スタッフによる宝石ブログ

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【No.150】サックスの嘆きを聴いてもらいまひょ

サックスモチーフ ダイヤ ブローチ

スタッフのひとこと

チョイ悪がバーカウンターでBGMをたよりにコルトレーンやマイルスを語りつ、甘い腰砕けカクテルをお姉ちゃんにグイグイ勧めるめる時、ジャケットのラペルに輝く下心のサックス。

カラオケというものが世に出回ったのは、多分わたくしが社会人になるより、ちょっと前あたりではなかったでしょうか。

実際わたくしがカラオケの伴奏で衆人環視のもと、初めて下手な歌をむりやり披露させられたのは社会人一年目のこと。会社の先輩に連れられて初めて行ったスナックで、ゴダイゴの「ガンダーラ」という歌をうたわされたのを今でも鮮明に覚えております。いやー恥ずかしかったですなー!

その当時のカラオケというのはもちろん今と違い、その歌の内容にそったイメージ動画の下に映る字幕を見ながら歌うなどと云った便利なものではなく、8トラックと云う、なにかカセットテープの親玉みたいなプラスチックの小箱を、エレキギターのアンプのような機械にセットすると伴奏のみが流れるといった仕掛け。この伴奏の音楽に合わせて、お店備え付けの分厚い歌の本から、ページを必死にめくって、その歌詞を探し出して歌うといった手間のかかる仕組み。お店のシステムにもよるのでしょうが、我々貧しいサラリーマンが行く様なお店は、一曲100円200円とかの現金をその都度お店のママに渡すといったことが多かったように記憶しております。

さて、当時と言いますから、昭和50年~60年あたりのカラオケでの人気の歌のジャンルと言いますと、これはもう圧倒的にムード歌謡。

ムード歌謡をウィキペディアで調べますと、

“戦後、連合軍占領下の日本で、外国人相手に活動していたバンドが、解放後に銀座や赤坂のナイトクラブでムーディなダンス音楽を演奏し始めたことが始まりである。和製ラウンジミュージックの元祖”

と、ございます。ラウンジミュージックとは笑止千万ながら、伝統的なド演歌とは一線を画する、ムーディーな都会の大人の歌謡曲といった感じでしょうか。

代表的なところでは、

昭和の大スター、裕ちゃんこと石原裕次郎の「ブランデーグラス」を筆頭に、「銀座の恋の物語」「ラブユー東京」「夜の銀ぎつね」「コモエスタ赤坂」「黒い花びら」「星降る街角」「別れても好きな人」「ホテル」「つぐない」などなど、数え上げたらきりがないほど。

サックスモチーフ ダイヤ ブローチ

古い体質の演歌が、浪曲や民謡に根差し、農民や漁民の生活や、その様な環境から都会に出て、立身出世を夢見る、はやる田舎モン若人の心意気を歌った泥臭い内容のものが多いのに対して、ムード歌謡はあくまでも都会の夜が織りなす男女の出会いと別れに特化した、いわば水商売の応援歌のような様相を呈していたわけであります。それが証拠にムード歌謡を歌う女性歌手、例えば松尾和子、シルビア、青江三奈、欧陽菲菲、テレサテン、梓みちよ、桂銀淑など、どなたを見てもクラブやラウンジのママかチーママの風情。

男の方だって負けちゃいない、「星降る街角」という曲をヒットさせた、敏いとうとハッピー&ブルーという男性コーラスグループなんかは、もう完璧にホストクラブ一店舗そっくりそのまま。リーダーの敏いとうさんなんか、いかにもホストクラブを経営する反社のオーナーのような風情。ひょっとするとホンモノかも思とりました。さて、この流れを今に汲むのがスーパー銭湯アイドル「純烈」。しっかりこの名曲「星降る街角」もカバーしてますね。

もちろん水商売応援歌という事で、お店の営業の一助にもなる工夫がちゃんと完備しておりまして、それが男女のデュエット曲。ホステスがお客の心をつかむ為に、お客と歌を通じて愛を語り合うわけですね。綺麗なお姉ちゃんに瞳を見つめられ、たとえ歌詞であっても、愛の言葉をささやかれたら、酔っ払いのオッチャンなんかイチコロでっせ、ホンマようでけたーる。

サックスモチーフ ダイヤ ブローチ

デュエット曲の定番と言いますと、冒頭に挙げた曲名と重なりますが、定番中の定番、ギンコイと言えば通るほどの「銀座の恋の物語」それに、「東京ナイトクラブ」「別れても好きな人」「居酒屋」「男と女のラブゲーム」、あと、「忘れていいの」という〇川知子と〇村新司のデュエット曲がありましたが、これはイカン、赦せん!なにがいかんか言うと、曲はともかくとして、そのミュージックビデオ云うんでしょうか、販促の一助として実際、〇川、〇村両名が一緒に歌うサマを映像として納め、これを歌の宣伝等で流していたわけでありますが、まあ、この映像の内容が明らかに公序良俗に反する不謹慎、不道徳な内容。

実際の映像では、身体を前後に密着して歌う中年男女二人が歌のサビの部分に差し掛かるや、いかにも好色漢の風情漂う〇村が、後ろから〇川知子さんのドレスの胸元へ、あろうことか片手を差し入れていくではないですか!まさかの破廉極まる振る舞い、何さらしてけつかんねん!こんなん子供に見せられん!

その後これを真似て、ラウンジなどでデュエットの相手として指名したキャストの姉ちゃんに同様の狼藉を働く、俳優香〇照〇氏のようなオッサンがその後もあとを絶たず。まことにお店の従業員に対しても迷惑な歌であったわけです。

サックスモチーフ ダイヤ ブローチ

さて、このムード歌謡に欠かせぬ楽器がなんと言っても冒頭にも写真で挙げております、サックス。ムード歌謡の王様、石原裕次郎の代表曲、「夜霧よ今夜も有難う」のオープニングでもお馴染みの、むせび泣くようなサックスの音色で始まるのはご承知の通り。大体においてムード歌謡の間奏でソロを取るのは圧倒的にこのサックスという楽器。今の時代ですとエレキギターがソロを披露することが多い中、昭和のムード歌謡はむせび泣くような濃くてディープなテナーサックスが中心。

こちらも石原裕次郎の大ヒット曲「銀座の恋の物語」。その歌詞の一節、

“優しく抱かれて 瞳をとじて サックスの嘆きを 聴こうじゃないか 灯りが消えても このままで 嵐が来たって 離さない”

サックスという楽器は人の吐き出す息によって奏でられる管楽器であります故、より一層奏者の感情移入が容易なのでございましょう。まさにむせび泣くサックスの嘆きが、恋に破れた心に突き刺さるのでございます。水商売のかりそめの恋とは言え、ホステスとて生身の人間、割り切れぬ感情を昭和の女はサックスの息吹によって癒されたことでしょう、知らんけど。

という事で、今でもスナックにボトルキープし、余生をカラオケ三昧でお楽しみのご同輩諸君。昔の栄光を懐かしんで、一つこのサックスのブローチで身を飾って、人生最後の老いらくの恋でも探してみたらいかがかな。諦めるのは早すぎる、加藤茶氏を見習い給え!

【No.149】ティファニーのドーナッツどーでっか? [ティファニー]

TIFFANY&CO. (ティファニー) ピンクダイヤ ダイヤネックレス

スタッフのひとこと

庶民の方々はビーンズネックレス着けて喜んでていいの。でも立場上わたくしはこれぐらい着けないと世間体が許しませんの、オホホホホホ

ポンデリングとハニーチュロ、ほんでーフレンチクルーラーを2個づつ頂戴いうてお姉ちゃんに注文すると、ポンデリング、ハニーチュロ、フレンチクルーラーをそれぞれふたつづつですねーと復唱してくれはんので、ハイ言うと、お持ち帰り用のビニール袋はご入用ですかー?とカイラシ声で聞いてくれはるもんやさかい、あっ頼んます言うと、かしこまりましたー言うて紙袋にドーナッツ入れてからさらにそれをビニール袋に入れてくれはって最後お待たせいたしました。

そーしますとポンデリング2つ、ハニーチュロ2つ、フレンチクルーラー2つ、ビニール袋が3円でお会計の方が817円でございます言いはるんで、ナニワのいちびりのオッサンの常套手段817万円か、ちょーまけて、とボケを突っ込む隙すらあたえず、お支払いは前の自動精算機にお金の方を投入してくださいと言わはるねん。わっ、またこれかー思たんよワシ。最近どこでもこの自動精算機が蔓延してて、ワシら年寄は往生するんよ。よう機械の前で年寄がオロオロしてからに、しまいにブチギレて大声でどなっとる姿見かけるやろ、それ大概ワシやさかい、見かけたら気軽に声かけて助けてや、ホンマ頼むわ。

ほんで、とりあえず嫌やけどしゃーないがな、ほんまに。折角やったら可愛いお姉ちゃんに手渡ししたいやん、お姉ちゃんに接する機会なんか滅多あれへんねさかい、思わん?向こうは臭っさいジジイ早よインデくれ思とるか知らんけどカンケあらえん、んなもん。こっちゃ客やねさかい、ちゃんと銭払うんやさかい、ちゃう?ほんでもあんま無茶言われへん、店の決まりやねさかい下手な事言うたら老人クレーマーとか言われてやねYouTubeに動画投稿されたらカナンがな。

