Twitterでバズった【ハリー中野】の宝石ブログ

店長ハリー中野の商品紹介ブログ

看板娘 パパラチヤサファイア お披露目

非加熱 パパラチア サファイア ダイヤリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

ベリル拡散や焼きのキツイものが横行する中にあって、純粋無垢の非加熱パパラチア。なるほどこれがインド洋に沈む夕日の色か、思ってたよりずっと爽やか!

ウチの近所のスーパーにはスーパーの売り場とは別に、独立店舗の鰻屋がございまして、これが結構な人気店なのでございます。

手前どもの様な貧乏所帯なんかですと、鰻などホント一年のうち土用の丑の日一日しか食べられない大胡馳走。普段どうしても鰻が食べたくなったら、食パンに鰻のタレを塗ってトーストし、焼き上がったらその上に鰹節をかけ、さらにまたその上にタレをかけ、山椒の粉を振りかけて食べるとこれがなんと、かば焼きそっくりさん。んなわきゃないんですが。

さて、この鰻屋の繁盛の秘密はもちろんそこのかば焼きや白焼きの味の良さにあるのでございますが、ただしそればかりではない、さらなる秘密があるのでございます。

それがなんとこの店の看板娘の存在。まあ、娘と言うと正確さを欠きますので、看板婦人とでも申しましょうか。

このご婦人、歳の頃は四十がらみの脂ののったイイ女。さすが鰻屋だけのことはある。

お顔がなんと歌手の坂本冬美さんにそっくりの、なかなかの美貌の持ち主。もうウチ等の近所じゃ「鰻屋の冬美」といえば知らぬ者はおらぬくらい。

非加熱 パパラチア サファイア ダイヤリング

この冬美さん、スリムなボディーを制服のポロシャツとタイトなジーンズにくるみ、立ち居振る舞いもてきぱきと、見ていても実に小気味良い。もちろん接客態度もいかにも鰻屋らしく威勢のいい、しかもちゃんと笑顔も忘れず、顧客の心を先々読んで機転が利く。業種は違えど同じ接客業の私の目からしても百点満点の接客術。

そういう接客の冴えと美貌に引き寄せられるお得意さんも数多くいるようで、けっこうお客さんのほうから話しかけることも多いよう。いつも店頭にお客の絶える事がございません。

以前も恰幅の良い老紳士が店先を通りすぎると、すかさず冬美、「社長さーん!」と良くとおる声で呼びかけ、世間話のすえ、結局鰻白焼き二尾お買い上げの首尾。

「いいなー!俺もああいう風に店の前を通りかかったら気さくに冬美にしゃべりかけてもらいたいもんやなー」

「そりゃアカン!無理いうもんやで兄ちゃん。年に一回の土用の日だけの客じゃ」

「あかんかー、ほんならこないしょ、今度からスーパー行くたんびにトーストに塗る鰻のタレ買うわ。ほんならオレも馴染み客や、気楽に声かけてくれはるんちゃうん?」

「アホか?気持ち悪がられるだけやでタレだけ買う客なんて、やめときやめとき」

という自問自答のすえ、冬美への道は儚く閉ざされたわけなのでございます。

それならばという事で、次のターゲットは漬物屋の藤あや子、ってそんなにぞろぞろ看板娘がいてる訳はないのでございます、残念ながら。

非加熱 パパラチア サファイア ダイヤリング

さて、お店の看板とも言える魅力ある女性スタッフが看板娘なら、お店を代表する商品は看板商品。

飲食店なんかですと看板メニューというんですかね、その品を食べにはるばる遠方よりお客さんが評判を聞いて訪ねて来るというぐらい美味しい食べ物がそれ。

そういう評判の美味しいメニューがあれば、お店もそれを目当てに来るお客がドーンと増えて商売繁盛笹もって来―い!てなわけなのですが、宝石屋の場合はその辺のところの事情がちょっと異なるのでございます。

宝石屋の場合はこの看板商品はおいそれとは売れない、見場のある高額商品となることが多いのでございます。

例えば、わたくしが過去在籍してました大阪は老舗宝石店のホームぺージでも、こんなん誰がすんのん?みたいな豪華ダイアモンドネックレスの写真を筆頭に掲げて、どんなもんじゃいとそっくり返っている風なのですが、まあ宝石屋なんてのは、その店の店格を表す、所謂ハッタリをかます商品を少なくとも大体二三は用意しているもの。

という事で今回は当店の新たな看板娘、当店の顔となるべき優れモノが入荷いたしましたので、謹んでご紹介いたしたい、かように思う次第でございます。

非加熱 パパラチア サファイア ダイヤリング

さてこちら、言わずと知れたパパラチアサファイアでございます。この様なブログをもの好きにもお読みいただいているようなお方は、当然パパラチアサファイアの名前も先刻ご承知の事かと存じます。

アレキサンドライト、パライバトルマリンと肩を並べる世界三大希少石と呼ばれ、その名前は仏陀にもかかわりの深い蓮の花に由来しており、その名を欺かぬピンクとオレンジの入り混じったお色は、インド洋に沈む夕日の色に例えられる。聞いただけでも石好き好事家の食指を刺激せずにはおれないフレーズではございませんか。

ただし、この宝石過去に不祥事に巻き込まれ一時期大変評判を落とした事があるのでございます。

非加熱 パパラチア サファイア ダイヤリング

あれは今から大体二十年ほども前になりましょうか、2000年の初頭にマダガスカル産のパパラチアサファイアが大量に出回り、パパラチアサファイアの価格が大幅に下落した事がございました。

それらのサファイアには、当時、我が国においての色石鑑別の権威ある機関とされていた全国宝石学協会が鑑別のお墨付きを堂々と発行していたのですが、これらマダガスカル産パパラチアサファイアの多くが後にベリリュウム拡散処理という人工的着色によるものであるとGIAによって看破されたのでございます。

さあ、それからが大変、小売店にはパパラチアサファイア製品の返品が数多く押し寄せるは、全国宝石学協会の信頼は地に落ち、後に倒産に追い込まれる切っ掛けにもなるわ。実際、この事件以降一時期めっきり市場からはパパラチアサファイアの姿がかき消され、まったく名前の通り、幻の希少石となってしまったのでございます。

非加熱 パパラチア サファイア ダイヤリング

さて、現在では宝石鑑別の精度も当時と比べると格段に向上し、そのような処理石を間違って天然と鑑別結果を出すことはございません。しかしコランダム宝石サファイア全般に行われております加熱処理は、天然石鑑別の許容範囲であり、この希少と言われているパパラチアサファイアとて、その市場に出回っているものの大半が加熱処理を施したもの。

しかるにこちらのお石は全く生まれたまま、手つかずの非加熱、スリランカ産の逸品なのでございます!

どうですこの爽やかな、微かにオレンジ色を帯びたピンク。ビールなどの宣伝文句、「雑味の無い」という表現がまさにピッタリのこの抜ける様なインド洋の夕暮れの空の色。加熱処理やベリリュウム拡散じゃこうはいきません。

しかもこちら、中古質流れのユーズドじゃない正真正銘の新品なのでございます。

当店が信頼を寄せる手作りジュエリーの匠に中石、脇石、プラチナ材一式を預けて一から入念に拵えて頂きました渾身の作。

中石のパパラチアサファイアがなんと5.194キャラット。脇石が0.4キャラット台のバケットダイアを二枚、0.2キャラット台のラージメレダイアを八個、都合2.48キャラットのダイアモンドで豪華に取り巻きましたこちらのリング。今季初お目見え、当店新規看板女優でございますが、いつでもお宅の家宝としてお買い上げ頂いて結構でございますので、何卒ご遠慮無きよう!

深山幽谷の深緑ツァボライト

グリーンガーネットダイヤリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

青は藍より出でて藍より青しを言い換えて、緑は翠より出でて翠より緑、と言いたいほどにディープで透明なグリーン

“ポリティカルコレクトネスとは、社会の特定のグループのメンバーに不快感や不利益を与えないように意図された政策または対策などを表す言葉の総称であり、人種、信条、性別などの違いによる偏見や差別を含まない中立的な表現や用語を用いることを指す。政治的妥当性とも言われる。”

と、ウィキペディアにあります。

看護婦が看護師。保母が保育士。スチュアーデスはCA(キャビンアテンダント)、客室乗務員。黒人はアフリカ系~人。インディアンがネイティブアメリカンなどと呼ばれるようになったのがその表れ。

さらにこれがより細かくなって、ご主人、旦那さん、奥さんなど性別による役割の決めつけすら良くないそうでございます。

また、そうした性別の狭間で揺れ動く人たち、かつてはオカマなどと蔑称で呼ばれた人たちも、こういった呼び名は明らかな差別用語とされ、今では性同一性障害、トランスジェンダーなどと呼ばれるようになりましたね。

また身体の一部が機能不全に陥った人を呼ぶにも昔はそれぞれの障害に個別の呼称があったのが、今ではその不自由な器官の後に、~の不自由な人などと呼ばねばならぬようになっております。ですからブスなどと言うのはもってのほか、顔の造作の不自由な人と言わねばなりません。

ただしそういった元の障害を表す言葉から派生して、別の意味として使われる言葉も一緒くたに禁止してはたして良いものかというのが、言葉狩りという論点でよく議論に上るところでございます。

たとえば、めくらめっぽう、つんぼ桟敷、いざり寄る、かたちんば。あるいは何かにとりつかれたように熱中する様を~キチガイと言ったり、我が子を贔屓目に扱う事を親ばかと呼ぶというのもはたして駄目なのでしょうか。

グリーンガーネットダイヤリング

ただし、自動車事故において後続車が前方不注意などで前の車に後ろから追突することを、オカマを掘るなどと言いますが、これなどはもうポリティカルコレクトネス以前の品性の問題。

昔、まだ歳若い女の子が「うちの兄ちゃん近所の交差点で信号待ちしとったらなー、後ろから来た軽トラにオカマ掘られてムチ打ちなってもてん」なんて何の恥じらいもなく言うのを聞いて、我が耳を疑ったことがございます。きっとこの少女はそのオカマを掘るという元の意味を知らずに言葉を発したのでしょうが、いや無知ほど恥ずかしいことはないものよなーと、自分の無知を棚に上げてひと嘆きしたものでございます。

そしてその時ふと思ったのが、後部からの追突をオカマを掘ると言うのであれば、正面衝突はなんと呼べばいいのかと思い悩み、根がスケベなわたくし、数々の破廉恥な言葉を頭の中で巡らせては独り薄ら笑いを浮かべたりしたものでございます。

あるいはまた、ルッキズムという言葉もございます。これは外見至上主義と訳されているようで、外見によって人物を評価するという事で、これによる差別や偏見という事もその意味合いに含まれるそうでございます。たとえば美人とか美女なんて言葉もこれに引っかかるそう。これが駄目ならもっと下品な言葉で言い換えるしかないと言葉狩りに抗議して断筆宣言までされた筒井康隆先生は皮肉を込めて嘆いておられます。

グリーンガーネットダイヤリング

さて、そこでハゲという言葉がこのルッキズムあるいはまた、ポリティカルコレクトネスに引っかかるかどうかという議論を、最近読んだ昔出版された本、つまり古本で買った「ショージ君の養生訓」のなかでその本の作者東海林さだおさんとゲスト清水ちなみさんの対談「禿頭をとくと考える」の中で語られております。

日本においては禿頭、つまり禿げ頭の人に面と向かってハゲと言えばこれはれっきとした悪口。アホ、バカに準ずる罵詈雑言の一つなわけですが、外国ではこれが悪口とはならないらしいのです。ブロンド、ブルーネット、赤毛などと並びハゲは純然たる頭部の特徴のひとつであり、顔面とのバランスにもよりますが、これがカッコいいチャームポイントとなる場合すらあるのは、過去のハゲの有名映画俳優、ユル・ブリンナー、テリー・サバラス、 ショーン・コネリーが証明しております。

グリーンガーネットダイヤリング

されば、なぜ日本の場合のみ悪口になるかと言えば、日本の場合ハゲ=スケベという常識が定着しているからという仮説を東海林先生は力説されております。

確かにハゲは男性型脱毛などと呼ばれ、医学的には男性ホルモンの分泌が多いほどに頭髪は抜け、性欲は増進されるとか。

まあわたくしの周りを見回しても、確かに禿げた人の方があちらの方もお強いようで、わたくしの先輩にあたる禿頭の方々も、未だマカや亜鉛やマムシにスッポンなどのサプリメントを摂取し、健康維持の大義名分のもと、秘かに精力維持、性力増強に励み、いざ鎌倉てな時の為に南蛮渡来の秘薬を常にこっそりカバンの奥に忍ばせているなんて猛者が数人いるから驚きです。

グリーンガーネットダイヤリング

あれ?ポリティカルコレクトネスから大幅に話題が横道に逸れちゃいましたが、実は宝石にもこのポリティカルコレクトネスの問題があるのでございます。

宝石を貴石、半貴石と分類する見方がございます。貴石というのは古くから四大宝石あるいは五大宝石などと呼ばれる、古来より世界中で珍重されてきた人気の宝石、すなわちダイアモンド、エメラルド、ルビー、サファイアで、これにアレキサンドライトかヒスイを加えて五大という場合もございます。英語ではプレシャスストーンなどと呼ばれいかにも宝石の特権階級のような扱いですが、それ以外の宝石はなんと呼ばれるかというと、セミプレシャスストーン、半貴石などと呼ばれるわけであります。

おうおうおう!そりゃあんまりじゃねーか、そんな不平等、お天道様は見逃してもこの遠山桜が見逃すわけにゃーいかねーのさ、と金さんが紋々見せびらかせながらお出ましになるまでもなく、天下のGIAが業界に先駆けこういった呼び名は止めましょうと、その教育プログラムで以前から訴えております。特に宝石を販売する方たちはこんな差別を宝石の分類に持ち込むことは、自らの首を絞める愚行も同然。宝石はどれもが素敵なプレシャスストーンなのでございますよ。

グリーンガーネットダイヤリング

さて、そのセミプレシャスストーンという不名誉な名前で長らく呼ばれていた代表的な宝石の一つにガーネットがございます。ガーネットと一言に申しましても、この宝石、親せき縁者が多数ございまして、30種類以上もある異なる色目をもつと言われるガーネットグループを構成しております。中でも皆様お馴染みなのが赤や紫系統のアルマンダイトガーネットやロードライトガーネットなのですが、こちらにご覧いただいている緑の宝石も何とガーネットなのでございます。

こちらはその色目から、一般的にグリーンガーネットと呼ばれている宝石なのですが、正式にはグリーングロッシュラーライトガーネットと呼ばれる宝石。その産地にちなんでツァボライトなどと呼ばれることもございます。こちらのガーネット、アルマンダイトやロードライトと異なり産出量の少ない希少な石なのでございます。

グリーンガーネットダイヤリング

如何でございましょう、この貫禄、この存在感。グリーンの宝石と言えばエメラルドでございますが、インクルージョンで濁った三流どころのエメラルドよりはるかに美しいではございませんか?同じく貴重なグリーンのガーネットとして有名なデマントイドガーネットと比べますと、デマントイドが黄緑のライトな感じなのに対し、こちらはご覧の通りの深緑。重厚な趣

日本画壇の巨匠、東山魁夷画伯が唐招提寺の依頼を受け、およそ制作に十年の歳月を費やし完成させた、鑑真和上にささげた六十枚を超える襖絵。その中の「山雲」と題された日本の深山幽谷を描いた襖絵。幾重にも木々が重なり鬱蒼と茂る、まさに神が宿るような森林の実に深い緑。そんな神々しくも神秘的な緑がこの石にも宿っているのでございます。

都会の喧騒の中にあっても、この宝石をお供となされば、ふとそこに視線を落とす度に、幽玄の森にいざなわれたように、ひと時の癒しがあなた様にもたらされるのでございます。

ピンクゴールドに映えるレール留め

ダイヤリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

ピンクゴールド一文字リング。細部のこだわり要チェックですよ

皆様、チャネリングというのをご存知でしょうか?代表的な例といたしましては、青森県の下北半島にある恐山のイタコと呼ばれる巫女が行う「口寄せ」と呼ばれる秘儀。

「口寄せ」とは、死者の霊をその巫女の生身に憑依させ、その死者と関係の深い肉親などとのコンタクトを、その巫女が仲介役として取り行うという、一種あの世との交信サービスなのです。

わたくしがまだ子供のころは、テレビの特番なんかでもよく取り上げられ、その何やら恐ろし気なサマを恐々視聴した記憶がございます。

ところが、カルト教団、オウム真理教が引き起こした一連のテロ事件からこちら、そういったオカルティズムや霊的な事を扱う事がどうやら放送の世界ではタブーとなったのか、まったくそういったおどろおどろしい心霊や超常現象を扱う番組が姿を消してしまったのは残念なことでございます。

ダイヤリング

さて、このチャネリング、なにもイタコだけの専売特許というわけではございません。有名なところでは、幸福の科学という新興宗教の大川隆法総裁が過去の聖人、戦国武将、政治家、その他もろもろの著名人の霊をその身に降臨させ、有り難い「霊言」を下されるとのこと。

普通こういったことを耳にしますと、どうせ金集め目的のインチキに違いないと常識人は鼻でせせら笑うのが一般的な反応かと思うのでございますが、実はわたくしには一概にそうとは思えないのでございます。なぜなれば、かく申すわたくし自身がそのチャネリングを実践している、総裁同様の神に選ばれしチャネラーに他ならないからでございます。

ガーン!!

お疑いの方は、過去の小生のブログに一通り目を通して頂ければ一目瞭然。過去すべてのブログのどれもがどれも、語り口に統一性がないこと甚だしいと、疑念の目を持って読み進まれるのではないでしょうか。

ダイヤリング

例えばこのブログのひとつ前のサンゴ指輪のブログなんかですと、どうもまるで上方古典落語かと疑うばかりの古臭い大阪弁で書かれてある。いくら私が年寄と言えども普段そんな喋り方は致しません。きっと執筆中に米朝師匠か松鶴師匠が乗り移ったに違いない。

また、その前のやつなんか、のっけから料理のお兄さんが飛び出てきた。これなんか明らかに生霊の祟り、げに恐ろしやリュウジの御霊。またさらに過去にさかのぼり、目立ったところですと、「私をクラブにつれてって」と題してギメルのブローチを解説しようとしたところ、のっけから江戸落語の名人古今亭志ん朝師匠らしき人物に乗っ取られ、ブログがすっかり意図せずして江戸落語になってしまいました。

あるいはまた、「不気味なくらい美しいギメルの指輪」と題した、ギメルのスピネルの指輪の解説を始めようとすると、突然関西MC界の重鎮、石はヤシロの生ける永代供養、浜村淳先生が割り込んできて、「さて皆さん・・」と始めよる。さらに遡れば、「グリマ甘―いジュエリー」と題したブログではなんとあのマツコDXが憑依したらしく、あろうことかジュエリーをスイーツに例えて語りだす。

もうこの体質、自分自身ですら手に負えんので、最早なすがままに身を任せているのですが、不思議とそういった、何者かに憑依されたときに限り、ブログを書く筆が順調快調に進むというか、キーボード入力がキーボードにまるで指が吸い寄せられるかのようにスムーズに進むのでございます。

ダイヤリング

逆に誰も降りてこない時、実際その方が今のところ圧倒的に多いのですが、そんな時はもう艱難辛苦。元来文章など書く習慣など全くなかった身、もがきにもがき、苦しみ呻吟の末、文章を捻り出しているような始末。いっそのこと、そう言ったチャネリング体質が一層進歩発展して、大川総裁のように過去の偉人、賢人、聖者が下りて来るようにならんかなー、と強く思うのでございます。

そうすれば、こんなことしてられへん、わたくしもひとかどの教祖様となり、過去の天才、賢者、あるいは神そのものを憑依させ、有り難い教えシモジモの者にたれ、迷える子羊を救う救世主となり、ユーチューバーとなり、政党を創設し、日本全土の征服、否、世界制覇も夢ではないのである!ワハハハハハ!ガッハハハハハハハハ!ウワッハハハハハハハハハハ!イーッヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ・・・・・

という事で、本日はチャネリングならぬチャネルリング、正式にはチャネルセッティングの指輪のご紹介。

ダイヤリング

さてこちらの指輪、チャネルセッティングと申しましたが、一般的にはレール留めなどと呼ばれ石留の仕方。ご覧いただいている指輪のように一般的にはダイア製品によく使われる石留方法で、その見た目の形状から一文字リングなどと呼ばれることもございます。

通常、こういった小粒のメレダイアモンドなどの石留は、小さい爪を立て、それらに一個づつ石を留めていくのが一般的なのですが、こちらの留め方はご覧いただけますよう、二本の平行に走るレールの間に複数の同じサイズの石を挟んでいっぺんに留めていくという方法。この留め方の利点は爪留めのように引っかかりが無いというところ。よく指輪のその小さい爪がニットのお洋服やストッキングに引っかかったり致しますが、その心配が要らない。

またその延長線上にもなりますが、石を落とす、あるいは飛ばす危険性が大幅に低減いたします。爪が引っかかれば、当然爪の方も伸びたり曲がったりしますから、石が落ちるのも当然の事。従いましてこういったデザインのリングはお仕事などのお供としての普段付けにも非常に適しているのでございます。

ダイヤリング

さて、ご覧のリングでございますが、こちらは基本レール留めのデザインながら、非常に凝った造りとなっております。こちら約0.15キャラットのメレダイアが五つ並んだレール留めなのですが、実はそのダイアとダイアの間に二個づつさらに細かいメレダイアがセットされているという細かい細工。

さらにこのレールの外側、ちょうどレールの側面に当たる部分の両サイドにも、細かいメレダイアが綺麗に彫留めされて豪華さを演出しております。

さらにこちら、現在ローズゴールドなどと呼ばれ、とても人気のあるピンクゴールドのリング枠になっております。そのためサイズの変更は、地金自体の組成構造が不安定な為、一応不可とさせていただいておりますが、当社が擁する凄腕職人の神技によって可能な場合もございますので、大幅なサイズ直しでない場合、サイズ直し可能な場合もございますので、先ずはご遠慮なくお問い合わせのほどよろしくお願いいたします。

ジプシー奏でる鬼平の指輪

サンゴ ダイアリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

ええべべ着せてもろてこの指輪挿してもろたら三国一の別嬪さんや

歳いて老いぼれて参りましたよって、観るテレビも年寄らしもん観ないかん言う事で、最近は休みの日などよくBSなんかで放送されている時代劇の再放送をのんびりと発泡酒片手に観やしてもろてまんのでございます。

特段、時代劇専門チャンネルなんぞを契約する贅沢してるわけやおまへんで、その時々やってるのを適当に観てるだけ。それでも結構な種類の時代劇をこれまで鑑賞することができました。

「水戸黄門」「必殺仕事人」「座頭市」「江戸を斬る」「遠山の金さん」「銭形平次」「暴れん坊将軍」「剣客商売」などなど。その中でもわたくし一番のお気に入りは「鬼平犯科帳」。

この「鬼平犯科帳」、原作が時代小説の巨匠、池波正太郎先生という事もあってか、なかなか並みの時代劇のような、勧善懲悪一辺倒の単純なストーリーやなく、登場人物の人情の機微が細こうに描かれてある。盗人にも三分の理という、人間の弱さの部分にもスポットライトが当てられてたりして、なかなか見ごたえのある人間ドラマという内容になっておりまんねん。

ほんでまた何よりも、このドラマの主人公、鬼平こと、江戸市中火付盗賊改方の長である長谷川平蔵を演じている中村吉右衛門さん。これがまた良ろしいんでございます。

サンゴ ダイアリング

わたしら生来、裏長屋住まいの貧乏人でっさかい、歌舞伎みたいな高尚なもんにはとんとご縁がなく、恥ずかしながら生まれてこの方、歌舞伎の生の舞台なんぞいっぺんたりとも見た事あれしまへんし、わざわざテレビ中継を観るなんてまめなこともしやしまへん。

そんなんですよって、人間国宝、中村吉右衛門丈の歌舞伎のお芝居がどんなに凄いかなんぞさっぱり知れしまへんのでっけど、逆にテレビドラマの中での、そのなんともいえぬ所作や目配せによって、何やら歌舞伎の演技の機微に触れる様な気分にさせてくれはるお芝居。なんちゅうたらよろしいんやろん、そう気品がある。それですわ。そりゃ芝居のお上手な役者さんは仰山いてはりますが、この気品いうもんを持ってる方は、あまりそう居てはらへんの違いますやろか。

サンゴ ダイアリング

実はその謎が、このブログを書くにあたってご本人の事を色々インターネットで調べたところ、なんとのう分かったような気ぃになりました。

歌舞伎の世界は梨園なんてことを言いますが、こうした有名な役者の看板を継ぐのは基本世襲制。ひとつの家系が代々その芝居の大名跡を受け継いでいくというわけですな。もちろん吉右衛門さんもそういったお家に生まれはったわけで、実のお兄さんは松たか子さんのお父さん、松本白鴎丈とこれまた大名跡の後継者なのは皆様ご存知のところ。せやけど兄弟やからいうて同じ名前を二人分けて継ぐわけにもいかんと、お母さんの実家、これも歌舞伎の名門、初代中村吉右衛門、つまりお爺さんの養子となりはったんですな。

さて、少年時代の吉右衛門丈、学校の方は暁星高等学校から早稲田の仏文に進みはります。このいかにも東京のエエシの子ぉらしい経歴からして、勉強の方もよう出来はったんやろね。なにせ大学入学当初は歌舞伎役者やのうて、フランス文学の学者を志してはったらしいんですわ。そしてまた絵の方も幼少のころから大層達者で、後年画集を出したり、個展を開いたりとプロはだし。ほんまにご本人自体が文人というかインテリいうんか、そんな点がさっき申しました、演技の気品、品格に現れてんのとちがいますやろか。

サンゴ ダイアリング

さて、皆さんもご承知の通り、中村吉右衛門丈は昨年十一月に七十七歳という、今どきですとまだ若いといわれるようなお歳で、残念ながらご逝去されました。素人目に観ても、歌舞伎界にとっては計り知れない大きな損失やったに相違ございますまい、役者としてだけやなくて、その人物としても。

さあ、その鬼平犯科帳のわたくしにとっての最大の魅力は、実はこんなん言うたらあの世の吉右衛門さんに叱られるやわかりまへんが、実はドラマが終わった後のエンドロール。

ジプシーキングスのインスピレーションという曲をバックに日本の四季折々の江戸情緒を伴った景色が映像として流れまんねけど、これが実に良え!いやホンマ。

サンゴ ダイアリング

ドラマは犯科帳というくらいやさかい、殺人、放火、強盗、裏切り、恨みつらみのどろどろした人間模様が展開されて結末を迎えるわけなのですが、その後味の悪さをあたかも浄化してくれるような、カタルシスの効果がこのエンドロールにはあるんと違いますやろか。

フランスのグループ、ジプシーキングスはテレビコマーシャルでもお馴染みの「ボラーレ」など力強い男性ヴォーカルで日本にも数多くのファンがおられるのですが、この鬼平犯科帳のエンドロールで使われている曲は、歌のないギター演奏のみで構成されたインストロメンタルの楽曲。このフラメンコギターによる哀愁溢れる曲調が驚くほどに、この鬼平犯科帳、日本の時代劇の終焉に見事マッチして良え仕事をしてまんねん。この外国の曲を時代劇のエンドロールに選択した人のセンスたるや、もう神がかってるとしか言いようがないくらい素晴らしおます。まさか吉右衛門丈自身の選曲やないやろね?

サンゴ ダイアリング

さて、この日本情緒とフラメンコギターが醸し出す、えも言えん和洋の融合と見事合致するような佇まいを見せるのが、こちら赤珊瑚の指輪ですんや。

どないです、このまったりした珊瑚の赤。西洋の赤とはまた一味違う、ちょっと陰影を帯びた言いまんのかなー、日本人の詫び寂びの心を反映したような渋い赤。

こんなん指にさしてもろて歌舞伎見物にでもお出ましいただきましたら、またそのお芝居も一層良えもんに映るちゅうもんでございます。芝居がはねたのち劇場表に出たら思わぬ通り雨。雨にけむる都会の夕景色を見るともなく眺めていると、どこからとものう哀愁のフラメンコギターが聴こえてくるかもしれまへんよ。

ハリーのバズレシピ

花珠 パールピアス

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

伊勢志摩直送とれとれぴちぴちの花珠真珠を用いたピアスを作ってみました。自信のオリジナル商品!

ハーイ!料理のお兄さんリュウジでーす!

じゃなくて、ハーイ!宝石のお爺さんんハリーでーす!

今日は皆様お待ちかね、至高シリーズという事で僕自身もやはり至高の宝石を紹介していくからには至高になってかなくちゃいけないという事で、ハイボールで自らを至高へと高めていきまーす、出でよ!アル中マシーン3号―!

とリュウジ君よろしくパソコンの画面相手に乾杯と行きたいところですが、なにぶん会社の事務所ではそうもいかず、つか、ハイボールなんか飲んだ日にゃ至高になるどころか、老人のアタシなんかもう脳みそ虚無状態になりますからブログどころの騒ぎじゃなくなります。

という事でとりあえずは、残念ながら素面ですすめていきたいと思いまーす。

さ、それじゃーね材料紹介から行きたいと思いまーす。まずはね玉ねぎ。ちょうど新玉の季節でね、じゃねーや。玉ねぎじゃなくて、真珠。

花珠 パールピアス

真珠っていってもね、ただの真珠じゃないの今回の真珠は。

ただの真珠じゃないって、じゃあどんな真珠かっつーとね、これがなんと花珠真珠なんすよね。すごいしょ?ご覧いただいてますピアスはその花珠のペアで作った当店オリジナルの一押しおすすめ品なんでございます!

皆さん知ってます、花珠って?まあこんなブログすき好んで読んでくれてる宝石好きの皆様方だから、大方の人は知ってると思うんですけどね、知らない人のためにちゃんと説明しますねー。

まあ、簡単に言いますと花珠は良いパールつーことなんすけどね、要はね。

じゃ何が良いかっつーとね。真珠を評価する重要なポイントをみんなクリアしてるってとこ。

人間でもあるでしょ、三高って?女性が結婚相手に求める条件ってやつ。高学歴、高収入、高身長ってやつ。僕なんか一個も引っかからないんで、やけ起こしてヤクザ渡世の道に入ったんですけどね、ってウソですけどね。

花珠 パールピアス

さて、真珠にもこういった良い真珠を満たす三要素ってのがあるわけね。これがマキ、テリ、キズケっていう三点なの。

まずマキってのは、マキさんの紹介でアナタの隣に座ったの、ていう人の名前じゃなくって、これまた古臭いボケで、年寄りきゃわかんねーヤツね。

マキってのは真珠を取り巻いている真珠層の厚みの事ですね。これが薄いと割れたりヒビがいったりしやすく、逆に厚いと光沢に深みが出るって事。もちろん厚いに越したことはないわけ。で、どれだけ厚けりゃいいかっつーと、花珠の定義は0.4ミリ以上と定められてんのね。

で、お次はテリ。テリー伊藤じゃなくて単なる照り、いちいちつまんないこと言うなって、クセなもんで勘弁してね、老いの繰り言ってヤツですけん。

で、どんなテリが良いって言うと、定義では超テリ!輝きはもちろんの事、鮮やかな干渉色が認められなければなりません。ピカピカの光沢にプラスして真珠独特のオーバートーンの色の重なりが認められなきゃいけないつーこと。

花珠 パールピアス

そしてキズケ。傷っていっても擦り傷、切り傷みたいな後からついた傷じゃなくて、真珠独特のエクボっていって、貝に砂とかの遺物が侵入して、真珠を作るときにそれの痕跡が真珠の表面にできちゃう、そういうのが少ないか多いかっていう基準で、これが極小っていうから極めて少ないっていう範囲。

あと鑑定で見るのは、ナリに色という項目があるんだけど、ナリはちゃんと丸いかっつーことで、色はどんな色かってことなんだけど、色に関しちゃどんな色でないといけないって厳密な決まりはないの。だから重要なのはやはりテリ、マキ、キズケの三高なわけね。

花珠 パールピアス

じゃ、いったいそれを誰が決めるかってことですけど、お店屋さんが勝手に、ハーイうちの真珠はみんな花珠でーす、なんて勝手に言っちゃダメなんです。

この花珠なる定義そのものを確立したってーのが小松博先生という、元々あの天下のミキモトで養殖真珠の開発研究に没頭していた真珠博士。水道橋博士じゃありませんからね。もういいって?

この先生がミキモトを退職したのち立ち上げたのが、真珠科学研究所っていう真珠専門の鑑定機関なわけ。何せ世界で初めて真珠養殖に成功したミキモトの研究者が立ち上げた真珠の専門鑑定機関なわけですから、もう世界の最先端なわけね。その先生のお墨付きってことは、もう世界基準の高品質真珠として堂々と自慢できるわけなんですよー!

花珠 パールピアス

だけどなんでそんなのがオマエんとこみたいな場末の質屋に、しかも大量にあんだよ、おかしいじゃねーか?って。じゃあ種明かししますね。

これはね真珠の本場伊勢志摩のハマと呼ばれる養殖業者さんから直接仕入れた珠なんです。なんでそんなところと繋がりがあんだよ、ってことですけど、これがねタマタマそこの社長さんが僕の宝石屋さん時代の一年先輩だったよしみ。そういったご縁がないと養殖場から小売屋が直接仕入れるってことは不可能なわけなんですね。もちろんその分、中間マージンってのがかかってない分、新品にもかかわらずお安くご提供できるってわけ。

花珠 パールピアス

ただし、ここで一つお断り。

普通こういった花珠の商品にはそれを証明する鑑定書が付いているのが普通。でもこのピアスには鑑定書の前の検査済みを証明するソーティングペーパーっていう紙切れ一枚しかお付けできないんです。この紙と商品を一緒に真珠科学研究所に送りゃ、ちゃんとした花珠の鑑定書を作ってもらえるのですが、鑑定書作成料が五千円くらい係るわけで、その分お値段が高くなる。別にピアス着ける度に鑑定書首からぶら下げて歩くわけでもないからそんなの要らないでしょ、その分安い方が良いに決まってますもんね。

ま、どうしても恭しい鑑定書の欲しい方はお買いいただいた後で、ご面倒ですが商品とソーティングペーパーを真珠科学研究所の方にお送りいただき、ご実費にてお作り頂くことも可能ですから、叶姉妹。また最後に下らん事言っちゃった。

コレクターにはギメル!

Gimel(ギメル) ダイヤネックレス

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

芦屋六麓荘のマダムのこさえるモンはやっぱ違うわ。そこはかとない気品が漂っとる!大阪弁で言うたらいっこも値打ち有らへんけど

「無能の人」という日本映画がございます。これは個性派俳優としておなじみの竹中直人氏が1991年に自らメガホンを取り初監督に挑戦し、自身も主演として挑んだ当時の話題作なのですが、元々の原作は芸術漫画の金字塔とも呼ばれる「ねじ式」を描いたつげ義春氏の漫画。

漫画家、つげ義春氏を知ったのは、わたくしに小説の世界の扉を開いてくれた、敬愛する作家の筒井康隆先生が、何かの雑文の中でその漫画を高く評価されているのを読んだのが切っ掛け。

まず最初に読んだのが、先にあげました「ねじ式」。いやー、もうそのシュールというのか奇天烈というのか、まるで悪夢のような、筋があって無きかのような漫画。それもそのはず、漫画の筋が浮かんでこずにヤケクソで書いたとのご本人の弁があるほど。実際この先生の他の作品はこの様なアヴァンギャルドな作風とは大きく異なり、どちらかというと自らの生活に題材をとった私小説風な作品が多いのでございます。

この「無能の人」も自らをモデルにしたであろうとみられる、売れない漫画家を主人公にした、貧乏にあえぐ一家の悲喜劇を描いたもの。

芸術漫画などと祭り上げられたが故、なにか変な気負いが生まれ、編集者からの注文にも気安く応じられなくなり、それゆえに雑誌からの注文も途絶えて久しい主人公の漫画家、助川。

Gimel(ギメル) ダイヤネックレス

それならいっそ商売替えをしようと色々試みますが、何をやってもことごとく上手く行きません。そこで最後にたどり着いたのが、元手要らずという事で、玉川の河原で拾った石を玉川の河川敷に掘っ立て小屋を建て、そこで売るという商売。

まあどう考えてもモノになりそうな事業ではございませんが、実はこういった河原に転がっているような石にすら好事家というのか、マニアというのがいるらしいのでございます。

専門的には「水石(スイセキ)」と呼ぶらしいのですが、元々古くは中国より伝わった愛石趣味だそうで、形の良い趣のある石を室内で台座の上などに恭しく飾り、鑑賞するといった、まあ何とも渋い趣味があったもので、ちゃんと日本水石協会なる同好の士が集う団体すらあるらしいのでございます。

Gimel(ギメル) ダイヤネックレス

さてそれを知った主人公の助川、芸術漫画家としての自らの審美眼を信じ、河原でこれぞと思う石を拾ってきては店頭で適当な名を石につけて並べるのですが、もちろんそんなものを敢て買おうなんてモノ好きな人は滅多におりません。日がな一日毎日ヒマな店で店番をしていてもしょうがないと、石仲間から教えてもらった、良い石が採れるといわれる郊外まで家族を伴い、レクリエーションを兼ねて出かけます。そこで採取した石を愛石趣味同好の士が集まるオークションで売って一攫千金を目論むのですが、もちろんこれも失敗。オークションの参加費だけが無駄に消え、とうとう妻子からも見放されるといったさんざんな結末で物語は終わります。

さて世間では、こんな河原に転がってるような石ころに始まり、様々なモノの収集が趣味として成立致しておりますようで、テレビの人気長寿番組「開運!なんでも鑑定団」でもいろんなものが収集家のコレクションとして鑑定に出品されております。

この番組を見るにつけ、世の中にはまあ何とも数多くの収集癖を持っている人がいるもんだなーと感心いたします。

世に広く知られているところでは、切手収集。古銭収集。フィギア収集。むかしのエボナイトやビニールでできたレコード盤の収集。初版本の収集。昔の玩具、メンコやベーゴマの収集。オイルライターの収集。腕時計の収集。もう数え上げたらきりがないくらい皆さん物を集め貯め込むのがお好き。わたくしなどのようにそういった収集癖が全くない者からみればまことに不思議。

Gimel(ギメル) ダイヤネックレス

さて、このコラムでいの一番に取り上げなくてはいけないのは何をおいても宝石の収集、コレクション。

夜更けにこっそりベッドサイドのドロワーから宝石箱を取り出し、買い集めた宝石たちを眺める事は、そういった方々にとりましてはまさに至福のひと時。ひとつづつ取り出しては指にはめてみたり、首にぶら下げてみたり、ためつすがめつ眺めて飽きることを知りません。

いや、まことに精神衛生上にもよろしげな、結構なご趣味でございます。

ただし、こういったモノの収集癖の裏にはテレビの鑑定団のテーマでもあります、投機的な側面が必ずついて回ります。たとえば絵画や美術品、書画骨董なんかはもう鑑定団のお得意分野。イチ、ジュウ、ヒャク、セン、マン・・・・・・とお金の位がカウントされる度に出品者の一喜一憂するさまの必死な様子。値打ちのある品だと自信満々で持ってきた先祖伝来の壺なんかが二束三文の値を付けられたときの出品者の落胆のサマが、意地の悪い視聴者にはたまらなく面白いのであります。

Gimel(ギメル) ダイヤネックレス

さて、実は一般の方の中には、宝飾品、宝石貴金属の類もこういった書画骨董と同様長らく持っていれば値打ちが上がる、あるいは一定の資産価値を持っている、なんて言う風に思っておられる方が少なからずおられます。これは宝石屋が販売する時に「お値打ち品」とか「値打ちがある」などといった、さもその品物自体にすごい金銭的価値があるといった、紛らわしい売り方をする点に原因があると考えられます。

もちろん、こうしたジュエリーと言ったものは大体が18金やプラチナをその土台として制作されているので、最低その地金のスクラップ価格の値段にはなるのですが、その価格たるや購入価格の1/5以下というものがほとんど。

なぜならばこういったジュエリーの類の原価率というものは贅沢品、奢侈品という事もあって、他の一般の耐久消費財に比べると驚くほど低く、せいぜいが20%前後ではないでしょうか。そしてその原価に占める貴金属の割合を考えると自ずとこの目減りの仕組みはご理解いただけるでしょう。

ですから、手前ども貴金属高価買取りで定評がございます質屋マルヨにいたしましても、宝石貴金属の買取に関しましては、地金だけではなく、中石、脇石もしっかり査定いたし値を踏んだ結果ですら、購入価格の1/3までいかないものがほとんど。暴利をむさぼるあくどい商法に引っかかり、高い値段で売りつけられたものなんかですと、最早1/10以下。まことに残念ながら文字通り二束三文の値打ちという事になります、

Gimel(ギメル) ダイヤネックレス

しかし皆さま、ここに朗報、福音があるのでございます。そういった処分するときはスクラップ価格にしかならない大半のジュエリーの中におきまして、中古になってもなお付加価値を維持し、しっかりした買取金額が期待できる逸品があるのでございます。

そう、それこそが未来のアンティークと海外オークションハウスをうならせた、日本が世界に誇るギメルの製品。

Gimel(ギメル) ダイヤネックレス

もちろん現在はまだアンティークにはなっておりませぬ故、中古として処分する場合は新品価格からの目減りは免れません。ただし最早、質屋買取屋等が出品する古物市場のオークション価格ですら、ギメルというだけで高値が付くといった現状。ですから新品で買ったギメルの商品でも、良心的な質屋、買取屋に持ち込めばスクラップ価格ではなく、ちゃんとしたギメルとしての中古相場価格に準じた価格で買い取りが成立するという事。つまりはエルメスやロレックスの品物と同じく、品物の値打ちとして査定してもらえるのでございます。ですから、それをハナから中古で上手に入手しておけば、万一の処分の場合でもその目減りの額はさらに減るわけなのであります。お判りいただけますでしょうか。

そしてさらには将来のアンティークというだけあって、その将来が到来したときには一体いくらの値打ちになっているか楽しみではございませんか?お孫さんがそれを携え、「開運!お宝鑑定団」に出るその日までは、もちろん最高のジュエリーとしてお楽しみいただけるわけですから、これはお値打ちでございますよー!

