に生の英語に接する機会が増えましたので、日本の若者の英語能力は格段に進歩したであろうと想像いたすところでございますが、我々の時代なんぞ、学校の英語の先生自体が、カタカナ英語で授業をなさっておられました故、ネイティブに通じる英語なんか喋れるわけあらしまへん。

わたくしの中学校の時分に、ビートルズの「レットイットビー」と云う曲が大ヒットいたしまして、何の製品か忘れましたが、コマーシャルでもその歌のサビの部分が再三テレビでも流れてたのですが、どない聴いていても、何べん聴いても歌とてるポールマッカートニーはレットイットビーやなくて、レリッビー言うて歌とてはる。

おかしやないけ、どないなっとんねん?なんでレットイットビー、すなわち使役動詞letがitにかかってbeにしなさいと命じとるこの文がやね、「レリッビー」やねん、という疑問を当時の英語担当教師に率直にぶつけてみたのです。

すると青山学院大学英文科卒の青山先生がおっしゃるには、ビートルズというのはイギリスでも田舎の港町リバプールと云うところの出身で、その上与太者、今で云うところの半グレの兄やんであるからして、言葉自体に田舎モン特融の訛りがある上、与太者独特の下品なスラングを使いよる。よってその様な崩れた発音になるのです、との事。

「例えば、誰それはどこそこへ行きましたと言う場合ですね、標準語では、例えば『花子さんはお手洗いに行きました』という風に、行きました、といいますが、このあたりの河内の鈍百姓の子倅たる君たちが、この花子さんの行動を説明した場合、君たちはなんと言いますか?はい、じゃあー山田君」

「花子のボケはババしんに便所いっこった」

「はい、ボケはババしんに、は余計ですが、いっこった、いっこったは正解。この様に行きましたが、行きよりましたとなり、さらに短縮され、いっこった、と、ご当地河内の小童諸君にかかれば大きく変化するのと同様、正しい英語レットイットビーもイギリスの寂びれた港町の不良青年にかかって、無残にもレリッビーに堕落したのです、分かりましたか?」

「はーい!」

などと云う出鱈目な英語教育を施されてきた我々世代は、かなりの高学歴の者でも英語、特にその発音の面に関してはまるでダメ。

ティファニー バイザヤード ネックレス

過去にわたくし宝石店の香港駐在員であったことは、すでに以前よりご案内の通りでございますが、当時、その宝石店の社長が香港に視察に訪れた際、会社のメインバンクであった●和銀行、今のU●J銀行の香港支店長、並びに同行日本人スタッフの皆様方をお食事接待した折の話。

「社長聞いてくださいよー、ウチの社員なんてバカ揃いで困ってんですよ。ここにいるやつらなんか、大半が三流私学出で、こんな馬鹿どもを抱えてやってる私の苦労は並大抵のものじゃございません。お察しくださいな」などとその支店長が、宴のホストたる社長に変な泣き言をこぼすのです。

「おい、田中よ。おめーも運動しか取り柄のない、ひでー学校出てたなー。そういやこないだ野球の方ではなんか新聞にぎわす手柄あげたんだって?」

と、支店長一人の自分の部下に問いかけたのです。

ティファニー バイザヤード ネックレス

「はい、面目次第もございません。お陰様で母校は先日、六大学野球ではめでたく優勝させて頂きましたが、私はあいにく野球部出身じゃないもんで、何の取柄もございません。」

「ホントそーだよなー、野球がなけりゃ屁みたいな学校だぜ、オマエんとこは、ったくひでーもんだ」

そこでスポーツに疎いわたくし、こっそり当時のウチの上司に尋ねました。

「どこですのん、最近六大学野球で優勝したんは?」

「け、慶応やがな!」

慶応義塾大学を三流大学呼ばわりするくらいですから、僕らが出た関西のホンマモンの三流私大なんかどないなんねん?寺子屋以下か?第一ウチの社長なんぞ大学すら出てへんぞ。そしてその支店長様はさらに雄弁に語るのです。

「私、実は香港に着任する前はニューヨークの支店を五年間ほどあずかってたのですが、ハドソン川ってわかります社長?あそこに架かる橋を渡るたびに、マンハッタンの摩天楼群を遠く臨むにつけ、不思議とビリージョエルの「ニューヨークの想い」という歌が頭の中で流れて、なにか故郷に帰ったような懐かしい気持ちになるんですよ。ひょっとするとわたくし前世はアングロサクソンアメリカン、それも東部エスタブリッシュメントの中核をなすニューヨーカーだったのかも知れませんなー、ワハハハハハハ!」

なにがワハハハや、嫌味な野郎やで、と思っておりますと、同席していたこちら側のスタッフの一人、香港ペニンシュラホテルのヴァンクリーフ&アーペルズから引き抜いた敏腕香港人女性マネージャーが、流暢なクイーンズイングリッシュでそのオヤジに何かを問いかけたのです。

するとその返答が、見事なまでに稚拙なカタカナ英語。その瞬間わたくし椅子から転げ落ちそうなくらい、昔の言葉で恐縮ですが、ズッコケたのでございます。ニューヨーカーの生まれ変わりが聞いてあきれる、片腹痛いは、うつけものめが。

ティファニー バイザヤード ネックレス

さて、このいわゆる上級国民、●和銀行香港支店長の脳内で鳴り響いてたというビリージョエルの「ニューヨークの想い」という曲は、原題が “New York State of Mine”と申しまして、綺羅星のごとき数々のヒット曲を抱えるビリージョエルのナンバーの中でも、下級国民のわたくしとて、特に好きな名曲の一つなのです。

この曲は、自身もニューヨーク出身のビリーが、故郷ニューヨークへの想を歌に託し、詩情豊に歌いあげた感動の名作。それゆえに、ニューヨークの象徴だったワールドトレードセンターが崩壊したあの忌まわしき、9.11同時多発テロ事件の犠牲者追悼集会などでは、頻繁にこの曲が鎮魂歌として流されているのであります。

歌詞の内容ですが、のっけから「休暇を取ってマイアミビーチやハリウッド行きの飛行機に飛び乗る奴もおるけど、俺はグレーハウンドバスに乗ってハドソン川沿いを走るんでええよ。なんでって、そりゃお前、ニューヨーク好っきゃもん」

ティファニー バイザヤード ネックレス

さて、ニューヨークの宝石商と言えば、これはもうニューヨーク五番街ティファニー。ビジネス、金融、ファッション、ありとあらゆる産業、文化の世界の中心地のある研ぎ澄まされた感性の都会派ジュエラー。

その主張は、意外なことにあくまでもシンプル&エレガンス。その集約されたエッセンスとも呼べるのがこちらバイザヤードペンダント。一切の無駄をそぎ落とし、究極のシンプルを追求したデザインの中心で輝くは、至高のダイアモンド。まさに生き馬の目を抜くと言われる大都会で生きるタフな女性に相応しいデイリーユース、ビジネスシーンでも邪魔にならず、かつクールに自己主張する優れもの。

そういうわけでの当店一押し!きっとご満足いただけますよ。

あ、そや、ホンモンのニューヨーカーのビリージョエルはニューヨークと言わず、ヌーヨーク言うてはります。真似してや!

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