ほんで、しゃーなしに馴れん手付きで画面の現金いう四角で囲んであるとこを人差し指でチョコンつついたらやな、機械の分際のくせさらして、これがまた可愛いお姉ちゃんの声色使こてやな、お金を挿入して下さい言うんや。それでよけ焦ってもてやな、千円札がうまい事入れられんのよ。どななっとんねん思て千円札よう見たら札の角が折れ曲がっとんねん。札自体もポケットに生で入れとったさかい皺くちゃや。ほんでも千円札はこれ一枚しかあらへんさかい焦って必死で伸ばしてやね、もう一回挿入を試みたんよ。ホンでもこれがまたうまい事入るらんのよ、焦るからよけや。

そしたら後ろで待っとる奴が「ちっ!」いうて舌打ちさらしやがんねん。こっちは焦っとる上に「ちっ!」やから一気にドタマに血ぃ昇って、「年寄やと思てナメくさって、シバくどわれ!」とキッと振り返ると、これがまた瓜〇純士みたいなイカツイ兄ちゃんや。顔にまで墨入ったーんねん。これはマズイと、そこは年の功、君子豹変すや。にこやかに満面に笑み浮かべてやね、「エライ鈍臭いこって、お待たせしてすんまへん。千円札がしわだらけでうまい事機械に入りまへんのですわ。良かったら先行って下さい」と、もみ手しもって言うたら、その兄ちゃん「いや、かめへんよ、よかったらこれ使いいやオッチャン言うて自分の持っとるルイヴィトンモノグラム・ジャイアント リバース キャンバス ジッピー・ウォレットからピンピンの千円を一枚抜き取って差し出してくれはったんよ。そやから、ほなすんませんお言葉に甘えて使わせてもらいます言うて、ワシのしわくちゃの千円とピン札を交換してもろて、そのピン札で無事ドーナッツ購入、事なきを得たわけやねん、いやホンマ。見かけによらんエエ人で助かったわ。一瞬殺されるか思たで、正味の話が。

TIFFANY&CO. (ティファニー) ピンクダイヤ ダイヤネックレス

こない言うとワシどえらいドーナッツ好きみたいに思われるかも知らんねけど、なにもそーゆーわけや無いんよ。いや、ドーナッツかて好っきゃけど、甘いもん全般いけるからね。甘党かって?いや酒も飲むさかい両刀使い、二刀流や。食のバイセクシャルやな。て言うても現役引退の老いぼれやさかいセクシャルも糞も関係ないねけど。まあ、こう見えても昔はセクシャルバイオレットナンバーワンやってんけどな、言うても今のヒトにはチンプンカンプンやろwww、これでワラワラワラや、どや、よう知っとるやろ?

あっ、ほんでなんでドーナッツを買おたか言う話やけど、これは娘へのお土産なんや。まあ言うてもワシや嫁はんも食うんやけどな。ウチの娘はもう社会人で務めに出とんねけど、自分の休みの日ぃは、家族の晩御飯作ってくれてんねん、エエ子やろ?ホンマエエ子やねん。

ほんでその労に報いるためにや、ささやかなお土産買おて帰るわけやねんけど、土産なにがええて娘に聞いたらミスタードーナツ言いよんねん。な、泣かせる話やないの。娘かてもういっちょ前の大人や、カフエなんどで高級なスイーツかて食べてるわいな。

せやけどや、そこは乏しいオヤジの懐事情を忖度してや安いドーナッツで辛抱してくれとんねん。ほんまエエ子やろ。そやから、そのうちなんかの間違い、宝くじでも当てて、大金手にしたらこのドーナッツでも買おたりたいなー思てますんや。

というわけで、いつものようにワザとらしい商品紹介なんですわ。

TIFFANY&CO. (ティファニー) ピンクダイヤ ダイヤネックレス

こちらティファニーのドーナッツ。ではなくてドーナッツ状のペンダントネックレスでございます。このドーナッツの中央部でピンクに輝いているのはストロベリークリームやなくて、なんとピンクダイアモンド。ピンクダイヤモンド言いますのは、ご承知のとおりオーストラリアの最近閉山されたアーガイル鉱山で採掘されていた希少な宝石。こういった小さいメレサイズでもなんせ高いんです。それを贅沢に、しかもサイズ、色を完璧に合わせてセットしたティファニーの優れもの。

ティファニーのデザインはバイザヤードペンダントに代表されるように、シンプルにして上品!我々がティファニー創業の地、アメリカ合衆国に持つ、大ぶり、ゴージャス、大味、大雑把といったイメージとは真逆のデザインコンセプト。このペンダントネックレスもいかにも良家のお嬢様、奥様に似合いそうな上品で清楚な佇まい。貧困家庭育ちのウチの娘にはちょっと敷居が高いか?やっぱポンデリングで堪忍してもらお。

【No.148】闇夜に浮かぶ炎の癒し

ファイアオパール ダイヤリング

スタッフのひとこと

和菓子の様な水菓子のような風情、甘~い!

森の木陰でドンジャラほいけんた、という事でいよいよ秋のお祭りシーズン到来!

わたくしが住む南大阪周辺では、もうこの季節になりますと血気盛んな若衆が、ねじり鉢巻き揃いの法被、白い股引に白い地下足袋、十八金ダブロクドブロク喜平ネックレス百グラムを首に巻き、凛とした姿も勇ましくダンジリの上で気勢を上げて町内を練り歩くのが、地域の年中行事の中でも随一の精華となっております。

なんせね、岸和田のだんじり祭りに代表されるように、サザンオーサカは祭りに熱いんよ。岸和田だけが一人脚光を浴びておりますが、大阪南部一帯、河内から泉州へかけて、どこもかしこもこの時期はホットなお祭りフィーバーが蔓延しとる!

しかも、この三年間というものはコロナのせいでお祭りも自粛。もうみんな溜まりに溜まっとるんよね、熱いお祭り熱が。

さて、秋祭りと云えばだんじり。なにも岸和田だけの専売特許ちゃうよ、だんじりは。この季節になると南河内から泉州にかけてのいたるところで、格納庫から解き放たれただんじりが、まるで風の谷のナウシカに出てくる巨大な芋虫オームのようにうじゃうじゃと、交通の妨げもお構いなしにばく進するんや。

だんじりは漢字で書くと、男尻、あらヤダ!やなくて地車、これがなんでダンジリになるんかは知らんねけどね。

このように、だんじり曳行を中心とするお祭りが盛んな地域の地元では、各家々には必ず祭り用の装束一式、すなわちハッピ、腹掛け、股引、ハチマキ等の備えがあり、年に一度の祭礼の季節を家族じゅうが心待ちにしておりまんねん。もちろん町々にはそれぞれ保存会や青年団など、祭りをバックアップする各種団体が組織され、祭りの季節が近づくと、定期的なミーティングが酒盛りを兼ねて、夜な夜な公民館などで行われるのが常。

かく言うわたくしも、子供たちが小さい頃は子供会でだんじりを引っ張るのにつきあわされて、地元の街角をだんじりとともに歩いたものです。まあ、わたくしなんぞは他所から越してきたアウトサイダー、そういった祭り装束に着替えることも無く、普段着のままで回っていたのですが、そうすると扱いも冷たい。缶ビール一本も回ってこやん、オモンナイ。

ファイアオパール ダイヤリング

しかし、この熱いだんじり祭りにも最近陰りが見え始めてきたようなんです。と、言いますのも、このだんじりというもの、構造、造作こそ立派な、ハウルの動く城ならぬ、動く神社仏閣のような見かけなのですが、それを動かす動力はご承知のとおり人力のみに頼る極めて原始的なカラクリ。したがいまして、これを引っ張る引手が必ず必要となるのですが、最近の少子化と若者のお祭り離れに伴い、これを引っ張る若い衆の数が足らん。

ほんなら年寄りに引かせりゃええがなって、殺す気ぃか!朝の早ようから晩の遅うまで一日中、炎天下でも雨天でも傘もささんとだんじり引っ張って練り歩くなんてことは、とてもやないけど年寄の手におえる仕事やない。

と、いう事で長年、青年男子の専売特許やっただんじりの引手にも、最近ではレディースと言うそうですが、女子まで投入されるようになってまいったようでございます。まあこれにて引手同士の間に熱い恋の花でも咲けば、少子化傾向の多少の歯止めにはなるかもわかりませんが、しかし言うても焼け石に水。

実際、本場岸和田ですら、引手不足でだんじりを手放すことを余儀なくされる自治体もあるとの事ですから、自体は深刻。

ファイアオパール ダイヤリング

まあこの際やね、もう人力動力に拘らんでも、エンジンかなんかの機械動力を組み込んで動かす手段を考えたら良いのんと違いますやろか。テクノロジーの進化でクルマの自動運転の実現も一歩手前。勝手に自走するだんじり言うのんもええんちゃいます。

実際当店があります東住吉区鷹合のお祭りは、トラックの荷台にお神輿みたいなもん載せて走っとるけどね。しかしトラックじゃあちょっと艶消しや、大きな声じゃ言えんけどね。

あと、これを観光事業と結び付け、海外から来る旅行者にひとつのアトラクションとして参加してもらって、だんじり引っ張ってもらうとか、どう?あらゆる人種民族が国境や肌の色を越え、世界平和を祈念しつつ動く神社仏閣ひっぱるちゅーんは、ええんちゃう、ステキやん?