色褪せないサザンの魅力

Southern Cross(サザンクロス)  ピンクサファイア ダイヤリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

今週の第一位、サザンがおおくりする非加熱ピンクサファイアのリング。では張り切ってどーぞー!

先日近所のブックオフに行きますと、わたくしの好きなナンシー関さんの文庫本が五、六冊まとまって、しかも一冊が110円の超特価で出ていたのでとりあえず一冊購入して帰りました。

次の休みも又ブックオフに立ち寄ると、なんと残り二冊になっていたので慌てて購入。やはり未だわたくしの様なファンの方が多くいらっしゃるんだと、ちょっとびっくり。

というのも、ナンシーさん三十九歳とお若くして亡くなってから早二十年の歳月が経つのです。

普通、しかつめらしい文学などというものをお書きになる文士先生なんかですと、亡くなって二十年経とうが百年経とうがその文学的価値、評価は変わらない方が多いのですが、何せこの方コラムニスト。しかも移り変わりの激しい芸能を専門に、そのターゲットにした人物の似顔絵を消しゴム版画なる特殊な技法にて表現し、コラムと一緒に雑誌やなんかに掲載するという手法。

芸能なんてものは人気商売水商売というだけあって、移り変わりが驚くほどに早い。然らば二十年前の芸能コラムなど最早なんの値打ちも無きがごときもの。実際書いてある内容を読んでみても当時を知るわたくしとて、あー、そういえばそんな奴がいてたなー、とかそんなことあったなーてな感じ。ですから当然当時の芸能界を知らぬ今の若者にはちんぷんかんぷんのはず。

ただ、そういった時間的制約を受けつつも、未だ古本になっても売れ続けるのは偏に著者ナンシーさんの類まれなる才能のお陰。もう少し長く生きておられたらと改めてその才能の惜しまれるところでございます。

Southern Cross(サザンクロス)  ピンクサファイア ダイヤリング

さて、そういった物事の賞味期限という意味では、新聞などというものなんかはもっと極端。値打ちのあるのは発行当日のみ。翌日にはもうなんの値打ちもないゴミとなってお払い箱。

昔はそれでもこの古新聞紙で弁当を包んだり、濡らして破いて箒で掃けばチリが良くとれるなんて言う使い道があったのですが(えらい年寄やなー!)、今じゃもうすっかり無用の長物。溜まってくると嵩張るし、いちいちゴミ出しするのが面倒だということで、インターネットの普及も手伝って定期購入を断る家庭も多いとか。

あるいは、娘十八番茶も出花などという言葉が表すように、人間にも賞味期限があるようで、昔は女性も二十五歳を超えたら行き遅れ、売れ残りなどと酷い陰口をたたかれ、オールドミスなどという有り難くないレッテルを貼られたりしたものです。実際私が付き合ってた当時の彼女も、二十五歳を目前にして私に結婚するだけの甲斐性がないと見限ると、さっさと私のもとから去り、違う男と賞味期限ぎりぎりで結婚したんだとさ、めでたしめでたし。

今の世の中は、コスメ、美容その他もろもろのアンチエイジングの技術の進歩のお陰でしょうか、老化のスピードの大幅な鈍化も手伝って、そういった古い因習にとらわれた変な賞味期限もほとんど消滅したといっても過言ではございません。実際、わたくしが新入社員だったころ、30オーバーの所謂オールドミスなんぞと呼ばれている先輩女子社員の見かけは明らかにオバちゃん、なるほど賞味期限切れ。しかし今はどうでしょう。三十四十なんてまだまだ充分お姉ちゃんの範囲じゃないですか?こちらが耄碌した事を差し引いても。

Southern Cross(サザンクロス)  ピンクサファイア ダイヤリング

さて、賞味期限と言えばなんと言ってもファッションの移り変わりが世のご婦人の一番の気がかりとなるところ。昔からスカートの丈が伸びたり縮んだり。肩幅が広がったり狭まったり。流行に乗り遅れる事ほど恐ろしいことはないというくらいに女性に取ってのファッション、流行の移り変わりは一大事。

実際一流ブランドのお洋服なんかはもう春夏あるいは秋冬の半期ごとで打ち切り。去年これようけ売れたさかい、もう一遍同じのん売ってこましたろかい、なんてはしたないマネは致しません。どんどん新機軸を打ち出していかないことには、生き馬の目を抜くといわれるほどに厳しい競争のファッション業界では生き残れません。

さてその点、同じ女性が身に着けるものであるにもかかわらず、ジュエリーなんてものの流行の寿命はデザインにもよりますが、全般的に随分と息が長うございます。

例えば当店一押しのティファニーバイザヤードペンダントなんて一体どれほど以前から同じデザインで押し通していることやら。最早永遠の定番と言って過言ではないくらい。

Southern Cross(サザンクロス)  ピンクサファイア ダイヤリング

さてご覧いただいておりますのは、サザンクロスという国内のジュエリーブランドのピンクサファイアのリングでございます。

このサザンクロスというジュエリーブランドですが、実はわたくしがまだ宝石屋に勤務いたしております頃と申しますから、今からざっと三十年も昔にもなりますが、日本発の高級ジュエリーブランドという触れ込みで、有名百貨店や一流宝石店の展示会や外商持ち回り販売なんかで、結構売り上げを伸ばしていた会社なのでございます。かく申すわたくしも、当時サザンクロスのやり手女性ジュエリーコーディネイターと一緒に得意先同行販売を敢行。あえなく討ち死にした苦い記憶がございます。さてその頃からこちらのブランド、ご覧いただいておりますような色石の逸品を得意として、目の玉の飛び出る様な価格を付けて販売しておりました。

Southern Cross(サザンクロス)  ピンクサファイア ダイヤリング

ご覧いただいておりますピンクサファイアの指輪でございますが、これなんかもその当時の持ち回り外商パックに入っていたとしても全くおかしくない、鮮やかなピンクが眩しい逸品、一級品の風情ながら、現代におきましても十分に通じる半永久的なデザイン。考えたらそうですよね、こんな指輪何百万も出して購入して、シーズンが変わったらハイ時代遅れでOUTですなんてなったら困りますよね。という事でジュエリーの寿命は我が読売巨人軍同様、永久に不滅です!

古着なんてのはいくらブランドでも古くなれば時代遅れ、鮮度が落ちますが、その点宝石は鶴は千年亀は万年に匹敵するくらいの長寿でございますゆえ、これを中古で上手く買わない手はございません。是非ふるってのご購入の程お待ちしております。

夏の時を止めるバイザヤードペンダント

ティファニー バイザヤード ネックレス

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

ティファニーの一粒ダイヤネックレス「バイザヤード」。デザイナー「エルサ・ペレッティ」の魅惑的なジュエリーは、官能的で立体的なデザインが特徴です。頑張っている自分へのご褒美や、大切な方へのプレゼントに最適な逸品です。

今や日本のロッケンロールミュージックを代表するアーティストにして大御所。内田裕也氏亡き後、名実ともにロック界のビッグボスに成り上がった、ご存知エイチャンこと永六輔、とボケといてからの矢沢永吉。

実はわたくし、彼がまだかの伝説のグループキャロルのメンバーのころ、その生のステージを観た事があるのでございます。

あれはわたくしがまだ学生の頃。大阪は天王寺動物園横にあった天王寺野外音楽堂という野外ステージで、なんというタイトルか忘れましたが、いろんなミュージシャンが順々に出演するといった一種ロックフェスみたいなコンサートに、わざわざチケットを購入して行ったのか、あるいは誰かに券をもらったのか、はたまた歩いていたらダフ屋に余ったチケットを格安で押し付けられたか、どういう理由で行ったかはもう記憶のかなたで定かでございませんが、友人の辻村君と行ったのは間違いございません。いや、山野君やったっけ?

さて出演アーティストは全部で5、6組だったでしょうか。これが今から考えれば信じられないような豪華メンバーだったのです。なにせそのコンサートのトップバッターがユーミンこと松任谷由実、になる前の荒井由実。さらにはまだ鈴木康博とドュオを組み、オフコースとして活動していた小田和正。そして先ほど申しました矢沢永吉率いるキャロル。どうです凄いメンツでござんしょ?

今このメンバーを一緒の舞台に上げるなんてことになったら、いったいどれだけのギャラが発生するやわかりません。まあその前にいろんな大人の事情が立ちはだかり、実現など到底不可能でしょうが。

このコンサートの印象として今も記憶に残っているのは、まだ二十代前半だったユーミンのホットパンツからにょっきり出た綺麗なおみ足と、キャロルファンのガラの悪さ。もうキャロルが出る前のアーティストなんか大変。「引っ込め―!」「早よ止めー!」の罵声の嵐。小田君もさぞややりにくかったやろねー。

実はこのキャロルですが、活動期間はほんの二年程度。あっという間に解散してしまったのですが、他のメンバーを尻目にエイチャンだけはその後も快進撃を続け、一人ビッグになったのはご承知の通り。

ティファニー バイザヤード ネックレス

さてビッグなエイチャン、ヒットナンバー数あれど、なんと言っても最大のヒット曲はミリオンセラーを記録した「時間よ止まれ」。

この曲は当初、資生堂のテレビ等で流れるキャンペーンソングとして、山川啓介という人が詞を書き、これに矢沢氏が曲を付け歌唱するという、本来のエイチャンの曲作りからはやや逸脱する形でプロジェクトが進行したらしいのでございますが、これが怪我の功名、功を奏したのでございましょう。

さすが餅は餅屋。プロの作詞家ならではの情緒あふれる言葉の連なりが、矢沢氏にしては珍しいメローな曲調にマッチし、日本ロック史上に燦然と輝く名曲となったわけでございます。

ティファニー バイザヤード ネックレス

その歌詞の内容はというと、最初からいきなり「罪なやつさ嗚呼パシフィック碧く燃える海」と何やら難解な文句で始まります。パシフィックって何なん?海言うてはるからパシフィックオーシャン、つまり太平洋の事?と、その後に「夏の日の恋なんて幻と笑いながらこのヒトに賭ける」と続く。なるほど、夏の海辺の恋の歌やね、とやっと謎が解けてコーラス一番終了。

さあ、コーラスニ番で作詞の山川先生ギアをグッと上げてきよる。

「汗をかいたグラスの冷えたジンより光る肌の香りが俺を酔わせる」

これどうよ!なかなか素人には捻り出せん名文よ!汗をかいたグラス、すなわち水滴をまとったキンキンに冷えたグラスの感じが視覚として伝わりますねー。キリっと冷えたジンや!ジントニックかジンリッキかギムレットかなんや知らんけど、切ったライムが添えられて美味いやつやん。缶ビールやのうて、こんなんを海辺で飲んどるコイツはなかなかの洒落者、伊達男。

せやけどや、この男には最早このジンの味を楽しむ心の余裕なんぞあらへん。なんでか?それよか光る肌の香りが俺を酔わせると白状しとる。光る肌というからには水着姿の女性を想像させといて、その水着からこぼれる、小麦色の日に焼けた肌から立ち上るコパトーンなんぞの香りに悩殺されとるわけやねコイツは。それが証拠のダメ押しが次に来る。

ティファニー バイザヤード ネックレス

「まぼろしでかまわない、時間よ止まれ、命のめまいのなかで」

どう?幻でかまわないって、もう耳なし芳一の心境やね。目眩までしてくらくらしとる。大阪弁でいうところのイカレコレ言うやっちゃね、そうとうの重症や。

ティファニー バイザヤード ネックレス

さて、という事でこれからいよいよ夏本番、熱い恋の季節の到来。このようなシーンが海やプールで老いも若きも、男女の間てバンバン展開されることでしょう。よろしおますな!

ならば、そこで女性の方に強力な助っ人のご紹介!

光る肌の香りだけじゃどうも心もとないという気弱なあなたにお奨めいたしますのが、こちら当店一押しのティファニーバイザヤードペンダントなのでございます。

ティファニー バイザヤード ネックレス

これをば光る肌の首元、鎖骨の窪みで輝かさせば、もう鬼に金棒おやつにチョコ棒。水着に着けてこれほどサマになるジュエリーは他にございますまい。小麦色の光る肌にこれほど映えるジュエリーをわたくしは他に知りません。

こちらティファニーバイザヤードペンダントの小粒ながらキラリ輝く最上級のダイアモンドの輝きで、狙った獲物の時間を見事止めることが出来ましたら御慰み!さあ、いざ勝負!

由緒正しいプリンセスをおつけあそばせ

レクタンギュラー ダイヤリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

レクタンギュラーって長方形なんだけど、これは限りなく正方形に近いよね。 いわゆるプリンセスカットって呼ばれる角ダイヤなんだけど、底の部分が細かいブリリアントカットになってるんで良く輝くんですよ。

丸い卵も切りよで四角。物も言いよで角が立つ。などと言いますな。

古い落語で「子ほめ」という演目がございまして、このお噺は、このモノの言い様、今風に言うならプレゼンテーションのノウハウを落語で面白おかしく、わたくしのような世の中の道理に疎い者にも分かりやすく諭してくれる、なかなか為になるお噺なのでございます。

落語の中身はというと、例によって長屋のご隠居のところに、あまり頭脳明晰やない主人公の男が、無料で飲める酒、つまりただの酒があると聞いてやってまいります。これは実のところただの酒やなくて、灘の酒の聞き間違い。聞き間違いでも何でもと、尚の事酒をねだるこの男に、ご隠居が滾々と諭します。せっかく来たんやさかい飲まさんこともないが、飲ましてほしいと思うんやったら、お世辞、大阪ではべんちゃらと言いますんやけど、お上手のひとつも言うて、相手をおだてる事をせんことには飲ます方とて馳走のし甲斐がない。またそういうことを普段から心がけておくと、思わぬ褒美が転がり込むものやと。

その後、二人の間でこのお世辞、べんちゃらの使い方について、教える方と教わる方のお馴染みのボケと突っ込みが繰り返された後、さあ、では実践で腕試しとこの男折角の灘の酒をおっちょこちょいやさかい、ごちそうにもならず、勇んでご隠居の家を飛び出します。それから後、彼は方々で的外れなべんちゃらを使い、かえって相手の不興を買うといった失敗を繰り返すというお噺。

まあ、人の世で生きていくという限りは、常に他人の顔色を窺い、お世事の一つも言いながら人間関係を円滑に保つというのは非常に重要な事でありまして、これをしくじると何かと不便が生じるわけなのでございます。

特に商売、商取引におきましてはこうしたお世辞、べんちゃら、ヨイショなどと呼ばれる技は必要不可欠。

レクタンギュラー ダイヤリング

例えば、商談には値切りというものがつき物。買う側は少しでも安く買いたい。売る側は少しでも利益の減るのは嫌。双方のせめぎあいとなります。

こういう場合でも、値切られた商人の方が木を鼻でくくったような、つっけんどんな物言いで、「お値引きは一切いたしません」などとぶっきらぼうに答えれば、それで商談終了ともなりかねません。折角の儲けのチャンスを自らの手で潰しているようなもの。

ならばどうするかというと、そこは臨機応変、当意即妙。相手の真意を推し量りながら、しかも相手の機嫌を損ねぬように対応するしかないのです。

しかし実際には値段交渉の段階にたどり着くまでに、笑顔でヨイショ、べんちゃらの一つも二つもかまし、尚且つ信頼できる相手であるという事を印象付ける工夫としての知ったかぶり、商品知識の二つ三つをひけらかし、その合間合間に世間話をちょこっと混ぜながら、浮世を憂い、政治を嘆きながら相互の親近感を高めて行きます。このように事前に即席の親密感を作ってこそ、はじめて相手の値段交渉の矛先も鈍ろうかというもの。

レクタンギュラー ダイヤリング

そしていざ値段交渉の段になるとニコっと笑ろて、「いや、少しでもお値引きさせていただいて、気持ちよう買うていただければ、また次にもつながるご縁を頂けるかと、こちらかてそこは商売、長い目ぇで考えさせていただいてまんのでございますが~、いかんせんこちらの商品に限っては・・・」と、こないいかなあかん。

しかしネットショッピングが隆盛の昨今、当社とて今や販売経路は楽天さん一本んで頑張らしてもろてまんねけど、インターネットで顔の見えんお客さんに対する接客はさらに困難を極めます。

まあ普通の販売はクリック一発、接客も何もないわけでございますが、中には商品に対するご質問や、当然値切り交渉などもあるわけなのでございますが、その類のやり取りはほぼ全てメールによってなされるのでございます。

これがなかなか難しい。なんせお互い相手の顔すら見えんねんさかい、ニッコリ可愛い愛想笑いを披露することもできん、ベンチャラの言いようもない。落語「子ほめ」の中のセリフに出てくる「四十五とはお若く見える、どう見ても厄そこそこ」、といくら何でもお姿すら見てないもんは言われへん。

レクタンギュラー ダイヤリング

まあ、今のところはお尋ねいただいた内容に、丁寧に真摯にお応えするよりほか方法が見つかりません。どなたか丸い卵を四角く切るような、ネット販売のメールにての必殺ヨイショ術、教えてくれはれへんもんでっかなー。

というわけで、本日のおすすめは丸いダイアを四角く切ったプリンセスカットダイアモンドの指輪のご紹介。

レクタンギュラー ダイヤリング

さあ、ご覧いただいてます四角いダイアモンド。先ほど丸いダイアを四角く切ったと申しましたが、これは大きな間違い。素人目には確かにそない見えますんやが、ダイアモンドの原石自体は正八面体といってピラミッドを上下に貼り合わせたようなシェープ。

ですから本来、一番皆様になじみの深い丸いダイアこそは、四角いダイアを丸く切ったというのが正しく、このプリンセスカットはむしろ原石の姿を忠実に反映したシェープと言えるのでございます。

その為こちらのプリンセスカットのダイアモンドは他のファンシーシェープ、例えばマーキーズだったりペアシェープが変形した原石を歩留まり良くカットするための工夫として作り出されるのと異なり、元より型の良い正八面体の原石からカットされる場合がほとんどなのでございます。まあ人間で例えるなら、氏素性の良い家柄の子弟がエリートコースの道を歩み、霞が関の官僚になるみたいなもの、ちょっと違うか?

レクタンギュラー ダイヤリング

さて、こちらのプリンセスカットは角ダイアのもう一方の雄、エメラルドカットのソリッドな魅力と、ラウンドブリリアントカット同様の細かいパビリオン部のカットから生まれる眩しい輝き、角ダイア丸ダイア相方の優れた面が楽しめるという事で、20世紀半ばから人気が急上昇致しまして、今もなおその人気に陰りは見えません。

ご覧いただいておりますリングに留まっております中石のプリンセスカットダイアモンドは、重量1.752キャラットの堂々たるボリューム。色味はやや黄色味を帯びるベリーライトイエローながらクラリティ―はVS2とほとんど無傷な良品。その中石を両サイドから各々0.3キャラットのペアシェイプダイアモンドが太刀持ち露払いを務めるという堂々たる横綱土俵入りの風格。ラウンドのダイアはどうもかしこまりすぎるし、かといって集合石のファッションリングでは軽すぎるとお悩みのそこのあなた。これですよ、これこれ!

罪な女のブラウンダイア

ブラウンダイヤ ピアス

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

モディファイドブリオレットカットのブラウンダイヤが1キャラットずつぶら下がった極上のピアス。こりゃ掘り出し物ですばい!!

爺さんの趣味と言いますと伝統的なところでは盆栽に囲碁将棋、競馬競輪パチンコと定年退職リタイア後の暇な時間をどのように過ごすか、ご同輩の皆さん苦心惨憺。

最近では農地を借りて農作業に精を出したり、また、ロードバイクなる高い自転車を買い込み、老体にピチピチのウエアーを着込み、流線型のヘルメット着用と上から下までばっちり決めてサイクリングに励んだり。

さらにもっとお金に余裕のある方になりますと、ハーレーダビッドソンなんかの厳めしいバイクにさらにサイドカーも連結のうえ、革ジャンなどを小粋に羽織り公道を徒党を組んで我が物顔に疾走する老人暴走族。

さらにその上に行くと高級外車のカッコいいツーシーターオープンカー、助手席にモデルのようなオネエチャンをお飾りの如くに乗っけて、頬全体を白髪の髭で覆い、勝新の如き風貌にキメ、スポーティーなサングラスを掛け、葉巻を燻らしながら公道を走破するというツワモノまでおります。(実際見ましてんこんな人!)

まあ、誰もがなりたくてもこんな勝新風にゃなれない訳で、一般庶民はもっとしょぼいところに落ち着いて余暇を楽しまないといけません。そこで最近とみに老人の間で人気の高まりを見せるのが、カラオケ喫茶なのであります。

わたくしなどまだまだケツの青い初級老人、残念ながらそういう老人の憩いの場所、カラオケ喫茶と言う所には未だ足を踏み入れた事はないのであります。聞くところによると、その店内の様子も様々だそうで、まったくの、紅茶の美味しい喫茶店風の造りもあれば、もとナイトラウンジか何かで、ちゃんと正面にステージが設えてあり、七色の照明を受け、まるで歌手になったかのような気分で歌えるお店もあるとか。

こういった場所は何も爺さんだけに限られたものではなく、婆さんもこれに大挙して加わり、日頃鍛えし自慢の喉を互いに競い合う競技の場でもあります。と、いうのはあくまでも表向きの隠れ蓑。実際にはインターネットでの熱い出会に技術的に追いつけない老人に、夢とロマン、人生最後の一花を咲かすべく、令和版パンチDEデート、男女の出会いの場となっているのであります。

と申しましても老人の男女の比率は平均寿命の男女格差もあり、また爺さんどもの趣味の多様化も手伝って、恒常的に女性多数、ジジイ不足。さてそういった競争率の高い、狭き門の状況において、いかにイケてる爺さん、イケジイを他に先んじてゲットするかはカラオケの歌声だけでは不十分。

ブラウンダイヤ ピアス

やはりそのお召し物から身だしなみといった外見、見た目が重要。特に天井からミラーボール輝く、ステージに工夫を凝らした本格的カラオケ喫茶においては、やはりその照明設備に映えるジュエリーに凝らねばいけません。

もちろん、マイクもつ手をゴージャスに飾る指輪が重要なのは当然の事、しかし指輪だけでは片手落ち。(ここシャレでっさかい、笑うとこでっせ、笑えよ)

やはりそのお顔をさらに魅力的に、よりセクシーに見せる工夫が必要。

という事で今回はお店の七色のカクテルライトに映えて、眉間にしわ寄せ、切なく歌うあなた様のお顔、その表情を、嫌がおうにもセクシーに演出せずにはおかないピアスのご紹介でございます。

ブラウンダイヤ ピアス

さてご覧いただいておりますこちらのピアス。それぞれにメレダイアモンドが縦に三つずつ並び、その下にさらにハートの枠に縁取らてたメレダイアモンドがポイントとして配置され、そしてさらにその下にそれぞれが1キャラットもあるブラウンダイアモンドのブリオレットカットがなんとダイアモンドに直接穴を穿って金具が貫通する形でぶらさがっているのでございます。

おっとどっこい、ブラウンダイアと侮ってはいけません。同じブラウン系のスモーキークォーツとは大違い、月とスッポン、腐っても鯛。ダイアモンドの圧倒的な高い屈折率によって、その輝きが違います。このダイアモンドがカクテル光線を反射しキラキラと輝くサマの幻想的なことと言ったら、もう筆舌に尽くせません。

ブラウンダイヤ ピアス

このきらめきが、あなた様の美声と共にお顔から発せられるとき、オーディエンスの爺様全員はもうあなたの虜。もはやディーバと化したあなたをめぐる恋の争奪戦が始まるのでございます。

もちろんカラオケに限定せずとも、シャルウィーダンス、社交ダンスのお供にも最適。こんなの着けてタンゴでも踊ってみなはれ、パートナーの爺さん興奮のあまり、卒中で倒れるかもしれまへんで。罪な女やわ、わたし後妻業。

【ギメル】一寸の虫にも一分四厘二毛のダイアモンド

Gimel(ギメル) 蜂モチーフ ダイヤモンド ブローチ

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

蠅じゃないさ、Bee、蜂だよ。そういや昔、周防町にBeeっていう小洒落たバーがあってね、昔の古い銀行かなんかの建物をそもまま改装しててさー、なんて言うお姉ちゃんとの会話の糸口にお使いいただければ幸いです。

虫コナーズのコマーシャルはホンマおもろい。

製造販売元の金鳥は昔から美人女優、沢口靖子をお雛様にしたり、山瀬まみを河童にしてみたりとふざけたコマーシャルばかり伝統的に作り続けていて、わたくしの中では大変好感度の高い会社なのであります。

この会社、よく調べてみるとやはり本社は大阪に在る関西系企業。関西人のイチビリの血が脈々と流れとるわけやね。

Gimel(ギメル) 蜂モチーフ ダイヤモンド ブローチ

というわけで現在放送されている、これも美人女優長澤まさみさんを起用した虫コナーズのCMシリーズもまことに面白い。なにが面白いかというと、普段美人女優長澤が映画やテレビドラマでは見せる事の無い、クセの強い関西の、しかも下町のネエチャン風を見事なアクの強い関西弁を使って演じ、しかもその内容が、全く意味のわからんシュールな点にあるのでございます。

例えば、近所のお家が虫コナーズ的な物から虫コナーズに切り替えた事を弟らしき人物に伝えた後に、唐突にこの姉ちゃんが発する「勝った」。なにが勝ったや?

関西人のわたくしですが、長澤さんのそのあまりに巧みな関西弁を聞き、彼女は根っからの、ネーティブ関西人だとばかり思ってたところ、この度改めてウィキペディアで調べましたところ、なんと静岡のご出身とのこと。コマーシャルの撮影にあったってわざわざ関西弁を習得したというから素晴らしい。

Gimel(ギメル) 蜂モチーフ ダイヤモンド ブローチ

実際、関東の人が関西弁を身につけるというのは、ずいぶん難しいらしく、以前勤めていた会社でも東京出身の方が幾人かおられたのですが、皆さん文字におこせば関西弁、例えば「やってまんねん」「すんまへん」「まいど」などと日常的に言うのですが、イントネーションは関東弁のまんまですから、それを聴く関西人にすれば実にお尻のあたりがこそばゆく感じるのです。

しかるにこの虫コナーズの長澤さんの関西弁たるやもう完璧!しかも、なにやらねっとりと糸を引くような、如何にも底意地の悪そうな関西のオバハンが乗り移ったがごときのいやらしい関西弁。今まではただの若い綺麗な女優さんとさほど気にも留めていなかったジジイのわたくしですが、このコマーシャルで一気に彼女を見る眼が変わりました。こんな綺麗でイケズなオネエチャンに「ジブンいったい何が言いたいん?要点を言うてもらわんな分からねんこっちは、ホンマ頭悪いな」などとネチネチといたぶられてみたいなと。

Gimel(ギメル) 蜂モチーフ ダイヤモンド ブローチ

と、まあ冗談はさておき、長澤さんの奮闘ぶりに沿うべき虫コナーズの売り上げ実績はいかがなものなのでしょうか。昨今は本当に虫と言うものをあまり見かけなくなり、果たして虫コナーズの需要がそれほどあるようにも思えないのでございます。

現にわたくしの子供時分と言いますからもう半世紀以上昔ですが、夏に向かうこの時期くらいからは、もうハエや蚊がいずこからともなく湧き出てまいりまして、それこそ大日本除虫菊金鳥蚊取り線香やら殺虫剤が欠かせないようになってまいります。

もちろんそれだけではとても防ぎきれず、寝るときは蚊帳、ちゃぶ台の上には虫よけの食卓カバーなるものが配備されておりました。また、買い物などに行きましてもスーパーマーケットとてまだあまり普及していない時代、商店街の魚屋なんぞの店先には必ず天井から蠅取り紙という茶色いひも状のものが何本かぶら下がっておりまして、それにびっしり蠅が付着してるサマは少年の私の目には、なんともおぞましい光景として映ったのでございます。

まあ、虫よけ防虫の備えは、蚊取り線香から電気蚊取りベープマットへと進化し、そして現在はなんと、軒下に吊るすだけで虫を寄せ付けないという便利な虫コナーズへと発展を遂げたのでございます。

しかるに昨今の少子化ならぬ少虫化によって、せっかくの大発明が広く活用されていないのではないかと、金鳥の社員に成り代わり危惧の念を強くいたすわけでございます。まあ、正直金鳥はどないなろうが知ったこっちゃ無いのですが、虫コナーズが販売中止の憂き目にあい、長澤まさみちゃんのあのコマーシャルを見る機会がなくなるのはちょっと寂しい。

Gimel(ギメル) 蜂モチーフ ダイヤモンド ブローチ

と言う事で、環境破壊によって虫の減少、少虫化がこれ以上進まぬことを祈念いたしまして、今回はこちらの虫のピンブローチのご紹介と相成る訳でございます。

おっ、またなんやしみったれた虫やないか?なんやそれ、季節柄あるいはまた、虫コナーズにかけての蚊か?などといった、ものの値打ちの分からぬ輩のヤジが聞こえてきそうでございますが、

控え控え控えおろーっ!こちらの虫をどなたと心得る。畏れ多くも未来のアンティークの呼び声も高い日本を代表するジュエラー、ギメル様の蜂を模ったピンブローチに在らせられるぞ。ギメル様の御前でござる一同頭が高い、控えおろー!

へへーっ、一同土下座。

となるくらいに凄い、一寸の虫にも五分の魂以上の値打ちがあるギメルのピンブローチなのでございます。

Gimel(ギメル) 蜂モチーフ ダイヤモンド ブローチ

なにが凄いってあなた、こんな子供だまし、グリコのオマケのバッジの如き品物にギメルお馴染みの最高級品質メレダイアモンドをば惜しげもなく使い、夜光虫もかくやと言わんばかりに光り輝いているところが凄い!

わたくしが若きジュエラーとして活躍いたしバブルの頃と申しますから、ひと昔もふた昔も昔。如何にもやってます、ごついでしょ、高そうでしょ、そうなの私ってお金持ちなの悪いけど、御免あそばせ、オホホホホ、といった大仰なデザインが尊ばれたのでございますが、今時はそんな野暮なモンは流行ません。

近頃では、

「あら、可愛い蜂!Tシャツにワンポイントでオシャレ!」

「あら、そう?つまらないオモチャなんだけど子供からのプレゼントなの。せっかくだから着けなきゃ悪いじゃない」

「ぜんぜんそんな風に見えないわ、やっぱり着け手が良いからよー」

「ヤダー、そんなことないよーぜんぜん」 (勝った・・・)

こういう風にお召しいただければよろしいかと。

女性と指輪 共通のチャームポイント

Cartier(カルティエ) 1895 ソリテールリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

あら、そちらの3連の指輪ってもしかしてカルティエ?、素敵だわー!とこれ着けて世辞を言う優越感、圧巻。

剛力彩芽という女優さんの人気は、さかのぼれば世界を股にかけた極道渡世人にして、作家としても不動の地位を築かれた故安部譲二先生が、そのブログで絶賛されたのをはじめ、お笑い怪獣こと明石家さんま師匠がさまざまなところで好意を表明されたり、その他数多くのおじさんたちからの絶大なる支持を得、そして遂にはZOZO前園社長を篭絡し、行く行くはバズライトイヤーよろしく、宇宙にまで進出する勢い。

今回はこのオヤジどもを虜にして止まない剛力彩芽さんの魅力を徹底解明しながら、宝飾品に話をつなげて行きたいと存じます。

Cartier(カルティエ) 1895 ソリテールリング

最近、その伝説の女優生活初のドキュメンタリー映画が製作公開された、没後三十年近くになるも未だその人気色褪せる事の無い「永遠の妖精」オードリーヘップバーンでございますが、そのコケティッシュな魅力は男性は元より、同性の女性の方からも圧倒的な支持を得ているのでございます。

実はこのオードリーと剛力彩芽さんには、共通するチャームポイントが有るのでございます。

「んなアホな~、いっこも似てへんやないの。言うちゃ悪いけど彩芽ちゃんの目ぇなんかオードリーの半分ぐらいしかあらへんやないの。いや、可愛いいよ彩芽ちゃんかてそれなりに。せやけどオードリーと比べたらアカンは兄ちゃん、ナンボなんでも」

Cartier(カルティエ) 1895 ソリテールリング

というお叱りの声がオードリーオールドファンのオカン各位から多く寄せられそうなのですが、まあちょっと私の言う事も聞いとくれやすおいでやす小田。

どうも一般的に女性、いえ男性をも含め人の美醜を論じる場合、いきおい顔面上のパーツそれぞれの細工や配置具合に意見が集中されがちでございますが、やはり身体全体から見ての、それぞれのパーツのバランスの妙と言うものを観ない事には片手落ちと言うもの。

特に視線が集中する顔面周辺ですが、この部分も顔だけにとらわれるのではなく、実際には頭頂から胸上部、すなわち履歴書や免許に貼る証明写真などに納まる範囲を総合的に解釈し、人物の上部構造として評価しなければいけません。

猪首と言う言葉がございます。これは読んで字のごとく、イノシシのような首と言う事。別にアニメ鬼滅の刃の登場人物とは何の関係も無いのですが、簡単に言うと相撲の力士などによく見かける、肩に直接頭部がめり込んでいるような、首があって無きかのようなアリサマ。このような体形だと、いくらお顔の造りがオードリーであっても、どんな三流映画からもヒロイン役のお声はかかりますまい。

Cartier(カルティエ) 1895 ソリテールリング

では、どの様な首が良いかと言いますと、猪に対しての鹿。あるいはネコ科の動物にたとえるならチータの様にしゅっとした長い首に小さい頭部が乗っている様子がよろしいのです。

小顔が良いと言う事は世間で広く耳にする事ですが、小顔だけでは片手落ち。この小顔をば高く捧げる華奢な首との玄妙なコントラストによって、初めてフェミニンな魅力が発揮されるのでございます。

改めて、ここでオードリー及び彩芽ちゃんの画像を只今お使いのPCあるいはスマホでググってご覧くださいませ。どーです両者ともこの頭部から首、そして肩に流れるラインが実に美しい。そしてお二人とも、あるいはお二人をサポートする美容スタッフがこの事実を熟知している事が、そのヘアスタイルにショートやアップといったその首回りラインを強調するスタイルを多く選択している事でも良くわかります。

Cartier(カルティエ) 1895 ソリテールリング

このラインに潜む女性の魅力を賛美崇拝すること洋の東西を問わず。例えば日本の芸者さんの着付けなどで抜衣紋と呼ばれる、襟を抜き襟足を大きく露出させる方法もこの首回り周辺の女性の魅力を強調し、酔客の劣情を喚起せんが為の工夫。

やれ、オッパイだお尻だなどと騒いでいるうちはまだまだケツの青いひよっこ、青二才。色の道のプロと言う者は、こういったところを注視してこそ一人前。知らんけど。

これと同様、指輪の造作において、ついつい見落とされがちながら、その製品の魅力を大きく左右するポイントがやはりこの指輪における首から肩のラインなのでございます。

Cartier(カルティエ) 1895 ソリテールリング

ご覧いただいておりますのは、カルティエのダイアモンドソリテールリングでございます。

こちら、ダイアモンドを四本の爪で留めただけの、一見デザインらしいデザインの無きが如き指輪でございます。しかしながら、このシンプルな造りの中に、「王の宝石商、宝石商の王」と呼ばれるに相応しいカルティエらしき気品と魅力を存分に発散する仕掛けが組み込まれているのでございます。そう、それこそがこの指輪における頭部から肩にかけての絶妙なラインなのでございます。

Cartier(カルティエ) 1895 ソリテールリング

指輪真上の写真からでは全く分かりませんが、指輪の輪が正面に来るように見た、横方向からの画像でご覧いただきますと、ダイアモンドを頭部として、そこから流れるような曲線でリング部分へと連なるネックからショルダーの部分のラインと、爪からまっすぐ下に伸びる、人で例えるなら、おとがいから鎖骨のくぼみに繋がるラインのバランスが実に美しいのでございます。

指輪をお着けあそばして、真上から見る画像は自己満足の為。逆に第三者から見てグラマラスに見せる工夫は、斜め横あたりから注がれる他人の視線を意識して作られるもの。この点において、さすがカルティエよくわきまえてらっしゃる。まさに羨望の眼差しを送る傍観者に、銀幕スターの首筋を髣髴とさせるような拵えをまざまざと見せつける心憎い細工なのでございます。

Cartier(カルティエ) 1895 ソリテールリング

などと、ご覧いただけれ一目瞭然な事実をば売らんが為、必死のパッチこいて無い頭を巡らせて書いております途中で、なんと楽天市場で古くからのお得意様がわたくしの苦心をあざ笑うが如くに、スコーンと痛快にもこちらの指輪をお買い上げいただきました。釈迦に説法、説明ご無用、さすが分かってらっしゃる!誠にありがとうございます!

まあせっかく書いたブログなのでアップ致しますが、コイツはいい!オイラにも一個おくれと言われても、お生憎様。残念ながら売り切れ御免。

図らずも、ご購入いただいたお客様おひと方だけの為のブログと相成ってしまいましたが、後追い接客と言う事でどうかお許しのほどを。

白金台のご婦人には白金がお似合い

ティファニー バイザヤード ネックレス

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

ティファニーの定番人気のネックレス「バイザヤード」。 一粒ダイヤのシンプルなこのネックレスは普段使いや仕事用としてデイタイムからナイトタイムまで幅広くお使い頂けます。 爪留めではなくフクリン留めで柔らかい印象がグッド!

わたくし生まれも育ちも大阪なんですが、実は父親を早くに亡くして、哀れ貧しい母子家庭育ち。母親が昼間家族の生活を支える為働いている間は、母親の母親、つまりおばあちゃんに面倒を見てもらっていたのでございます。

昔から、「おばあちゃん子は三文安い」とか言われるそうで、祖父母に育てられると甘やかされて育てられるので、ロクなモンには育たないというらしいのです。

ウチの婆さんは結構厳しく、そんなに甘やかされたとも思いませんが、結果はやはりロクなモンにはならなかったから、矢張りことわざ的中かもわかりませんな。

さて、この婆さん、実は東京は小石川育ちの生粋の江戸っ子だったので、長らく大阪に住んでいるにも関わらず、粋でいなせな江戸弁は死ぬまで治らず、そのため家庭での躾、小言は全て江戸弁。その結果、子供時分のわたくしは完ぺきな関西弁関東弁のバイリンガルだったのでございます。

その為、学校なんかでうかつにも何かの拍子で東京弁あるいは関東風発音が出たりした時なんかは、級友の河内の悪ガキどもに「こいつキモー!」などと言われ、随分からかわれたり、いじめられたりしたものでございます。

あるいはまた、関東関西での物の呼び名の違いや食べ物の味付けの違いにも随分戸惑ったものでございます。ウチでおみおつけと呼ばれてるものが外では味噌汁、おこうこが沢庵と呼ばれる。今では関西でもポピュラーになりましたが納豆なんかも他所のウチじゃ誰も食べない。お弁当に入っているおかずの交換なんかしたら、甘いはずの卵焼きが友人のはしょっぱい。そのしょっぱい卵焼きはだし巻きと呼ぶらしい。

そしてなんといっても、粉モン文化の関西に住んでいて、家庭でお好み焼きやたこ焼きを食べた事が無いという、まったくのエトランゼ的生活ぶり。ですからわたくし実は関西人の皮を被った江戸っ子なのでございます、知らんけど。

知らんけどなんて言わねーよ、江戸っ子は!

ティファニー バイザヤード ネックレス

さて、ところ変われば品変わるで、関西関東の違いでもこんなにあるわけなんですが、その時代時代によっても物の呼び方が変わったりいたします。

時代の変遷によって廃れ消え行く言葉がある一方、新たに生まれるモノや事柄にあわせて新しい言葉も生まれてまいります。

わたくしの様に年寄りになってまいりますと、経験としてその時々にその変遷に沿って変化に対処してまいりましたので、今更改めて振り返ってみますと、いとおかし。なにが可笑しんか知らんけど。

例えば昔は甲斐性のあるひとかどの旦那衆ともなりますと、二号さんなどと言って、愛人を別宅に住まわせて生活全般の面倒を見るなどと言う、つまりは嫁はんを二人持つなどといった離れ業を行ったようでございます。わたくしのような恐妻家にとっては、なぜ故そのような艱難辛苦の道を敢えてとるのか全く謎な訳であるのですが、それを遥か上回るとてつもない良いことがあるのかもわかりません。子供のボクには全くわかんないけど。

ティファニー バイザヤード ネックレス

さて、この二号さんですが、関西ではこれを昔は「こなから」などと呼んでいたそうでございます。

今でも、ちょっとこだわった飲み屋なんぞに参りますと、日本酒を桝に入れて出すところがございます。檜の香りがほのかに漂い、まことに結構な趣向でございますが、この桝と言うものも、その容量によっていろいろな大きさがございます。だいたいお酒がなみなみと注がれますのは一合桝。この表面張力で今にもこぼれんばかりの酒をば口から迎えに行くのがホンモンの酒飲み。「口からいけ口から迎えにいくんや、こぼしたら勿体ないやろ!」言うて酒飲みの上司によう叱られたもんです。

さて、この一合桝の半分が五号桝。そしてまたその半分二合五勺の容量の桝が関西では昔「こなから」と呼ばれたそうでございます。二合五勺すなわち二合半つまり二号はん。洒落た隠語やね。人間国宝故米朝師匠の受け売りだんねけどね。

ティファニー バイザヤード ネックレス

さて、ジュエリーの方におきましても時代の移り変わりとともに呼び名が変化したものがございます。

私のまだ若い時分には皆様のお好きなダイアモンドが金剛石と呼ばれた、なんて事はないのですが、そのダイアが留まっている指輪の枠の地金はよく白金(はっきん)と呼ばれていました。

白金などと言いますと、今ではホワイトゴールドと勘違いされる方が多いのじゃないかと思いますが、これはもちろんプラチナの事。

今でこそ金価格高騰で値打ちが逆転しちゃいましたが、昔はプラチナの方が価格も断然高く、貴金属の頂点に君臨するキングオブプレシャスメタル。

「あかんあかん、やっぱり白金やないと値打ちあらへんわ。金みたいなもんにダイア留めてどなすんねんな?センス無いわ、あんたアホちゃう!」

と間違って婚約指輪を金枠で誂えようものなら、間違いなく婚約者にこんな具合に罵倒されたものでございます。

ティファニー バイザヤード ネックレス

しかしこれも何の根拠も無い誤解偏見。実際西欧ではジュエリーに用いる貴金属は基本ゴールド。プラチナなんて滅多使わない。どうしても白い地金を使いたいときはホワイトゴールドと言って、金に白っぽい金属を混ぜて拵える合金を使うものと相場は決まってる。

ただし、これがアメリカになりますとまた話は違ってまいります。

こちらにお示しいたしました当社一押しのティファニーバイザヤードペンダントでございますが、こちらのシリーズでは白い地金は、シルバーかプラチナの二つに限られているのでございます。もちろん他のティファニーの製品には18金ホワイトゴールドで作られたものも数多くあるのでございますが、このバイザヤードペンダントのシリーズには存在しないのです。

ティファニー バイザヤード ネックレス

なぜでしょうか?もちろんティファニー部外者のわたくしには全くあずかり知らぬことながら、これはきっとこのバイザヤードペンダントをデザイン致しました、エルサペレッティ女史の強いこだわりがあるのでございましょう。

まさか、「あかんあかんやっぱり白金やないと値打ちあらへんがな」と河内弁で檄を飛ばした訳ではございませんでしょうが、ホワイトゴールドには及ばぬ、気品と重厚感。それに変色の恐れの無い点などにこだわったのかも?

近頃じゃ当店でも、バイザヤードシリーズ全般においても、ゴールド人気が優勢ですが、プラチナはプラチナでティファニーが誇る高品質なダイアモンドの透明感と非常に相性がよく、何とも言えない奥ゆかしいノーブルな雰囲気をそこはかとなく醸し出しております。あなた様の様な上品なお顔立ちのご婦人には実によく映えること請け合いなんでございますがねー。

旅立つ娘に持たせたい至高のペンダント

Char(チャー) ハート パヴェ ダイヤモンド ネックレス

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

いいかい、不意に唇を奪いに来るような破廉恥漢には閃光で目潰しをくれておやり、このペンダントでもって!

いよいよ明日に迫った魔女修行への旅立ちの日。その夜、修行の旅に期待と不安に胸躍らせる娘ギギを部屋に呼んで、魔女のお母さんがお守りとして渡したのがこちらのペンダント。

Char(チャー) ハート パヴェ ダイヤモンド ネックレス

お母さんは娘の長い髪をかき上げ、ネックレスをその首に掛けながら言うのでした。

「ギギや、このペンダントを肌身離さず着けていておくれ。これはお母さんにとってかけがえのない大切なお前の身を守ってくれる、とても強力なお守りなんだよ」

「はい、お母様わかりました。でもどうやってこんな小さくて可愛いペンダントが私を守ってくれるの?」

「このペンダントはね、お前の様な若い娘にピッタリの、可愛いハートシェイプのデザインなんだけど、ここに留まってるダイアモンドはただのダイアモンドじゃないのさ」

「ただのダイアじゃないって?」

「そうさ、このゴールドのハートペンダントを埋めつくすようにセットされている大小合わせて23個のメレダイアモンドは、全てがすべて無色透明無傷の純真無垢、至高のダイアモンドなのさ。いや、そればかりじゃない。そんなとびきりのダイアモンドのみが発揮できる凄い魔力を、お母さんが昨日一晩、夜を徹して吹き込んであるのさ。だからお前の身に、万が一にでも邪悪な下心をもって、危害を及ぼそうと迫る不届者が現れれば、たちどころにこのダイアモンドが発する強烈な閃光にその者の両の目は焼かれ、盲いてしまうんだ」

Char(チャー) ハート パヴェ ダイヤモンド ネックレス

「まあ、怖いわ。そんなの着けていて大丈夫なの?」

「心配しなくても大丈夫、普段は何も悪さはしないよ。それどころか、どうだい鏡をごらんよ、明日から旅に着ていくその魔女修行の黒いワンピースにピッタリじゃないか?黒にゴールドの鎖と、ピカピカ煌めくダイアモンドが映えて、我が娘ながら惚れ惚れするねー!」

「わっ!ホントだ、可愛!ありがとうお母さん!」

Char(チャー) ハート パヴェ ダイヤモンド ネックレス

さて、翌朝はギギの旅立ちの門出を祝福するように、雲一つない青空が空一面に広がっております。

愛用の箒にまたがり、ペットの白ヘビを首に巻き付け、お気に入りのムーミンの唄をスマホで聞きながら、ギギは大空に向かって飛び立ちます。

さあ、いよいよギギの魔女修行の旅の始まりです。

Char(チャー) ハート パヴェ ダイヤモンド ネックレス

ギギが修行の場と定め、落ち着いた先は、小高い丘から小さな港を望む風光明媚な田舎町。彼女はそこで愛用の箒にまたがり、ウーバーイーツの仕事を始めました。

可愛らしい女の子が、しかもバイクじゃなく箒に乗って、空飛ぶフードデリバリーと言う事で、たちどころにギギは街中の人気者となったのでございます。

特にギギと同年代の男の子の間では、テレビなんかで見かける人気アイドルを遥かに凌ぐ人気。誰がこの可愛い魔女を射止めるか、もう若い雄猿どもは戦々恐々とお互いをけん制し合い、ギギの知らぬところでは、密かに彼女を巡っての果たし合いが幾度となく繰り広げられたりしておりました。

Char(チャー) ハート パヴェ ダイヤモンド ネックレス

さてそんなある日の午後、ギギがいつものように箒にのってピザの配達中の事でございます。無賃乗車がばれて逃げ出そうとした拍子に足を踏み外し、乗ってた飛行船から転落した街のチンピラ、通称ハエと呼ばれるゴロツキ小僧を偶然、その落下途中に箒の急旋回急降下の巧みな操縦技術を駆使し、無事その一命を救うという、とっさの救助活動を行ったのでございます。

この出来事でギギは地元の新聞にも取り上げられたりと、一躍街の英雄扱い。

しかし、皮肉なことにこれがケチのつき始め。このハエと呼ばれるタチの悪いチンピラ、命を救ってくれた事でもう二人は結ばれるさだめと勝手に思い込み、ストーカーとなってギギの周りを始終付け回し、執拗に食事に誘ったり、ドライブに誘ったりと、本当に名前の通り銀蠅の如くしつこく付きまとうようになったのでございます。

もちろん生来真面目正直者のギギはこのようなヤサグレ半グレ野郎は命こそ救ったもののハナから相手には致しません。

そのような態度を、与太者特融のひねくれた思考回路を持つハエは、嫌よ嫌よも好きのうち、生娘の恥じらいだと自分の都合の良いように解釈した挙句、こうなりゃ実力行使しかないと思い立ち、悪だくみを実行に移したのでございます。

Char(チャー) ハート パヴェ ダイヤモンド ネックレス

ハエがいつものようにギギを密かに付け回しておりますと、ウーバーの配達で一軒のお家の玄関から屋内に消えたギギを目にします。ギギの箒は当然玄関のドアの横に立てかけてあります。目ざとくこれを見つけたハエは小走りにこの家へ近寄ると素早くこの箒を奪い取ってしまいました。

注文のオーダーを無事届け終えたギギが外に出てみると、立てかけていた箒がありません。焦って周りを見回す彼女の目に映ったのは、口元に薄笑いを浮かべたハエの姿。

「姉ちゃん、なんぞ探し物でっか?」からかうような口調で尋ねるハエ。

「その手に持っている箒は私のです。返して下さい!」

「うそやん?これ俺のんやで。君のん言う証拠あんの?どっかに名前書いたある?どこにも見当たらんんねけどなー」

「見たらわかります。ずっと使ってるんですもの」

「そんなんアカンは。証拠にならへん。これは俺がさっき拾ったんや。そやから俺のもんや、ちゃうか?」

「どうしてそんな意地悪言うんですか?それは私にとってとても大切なものなんです!」

「まあ、そない言うんやったら、命の恩人やさかい、くれてやらん事もないけどな。ただしこっちにも条件があるんや」

と言うなりハエは実に下卑た笑みをその脂ぎった顔に浮かべるのでありました。

「条件てなに!?」キッとして相手を睨み返しながら問いただすギギ。

「いや、そない大層なことやあらへんねん。ちょっと俺と一緒に誰もおらん二人だけになれるとこ行ってくれたらそれでエエねん、な、ええやろ?ほたらこの小汚い箒はくれてやるさかいに」

「嫌です!誰が行くもんですか。さあ、早く返して!」

「わからんアマやで、おとなし言うてわからんちゅーんやったら、ちゃんと分かるようにしたろか?」

言うが早いか、ギギに襲いかかったハエ。その手が彼女に触れんとした刹那。

「キャーッ!」

閃光が迸ったのはギギの悲鳴と同時。音もなく凄まじい光量のビームがそのペンダントから放たれ、ハエの顔面を文字通り穿ったのでございます。

「ギャー!」凄まじい悲鳴とともに一瞬にして視力を失ったハエはもう手探りだけが頼り、顔面から薄っすら煙をたなびかせ、よろめきながら逃走して行ったのでございます。

こうして、ダイアモンドペンダントの憐れ最初の犠牲者となったハエでありますが、犠牲者は残念ながら彼だけに止まりませんでした。その後もギギの初々しい美貌と魅力に引き寄せられる男どもは後を絶たず、多くの者が次から次へとその両目を焼かれ、視力を失ったそうでございます。

Char(チャー) ハート パヴェ ダイヤモンド ネックレス

さて、それから一世紀以上の時が過ぎ、さすが魔女とはいえ、かつての美貌は見る影もなく衰えたギギではございますが、お守りのダイアモンドペンダントのおかげで、未だその純潔は固く守られ清き乙女のまま。

そんな少女のまま老婆となったギギは、今ではウーバーの仕事も辞め、自ら勝手に自走するという大変珍しい「動く城」という建物の中で掃除婦として働きながらも、いまだ懸命に魔女の修行を続けているのだとさ。めでたしめでたし。

と、老宝石店員をして、このペンダントの輝きの一瞥だけで上記の如く戯けた妄想をば惹起せしむるほどに見事な逸品。

ただし、直視いたしましても視力障害を引き起こす心配はございませんのでご安心を。

日本が世界に誇るCHAR、宝石とギタリスト

Char(チャー) ハート パヴェ ダイヤモンド リング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

ハートを隈なく埋め尽くすギラギラで指輪の輪郭がぼやけて見えないほど!

尼の悪ガキがそのまま成長して、おっさんになったようなダウンタウンの浜ちゃんこと浜田雅功さんの巧みなMCで人気のテレビ番組、「プレバト」をご存知でしょうか?

TBS系で毎週木曜日の夜7時というゴールデンタイムに放送されている人気番組なのでございますが、番組の内容は、様々なテレビの人気タレントが色んな分野で自分の専門以外の才能を競い合うといった趣向の構成。

一番人気の夏井先生の俳句講座やら、そのほか色んな種類の絵画や活花、料理なんかの分野で芸能人がその腕を競い合い、その道の専門家がこれを<才能あり><凡人><才能なし>のランクに分けて採点していくと言うもの。

中でも番組の花は、俳句の夏井先生の的を得た辛口評価のコメント。それと大衆演芸の第一人者にして、ただのおじさんが妖艶な美女に変身するという妙技の持ち主、梅沢富雄さんと、恐れを知らぬ日本一の突っ込み、浜ちゃんの見事なカラミ。

俳句のコーナーで最高位の名人にまで上り詰めた梅沢氏が、敢えてその名人を鼻にかけて尊大な態度や有頂天な様子を見せたところに、すかさず浜ちゃんの強烈な突っ込みが入るという、東西の芸達者のボケ突っ込みの妙味が味わえる、単なるランク付け番組に終わらない、なかなかのエンターテインメント。

Char(チャー) ハート パヴェ ダイヤモンド リング

さて、まあ、番組内容は上記のように面白く、高視聴率を稼ぐ人気番組なのでございますが、わたくしといたしましては一つ不満がございます。

その不満と言うのは、とりもなおさずわたくし自身の感受性の欠如に起因していると、理由もはっきりしてますので、テレビ局製作スタッフご一同様に文句の言える筋合いのものでもないのでございますが。

感受性の欠如と言う風に申しましたのですが、実際俳句など、どなたがお作りになった作品を拝見いたしましても、どうもピンとこない。添削で夏井先生が手を加えた提出作品の改作後を見て出演者全員が「ほおー!」と感心しているサマを眺めても、何がどう「ほおー!」なのかよくわからない。

あるいはまた、絵画などになると、提出作品を評価した後、その評価を下した先生が、見本として、このように描きなさいみたいな、お手本となる絵をお描きになって、これにも出演者皆感嘆の「ほおー!」の声を上げるのでありますが、まあマシにはなったろうけど、別にそれがどうよ、みたいに一向に心に響かない。

そりゃ、花鳥風月を愛で、風流と言うものを解す心の無いお前が悪いんだ、と言われればそれまでなのですが、実はわたくしテレビ番組で一番の御贔屓がNHK教育で長らく放送されている「日曜美術館」というさまざまな芸術作品を紹介する番組。

この番組で取り上げられる数々の作品、その全てがすべてに心を動かされると言うわけではございませんが、たまにはそれこそ、「ほおー!」と感心、感動することもあるのでございます。

あるいはまた、以前俳句など全く興味が無いのに、何かの拍子に手に取った鬼才と呼ばれた尾崎放哉の句集。季語や何やらまったくわからぬ素人のわたくしではございますが、そうした知識不足を超えて、その俳句の数々に何とも言えない感動を覚え、いつも枕元に文庫本を置いては、これを時々眺めたりしたものでございます。

Char(チャー) ハート パヴェ ダイヤモンド リング

こうしたことからして、わたくし、そうした芸術作品などの美や情緒に訴えかける物事全般に対しての感受性が普通の人よりかなり鈍い、鈍感に出来ているのでは無いかと思うのでございます。

すなわち、辛いスパイシーなエスニック料理や強いお酒を平気で飲んだり食べたりする人の舌や胃袋が、かなりタフと言えば聞こえが良いが、鈍感に出来ているのと同様、よっぽど強烈な印象、鮮烈な感動をもたらすものでない事には何の感動も覚えないのではないかと思うのでございます。

実はこれ、本業の宝石の方面にも当てはまる訳で、宝石屋に入社いたしまして、最初に宝石を扱ってる支店に配属されました時、その支店の規模が小さかったこともあり、低額の買回り品中心の品揃え。そのようなアクセサリーもどきの商品群を初めて目に致しました印象は、「なんや。しょーもないモンばっかりやな。こんなん皆よう買うなー、やる言われても要らんな―」と言う感じ。実際自分が良いとも何とも思わぬものを販売するほど正直者のわたくしにとってつらい事はございません。もう入社早々辞めようと決断したのでございます。

ただ、世の中なかなか思うようにはいかないもので、急務のはずの転職活動も、仕事後の課外活動及び異性交遊活動の忙しさにかまけ、思ううように捗らないうちに、どういうわけだか、わたくし、海外は香港へ転勤という事になったのでございます。

香港と言えばアジア最大の宝石産業の中心地。そこで開かれる香港ジュエリーフェアには世界各国の宝石商が一堂に会すという凄い規模。とても一日や二日ですべてを見て回る事はできません。そしてそこで初めて凄いと唸るような宝石類を目にして、目から鱗鼻から牛乳。宝石店入社10年を越え、初めて真のジュエリーの美と言うものに触れたのでございます。

Char(チャー) ハート パヴェ ダイヤモンド リング

さて、それではなぜ日本にいる時にはそんな感動を覚える品物を目にしなかったかと言うと、わたくしが勤務していたお店の規模と品揃えもさることながら、バブル景気真っただ中と言う事もあって、ジュエリーも質より見かけ重視といった風潮があり、どうせ高い金額を出すのであればそれに釣り合うような大振りで派手なモノが好まれるといった傾向が顕著にございました。ですから例えば最高級のメレダイアを1キャラット使った集合石の品物よりも、そこそこ品質のダイアであっても3キャラットを盛大に盛ってボリューム感のある方が圧倒的に人気を博していたわけでございます。

ただ、近頃ではようやく宝飾品の本分に目覚めた宝飾品メーカーがこの日本にもちらほらと出始め、この宝飾品を見る目に厳しいと言って良いのか、鈍感と呼んだ方が正しいのか分かりませんが、小生をしてその完成度の高さに感動を覚える品々がぼちぼちと登場しだしてまいりました。

Char(チャー) ハート パヴェ ダイヤモンド リング

その代表的なメーカーがこの度ご紹介いたします、こちら知る人ぞ知るCHARのブランドでお馴染みの、広島県に本社を置く株式会社プリンセスさん。

日本を代表するギメルの品物に対するこだわりは、それこそ未来のアンティークなどと呼ばれるほどに海外からの評判も高いのですが、それに劣らぬほどの品質のこだわりを持ってジュエリー制作にあたっておられるのが、こちらプリンセス様の企業としての姿勢。

こちら、一見どこにでもありそうなハートの形のダイアモンドパヴェセットリング。ただし一見して違いのわかるのがこのジュエリーとしての輝き。それもそのはず、このパヴェセットがもう凄まじい。ハートの表面を大小さまざまな大きさの最高品質のダイアモンドがもう文字通り、隙間なく埋めつくしているのでございます。似たような既製品でよくあるのは、量産がきくようにダイアの大きさを全部均一にして留めるやり方。そうすると当然色んな個所に隙間が生じます。

Char(チャー) ハート パヴェ ダイヤモンド リング

ところがこちらは、ハートの形状に合わせて大小さまざまな大きさのダイアモンドがなるだけ隙間が出ないよう、またその隙間を埋めつくすようにセットされているのでございます。もう見た目光の塊、輝く心臓になっているのでございます。

と、いくら言葉を尽くして、写真と合わせてご覧いただきましても限界がございます。

しかし心配はご無用。実際CHARのご愛用者にはそんな事は釈迦に説法。ですからこんなのをお求めになるのは、すでにCHARに魅了されたファンというかフォロワーの方がほとんど。

ですから本来はこんなに回りくどい事書かずとも、次の一文でOKのはず。

お待たせいたしましたCHARファンの皆様、またまた出ましたCHARの掘り出し品。気絶するほど悩ましい!

プロが勧める一押し商品

ティファニー バイザヤード ネックレス

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

ティファニーの一粒ダイヤネックレス「バイザヤード」。 デザイナー「エルサ・ペレッティ」の魅惑的なジュエリーは、官能的で立体的なデザインが特徴です。 頑張っている自分へのご褒美や、大切な方へのプレゼントに最適な逸品です。

弊社ツイッターをフォロー頂いている方々は本当に親切な人が多く、先日も本ブログ上で見つけて下さった内容の誤りを、さもわたくしが故意に冗談で書いたんでしょう、と言う風に気を使って遠回しにご指摘して下さった方がおられ、お陰様で無事訂正をすることが出来たのでございます。この場を借りまして厚く御礼申し上げます。

まあ、無知蒙昧な世間知らずの老人が、朦朧とした記憶を頼りに人差し指入力で記しております本ブログでございますれば、以前より入力ミスや誤字脱字、誤情報には枚挙のいとまがございません。これをば何とか減らすべく、何回も仕上げた原稿の見直しは行っているのでございますが、やはり書いた本人がやれば、同じような思考経路でスルーしかねないと、同僚女子社員に頼んだりもしてたのでございますが、あちらとて他の仕事があればこそ、そうやすやすといつも気安く頼めません。

そこで発見したのが「ナレーター」という、パソコンの自動音声読み取り機能。この機能を使って、自分で書いたテキストをパソコンに読み上げてもらえば、自ずと入力ミスは目で追うより確実に発見できるのです。ただ、この「ナレーター」とて完ぺきではなく、例えば「割腹自殺」をワリハラジサツなどと読み、変なところで笑かしてくれるのはご愛敬。

しかし、いかに「ナレーター」がうまく機能しようが、今回の様なわたくしの無知による誤った情報や誤字は訂正の仕様がございません。皆様、またこれからも、どうせおかしなことを書くに決まってますから、その都度ご指摘いただければ本当に助かりますので宜しくお願い致します。

あるいはまた、別の親切な方からは、わたくしがツイッターに、「こまった、ブログがネタ切れや」と挙げたところ、「プロが考える娘に買ってやりたい宝石、母ちゃんが買いそうになったら全力で止めたい宝石とか、どないですやろ」、とアドバイスを頂戴いたしました。

したがいまして、今回は「笑点」の大喜利よろしく、頂いたお題に沿いましてブログを進めてまいりたいと存じます。

ティファニー バイザヤード ネックレス

さて、「娘に買ってやりたい宝石、母ちゃんが買いそうになったら全力で止めたい宝石」という事でございますが、実はわたくし根が大甘な父親、また恐妻家のダメおやじであり、それに加え、常に人にあわせて生きてきた主体性のない小心者ゆえ、正直申しましてそういった事柄に該当するものが全くないのでございます。娘に買ってやりたいものは、もちろん娘が一番欲しがるものでしょうし、母ちゃんが買うものに異を唱えるなどもってのほか、怖くてできません。

世間ではよく、娘の彼氏に不服、不満をもって、付き合いを断固反対する頑固おやじというものが未だに多くいてるらしいのですが、わたくしは実に不思議でございます。何故に娘の一番のお気に入りのおもちゃを無理やり取り上げようとするのでしょうか?わたくしなど逆に娘たちの彼氏諸君には本当に手前どもの不届きな娘をご愛顧願いありがとうございます、と言った感謝の気持ちしかございません。この場を借りまして、改めて感謝の意を表す次第でございます。

ティファニー バイザヤード ネックレス

また、家内の趣味はあくまで家内の勝手、こっちの価値基準を無理に押し付けることなどとても恐ろしくて出来ようはずがございません。

と言う事で、わたくしの答えといたしましては、「なんでも好きなモン買いや、金に糸目は着けんさかい、遠慮せんと娘たちもお母さんもジャンジャン買いなさい!」と言うもの。

しかしながら、そのような太っ腹な事を言うには、その後ろ盾となる莫大な資産が必要。ところが年中カラッケツのあっしにゃ、実際到底実現不可能な夢のまた夢物語。

そこで、現実問題といたしまして、わたくしの懐具合も熟慮し、再度お題を真面目に検討致しますと、やはりここは当店一押し重点販売商品のティファニー社製、エルサペレッティーデザインのバイザヤードペンダントネックレスを挙げない訳にはまいりますまい。

ティファニー バイザヤード ネックレス

色々好みのうるさい娘や家内でありましても、これほどデザインがシンプリファイされたものには、好みの付け入るスキがございませんし、またどの様な装いにも、そのお召し物のデザインを邪魔することなく嫌味なくお着け頂ける。さらにはお若い娘さんから、ご年配のご婦人まで、年齢の分け隔てなく、万人にお着け頂いて何ら違和感がない。そして商品の品質、完成度の高さは天下のティファニー、間違いはございません。

これほどプレゼントに最適なジュエリーが他にございましょうか。というわけで手前の懐具合も勘案致しまして、わたくしが購入致すとすれば、こちら当店バイザヤードペンダントネックレスとしては品揃えの中では最安値、とは言え、ティファニー直営店にて新品で贖えば121,000円のお値段のところを中古と言うだけで何ら新品と変わらぬ外観ながら、なんと44,000円!44,000円しかも税込みのお買い得価格!その上、当社がご提供いたします無利息10回払いのオリコローンをご利用いただきますと、なんと月々のお支払いが実に4400円!一日あたりに換算すると150円弱!これならわたくし毎日帰宅途上にたしなむワンカップのお酒を我慢すれば買えるかも。そやけど、一本しか買えんさかい親娘三人共同で使こて、な、喧嘩せんようにな、じゃんけんか何かして、お互い譲り合って、な。頼むで。

と言いながらも、本心はこのブログが家族のだれの目にも触れないことを祈っているわけなのでございますが。

ティファニー バイザヤード ネックレス

さて、そういうわけで、最後のお母ちゃんが買いそうになったら全力で止めるというのも、自ずとこちらのティファニバイザヤードペンダントネックレスとなるのでございます。

例えば、先ほどの当店価格44,000円の商品を、ティファニー直営店で嫁はんが定価121,000円で買おうとしてたら、そりゃもう全力で止めるよりほかおまへんわな。

「あかん!止めとき。こんなんウチの店で買おたら1本44,000で買えんねんから。家族みんなの分3本買おたかて132,000円や!あとちょっとお金足したら3本買えんねんで」

「ほんなら中古でかめへんから3本買おてや。みんな良かったなー、お父ちゃん皆に1本づつ買おてくれるて!」

お断り。上記ブログはあくまで中古宝石のお買い得感を読者にご理解いただく例え話として虚構、フィクションとして構築されたもので、後日何らかの責務を筆者が負うものではありません。

インスタントエンライトメントを促す聖なる輝き

Gimel(ギメル) ダイヤモンド リング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

控え控え控えおろー、ギメル様の御前でござる。一同頭が高ーい!おおーっ!へへー!ギメル様!?

世界にもその名を馳せ、行く末はノーベル文学賞受賞かの呼び声も高かった昭和の文豪、三島由紀夫は自衛隊市ヶ谷駐屯地にて衝撃的な割腹自殺を遂げた事でも有名でありますが、その数多くの作品群の中に「複雑な彼」という恋愛長編小説がございます。

このお話は、主人公の女性がたまたま乗り合わせた国際線旅客機のパーサー、つまり男性客室乗務員に一目惚れしてしまうところから物語が展開していくのですが、この一目惚れされた男性には、実はちゃんとしたモデルが存在するのでございます。

そのモデルこそは誰あろう、こちらも三島先生のご同業の小説家、安部譲二氏なのでありますが、この方、なんと作家になる前は、れっきとした暴力団構成員。しかもヤクザの組員でありながら、小説にある通り天下の日本航空でちゃんと旅客機の客室乗務員を勤めていたという、文字道理二足の草鞋を履いていたという驚くべき経歴の持ち主なのでございます。

この人、その経歴をたどるだけで、一編の小説ができるほどの波乱万丈の生涯なのですが、元々は日本郵船に勤めていたお父さんの転勤に伴い幼少期をロンドン、ローマで過ごした、今でいうところの帰国子女にして、良家のお坊ちゃま。麻布小学校、麻布中学、慶應義塾高校と順当にエリート街道を歩んでいる表の顔とは別に、中学当時から、のちに俳優に転身し、自身をモデルとした実録ヤクザ映画で主演を果たしたという、かの安藤昇組長率いる東興業と名乗る愚連隊系暴力団に出入りしていたという、裏街道のエリート街道をも同時にたどる、今風に言うと二刀流の人生を歩んでこられたのでございます。

結局、最終的には裏社会のエリートの道を選ばれ、色んな罪状でついには府中刑務所に落ち着くわけですが、出所後はきっぱりヤクザ稼業の足を洗い、自らの刑務所生活をもとに「塀の中の懲りない面々」というベストセラー小説を著し、一躍人気作家の仲間入りを果たしたのでございます。

Gimel(ギメル) ダイヤモンド リング

その後は、天性のもって生まれた多彩な才能と、任侠の道で培った厳つい風貌の中にキラリ輝くフレンチブルドッグの様な愛嬌、育ちの良さがうかがえる話し口調を発揮なさり、テレビなどでもタレント、コメンテーターとしても大いに活躍なさっておられました。

私も一度、大阪はキタの飲食店て安部氏をお見かけしたことがあるのですが、やはりそのゴツイ身体全体から発するオーラは只者ではございませんでした。

Gimel(ギメル) ダイヤモンド リング

さて、以前は小売店を開業しておりました弊社でございますが、その開業当初と言いますから、もうかれこれ十五年ほども前になりますが、その頃は、そういった任侠渡世のおあにいさん方にも、高級時計などを扱っていた加減でございましょうか、結構御贔屓いただいたものなのでございます。

とは申しましても、下町に位置する当店などがお相手するのは、時代劇などで言うところの三下奴などと呼ばれる、一般人に例えるなら我々同等の庶民クラスの一般構成員及び準構成員。でも実はこういった平社員やパート、アルバイトクラスの業界人ほど態度が威圧的で、いかにも自分はその筋の荒くれ者であると言ったデモンストレーションが凄いのであります。典型的なのがわざわざ携帯で話しながら店に入ってくるデモンストレーション。

「モシモシ、あっ、シャチョウー、まいどまいど。どないですこないだの件。うん、うん、何?証文ないて、んなアホな事あるかいや、舐めた事ぬかすガキやで、ほんでどないしたん?ほー、ほー、何寝ぼけた事ほざいとんねん!舐めたやっちゃでホンマ、ほたらな、ワシの名前だしてかめへんさかい、ガツーンんかましたり、な、かめへんさかい、はい、はい、たのんまーす」

「ごめん、ごめん、急な電話や、ホンマ忙してかなんわ。兄ちゃん、ちょっと時計見せてくれるか?」

初めて来店された方なんかですと、大体こんな感じで必ずわたくしにもガツーンとかまして、入店して来はるのですが、これからご紹介いたします当店にとっての「複雑な彼」は、その業界の人でありながらも、そういったイキルというのか、気負うそぶりが全くなく、実に人当たりの良い好人物だったのでございます。

Gimel(ギメル) ダイヤモンド リング

初めてのご来店は確か、ご自分でされる片耳用のピアスを探されての事だったと記憶してるのですが、ご希望はダイアモンドで綺麗な石の、片耳に飾る物をと言う事。

もちろん、ピアス片方でも買い取りますの宣伝のうたい文句通り、そういった商品を商品化して店出しすることはあるのですが、その時はたまたま在庫切れで片耳用のダイアピアスが無かったのです。

「そしたらかめへんわ、両耳用で。片方は予備に置いとくから。こんなんよう落として失くすやろ」

と、いたって鷹揚、のんびりした態度。

この方、男性でありながら宝石そのものがお好きらしく、それからも何度かこうしたピアスやら指輪をご購入いただいたのですが、そのあまりの素人風な態度にわたくしもすっかり騙され、なんと世間話の流れで、職業をお聞きするといった間抜けな事をしてしまったのでございます。

Gimel(ギメル) ダイヤモンド リング

もちろん、正直にお答えになる訳もなく、その時は適当にはぐらかされたのですが、後日長袖のシャツから僅かにのぞいた、手首にまでおよぶ鮮やかな彫物でようやくその正体を知った鈍感な私は、その時のことを振り返る度に冷や汗をかいたものでございます。

実際、その後ご来店も重なり、お付き合いが深まるにつれ、お仕事のお話も差しさわりのない程度にお聞かせいただくこともあったのですが、これとて全く普通のサラリーマンが自らの仕事内容を別の業種の人に説明して聞かすが如くの、衒いや驕りの無い、いたってフラットな調子。

こちらとて、その時はへぇー、とか、ほうーなどと適当な相槌をうって感心して聞いているのですが、後からよくよく考えてみると、お話の内容自体がすでに脱法行為の解説。あちらの世界ではシノギなどと呼ぶらしいですが、結局はお仕事として、日々たんたんとこなされているところは我々となんら変わりないといった感じでした。

Gimel(ギメル) ダイヤモンド リング

さて、この方そういった稼業ながら指輪のお好みはいたってノーブルで、いかにもそれらしい印台のメンズリングなんか言下に下品と毛嫌いされており、一目惚れされて買って頂いたのが、どちらかと言うと婦人用でも通るラウンドダイア一個のみをセンターにセットして、あとはフラットな平打ちのリングがこのダイアモンドを挟み込むといった非常にプレーンなデザインの指輪。

ただし留まっているダイアモンドは只者ではない。大きさは昔の事とて定かな記憶はございませんが、たしか0.5キャラットくらいだったでしょうか、その石のグレードが、なんとDカラー、VVS1、エクセレントという最高の品質。この石の輝きに吸い寄せられるように飛びつかれ、ご購入の運びとなったのですが、その後も肌身離さずお着け頂き、ご来店の度に洗浄機でのクリーニングをご依頼いただいたものでございます。

Gimel(ギメル) ダイヤモンド リング

この方がこのダイアへの想いとして語って下さった言葉は、その職業とは裏腹な実にスピリチュアルな内容であり、わたくしとて初めて気づかされる事柄だったので、ここに謹んで引用させていただくしだいでございます。

「高速の渋滞なんかで、急いでるのに身動きできん時ってあるやん。さすがの温厚なオレでもさ、イラーってくるんよね。でも、そんな時にこのダイアにふと目を落とすと、このまぶしいきらめきになんか引き込まれていくような感じがして、しばらく見入ってしまうねん。そしたらさっきまでのイライラがスッと消えて、心が不思議と落ち着くんよ。あれって一瞬の悟りの境地にいてるんやろね」

Gimel(ギメル) ダイヤモンド リング

さて、そのような効果が十分に期待できるのがこちらの指輪。ギメルダイアモンドリング。センターストーン0.712キャラット、Dカラー、VS1、トリプルエクセレント、蛍光性無し、タイプⅡa。 これだけ書けば、わかる人にはもう十分。

閃光のようなこのダイアモンドの輝きに視線をロックオンされた途端、あなたの思考は止まり、時間も止まり、その刹那、浮世の憂さがたちどころに雲散霧消、永遠の今に在ることが出来るのです。保証の限りではございませんが(知らんけどの高級バージョン)。

押売りから押買いへ、悪の変遷

Gimel(ギメル) パヴェ ダイアモンド リング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

説明無用天下御免のギメルパヴェリング

「瓜売りが瓜売りにきて瓜売り残し売り売り帰る瓜売りの声」、なんていう早口言葉があるように、昔は瓜だけに限らず、色んな品を物売りが自転車や屋台に積んで、町内を訪れては販売したものでございます。

わたくしの子供のころでも、そういった物売りの姿はまだ結構見かけたもので、一般的なところでは、豆腐屋、竿竹売り、焼き芋に夜泣き蕎麦。蕎麦といっても日本のお蕎麦じゃなくて中華そば、ラーメンなんですけどね。

あと夏場になりますと、風鈴やら、金魚なんてものも売りに来てたような記憶がございます。それに包丁を研いだり、傘の柄のすげ替えなんていう修繕サービスを提供する業者もおりました。変わったところですとポン菓子といって、お米を筒状の圧力鍋で加熱し、びっくりするような破裂音とともに、出来上がったシリアルのようなお菓子が飛び出してくるという仕掛けを、公園などで実演販売する業者もおりました。その何とも大層な仕掛けと破裂音に子供たちは興味を惹かれ三々五々集まってくるというところが商人の狙い。お菓子自体は別段感心するほど旨いものでもなかったようにおもいますが。