ファイアオパール ダイヤリング

ところで皆さん、だんじりを見物するのに最適な時間帯て、いつかわかります?実はそれは夜なんですよ。だんじりの構造は先ほども申しましたように、神社仏閣のように一番上に屋根が乗っかっているのですが、夜ともなりますとその屋根回り全周をそのだんじりが所属する地域名などを染め抜いた提灯で隙間なく飾られ、これに灯が入るとまことに幽玄な趣。

仕事帰りの道で、遠くから近づいてくるだんじりの灯を目にすると、なにか故郷の景色にでも触れたような懐かしいような、ホッとした様な、不思議な気持ちになったりするものです。

ファイアオパール ダイヤリング

さて、その灯の色を写したようなのが、ご覧いただいております、ファイアーオパールの幻想的な、プレイオブカラーも美しいオレンジ色。

炎の色というのは、キャンプファイヤーやろうそくの火に代表されるよう、人の心を和ませ、癒す働きがございます。ですからこの炎の色を反映した提灯にも何やら郷愁を誘う要素があるのでございましょう、その光源が例え電気であっても。それと同様たとえ本当の炎ではなくとも、こちら炎のような宝石にはあなたの心を慰め癒す働きがあるのでございます。

「心が雨漏りする日には」というタイトルの中島らも先生の著作がございます。そのような気鬱な折りにはこの炎のような石をじっくり見つめることで、あなた様の心の雨漏れが、多少なりとも和らげられたらと思う次第なのでございます。

【No.147】不思議の国のカレンの台所

ルチレイテッドクォーツペンダント

スタッフのひとこと

ルチルインクルージョンきらめきがたまらんのよ神秘家の僕には

先日、行きつけのブックオフを訪れますと、タレント、モデルとして活躍されている滝沢カレンちゃんの著書、「カレンの台所」というレシピ本を発見。

休日には独り厨房にて料理作りにいそしむわたくし、レシピの文字につられて何気なく手に取ってみましたところ、これがもうまるで雷に打たれ、竜巻に飲み込まれ、マグマの洪水にのまれたかのごとき衝撃。図らずも地球の中心で優作に成り代わり「ナンジャコリャー!!!」を叫んでしまったのでございます。

このような衝撃を読み物から受けたのは川上未映子の「乳と卵」以来。て、言うても小説の筋なんぞまったく覚えてやんねけどね。

いや、以前からテレビで見かけるカレンちゃんの言動の摩訶不思議ぶりには事あるごとに舌を巻いて感心し、そして心惹かれていたのでありますが、それが実際、文章として活字となり印刷されているものを見るにつけ、この出版社の度量の広さか、度胸の強さか知らんけど、偏に敬服の念を持たずにいられないのであります。ようこんなん出したなー!てね。

ルチレイテッドクォーツペンダント

そのすごさは、本の帯に記されている日本一のコピーライター、糸井重里氏の推薦文が雄弁に物語っております。

「この人は、日本語をこわしているのではない。あたらしい日本語をデザインしているのだ」

その帯にはまた別のコピー、「読んだら作ってみたくなる!」などと云う凡庸な文句がついでに印刷されておりますが、冗談言っちゃいけない。これは立派な読み物、文学であってレシピなんぞでは全く無かろうが。第一これ読んで料理作れるもんなら作ってみいちゅー話ですわ。なにせレシピ本では絶対必須の、材料や調味料の数量の記載が一切ない。ハナからレシピを諦めてるとしか思えん。

これねー、ま、皆さんにもいっぺん見てもらいまひょ。

<豚の生姜焼き>

“私と言えばという人はまだいないのですが、いつかそうなりたい豚の生姜焼きを作りました”

― ???カレンちゃん自身が豚の生姜焼きになりたいん?どーゆー事?


<ハンバーグ>

“肉丸たちをフライパンに円卓机で話す家族のように並べていきます。全員が窮屈じゃなく話せているなと思ったらそれをしばらく眺めてください”

― しばらく眺める?家族会議のオブザーバーですか?


<中華丼>

“今回はお皿に群がる窮屈な料理になりました。まったく間取り知らずの私です”

― 世間知らずはわかるけど間取り知らずって?間取りって、中華丼は何LDKなんすか?


<エビチリ>

“本日は真っ赤な沼で楽しむエビチリを作りました。エビチリのチリにあまり強がりにならず、勇気をもって気を抜いていきましょう”

― 強がらず勇気をもって気を抜く?武道の神髄ですか?

「カレンの台所 (サンクチュアリ出版)」滝沢カレン(著)より引用

どーです!しかも、これらの文が特に突出して目立っているわけではなく、たんなるランダムな抜粋。全編がこのような糸井先生が言うところの「あたらしい日本語」で綴られているからもの凄い。

ルチレイテッドクォーツペンダント

ジャズのジャンルにフリージャズという分野がございます。ジャズ自体がすでにアドリブを主体とする即興演奏中心のかなりな自由な音楽なのですが、それにさらにフリーがオプション追加されているんで、ハッキリ言って自由気まま、無茶苦茶の一歩手前、いや無茶苦茶そのもの。

さて、このフリージャズの日本における第一人者がピアニストの山下洋輔氏なわけで、ピアノの鍵盤に肘打ちを食らわせたり、額でパッチギをお見舞いしたりと、その演奏スタイルはあたかも狂気の沙汰も金次第。もちろん奏でられる曲?も雑音と紙一重。

しかるにこの山下氏はまた、なかなかの文筆家でもあらせられ、エッセーの類などを結構数多く著わしておられます。しかし、そのエッセーにおける文章たるや、まことにノーマル。氏の狂気に彩られた演奏の片りんすら伺えません。これは何を意味しているかというと、ピアノの演奏においては、作為の狂気でもって演奏しておられる、つまりワザと頭で計算ずくで狂気を演じている、例えるなら藤山寛美のアホ芝居と一緒なわけでございます。

ルチレイテッドクォーツペンダント

ところがこのカレンちゃんの文章たるや、変態ジャズピアニスト、セロニアスモンク同様、なんの衒いや作為のない、天然不協和音、ホンマモンのパワーが感じられるのです。

カレンちゃんは最近ご結婚なさったとかで、実におめでたいことでございます。このような特異な才能の持ち主にして、尚且つ当然ですが見目麗しく、料理上手でございますれば、生涯の伴侶となられし男性はまさに天下一の果報者。羨望の念を禁じえません、妬ましいー!

ルチレイテッドクォーツペンダント

さて、本日ご紹介のお品は、カレンちゃん同様その内に素晴らしい輝きを秘めた水晶のペンダントでございます。

水晶の珠というものは霊的パワーがあるなどと古くから言われ、様々な呪術やスピリチュアルな儀式等に用いられてきた歴史がございまして、現在でも多くの方がお守りとして肌身離さず身に着けたりなさっております。

こちら、ご覧いただいておりますルチレイテッドクォーツはその名前が示すように、内部に金色に輝くルチルという鉱物の針状の結晶が含まれております。

ルチレイテッドクォーツペンダント

このルチレイテッドクォーツ、その金色に輝く針状インクルージョンにより、金運をもたらすという風にスピリチュアル関係では言われておるようですが、そのような不確かなことは一先ず脇に置いておき、ご覧くださいこの細工。丸いクォーツの珠をさらに縦方向均等に上下に幾本かの溝を刻み、まるで球体のカボチャのようなクラシカルな外観。そしてそのカボチャを吊るし、チェーンにつなぐ役割のバチカン部分がこれまた変わっている。映画エイリアンのデザインを担当したH・Rギーガーの不気味なデザインを彷彿とさす、神秘的悪魔的な雰囲気。このようなペンダントは夜のお出かけでその威力が発揮することでございましょう。シャンデリアの照明や、ホテルのナイトラウンジの間接照明の下、クラシカルなカービングを施された球体の内からキラリ輝く鋭いゴールドのニードル。いかにもこれから始まるドラマを予見している風情ではございませんか。

【No.146】セレブを脅かす奇妙な果実 [クリヴェリ]

CRIVELLI(クリヴェリ) サファイアダイアペンダントネックレス

スタッフのひとこと

あら、あまり馴染みの無いお名前だわね。あらそう?欧州の社交界じゃ人気なんですのよ、ご存じないのは、むべなるかなですわね、オホホホホホ

「奇妙な果実」とは、天才ジャズシンガーともて囃されるも、酒や薬物で身を持ち崩し44才の若さで、1959年この世を去った悲劇の歌姫ビリーホリデーの有名な代表曲であります。

この「奇妙な果実」の意味するものとは、樹の枝から縄で吊るされ縊れ死んでいる人の事。

この歌は、アメリカ南部の黒人差別を、その差別の末にリンチにあって樹につるされ縊死した黒人の凄惨な死体の様子を生々しく描写し、奇妙な果実と呼ぶことによって、糾弾したプロテストソングなのであります。