さて、ポン菓子は、その名の通りポンと大きくはぜる音でその来訪が知れるのですが、それ以外の物売りにもそれぞれ独特の集客方法がございます。

一番多いのは、独特の売り声で告知する方法。竿竹屋の「さおーーだけーー」やら、傘修理の「かさー、こーもりがざの張替えー」。金魚売りの「きんぎょーえきんぎょ~」。焼き芋やの「やーきーもー、焼き立てのやきーもー、栗より甘い十三里~」、なんてのがポピュラーなところでしょうか。あとは鳴り物、つまり人の声以外の何かしらの音でもって来訪を知らせる方法。

まず思いつくのが豆腐屋のラッパ。音程を二段階変えてパープーと吹くと、なんと不思議に「とーふー」と聞こえるからアメイジング!あとは夜泣き蕎麦、ラーメン屋台のチャルメラという木簡楽器。こちらはご存知「明星チャルメラ」なんて言うインスタントラーメンがあるくらいで、その独特の音色と日本全国統一の決まったフレーズ。このワンフレーズ一発でラーメン屋台のやってきたのが分かる仕組み。

Gimel(ギメル) パヴェ ダイアモンド リング

それぞれの物売りの売り声や音には何やら郷愁、哀愁その他もろもろの感情をかき立てるような趣がございます。夕暮れ時に聴く豆腐屋のラッパの音なんかで、なにやな物寂しい気分になったり、真夏の昼下がりに、遠くから微かに聴こえる金魚売りの間延びした売り声などを耳にすると、扇風機のぬるい風に吹かれながら、気だるい眠気を催し、ついついうたた寝に誘い込まれたり。

あるいはまた、さあ明日はテストだ、今晩は一夜漬けで課題を詰め込まないと、なんて言う時に限って、チャルメラの音が聞こえてきて、俄然食欲が湧いて勉強どころじゃなくなるなんてこともございます。

実際、ほとんどの物売りの方はまじめな商売人で、雨が降ろうと風が吹こうが毎日こつこつと地道に働き、地域住民の生活に大いに寄与していたわけなのですが、その中にあって、僅かではございますが悪質な業者も存在致しておりました。その代表格が押し売り。

押し売りとは、今の様にインターホンや電話の普及していない時代に、主婦が一人だけになっている時間を見計らって玄関先に上がり込み、刑務所から出たばかりといった体を装い、恐喝まがいに粗悪品を無理やり法外な価格で売りつけるといった商売。刑法で言うところの強要罪に抵触する明らかな犯罪。

Gimel(ギメル) パヴェ ダイアモンド リング

ただ、最近はインターフォンはもとより、防犯カメラの普及やセコムなどのホームセキュリティーの拡充によって、そのような犯罪を行う事自体が難しくなってきたのですが、押し売り以外のまっとうな物売りの姿も、流通産業の発展とEコマースの普及ですっかり影を潜め、目にする機会とて非常に少なくなりました。これも一つの失われゆく街の景色ではございますが、昭和世代の小生などは寂しい限りでございます。

そんな中、昨今巷にじわっとはびこり始めたのが「物売り」ではなく「物買い」の業者。

わたくしどもが子供の頃と言うものは、不要になったものを処分するには、落語「らくだ」なんかにも登場する、これも「くずーい、おはらい」などと言いながら町内を回って歩いた「屑屋」と呼ばれる廃品回収業者を利用するくらい。さらには、そこそこ値打ちのありそうな品はそれこそ手前どものような町の目利、質屋に持って行くのがせいぜいなところだったのですが、リサイクル、リユースが活発化してまいりました昨今、あらゆる種類の買い取り業者が跳梁跋扈するようになったのでございます。

Gimel(ギメル) パヴェ ダイアモンド リング

もちろんそういった買取業者さんの多くはまじめ、誠実な態度でお仕事をなさっているのでございましょうが、中には矢張り悪質な輩がおりまして、その代表的なのが、今度は「押し売り」ではなく、真逆の「押し買い」業者なのでございます。

この押し買い業者、いにしえの押し売りのようにムショ帰りをアピールしたり、反社をちらつかせたりすると言った、まかり間違えばそれこそ強要罪に問われかねない手荒い手段は講じません。もっとスマートに、「出張買取お電話一本で参上いたします」などと言うコピーとともにメディアやネットを使い大々的な宣伝をかけたり、テレフォンアポインターなどを使ったり。しかも、本来買い取りたい品物ではない、着物や古着、陶器なんでも買取ますなどといった、いかにも不要なものの買い取り、身辺整理、終活のお手伝いといった、とっつきやすい不用品買取を餌としてちらつかせ、巧妙に玄関先はおろか、立派なお屋敷の居間にまで安々と侵入を果たすわけでございます。

Gimel(ギメル) パヴェ ダイアモンド リング

さてこの本来買い取りたいものとは何かというと、言わずと知れた宝石貴金属類。こうした品物を相手がその値打ちの分からないのをいいことに、さも値打ちのない粗悪品であると悪しざまに貶し、二束三文で無理やり買取り、それを転売することで莫大な利益を得ているわけなのです。

実は、この宝石貴金属の買い取りほど真面目にやれば厄介な作業はございません。実際ジュエリーを買い取るにあたっては、その品物の主役となる宝石の正体が分からない事には当然のことながら、話が前へ進みません。したがいまして買い取り業の古株とも言える質屋の多くの店主は、FGAやらGIAという国際的な宝石鑑別の教育プログラムのカリキュラムを習得し、正規のディプロマを取得して宝石鑑定の真贋を見極める眼を養っており、またその鑑別に必要な様々な機材も十二分に装備してこれに対応しているのでございます。

しかしながら、昨今雨後の筍の様に乱立する所謂ブランド買取店などに関しては、バッグ等のブランドの真贋を判断するには、本部で一括管理するブランド商品データベースに、パソコンからアクセスすれば、昨日今日入社したスタッフでもその品物の真贋をチェックすることは容易。

ところが、宝石の鑑定となると話は別。顕微鏡による拡大検査はもとより。屈折計により屈折率を読み、紫外線ランプによって紫外線反応を観、分光計で分光特徴を見極め、その他もろもろ、必要に応じて種々の非破壊検査を行った後、最後にその石の値打ちをふまないといけません。あくまでも宝石資料一個一個に個別の詳しい実地検査が必要になる訳なのでございますので、これはとても素人が一朝一夕にできる作業ではございません。

ただ、実際こんな事やって、きちんと石の値打ちまで査定しているところは質屋以外ではごく僅か。良心的な買取屋さんになると、正直に石の値打ちは分かりませんから、宝石は外してお返しします、といって地金だけ買い取るところまであるくらいで、実際多くの買い取り屋は石の値打ちは踏まずに地金の目方で買い取るのが普通ですし、ブランドといっても宝飾ブランドまで幅広くカバーしているところはそれほど多くないはず。

例えばこちら、日本が世界に誇るギメルのダイアモンドパヴェリング。極上のメレダイアモンドが最高の石留技術によってこんもり良い感じに盛り上がった、ほれぼれとするシェイプの指輪なのでございます。

Gimel(ギメル) パヴェ ダイアモンド リング

こちら、百貨店外商部が催すホテル催事などでお求めになられますと定価 1,815,000円なのでございますが当店では新品仕上げを施し、新品と何ら外見に違いのない状態ではございますが、中古と言う事で何と1,144,000円の格安価格でご提供いたしているのでございます。

しかしこれが押し買い業者などの悪質業者などの手にかかりますと、地金の目方、約6グラムをグラム単価も格安計算でせいぜいが製品全体で二万円なんて事になる可能性もある訳でございます。

「ブランド?これ国産ですやん。ブランド言うからにはせめてフランス製やないと話にならんわ。奥さんネ、こんな細かいダイヤね、いくら良いもんで綺麗かしれませんが、中古になったら値段になりませんねん。幸い地金がプラチナやからその値段にちょっとおまけして、きりの良いところで二万円ね、良心的な値段や思うけどね、ハイ二万円、もらっとくね」と言いくるめられてしまうのです。

「怖い話やねー、そやけどほんならこんなブランドジュエリーやら、値打ちのある宝石類はいったいどこに処分に持っていったらよろしいの?」

Gimel(ギメル) パヴェ ダイアモンド リング

はい、それはもちろん、そういったものを中古として適正価格で売っている、信用のあるお店にお持ち込頂くのが一番かと、例えば弊社のような。知らんけど、いや、知らんけどやなくて、マジで!

ブランドバッグ。財布はどこでも似たような値段でしょうが、宝石だけは買取のお値段てお店によって全然ちゃいますから!自前で114万4千円で売ってるものを2万で買い取るなんて、いくらなんでもできまへんで。

買わなきゃいけないVIPの悩み

レッドトルマリン ダイヤモンド ブローチ

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

今にもファイナルファンタジーのBGMが聞こえてきそうなファンタスティックなブローチ

大阪は新今宮に、もうすぐ星野リゾートのホテルOMO7がオープンいたします。ホームページを拝見いたしますと、一人一泊¥12,000~とございます。これは高級ホテル星野リゾートとしてはかなり格安なお値段なのでしょうが、それもそのはず、ご当地新今宮は、知る人ぞ知る日本最大のスラム街、あいりん地区に隣接する場所。JR新今宮駅のホームを挟んで星野リゾートの反対側には、このOMO7の最低宿泊代の、さらに十分の一くらいのお値段で泊まれるドヤと呼ばれる簡易ホテル、木賃宿がいくらでもあるのです。

実際、この宿泊代の安さに目を付けた外国人観光客が、コロナ騒動の前までは大挙してそんな格安ホテル目当てに新今宮に押し寄せ、一時期はニューヨーク、香港といった国際都市さながら、人種の坩堝と化したのでございます。そのため新今宮の駅には駅員はもとより、コンビニの店員までバイリンガルなスタッフが配置され、各種案内板も色んな言語で表示されたのでございます。

かく申すわたくしも、通勤にこの駅を乗り継ぎ駅として、毎日乗降しているのでございますが、朝のラッシュ時なんぞ、もう色んな人種が入り混じり大混乱。中国人団体旅行のおばちゃんは大声で叫ぶは、欧米バックパッカーどもは大きな荷物で通路をふさぐは、アラブ人らしきベールを被った人物は、メッカとおぼしき方角に向かいひざまずき、祈りをささげるはで、もう南海電鉄の改札からJRの改札へたどり着くまでが一苦労。

この外国人の大挙しての来訪に呼応し、新今宮駅周辺は俄かにホテル建設ラッシュが訪れ、色んな場所に新しいホテルが次々と建ち始め、そしてついには真打登場、高級一流ホテル星野リゾートさんまで乗り込んできたわけなのでございます。しかし、そこへこのコロナ禍のカウンターパンチ。あれほど外国人で賑わっていた駅構内が、今ではまるで嘘のよう、普通の都会の朝の灰色の通勤風景に戻ってしまいました。

レッドトルマリン ダイヤモンド ブローチ

さて、JR新今宮駅1番線ホームからはその豪華な星野リゾートOMO7の外観が一望できるのですが、いやー、いかにも一流ホテル。その高級感が半端ない。贅沢オーラが空気中に放出されているようで、殺伐殺風景な周辺の景色から、そこだけがまるで夢の中の景色のように際立っていて、まるで新今宮の空中に、高級ホテルの外観を写した巨大モニタースクリーンが吊り下げられているかのよう。

こういったラグジュアリーなホテルを見るにつけ、わたくし胸にこみあげる郷愁の念を禁じえません。と言うのも、色んな宝石店、宝飾メーカー、百貨店が、得意先を招待して行う宝石展示会というのは必ず、名の知れた有名ホテルのバンケットルームで開催するものと相場は決まっておりまして、不肖わたくしもご承知のように、昔はそういった業界一味の手下であったので、その関係でよく出入りしたものでございます。悲しいかな、個人的には全くご縁はございませんが。

レッドトルマリン ダイヤモンド ブローチ

こういった高級ホテルには、いろんなイベントの為に大小いくつもの宴会場というのが設備されておりまして、結婚式の披露宴やら、政財界大物の大掛かりな告別式、記者会見、政治家のパーティーなど様々なイベントに供されているわけでございますが、宝石の展示会もその数ある催し物の中の一つ。

規模の大きさによって、その階、ワンフロア全部を占める大宴会場をまるまる使うものから、スイートルーム一室だけのこじんまりした個展みたいなのまでバリエーションは様々。

一流ホテルの大宴会場を一日借りると、現在いったいどれくらいかかるのか見当もつきませんが、二十年ほど前に聞いた話ですと、大阪市内の一番高いところの相場が一日一千万とかいう事でしたから、今でもそこそこのお値段がすることは間違いございますまい。

レッドトルマリン ダイヤモンド ブローチ

そもそも、一千万からの会場費にその他諸々の経費、それにお食事までサービスで付けたり致しますとそりゃもう大変な掛かり。アクセサリーみたいな安い品物なんかを売ってちゃ、とてもじゃないが追いつかない。陳列されてる商品の最低価格が十万円台。しかもそんな商品はかき分けて探さなければ見つからないほど僅か。

招待されるお客さんの方とて百貨店なら基本、外商VIP顧客。もちろんそんな十万台の商品なんかにゃ洟もひっかけない。大体が、展示会会場に入る前に入り口付近にあるクロークで手荷物、コートなんかを預けるのですが、ホテルの係員は決まって「バッグの中に貴重品などはございませんでしょうか?」と判で押したように聴くのです。「バッグの中身よか、このバッグそのものを見てみいや、エルメスやで。しかもワニ革の高っかいやっちゃ!これ一個、質屋に放り込んでみ、ナンボになる思てんや?失くしたら弁償やで!」などと言うような下品な人はもちろんいませんが、預けるバッグなんかも、もうバーキン、ボリード、ガーデンパーティ、ピコタン、エブリン、ケリー。へたにヴィトンなんか持ってると、もう肩身が狭く恐縮して、こんなの床かなんか、そこいらにうっちゃっといて、とつい口走ってしまうほど。

レッドトルマリン ダイヤモンド ブローチ

そもそも、こういった外商客にとっては、百貨店の外商員は便利な御用聞きのような存在。そんなVIP客は百貨店に訪れても勿論特別待遇。各階を訪ねて品物を探し回らずとも、外商サロンでゆっくりお茶など嗜み、寛ぎながら、買いたいものリストを口頭で告げるだけで、欲しい品物、お洋服から下着に晩御飯の総菜に至るまでを外商員が各売り場から調達して、目の前にそろえてくれるのです。いえ、実際には別に百貨店に赴くまでもなく、そのお客さんの自宅まで持ってきてくれるのです。もちろんその持ってきてくれるついでに、色んな百貨店の業務以外の用事を頼むこともあって、そんな雑用も嫌な顔一つ見せず引き受けてくれるから有難い。

だから反対に、こういった展示会のお誘いは、いつもお世話になってる義理があるから断りづらい。もちろん行けば手ぶらで帰るなんてカッコ悪いことはできません、VIP客の面子と言うものがございますから。しかしこんなクラスのお客さんともなると、もう大概の宝石類は持っている。指輪にしても自分の指10本どころか、家族中の指にはめても余るほどの数があるから正直もう買うもの、欲しいものが無い。そんな有り余るコレクションを有するジュエリ―コレクターがさらにコレクションについつい加えてしまおうかというのが、ご覧いただいているこちらのようなブローチ類なのでございます。

さて、このような外商VIPのご婦人ともなりますと、それなりの社会的お立場と、それに伴う社交の場面が豊富にございます。自ずと外に出て、人と会う機会も多くなると言うもの。そうすると毎日毎回同じ服装というわけにはいかず、季節ごとに新しいお洋服を何着も新調なさるわけですが、もちろんその購入にあたっては、贔屓にしている外商員同行にて、ご自宅にご指定ブランドクチュールからわざわざお針子が採寸に訪れたりする訳でございます。そこに外商員は、宝石展示会にての販売突破の糸口を見出すわけなのでございます。

レッドトルマリン ダイヤモンド ブローチ

「奥様、こちらのブローチなんか先日おあつらえ頂きましたジバンシーのスーツにピッタリじゃございませんか?浅黄色のコットンリネンの生地に、確か襟にはバーガンディーのステッチの縁取りがございましたよねー。ちょうどこちらのルベライトのお色とマッチして映えるんじゃございませんか?」

「あら、ガーネットかと思ったら違うのね」

「はい、こちらはトルマリンという石なんですが、一般的に良く出回っている石はグリーンのお色が多うございますが、これは希少なレッドトルマリン。別名ルベライトと申します。ルベライトの名前は赤い色がルビーのようだというところから、ルビーに由来しているそうでございますが、ほんと、こう見ましてもまるでタイ産のルビーの様な色目でございますねー。ピンキッシュのモノが多いルベライトでこれだけしっかりした赤色は大変希少でございます。デザインもルベライトを柄にした鋭いつるぎのようで、その刃の部分には綺麗なダイアモンドが細かく彫留めされておりまして何とも非常にシャープな印象を醸し出しております。こういったソリッドなデザインのモノを、ともすれば、くたっとなりがちなコットンリネンのようなデリケートな生地のお召し物にお着け頂きますと、全体の印象がきりっと引き締まってよろしいのではないでしょうか?」

「そう、中野さんがそういうなら頂いておくわ。じゃあジバンシーのスーツの出来上がりの時で良いから一緒に届けて下さる」

「はい、かしこまりました。ありがとうございます」

結局、奥様このブローチは萌黄色のスーツと合わせて一度お召しになっただけで、身辺整理の定期処分で質屋に放出。と言ったってご自分じゃ質屋なんぞに出向きません。

「中野さん、ちょっとまた、用事頼んで悪いんだけど・・・」

そんな宝石展示会義理買いVIP放出品が、なんといっても質屋一押しの掘り出し品なんでございます。

一流ブランドの決まり事

ティファニー バイザヤード ネックレス

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

ティファニーの一粒ダイヤネックレス「バイザヤード」。 デザイナー「エルサ・ペレッティ」の魅惑的なジュエリーは、官能的で立体的なデザインが特徴です。 頑張っている自分へのご褒美や、大切な方へのプレゼントに最適な逸品です。

世の中何事にも決まり事がございます。しかし、これも所変われば品変わるというくらいで、世界に目を向けますと、それぞれお国の事情でこう言った決まり事とて、どこでも一様というわけにはまいりません。

例えば、日本ですとどんなお店に参りましても決まって、「いらっしゃいませ」と、お店の人に声をかけられるわけですが、たまに無視されたりすると、客を客とも思わぬ愛想の悪い店だなんてことになって、今ですとたちまちネットで曝されたりしてしまいます。

しかし、この愛想が悪いと怒っているお客の方も、お店の人に対して愛想が良いかというと決してそんなことはございません。たいていの場合は、店員が威勢よく、「らっしゃいませー!」なんて声をかけてくれても、ほとんどの人はそれを無視しているか、せいぜいが会釈を返すくらい。

「はい、いらっしゃいましたよ!遠路はるばるねー、もう道が混んでて大変だったのよ、あなた。 あ、そうそう申し遅れました、初めまして、わたくしジョージクルーニーと申します、なわきゃ無いか、ワハハハハ、本当は高田順三というんですけどね。当年とってちょうど六十歳。めでたく還暦を迎えた寅年の年男。とは言え、歳は取りたくないもの、身体のいろんなところにガタが来るしね。あなた方はまだお若いからそんな事はすっかり他人事と思ってるでしょうが、六十なんてあっという間。もう、ある朝起きたら還暦だったなんて感じ、まるでカフカか浦島太郎だよホント、ハハハハ。で、ここはいったい何を商っているお店かしら?」なんて言う風に、「いらっしゃいませ」の掛け声にきちんと対応している人は滅多におりません。

ティファニー バイザヤード ネックレス

しかし、これが外国なんかですとHi, May I help you ? と疑問文が投げかけられるわけ。これにはちゃんとYes かNoで返答しなきゃいけません。それが礼儀というもの。しかし日本人はMay I help you? を「いらっしゃいませ」と思いこんでるから、日本と同じ感覚で無視するんですな、感じ悪!「なんや、こいつ英語わからんのか、ほんでもYesかNoくらい言えよボケ、中指!」となるわけですな。知らんけど。

ところが、お国が違っても変わらないのがブランドショップの威圧感。世界に冠たる名だたる有名ブランドのお店は世界中どこへ行ってもその荘厳な店構えと、そこから発する威圧感は変わりございません。これはもちろんそのブランドイメージをより高める演出な訳ですが、別の側面として、店側がその店の敷居をお客がまたぐまえから、お客を選別し、ふるいにかける仕掛けでもあるのです。

「おまえら分かっとんな、うちら貧乏人の冷やかしはお断りやねん。しょーもないみすぼらしい風体して入ってくなよ、鬱陶しさかい。ウチの上得意様にも目障りになるし、店全体のせっかくの気品、商品イメージを損なうんや、貧民のドグサレどもは、分かるやろ口に出して言わいでも、忖度せんかいアホンダラ」こういうメッセージが込められているわけなんでございます。

実際わたくしなんぞも、宝石店に勤めだしました当初は、そんなインターナショナルな有名ブランドでは無いにも関わらず、店構えだけはそれに追随するような造りの、その会社の本店なんかに行った際には社員であるにも関わらず何やら気後れしてオドオドし、ビビりまくっておりました。なにせ普段の買い物は近所の万代百貨店、ニチイ、イズミヤといったスーパーか駅前のさびれた商店街しか言った事のない田舎の貧乏人。何を間違って宝石屋なんかに就職したんやろと、その本店に行く度につくづく後悔したものでございます。

ティファニー バイザヤード ネックレス

しかしながら、そんな厳めしい造りの、しかも一応老舗と呼ばれる一流店に致しましても、扱っている品物は所詮国産の買い回り品がほとんどで、しかも委託と言って、問屋やメーカーからの借りモノがほとんど。その会社がデザイン、制作すべてを一から携わってこだわって拵えたなどと言う商品はもうほんの僅か。なぜかというとオリジナル商品というのは当然自社の在庫品になるわけで、それだけ資金が必要。

そんなんに金使うのアホらしがな、新地何回行けるねん?そんなややこしい事するよか、金のかからん張りぼてでエエさかい、厳めしい店構え拵えて、借り物の商品でもテキトーに並べときゃ、そこいらのアホが老舗の看板と店構えで勝手に良えもんやと思いこんで買おていきよるがな、オモロ!と当時の社長が語ったとか。知らんけど。

ティファニー バイザヤード ネックレス

しかし、消費者の目は節穴ではございません。どんな商売でも付け焼刃、やっつけ仕事と言うものは自ずとメッキが剥がれ露見するもの。特に昨今の様にインターネットの普及によってさまざまな情報が簡単に入手できるようになってまいりますと、いい加減な商売はできません。そういった商法を行ってきた商店は時代の趨勢と共にどんどんと駆逐されていく運命にございます。

ところが、そんな日本の宝石店の店構えのお手本ともなった本家本元のブランドのお店はどうかと言えば、ますます隆盛の極みを突き進んでいるのでございます。

その理由は明らか。店の外見だけもっともらしく拵えても置いている商品が凡庸。例えて言うなら、仏作って魂入れず的な商売ではなく、豪華絢爛な店舗の中にはそれに見合う、否、さらにそれを凌駕するほどの素晴らしい品物が、しかもそこでしか買えないオリジナルのお値打ちを伴って用意されているからにほかならないからでございます。

ティファニー バイザヤード ネックレス

例えばこちらのティファニーのバイザヤードペンダントネックレス。まるでニューヨーク五番街のお店をそのまま移植したかのような厳めしい外観の日本の主要都市に点在する各支店。私ごとき貧民はそのお店の前に立つだけで、まるで歴史的建造物かのような造りに恐れおののき、足がすくみ敷居をまたぐことすらできません。

しかし、ここは勇気を振り絞り店内に一歩踏み入ると、そこはもう別世界、別空間。高級感というものがあたかも何かしらの気配、香の如くにその空間を満たし、場違いにも迷い込んだゴキブリ貧民のわたくしを押し出そうとするかのような圧が感じられます。

さて、ラグジュアリーの圧を存分に受けながら、ふとショーケースに目を移しますとそこにはこのバイザヤードペンダントの煌めくダイアモンドが夜空に流れるコメットさながら、ゴールドの鎖を彗星の軌跡の様になびかせ、ダイヤモンドの大きさごとに分けられて、一本づづ丁重に並べ置かれているのでございます。

勿論このお品、ティファニーにすれば普段ユニクロなんぞのTシャツとかに気軽に合わせてお使い下さいといった、至ってカジュアルな低価格買い回り品、所謂アクセサリーラインの商品として提供しているのですが、その品質のこだわりたるや、ダイアモンドの無色透明無傷無垢の輝きは当然のこととして、細かい留め金具から、丸環に至るまですべてのパーツをオリジナル、自社製品で設えてあるというから物凄い。

ティファニー バイザヤード ネックレス

これくらいのこだわりと細心の技術を注がないと世界には通じないって事ですね。これが一流ブランドジュエリーのワールドワイドの決まり事。伊達に高いわけじゃございませんよ。

でもウチで買やぁ、ほらこんなお値段!

荒れ地の魔女の呪いを解くリング

非加熱 ピンクサファイア ダイヤリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

焼いてないという事は生ですわ、生食用はどんなもんでもエエもんでっせ。

カモネギなんて言葉がございます。意味はわざわざご説明するまでもございませんが、鴨がネギを背負ってやって来るということから、実に好都合に物事が運んでいるさまをディスクライブする言葉なんでございますが、なぜ鴨にネギが好都合かと言えば、言わずと知れた鴨南蛮蕎麦に代表されるが如き、実に絶好の美味しい食材の取り合わせから来ているわけやね。

鴨がわざわざ、我が身と食い合わせの良い食材を携えて来訪のうえ、「さあ旦那、このネギと一緒に、あっしを煮るなり焼くなり二宮和也、好きなように料理してやっておくんなせー、ほっぺが落ちる事間違いないんだから」なんて言ってる様を想像するに、なんて健気な鴨じゃーないか、と思わず目頭が熱くなるのを禁じえません。

さて、物事にはこういった取り合わせの良い組み合わせと言うものがございまして、昔から例えて曰く、梅に鶯、月に雁なんてことを申します。これらの言葉、実は元々花札の絵柄に由来しているのでございまして、一年十二月をそれぞれ絵札に致しましたうちの、梅に鶯は二月、月に雁は八月の札の絵柄なのでございます。

花札などと言うものは、昨今ではすっかり廃れて滅多お目にする機会もございませんが、わたくしが子供時分にはまだ一般家庭でも、将棋、囲碁、などと並び娯楽暇つぶしの遊興の道具の一つとして広く親しまれていたものでございます。しかし将棋、囲碁と性格を大きく異にする点は、こちらは賭博の道具として裏社会の方々にも広く親しまれていたようで、そうした性格上、なにやら胡散臭いイメージがついて回ります。

実際、やくざ映画の殿堂、東映のアーカイブの中には藤純子 高倉健主演の「緋牡丹博徒 花札勝負」というズバリ花札賭博を題材とした作品すらあるくらい。

さてそういった裏社会と深い結び付きの花札でございますが、これを製造していた国内最大のメーカーが驚くなかれ、かの任天堂なのでございます。今ではゲーム機器、ゲームソフトの供給業者として世界に冠たるグローバル企業に成長したニンテンドーでございますが、その礎はヤ○ザが築いたと言っても過言ではございますまい。

非加熱 ピンクサファイア ダイヤリング

さて、今やまさに桜満開、待ちに待った春到来でございます。花札で言いますと三月の図柄が、ちょうどお花見の風情でも表しているのでしょうか「桜に幕」という図柄になっております。三月の桜はちと早すぎると思われる向きもございましょうが、そこは旧暦に沿ってのこととて、昔の三月と言えばちょうど今時分であるとご理解くださいませ。

さて、そういった桜咲く時節柄、ご紹介させていただくにちょうどふさわしい商品がこちら。桜の花びらの薄紅色を写したかのごときピンクサファイアの指輪でございます。

非加熱 ピンクサファイア ダイヤリング

いかがでございましょう、この透明に澄んだ、穢れを知らぬ純真無垢な乙女の唇のような色合い。まさにフレッシュな春そのものと言った風情じゃございませんか。

それもそのはず、こちらのピンクサファイアはノンヒート、非加熱の、正に正真正銘、純真無垢、穢れを知らぬ清き乙女の如き石なのでございます。

こういったサファイア、ルビーといったコランダム系の宝石は加熱処理と言いまして、熱を加えることによって色の発色、あるいは色の改良を行うのがもう慣例となっておりまして、市場に出回っております大半のコランダム宝石は、そういった加熱処理のビフォー・アフターで言いますと、アフターばっかり。

さらに、整形やライザップのビフォー・アフターの出来具合でも、個人によって大きく個体差が出るように、サファイアとて何でもかんでも焼けば最高の色になると言うものではございません。逆に、焼いてはみたもののという、あまり焼き甲斐の無い石も多くございましょう。ところがこちら、加熱処理をするまでも無く、元からとびぬけて美しい、まるで中条あやみちゃんの如きサファイアなのでございます。

いや、話が急に横道にそれまんねけど、容姿が売り物の芸能界、整形等の改変処理なんか日常茶飯事、当たり前といった風土にあって、あやみちゃんはまだデビューはるか前の少女の時に、たまたまお母様の職場が近かったといったご縁で、当店にご来店いただいたのですが、あの時の感動たるや、天使が舞い降りたのかというくらいのインパクト。もうスタッフ全員金縛り、言葉も出ない、絵にもかけない美しさ。GIA宝石鑑定士の目をもってして、何ら処理の痕跡を認めず。

さて、このあやみちゃん、いやピンクサファイアを留めてある指輪の細工にご注目願いたい。

非加熱 ピンクサファイア ダイヤリング

まずはこの石留の爪の頭部分をご覧ください。ハートですよハート!ピンクにハートマーク。これこそもうお決まりの、相性抜群の組み合わせ。野郎、小癪なまねしやがって、と思わず唸らずにはおれない細工。

中石ピンクサファイアの両サイドには、ペアシェイプの無色無傷のダイアモンドがバランスよく配置され、そこから接合部分を絞ったプラチナのリングの腕が下方へ伸びていく。

非加熱 ピンクサファイア ダイヤリング

さて。肝心のピンクサファイアですが、これはもうグレードには文句のつけようがない。内包物は見えない、色に濁り気は無い、シンメトリーはしっかりとれている。ただし一か所だけ無理にも文句をつけるとしたら、石が結構深いという点。サファイアの石目が4.961、およそ5キャラットにしては見た目そこまでの場面、大きさに見えないのです。

ただしこの石の深みがあればこそ、ともすると透けた感じになりやすいピンクサファイアの色がしっかり出ているとも言えるので、ここは見た目の大きさより、美しさを優先に選んでいただければ有難いわけでございます。

非加熱 ピンクサファイア ダイヤリング

でも、こんなのいかにも若い子向きで着けられないわ、とハナから放棄されているそこのマダム。なにをおっしゃる、これは実はマダムはもちろんの事、もっとお年上のシルバー世代の女性にこそ敢えてお着け頂きたいジュエリーなのでございます。

スタジオジブリの名作「魔女の宅急便」の作者にして、国際的にも名の知れた絵本作家、角野栄子さんをご存知でしょうか?御年87歳の彼女は、お年を召されてからピンクに目覚め、着るものはおろか生活空間まるごとをピンクや赤といった明るい色で統一されているのです。そうすることで、ともすれば暗くなりがちな、自らを老人と決めつけて生きる人生の黄昏時から抜け出し、実に夢のある明るい空間で活き活きと日々未だ活発な創作活動を行っておられるのです。

このように年を重ねた末、あたかもアニメ「ハウルの動く城に」出てくる、魔女の魔法で老女にされたソフィーの魔法が解けたように、見事童女にカムバックされた素敵な女の子にこそ、こちらの指輪をお着け願いたいのでございます。

艶やか熟女の完熟ブローチ

マルチストーン ペンダント ブローチ

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

ボードレールが描いた「悪の華」のイメージってこんなんだと思うけど、解からなきゃいいわ

高須クリニックにすがり付く事もなく、はたまたライザップのオファーにほだされる事も無く、ケンタッキー・カーネル・サンダースと化したと、まことしやかに巷の噂で囁かれるジュリーではございますが、若い時は絶世の美男子、男前と騒がれ、多くの若い女性の心を鷲掴みにし、実生活でも随分と多くの女性を泣かせてきた事でございましょう、知らんけど。

そんなジュリーのヒット曲、グループサウンズ、タイガース時代の「花の首飾り」という名曲がございます。この首飾りの正体は、ひなげしの花の首飾りと言う事で、後年、香港小姐アグネス・チャンが、オッカの上に咲く野の花と彼女が歌唱する通り、実に金のかからぬ安物、チープなおままごと細工のチンケなシロモノ。とても成熟し、目の肥えた大人の女性、所謂熟女の罪深き、貪欲貪婪な欲望を満足させるに足るものではございません。

さて、そこで当店がおすすめいたしますのは、そういった濃厚なオトナ臭まとったマダムにこそ相応しい、花の首飾りならぬ、こちら、花のブローチ兼ペンダントでございます。

マルチストーン ペンダント ブローチ

いかがでございましょうか、このおどろおどろしいまでの迫力、この邪悪なまでの貫禄!

こちら、サイズにすれば縦横がおよそ5cmづつくらいの、ブローチとしての大きさはさほど大判と言う事もございませんが、この凝った細工から生まれる存在感の半端ない事といったらもう筆舌に尽くせぬほど。

マルチストーン ペンダント ブローチ

まず花の中心、これはおしべめしべでしょうか、黄色いシトリンクォーツがひとかたまりになってセットされております。そしてその外周部分、花びらの根元付近にはダイアモンドが、そしてその延長線上、花びらの外側にむかってはグリーンベリルがずらっと幅広くセットされているのですが、このセットされている土台の金属部分、石を留める爪部分がその大半を占めるのですが、そこには全体的に隈なくブラックメッキが施してございます。この黒い地色でもって、このグリーンベリルの色にさらに深みを加えているわけでございますね。

マルチストーン ペンダント ブローチ

さて、そこからさらに花の外周に目を向けてまいりますと、花びらが折り曲がって裏返っている部分に、今度はまたダイアモンドが留められているという芸の細かさ。もちろんこれら花びら一枚一枚それぞれが独立した別々のパーツとなっておりまして、それぞれ個別に石留がされたのちに接合されているのでございましょうが、こういった細工は初期の設計がきちんとできていないと、組み立てた後できまってボロが出てまいります。そういった意味でも大胆なデザインとは裏腹に、非常に精緻な設計と、クラフトマンシップによって作りあげられている事がわかります。

マルチストーン ペンダント ブローチ

では、裏側を見て行きましょう。まず目に飛び込んでまいりますのは、ブローチ全体に広がる石留の為のハニカム構造。これは日本が誇る世界のジュエラー、ギメル社製のパヴェセッティングにも採用されている技法で、枠の強度を保ちながらも、光の透過をより多くする為にハチの巣状に隙間をうがつ裏取りの工夫。この細工により表面の宝石の輝きが一段と増すわけでございますが、その分当然手間暇がかかるわけでございます。

次にブローチ金具をご覧くださいませ。この留め金は一般的に鉄砲金具などと呼ばれている、シリンダー式の受けが、洋服などを貫いたのちの針先を抑え、容易に抜け落ちないように、この部分がスライドして包み込んでしまう仕掛けで、最も安全性の高い金具なのです。

しかしそれだけに留まらない。このメインとなる針の下に、さらに補助の針がもう一本用意されているのがお分かりいただけますでしょうか。この針をさらに服地などに通す事により、ブローチ脱落の危険性をより減少させると言った凝った細工なのでございます。

マルチストーン ペンダント ブローチ

そして、ペンダントとして使う場合にネックレスを通すバチカンでございますが、こちらもただの輪っかを装備しているのではなく、バチカンそのものが開閉し、ネックレスを挟むピンチ式になっているのでございます。この金具の利点は、パールネックレスなどのビーズ形式のネックレスにペンダントをぶら下げる際に非常に役立つ優れもの。こんなペンダントを南洋真珠の大振りのネックレスにでもぶら下げていただいたら、そりゃもう、ものすごい事になりますよ。

それでは、この商品の正体なのですが、これだけの凝った細工なら、普通は名のあるブランドか、作家の先生の手によるものというのが通り相場。しかしこちらの商品、それらしきものを伺わせる痕跡がまるで見つからない。作家の名や有名ブランドのホールマークの刻印らしきものが全く見つからないどころか、ぎっしり留められている数々の宝石の石目の刻印すらない。

唯一手がかりとなるのが、このブローチ金具の根元に打刻されている750の数字とその横の稲穂の様なマークの刻印。750とはこの製品の金性、18金ホワイトゴールドを表す表示。これは海外製品に多い特徴で、それなら石目の刻印が無いのもまた、海外製品に多い特徴と言う事で納得できます。

さて後はこの稲穂のようにも見える謎の刻印なのですが、多分これがその作ったメーカー、ブランドの正体を示すホールマークなのでしょうがマイナーなブランドなのか、通り一遍のネット検索では出てこない。旧知の宝石関係者数名に尋ねるも、見たような記憶はあるがはっきりとしたブランド名は思い出せないと言うもの。まあみんな現役を離れた爺さんなれば、せん無かろうが。

マルチストーン ペンダント ブローチ

というわけで、万人に行き届くインターネットでこのように商品そのものを開示致しますれば、このブランドをよくご存知で、大ファンという方と必ずやご縁が結べるものという期待のもとに、今回ご紹介の運びと相成った次第でございます。

もちろん、ブランドに関係なく、この造り、このインパクトに一目ぼれして、我を忘れ飛びついて頂きましても何ら不都合はございませんよ。

ウチの子ギメル

Gimel(ギメル) パヴェ ダイアモンド リング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

いつかは欲しいギメル極上のパヴェ。いつかは永遠に来ません、それは今です!

<どーするーアイフル―♪>のフレーズとともに厳めしいお父さんの顔が急にほころぶTVコマーシャルをご記憶でしょうか?

もう、20年ほども前の事なので、覚えておられる方とて少ないかと存じますが、あのコマーシャルで展開されたドラマとまったく同じ事が、実はわたくしの身にも起きたのでございます。

コマーシャルの内容は、ペットショップでお父さんがその娘に子犬を買って欲しいとおねだりされるも、お父さんは経済的な理由からでしょうか、当初は頑として、まったく聞く耳を持ちません。ところがその娘が欲しがっている犬、映像ではチワワなのですが、を目にした途端、お父さんもこの子犬にガッツリ心を奪われ、購入へと心が動かされます。そして、ここからがコマーシャルの肝心なメッセージ。そんな不意のお金の御入用には消費者金融アイフルをご利用下さい、という内容のもの。

このコマーシャル放送当時は、そんなアホなことあるかいな、陳腐な宣伝しやがって、などとテレビに向かい毒づいていたへそ曲がりのわたくしですが、それから何年かたったある日。

中学生だった下の娘から、近所のペットショップで可愛い子犬を見つけたので、是非買ってほしいとせがまれたのでございます。根が大甘な父親の私ながら、当時はおろか今でも犬なんぞ購入できる余裕はございません。まあ、手ぶらで帰っては娘も納得しないだろうからと、ウサギかハムスターなんぞのもっと安い小動物を、常日頃の接客業で培った話術を駆使し、巧みに言いくるめて買ってやればいいか、なんて気軽に考えて、家族でそのペットショップを訪れたのです。

Gimel(ギメル) パヴェ ダイアモンド リング

真っ先に動物たちの陳列されているコーナーにたどり着いた私は、犬の代わりに買う小動物をいろいろと物色しておりました。「うーん、リスなんかも可愛いかもなー」なんて思っておりますと、少し離れた場所から「お父さん、こっちやでー」と娘の呼ぶ声がします。まあ、買わずとも一目は見とかないと娘は納得せんだろうと思い、気乗りしないままそのガラスケースの前まで進むや、娘が「この子やねん、可愛いやろー」と指さすところに目を向けた途端、

どーする――アイフルー!!!