最近起こった、白人警官による黒人ジョージ・フロイド氏の殺害事件を例に取るまでもなく、今でもアメリカではこの人種間の差別は社会の大きな病理として根強くはびこり、ビリーホリデーの「奇妙な果実」が発表されてからすでに半世紀以上も経ちますが、一朝一夕に解決することのできない悩ましい問題なのであります。

実は最近、わたくしが住まう田舎の田園風景の中で、突然この奇妙な果実に遭遇し、気の弱いわたくしは、ショックのあまり腰が抜けそうになったのでございます。

とは言え、ご安心を、樹からぶら下がっている人の死骸に遭遇したわけではなく、ぶら下がっていたのはカラスなのであります。しかも、よくよく見ると本物のカラスではなく、プラスチックのようなモノでできたカラスの模型。

これをどこで発見したかといいますと、いつも犬と散歩で歩く田んぼや畑を横切るあぜ道の途中。

天高く馬肥える秋の言葉通り、高く澄み渡った気持ちのいい秋の空を眺めながら、愛犬と農道の散歩を楽しんでおりますと、突然視界に飛び込んできたのが、たわんだ竹の棒の先からぶら下がったカラス一羽。しかも尾の部分をくくられ逆さまに吊るされ、それが風に吹かれてゆらゆらと揺れているではありませんか。

最初はあまりの非現実的な残酷な光景に、一瞬散歩の足もピタッと止まってしまったのですが、よくよく見ると、これがなんとカラスに大きさから、色まで似せたカラスの模型、マリアカラスならぬ、フェイクカラスだったのであります。

CRIVELLI(クリヴェリ) サファイアダイアペンダントネックレス

「誰や、こんなテンゴ(いたずらの意味)さらすんわ?ワシみたいな年寄がびっくりして腰抜かしてコケでもしたらどなすんねん、アンダラボケカス!(馬鹿者腑抜屑!の意味)」と一瞬怒りに身を震わせるも、周りを見渡すと、そのカラスが吊るされていたのは茄子畑の真上。その下には収穫を今か今かと待つナスビがたわわに実っております。

なるほど、このカラスの模型は、収穫を待つ茄子を虎視眈々と狙うカラスから作物を守る案山子の役目を担っているのかと、ハタと気が付いた訳であります。

「ワシらが丹精込めて作った茄子盗み食いさらしたら、こないな目ぇに合うんやカラスども、百姓なめとったら承知せんど、アンダラボケカス!」という見せしめと警告の「奇妙な果実」なわけでありましょう、知らんけど。

カラスというのはご承知のとおり頭が良いという評判。果たしてこんな子供だましが功を奏すのかと疑わしいところではございますが、実際、農家がわざわざ配備しているところを見るとそれなりの効き目があるのでございましょう。

CRIVELLI(クリヴェリ) サファイアダイアペンダントネックレス

さて、このカラスの模型のように、英語で言うところの、“intimidate”すなわち、観る者をビビらす効果がございますのが今回ご紹介いたします、クリヴェリの豪華ペンダントネックレスでございます。

もちろん、こちらは何も畑の作物を狙うカラスを“intimidate”いたす訳ではございません。

では何者をビビらせるのかと申しますと、もちろん対人関係をおいてほかございません。

CRIVELLI(クリヴェリ) サファイアダイアペンダントネックレス

以前、わたくし関西学院初等部の入学式に向かうピカピカの新入生とその父兄の集団に偶然遭遇いたした事がございます。場所は武庫川を横断する宝塚大橋の上。信号待ちで車を止めておりますと、阪急電鉄宝塚南口駅より、宝塚ファミリーランド跡地にある小学校に徒歩で向かう児童と父兄達が集団で列をなし、ぞろぞろ歩いております。その光景を目の当たりにして、前の車が発進するのも気づかぬくらい、一瞬じーっと見入ってしまったのでございます。

わたくしの注意をそれほど強く引き付けたのは、その児童の手を引くお母さま方のハンドバッグ。なんと、そのほとんどすべてのといって良いほど、多くのお母さまの手にはエルメスのケリーかバーキンのバッグが提げられていたのであります。

関西学院と申しますと、幼稚園から大学までワンセットの私立一貫校なのでございまして、東京で申しますと、慶応とか学習院とかになるのでしょうか。関西では屈指の超セレブ、エリート、お坊ちゃま、お嬢ちゃま学校なのでございます。

CRIVELLI(クリヴェリ) サファイアダイアペンダントネックレス

関西随一の高級住宅街エリア、阪急電車ゴールデントライアングルと呼ばれる地域、阪急今津線と阪急神戸線が交差する西宮北口を起点とし、その四分割された地図の西北部分、すなわち北は宝塚、西は芦屋、六甲、三宮へと続く六甲山のふもとに広がる高級住宅地に住まうエエシの子ぉ(金満家の子弟)がしのぎを削って進学する学校なのであります。

まあ、当店が位置する大阪の下町、東住吉区針中野なんぞの公立小学校の入学式でございますと、質屋で買ったくたびれた中古バーキン一丁で、並み居るヤンキー上がりのヤングオカン、略してヤンヤンオカどもをビビらすには事足れり。しかし、セレブ集うクワンセイ学院の学校行事の場所では、エルメスのハンドバッグごときでは誰もビビりません。ビビらぬどころか下手に身につかぬバッグなどを提げていたりしますと、成金の正体を見透かされたり致します。

CRIVELLI(クリヴェリ) サファイアダイアペンダントネックレス

さて、そのような折りに身に着けたいのが、こちらクリヴェリのペンダントネックレス。

このクリヴェリというブランド。誰もが皆知ってるなんて言うポピュラーなブランドではございません。イタリアのハイジュエリーブランドでヴォーグなどにも頻繁に取り上げられ、世界中のセレブにも人気のこのブランドが、なぜ広く一般に知られてないかというと、答えは簡単、ハイジュエリーしか作ってないから。

皆様ご存知の、カルティエやティファニーがなぜ有名かというと、広く庶民にも手の届く品物、例えばラブリングとかビーンズネックレスなどの廉価買い回り商品を出して、はえ縄漁業よろしく、がっぽり庶民からも儲けをかすめ取ろうという腹積もり。

ただしこのクリヴェリは潔い。金持ちからしか儲けは頂かないという、まるで鼠小僧かロビンフッド、ルパン三世のような義賊の心意気。したがいまして、都会の繁華街を歩いてもお店に行き当たることはございません。

ではどこに行けば手に入るかといえば、セレブしか来場することの許されない、一流百貨店外商部主催の超一流ホテル、バンケットルームで開催される宝飾展示会。

CRIVELLI(クリヴェリ) サファイアダイアペンダントネックレス

さて、こちらノーブルな輝きのサファイアを全体にあしらった、見事なクリヴェリのハイジュエリーペンダントネックレスをば、おもむろにお着けあそばして、セレブの集いにご参加なさいませ。さすれば、いかなセレブといえども、否、目の肥えたセレブだからこそ、一目この神々しい輝きに接したとたん、ブランドの正体に気が付き、渥美格之進が差し出す水戸のご老公、葵の御紋鮮やかな印籠に悪代官、近江屋並び悪党どもが恐れおののき平伏すが如く、一同の度肝を抜くは必定。

もちろん、乙女の聖地宝塚を流れる武庫川上に架かる宝塚大橋の上でも、あなたは女王様として降臨。胸元のペンダントから燦然と高貴な輝きを放ちつつ、独り欄干の上で仁王立ち。辺りに平伏す民を睥睨し、高笑いが自然と漏れ出すことでございましょう。

「オホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホ・・・!」

【No.145】穏やかな眼差しのキャッツアイ

アクアマリン キャッツアイ ペンダントネックレス

スタッフのひとこと

瞳はほとんど見えませんけどアクアマリンのキャッツアイ

モノマネというものはもともと寄席芸の一つで、古くは桜井長一郎さんという方が声帯模写と称し、落語や講談なんかの出し物がかかる演芸場などで、当時の人気役者や政治家などの声色を漫談の中で披露して行くという話芸だったのであります。

声色のマネと申しましても、たいていは決まったセリフを繰り返すだけ。例えば大河内伝次郎という昔の映画俳優のマネの場合は決まって、「オヨヨ、オヨヨ、オヨヨ」。誰でもできるっちゅーねん。それが証拠に知らんうちに三枝のトレードマークになってもとる。イラッシャーイ!