と、かの曲が頭の中に鳴り響き、気が付いた時は娘がその何とも愛くるしいチワワの子犬を抱え、わたくしども家族はレジ前に並んでいたのでございます。

Gimel(ギメル) パヴェ ダイアモンド リング

唯一コマーシャルと異なる点は、アイフルさんじゃなく、VISAカードさんに立て替え払いをお願いしたことぐらい。

さてそれ以来、我が家はその子犬を中心に回っているような具合。子犬は娘二人の弟、我が家の末っ子的役割を担い、現在も無事息災で皆に愛され、可愛がられておるのでございます。かく申す私とて例外じゃございません。たまにその犬が食欲不振にでもなろうものなら我が子同様に気をもみ、少しでも姿が見えないと大いに狼狽するといったまったくの親馬鹿ぶり。

親馬鹿などと申しましたが、ペットを飼っておられる方は一応どなた様もペットを自らの子供の様に思っておられる方が多く、たいていはそのペットの事をウチの子などと呼びます。

Gimel(ギメル) パヴェ ダイアモンド リング

さて、これと同様、宝石好きの方の中には自らが買い求め、コレクションされている商品をこのペット同様、己が子供の如く愛情を注ぎ慈しんでおられる方が少なからずおられます。

商売柄、お客様のご自慢のコレクションをお見せいただく機会がしばしばあるのですが、そんな折、よく耳にするのが、この子は何時幾日こんな動機で購入した、そしてこっちのこの子はこういうご縁で、という風にまるで品物一個一個がペット、いえ我が子の如く語られる方が実に多いのでございます。もちろんその「子供たち」を見るときの優しさあふれた眼差しは、旦那様には絶えて長らく向けられたことのない、観世音菩薩の如き慈しみあふれたものなのでございます。

Gimel(ギメル) パヴェ ダイアモンド リング

さて、先日もギメルの指輪をご購入いただきましたお客様との商品に関するメールのやり取りの中で、最終的にご購入を決定された時に、「この子の魅力を教えてもらえて、お迎えするのが楽しみです」というお言葉を頂戴いたしました。もはやお手元に届く前からお子様扱い、養子縁組の様相。

ただし、これがどんな商品であっても暖かく我が子としてお迎え頂けるかというと大間違い。手前どものチワワとて、この長らく美しい宝石ばかりを目にして鍛えられし、わたくしの厳しい審美眼を安々と篭絡した、目を見張るほど愛らしく、かつ美しく、賢い子でありますればこその溺愛。(親馬鹿丸出し)

宝石とて同じこと、ギメル社製血統書付きのお品であればこそ、百戦錬磨のジェムマニアの厳しい審美眼のお眼鏡にかない、晴れて養子縁組が成立すると言うもの。

Gimel(ギメル) パヴェ ダイアモンド リング

当店ではこちらのパヴェリングだけにとどまらず、ギメル社製ジュエリーを幅広く取り揃えておりますので、末永く、我が子の様に慈しみながらジュエリーを楽しみたいとお考えの真のジェムマニア、宝石好きのお方様に置かれましては、ドゥペールノエルこと当店を、優秀な中古ジュエリーブリーダーとしてお見知りおき頂きたく存ずる次第でございます。

あの頃の自分に持たしてやりたいバイザヤード

TIFFANY&CO. (ティファニー) バイザヤード ペンダント ネックレス

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

ティファニーの一粒ダイヤネックレス「バイザヤード」。デザイナー「エルサ・ペレッティ」の魅惑的なジュエリーは、官能的で立体的なデザインが特徴です。頑張っている自分へのご褒美や、大切な方へのプレゼントに最適な逸品です。

日本人の心のふるさと、観る人の心に郷愁を誘わずにはおかない、全五十作を数える国民的人気映画シリーズ、「男はつらいよ」。渥美清氏が役者人生の大半を費やし、死の直前まで演じきった主人公、車寅次郎は、フーテンの寅と二つ名で呼ばれる旅から旅へのテキヤ稼業のおあにいさん。

実は、かく申すわたくしも、一時期このテキヤ稼業を身過ぎ世過ぎとして暮らしを立てていた渡世人。んな訳きゃないんですが、まるでテキヤさんの如く商品を携え、地方を回り、割り振られたショバで即席の露店を広げて商売をしていたことがございます。

以前勤めておりました、大阪の老舗宝石店がバブルの余勢でもって無茶無謀にも香港に海外出店し、その派遣社員とし不肖わたくしがかの地に遣わされたのは、以前にもご案内のとおり。

派遣直前には最低五年、いや、香港に骨を埋める覚悟でもって行ってこいと発破をかけられ、それが為に肉親と水盃を交わし涙の別れ。それが予期せぬ日本国内のバブル崩壊と、現地での驚くほどの業績不振により、当時の宝石店社長の娘婿でもあった日本人責任者一人を残し、二年で早々と日本に引き戻されたのでございます。

それからがまあ大変。香港異動前は小さいとはいえ、一応支店の店長を任されていたのが、もうどこにも人員の空きがない。唯一担当者が退職予定で空きが出る部署にとりあえず放り込んどけとなったのでございます。

その時の辞令が、本店外商部法人外商課チーフに任ずるというもの。チーフと言うのはその課の責任者で、法人外商の字面からすると実に厳めしくも、ビッグビジネスを動かしている花形部署風に見えますが、つまりこれが、宝石テキヤ稼業の社内の呼び名だったのでございます。

法人課と言うだけあってお得意さんはほぼ会社関係。とは言え取引先の結婚式場のブライダルフェアに出張してのマリッジリング販売とか、ゴルフ場での年間を通しての優勝カップや記念品の納品といったビッグビジネスとは程遠い内容。

TIFFANY&CO. (ティファニー) バイザヤード ペンダント ネックレス

そんな中で最大の取引先が、上場企業でもある大手の電材商社。

電材業界と言うと一般の方には馴染薄でしょうが、これは電気製品は扱うも、家電とは異なり、建設や工事と言ったプロが扱う電気機器を供給する商品の流れ。

この電材を一手に扱う大手の商社さんが、年に一度、関西最大の国際展示場、インテックス大阪で、その取引先を日本中から招待して展示会を催すのですが、なんとそこに、お門違いにもわたくしが勤務するその宝石店が長きにわたって、電動工具やボルト、ナットなんかのメーカーと軒を並べて出展していたのでございます。

まあ、そんな会場に来場するのは大体が工務店やら工事店などを経営する社長さんやその関係者が多いので、客層からすれば狙い目なのですが、実は買う方のお客さんにもメリットがあるのでございます。実はそこに出品している商品は全部伝票にて決済されるのですが、もちろんこれはその商取引の流れから「電材」として処理されるわけでございます。

TIFFANY&CO. (ティファニー) バイザヤード ペンダント ネックレス

すなわち、お客の社長さんやらが個人で使う高級時計や、奥さんや彼女に贈る宝石類が全て経費で落とせるというカラクリになっているのでございますよ、ご隠居。 

なに、それはまことか弥七!

実際、会場には普段は取り扱いの無いパテックなんかの高級時計も持ち込み、これが結構売れるから笑いが止まらない。確か二日間の開催でウン千万から売れたように記憶しております。

この年に一度のインテックスの展示会なら開催も地元大阪ですし、段取りから販売に至るまで本店外商部が、当時二十名ほどでしたでしょうか、社員総出で当たるので良かったのですが、その後に要らぬおまけがついて来る。

TIFFANY&CO. (ティファニー) バイザヤード ペンダント ネックレス

実はこの総合商社の得意先には地方のさらに小さい、それこそ個人の大工さんや、修理店を得意先とする電材業者さんが、仲卸のような形で附随し、流通網を形成しております。そういったところから、その大手商社を通じて、同じような所謂「電材フェア」などと称して行う、得意先の工務店、工事店を招待する自前の展示会への出展依頼が来るのでございます。

依頼と言ったって、そりゃあなた、泣く子と地頭にゃ叶わない。大手商社さんのそのフェアを一切合切仕切っている部長さんから頼まれりゃ嫌とは言えない。嫌なら結構、じゃ来年からは、インテックスにも来なくてもいいから、なんて言われちゃ大変。

ただし、地方の小規模の電材屋さんがやる展示会は規模もそれに比して小規模。会場も地方の体育館や地場産業振興センターならまだマシな方。自社の駐車場なんかに即席のテントなんかを張って野外、露店でやるところまである。まさに露天商。今時分の初春の頃に、一度突然の寒波に見舞われ、凍死寸前の目にあったこともございました。

もちろん売上にしても大した数字は見込めず、経費の都合上出張が許されるのは社員二名のみ。この二人、つまり私と相棒で早朝5時くらいからライトバンに商品、備品一式積み込み、現場に向かうわけなのですが、出張先で多かったのが四国方面。当時は明石大橋がまだ開通してなかったので、西宮市の鳴尾浜からフェリーに乗り、一旦淡路島に上陸したのち鳴門大橋を渡り一路四国を目指すわけであります。

大体、そう言った展示会は二日間と決まってまして、展示会前日に乗り込み会場設営をし、翌日、翌々日と展示会をすませたのち、会場撤収とともに即日帰社。会社に戻りゃとうに日付が変わっている。いやー我ながらようやったなー!

TIFFANY&CO. (ティファニー) バイザヤード ペンダント ネックレス

さて、その二日間の晩飯はどうするかというと、これが悩みどころ。一応出張手当が僅かばかり出たので、それで晩飯は何とか賄えるのですが、知らぬ土地で、今のようにネットの食べログなんかで調べる事とてできない。しかもトランク一つの寅さんと違い、小規模展示会とは言え、五百から千点ほどの宝石を抱えてるもんだから、これを肌身離さずどこへ行くにも携えて歩かねばいけない。

そこで自ずと行先となるのが、地元の本当は行きたい名物讃岐うどんを供するお店ではなく、餃子の王将!

その理由は安い、ボリュームがある、味にばらつきが無く、一定のクォリティーが期待できる。そして専用駐車場が必ずあるから荷物の移動が楽。この安定感が安心に結び付き、おいらテキヤのお決まりの食堂となったって寸法。二日のうちの少なくとも一日は王将が定石。

TIFFANY&CO. (ティファニー) バイザヤード ペンダント ネックレス

それと同じく、お出かけの際のお供のジュエリーとして間違いないのが、こちらティファニバイザヤードネックレス。どんな服装、どんなオケージョンにも合う。しかも見る人が見りゃ一目でティファニーと分かる優れもののデザイン。ほんでもって中古で買うとこんなに安い!こんな商材が当時あったら是非四国ドサ周りにもっていきたかったねー、きっと飛ぶように売れたに違げーねー!

なに?天下のティファニーと王将を一緒にするなって。はばかりながら王将とて天下の王将、売上じゃ引けを取らない上場企業ですぜ旦那、見くびってもらっちゃ困りやす。

何はともあれ、宝飾品でも食べ物でも消費者のニーズに的確に応えた、ウケの良いものが栄えるってのが世の常、人の常。

TIFFANY&CO. (ティファニー) バイザヤード ペンダント ネックレス

ちなみに、この電材抜け穴商法、わたくしが宝石屋退社後に、弥七の暗躍か、ご老公のお指図か、国税局のキツーイお咎めにあい、関係者一同、江戸所払い、寄せ場送りの刑に処されたとか。かく申すわたくしも関係者の一人として、間一髪で厳しい国税の取り調べのお白洲を逃れたわけであります。めでたし、めでたし。

インクルージョン 秘すれば花

一粒ダイヤ ネックレス

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

一つは持ちたいキャラアップダイヤペンダント。なんやかんや言うても見た目やさかいね!

昔から、色の白いは七難隠すなどと申しますが、歳をとってまいりますと、七難どころかいろんな難がこれに次から次へと加わり、刻々移ろう時の流れのまま、どんどん劣化の度合いが増して老醜を極め、遂には無残な骸となりて火葬場送り、哀れ枯れ枝のように燃されるのでございます。

私なんぞは最早この年で、洒落たなりして女性にモテたいとも思いませんが、家内は、どうも世間体を気にしてか、わたくしの風体身なりについて、年寄りが小汚くしてたら余計にむさくるしいから、もうちょっと洒落た身づくろいをしろと、いろいろと注文をつけてまいります。バッチシ決めたところでも、最早他所の女性からは振り向きもされまいと高をくくってのことでありましょうが、それは迂闊というもの、フフフ・・

世間ではこの老醜をごまかす手立てといたしまして、最近は美容整形なども気軽に行われているらしく、ヒアルロン酸注射やフェイスリフトなどは最早美容の常識、エステの範囲内だとか。なにせ、行きつけの歯医者にまで、ほうれい線を消すヒアルロン酸注射承りますなんてポスターが掲げてあるほどですから、皆さん気軽にシワの除去に励まれている事なのでありましょう。

まあ、最新のYes高須クリニックの若返り術などになると、なかなか一般庶民には手の届かぬ高根の花なのでしょうが、昔から一般的に行われてきた身近な若返り法の一つ、白髪染めなら手軽に始められます。確かに白髪が頭髪に出てまいりますと、その人物全体の印象が老けた、じじむさいものになってしまいます。そこでお金のある方は美容院なり理容院などでカットのついでに髪を染めてもらい、貧乏人は自宅のふろ場などで、真冬などは寒さに身震いしつつも、自らビゲンヘアカラーなんぞで御髪の染色を行うわけなのでございます。

ただ、やはり日々成長する髪の毛を染めるということは、ある程度の頻度でもってマメに行わねばなりません。ずぼらをかましてほったらかしにしてると、かえって毛根の白髪の露出が目立ってきて、如何にも貧乏臭いみじめな印象を与えます。頻繁に自ら毛染めをするなんて無精なわたくしにはとても手に負える作業ではございませんから、これはパス。

第一、顔が年寄りなのに頭髪のみが黒々カラスの濡れ羽色というのも、なにやら昔の韓国の大統領みたいで、実に不自然な感じがいたします。ですから、芸能人なんかは、一部分の頭髪に白髪を残しつつ染めるみたいな、パートカラーの白髪染めを行われている方もおられるようですが、これなどさらに手の込んだ作業になりそうで、聞いただけで嫌気がさします。

一粒ダイヤ ネックレス

また、頭髪ケアのもう一方の雄、薄毛、禿の隠蔽方法も忘れてはいけません。私なんぞもツムジ付近がかなり薄くなり、河童頭のザビエル爺さんになってきたので、その必要性を痛感しているものの、ズラやら植毛やらナヤミムヨーなど、どのような方法も見ても手間暇プラス結構なお金がかかりそうなのでハナから諦めざるをえません。

一番可能性のありそうなのがテレビショッピングで見た、毛の薄いところにフリカケでも振りかけるように黒い粉を振りかけ、あたかもそこに黒い毛が密集してるかの如くにごまかす方法。実にお手軽でこれくらいなら横着者の自分にもできるかも分かりませんが、実は昔、この粉をふりかけている会社の先輩がおりまして、夏場になると黒い汗を流されていたのを覚えております。もちろん今は改良が進みそのような事も無くなっているでしょうが、どうもその印象が強く心に沁みついており、気乗りいたしません。

一粒ダイヤ ネックレス

されば、今度は髪型によってこれをごまかす方法を検討してみましょう。一番一般的なのは九一分け。昔、竹村健一という評論家のオジサンがやってた髪型なんですが、もうこの髪型をしてること自体で、禿と言う事がばれてしまうほどポピュラーな禿隠しヘアースタイル。たまに、電車なんかに乗り合わせた人なんぞにこの髪型の人を見かけると、何で敢えて禿げてることの看板を掲げているかのようなヘアスタイルをしているのか不思議でなりません。第一この髪型ですと、突風が吹くたびごとに恐れおののかなければなりますまいて。

あと考えられるのが、今流行のツーブロックというヘアスタイルを流用する技。このヘアスタイル、毛の長い部分とバリカン刈りの超短髪部分に分かれているので、この短髪部分を禿げてる部分に当てはまるようにすればいいわけじゃないでしょうか。

ただ、このツーブロック、写真とかで研究すると大体頭髪のすそ及び側面部分が短く、頭頂はふさふさと言うパターンがほとんど。唯一額から頭頂に向けての禿げ頭に適応できそうなのが、時代劇でお馴染みの、さかやきを剃り込むチョンマゲくらい。江戸時代だったら良かったんだけどねー。それともこのさかやき入りチョンマゲって、当時の禿隠しのすご技だったのかも。

一粒ダイヤ ネックレス

さて、そこで怠惰で金も無いわたくしが安直に選んだ禿隠しの方法は実に簡単にしてかつ、お洒落を伴う一石二鳥のすご技。帽子を被るという手段。と言ってもそんなことは昔からみんなやってることで、何せ帽子の隠語は禿隠し。まあ昔から帽子は好きでよくかぶってるのでぜんぜん抵抗は無いのですが、そのせいで髪の毛が薄くなってきたという説もある。まあ、こうなりゃどっちでもええけど。

帽子のついでに老醜隠しの第二弾としては、ファッションアドバイザーの娘が教えてくれた技、首にスカーフやハンカチをまく手。どうしても年寄りになると、その老醜は首元に端的に現れます。なにやら皮がだぶつき、シワがより、イグアナか亀の喉元のような感じになったのを隠す狙いだとかで、ほらタケ先生もやってるよと、御年82歳のファッションデザイナー菊池武夫氏の写真を見せられ、なるほどと納得!

と言うわけで、今回は頭隠して尻隠さずじゃなくて、この帽子やストールと言った、装いの一つでその欠点を隠す技を、細工の工夫に使ったジュエリーのご紹介。

一粒ダイヤ ネックレス

さてお立合い、こちらご覧いただいておりますダイアモンドプチネックレス。ダイアモンドの大きさがなんと1キャラットもある大層立派な品。

ところがどうだこの値段!いくら中古品たって安すぎやしませんか?そう、それもそのはず色は無色透明ながらも内包物が一か所にかたまって黒く目立っている。鑑定書を取るまでも無くIクラスは当確。これを指輪にでも留めようものなら、あたかも頭頂に突然円形脱毛が生じたかの如く目立ってしまって商品価値が著しく減少するのは明らか。そう言う事ならその欠点を隠せばよろしい、とメーカーの制作担当者は何と爪の大きな一点留めのペンダント枠に留めたのでありましょう。

一粒ダイヤ ネックレス

その結果、黒い内包物のほとんどが爪下に隠れ、一見すると非常に綺麗で透明感のあるダイアモンドのペンダントの出来上がりとなったのでございます。

ルーペで覗いたら確かに爪下からはみ出したインクルージョンが見えますが、着用したものを肉眼で見た場合、爪のおかげで欠点は見事封印され、一見すごく高品質のダイアモンドペンダントネックレスに見えるというわけ。ハリー・ザビエル中野とミドルネームの加わった河童ハゲのわたくしが、帽子を被った途端に、あたかも岡田将生に見えるが如く!

ちょっと誇大広告が過ぎました故、訂正の上お詫び申し上げますが、こんなん上手に買わんとあきませんわ、奥さん!

人生の伴侶 バイザヤードネックレス

TIFFANY&CO. (ティファニー) バイザヤード ペンダント ネックレス

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

ティファニーの一粒ダイヤネックレス「バイザヤード」。シンプルかつ滑らかなフォームのこのネックレスは1つは持っておきたい定番のやつ。ティファニーを着けてるだけで気分がちゃいます!頑張っている自分へのご褒美や、大切な方へのプレゼントに最適な逸品です。

歳を重ねるごとに、なんて気取った言い回しがございますが、なに単に老いぼれてくるだけの事。まあそうなると皆様一様に食べ物の好み、嗜好というモノも変化してまいるようでございます。

私も一応人並みに幼少の頃、なんてお上品なもんじゃございませんが、餓鬼の頃がございまして、そんな時分はいつも扁桃腺なんかを腫らしては高熱を出し学校を休みがちな、随分と虚弱な子供でございました。

また、虚弱な小児にありがちな、かなりの偏食で、魚、野菜類が一切ダメで随分親に苦労を掛けたものでございます。そう言った傾向は普通、思春期を境に結構改善に向かうものらしいのですが、私の場合はこれが社会人になってもさらに続き、職場の社員食堂なんかでも、A定食、B定食、日替わり定食なんてものにウスターソースをぶっかけ同僚等が喜び勇んでこれらをむさぼり食らっているサマを横目で睨みながら、独りきつねうどんやざるそばなんかを侘しくすすったものでございます。

さて、そういった偏食傾向が徐々に改善されていったのは、なんとお酒のおかげ。

社会人になるまではお酒とて別に旨いとも思わず、今の若い人のように積極的に飲み会なんぞに集い、羽目を外すなどと言う事も無く、家でおとなしくアニメ「アルプスの少女ハイジ」を見ながらカルピスを飲むくらいが関の山。

TIFFANY&CO. (ティファニー) バイザヤード ペンダント ネックレス

しかし社会に出るとそんなわけにはいきません。会社員になると仕事終わりにはちょっとしたことで「ちょっと行こか」「ぴゃっと行こか」「とりあえず行こか」と上役先輩からお声がかかる。行くったってなにも連れションに行くんじゃなくて、勿論お酒を飲みに行くわけであります。

今ですと、そういった上司の誘いとて、昨今の若者は忖度なしで平気で断るようですが、何せ上下関係厳しい昭和の時代はそんなことはご法度。否応なしでお供しないといけません。そして、行ったら行ったで、これがまた飲めない酒を無理やり飲まされる。変に断ろうもんなら、「お前、俺の酒が飲めん言うんか、おう?」と凄まれる。もう吐くまで飲ませられることもたびたび。

TIFFANY&CO. (ティファニー) バイザヤード ペンダント ネックレス

しかし、そう言ったお酒の稽古、つか、地獄の特訓を重ねていきますと、最初は苦いだけだったビールがあら不思議、美味しく感じられるようになってくるではありませんか。さらにその酔い具合も、単に頭がくらくらしたり、痛くなってきたりしてたものが、何とも心地よい酩酊へと変わってくる。

そして、上司や先輩に勧められるがまま口にした、何やら見るからに気味の悪いナマコやコノワタなんぞと言う珍味が何の抵抗も無く美味しく感じられるようになるともう一人前。一旦そうなると、これまでの自分がまるで嘘のように、たいがい何でも食べられるようになったから驚き。実際香港の支店に派遣された時も、あちらの変わった料理や食材、香辛料、香草がふんだんに使われたエスニックな味覚も全然平気で、日本人スタッフの中で唯一何でも食べられるヤツと言う事で、香港人スタッフにも大いに歓迎されたものでございます。

しかし、寄る年波薩摩白波、ジジイになってまいりますと今度は、いかにも年寄りっぽい、気難しい取捨選択が起こってまいります。もちろんそれは肉体の衰えからくる消化力の低下が大きく影響してくるのでありましょうが、そう言った胃にもたれそうだとか、胸やけしそうだとかだけじゃなく、ごちゃごちゃした味の変化より、よりシンプルで無駄を省いた究極の、みたいなところを求めてくるようになってきたのでございます。

と申しましても何も特別な食材を取り寄せして、なんて贅沢をしようってことではないのです。どちらかっていうとその逆で、今まで見落としていた身近な食材を今一度振り返り立ち返り古きを訪ねて新しきを知る温故知新の味覚の再発見。

TIFFANY&CO. (ティファニー) バイザヤード ペンダント ネックレス

例えば、最近の好みで申しますと豆腐。しかも絹じゃなく木綿。これをどうして食べるかと言うと、どうにもしない。そのまま。ありのまま、Let it beでしょうか。しかもスーパーとかで売ってるトップバリューのニコイチとかでパックになってる安モンで結構。

こやつの片割れを水を切ってひとまず皿にのせる。これに、ここだけ少し贅沢というか、こだわって、業務スーパーで売ってるプラスチックの容器に入っててそのままカリカリ砕いて振りかける事の出来る岩塩をば、カリカリ砕き振りかけながら食すわけでありますが、これが実に良い!イイイイイー!何に良いかと言うともちろん日本酒常温コップ酒と非常に相性が良い!こ奴ら双方をば交互に口に運べばもう無限地獄、いくらでもいける、とは言ってもイイ歳だからそこはちゃんと自制が働くのでございますが。酒だって別に「獺祭」みたいな洗練された飲み心地の、高級吟醸酒なんてヤツは無用。菊正宗ピン紙パックで十分。

昔の文豪、内田百閒先生はなんでも毎日昼は同じ近所の店から取る、特にどうと言う事も無い、駄蕎麦ばかり飽きずに食べていたらしいのですが、こうした特別じゃない凡庸性てのが良いんですよ。私みたいなのが言うと、貧民の僻み、負け惜しみに聴こえるかもしれませんが、最近ホントに余所行きじゃない普通のってのに魅力を感じるんです。

この岩塩かけの丸かじりは他にも、ちくわ、かまぼこ、がんもどき、さつま揚げ等の練り物に、また人参、キュウリ、セロリ、アスパラ等の野菜にも試せそうで今後の展望が楽しみ。最後は、岩塩だけ舐るだけでいいなんてのになると本物。酒仙人になるのでしょうが。

TIFFANY&CO. (ティファニー) バイザヤード ペンダント ネックレス

さて、そう言った話の流れから行きつく先はご明察のとおりシンプルイズベストという結論の、これまたティファニーはバイザヤードのご案内。

まあ、こちらは岩塩かけて丸かじりってわけにはいきませんが、釣りはフナに始まりフナに終わるの例えのように、ジュエリーはバイザヤードネックレスに始まりバイザヤードネックレスで終わると言って過言ではない、優れものの宝飾品なのでございます。

まず大人になった第一歩、ファーストジュエリーとして多くのお嬢さんがまずその華奢な首にぶら下げ、その若さの輝きを一層引き立てるとともに、上品さ、清楚さの演出の手助けを致します。

TIFFANY&CO. (ティファニー) バイザヤード ペンダント ネックレス

さてそれから始まる人生山あり谷あり。その過程で豪華なジュエリーで全身をデコレートできるお方もおらる反面、せっかくのバイザヤードネックレスすら生活費の足しに手放さざるを得ない、艱難辛苦に見舞われるお方もございましょう。

さてどちらの道をたどりましても最後老境に差し掛かってまいりますと、前者は過度な装飾にも飽きて、いつでもどんな時でもTPOを選ばず使えるバイザヤードネックレスに、後者は何とか乗り越えた艱難辛苦、自分に対してのご褒美として泣く泣く手放したバイザヤードネックレスを失った時間を取り戻すかの如く再び買い求め、両者ともに落ち着いた老後を、もはや肌身離せぬお守りの如きものとなったバイザヤードネックレスの、そこだけが普通とは大きくかけ離れた眩いダイアモンドの輝きの庇護のもと、共に安らかに過ごされるのでございます。めでたしめでたし。

至高のクズダイヤ

Gimel(ギメル) ダイヤモンドリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

日本が世界に誇るジュエラー、ギメルの逸品。恐れ多くてコメントできません!嗚呼まばゆい(溜息)

作家の西村賢太さんが急逝されました。文壇の巨人、石原慎太郎、西村京太郎両先生のご逝去のはざまで、なにやらとばっちりを食った感じで、あまり大々的に報道もされませんが、まだ54歳という若さで私よりずっと若く、存命ならばまだまだ、文芸の道で活躍されるはずだったろうに、まことに惜しまれる死であります。

この方、中学卒業後、数々の肉体労働に従事しつつ、唯一の娯楽を読書に見出し、しかしその半面、文学とはおよそ無縁な無頼の生活を送り、その中で逮捕歴二回というなかなかの荒くれ者。そのような荒んだ生活の中でも、創作活動だけは几帳面に続け、これが功を奏して起死回生の芥川賞受賞という異例ずくめの経歴の持ち主なのであります。

作品内容は、無頼派、破滅型とその作風から呼ばれるように、その中学卒業から現在に至るまでのすさんだ生活を包み隠すことなく赤裸々にさらけ出した私小説。

お笑いの方面では、クズ芸人という分野が最近クロちゃんとかナダルなんて言う人の活躍によって確立されたようですが、その段でいくと、彼こそはまさにクズ作家。もう自身のダメな生活ぶりとか姑息な心根、さもしい根性、スケベな下心などを包み隠さずというよりむしろ露悪趣味的にひけらかし、どうだ最低だろ俺って、と開き直って見栄を切ってみせているかのような作風。

実際物語を読み進むうちに、あまりのクズっぷり、下衆野郎ぶりに苦笑がこみ上げてきて、それがクセになってしまうのが氏の作品の魅力。

元来、私小説などと言うと、どうもウジウジとしたネクラなイメージがついて回るのですが、この人の作品は、そんな雰囲気をすら突き抜けて、可笑しみさえ感じられるほど。何せ同じ芥川賞受賞作家でありパンクロックミュージシャンでもある町田康氏が文庫本の帯の推薦文で「激烈におもしろい」と書かれているからには、きっと激烈に面白いに違いあるまい。

ならば、世間の規範、道徳から大きく外れた、クズ人間の見本のような犯罪者の成れの果て、たとえば刑務所の受刑者などに一律に自分に関する作文を書かせたら同様の面白い小説ができ上るかと言うとさにあらず。どのような人間にも己惚れと言うものがある上に、思い上がり、勘違いがこれにプラスされ、実際の自分自身への採点は世間の評判よりも高く評価しがち。大概の人間の自分に関して書いたもの、例えば自伝なんて言うものは、自画自賛、自慢話のオンパレード。例え犯罪者であってもそういったところは同じ。あるいは、そういった自分自身に対する過剰な思い上がりのせいで犯罪を犯すと言ったこともございましょう。

Gimel(ギメル) ダイヤモンドリング

ところがこの西村氏、逮捕二回の経歴にも関わらず、極めて自分を冷徹な目で見つめ、まるで他人事のようにそのクズさ加減、ダメ男ぶりを惜しみなく披瀝しておられます。これはなかなか並みの人間にできる事ではございません。クズ人間の癖に大ぼらをふき、いかに自分は凄い人間かを吹聴する人間は履いて捨てるほどおりますけどね。

こういったクズ芸人やクズ作家の方々のように、他人を貶めたり、あげつらったり、批判したりせず、あくまでも自己を生贄にして、人間の業の深さを暴いていく捨て身の表現方法に、表現者としての潔さを感じるのはわたくしだけでありましょうか。

と、言う事で今回はクズ野郎ならぬ、クズダイヤのお話。

今でこそパヴェセッティングや中石の飾りとしての脇石に使われる小粒のダイアモンド、いわゆるメレダイアを称してクズダイヤなどと呼ぶ人はおりますまいが、わたくしが宝石屋に入社した昭和の時代には、こうしたメレダイアはクズダイヤと呼ばれる事がございました。実際我々売る側がそうした商品をわざわざ貶めるような表現はいくら何でもいたしませんが、お客さんの側が値引き交渉を有利に進める手段としての常套句によく用いられておりました。

Gimel(ギメル) ダイヤモンドリング

「んなもんな、なんぼ石目のっとるちゅたかてやで、所詮クズ石やんけ。んなもん値打なんかあらえんがな、正味の話、ちゃうけ兄ちゃん?」

などと、わたくしがまだ駆け出しの宝石屋新入社員のころ、当時まだ大阪に広く生息いたしおりました地域特有のガラの悪いおっちゃんによくそう言われたものでございます。

「何言うてはりますのん大将、腐っても鯛言うてね、いくら小まい言うたかてダイヤはダイヤや、クズなんて言うたらバチ当たりまっせ。よう見てもたら分かりますけど、この小さなダイヤかてきちんと58面体のブリリアントカットになってますんや。そんなガラスが割れた破片同様、ダイヤを砕いたカケラを集めてひっ付けたように言うてもうたらかないまへんな。

なんせダイヤモンドのカット言うのんは全部人間の手ぇでやってますんや。せやからね、ダイヤが小さくなればなるほど大変なんですわ、もう熟練の技が要求されますねん。分かりますやろこの道理。大将も昔ご飯残したらお母ちゃんに叱られましたやろ。お米の一粒一粒にお百姓さんの苦労が詰まっとる言うて。もうそれ以上にこの細かい芥子粒みたいなダイヤモンドの一個一個にはダイヤモンドカッターの職人魂が注入されてますんや」

と、あたふたしてビビりまくっている新入社員のわたくしに、当時の店長が助け舟を出してくれたものです。

Gimel(ギメル) ダイヤモンドリング

さて、こちらのギメル社製パヴェセッティングに留まっておりますクズダイヤは、もうこれ以上ないというくらい最高のクズダイヤ。

例えばこの中の一つをランダムに選び、魔法の力で10倍ほどの大きさに拡大したと致しましょう。するとたちまち婚約指輪に留められるクラスのダイアモンドが出来上がるという寸法。しかも、その大きさでそのクラスのダイアモンド、高品質とはいえ、手に入れようとすれば比較的安易に手に入るのに比べ、この小さいサイズの高品質のメレダイアというのは、なかなかおいそれとは手に入らない。一個でも何かの拍子に硬いものにでも当てて、飛ばして紛失しようものなら大変。近いクラスでごまかせれば構わない言う人は贔屓の宝石屋か百貨店さんに頼めば何とか間に合うでしょうが、同品質でないと納得できないとおっしゃる、こだわりのジェムマニアの方はもうギメルさんに直々お願いするしか手がない。そんなにすごい西村賢太級のクズダイヤなんでございますよ。

Gimel(ギメル) ダイヤモンドリング

何?例えが変?いやーあれだけのブリリアントなクズ作家はもう出ませんから、希少価値としては同等と言う意味でございます。まったく惜しい才能でございます。合掌

さんごの紅はおなごの血ぃの色え

サンゴ ダイアリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

ええべべ着せてもろてこの指輪挿してもろたら三国一の別嬪さんや

考えれば、今からもう四十年も昔になってしまいましたが、DCブランドムーブといって、国内の服飾デザイナーが軒並み自らのオリジナルブランドを立ち上げ、それに当時の若人の人気が集まり、皆こぞってそんなブランドの服を買いあさると言った風潮が生まれたのでございます。

そのようなブランドのお店は、それまでの既存の洋装店のイメージとは大幅に異なり、コンクリート打ちっぱなし風のアートなインテリアの中央に、唐突に宙に浮いた一枚物の板を使ったテーブルが出現し、その上に洋服のコーディネート一式が大胆に陳列されていて、さらにはそのバックには環境音楽などと呼ばれるアンビエントな雰囲気の曲を流すあたかも美術館のような演出。徹底したイメージ戦略に則った販売方法を取っていたのであります。

もちろん接客に当たる売り子も、それまでの無粋な事務員風制服から、自らのブランドのワードローブでかっこよく装い、動くマネキンとしての機能が与えられ、その名もハウスマヌカンなどと呼ばれ一種憧れの職業ともなっておりました。実際そういった風潮を揶揄し、おちょくった、「夜霧のハウスマヌカン」なんて言う歌さえ発売され、そこそこのヒットを記録したことを覚えております。

そう言ったブランドの主だったところと言えば、コムデギャルソン、ケンゾー、イッセーミヤケ、ビギ、タケオキクチ、ニコル、ピンクハウス、ワイズ、コムサデモード、ジュンコシマダ、アーストンボラージュ等々。未だに健在なブランドもあれば消滅してしまったところもあるようで、四十年の時代の趨勢を感ぜずにはおれません。

わたくしも当時は二十代、お姉ちゃんにモテたい盛りの独身チャラ男でしたから、安月給の中からなんとか資金を工面し、こういったブランドの服を購入し、夜な夜な、これもその頃流行りのディスコティークへと繰り出したものでございます。

サンゴ ダイアリング

こういった洋服を身にまとうには、最初はそういったお店の、文化服装学院やモード学院なんかを出たハウスマヌカンのお兄ちゃんやお姉ちゃんに言われるがままに購入に及んでおりましたものが、そのうち自分でもファッション雑誌を購入し色々と研究していくうちに、今度は自らが自分の好みでコーディネートしていきたくなってくるのが人情。

タケオキクチのジャケットにビギのシャツ、メルローズのパンツにチャーチのウィングチップの靴、そしてノックスの中折れ帽。今でこそ帽子を被る人も増えましたが、その頃は皆無に近く、せいぜいが定年退職前後の爺さんくらいでしたからずいぶん奇異な目で見られましたねー。会社の上司には「お前はチンドン屋か?」などと叱責されたものでございます。

サンゴ ダイアリング

さて、頭の先からつま先まで決まったところで、どうもネクタイがなかなか決まらない。いろんなブランドを物色するも、これはと言うものが見つからない。

ネクタイ訪ねて三千里、様々なお店を訪ね歩き、今でいうところのセレクトショップ、確かテイジンメンズショップだったかと思いますが、で出会いましたのがイギリスの女性デザイナー、マーガレット・ハウェルのネクタイ。今のハウエルの商品ラインナップをネットでチェックしてみたところ、現在のネクタイの柄はいかにもイギリスっぽいオーセンティックな柄が多く見受けられるのですが、当時は非常に奇抜というか、まるで着物の柄か、日本画のような和柄が多く、それが実にぶっ飛んだ感じで、いっぺんに気に入り、二三本まとめて購入致しました。

その結果、会社の上役や先輩はおろか、同僚社員からも、お爺さんのを借りてきたのかとか、京都西陣のお土産か、などとからかわれ嘲笑の的。しかしそういったDCブランドのお店のお兄さん、お姉さんたちには大ウケ。「あーっ、ハウエルですかー良いとこ目ぇつけましたねー!」なんてプロから褒められて鼻高々。もちろんそういった柄がDCブランドのお洋服のアートなデザインとの相性が不思議なくらいバッチシ合い、女の子のウケも上々の首尾。

サンゴ ダイアリング

さてそこで今回、ファッションコンシャスはそこそこ高いも、手元不如意で古着しか買えぬ情けない落ち目のわたくしではございますが、昔取った篠塚ならぬ杵柄、お洒落番長とまでは行きませんが、お洒落チンピラ、半グレのわたくしが強くおすすめいたしたいのが、こちらの珊瑚の指輪なのでございます。

およそ凡庸なジュエラーならこういった、櫛笄簪と言った和の伝統と切っても離せぬ珊瑚という宝石材を目にした途端、和の装いに頭が行き、お着物をお召の節には是非なんぞとつまらぬことを言うのでありますが、そんな売りか方こそは自ら墓穴を掘るがごとき愚行。なんとなれば、昨今、お着物をお召になる方など、ほんの一握りの少数派。ほとんどの女性は人生において着物を着る経験は、成人式と結婚式のお色直しのみ。せっかくのこんなに美しい風情のある宝石をそんな狭いカテゴリーに閉じ込めてはあまりにも気の毒、罰が当たるというもの。

サンゴ ダイアリング

さて、こちらダイアが細かく彫留されているリング枠にこじんまり収まっております赤珊瑚の珠。いかにも南天の実のような真っ赤に熟した様子が実に和の風情を漂わせる、魅力的な宝石なのですが、こういったものを唐突に西欧風ファッションの中にイレギュラーに組み込むことによって、装いの中に生まれる予定調和的退屈さをつき崩す、一種料理に用いるスパイスの様な働きが期待できるのでございます。

伝説のジャズピアニストにして偉大なコンポーザーでもあるセロニアス・モンクの演奏スタイルは、初めてそれを耳にした人には不協和音混じりの稚拙な演奏に聴こえかねません。あるいは、伝説のロックギタリスト、ジミ・ヘンドリクスの暴力的な雑音、ノイズとも言える演奏スタイル。この二人の音楽に共通しているものは、見かけ上のイレギュラー、変則的なものの根底にある美しい芸術性なのであります。

それと同様、イレギュラー、異質なものを敢えて自らの装いの中にわずか加えることによって、全体の本質、ファッションコンセプトをより鮮明に浮かびあがらせるというお洒落上級者の必殺ワザ。

ひとつこちらの指輪でお試しになりませんこと?