ところがこのモノマネ芸に大きな転換をもたらしたのが、今や芸能界の大御所、ビッグボスとなられたタモリさん。

彼のモノマネ芸というものは、その人物の人格がそっくりそのまま憑依したかの如くで、決まりきった台詞をオウム返しに繰り返す従来の方法ではなく、一つの与えられた状況で、その人物ならどのようなコメントを、どのように発していくかを即興で見せる芸。

その代表的なのが、作家寺山修司のモノマネで、青森県出身の津軽弁の訛りを残す寺山氏の口調そのままに、与えられたテーマについて、いかにも寺山修司らしい思考法、レトリックを駆使して語るといったパフォーマンス。

アクアマリン キャッツアイ ペンダントネックレス

寺山修司という人は今の若い人には馴染みが薄いかと存じますが、昭和の時代に活躍した劇作家、評論家、歌人と多彩な才能を発揮して活躍なさった方。そういった、いわゆる先生、文化人と呼ばれる人のご多分に漏れず、この方もやたら小難しい話を、小難しい理論に則って語るオヤジだったのです。したがいまして、私のような尋常小学校しか出てない無知蒙昧無学文盲の阿呆にはまるで理解のできない難解キャンディーズなお話を、斜に構えて語るのが一つの特徴。

この特徴をタモリさん的確にとらえ、日常的な事象、例えば、「立ち食いうどんを食う」などといった卑俗なテーマを、寺山ロジックに則り、ご大層にも形而上学的に語るといった、一種のパロディー、高度なお笑い芸を展開されてたのです。

シチュエーション物まねの名人、漫才師、中川家礼二氏の通天閣周辺にたむろする酔っ払いのオッサンのモノマネのネタは、技術的なものは別として、そのモノマネとして語られる内容に関しての知識はさほど準備を要するほどのことはございません。しかしこれが作家、寺山修司ともなるとその即興モノマネを裏付ける知識やボキャブラリーの量も、ご本人に匹敵するほどに重厚なものでないことには、モノマネに信憑性が出ません。しかし、そこはタモさん、本家、寺山先生が早稲田大学教育学部中退の学歴に対して、こちらも早稲田第二文学部西洋哲学科除籍。すなわちインテリによるインテリのおちょくりであったわけで、これが当時のいわゆるインテリ文化人にバカウケし、密室芸などと呼ばれた所以でもあります。つまりある程度以上の知識、センスが無いアホンダラにゃーどーせ分かんねーだろーといった、特権階級意識の琴線に図らずも触れ、タモリの笑いが理解できない奴はイモだ、アホだ、クズだ、ってことになったわけなのです。

さて、この憑依モノマネ芸とも呼べる技は、今の時代にも脈々とその伝統が受け継がれ、ダウンタウンの松ちゃんこと松本人志さんの生き写しのモノマネをするというJPという方の芸風も、まさにご本人が憑依したかのごとくで、そのまんま松ちゃんの代理でテレビ番組のMCまでこなしてしまうというほどの完成度の高さ。

アクアマリン キャッツアイ ペンダントネックレス

さて、タモリさんの登場は当時の芸能界に多大な影響を及ぼし、末はこのJPさんに続く、類似のパフォーマンスを行う方を数多く輩出する切っ掛けにもなったわけでございます。

たとえばこちらはモノマネではございませんが、市井の人物スケッチとでも呼べる、ひとりの人物像にスポットを当て、そのサマをカルカチュアして、独り芝居で演ずることにより、人間の持つ根源的な滑稽さを浮き彫りにしていくというパフォーマンスを繰り広げる、イッセー尾形さん。この方なんかも、その人物を憑依させ演じながらも、その人物に過度に感情移入することなく、寧ろ突き放した覚めた目で、おちょくり小ばかにしている態度において、タモリさんの芸風に一脈通じるところがあるのではないでしょうか。

また、関西ローカルでひと際異彩を放ったのが、当時キッチュと名乗っていた、松尾貴史氏。この人を最初に見たのは人気アダルト番組、11PMの関西制作版。当時イレブンの司会をやっておられた作家の藤本義一さんのモノマネをなんと御本人の目の前で行い、対談まで行うといったなかなかのチャレンジャー。この方その後も浮き沈みの激しい芸能の世界で今日まで生き残り、現在も俳優、ナレーター、ユーチューバー、カレー店経営、そしてもちろんモノマネタレントとしても大活躍なさっておられます。

アクアマリン キャッツアイ ペンダントネックレス

さて、この方を最初見た時の印象なのですが、その藤本義一さんのそっくりぶりもさることながら、そのキッチュと名乗る男の異様な目つきに戦慄、恐怖を覚え、一瞬たじろぎテレビ画面から後ずさった記憶がございます。

三白眼というのがございますが、この人のマナコはまさにそれ。漫画や劇画に出て来る悪魔か残虐な悪党のような切れ長の鋭い瞼に縁取らた、白目がほとんどを占める眼球に、針でついたような点のごとき黒目が張り付いているという実に不気味な眼差し。したがいまして、やっていることはお笑いなのですが、その目付きが怖いあまり、面白さが半減するといった、考えてみれば、お笑い芸人としては大変なハンデを背負っておられたわけなのです。

しかし、このハンデをものともせずいまだ芸能の世界で大いに活躍されているのは、老いぼれて三白眼の眼光が衰えた事と、三白眼を欺くオシャレな眼鏡との出会い、そして偏に氏の実力と、日頃の切磋琢磨の賜物によるところでありましょう。

アクアマリン キャッツアイ ペンダントネックレス

さて、本日ご紹介いたしますのは、キッチュこと松尾貴史さんの鋭い凶眼とは真逆の、瞳があるかないか分からない程のぼやけたキャッツアイのご紹介。

アクアマリン キャッツアイ ペンダントネックレス

通常キャッツアイといいますと、もちろんはっきりくっきりと縦に伸びた瞳孔のような光の帯がその魅力なのですが、こちら半透明のアクアマリンが露型のカボッションに研磨されました石に、ぼんやりとかすかに浮かぶ光の揺らめきも実はキャッツアイ効果なのでございます。それじゃ値打ちが無いだろうと、あっさり切り捨てるのは無慈悲、御無体ななされよう。キャッツアイ効果というからいけない訳でありまして、これをムーンストーンのシラー効果と同様のものとお考えいただきましたらいかがでございましょう?石の内部から光の帯がボーっと浮かび上がって、なんとも言えない神秘的な魅力があるとは思いませんか?こういう石をあなた様の白磁の様な胸元に飾って頂きますれば石の魅力も、あなた様の魅力も相乗効果でなお一層蠱惑的なものになるはずでございます。そのぬるい優しさに私はそっと包まれたい。

【No.144】宝石犯科帳 [ティファニー]

ティファニー バイザヤード ネックレス

スタッフのひとこと

ティファニーの定番人気のネックレス「バイザヤード」。 一粒ダイヤのシンプルなこのネックレスは普段使いや仕事用としてデイタイムからナイトタイムまで幅広くお使い頂けます。 爪留めではなくフクリン留めで柔らかい印象がグッド!

宝石店内部で起こる犯罪は、皆様お察しの通り結構頻発する事案なのですが、どの会社も信用を重んじるあまり、滅多に表沙汰にはいたしません。

わたくしが以前お世話になっておりました大阪の老舗宝石店でも、やはり会社内部の人間による商品窃盗事件が時折発生し、その都度、心ある人は大いに憤り、心無い人は、オレも一丁やってこましたろかい、と模倣犯になったり致します。

一番よく起こるのが、ほんの出来心という一瞬の心の迷い。宝石屋に入社しようなんて人はハナから宝石好き、ヒカリモノ好き。まあ、社員割引なんて制度もございますから、ちゃんとした娘さんはきちんとその制度に則ってご自分で、あるいは親御さんに買ってもらったりするんですが、中にはもっと簡便安直に品物を手に入れようという不届き者もちょくちょく出没いたします。

まあ、宝石の魅力に目がくらみ、自分の物欲に負け、窃盗を犯す場合の被害というものは単品の場合が多く、犯人が味をしめて、罪を重ねることが無いかぎりは、被害といたしましてもそれほど大した額になることは無いのですが、大きな損害を会社にもたらすケースが、遊ぶ金欲しさの換金目的の場合。

まあ遊ぶ金と申しましても色々とございまして、タカラヅカに入れ込んだすえ、贔屓のスターにプレゼントをするためだとか、スナックのお姉ちゃんに入れ込んで、頻繁にお店に通う足しにとか、在職中にはいろんな犯罪動機を耳にいたしましたが、中でも一番多いのが博打の軍資金。

世の中様々な商品が流通いたしておりますが、宝飾品ほど目立たず簡単に現金化できる品物はございません。いかに高額なものでもほとんどが掌に収まるコンパクトサイズ。それらをばポケットにそっと忍ばせ質屋へGOとなるわけなのでございます。

ティファニー バイザヤード ネックレス

なぜ買取屋に行かず質屋に行くかと言えば、盗んだ本人はけっして盗んだつもりはなく、少しの間質屋に預けて融資を受ける、いわゆる質草として「借用している」という意識なのです。

最初から負ける腹積もりで博打を打つなんて人は滅多おりませんから、勝利のあかつきには元本利息ともども借金全額と手土産まで携え質店を訪れ、「世話んなったなー、オッチャンお陰で助かったわ、オオキニ!」などとカッコよく商品を受け出す心積もり。

しかし、昔からの、天網恢恢疎にして漏らさずの例え通り、こういった悪事をはたらいて得た元手の金というものは、まさに悪銭身に付かず、不思議と博打の勝ちには結びつかないようで、負けが込んでくるにつれ質蔵の宝石質草仲間の数も増えてまいります。

普通この質草がある程度溜ってきますと、宝石屋側とて当然行方不明の商品が目立ってくるわけで、「この商品どないなってんねん、あらへんがな」というところから調査は始まり、遂には犯罪が露見するというわけなのです。