もののけ姫の置き土産

ルビーボディピアス

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

オリジナルボディピアス好評につき価格据え置きの第二弾!色石もあるでよ、買ってちょんまげ!

まあ、年老いた身ぃですよって、自分で動画撮影してそれを投稿するなんてムツカシ事は到底無理な話なんで、ユーチューバーになって巨万の富を得るなどと言う事は夢のまた夢。ほんでも、見る方は熱心な視聴者なのですよ、正味の話。

通勤途中の電車の中はもちろん、自宅でも最近はテレビを見るより、ユーチューブを見ている時間の方が長いようになってまいりました。

お気に入りのチャンネルは色々あるのですが、まず、教養、見聞を広める為には中田敦彦さんのYouTube大学。休みの日のお料理作りの助けになるのはリュウジのバズレシピ、料理研究家コウケンテツ公式チャンネル、奥園千恵子の日めくりレシピ。裏社会の情報収集には(なんの為?)懲役太郎チャンネルに竹垣悟チャンネル。お笑い関係ですと、中川家チャンネル、落語チャンネル。野球ネタではフルタの方程式に江川卓のたかされ、肩がこったら腰痛・肩こり駆け込み寺チャンネル。

料理など作ります時は、動画を流しながら先生の動作所作を追いつつも、材料の分量紹介のところは一時停止。重要なところは、何回も繰り返し再生すれば失敗もおのずと減ると言うもの。

パソコンやスマホの見すぎで眼精疲労や肩こりになれば、腰痛・肩こり駆け込み寺、山内義弘先生のご指導の元、自分で行う整体をわが身に施す。

帰りの電車じゃコップ酒片手に中川家のお笑いや、細かくて伝わらないモノマネなんかを見ながら独りほくそ笑み、他の乗客から不審者ではないかと疑われ、白い目で見られながら家路をたどる。

ルビーボディピアス

あと、今の人がホント羨ましいと思うのが、YouTubeにおける英語教育チャンネルの充実ぶり。ネイティブの綺麗なお姉ちゃんやイカツイおっさん、ありとあらゆる方が為になる英語レッスンを繰り広げてくれてます。こういうのが私の若い頃にあれば、20代に大型書店の英語教材のキャッチセールスのお姉ちゃんにまんまとひっかかり、高額英語教材カセットテープ計50本をローンで購入させられる失敗は無かったろうにと悔やまれます。

まあ、英語は手遅れとしても、老いぼれの身ながらも、結構YouTubeライフを満喫しているのですが、最近よく視聴させていただいてるのが、冒頭にも上げました中田敦彦さんのYouTube大学。

中田さんと言うとお笑いコンビ、オリエンタルラジオの片割れとして有名なのですが、お笑いの時のパーフェクトヒューマンなんていうネタは、年寄りの私にはもう先鋭すぎて近寄りがたかったのですが、YouTubeのチャンネルは実に面白い。というかタメになります。時事ネタからアニメーション、世界史から日本史、スピリチュアルな内容があるかと思えば都市伝説。様々なテーマをホワイトボード一つで池上彰さん風に分かりやすく、もちろんお笑いの要素もふんだんに盛り込みながら解説してくれて、どのお話も無知蒙昧無味乾燥なわたくしには目から鱗の大変為になるチャンネルなのでございます。

ルビーボディピアス

さて、最近観た中田さんの動画で特に面白かったのが、かのスタジオジブリ宮崎駿監督不朽の名作「もののけ姫」の解説。

スタジオジブリの作品は、我が家の娘たちも大好きで何回も観ているのですが、この作品は血しぶき上がる残酷な描写の場面が多い加減か、あまり見たことが無かったのですが、今回の解説で物語の時代背景から、そのあらまし、そして宮崎駿監督がこの作品を通じて訴えたかった事など、大変よくわかりました。

また、この物語は当マルヨ及び販売店のドゥペールノエルに何やら深いえにしを感じずにはいられない点がある事をも気づかせてくれたのでございます。

ルビーボディピアス

まず、なんといってもドゥペールノエルのトレードマーク。よく鹿と間違われるのですが、これはトナカイを模ったマーク。これはドゥペールノエル=サンタクロースに因んで、サンタに関係のある動物と言う事でトレードマークとして採用されたらしいのですが、実はこれはこの「もののけ姫」に出てくる生と死をつかさどる森の神、シシ神のシルエットにまさに生き写し。

さてはジブリの野郎パクりやがったな。えっ?むこうのんが先・・・・。ま、他人の空似言うやつね、きっと、うん。

ほんでもう一つの共通点がなんとこの映画の題名にもなっている、もののけ姫そのもの。

実はこのもののけ姫というのは、シシ神の森を守る犬神、モロの君という大きなメスの山犬に育てられた野生女児で、その山犬たちとともにシシ神の森を侵略せんとする人間たちと、まさに男勝り、勇猛果敢に戦っているのですが、その名前がサンというのでございます。

ルビーボディピアス

実は、このサンと名乗る女性が当店にも以前SEとして在籍いたしていたのでございます。

もちろん本名ではございませんが、お気づきの方のおられるかと存じますが、当店社員が順番でブログを書いており、その際皆文末にニックネームなりイニシャルを書き込むようになっておりまして、そのニックネームがまさしくSUN=サンだったのでございます。

わたくしのハリー中野は、最寄駅、針中野に因んでのことですし、他のメンバーも大体が普段のニックネームだったり、イニシャルでそのニックネームの起源は明解なのですが、このSUNさんだけは意味が不明。

なんで太陽なんやろ?ひょっとすると岡本太郎画伯の熱烈な信奉者なのか、あるいは熱心な神道の信者で、太陽の化身天照大神を自らに重ね合わせているのかと思っておりましたところ、今回の中田敦彦先生のYouTube大学で目から鱗、「あっ、そうやったんか!なるほどサンや、もののけ姫や!」と納得がいったのでございます。

実際のところ、このSEの方のお陰で現在の当社のネット販売やシステム管理の礎が築けたといって過言ではなく、多大な功績、恩恵を残して退社されたのですが、実はこの方、大手都市銀行や海外での勤務経験など幅広いキャリア経験をお持ちの女性で、その仕事に対する意識も非常に崇高でプロフェッショナルそのもの。こと仕事に対しての真摯な態度、妥協を許さぬ厳しい姿勢は、正にシシ神の森を守る山犬の娘もののけ姫そのもの。わたくしの如き商店育ちのひねくれお店者根性の雌犬の息子は、もはや畏敬の念で委縮して声をかける事もはばかられる、恐れ多い存在だったのでございます。

なるほどご本人もこの名をご自身に冠することによって、もののけ姫にご自身を投影されて、裂ぱくの気合を持って、自らに課せられた任務にあたっておられたのであるのか、なるほどなーと改めて感心得心するわけであります。と申しましても、またこれも夢想家のわたくしの何時もの勘違いであるやも分かりませんから、その節は何卒ご容赦のほどを。

さてその、もののけ姫サンさんの発案で開発いたしましたのが、こちらの貴金属を用い本物の天然石を使った本格派ジュエリーのボディーピアスなのでございます。

ボディーピアスとして巷に流通しているものの多くがシルバーやステンレス素材のアクセサリー感覚のものが多い中、きっと本物志向で貴金属、天然石を求める需要もあるはず。ニッチなマーケットで参入業者も今のところ多くなさそうだから、一つ試しに作ってみたらどうかという、さすがキャリアウーマン、一流企業商品開発会議もかくやと言った提案によって作り上げましたる、驚き!質屋が作った新品商品がこちらなのでございます。

ルビーボディピアス

以前もこちらの商品はご紹介いたしましたので細かい製造の過程は割愛いたしますが、前回ご紹介いたしましたものに引きつづき、今回はルビーのご紹介。

第一弾制作のダイアモンドボディーピアスの成功に気を良くし、それならば色石もと手を広げて新たな分野へのチャレンジとなったのがこちら天然石ルビーを用いましたるプラチナのボディーピアスでございます。

ルビーボディピアス

ダイアモンドも良いけどたまには気分転換にこういった赤い宝石をへそにでも挿してみるのも良いんじゃないでしょうか?ほかに18金のパターンや、ブルーサファイアのボディーピアス、こちらもプラチナ、18金両方を取り揃えておりますので、すべてをそろえていただき身体の各パーツに分散してお飾りいただくのも一興かと存じます。

荒ぶる魂もののけ姫の置き土産、ボディーピアスはいらんかね?

白珊瑚はホワイトチョコのフレーバー

白サンゴ サファイア ダイヤ ペンダント

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

サンゴと言えば赤という常識を覆す衝撃的事実を見る者に与えるペンダント

有名な俳優さんがお亡くなりになりますと、多く寄せられますお悔やみや追悼の言葉の中によく見かけるのが、故人は撮影に入る前には台本が完ぺきに頭に入っていて、どんな長台詞もNGを出す事なく、パーフェクトにこなされてた、と言うもの。

私なんぞは元々脳みそのメモリー容量が低いのか、子供のころから物覚えが悪く、それが為の学業不振。結句中卒で世に出たなり、肉体労働を振り出しに生涯下男下足番足軽と言った下働きの身に甘んじておりますゆえ、こういう記事を目にするたびに感心することしきり。我ながら、生まれついたる美貌頼りの早とちりで、間違って役者の道に進まず良かったものよなーと安堵の胸をなでおろすわけでございます。

しかし上には上があるもの。いくら長台詞とはいえ、それはドラマ全体の構成からすればほんの一部分。それに引き換え、講釈師や落語家なんかになりますと、もうすべての登場人物のセリフはもとより、劇中のナレーションから、落語で言うところの枕と呼ばれる導入部分の漫談みたいなものまでを演者一人がこなさなければならないわけでございますから、正に劇団ひとり、これを驚異と言わずしてなんと言えばよいのでしょう。

昨今のお笑いブームの陰の隠れ、落語、講談といった寄席芸はどうも下火に見られがちですが、そこに彗星のように登場したのが講釈師神田伯山。講談界の救世主とも呼ばれる関東寄席芸随一の人気者。実際、今まで講談なんか見たことも聞いたことも無かった人が、その公演を一目見たらいっぺんで引き込まれてしまうというほどの力量の持ち主。

実際落語の枕に当たる話の出だしでは、落語同様面白おかしくユーモアを交えて、お客の緊張をほぐすと同時に、その興味を自分の方に手繰り寄せていく。そしていざ本題に入りますと、釈台という演者の目の前にあるちゃぶ台の様な机を張り扇でもって叩きながら調子を取って、小気味よく話が進行していく。そして物語のクライマックスともなると、もう鬼気迫る快演で、観客はその迫力に圧倒されて息もできぬ程。

こういった素晴らしい話芸を、わざわざ東京の末広亭とかに赴かずとも鑑賞できますのはひとえにYouTubeのおかげ。

白サンゴ サファイア ダイヤ ペンダント

さて、話芸のもう一方の雄、落語はというと、こちらも以前からYouTubeの方で楽しませていただいておりまして、なかでもわたくしお気に入りの噺家さんが、今はもうお亡くなりになって実際の舞台は拝見できませんが、これもYouTubeの恩恵でもって、そこに居てるかの如く楽しめる、古今亭志ん朝師匠の高座。

この古今亭志ん朝という噺家さんは、お父さんも大した噺家さんで、昭和の名人と呼ばれた古今亭志ん生師匠。近頃の林家三平さんの笑点クビ騒動一つ取りましても、親が名人でも子が名人になる保証はどこにもない。舞台へ上がれば孤立無援、自分の腕一つが頼りですから、名人が二代続くというのは実に稀な事。

親父さんの志ん生師匠というのは、一日で酒を一升飲んだというウワバミで、なんと朝っぱらから酒くらって、その合間にお笑いの一席を挟んでるというほど。時には噺の途中で酔っ払って寝てしまう事があったらしいのですが、それを見ても見物が怒らない。逆に「今日は良いもんが見れたよ、志ん生の野郎寝てやがんの噺の途中でさあ。寝るとは聞いてたが、ついにお目にかかったよ。いやー良い日に当たったよ!」なんて言われるくらいの実に愛嬌のあるキャラクターで、江戸っ子に大層愛された噺家さんだったそうでございます。

白サンゴ サファイア ダイヤ ペンダント

さて、息子の志ん朝師匠はどうかというと、もちろん親譲りの親しみやすいキャラクター。そのせいか若い頃からテレビの時代劇なんかに三枚目の同心役、岡っ引き役なんかで役者としても引っ張りだこ。

それに加えて落語のウデはオヤジさんを凌駕するくらいの実力。その話すテンポの軽妙な事と言ったら江戸落語の真髄に触れようかという醍醐味。それに加えてテレビドラマで鍛えられた演技力。そして舞台に登場しただけでお客を包み込む明るい雰囲気。なにせあの気難しい立川流家元の談志師匠をして当代一の噺家と言わしめたのですからもうお墨付き、正真正銘の名人

さて、この師匠、もちろん持ちネタも豊富なのですが、その中でも得意としてたのが廓話(くるわばなし)。

何だその廓(くるわ)というのは?と今のお若い方だと意味が通じない。それは遊郭の事ですよ、と言ってもその遊郭が分からない。だからね下衆な言葉で言うとつまり淫売窟です、なんて言っても通らない。つまり、平たく言えば娼婦が春をひさぐ場所を提供する商いです、なんて言ったらますます混乱する。なぜか?それは今の世の中にそのようなものが存在しないからなんですね。

白サンゴ サファイア ダイヤ ペンダント

いや、もちろんそのような商取引が引き続き令和の現在も存続いたしていることは間違いのない事実なのですが、現在の日本の法律では1956年売春防止法交付以来、表向きはこういった商いは固く禁じられておりますゆえ、そのような商売を堂々と看板を掲げて行うことは不可能。ですからこのようなイリーガルなビジネスは様々な商売、例えば旅館、料亭、風呂屋、飲み屋、按摩屋、たこ焼き屋、ファーストフード店、コンビニ等を隠れ蓑として、自由恋愛の建前を装い、隠密裏に行われているのでございます。

そんなわけで、例えば吉原などを舞台とした、花魁と客との駆け引きの妙味を味わう廓話を楽むには、この時代はあまりにも情報不足、せっかくの粋で滑稽なお噺の内容自体が分からなくなってしまい、そのうち演ずる人とていなくなるのでございましょう。誠に残念な事でございます。

さて、これと同様宝飾品の中にも、消えゆく運命のものがございます。

こちらのペンダントをご覧下さいませ。結構大ぶりな造りで、淵に透明できらびやかなダイアモンドと冴えたブルーのサファイアがちりばめられ、ムラのない乳白色の、ツヤ感のあるホワイトチョコレートの様な宝石が中央にセットされております。裏には光隆というメーカーの名の刻印とともに、非常に細かい模様の手の込んだ裏打ちがなされております。

白サンゴ サファイア ダイヤ ペンダント

こちらを最初見ました時は、一瞬中央の乳白色の宝石は象牙ではないかと訝ったのでございます。もしそうなら、野生動物保護の観点から国際的な取り決めとなっているワシントン条約に抵触しますゆえ、日本国内では象牙・象牙製品の商業取引は原則禁止されており、限定的な条件の下でのみ商業取引することが可能となっていますが、もちろん当店が唯一販売の窓口とする楽天さんでの販売はできません。

そういう制限があるため現在象牙を使ったジュエリーと言うものを製造している国内メーカーと言うものはまず存在しないはずなのですが、なにせ中古品の事、ひょっとして昔作られたモノではと疑ってみたものの、よく見れば果たして幸いこちらはサンゴと判明。赤やピンクのサンゴは馴染みがありますが、白いサンゴは珍しい。珍しいこともあって結構市場では高値で取引されているらしいいのですが、こちらサンゴですら安心してうかうかはしてはおれません。

白サンゴ サファイア ダイヤ ペンダント

このような生物由来の宝飾品は、先の象牙や、タイマイと呼ばれるウミガメの甲羅であるべっ甲のように、環境保護の下、いつ取引が禁止されるか知れません。同じ生物から生み出される真珠は養殖と言って半分は人間が拵えているようなものですから、滅多製造中止になることは無いでしょうが、サンゴは完全に天然由来。昨今の海洋汚染と地球温暖化によりサンゴの生息域は狭まる一方。いつお上からきついお達しがあって禁輸、生産中止のお触れが出るや分かったもんじゃございません。

そういう意味ではギメルの品物ではございませんが、こういった珍しい白いサンゴのジュエリーも未来のアンティークたり得るのではないでしょうか?こういうのを今、しかも中古でお安くご購入なさる事を、先見の明があるっていうんでございますよ。奥様

私をクラブに連れてって!

Gimel(ギメル) イエローベリル ダイヤ ブローチ

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

ルネ・ラリックを脅かすギメルの傑作

あれ!シャチョ―、旦那、お久しぶりでござんすねー。近頃めっきりお見限りで。もう、こちとらすっかり見捨てられちまったかと思って、先だってもカカアと首くくる相談してたとこなんすよ。

えっ、なぜって?野暮な事を言っちゃいけませんやね。社長の御贔屓が無いことにゃ、こちとら窯の蓋も開かないもんだから、毎日のおまんまにも事欠くありさまで、こんなことならもういっそ二人であの世でも行って添い遂げようつってね。

なに?もう添い遂げてるって?なるほど、そうにちげーねー、どーもそそっかしくていけねーや。で、なんの話でしたっけ、あっ、そうそう窯の蓋も開かないからおまんまの食い上げってことで、やい!どーしてくれんだちくしょーめ、この野郎―!

って、冗談ですからね。怒っちゃいやですよ旦那、大社長、よっ!

そうそう、肝心な事を言いそびれるとこだった、いけねーいけねー。

いやね旦那、良―ぃ掘り出しモンが入ったんでございますよ!

Gimel(ギメル) イエローベリル ダイヤ ブローチ

なに?お前の掘り出し物は当てにならねー?冗談言っちゃいけませんよ、こう見えても嘘と坊主の頭はゆった事がねーんだべらぼーめ。見くびってもらっちゃ困りますぜ旦那、事と次第によっちゃいくら旦那と言えど勘弁しませんよ。

なに?そう気色ばむな、冗談だハハハって、笑ってやがる。相変わらず人が悪いよ、旦那。あまり莫迦を気安くからかうもんじゃありませんぜ。

そうそう、掘り出し品の話だ。さあ、その掘り出し品てのがこれだ。さ、どーだい、とっくりと見てくんねー、なかなかオツなもんでげしょこのシナモノ?ぐうの音も出ないってとこじゃないっすか?

え、なんだそれって、見ての通り蜂でござんす、カエルに見えますかってんだこれが?蜂は分かっている、その蜂がどうしただって?何だ、社長何にもわかっちゃいないね、まいっちゃうよー。それでよく大会社の社長が務まるもんだ、あきれ返っちゃうねホント。なに?CEOだ、知らねーや横文字なんざ。

Gimel(ギメル) イエローベリル ダイヤ ブローチ

これはね、日本が世界に誇るギメルっていう宝飾メーカーのピンブローチでさ。どう?びっくりした?なに?ギメルってなんだって?ダメだこりゃ。

あんたギメルも知らないの?あっしらのようなしみったれた貧乏長屋に住んでる町人ならいざ知らず、社長ってからにはあんたブルジョワだろ?知らないなんて言ったら恥だよ。笑われるよ。大恥巨泉もいいとこ。恥ずかしーねーこの人は。

ま、知らねーんだったら教えてやっけど、このギメルってメーカーは例の皇室御用達のミキモトと並び称される日本が世界に誇る宝飾メーカーなの。なんせ本社が日本のビバリーヒルズって呼び声も高い芦屋の六麓荘ってとこにあるってーから凄げーだろ。なに、近所の苦楽園ってとこに住んでんのアンタも、凄いね!じゃ余計に知っとかなきゃダメじゃない、ご近所のよしみで。

Gimel(ギメル) イエローベリル ダイヤ ブローチ

なに?あそこは豪邸ばっかりでそんな工場みたいなモン無いぞって、そりゃあるもんですか。多分そこ一件だけでしょ。元々がお金持ちの芦屋マダムの趣味が高じて宝石作り出したのが始まりだそうだから、俺たち貧乏人が狭い裏庭にバラックおっ立ってて、趣味の日曜大工の作業場にするのといっしょで、それがたまたま六麓荘って場所だったんだろーさ、知らねーけど。

なにせね、ここの品物は未来のアンティークジュエリーって呼ばれてるくらいで、これから先の百年か二百年後か知らねーけど、将来絶対アンティークとしての値打ちが出る事間違いないってくらいすごいもんなんだ。言わば未公開株の先物買いみたいなもんさね。

それが証拠に、見てくださいよこの蜂のサマ。今にも蜜を吸いに花に留まろうとしている様子みたいでいじらしいじゃござんせんか。

そしてこの羽に留めてあるダイアモンド。これ以上ないってくらいの高品質のメレダイアモンドを大きさをわざと違えてランダムに留めてあるってとこがミソだ。この細工できっと羽の躍動感を出そうっていう狙いだね。

そしてこのイエローベリルの胴体がいい仕事をしている。まろやかな円錐形に切り出された透明のベリルが見る角度や、光の加減で実際の蜂の胴体みたく微かに縞模様が浮かび上がる仕掛けでござんす、どうです参った?

Gimel(ギメル) イエローベリル ダイヤ ブローチ

ま、そのアンティークとして将来値打ちが出るかどーかは保証の限りじゃございませんが、これ着けて旦那のよく行く銀座や新地のクラブ行ってごらんよ、もう女の子からの受けが断然違うのは間違いないね。ゼニアのスーツにエルメスのネクタイバッグ財布一式で決めて、パッテックの時計腕に巻いてるからって安心してちゃダメですよ。来る客みんながみんなそうなんだから。それにプラスアルファ―の小粋なナリしてかないとモテませんぜ百戦錬磨のお姉チャン達にゃ。

なに?お姉チャンにその品物の素性が分かるかだって?当り前じゃござんせんか!あの人達の博識ぶりはそんじょそこいらの並みの人間を遥かに凌ぐってんだから。みんながみんなお化粧した池上彰みたいなもんだぜ旦那。なに?気味が悪い。例えですよ、例え、そのまんまを想像してどーすんだよ。

なんせね、来るお客みんなが社長みたいな企業家だったり政治家だったり教祖だったり裏社会の大親分だったりだから、ちゃんとそれぞれに話を合わせられるように、フォーブスから実話ナックルズまで隈なく目を通して勉強してるってこった。それに加えてのブランドの知識が半端ねー。こちらの知識はなんと二段構えになってるっていうから恐ろしい。

一番目はお客が身に着けてる高級な服やら身の周りの品物、これらを賛美していい気持ちにさせる為の業務用知識。高級紳士服、靴、時計、バッグ、それに香水の香りや補聴器の銘柄まで。これらの知識を幅広く頭に入れとかなきゃいけない。向こうが得意げに自慢してくる前に褒めてこそ手柄だ。「あら、このお時計、リシャールミルじゃございませんの、シャチョー、センセ、素敵!」ってね。そんな時計が買えるあなたの甲斐性が素敵ってこってすよ、この場合の素敵は。

で、二段構え二つ目のブランド知識が、実際に自分で欲しいモノの方の知識さね。平たく言やーオネダリする方のリストでござんすよ。こちらはもう出勤前の美容室で各種ファッション誌での予習復習が日課になってますからね。

Gimel(ギメル) イエローベリル ダイヤ ブローチ

さて、それでだ、夜の街で受けがいいのが、こちら二つ目のリストに入っていそうなものを身に着けるのがコツなんですよ。いくら、言葉の上で褒めてくれたって、機械式高級腕時計なんてモンには女は基本興味無いの、分かる?せいぜいが質屋に持ってったらいくらで売れるだろうってのが関の山。

ところが宝石、ジュエリーなんてのになると実際自分でも着けてたりするから、とても身近で親近感が湧いて、所有欲も半端ないわけでございますよ。銀座や新地のお姉さんがさりげなく着けてる、シャチョーから見たら何の変哲もないダイヤのファッションリングでも、そういう高級な場所でお勤めの女の子の持ち物ってものはしっかりした、素性の良い、こだわりの逸品てのがほとんど。指輪の腕の裏には、例えばこちらの蜂のお仲間だったら、恭しく"Gimel"って刻印が入ってるわけ。

だからそんなの着けた娘がさ、この蜂が社長のスキャバルの生地の背広の襟にちょこんととまってるの見たらさ、もうキャー、可愛-!ってなっちゃうって寸法。もちろん男女兼用で着けられっから、その場でオネダリされるかもわかんないよー。「シャチョー、これ私にちょーだーい!」って、弱っちゃうな―って?なにニヤケてんだよ、買いもしないうちから。

Gimel(ギメル) イエローベリル ダイヤ ブローチ

いいだろ?ね?さ、買っとくんなさい。なに?ちょっと考えさせてくれって。そりゃいいけど考えてるうちに売れちゃうよ。なにせこの手の高級ピンブローチってモノは、こっちがあきれるほど足が速いの。入荷した尻から売れてくからびっくりしちゃうよ。

この蜂の前にも、これも国産だけどモノが良いので評判のチャーってとこの高いピンブローチが三つあったんだけど、立て続けにあっと言う間に売れちゃったんだから。みんなお姉チャンにモテたいんだろーねぇ。こっちも野郎だからその気持ちわかるけどさー。一度はこんなの着けて、お姉チャンにちやほやされる身分になってみたいもんだよ、まったく。

良いの?買っとかなくて、知らないよ売れちゃっても、これ一個きゃ無いんだから。売れたら今度いつ入ってくるか知れたもんじゃないんだから。ホント知らないよ売れちゃっても。

妄想かき立てられる魅惑の宝石

ルビー エメラルド ダイヤ ペンダント

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

これ見て一瞬で良いものってお分かりになる人は、これまで結構な授業料をお支払いの事と推察致します

楽天さんで中古宝石を細々と販売させていただいているのですが、通常、売れた商品に関してどんなお方が購入したかなんて、いちいち詮索などいたしません。しかし、たまに高額品や変わったデザインの商品なんかが売れると、こんな品物を実物もご覧にならず、パソコンやスマホの画面の写真だけを頼りに、いったいどんな方がご購入なさったんだろうかと気になります。

例えば、百万円を超える品物を写真だけでポンと買うなんて、余程の資産家に違いない。そういう方々と我々とでは金銭感覚自体がずれていて、我々の千円の感覚がこういう方は一万円か、そのまだ上の単位なんだよきっと。などと要らぬ想像を巡らせます。

あるいはまた、よく仕事帰りに立ち寄るスーパーのレジに、レジ係に相応しくない、と言えば語弊があるかもしれませんが、上品な、いかにも中流家庭かそれ以上の奥様然としたご婦人が立っていて、しかも見かけを裏切らない丁寧な言葉遣いと上品な身のこなしで接客をしている。

こうした、その場に相応しくない、場違いな人物を目の当たりにした時なんかも、またもや要らぬ野次馬根性が頭をもたげます。

いったいどんな不幸がこのご婦人の身に起こったのだろう。働き盛りのエリート社員の夫が不慮の事故または病気、ひょっとしてコロナなんかで急逝したため、家族の生活を支えるが為の慣れぬパート勤めか?それとも夫の浮気が原因の離婚による独り立ち?いや、実は奥さんの方の美徳のよろめき三島由紀夫。娘の家庭教師と不義密通の末、家庭を捨てて、まだ学生の身の青年と出奔駆け落ち逃避行のすえの四畳半一間暮らし。その背徳の蜜の味の生活を細腕一本で支えてるのか?

などと、いろいろあらぬことを妄想してしまうのでございます。

ルビー エメラルド ダイヤ ペンダント

さて、こういったあらぬ妄想が起動するのは、実は入荷する商品に関してもたまに起こるのでございます。

まあ、ブランド品に関しては、ちゃんと商品にご丁寧にも刻印までしてもらってますので、これの正体に関しての無駄な詮索は無用。ただし、廃盤なんかの商品になりますと、果たして何時ぐらいに製造販売されていたのかといった、詮索ではなく調査が必要となったりはいたしますが。

あと、一般的に市中に流通しております、所謂、国産のノンブランド商品というのも大体は、同じようなパターンの繰り返しと、それのアレンジによってデザインが展開されておりますゆえ、初めて見たようなデザインでも、だいたいは「あー、この品はあのデザインのこーゆー流れ、または進化系ね」みたいな感じで自然と腑に落ちるのでございます。

ところが、これからご紹介いたします、ご覧のルビーのペンダント、これが曲者。

ルビー エメラルド ダイヤ ペンダント

この商品、あたかも果実を模したようなプルンとしたカボッションカットの赤いルビーに、その葉っぱを想起させる緑鮮やかなエメラルドが可憐な風情で添えてある、実に可愛らしいデザイン。もう一見しただけで、先ほどのスーパーマーケットのレジ係の女性ではございませんが、素性の良さが明らかな品物。

ルビー エメラルド ダイヤ ペンダント

そこで、「ほう、いったいどこのブランドかね、お前さんは?おじさんに見せてご覧」などと商品に語り掛けながら品物の裏側を点検致します。だいたいブランドなり作家物なんかは裏側にその正体を明かす刻印が打ってあるはず。ところがこの商品、それが見当たらない。

「そうか、奥ゆかしく目立たないように、バチカンかペンダント枠側面に細かく打ってるに違いない」

そう思い、細部を確かめるもそれらしき刻印、ホールマークの類がまったく見当たらない。

「えっ、これってもしかしてブランドじゃなく一般のジュエリー?」

との疑念が浮かび、もう一度商品をルーペで細かく検分いたします。

ルビー エメラルド ダイヤ ペンダント

中石のカボッションルビーは当然カボッションにしてある理由として、透明ではなく半透明の結晶。しかし目立つインクルージョンや色むらも見当たらず、にごり気のない綺麗なルビー特有の赤色を呈しており、カボッションルビーとしては非の打ちどころがございません。

また、バチカンにあしらわれている三枚のエメラルドも、三つともがグリーンが冴えてきれいな色味。それらが綺麗に色目、形をそろえて、ルビーの赤を引き立てます。

ルビー エメラルド ダイヤ ペンダント

そしてルビーを三重に細かく取り巻くメレダイア。これがブランド製品と断定する決め手と言ってもいいほどの実に綺麗なメレダイアが使われているのでございます。実際このクラスのメレダイアは逆にブランドでなければ手配できないクラスなんだけどなー?

さらに謎が深まったところで再度、裏側の刻印を検分いたしましたところ、金性がK18とあります。さらにそれぞれの宝石の石目がきっちりとctマーク入りで打刻されております。このことから、この製品が国産のものであろうことが推測されます。なぜかというと海外の製品の場合18金は750と刻印されるのが一般的で、細かい脇石の刻印はおろか中石の刻印も無いのが普通。

ルビー エメラルド ダイヤ ペンダント

ペンダント裏側にも何かの紋章の様な模様をわざわざ細工してあることからしても、これは単なる一般ジュエリーでないことは確かなのですがさて、ではその正体とは?

さて、ここからわたくしの推測なのか妄想なのかが発動するのです。

このペンダントトップには元々ネックレスが付属していたはずで、実はそのネックレスの方にブランドなり作家なりの印があったのではないか?

あるいはまた、これは宝石にうるさい金満マダムが、この中石のカボッションルビーを先ず入手して、そののち完全オーダーメイドによって出入りの宝石商に、工賃の多寡には糸目をつけずに作らせたのではないか。

いや、これは都市伝説などによくある、世界を裏から支配する闇の秘密結社のメンバーにのみ許され配布される、その構成員の印。裏側に細工されている不思議な文様こそ、何を隠そう、その秘密結社の秘密のエンブレムなのである。

かくの如くに、次から次へと老ジュエラーの妄想を膨らませずにはおかない、魅力ある正体不明の本格ジュエリー。写真からでも商品のオーラが伝わるはず。

わかる人にはわかるよね!

ギメルのダイアはドッペルゲンガーの巻

Gimel(ギメル) ダイヤリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

どこにでもあるデザイン。でもギメルはその輝きで、一目で違いがわかります。

独り細道をとぼとぼと歩いていると、前から歩いてきた人と偶然目があった。すぐに知った人だと認識したのだが、誰だったか思い出せない。向こうもオレの事を知ってるようで、一瞬はっとしたのだが、あちらも同様、オレの事を見知ってはいるが、誰だかはっきりしない模様。

接近するにつれて相手の顔がはっきりしてきて、どうも同年配らしく、白髪交じりの髪の毛と無精ひげが口元を覆っている。多分昔どこかで会った事のある人なのか。お互い老けて、分かりにくくなってるに違いない。でも、どこだ、どこで会った。仕事関係あるいはもっと前の学生時代?思い出せ、思い出せよ、おい!と自分を叱咤しても記憶が蘇らない。

そうこうするうちに、とうとうすれ違うところまで来て、もう一度チラッと視線を向けると、向こうも同様で、目が合ってしまった。気まずい、と思う間もなくお互い行き過ぎてしまった。「あーっ、クソー!誰だっけ、絶対知ってるヤツやねんけどなー、アカン思い出されへん」。

振り返って確かめたい気持ちもあるが、向こうも同時に振り返ってたら、実に間の悪い事になる。何事もなかったように、そのまま行き過ごそうとしたとき、突然後方から声が掛かった。

「ちょっと」

「良かった!むこうが思い出してくれたんや」と思いこみ、「はい」と言うが早いか振り返ってみると、案の定、例の男が振り向いてこちらに向かって近づいてくるではないか。

オレは意味のない愛想笑いを浮かべ、彼の来るのを待ちながらも、早くその正体が知りたい気持ちを抑えきれず、うずうずして待っていると、突然彼が言い放った。

「ジブン、オレやんなー?」

「へっ?なんですって?」

「いや、あなたは、私ですよね?」

そ、そーやったんや!こいつはオレや!オレやがな、間違いない!どおりで知ってるわけや!なんや、しょーもな、って、ちゃうちゃう!何でや!何でオレが二人もおるねん!おかしいやろ!ありえへんやろ!いや、まて、ドッペルゲンガーいうの聞いたことあるぞ。この世には自分にそっくりな奴が三人いてるいう話。それや。でも待てよ自分のドッペルゲンガー見た奴は死ぬらしいやんけ、ヤバい!

上記思考が脳裏に一瞬でひらめくと、オレは恐怖のあまり大声で悲鳴を上げた、

「わーっ!!死ぬ―!」

自分の絶叫で目が覚めたオレは、しばらく寝床で茫然自失の体。

「けったいな夢やったなー、なんやったんや? あれ、なんや、もう起きる時間やんけ、けたくそ悪い朝の目覚めやなー」

などと独り言ちながら寝床を出て階下に降りる。珍しく家内がもう起きているらしくキッチンに人影が見えたので、

「今、けったいな夢見て、うなされて跳び起きたんや」と話しながら家内の方へ近づくと

「夢って、こんな夢か?」と言って、家内じゃなくオレがパテーションの陰から不意に現れた。

「わーっ!また出たー!」

言うが早いか動転したオレは、一目散に家から裸足のまま外へ飛びだした。

そこでさらに、信じられない光景を目の当たりにしたのだ。

なんと、外には幾人ものオレが、しかも今起き抜けの、パジャマ姿のオレそっくりそのままの姿かたちのオレどもが、三々五々同じ方角に向かって歩いているではないか。

その光景を目にしたオレは、もう絶叫することも忘れ、茫然と立ち尽くすのみ。

すると、ちょうど横を通り過ぎた一人のオレが不意に声をかけてきた。

「おい、何してんねん?行くぞ」

オレはびっくりして、その声をかけてきたオレに恐る恐る尋ねた。

「えっ、どこへ、何処へ行くんや?」

「バスに乗るんや」

「えっ?バス、バス乗って何処いくんねん?」

「知らんけど、とりあえず行こ」

もちろんオレはオレ自身の誘いを断る事など論理的にもできず、そのままオレの、いやオレたちの歩く方角へ、皆と同様パジャマ姿の夢遊病者のようにとぼとぼと歩みを進めていったのだった。

しばらくして大通りに出ると、大型バスが何台も列をなして駐車していた。

何台目かのバスの乗車口に、一人のこれまた同様のパジャマ姿のオレが立ち、乗車の差配をしていた。きっと奥のバスから順番にオレ達を段取り良く乗車させているのだろう。

「はーい、みんな、やなくてオレ等早よしてやー。このバスはもうじき満員になるからねー、あとのオレはこの前のんに乗って下さーい。乗ったら順番に奥から詰めてってねー、頼んます―」我ながら、何やら気の抜けた声とやる気のない態度。オレってこんな奴やったんかー、こんなんじゃ、そりゃアカンはなーと自嘲しつつバスに乗り込む。

「はい、このバスはこれでお終い。後のオレたちは前のバスに行くからねー」と言いながら、係員風のオレは前のバスに移動して行った。

最後の乗員となったオレは、バス前方の乗車口から乗り込んだ瞬間に思わず息をのみ込んだ。バスの後列から先頭の座席まで、全く一糸乱れぬ同じパジャマ姿のオレ全員がすべての座席を満たし、今最後に乗車してきたオレを見つめるが如く、前方の一点に視線を集中させ、身じろぎひとつせず静止していた。

その時、オレは一種、鳥肌たつような感動を持ってこの光景に目を奪われたのだった。

「なんか、壮観やなー!これだけ姿かたちの同じ人間が規則正しく並んで身動きひとつせんというのは、一種の規則性、連続性の美いうやつや」

「あれ!これって、これって、そうや指輪のパヴェ留めと一緒やん!」

と言う事で今回はギメルのダイアモンドパヴェセッティングリングのご紹介。

Gimel(ギメル) ダイヤリング

さて、むさくるしいパジャマ姿の老人でも、同質のものがある程度の数でまとまって規則正しく配置されますと、かくのごとき壮観な景色となるわけでございますから、これが美しいダイアモンドを規則正しく配置した場合のその荘厳なサマというものは、筆舌に尽くすことができません。

ご覧いただいておりますギメル社製ダイアモンドパヴェリングは、ダイアモンドがトータルで1キャラットとギメルのパヴェシリーズの中でもかなり小ぶりで質素な、気取らない普段使い用に作られた指輪でございましょう。ただ普段使い用と申しましても、さすがギメル、一切の手抜き、妥協はございません。

Gimel(ギメル) ダイヤリング

留められております全てのメレダイアは徹底した製品管理のもとで生産された工業製品かと疑うほどの一貫して相似の無色透明、良好なカット。これだけの良質のダイアモンドが揃うのは、余程力のある海外のダイアモンドサプライヤーからの供給があるのではないでしょうか。

その良質なダイアモンドの中から選びに選び抜いて、さらに均質にそろえたダイアモンドをギメル社の至宝、凄腕石留職人の手によって寸分たがわず、引っ掛かりのない見事な甲丸の盛り上がりを、上下左右歪み無くセットされております。

Gimel(ギメル) ダイヤリング

さらに驚くべきは、ダイアモンド自体の品質はまるでコピペしたかのように均質なのですが、ダイアのサイズはリング中央に膨らみを持たせたデザインに合わせて、微妙に中央に向かってそのサイズがグラデーション状に拡大しております。バスの中の私どもに例えるなら中央に席を占める私等が肥満体。前後部および窓際の席を占める私等がや痩せっぽちと言う感じですかね。

えっ、そんなしょうもないもんに例えんでもエエ、せっかくのギメルの値打ちが下がるて?

あほな事言いな、そんな事で値打ちの下がるギメルやないで。見てみ、中古言うてもこの輝き!ギメルの輝きは永遠に不滅です!