ティファニー バイザヤード ネックレス

ところがこの犯罪を、商品を管理する、店の責任者、店長の立場の人間が行うと、とんでもないことになってしまうのです。

これは実際に私が宝石屋在職中に起こった犯罪のあらましなのですが、

その犯人というのは 某百貨店のテナント店店長、四十代男性、妻子あり。

宝石屋の商品調達というものは、その多くを業者からの委託品で賄っているところが多く、その会社も様々な取引先から色々と品物を借りて商売を行っていたのです。

ティファニー バイザヤード ネックレス

さて、この店長、自らの責任でもって業者からある程度の売り上げを請け負い、委託販売の名目で借してもらった、ある程度まとまった数の商品のなかから、換金率の高そうな何点かを見繕って質屋に放り込み、まとまった額の融資を引き出し、競馬や競輪、競艇といったギャンブルの元手にしていたのでございます。

当然、商品委託にはひと月とかの期限が設けられており、その期限の末でいったん商品、売上を清算しなければなりません。そんな時には、また別の業者の委託商品を、質屋に入れてる元の商品と差し替えるという寸法。実際この様に質草のローテーションを複数の取引先を利用して行いますと、もう無限地獄、限りなく永遠に、人のふんどしで相撲を取るの例え通り、ヒトの品物で融資を受け続ける事が出来るわけであります。もちろん売り上げが全く無ければ次の委託出品に響きますから、時には実際に売れている品物以外にも質草の中からも売れた体で納品を起こすこともありますが、納品たって自分が支払うわけじゃなく、会社が決済を行うわけですから、本人は痛くも痒くも無い。質草の所有者が業者さんから宝石屋に移行するだけ。

ティファニー バイザヤード ネックレス

さて、このバレそうもない犯罪が発覚したのは全くの偶然。この店長が不在の時にたまたま店長のデスクを、何かの探し物があって開けた社員が偶然見つけた大量の質札。それをそこに偶然訪れてた支店を統括するマネージャーに見せたのが運の尽き。

そして驚くべきことに、最終的に発覚した被害総額はなんと三億円!

さて、宝飾業界での盗みといえば、こちらも良く見受けられる、デザインの盗用。

だいたい指輪にしろネックレスにしろ、ある程度の決まった大きさのものを、身体の特定の場所に配置し、それがスッと収まりよく馴染み、なおかつ映えるもの、なんて要件を満たして売れるデザイン生み出すなんてことは至難の業。

それやったら売れてる人気のデザインをパクって売ったら手っ取り早いやん、というので国内のメーカーの多くは昔から、海外有名ブランドのデザインを流用して本家よりもリーズナブルな価格で販売するという手法を使ってまいりました。

まあ、パクると言っても完全フルコピーだと法律上具合が悪かろうと、どれも細部を微妙に変えるといった姑息な小技を使い、もちろん安価に売るために石の質を落としたりして、~のデザインにインスパイア―され、などと云った、おためごかしの商品説明を付けて販売するわけなんですが。

ティファニー バイザヤード ネックレス

さて、宝飾業界において、盗用?剽窃?インスパイア?の最大の被害を被ったデザインが皆様も良くご存知のティファニー社ダイアモンドソリテールリング。ダイアモンドを6本の爪によって捧げ持つようにリング上にセットする、現在でも婚約指輪定番中の定番デザイン。なにせ業界内ではティファニータイプの枠というだけで通るまでになった物真似デザインの王様。この一事をとりましても如何にティファニー社のジュエリーデザインが優れているかがご理解いただけるかと存じます。

さて指輪の場合は、ご案内の6本爪プロングセッティングがもちろん代表作なわけでございますが、それではネックレス部門は何かと申しますと、こちらも皆様ご存知、写真でご案内の通り、世界に名だたるティファニーバイザヤードペンダントであることは周知の事実。

こちらは指輪と異なり、爪でダイアモンドを留める細工ではなく、ダイアモンドの外周にあたるガードル部分のみを金属の線で巻くといった細工で、見た目も非常にすっきりと無駄のないシンプルな仕上がり。もちろんこちらも国内外様々な宝飾品メーカーが数多く類似の商品を製造しているのでございます。ただし、ここまでの綺麗なダイアモンドを使用しているマネっ子は見当たりません。ナニセ、なんつっても本家本元ダイアモンドのティファニーつーくらいですから。本物に勝るものなしホトトギス。なんのこっちゃ?

【No.143】ガーネットの最高峰デマントイド

デマントイドガーネット ダイヤ ペンダントネックレス

スタッフのひとこと

デマントイド 滅多出ません!お値打ち品、いやホンマ!

あれ松虫が鳴いているちんちんろちんちろちんちろりん

あれ鈴虫も鳴きだしたりんりんりんりんりんりいんりん

秋の夜長を鳴き通すああおもしろい虫の声

何がおもろいんか知らんけど。と、いう季節になりましたが皆様いかがお過ごしでしょうか?別にどうでもええんやけど。

蝉の声が知らぬまに虫の声に代わって季節はもう秋、誰もいない海。知らん顔して人は行き過ぎても、私は泣かない、って当たり前ちゃうん。泣く方が変やろ、どんだけかまってちゃんやねん。

しかしあれやね、鳴いている虫の声でナニ虫かわかるってすごない?すごいよね!オッチャンらエエ歳こいて、いまだに何虫か鳴いとるかさっぱりわからんさかいね。つか、実際その虫自体を見ても何の虫かすらわからんはずやわ。みんなひっくるめてバッタちゃうん?まあコオロギくらいは見分けつくやろけど。そういや昔便所コオロギいうのおったんやけど、あれと普通のコオロギとどないちゃうねやろなー?ただ単に厠に生息しとるからそない呼ぶんかな?

そこでハタと思いつき、フト身の回りを振り返ってみると、世の中にはまだまだ知らん事だらけやん、この歳になっても。

デマントイドガーネット ダイヤ ペンダントネックレス

例えば魚屋、八百屋、花屋なんかで売ってるそれぞれの品物の種類みんな言える?イサキやメバルやカンパチなんて言われてもさっぱり姿が思い浮かばんし、見たところで当てる自信あらへん。未だにほうれん草と菜っ葉とチンゲン菜の見分けがつかん。花に至ってはチューリップとバラと菊以外はお手上げや。

あと最近やと、芸能人の名前がさっぱりわからんから、ガーシー言う人がいろんな芸能人の秘密を暴露してはるねけど、そもそもその人が誰かわからんから全然ピンとこんのよね。

だいたい僕ら元々が大雑把フランクザッパやさけ、そんな細かい区分わけが苦手やし、第一覚えるのめんどくさいやん。

そんな僕なもんで、本業の宝石の種類覚えんのなんかホンマ大変やったなー。まあ言うても昔は赤い石はルビー、青いのはサファイア、緑がエメラルド、透明がダイアモンドいうくらい覚えといたら何とかなったんやけど、最近は宝石でもいろんな種類が出てきて往生するわ。

デマントイドガーネット ダイヤ ペンダントネックレス

なかでも難儀なんがガーネットなんよ。僕が宝石屋の新入社員時代なんかはガーネットいうのはザクロ石いうて、文字通りざくろの実の様な色といわれとったんよ。まあ言うてもザクロの実自体も知らんかってんけど、エンジ色いうんかワインレッドいうんか、そんなんしかなくて、一月の誕生石です言う事で簡単やったんやけど、これが大間違い。

このザクロ石いうのんの代表的な宝石がアルマンディンガーネットあるいはアルマンダイトガーネット言う文字通りエンジ色の石なんやけど、当時売ってたんはほとんどがこの石。たまに、ちょっと紫っぽいのんがあって、これってアメジストちゃうんと思たら、大間違い。ロードライトガーネット言う別の種類のガーネット。また、琥珀色の石やから琥珀と思えば大違い、グロッシュラーライトガーネット言うらしいんや。

ほんで、ある日の午後や、取引業者のオッサン、カバンから緑の石出してからに、これ何の石かわかるか、言うさかい、エメラルドちゃうん言うたら、これもガーネットや言うんよ。へー、そうでっか、なんちゅう名前でんの、て聞いたらグロッシュラーライトガーネットや言いよるねん。いや、ちょー待てと。グロッシュラーライトガーネット言うんは琥珀色のヤツちゃうんて言い返したら、これはな、緑のグロッシュラーでグリーングロッシュラーライトガーネット言うんや、ぬかしよんねん。なんじゃそら、長ったらしい名前で舌噛むやんけ言うたら、いやグリーンガーネット言うたら通じるさかい、べっちょないよ。まあ、別名ツァボライトとも言うさかい、そっちのんが聞こえエエかもな、言いよんねん。どういう意味や、その聞こえがエエ言うのんは、て聞くと、素人の客に売るときの聞こえや、よりアカデミックぽい響きやんけ、そんなんも意識して接客せなあかんど、こない説教がましくぬかすんでムカついたなー、ホンマ。

デマントイドガーネット ダイヤ ペンダントネックレス

ほんで、またしばらく経ったある日や、またこの業者のオッサン「これ何の石かわかるか?」言うてケースから緑の石出しよるから、ははーん、オッサン前の事わすれてけつかる、ボケとんちゃうか思て、「ああ、グリーンガーネットやろ」言うたったんや。そしたら「おっ、よー知っとるやん!ほな、別名何ちゅうかわかるか?」聞くさかい、こっちは鼻高々で、グリーングロッシュラーライトガーネット、またの名をツァボライト言うんや」と言下に言い放つと、「ブー、残念でした」言うて小ばかにした薄笑い浮かべよんねん。ほんなもんな、こっちもムカッときて、「グリーンのガーネットはグリーングロッシュラーライトガーネット、別名ツァボライト言うて、オッサンこの間言うとったやんけ?ちゃうんけ?」と歯向かうと「おおーよう覚えとったのアホのわりに。せやけどなグリーンのガーネットはツァボライト一つだけやないんや、残念ながら」

「ええか、よう聞きや。この緑のガーネットはそもそもグロッシュラーライトでも無いんや。これは同じガーネットの中でもまったく違う種類、アンドラダイトガーネットいうガーネットの仲間で、緑の石だけをまた特別にデマントイドガーネットと呼ぶんや。さあ、ここからが話の佳境、肝心なところやからよう聞けよ。このデマントイドガーネットは他のガーネットよか頭抜けて屈折率が高いんや。もうダイアモンドに迫る勢いの屈折率の高さや。そのためダイアのようによう輝く。そやからこの名前のデマントイドいうのもダイアモンドに由来しとんねん。見てみい、よう照っとるやろ、まるでグリーンのダイアモンドみたいやろ、えっ、どうよ!そやけどこの石がまた滅多に採れん希少石なんや。せやから値段も目ん玉飛び出るくらい高いんよ。たぶんこの石でもジブンとこに委託で貸したら五百万以上つけるやろなー」

「えっ!これウチの店に貸してくれますのん?」

「アホな、阪急さんの客注や、これから納品や。ええ目の保養になったやろ、有難く思えよ」

デマントイドガーネット ダイヤ ペンダントネックレス

それが今ご覧いただいているネックレスに留まっておりますのと同サイズで同じくらいの色照りの良いデマントイドの指輪やったですなー、懐かしわ!

これは、なかなか素晴らしいものですよっていっぺん見に来て下さい。実物ご覧にならずにお買い上げ頂くのはなかなかの冒険ですよって、ご来店いただければ何時でもお見せ致しますよってに。こんなんね普通の宝石屋では滅多おいてませんから、見る事すらでけしません。しょうもない宝石屋の店員なんか見た事もない、グリーングロッシュラーライトガーネットに見間違うやつですわ、ってそれって昔の僕ですやん。

デマントイドガーネット ダイヤ ペンダントネックレス

【No.142】ダイヤのためなら男なんてポイ [ギメル]

Gimel(ギメル) パヴェ ダイヤモンド リング

スタッフのひとこと

25個のダイヤがギラッギラッ!まともに見たら眼ぇ潰れんで!

お盆休みは、普段しみったれて百円の古本文庫本しか買わんところを奮発して、なんと税込み三百八十五万圓もの大金をはたき、いつものブックオフで、わたくしが崇拝する作家、町田康先生の著作、「どつぼ超然」を贖ったのである!

いつもながら先生の作品はその題名からしてふるっている。

その傑出したタイトルだけをざっと挙げても・・

「爆発道祖神」
「パンク侍、斬られて候」
「人間小唄」
「へらへらぼっちゃん」
「耳そぎ饅頭」
「テースト・オブ、苦虫」
「土間の四十八滝」

このように、まともな精神構造の持ち主では、まず思いも付かないサイケ奇天烈なタイトルばかり。

Gimel(ギメル) パヴェ ダイヤモンド リング

ただし、このタイトルとて何もむやみやたら、出鱈目につけておられるわけではなく、ちゃんとその小説の内容に沿ったものであるから驚き。

たとえばこの「どつぼ超然」であるが、これは本作主人公、「余」と一人称で名乗る男が敢然と決意した生き方、人生の指標。それは、どつぼ、つまりどん底最低最悪の環境、人生の苦境に遭遇してもこれに心乱されることなく、超然と、さながら風に立つライオンの如くに生きるんだと言う決意表明。が、しかし、心弱き主人公「余」は、つまらぬ些事にあっという間にパニックって、その決意が脆くも崩れ去ったことに深く落胆し、こんなことなら生きている甲斐が無いと自殺を決意。そこからお話が進展して行くという、そもそもの物語を語る上での因果関係の原因の部分を暗示しているのであります。

Gimel(ギメル) パヴェ ダイヤモンド リング

さて、主人公が自殺を決意したこの物語がそこからどう展開するかという事ですが、実はわたしには全くあずかり知らぬところなのであります。

なんでやねん?オマエ、本買おて読んだん違うんけ?先だっての谷崎潤一郎の「瘋癲老人日記」のヤラシー場面は克明に解説しとるくせしやがって、同じように、かいつまんで説明したらんかい、ワレ!とお叱りを被るのもせん無き事ではございますが、実はこの町田文学を語る上で、物語のストーリー展開はさして重要ではないのであります、いや、批判を恐れずに言うと、物語のスジなど無用の長物。

実はこの町田文学の真骨頂たるや、起承転結と川のように流れゆくストーリーの展開よりも、寧ろそのストーリーを構築する各々の文章の突拍子もないワンフレーズワンフレーズの面白み、深み。例えていうならば、モダンジャズのインプロビゼーション、即興演奏で飛び出す一瞬の、「ワオー!」と思わず雄たけびを発せずにはおれない、鳥肌立つフレーズ、またはその連鎖に相通ずる、一つ一つの文章が醸し出す刹那刹那のWOWにあるわけなのでございます。

Gimel(ギメル) パヴェ ダイヤモンド リング

たとえば、この「どつぼ超然」の中のワンフレーズを例として挙げるなら、

「余はチンペイこと谷村新司の楽曲、『昴』を口ずさみつつ」

という、この一文に御注目いただきたい。

このフレーズには、チンペイなるコミカルなニックネームにふさわしい、谷村新司なる、とっ散らかった福笑いのような滑稽な人相のいわゆるフォークシンガーが、得意満面、ドヤ顔で歌唱するご自慢の代表曲「昴」という、これまた壮大なオーケストラのご大層な伴奏と、文語調風の勿体ぶった歌詞で仕上げた、一聴すると感動大作の造作ながら、その実、中身空疎な唄。これをば、いきって歌うサマ、あるいはこのような歌が大ヒットするという日本のミュージックシーンをば、本職はパンクロッカーの町田氏がおちょくり、小ばかにし、あざ笑う態度が見え隠れいたします。

まあ、このような例は枚挙にいとまがなく、それぞれにいちいち引っかかっているうちに本来の物語の成り行きを忘れてしまうという仕掛け。したがいまして、読者は読んだ先から物語を忘れていくという恐るべきカラクリの小説なのでございます。

Gimel(ギメル) パヴェ ダイヤモンド リング

さて、この小説「どつぼ超然」の舞台となっておりますのは、古くからの日本有数の観光地、熱海なのでありますが、主人公の「余」は突然この地に転居を決め、この地を訪れるわけなのですが、そこで最初に目にするのが、尾崎紅葉の名高い小説「金色夜叉」のワンシーンをモデルとした貫一、お宮の銅像。

銅像と言ってもこれがまた並みの銅像とは訳が違う。なにせガクラン姿の男性が和服姿、日本髪の女性をけり倒しているサマを衆人環視、白日の下に晒しているという実にアブナイ彫像。こんなものを観光地に晒しておれば、これだけ海外からの旅行客が増えた昨今、必ずやいつの日か国際人権委員会から、女性蔑視、暴力廃絶の観点からクレームが来るは必定。

しかし、そもそも、なぜにこのお宮さんという女性はガクラン男、貫一にキックを食らってオヨヨと地面に崩れ落ちているのかというと、簡単に言うといわゆる痴情のもつれ。もっと簡単に言うと、貫一のフラれた腹いせの末の暴力三昧。

元々、この貫一とお宮はお互い将来を誓い合った恋人同士だったわけなのでありますが、そこに現れた第三の男、大金持ちの富山なる男が、金にモノを言わせ、高価なダイアモンドの指輪を餌に、お宮さんを横取りしてしまったのでございます。

まあこんなこと、実際世間にゃ良くあることで、そのいちいちに目くじらを立ててたんじゃ、アッシなんぞとっくに傷害致死かなんかで今頃豚箱のお世話になっててもおかしくございませんぜ、旦那。

しかもこの貫一なる男、女性を蹴倒しただけではまだ腹の虫がおさまらず、

「来年の今月今夜、再来年の今月今夜、十年後の今月今夜、いや一生を通してこの今月今夜のこの月を、きっと俺の涙で曇らせて見せる。もし月が曇ったならば、宮さん、貫一はどこかでお前を恨んで泣いていると思ってくれ」

などと云う、みじめったらしい泣きごとまでお宮さんに浴びせ掛けております。まあなんと往生際の悪い、女々しい野郎じゃございませんか?

実はダイアモンドのせいばかりじゃなくて、こんなうじうじした粘着質のヒルのような性格に、貫一のふられた要因が隠れているんじゃないんでしょうか?