ゴンドラの唄が教えてくれるパールの使い方

アコヤパール ネックレス イヤリング セット

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

冠婚葬祭時場所を選ばず。備えあれば憂いなし。中古ジュエリーで上等!

"命短し恋せよ乙女、朱き唇褪せぬまに、熱き血潮の冷えぬまに、明日の月日はないものを"

と歌われる「ゴンドラの唄」は、今から100年以上昔、1915年(大正4年)に日本初のミュージカル女優と言われる増井須磨子が歌う劇中歌として、吉井勇・作詞/中山晋平・作曲によって生み出され、今も数々の歌手によって歌い継がれている日本が誇る名曲の一つであります。

また、この歌は銀幕の巨匠、黒澤明監督の名作「生きる」の中で、名優志村喬演ずる、癌に侵され余命いくばくもない、定年間際の市役所の市民課長が、自らの死を目前にして、ようやく生きる事の意味に目覚め、誰もいない雪の降る深夜の公園で、ブランコに独り腰掛けながら歌う、劇中のハイライトシーンの象徴ともいえる歌として取り上げられております。

黒澤監督の解釈では、歌にある恋の意味は、単なる色恋沙汰を遥かに超えた、生きる情熱、生きる目的と言う事でありましょうか。

さて、還暦をとうに過ぎ、老境へと足を踏み入れましたるわたくし、乙女ではございませんが、この歌がひしひしと老骨に染みるわけでございます。

わたくしが若い頃にそうだったように、世間の多くの若人たちは、このような歌詞にあるような言葉で諭されたと致しましても、生きる活力、エネルギーが横溢している若い身体、精神には、今有る活力がこの刹那だけの、貴重なものであるなんてことに考えが及ぶ者はごく少数に限られる事でありましょう。

アコヤパール ネックレス イヤリング セット

若く、可能性が無限にあり、体力、気力のエネルギーが充満している時にこそ、人生と真剣に向き合い、目標を定め、自分の夢なり可能性にかけてチャレンジしない事には、生まれてきた甲斐が無いという事を、多くの人は志村喬演ずる死期が迫った課長さんや、私の様な老人となり人生行路の終着駅が見えてきて、ようやく気付くのでありますが、時すでに遅し万事休す後の祭り。

いや、実際人々はなにも気づいて無いわけではなく、多くの人は若い頃、大なり小なりの夢なり志をその胸に抱くわけなのでありますが、そういった自分の本当の生きがいを誰もが追求できる訳ではないもう一つの、人を無為徒食の灰色の日常に押しとどめるマイナスの要因が実はあるのです。

日本の数少ないノーベル文学賞受賞作家の一人、大江健三郎先生の作品に「見るまえに跳べ」という小説がございます。若いころ読んだ本なので、その本の内容は全く記憶にございませんが、その内容云々よりも、このタイトルに惹かれ、見てばかりで跳べない情けない自分を鼓舞するような内容が記してあるのではという、まるでハウツー本でも買うような動機で手に取った記憶がはっきりと残っております。

アコヤパール ネックレス イヤリング セット

さて、若きわたくしの人生の岐路に立ちはだかり、その跳躍の大きな妨げとなり、結局はつまらぬ退屈な一生を、のんべんだらりと飲んだくれて過ごす日常に押しとどめたものとは。

それは己が心に宿る不安、恐怖であったのでございます。

見るまえに跳べとは正に言えて妙。この見るというのは、すなわち逡巡する、あるいは考えをいろいろ巡らせるという事なのです。人間いざ何かを始める、新しいことに挑戦するとなると、どうしてもその結果の成否を考え、色々と悩むものでございます。悩む結果どうなるかと言うと、人間の思考と言うものは、不安、恐れが支配する、基本マイナス思考ですから、結局失敗の結論にたどり着き、その志は一歩も踏み出さぬ先から、頭の中で勝手に挫折を迎えるのでございます。

アコヤパール ネックレス イヤリング セット

したがいまして、この見るまえに跳べという言葉は、色々思い悩まず、まずは目をつぶって飛び込んでみなさいという、ありがたい後押しの言葉であるのです。

実際、夢をあきらめても人生と言うものは続くわけで、その中で人は生活を支えるために、何らかの仕事をしていかねばなりません。仕事の種類に、夢が叶わなかったから適当にしておこうで済むような仕事、職業は何もありません。夢にまで見た仕事でも、日々の暮らしを支えるだけのジョブでも努力を要するのは同じこと。ならば好きで全身全霊でのめり込めることをした方が幸せな人生なんじゃないでしょうか?

さて、このような教訓は、このパールネックレスにも相通じるのでございます。

パールネックレスと言えばフォーマルな装いの必需品。ひと昔前までは、婚礼道具一式として花嫁のお母さんが娘の為に必ず用意して、嫁入りに持たす品でございました。

アコヤパール ネックレス イヤリング セット

さて、このパールネックレスの購入にあたってはお店の人も、その劣化のスピードが他の宝石に比べ圧倒的に速いため、着用に際しては、使ったらすぐ乾拭きして付着した汗を必ず拭きとるように、そうしないと黄ばみの原因となるなどと散々脅し、普段の着用も積極的に奨めません。結果、冠婚葬祭のみの使用だけに終始し、気が付けば20年で着用回数4度などという事になってしまいます。

アコヤパール ネックレス イヤリング セット

さて、4回のみしか使ってないから劣化してないかと言うととんでもございません。あなたが20年どこも出かけず家に閉じこもってても歳をとるのと同様、パールは着実に劣化、すなわちツヤが消えたり、黄ばんだり、粗悪な品物なら割れてきたりいたします。

劣化を恐れ大切にしまい込んでいようが、パールの寿命は必ず訪れます。なぜならば貝から生まれた有機質の宝石だから。ならば劣化を恐れずどんどん普段のお洒落に使っちゃいましょう。先のことを心配するより今を楽しまないと。

アコヤパール ネックレス イヤリング セット

中古ながらイヤリングまでもついてのこのお値段!使い捨てで良いじゃないっすか?

「命短し使えよパール」の一席でございました。お後がよろしいようで

エメラルドも生まれ育ちが大切ざます

エメラルド ダイヤリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

これが本当のエメラルドグリーン。コロンビア産の上物!

今でこそ吉本興業所属の芸人諸氏による大挙しての東京進出によって、多少は緩和されたであろうと信じたいのですが、わたくしの若いころは東京の人の関西人、特に大阪人に対する差別意識は凄まじいものがあったらしいのでございます。

らしいというのは、実際私自身東京に暮らしたことも無ければ、訪れるのも、せいぜい年に二回ほどの仕入れの機会だけ。ですから、実際にそういったことで被害を被った、いじめにあった、罵倒され唾を吐きかけられ、足蹴にされたうえ土下座を強要された、などと言う事は、個人的には無かったのですが、同じ会社の同僚で東京支店に勤務していた人の話によりますと、実際あからさまな大阪人差別、アパルトヘイト、排斥主義が存在していたらしいのです。

大阪人と言うものは不器用なのか、変にプライドが高いのか、それともアホなのか、他の都道府県の人たちのように上手に標準語を話すことができません。ですから東京に行ってもすぐ関西人の正体が露見してしまいます。

もっちゃりした、泥臭い、垢抜けぬ関西弁を話す男が宝石を売ること自体にすでに違和感を持たれるらしく、「あら、あなた大阪の方?なんか訛ってらっしゃるけど」などと嫌悪の表情を隠そうともせず、山の手マダムに言われる事が多々あったそうでございます。

そんな時は必ず「いえ、僕四国です、香川県出身なんです。うどんが大好きでーす!」などと言ってごまかすと、「あらそう、なら良いけど、私大阪の人って苦手なの、如何にも強欲で、がめつくて、いい加減で、下品でホント嫌い、虫唾が走るわ」とズバリ言われるそうです。

もちろんそんな時は東大阪市出身、バリバリの大阪人、河内の兄ちゃんの彼ですから、大阪人のいい加減ぶりをいかんなく発揮して「ホントですよね、僕も大阪人は大の苦手で、言葉のイントネーションで大阪人に間違われる度に滅入っちゃうし、たこ焼きなんて見ただけで吐き気がします」などとお追従を並べてご機嫌をとったとか。

エメラルド ダイヤリング

ただ、その上役である専務さんともなれば、さすが年の功、それを面白がる余裕が出て、こんな話を社員研修でされてました。

「銀座のデパートで靴買おてんけどな、店員にナンボにしてくれるねん、言うたったんや。ほなら最初は分らんかして、ポカンとしとんねん。せやからナンボにまけてくれんねや、言うたらやっと通じたんやけど、わかった途端店員のお姉ちゃん、嫌や―な顔して、お値引きは一切致しておりません、こないぬかしよるんや。あれはアカンな、どうせあかんにしても、もっと客の気持ちを損なわんようにニッコリ笑って、あんじょう断らんと。皆さんもお客様には、断る時が肝心なんで、よう覚えておいてくださいよ」そう諭して下さったのですが、そんないらん事イチビってするから、余計嫌われるんやろね大阪人は。

まあ、実際わたくしなども東京に出張などで訪れた際に、山手線の車内などで同僚と声高に喋っておりますと、気が付くと周りの乗客から氷のように冷たい視線が浴びせられているのを感じた記憶がございます。

エメラルド ダイヤリング

さて、これと同じような同民族間の差別をわたくしは30年前、当時勤務しておりました香港の支店で目の当たりにいたしました。

我々日本人からすると香港に住んでいようが上海に住んでいようが、首都北京の市民であろうがみんな一括りで中国人なのですが、当時の香港の人、多分今でもそうかも分かりませんが、自分たちは香港人で、中華人民共和国の国民は大陸人だとはっきり違いを主張しておりました。

当時は今と違い、中国はまだまだ後進国。服装一つとりましても、流石に人民服は卒業してたようですが、しかし実に粗末で時代遅れ。当時はまだ返還前でイギリス市民だった香港の人々には全くの田舎者、後進国の民と映った事でしょう。

実際お店の外を中国人の一行が通ったりすると、あからさまに嫌悪の表情を浮かべながら、「わーっ、中国人だよダセー、臭せー」、などと決まって揶揄しておりました。

もしその時わたくしが「自分たちだって中国人だろ?」などと言おうものなら、もう激高して真向否定。「違うよ!私たちは香港人、ホンコンヤン、あの人たちは中国人、大陸人。全然違うよ。喋る言葉から、食べ物、教養、センスその他もろもろすべてが全く違います!一緒にしないで」と叱られたものでございます。

東京の人もこない思てはんねやろかオオサカンの事を。確かに喋る言葉も違うし、食べ物も違うし。一緒にしないでよー!って僕らの知らんところで中国の人に言うてたりして、オモロ。

エメラルド ダイヤリング

さて、このように同じ国に暮らす国民の間でも明らかな格差、差別が存在するのでございますが、宝石の場合も、同じ種類の宝石間でも明らかにその産出される場所による格差、値打ちの違いが厳然として存在致します。

本邦ジュエラーのバイブルとして名高い名著、諏訪恭一先生の「宝石」というご本にも色々な宝石の産地による特色とその評価が書かれておりまして、宝石商はもとより一般の宝石マニアやコレクターの方々にも大いに参考となるところなのでございます。

エメラルド ダイヤリング

さて、この本でも大きく取り上げられております、人気の宝石エメラルド。やはり最高の産地は皆様もご存知、コロンビアと明記されておりますね。先生の説明によると・・・

“コロンビア産のエメラルドは柔らかな美しいグリーンです。ブルーもしくは、イエローがかかっていますが、純色に近く、彩度を下げるグレイみを感じさせません。コロンビア産のグリーンはクロム元素に起因し、ブラジル産やザンビア産のエメラルドのグリーンはバナジウム元素に起因しており、その違いがグリーンの色味の違いに出てくるのでしょう” と書かれております。

エメラルド ダイヤリング

さて、ご覧いただいておりますは、当店オリジナルのおすすめエメラルドリング。正に先生の解説通りの、柔らかな美しさを呈したエメラルドではございませんか?

こちらは権威あるGIAの鑑別書が証明いたします、正真正銘のコロンビア産エメラルドを中石に据え、両サイドに贅沢に0.5キャラットアップのEカラー、VVS2のダイアモンドを一個づつ配置した実に豪華な作りとなっております。

エメラルド ダイヤリング

このエメラルドの特徴は何といってもこの鮮やかな色の冴え。朝日を浴びた若葉の様な、実に新鮮なグリーンを呈し、それが光りを反射し、きらびやかに輝いているのがお分かりいただけるでしょうか?

エメラルド ダイヤリング

さて、石の拡大写真を良くご覧いただきます、とテーブルの中心部分より少し外れた位置に内包物が確認できますね。宝石に不案内の方ですと、これをキズと見なし、マイナスポイントと考えがちですが、本来が内包物の大変多い宝石のエメラルド。目につくインクルージョンはこれぐらいしかございませんと言った表現こそが妥当かと存じます。

なにせこのインクルージョンこそがコロンビア産エメラルドを証明する識別特徴、三相インクルージョンなのですから。さしずめ、高貴な身分を示す勲章みたいなものと御理解いただければよろしいかと存じます。

さあ、このようなノーブルなジュエリーをお着けになれば、あなたも明日から東京山の手婦人おほほほほほほほの高笑い、たとえナニワのオカンでも。知らんけど

ハリポタファン必携!フクロウのペンダントブローチ

ふくろうモチーフ ブローチ

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

森のフクロウと云う名前の人が昔いてましたなー、関係ないけど。フクロウ好きにはたまらない逸品!

ペットと言いますとひと昔前は犬と猫、ウサギにハムスター、せいぜい小鳥に金魚に熱帯魚くらいのところだったのが、最近はそのオプションの幅がグンと広がりまして、爬虫類、両生類、鳥でも猛禽類なんかにまで手を出し飼育している方がおられる様でございます。

かく申すわたくしの娘も、蛇とヤモリを飼っておりまして、住めば都、飼えばペット。そのような者どもとも同居してみると、これはこれでなかなか可愛いもので、おのずと情も湧いてこようかと言うものでございます。

犬のようにオテやマテなんかの芸はしてくれませんが、吠えるわけでもなければ、唸るわけでもなく、静かに水槽の中などを赤い舌をチロチロ出しては移動するサマを眺めておりますと、自然と心が癒されます。

夏場ともなればこ奴をばヒヤピタシールの代わりに首にでも巻きますと、まことにひんやりといたしまして、心地よい涼味を味わう事ができます。ただし巻きの度合いが強すぎますと、心地よさのまま帰れぬ境地に誘われるので、ほどほどのところで留め置かねばなりませんが。

さて最近のこうしたペットブームの過熱に伴いまして、猫カフェや、フクロウカフェ、爬虫類カフェなどといった、そのカフェを訪ねるとお気に入りの可愛らしい動物たちとひと時を過ごせるなどと言うお店もあるそうでございます。

戦前の昔ですと、カフェと申しますと文豪、永井荷風散人の小説なんぞに出てくる、かふぇの女給などと言う言葉通り、専ら飲食にお姉ちゃんの接待が伴う、紳士に享楽を提供する施設であったのが、最近はその趣を唯一メイドカフェに残しつつも、大方は若い女性が喜びそうな、お洒落な内装にスイーツなども召し上がれる、健全なお店に様変わりしている模様。

そういった今風のしゃれた雰囲気に包まれ、お気に入りの動物たちとのひと時を過ごす。なんて素敵なくつろぎの時間なんでしょうか。実際にはさまざまな事情があって、お家で好きなペットが飼えないという方もこちらを訪れれば好きな動物と存分に交流できるというしくみ。

さて、そのお家で飼いたくても飼えないペットの筆頭格といえば、何といっても蛇やトカゲの爬虫類。飼い主本人が強く望んでも、大体は家族の猛烈な反発を食らう。もちろんペット自体が怖い、気味が悪いというのもあるのですが、その飼育に必要な餌が、これまた大きな拒絶反応を家族からかうことになります。

例えば手前どもの蛇、ボールパイソンちゃんなんかの場合はハツカネズミを丸飲みするわけでありますが、まさか生きたネズミをまた別に飼育するわけにもいかず、冷凍のハツカネズミを餌として購入するわけで、この冷凍の餌を保存する場所は、人間の冷凍餌を保存する場所と同じ冷凍庫になるわけです。さて、昼は冷凍の焼売でも食べましょうと冷凍庫を開けた家内が、焼売ならぬ餃子の如く規則正しく並べて収納されてあるハツカネズミの死骸入りのビニール袋を発見した時の驚愕&激怒したサマと言ったらもう筆舌に尽くせぬほど。

さて、それなら鶏肉なりで代用させればいいじゃないかと思うのは素人の浅はかさ。このハツカネズミ丸飲み、東海林さだお先生のエッセー集、食べ物丸かじりシリーズのようですが、こちらは、かじるのではなく、丸飲みするところに意義があるのです。ネズミ一匹、肉から内臓、骨から皮まで、その個体一匹の中に蛇が必要とする栄養素がすべて詰まっているとのことなのです。なるほどうまく出来ているものでございますね、自然の摂理というものは。

さて、この餌をやる頻度なのですが、これは人間のように一日三回なんて頻繁に取らなくても大丈夫。一週間に一遍くらいでいいので極めて経済的。

しかしこの餌やりの瞬間はなかなか見もの。普段蛇というものは水槽内でほぼ静止状態か、のろのろと木の枝を移動しているのですが、この餌を食らう瞬間だけは、正に電光石火の早業。

蛇の目の前で、冷凍ネズミの解凍した死体を割り箸なんかで尻尾をつまみ、ゆらゆらと揺らしてやります。すると蛇はびっくり箱から飛び出すバネ仕掛けのおもちゃの蛇そのもの、まるで体内に強力なスプリングが内蔵されているかの如く、マッハのスピードでネズミに食らいつくや、あっという間にネズミの胴体を幾重にもとぐろに巻き込み、体内の骨をば強力な締め付けで砕いていきます。生きたネズミの場合はこれが最後のとどめとなるのでしょう。

そこから文字通り、頭から丸のみしていくわけですが、その蛇があごの骨を外して信じられぬほどの大口を開き、かぶりつく様子の凄まじいことと言ったら、気の弱いわたくしなどは正視に耐えられぬほど。

さて、こういった熾烈な餌やりの修羅場が展開されるのは何も爬虫類だけに限った事ではございません。爬虫類なら最初からそう言ったイメージを持って挑むので飼う方も覚悟ができている。その点こちらペットは見かけと裏腹、むしろ蛇よりも大変な餌やりが必要となります。

ふくろうモチーフ ブローチ

さて、そのペットとは最近とみに人気が高まるフクロウなのでございます。ハリーポッターの映画の人気に、見た目の可愛らしさが加わりフクロウをペットにしたい人は増える一方。

しかし、ここで餌やりの問題が大きく立ちはだかるのでございます。

フクロウという鳥、見かけはまーるいお顔に、真ん丸お目目で実に愛くるしいのでございますが、こう見えても猛禽類、肉食の鳥。その餌は蛇と同様ハツカネズミ、あるいはウズラ、ひよこ等をこれまた蛇と同じ栄養面の理由から、個体丸ごと与えなければいけません。

もちろんこういった餌はちゃんとペットショップで冷凍食品として用意されていますから、入手の心配は無用。

蛇の場合ですと湯煎で解凍すれば後は前述したように、勝手に丸のみしてくれるのですが、フクロウの場合は、そこからさらに調理の手間が加わります。調理と言っても唐揚げにしたり、煮物にする必要はないのですが、解体して肉や臓物を食べやすいように切り刻んで、刺身盛り合わせを作らないといけないのです。ハツカネズミのホルモン入り刺身盛り合わせ、尾頭付き。

フクロウの飼い主志望の皆さんは、この段階で大きな挫折を味わうのでございます。実際、フクロウの可愛らしさに惹かれフクロウカフェのバイト行ったはいいが、この餌作りの現場を見て一日で退社する娘さんも数多くおられるとか。

ふくろうモチーフ ブローチ

フクロウは飼いたし、されど餌やりは無理。フクロウカフェにはおいそれと毎日行けない。そんな悩み深きフクロウ好きの方には、是非こちらのフクロウペンダント兼ブローチをおすすめいたします。

ふくろうモチーフ ブローチ

アメジストの胴体にマザーオブパールの羽と顔。頭頂にダイアモンドが輝き、エメラルドの目が可愛らしい、何とも言えないフクロウの造作。

細かいことを言えば、耳のような形状の羽が頭についていますから、これはミミズクと言う事になりますのでしょうか?芸が細かいよ!

ペンダントにもブローチとしてもお楽しみいただけるこちらのフクロウちゃん、煩雑な餌やりの心配はいりませんし、病気の心配もご無用!あなたの生涯にわたるペットとして末永く可愛がってくださいませ。

あばたもエクボ、識別特徴の魅力

クリソベリル キャッツアイ ダイヤリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

このような神秘的な宝石をお洋服と上手にコーディネートされますとオシャレ度が一機にグンとアップしますのよ奥様。

只今大変な人気の、料理のお兄さんリュウジさんのバズレシピの動画を見ながら、見よう見まね、ハイボールのがぶ飲みまで真似しつつ、お兄さんに料理の指導を受けながら夕食づくりにいそしむ最近の休日。

つい先日も、「至高の豚汁」なる料理をスマホで観ながら拵えては見たんですが、出来上がりがイマイチ物足りない。何が物足りなかったかというと、豚汁には欠かせないゴボウの風味。

リュウジお兄さんは、ちゃんと最初からゴボウは洗いすぎないでと注意喚起してくれたにもかかわらず、何せ慣れないものだから加減が分からない。どうもまだ土がついているようで不潔だなーという事で、綺麗に洗いすぎてしまったんです。

チクショウ!上手く出来たと思ったら、普段ずぼらな僕が、こともあろうにゴボウの土だけ神経質になっちまって、悔しー!という事でリベンジマッチ。第二弾豚汁作りを敢行。さて、今回はまだ茶色の部分がかなり残ってるゴボウを恐る恐るごま油で炒めて料理を完遂させて、いざ実食。

旨い!これやこの味。土の味。そうか、ゴボウの旨味は土の味やったんや。

毒食らわば皿までなどと言いますが、ゴボウ食らわば土まで言うこっちゃね。

さて、何事もきれいさっぱり、無味無臭が良いかというとさに非ず。臭みエグミと言うものも場合によってはかえって魅力としてプラスに作用することがございます。また、同じ匂いでも漂ってくる匂いの発生源によっても嫌悪感もよおす悪臭にもなれば、興味をさらにそそる香にもなりえます。

例えば魚の生臭ささも豪華に盛り付けられているご馳走の皿から漂ってくるのと、ごみ箱から発生しているのでは大違い。いい香りのオーデコロンも、素敵なイケメンから薫る場合は、もちろんそれを嗅ぐ婦女子を夢心地にいざなってくれるのですが、後頭部の頭皮が段々畑状態を呈している様な脂ぎった中年肥満オヤジの垢に汚れたシャツの襟元から漂ってくると、元の体臭、加齢臭の目くらまし、煙幕としてのコロンのフレグランスのはず。この香りの陰には必ずや邪悪な吐き気を催す悪臭が隠れているに違いないと勘繰られ、より一層婦女子の不興を買う羽目となります。

さて、宝石とて同様。一般的にキズとしてかたずけられる結晶内部の内包物。これをすべてダイアモンドの基準にあわせて、無傷が最高と決めつけてはいけません。

クリソベリル キャッツアイ ダイヤリング

ご覧いただいております指輪に留まっておりますクリソベリルキャッツアイも、実は石の内部にある内包物、針状インクルージョンの働きによってこの猫の目のような摩訶不思議な光学特性が生まれるわけなのでございます。

もしこの内包物が無い、内部がクリーンな石だと、これは単なるクリソベリルということになり、味もそっけもない褐色な透明石として、宝石の価値自体もキャッツアイに比べ大幅に低減致します。

クリソベリル キャッツアイ ダイヤリング

また。このキャッツアイ同様、特殊効果石の一方の雄とも呼ぶにふさわしいスタールビーやスターサファイア。これらの石も内部にある60度の角度で交差する針状インクルージョンによってアステリズムと呼ばれる六条の光を放つ、お星さまの様な光学特性を示すのでございます。

ただし、このキャッツにしましてもスタールビーやスターサファイアにいたしましても、その内包物が多けりゃ良いと言うものでもございません。

何事も過ぎたるは猶及ばざるが如しなどと申します通り、針状インクルージョンが多ければ多いほど、理屈から言えば、よりはっきりと力強く、猫の目、あるいは星印は出るのですが、その分宝石の透明度が落ちて全体的に白っぽく濁った感じになってしまうのです。ゴボウの土の香りが良いからと言って、泥にくるまれたままのゴボウを鍋に投入してしまっては、豚汁ならぬ泥汁が出来上がるが如くでございます、ってそんな奴おらんやろ。

インクルージョンがあってこその特殊効果とインクルージョン無用の透明感。この二律背反する要素の見事なコンビネーションのつり合いこそが、美しい宝石を生み出す鍵ともなるのでございます。

クリソベリル キャッツアイ ダイヤリング

またこの宝石内部のインクルージョンは別名、識別特徴とも呼ばれ、その宝石の正体そのもの探る手掛かりになったり、産地の特定の手がかりともなるのです。

例えば、有名なところですと、最高の品質のものが多く産出されますコロンビア産のエメラルド。このエメラルドの特徴が三相インクルージョンと申しまして液体、気体、固体が一塊のインクルージョンとしてエメラルドに内包されていると言うもの。すべてのコロンビア産エメラルドにこの特徴が内包されているとは限りませんが、これがあればコロンビア産で天然である証。

一度ご自宅にあるエメラルドの鑑別所を確認して見られてはいかがでしょう。

クリソベリル キャッツアイ ダイヤリング

この宝石の中にあるインクルージョンによる宝石鑑別にあなたの興味が移りましたなら、あなたはもう立派なミネラルマニア、鉱物オタク。宝石好きからさらに一歩進んだ、鉱物内部のミクロの世界から地球の誕生、成長の歴史に夢をはせるといった新たな楽しみが生まれると言うもの。

いかがです?まずはルーペ一つで始められますよ!

柳田國男的フォークロア感漂うネックレス

グリーンガーネット サファイア オニキスネックレス

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

あたかも博物館秘蔵のお宝のような歴史とロマン薫る逸品

若い時分は、聴く音楽と言えば洋楽一辺倒。ツェペッリンとかツベルクリンとかさぁ、よく聴いたもんだけど、歳とるとやっぱり日本人、演歌が身に染みるのよねー。居酒屋で独り侘しく独酌なんかしてる時に、吉幾三の「酒よ」なんて流れてくると、なんか知らず知らずのうちに昔別れた彼女を想い出したりして、泣けてきちゃうんだよねー、なんてしみじみ語るご同輩が多い中、未だその境地に至らぬどころか、ストーンズの「ホンキートンク ウーマン」なんぞがかかると、年甲斐も無く劣情を催したりいたします。ウソやけどね。あっ、ストーンズ言うても今人気のジャニーズの方ちゃうよ、イギリスのファンキーな爺さん達のほうやからね、言うとくけど。

ただし、やはり食べ物の嗜好は肉体の衰えとともに変わってまいりました。こちらの方はきわめて一般的な老化の兆候と一致して、肉から魚、デミグラスソースからポン酢、洋から和食へと確実に移行いたしております。

不思議なもので、若い頃は見向きもしなかった食べ物、例えばおせち料理に欠かせない「酢ゴボウ」なんてのが予想外に旨く感じられるのは、やはり老いた身体が欲しているせいでしょうか?なるほど不思議なもんで、そういう身体が欲する食材を食しますと、不思議と枯れた肉体にも劣情が湧こうかというもので、って、もうエエ?すまんの

さて、最近はシルバーと呼ばれる年齢になられても、皆さま方極めて若々しい装いをなさってておられ、うしろから眺めただけでは、お嬢さんかお婆さんか見分けがつかないくらい。念のため前に回って確かめると、おじさんだったなんて場合もあり、性の解放とも相まって、まったく結構なことでございます。

グリーンガーネット サファイア オニキスネックレス

さて、そういった年齢、性別の垣根を超えたファッションの自由化のなかにあって、シルバー世代のごく一部のご婦人方に、独特の装いが流行しているのを皆さまはお気付きでしょうか?

不覚にも、わたくしなにぶんにも世事に疎い田舎者ゆえ、ファッションに関しましてもトンと暗く、こういった装いをなんと呼ぶのかすら存じ上げないのでございますが、シルバー世代にあって、敢えて若作りの道をきっぱりと打ち捨て、老境ならではのその枯れた風情を引き出すと言うのか、引き立てると言えば良いのか、そのファッションは老境に差し掛かった日本のご婦人の生活を、懐古趣味ともども楽しむ装いなのでございます。

その装いをされている方々は街角でも、そう頻繁に見かける事もございませんし、またその見かけがどちらかと言えば、というかはっきり言って地味なため、目立たないということもございますので、わたくしの拙い説明で、あー、なるほどと判って頂けるかどうか、甚だ心許ないのでございますが。

グリーンガーネット サファイア オニキスネックレス

さて、そのファッションとは藍染の生地を基調として、かすりの着物などのリフォーム、リメイク、パッチワークを枝葉とする手作り感あふれる、和洋折衷風な装い。昔の農家のおかみさん風のかすりの着物にもんぺ姿を現代的にアレンジ、発展させたようなファッションと言えばお分かりいただけるでしょうか。

ひと昔前、一部のオヤジ達の間で仏教僧の作業着である作務衣と言うものが流行った事がございましたが、それと同じような流れの女性版ではないかとわたくし睨んでるのですが、定かではございません。

こういったファッションスタイルは所謂トータルなコーディネーションが重要らしく、バッグや財布、小物に至るまで、藍染の生地やかすりの着物の端切れとかでのリメイクによるお手製で、パッチワークなどの細工をふんだんに凝らし、オリジナル感をより一層強調されている風に見受けられます。そういったところから推察するに、これは手芸好きの趣味が高じて、このような新たなファッション形態へと進展して行ったのかな、とも想像するのでございますが、これもあくまで推察の域を出ません。

グリーンガーネット サファイア オニキスネックレス

いずれにしましても、地方のショッピングセンターなどには、明らかにこうした服飾の嗜好をターゲットにしているであろうお店が、数多くは無いにしても実在し、中高年の女性がなにやら一つのサークル仲間のように、コアな顧客層を形成して集い、楽し気に歓談している光景を目に致します。

そういったお店、こういったファッションに惹かれ、集まる顧客女性の特徴はナチュラリスト、ベジタリアン、有機農法実践者などといった、こだわりのライフスタイルを貫き、生活の木みたいなお店でハーブやアロマ、天然由来の化粧品や洗顔、シャンプーなどお求めになり、地球にやさしい身体にもやさしいライフスタイルを実践されているのでありましょう。そのナチュラリストぶりはナチュラルメイクや毛染めしないままの、グレーヘアーや銀髪に反映されて、老いた姿を無理に隠そうという悪あがきが見られません。重ねてきた経験、苦労が現れた年輪を堂々とさらけ出す潔さが、かえって清々しい感じさえ見る人に与えます。

さて、そう言った人生の終盤に差し掛かり、酸いも甘いも噛み分けた、こだわりのご婦人にお薦めしたいのがこちらのネックレス。

グリーンガーネット サファイア オニキスネックレス

素朴を愛するナチュラリストといっても修道女じゃないんだから、そこはやはり腐っても女性、いや、失礼。光り物で身を飾りたいといった女の業の焔はおいそれとは消せません。そういった方の多くは、やはりアクセサリーやジュエリーにもこだわりがうかがわれ、勾玉やアンモナイトのペンダント、パワーストーンのネックレスやブレスレットなどをお着けになる傾向にあると想像するのですが、そのような安易なアクセサリーを遥かに凌駕するのが、こちらのペンダントネックレス。

グリーンガーネット サファイア オニキスネックレス

こちらは、円形のオニキスの台座に如何にも和柄といった蛙と植物の風情を立体的な細工であしらわれておりまして、それぞれの細工には、グリーンガーネットとカラーサファイアの細かい結晶が、彫り留細工でセットされ、それが同時に彩色効果をも担っております。

現代的なダイアモンドや色石のペンダントネックレスはちょっと藍染、かすり柄には合わないとお悩みのお方はぜひともこちらをお試しいただきたいものでございます。これによってあなたの民芸調蕎麦屋女将スタイルのトータルコーディネートは見事完成される事でございましょう。

コンクパールはイチゴミルクの味

コンクパール ペンダントネックレス

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

知る人ぞ知る、知らない人はサンゴと間違えるというややこしいけど、値打はあるんです!

「宝石商見てきたような嘘を言い」という箴言があるように、まことに宝石を商う者の中には口から出まかせ、針小棒大な大風呂敷を広げてお客を惑わせ、良心の呵責を微塵も感じぬ者が少数ながらも見受けられるのは、甚だ残念な事でございます。

大体宝石というものは、そのほとんどが海外で産出され、輸入されているのですが、その販売に携わる者は、如何にもその現地の採掘現場や現地の取引所などを訪れたかの如く語るのですが、そのほとんどは、仕入れ先からの受け売りや、書物によって得た知識。

「こういった本ヒスイ、いわゆるインペリアルジェイドの良いものになりますと、ビルマのウル渓谷周辺でしか採れないのですが、もうそこまでたどり着くのが一苦労。なにせ海抜千メートルを超える標高の未開の土地。まともな道などございませんから、当然車でなんか行けません。採掘工夫たちは重い採掘道具をロバの背に乗せ、徒歩で歩く事丸五日。途中で峻烈な崖から転落して命を落とす人馬も珍しくはないと言うほどの大変な苦難呻吟の末、ようやく採掘場現場にたどり着くのです」などと口から出まかせを語るのですが、産地をわざわざビルマやセイロンといった旧国名を使い、よりそれらしく演出する裏技も忘れません。

さて、そうした宝石屋の成れの果て、落ちこぼれジュエラーのわたくしですが、新卒で宝石屋に就職致しまして配属されたのが、当時大阪梅田、阪急三番街にございましたハンドバッグ専門の支店。宝石屋に勤めたはずがハンドバッグ屋かよと、就職そうそう出鼻をくじかれた形でいじけておりましたところ、なんとそこの店の店長さんは、その店の店長に就任するまでは心斎橋の本店で外商部のトップセールスとしてバリバリ宝石を販売していたという凄いやり手のセールスマンだったという事。

しかし何事も過ぎたれば及ばざるが如しと言いますが、あまりに派手に活躍したが故に上司から目をつけられ、バッグ専門店に左遷の憂き目にあってしまったのでございます。きっと当時のその人の上役がその実力のすごさに、自分の地位を脅かす存在と察して、先手を打ったに違いないという噂でありました。

さてそのおじさん、といっても当時店長はまだ32、3才だったはずですが、今から思っても随分世慣れた感じの短躯肥満の体つきで、いかにも精力的。見た目は宝石商というより、どちらかというと不動産屋、土建屋という感じ。ムードや見かけの良さを販売に繋げる事の多い宝石セールスにあって、押しとバイタリティーと行動力で売上を積み重ねる、本物の実力派営業マン。なにせこの人、本店外商時代は宝石だけじゃなく電化製品から羽毛布団まで顧客に売りつけていたほどらしいのです。

コンクパール ペンダントネックレス

さてある日、私がその店にある高級バッグの一つ、なんとあのエルメスの下請けをしているという、フランスにある某工房が作っているというバッグ、聞いただけでなにやらいかがわしい感じですが、それをお客さんに説明しておりますと、色違いの有無を聞かれました。それを店長に確認しますと、そこから店長は心許ない新入社員のわたくしから、その店長が上客とにらんだお客さんを引き継ぎます。

「じゃあ、ちょっと工房に確認してみますので、しばらくお待ちください」と言うや否や店長さん受話器を取って、電話をかけ始めるじゃないですか。(えっ?フランスにかけてんの、もしかして)と、あっけに取られてる私を尻目に「ハロー、ディスイズ ○○(店長の名前)スピーキン。オー、ハイ!ハウヤドゥーイン?」なんて突然英語で話し出すじゃないですか。もうびっくりしている新入社員の私を無視して会話を終えた店長、電話を切るとお客さんに向き直り。

「お待たせいたしました。今はあいにく、工房の方にも作り置きのストックは無いそうですね。何せ天下のエルメス様優先、自社品は後回しらしいんで、ちょっと今後の上がりも読めないみたいですねー」なんて言いながら、結局そのお客さんが色違いを尋ねられた元のモデルを最終的に言葉巧みに押し込んでしまいました。

さてその後、感心した私が、「フランスに国際電話ですか?凄いですやん!しかも英語で!フランス人も英語話すんでっか?」と矢継ぎ早に店長に問い質すと

「お前は馬鹿か?内線の電話でどうやって国際電話かけられるんや?」

確かにそう言われれば店長が握っていた受話器は社内の各支店や各部署にしか繋がらない内線電話。

「いや、それでも電話で話してはりましたやん?何喋ってはるか分かりませんけど、ハロー言うて」

「わからん奴やな―、芝居やお芝居、独り芝居。大体地球の裏側のフランス今何時やねん?みんな寝とるぞ」

「はー?」

「あれの色違いは、今この店にも、たしか本店にもないはずや。しかし、ただありませんじゃ、そうですかで終わってしまうやろ。一つのドラマを作って客を飲み込んでしまい、今有る現物を売るの技や、解かった?覚えときや」

「へー!」新入社員のわたくし、商売の機微に初めて接したと感じた瞬間でした。

コンクパール ペンダントネックレス

さてそれから15、6年ほどたった頃でしょうか、本店に配属になっていたわたくしは、ある展示会の最中、ちょうど来場が他の得意先と重なった同僚社員のお客さん(まだ年若いカップルでございましたが)をその担当の代理で接客いたしておりました。

たまたまコンクパールのリングがお目に留まり、その頃はもうこちらも慣れたもの、如何にも見てきたような知ったかぶり、いっぱしのジュエラー接客で説明いたしておりました。

「こちらはコンクパールと申しまして、カリブ海に生息致しますピンクガイという巻貝から、極めて稀に採れる天然真珠なのでございます。通常真珠は二枚貝から、しかも、人の手を借りて養殖によって生産されているのですが、このパールはまったくの人の手を介さない、正真正銘の天然自然が育んだ真珠なのでございます。さてこのコンクパールが採れますのはピンクガイという大きなほら貝の様な貝なのですが、現地ではもっぱら食用として水揚げされます。その採集された貝の中からわずか一万個に一粒見つかるか見つからないかというほどの、希少な真珠なのでございます」と立て板に水とばかりにまくし立てておりますと、そのご主人と思わしき男性が突然、

「その貝食べた事あるよね?」と奥さんらしい女性に話しかけたのです。

「あるある、たしかマイアミでだったっけ?」

「そうそう、バハマ料理だかの店で食べたよねー、結構美味かったよなー?」

「うん、美味しかった美味しかった!」

そこで突然尋ねられたのです。「召し上がった事あります?」

「い、いやー、残念ながらまだ食べた事はございませんねー」

「そうですか、取れる真珠のように希少じゃないから一度召し上がって下さいよ、なかなかの美味ですよ!」

「は、はい。機会がありましたら、ぜ、是非」

そこからはもう接客の勢いの鈍る事といったら。下手に知ったかぶりするのは良いけど、たまにはその架空の話を上回る経験者が一般顧客の中にもいらっしゃるという事を忘れてはいけませんね。

あれからもう20年以上経ちますが、今だコンクパールの母貝、ピンクガイを食す機会はおろかアメリカに行く機会にすら恵まれません、トホホホホ。

という事で今回はこちらのコンクパールのネックレスのご紹介。

コンクパール ペンダントネックレス

さて、こちらの希少価値は先ほどご紹介の通りでございますが、その宝石としての魅力をお伝えしなければ片手落ち。

コンクパールの魅力はこの陶器のような滑らかなツヤと、一青窈が歌ったハナミズキの色をそのまま映したかのような、この何とも言えない薄紅色の可愛らしい風情。

コンクパール ペンダントネックレス

さらにはその薄紅色の上に火炎模様と呼ばれる「鬼滅の刃」の煉獄さんのマントのような模様がうっすら浮かぶ風情がまた何とも言えない風合いをこの宝石に与えております。

カリブの海が生んだ奇跡の真珠、是非この希少なお宝をあなた様のコレクションの一つにお加えくださいまし。

ボディーピアスで全身をうめつくせ!