Gimel(ギメル) パヴェ ダイヤモンド リング

しかしまあ、明治の封建的な世相にあって、このお宮さん、男を捨ててダイアモンドを選ぶというのはまさに大英断、アッパレとしか言いようがございません。なぜならば男女の間の惚れた腫れたなんてものは、恋病(コイヤマイ)などと申しまして、他の多くのヤマイともども自然治癒、時間薬、遅かれ早かれ治癒いたします。結婚なんぞして、所帯でも持とうものなら、もう一発で、あばたもエクボが、エクボもあばたに大逆転。残りの人生を寛容と忍従の精神で耐えたところで、再び恋の花咲くこともなく、仮面夫婦として一生を仲の悪い漫才師のごとくに屈託を抱えつつ過ごさねばなりません。

それに引換え、ダイアモンドはもうご承知のように永遠の輝き!あなたの所有物になったとたんに、イビキがうるさい、お金に細かい、ギャンブル中毒である、アル中である、ゲイである、盗撮家である、ヤクザである、だらしない、よその女にもだらしない、なんていう不都合な真実が次々露見してくることもございません。一生を通じてあなたに対して真摯にその衰えることのない美しいキラメキを注いでくれるのでございます。

さて、ご覧いただいておりますのは、当社の秘宝、ギメルのダイアモンドパヴェリングでございます。

Gimel(ギメル) パヴェ ダイヤモンド リング

こちらは大粒の最高級メレダイアがぎっしりと五キャラット、これでもかというボリューム感でセットされた質、量とも最高級のパヴェセットリングなのでございます。

写真では、一個一個のダイアモンドが巧みな撮影技術のお陰で確認することができますが、実物を見るともう眩しい輝きのせいで一個一個のダイアを肉眼で認識することができません。ダイアモンドはあくまで光の反射でのみ輝くわけですが、こちらはあたかも光源がリング内部に内蔵されて発光してるかと疑うくらいの凄まじい威力。ダイアモンドの無慈悲、無遠慮な輝きが容赦無く見る人の瞳孔を射すくめるのでございます。

今月今夜の月の光は涙で曇らせることは出来ても、この指輪のダイアモンドはどんな男の涙でも曇らせる事が出来ません。令和の御代のお宮さんにおかれましては、この目もくらむダイアモンドの指輪をお着け頂き、どんどん男どもをお泣かせ下さいましな。

【No.141】明鏡止水の輝きバイザヤードペンダント [ティファニー]

ティファニー バイザヤード ネックレス

スタッフのひとこと

ティファニーの定番人気のネックレス「バイザヤード」。 一粒ダイヤのシンプルなこのネックレスは普段使いや仕事用としてデイタイムからナイトタイムまで幅広くお使い頂けます。 爪留めではなくフクリン留めで柔らかい印象がグッド!

宝石とインドは切っても切れん仲。なんせダイアモンドが最初に発見されたのが紀元前五百年ころのインドいう事で、それから二千年の間、十八世紀にブラジルで新たなダイアモンド鉱床が発見されるまで、唯一のダイアモンド産出国として世界に君臨してたんやさかいね。

それだけやない、インドで採れる宝石いうのはルビー、サファイア、エメラルド、ガーネット、トパーズ、ジルコン、etc. ありとあらゆる宝石が採れる、しゃれや無うて文字通りの宝石の宝庫。わたくしが宝石屋の新入社員時代、お客さんに宝石の産地を聞かれて分らんかったらとりあえずインド言うとけ、と先輩に教えてもらったほどですんや。

そういうわけで、インドの宝石産業は歴史も深けりゃ規模もデカイ。せやから今でもインド人の宝石商は世界中に散らばっていて、地球を股にかけて活躍しております。

日本でも東京では御徒町、大阪では南船場、景気のエエ時なんぞ、もうここはムンバイか思うくらいインド人だらけやったからねー。

ほんで、またこいつら日本語が達者なんよ。南船場に居とる奴のなかにはワシよか流暢な大阪弁使いよる輩がおるからカナンわ。

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「まいど、どない?えっ?うっとこ?聞くだけ野暮やわ兄ちゃん。さっぱりワヤや、いやほんま、マジで、ウソ言うかいなー」、こんな藤山寛美が発しそうな泥臭いセリフが、あんな彫りの深い、イカツイ顔から出たらビビるっちゅーねん、いやマジで。

ほんでまた、このインド人いうのは頭が良えんよね。なんせ九九の計算でも日本やったら9x9で仕舞やけど普通で19x19、最高99x99まであるらしいやん。オッチャンらこの歳になったら九九ですら満足に出てこやんようになっとるさかいね。

知ってるインドの宝石商のオッチャンの息子も高校までは日本で教育受けて、大学はアメリカのイェール大学行った言うとったなー。そういやアメリカのシリコンバレーやNASAでも多くのインド人が活躍してるらしですやん。

まあ、インド人のなかにもそりゃワシみたいなアホもよけおるやろうけど、賢いやつはずばぬけとる。なんせ二千五百年前の「天上天下唯我独尊」と生まれたとたんに宣ったと云う仏陀に始まり、もうインドは聖者、賢者の一大産出地。まあ、こちらも玉石混交で、サイババなんて言う胡散臭いマジシャンもどきもおりますから油断なりませんが。

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さて、インドの聖者で近年で最も有名なのがラマナ・マハルシいう人と、またこの人と双璧をなすと言われるニサルガダッタ・マハラージ。どちらも二十世紀中期に活躍した聖者で全世界から彼らの有り難い教えを授かりに、多くの人がインドへ押しかけたいうから物凄い。

こういう偉い先生はあちらではグルと言う風に呼ばれますんやけど、これの形だけをパクったんが、かの悪名高いオウム真理教。麻原のオッサン空中浮遊や言うて、座ってジャンプしとったって、元腹心の上祐宣伝部長に最近バラされとったけど、本物のグルは空中浮遊もしなければ、水中に潜って息止めるみたいな事もなさいません。

それでは彼らは何をするかというと、サットサンと呼ばれる集会で説教を垂れるわけやね。サットサンとはサンスクリット語で「真理を探究する仲間」という意味で、言葉通り、悟りを開いたグルを囲み、有り難い教えを授かるわけですわ。

この悟りを開いたと言われるインドの賢者の教えとは、ヒンドゥー教の哲学、不二一元論、アドヴァイタ・ヴェーダンターと呼ばれる非常に奥深いもので、ここで私が簡単に解説できるようなもんやない。つか、よう知らんし。

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ただ、便利なもんで最近はYouTubeでこのラマナ・マハルシの弟子のパパジという人や孫弟子にあたるムージという人の実際のサットサンの模様を映像として見ることができますねん。

まず、この人達のサットサンの映像を見て驚かされるのは、こういったグルなどがいかにも口にしそうな高邁な思想や難しい教義など一切語らないんです。また、宗教にありがちな神話などを用いた勧善懲悪、信賞必罰、地獄極楽の説教等も一切おまへん。

では彼らは一体何を語るのかと言えば、ただ一つ。「考えるな!」という事のみ。

そもそも人間というものは、自分の思考が造り出した幻想の世界に住む住人であり、そこで自分が勝手に信じ込んでいる、あるいは信じ込まされている道徳や規範、宗教、あるいは幸、不幸の基準に縛られて生きているわけであって、そういった「思考の檻」から抜け出すことが人としての本当の自由を獲得できる道なんよ、と説いてはりますねん。

実際のムージのサットサンでよく語られる “An invitation to freedom” という誘導瞑想は、一切のすべての事柄を頭から追い出しなさい、「私」という想いすら捨て去りなさい、空っぽでいなさいと言うもの。

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そういえば、日本の禅仏教かて無念無想いうてますな。小池龍之介いう坊さんが「考えない練習」言う本出してはりまんねけど、実はこの考えないことは、練習の積み重ねを要するにほどに難しいことなんです。

よく、お前は何にも考えてないと小さい時分から叱られてきたわけですねけど、実際自らを振り返ってみるに、何も考えてないわけやなくて、肝心なことは考えずとも、全然関係ない別の事を考えているわけなんですな、例えアホであっても。

数字におけるゼロという概念は、なんでもインド人が発見したものやそうですが、そこにはこの不一二元論の影響があるんやおまへんかな、知らんけど。

心に思考の無い状態をこういった教えの中では。一点の曇りもない青空に例えられますんやけど、そうした一切の喜怒哀楽の思考、感情を乗り越えた境地に達した人を悟りを開いた人と呼ぶわけです。

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まあ、言うてもそんなん凡夫、凡人にはなかなか達することの叶わん境地やけど、その代わり、一点の曇りもないダイアモンドなら、ほらすぐ手の届くところにありますやん。

という事で、さてお立合い、当店が自信をもってオススメいたしますティファニーバイザヤードペンダントにセットされておりますダイアモンドは、どれもがどれも、すべてがすべて、一切合切、飛び切りの最高のダイアモンド!

その輝きはあたかも悟りを開いた賢者の心のように一点の曇りも無く澄み渡り、聖なる輝きを放っておるのでございます。

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賢者の悟りを手に入れることは、すでに俗世に首までどっぷりとつかり、業と欲にまみれたる皆様には最早到達不可能の境地と諦めて頂くよりほかございませんが、この悟りを開いた青空のように、晴れやか朗らか明鏡止水の心のごときダイアモンドが留まりたるネックレスを入手することは、いともたやすき事。

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