ルビー サファイア ボディピアス

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

オリジナルボディピアス好評につき価格据え置きの第二弾!色石もあるでよ、買ってちょんまげ!

モンド映画というジャンルが映画の世界にはございます。

これは、グァルティエロ・ヤコペッティというイタリアの映画監督の作品に代表されるような、世界各地で行われている残酷な奇習やグロテスクな風俗、夜の街で提供される猟奇的エロス、犯罪行為といった事柄を虚実ないまぜにして、ドキュメンタリータッチで描いた、まさに悪趣味の極致、キワモノ、ゲテ物趣味が売り物の見世物映画でございます。

わたくしが敬愛して止まない文豪、筒井康隆先生の作品に「宇宙衛生博覧会」と題した短編集がございますが、この題名の元となった「衛生博覧会」。これは明治から昭和初期にかけまして、日本各地では開かれた、衛生思想の啓蒙という事を目的として行われた博覧会なのでございます。

元々はしかるべき医療法人なり、それなりの保険関連機関が主体となって行われたらしいのですが、その実態は、人体解剖、疾病臓器、生殖器、胎児などの生々しい模型の展示、またそれぞれの解剖図、疾病部分亊等の微細な絵図。更には奇形胎児や動物の胎児のホルマリン漬け、人体に寄生する様々な寄生虫の標本などの展示と言った実に見るに忍びない、目をそむけたくなるようなグロテスクなものの標本が会場所狭しと陳列されていたそうでございます。しかし人々は怖いモノ見たさの誘惑にかられ、その会場はけっこうな盛況を呈していたそうでございます。

ルビー サファイア ボディピアス

それと同様、そういった怖いもの、気持ち悪いもの見たさの心情をくすぐるのが、このモンド映画の狙い。私が中学や高校生時代などによく深夜のテレビで「世界残酷物語」や「残酷大陸」などのヤコペッティの一連の作品が密かに放送されていまして、親に隠れてよく観たものでございます。

ヤコペッティの映画と言えばエロとグロ。ちょうど思春期の血気盛んなエロ小僧であった私の需要にも大きく貢献するものとワクワクしながら放送を心待ちにしておりました。しかし実際の映画は幼い私の淡い期待を裏切り、エロな部分よりも圧倒的にグロ、即ちグロテスクな場面の方が多かったのでございます。

どうグロかと申しますと、アフリカやアマゾンのジャングル奥地に暮らす原始的生活を営む人々の暮らしの中で、子供に施す割礼の儀式に始まって、皮膚を刃物等で傷つけ模様を肉体に彫り込んだり、また、下唇に皿をはめ込んで鳥類の嘴の如くに拡張させたり、鼻の障子を動物の骨などで貫通し、これがお洒落な装飾となったり、首の周りに輪っかを巻き、その数を年毎にどんどん増やしていって、首をろくろっ首よろしく長くしていく、などといった自らの肉体を傷つけ装飾するという、その地域独特の奇習をこれでもかと言うくらいに執拗にカメラがとらえ、どうです、なんと野蛮で残酷自虐、衛生意識のカケラも無い暮らしぶりをしているのでしょうか、この文明に取り残された未開の人たちは、という西欧文明優越意識からくる上から目線の秘境紹介を展開いたしておりました。

まあ、その頃はまだこちらも世間知らずの子供でございましたから、そんな映像を見せられるがまま、「わあー、きっしょい奴らやなー何しとんねん、痛っ、痛いなー、見てるだけで痛いやんけ。わーっ血ぃーや、血ぃー出とんがな、イタイイタイ、止めて、もーエエちゅうねん」と、もうエロスなどすっかり忘れ、怖気に身を震わせながらも、怖いもの見たさで最後まで鑑賞いたしたものです。

ルビー サファイア ボディピアス

さて、それからしばらく時がたち、パンクロックなるジャンルのロッケンロールがミュージックシーンを席捲するや、このヤコペッティ先生が小ばかにしていた野蛮で醜悪な自虐自傷行為に類するファッション、いわゆるマルチプルピアッシングというものが、最先端のミュージックシーンの若いお兄ちゃんやお姉ちゃん達の間にあっという間に広がり、ミュージシャンというよりはもはや白人版残酷大陸のありさま。

ヤコペッティの映画を観ても誰一人としてこれを真似て、耳や鼻の障子に異物を突き刺してみようなどといった酔狂な真似に及ぶ者はなかったのに、この度は白人の先鋭的なロックの兄ちゃん姉ちゃんがやってるというだけで、悲しいかな欧米礼賛盲目追随付和雷同の悲しい日本人の性、この風習は我が国国内の一部の人たちの間に蔓延いたしたのでございます。

実際、それまでにも耳たぶに穴を穿ち、装飾品を飾るピアスイヤリングというものはございましたでしょうが、そんな可愛らしい単純なものじゃない。それまでのピアスは両耳で一対がせいぜい、しかも、両親から頂いた神聖な肉体を傷つけるという罪の意識に苛まれながらも、皆決死の覚悟で念仏を唱えながら開けた二穴であったものが、もう片耳で十穴くらいを異物で貫通させ、さらには耳だけにおさまらず身体全体いたるところ、なんと舌やさらにもっと敏感で痛そうな器官にまで穴を穿ち、様々な装飾品で飾るという風習が一部のマニアの間に広まったのでございます。

ルビー サファイア ボディピアス

ただ、その当時はこの様な特殊な装飾は一部のモヒカン、タトゥー、革ジャンとのコーデのワンセットとしてのパンクな風俗。良識ある大人の認識とすれば、荒んだフーテン、ヒッピー、社会のドロップアウト、アプレゲールの落ちこぼれどものイカレた佇まい。昔風に言えば歌舞伎者の独りよがり、世間とは無縁の隔絶、孤立した風体風俗と見なされていたわけであります。

しかし昨今、この歌舞伎者の壁がどうも瓦解致したかの様で、普通のOL、サラリーマン、学生といった一般大衆の間でもピアスを普通に身体の各部署に貫通させこれを楽しむという事が広く行われている事が判明致したのでございます。

試しに通勤電車などでよく周りを観察いたしますと、全く普通の女子事務員風や女学生が耳にいくつものピアスを挿したり、学校の用務員風初老男性が片眉上下をバーベル状金属棒で貫通させていたり、普通の魚屋のおばちゃんが鼻にピアスを貫通させ、鼻孔から鎖を垂らしてみたり。見える部分ですらこのありさまですから、洋服の下がどんな風になっている事やら想像するだに恐ろしい事でございます。

ルビー サファイア ボディピアス

さて、実際そういった一般女性の代表とも言える、見た目至極普通な当社女性スタッフの声を反映致しまして製作致しましたのが、こちらの当社オリジナルボディーピアスなのでございます。

一般的に出回っているボディピアスというものはステンレスなどで作られたアクセサリー感覚のものがほとんどだけど、大人の女性を満足させる本格的な貴金属、天然宝石を使ったモノを作ってはどうだろうか。実際自分もそのようなものがあれば是非ともひとつ我が身にねじ込んでみたいのだけど。おっちゃんちょっと作ってや。そのような身近な生の消費者の声を反映させて出来上がりましたのがこちら。

こちらは、当社が師匠とも名人とも崇める大阪は生野在住の一流飾り職人の先生に、量産も利くようにと原型から拵えて頂き、ロストワックス鋳造法によって製作いたしました、紛う事ない全くの新品オリジナル商品のボディーピアスなのでございます。

もちろん質屋でございますれば留めてある中石は買い取ったり、流れたりした品物から外した天然石を使用しておりますが、宝石は枠から外せば新品中古の区別無く、ひとつの宝石材に戻るという事はご承知の通り。えっ、知らん?まあそういう事なんです実は。

ルビー サファイア ボディピアス

という事で、こだわり質屋が作った、本物が判る大人の女性の為の本格ジュエリー、プラチナ・18金製枠、ルビー・サファイアボディーピアス。新品だけど中古価格並みのお値打ち価格で絶賛販売中。

実際コンスタントに売れてるから、作っておきながら驚いてますんやけどね、おっちゃんは。分別ある大人の女性が蛮族のごとく、その父母から賜った尊い身体髪膚にボディーピアスをねじ込むなんて・・・・

初春を寿ぐ大玉真珠

南洋パールダイアリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

指が隠れてしまいそうな大玉真珠に開いた口がふさがりません

どーも、明けましておめでとうございます!

なーんちゃってますけど、そもそもなんで年が明けるとおめでたいのか良くわかりませんですな。

「門松や 冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし」と言ったのは頓智小坊主の一休さん。一つ歳をとったらそれだけ冥途、つまり死に近づくのに何がめでたいんだ、て事を言いたいわけですな。

まあ、いつもながら大人をコケにした、こまっしゃくれた、ひねくれ小坊主の言いそうなこってすな。いいじゃーないか、みんな酒食らって凧あげて独楽を回して羽子板ついて楽しく浮かれ騒いでるのに、そんな陽気なパーリー気分に水差す様な事を言わなくっても。どうも無粋でいけませんな坊主と言う者は。つか、中途半端に知恵だけ付けて、悟りに至らぬなまくら坊主に限って、こんな憎まれ口をたたいて利口ぶるんございますよ。

おっと、新年早々ボヤいちゃいけませんね、とんだ失礼、平にご容赦、乞勘弁のほどを。

さて、それでは、お正月という事で、お目出たいところをひとつ。

新春第一弾の商品ご紹介は、この如何にも縁起の良さそうな、真ん丸大きな真珠の指輪とまいりましょう。

南洋パールダイアリング

どうです、いかにも初日の出、ご来光を拝むような有難い風情のこの真珠!あたかも天照大御神のご神体かと見紛うばかりの白い珠は、相撲の白星にも通じるというくらい吉兆の印。

こちらは南洋真珠と申しまして、文字通り日本を遥か遠く離れた南洋の海で白蝶貝という貝の中で育まれる大玉の真珠でございます。

日本で養殖されるアコヤ貝から採れる珠は、せいぜい大きくて10ミリ止まりなんですが、こちらは何と最小が10ミリと申しますから、そのサイズの差は大人と子供ほど開きがございます。これは真珠を育む母貝の大きさの違いからくる差異なのでございますね。

南洋パールダイアリング

こちらご覧いただいております商品の真珠のサイズはと申しますと、なんと15ミリ以上。南洋真珠にしても結構大ぶりな珠でございますよ。

こちらの南洋真珠、アコヤ真珠に比べて色が、何と言うか淡泊なのですが、それはアコヤ真珠の多くが、調色と言って若干の染色(多くの場合ピンクの色を挿すのですが)を施しているものが多いのに対し、こちらの南洋真珠はほとんどそういった処理をしていないせい。つまりよりナチュラルカラーな訳なのでございます。

さらにこの南洋真珠はアコヤ真珠に比べ真珠層が厚い。つまり人間で言うところの面の皮が厚く出来ておりますので、変色や退色がしにくく、真珠層が割れたり剥離したりもしにくくなっております。

南洋パールダイアリング

手前どもの質店の方にもよく昔買った、あるいはお母さまに頂いた古いパールの指輪をお持ち頂き、査定のご依頼を承ることがございますが、アコヤ真珠の場合はそのほとんどが劣化が著しく、黄色くツヤの消えた状態。そうなるともうパール自体の評価はゼロ。

これはやはりアコヤ真珠の真珠層の薄さが原因。

対するこちらの南洋真珠は、この真珠層が先ほど申したとおり分厚く出来ておりますので、劣化のスピードも大幅ダウン。

もちろん生き物から採れる有機質の宝石ですから老化すなわち、劣化は避けられませんが、その寿命が大幅に長いわけ、つまり持ちが良いってこと。親子二代や三代くらいのご使用には充分耐えられる丈夫さ。この寿命の長いという点も新春の門出にあたって縁起の良いところではないでしょうか。

南洋パールダイアリング

さて、わたくしが昔香港に居てましたおり、現地の人がこの南洋真珠の事を「サウシーポー」という風に呼んでおりました。

わたくしはこれはてっきり現地で話されている広東語だとばかり思いこんでおりましたところ、後で聞くとこれは英語“South sea pearl”の広東語風ナマリ。Rolexの労力士みたいなもの。昭和風に言うと、づっこけちゃいましたよ。

さあ、お正月はもう終わりですが、実はこれからが真珠の出番。

入学、卒業の晴れがましいお式。さらにはジューンブライドのお目出たの季節が次々に控えております。そういったフォーマルな場所に欠かせないのがこの真珠。パールをお着けあそばしたご婦人の多く集う場所柄、どうせなら人より大きい珠で差をつけて、優越感に浸ってフォーマルを寿ぎませう。

さて、最後に先に挙げました頓智小僧一休の憎まれ口を封じる、真の覚者の言葉を引用させて頂き、新春第一弾ブログの締めとさせていただきます。

“Die before you die and find that there is no death” - Eckhart Tolle

爆裂ウルトラリング

サファイアブラックダイヤリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

衆人環視の中にあって人々の耳目を集めずにはおかない我儘なあなたの為の指輪

皆様はミドリのおじさんをご存知だろうか?

ミドリのおばさんなら、学童の交通事故を防ぐため、小学校の登校・下校時に通学路でで小旗を持って学童の交通整理をする女性交通指導員の通称。学童擁護員。昭和三四年(1959)に始まる。緑色の制服を着ているところからそのように呼ばれる。

とインターネット辞書のweblioに出てますが、それの男性版かと言うとさに非ず。またクルマの駐禁を取り締まるおじさんたちの事でもありません。

わたくしが宝石店に就職して間もない時期と申しますから、1980年から1990年頃にかけての事でございましょうか、大阪の繁華街にあるショッピングモールや百貨店などを股にかけてけっこうな広範囲にわたって出没した男性の事を、誰呼ぶともなくこのように呼んでいたのでございます。

なぜなれば、その人物は全身、頭の先からつま先までをグリーン一色で統一した風体をしていたからなのです。

グリーンの帽子にグリーンのスーツ、グリーンのシャツ、ネクタイ、靴は何とエナメルのグリーン。もちろん靴下もグリーンでひょっとすると下着も?うる憶えですが多分眼鏡もグリーンのサングラスをかけてたのじゃなかったでしょうか。もうホント全身がグリーン、まるで青虫。この人物の視覚的インパクトたるや、そりゃもう半端ない。

わたくしが最初に目撃いたしましたのは多分ホワイティー梅田と呼ばれる、大阪はキタの地下ショッピングアーケードにありました支店に勤務していた時。

その日もいつものように宝石陳列用ケースの後ろに控え、客待ち態勢で通路を眺めるともなしに眺めておりますと、遥か彼方より何やら異形のモノがこちらに向かって近づいて来るではないですか。最初はたぶん機械設備の作業員か、地下街の何かのイベントに動員された着ぐるみのエキストラだろうと、さして気にも留めてなかったのですが、近づくほどにその全容が明らかとなり、その時初めて「なんじゃ、こりゃー!?」とかなりの衝撃を受けたのでございます。

サファイアブラックダイヤリング

ジム・キャリー主演で「マスク」というコメディ映画が以前にございました。その主人公はグリーンのマスクを着けると超人的な力を発揮するという設定だったのですが、まさにそのグリーンのマスクを着けた主人公そのままのインパクト。

ただし映画の方は顔だけがグリーンなのに対し、こちらは顔以外が全部グリーン。面積が広い分その迫力も倍増!

そのわたくしが勤務する店がありました立地は、ちょうど近くに梅田花月という吉本興業の劇場がございました関係上、時々吉本の芸人さんなんかも見かけたりしましたので、最初はそのあまりの奇態なサマに、きっと吉本の芸人さんだろうと思ったのです。

しかしよくよく観察してもまったく見たことも無ければ、芸人らしい愛想の欠片も見せず、中空一点を睨んでぐんぐんと歩を進めている様は、なにやらただならぬ異様な気配。

ふと気が付くと、向かいの洋装店のお姉さんも呆然とその人が通り過ぎるのを眺めております。傍らに目をやると先輩女子社員が意味深にニヤニヤ笑っているではないですか。

「あれ何ですの?」思わず尋ねますと、先輩面白そうに

「見たん初めてか?」

「ええ、あんなけったいな人見たのはじめてですわ」

「あれはな、ミドリのおじさんや」

「ミドリのおじさん?見たまんまですやん。何者なんですか?何してる人ですの?なんで全身ミドリなんですか?」

矢継ぎ早に質問を浴びせかけるも

「知らん。何にもわかれへん。ただ時々あの格好で現れるねん」

「時々あの格好って、毎回同じ格好してますの?」

「そーや、寸分たがわず同じ格好。そやからここらじゃちょっとした有名人やで。覚えときや」

「はー、で名前は?」

「そやから、ミドリのおじさんや、そない言うたら皆知ってるわ」

実際、後で判ったのですが、このミドリのおじさんは他所の支店でも有名で、その後わたくしが異動で別の店に移った際も、その場所で再度ミドリのおじさんに遭遇したのでございます。

サファイアブラックダイヤリング

さて、結局このおじさんの正体は判らずじまいだったのですが、昔はこのおじさんのように個性的な風体をしている方がけっこう多かったように思います。

例えば当時タレントとしてテレビにも多く出演されていた大屋政子さんというご婦人がおられましたが、この方実はなんとあの大企業、帝人の社長夫人にして大阪を代表する資産家。

しかるにそのいでたちたるや、結構なご高齢にもかかわらず、黒髪をオールバックに固めて刈り上げといったオッチャン風のヘアスタイルながらも、その服装はピンクを基調とした花柄ムームー風の超ミニスカートと実に突飛。もしファッションスタイルにもそういうジャンルがあるとするなら、シュールの一言が最適かというくらいの佇まい。

サファイアブラックダイヤリング

なにかと人の一挙手一投足に細かく批判が集まる昨今のネット社会。その弊害の一つにこういった個性豊、自分勝手な装いが出来にくくなっているという事が挙げられるのではないでしょうか。

ついつい人の目が気になる。炎上が怖い。ネット上で晒されるのではないかしらん。そういう不安が手枷足枷となり、本来あるべきあなたの自由気ままな装いを束縛するのです。

もちろんファッションスタイルは昔に比べ随分多様化してはいるものの、それはそれぞれの理想形がゴールとして用意されており、それに沿うようトータルの装いをコーディネートしていくといったお仕着せの多様性であります。

サファイアブラックダイヤリング

しかし本来お洒落というものは、一つの自己表現の手段。人に褒めてもらおう、あるいはモテたい、異性の気を引きたいなんて言った下卑た心根で行うものではございません。

かの偉大な芸術家、岡本太郎画伯もおっしゃっています。

「人におもねるような、人に気に入ってもらおうなんて心根はダメだ。人に挑み圧倒するような、気圧するような、なんだこれはと人をして驚愕せしめ、嫌悪の情さえ惹起せしめ、反発されるようなものを表現しない事にはそれは芸術とは呼べない。芸術は爆発だーっ!!」

さて、あなた様も今一度自らを振り返り、その人目を意識した、世間体を慮った、あるいは異性に媚びへつらうような、お仕着せのトレンドを追い求めるお洒落は打ち捨てて、真の自分と言う者の個性を世に問うような装いの爆発を表現されてみてはいかがでございましょう。

その第一歩を踏み出すのにうってつけなのが、これからご紹介いたしますこちらの指輪でございます。

サファイアブラックダイヤリング

さてこちら、指輪とご紹介せぬ限りは誰もその正体を見破る者とて無いような外観。

かつて、日本の特撮技術の雄、円谷プロダクションがその特撮技術の粋を結集して製作にあたった人気テレビドラマ、ウルトラQに始まりウルトラマン、ウルトラセブンへとつながるウルトラシリーズという人気の連続テレビ番組がございました。

こちらの指輪ときたら、まるでそのウルトラシリーズに登場する怪獣、珍獣を連想するような、はたまた南米あたりのジャングルにでも生息するような禍々しく極彩色に彩られたな食虫植物かと見紛うような様子。

上下に四枚の花びらのペア、左右に三枚の花びらがこれも対となって配置され、それぞれ全ての花びらがオレンジとイエローのサファイアによって、泥絵の具で描かれた見世物小屋の看板の如くに毒々しく色づいております。

さらにそれぞれの花びらの淵部分にはブラックダイアのメレがこれを隈取するが如くセットされて、さらにそのアクの強さクセの強さを一層誇張しております。

サファイアブラックダイヤリング

しかも驚くべきことにこの花びらは一枚一枚が独立して形成されており、それぞれの付け根部分は全てがある程度可動するように取り付けられている為、着けている人の動きに合わせて全体がワサワサと揺れ動くのでございます。

まさに円谷プロダクションの特殊細工に迫る創意工夫ではございませんか。

さてこの指輪、重量がなんと36グラムもあるという超弩級の超大作。この重量を支えるためにそのリングのウデも半端ない太さ。

ご存命なれば、岡本画伯も絶賛するであろうこと間違いない、並みいる凡庸なジュエリーを蹴散らし圧倒するこの超弩級のド迫力。

このモンスター的指輪を威風堂々と着けこなせる第二の大屋政子女史たるべき女傑よ、いざ出でよ!

ブルーノートに乗じ美女口説く飛道具

サファイア ダイヤ メンズリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

懲役〇郎様にもおすすめしたいイナセな漢のオツな指輪

昔、大阪のミナミにバンビという小粋なジャズ喫茶がございました。ジャズなんて皆目わからぬ学生時分から、そのお店の雰囲気が好きでよく訪れたものでございます。

宝石屋に就職してからも、ちょうどミナミにあった虹の街、今はなんばウォークと名前も改まっていますが、地下鉄の湊町から日本橋の駅に続くショッピングモールにあった支店に配属された時なども、よく休憩時間や、待ち合わせの場所として訪れたものでございます。

ちょうど近所には、知る人ぞ知る大阪名物インディアンカレーの法善寺横丁のお店があり、ここであの、甘くて辛くて美味しいカレーを食べて後、こちらの香り高く苦いコーヒーを頂くのが当時の何よりのささやかな愉しみでございました。

そのジャズ喫茶バンビのウリは、何と言ってもJBLのパラゴンという日本には数えるほどしかないという、とんでもないスピーカー。

普通の縦型長方形、箱型のスピーカーとは似ても似つかぬ、横に長い、全長で言えば2メートルくらいはあったのでしょうか、それ自体が何やら芸術的オブジェのような、高級家具の様な見るからに荘厳な佇まい。そこから流れる出る曲はもちろんクールなモダンジャズ。当然音源は昔の黒いビニール製のレコード盤にレコード針を落として聞くアナログ方式。

まあその音の良い事と言ったら、と言えたらかっこいいのですが、生憎オーディオなんぞにまったく疎い鼻たれ小僧が判ったような顔をして、聴き惚れているふりをしていただけなのでございます。

サファイア ダイヤ メンズリング

店のウリは何も音楽やオーディオだけにはとどまりません。先程も申しましたように、ここのコーヒーがまたよろしい。今のコーヒーと違ってやたら濃くて苦い。

18世紀のフランスの政治家、タレーランが語ったコーヒーの味の定義、「よいコーヒーとは、悪魔のように黒く、地獄のように熱く、天使のように純粋で、愛のように甘い」。まさにこの定義にぴったりの風味とアロマであるよなー、と一口すすっては妙に納得してた鼻たれ小僧の僕。

サファイア ダイヤ メンズリング

またそのコーヒーは見るからに高そうなコーヒーカップとソーサーによって供され、そのソーサーの上には小さい金属製の銀色のピッチャーに入ったクリームと、スプーンに乗せられた角砂糖が二つ行儀よく乗っている。どうですイキでござんしょ?

さらに店の床は本物の木材を使った寄木張り。油を欠かさず塗っているせいかその香りが店内に仄かに漂い、壁や棚には絵画や陶器などが嫌味なく飾られ、店奥の壁には店名バンビの語源なのか、角の立派な牡鹿の頭部のはく製がうやうやしく掲げられ、店内を睨んでおりました。

このお店を一口で申しますと、洗練された大人のお洒落な雰囲気とでも言いましょうか、ハイカラでモダーンなお店とでも言いましょうか。しかし残念ながら時代の趨勢に押されて、もう20年以上前に廃業なさったのが本当に悔やまれます。

サファイア ダイヤ メンズリング

さて、ジャズという音楽にまつわるものは、このお店に象徴されるように実に洗練されたお洒落、粋な物事が多ございます。これはその演奏するミュージシャンにも当てはまるようで、フォークミュージックやロックを演る野郎どもが破れたジーンズやちびた下駄、工事現場の安全靴なんぞを履き、むさくるしい長髪をラーメンの汁とともに啜っているありさまとは裏腹に、ハリスツイードのジャケットにフランネルなんぞのパンツを小粋に合わせ、アスコットタイなんぞで優雅にキメてまことにダンディ。

50年代から60年代の海外のジャズミュージシャン、例えばマイルス・デイヴィスに代表されるクールでいかしたジャズミュージシャンは言うに及ばず、日本のオールドジャズプレイヤーもカッコイイおじさん揃い。わたくしの若い頃にもピアニストの世良譲さん、クラリネットの北村英治さん、サックスの松本英彦さん、同じくサックスのナベサダこと渡辺貞夫さん、ドラムスのジョージ川口さんなど、みんなもうダンディとはこういうものかと感心する、男性のお洒落のお手本のような方たちばかりでした。

さて、喫茶バンビの顧客層にもやはりそういったシャレオツおやじに感化されたような、「うーん渋い!」と唸るような、大阪ミナミでは滅多お目にかかれないような素敵なおじさま方が数多く見受けられました。

サファイア ダイヤ メンズリング

さてそういったジャズ界のプレーヤー、オーディエンスひっくるめてのお洒落の達人のおじさん達に共通するお洒落の必殺技、マストアイテムと言って良いのが、私の睨んだところ指輪なのではないかと思うのでございます。

この小道具を上手く着こなすことができたなら、もうあなたはお洒落の達人。ダンディ坂野。女性にモテる事必定。

正面の壁面いっぱいにありとあらゆる洋酒のボトルが並び、ジャズが静かに流れるバーカウンターで美女と隣り合わせ。その流れる曲の蘊蓄をさりげなく語る。「この曲は多分ニューヨークのヴィレッジヴァンガードのライブでバックにチャーリーミンガスがサポートで入っているはずなんだよ」などと口から出まかせ。オリーブ漂うドライマティーニのカクテルグラス掲げるその手にさりげなく蠱惑的な宝石輝かせれば、たちまち美女はあなたの虜、知らんけど。

まあ、実際当時のミナミの盛り場などでは数多く、大仏の如きパンチパーマのヘアスタイルに極太キヘイネックレスを首からぶら下げ、クロコダイル革の靴を履いたいで立ちのオジサンもよく指輪をひけらかしながら歩いていたものですが、そういった流派とはまた別の流れ。あちらの流派の指輪は喧嘩の際の武器、凶器兼用の用途でございますが、私がここで声を大にして主張致したいのは、あくまでこちらはナンパ用、対美女の武器としてでございますれば、くれぐれも誤解無き様お願いいたしたい。

サファイア ダイヤ メンズリング

さて、ご覧いただいておりますこちらのメンズリング。是非ともそういった軟派流抜刀術師範クラスの使い手にご愛用頂きたい最高のサファイアメンズリングでございます。

こちらリングの内側の刻印を見ますとブランドかメーカーのホールマークらしき印と18金の金性を示す750の数字が打刻されております。ただしサファイアと脇石のダイアモンドの石目を表すキャラットの刻印がございません。これは750の刻印からも推測される海外製品の特長。したがいましてはっきりした石の重さは申し上げられませんが、中石は大きさから推測するに2キャラット前後はあろうかと言う立派なもの。内包物もサファイアにしてはかなり少なく、綺麗に澄んだ、ムラの無いサファイア独特の群青色を呈しております。

サファイア ダイヤ メンズリング

そしてこの中石を取り囲みますメレダイアモンドも直径が約2.1ミリが17個、およそトータルで0.5キャラットぐらいの石目はあるかなというところ。このメレダイアもかなりの高品質。海外一流ジュエリーブランドが使用する品質のものに全くひけをとりません。このメレダイアの品質一つ取って見ても、この品物の素性の確かさの裏付けとなるのでございます。

パンチパーマ系顧客層に向けて作られる事の多かった国産メンズリングは、いかんせんイカツイ、はったりの利く見た目重視ながら、品質がイマイチというものが中古品として流通するものの中でもかなりの割合を占めるはず。また、そのオーナーの荒んだ暮らしぶりを反映してか、傷みの多いものがほとんど。しかるにこちらは海外製造の高品質素材。しかもメンズリングに多い痛みがほとんど見受けられません。

そういった意味でも、まさにメンズリングの掘り出し品。こんなのは滅多出るもんじゃあない!日本で一番指輪が似合う男、伝説のファッションデザイナー、菊池武夫先生にも堂々とお勧めできる当店自慢の紳士用指輪でございます。

タケ先生買ってちょんまげ!

ありのままの魅力 変色非加熱サファイア

非加熱 カラーチェンジ サファイア ダイヤリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

これは珍しいヴァイオレットからパープルへと色が変化するサファイア、しかも非加熱、その上美しい!

「好きな言葉はLet it beでしょうか」

と語ったのは今をときめく、かの時の人ですが、これは元々ビートルズのポール・マッカートニーが作った名曲のタイトル。日本語にすれば「ありのまま」に、あるいは「なすがまま」という事らしいのです。よく似た歌のタイトルにディズニーの大ヒットアニメの主題歌「Let it go」というのもありましたけど、こちらの日本語の歌詞も「ありのままに」と歌われております。

さて、この“Let it be”あるいは“Let it go”という言葉、実は東洋のスピリチュアルな教えに深く根差した、有難い教えの言葉なのでございます。

実際、ポールマッカートニーはビートルズのメンバーの一人で印度オタクとしても有名なジョージ・ハリソンの影響によってインドの聖者、マハリシ・ヨーギーという人の下で瞑想とともに、ヒンドゥー教に根差した彼の教えも授かったという事。きっとこの“Let it be”という言葉や歌詞の意味もそういった教えの影響があるのかも分かりません。

非加熱 カラーチェンジ サファイア ダイヤリング

さて、仏教においても様々な偉いお坊さんが、このあるがままという事の大切さを説いておられます。

タイの伝説の高僧アチャン・チャーという人はその多くの著書の中で、「手放して生きる」という事を力説されておられますが、この仏教でいうところの手放し、いわゆる放下という教え、つまるところ“Let it be”、ありのままにという事につながるのでございます。

その歌声がなんとも魅力的だったカレン・カーペンターが亡くなってもう結構な年月がたちますが、今でも根強いファンにその人気が支えられているアメリカの兄妹ヴォーカルグループ、カーペンターズ。そのヒット曲の一つに「雨の日と月曜日は」という名曲がございます。その歌詞の節々に「雨の日と月曜日はいつも気が滅入ってしまう」というフレーズが出てまいります。

非加熱 カラーチェンジ サファイア ダイヤリング

さて、では何故雨の日と月曜は気が滅入るのでしょうか?以下にその理由を述べよ、という設問が出たと致しましょう。

<濡れると鬱陶しいから><洗濯物が乾かないから><働きたくないから><職場にウザイ奴がいるから>。

そのほか沢山の理由が挙げられることでしょう。この沢山な理由は「雨の日と月曜日」にオマケの様に付随して、どなた様のもとにも、もれなく一緒に訪れるのかというと、そうではありませんね。

「雨の日と月曜日」という言葉から思い浮かぶあなたの思考ですね。雨の日も月曜日もただそれが事象として現れ、それをあなたの様々なバイアスによってゆがめられた思考によって、いろんなネガティブな理由を創造し、憂鬱な事だなーと結論付けているわけであります。これが世間でよく言われるところのマイナス思考のパターンです。

ならばこれを逆手にとって、プラス思考で前向きな楽しい人生を送りましょうという事を人生の指南書、自己啓発書みたいな本にはよく書かれてあります。

例えば恵みの雨が大地を潤し、命を育んでくれてるのだわ、ありがとうの感謝の気持ちがあなたの憂鬱な気分を吹き飛ばしてくれます。とか、こうして五体満足健康で働ける喜びをかみしめ、神仏に感謝の祈りを捧げつつ、今日一日を実りある日とするんだ、など。

非加熱 カラーチェンジ サファイア ダイヤリング

しかし、思考というものはそんなに単純なものではございません。

いくらプラス方向に思考を向けようとしても、思考というものはそう簡単に主の言う事は聞いてはくれません。聞いてくれないどころか、ほとんどの人間は自分の思考のシモベとなり、日々徒に喜怒哀楽の感情のいちいちに動転し、右往左往して生きている有様なのでございます。

それだけではございません、なにかの拍子で思考が肥大化し、暴走するととんでもない事件を巻き起こしたりもいたします。

例えば最近ですと、映画「ジョーカー」を観て主役の悪のヒーロー、ジョーカーに憧れ、電車内で人を殺そうとした人間がおりました。これなぞまさに思考の暴走、制御不能の狂気の仕業ではございませんか?

イギリスが生んだ天才劇作家ウィリアム・シェークスピアはこの様な言葉を残しております。「物事に良いも悪いもない。思考がそれを決める」

また、現代の最高のスピリチュアルティーチャーと呼ばれるエックハルト・トール氏はこの様に言っています。「思考を本物の自分であると思ってはならない」

非加熱 カラーチェンジ サファイア ダイヤリング

さて、手放す生き方とはこの、マイナスであろうとプラスであろうと、思考そのものを手放す、ありのままの事象をありのままに受け止め、それに自分勝手な解釈やストーリー、その多くはネガティブなものですが、を付け加えない。つまり、これこそが“Let it be”の意味するところなのでございます。

実際この境地に至れば、人は真の平安、自由が得られるとされ、この境地こそが即ちエンライトメント、覚醒、悟りの境地。ブッダが説いた空なる場所なのでございます。

身の回りにいかなることが起きようとも、また自らの死が目前に迫ろうとも心が文字通り動じないようになる訳でございます。この境地を目指し、多くの修行僧や、様々な宗教の弟子たちは座禅や瞑想に励み、心の制御を手に入れようとしているわけなのでございますが、この道を極める事は決して安易な道ではございません。一生を空しく修行に費やし、老いさらばえ悲嘆に暮れて死にゆく者がほとんど。

ただ驚くべきは、この「好きな言葉はLet it be でしょうか」とのたまわった青年。彼はまだ三十才の若さにして、この好きな言葉の指し示す境地に既に達しているのではないかと思わざるを得ないのです。

なにせあれだけマスコミやらSNS上での激しいバッシングを受け、もはや日本国中を敵に回したような状況。常人ならば精神を病むか、下手すりゃ、いっそ姫と二人で命を断って、あの世で見事添い遂げましょうぞ、とでもなるところ。

それが彼はまるで馬耳東風、蛙の面に小便。一切ひるむ事も、キレル事も、落ち込む事も無く淡々として、しかも易々とその目的を達してしまったではございませんか!とても常人の成せる業ではございません。いや素晴らしい!きっと悟りに至った聖者、覚者にちがいありますまい。

浮世の垢にまみれる弁護士になるなんて止めて、いっそグルか教祖にでもなられたらいかがでしょうか?弁護士よりも多くの悩める人々を救えることができるはずですぞ、きっと!

という事で本日は、ありのままのサファイアのご紹介!

非加熱 カラーチェンジ サファイア ダイヤリング

さてご覧いただいでおります、このすみれ色鮮やかなる宝石は、なんとサファイアなのでございます。それもなんと、カラーチェンジ、ノンヒート即ち、変色性のある非加熱サファイアなのでございます。

カラーチェンジと言いますと真っ先に思い浮かぶのはアレキサンドライト。しかしサファイアの中にも負けちゃいられないてんで、光源の色の変化で変色するものがございます。

こちらのサファイア、太陽光の下でご覧いただきますと青みがかった紫、すなわちヴァイオレット、ご覧いただいているような綺麗な菫色を呈し、白熱光の下でご覧いただきますとなんと赤身のかかった紫、すなわちパープルに変化するのでございます。紫色の範囲のなかでの両極への色変わり。何ともノーブルな感じで、粋じゃございませんか。

非加熱 カラーチェンジ サファイア ダイヤリング

しかも内包物もサファイアにしては珍しいほどに少なく、その石の内部の様子は、昼間の雲一つない素晴らしい快晴を予感させるような、明方の菫色の空のように澄み渡っております。しかもカットも色石にありがちなアシンメトリーのアンバランスな粗い仕事ではなく、きちんと上下左右の対称性を保った綺麗な拵え。そして何と言っても、この綺麗な発色が、人の力を借りた加熱処理によってもたらされたものでないという点に値打ちがあるのでございます。

サファイアやルビーといったコランダム系の宝石は、一般に加熱処理され色の発色を促したり、改善するのが一般的で、今では宝石業界の常識として知らぬ人は居ないくらい。

ただし、たまにはもちろん採掘されたままの状態、ありのままで美しいものがございます。それがこちらの石、非加熱サファイアなのでございます。

たまに、まったく宝石として魅力の無い石を非加熱と言うだけで法外な値段で売っているのを見かけたりしますが、それはインチキ。あくまで人と一緒で整形されていない生まれたままの美女と言うのがお値打ちなのでございます。こんなのは今の芸能界でも滅多にお目にかかれません、知らんけど。

さあ、そんな何の手も加えられてない、ありのままの美女が、生野の名工の手によって手造りされた豪華ラージメレダイア取り巻きのリング枠に収まって、燦然と神々しく輝くこの指輪。

さて、この無添加無着色、菫色の絶世の美女を射止める果報者はどなたかな?

椿三十郎見参!

ルビー ガーネット ダイヤ フラワーブローチ

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

ヴェルヴェットのお召物などにこちらをお着けあそばし管弦楽の夕べなどをお愉しみあそばされますればお気持ちもなお一層華やぐことかと

黒澤明と言えば日本が世界に誇る映画監督。

映画「羅生門」で1951年のヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞し、続けてさらに第24回アカデミー賞で外国語映画賞を受賞したのをきっかけに、彼が紡ぎ出す名画、名作はその後も海外の名だたる映画賞を次々と受賞。晩年にはアメリカの映画芸術科学アカデミーからその長年の映画界に対する功績を称えられてアカデミー名誉賞が、そして没後は日本国政府から国民栄誉賞まで送られているのでございます。

ハリウッドの名監督スティーブン・スピルバーグ、ジョージ・ルーカス、フランシス・フォード・コッポラ、マーティン・スコセッシ、スタンリー・キューブリックなどなど数々の巨匠から映画の師として尊敬されており、世界の映画界に与えた影響は計り知れません。

さて、この世界の黒沢監督作品でわたくしの一番好きな作品が「用心棒」と「椿三十郎」。これは続編二部作で、主人公の三船敏郎演じるやたら腕の立つ素浪人が、悪い奴をバッタバッタと切り捨てる痛快娯楽時代劇。

ドストエフスキーや芥川龍之介などの文学作品を原作にすることの多い、少しめんどくさい傾向の黒沢作品にあって、この二部作は例外的に娯楽に徹した映画と言ってもよいかと思います。

ルビー ガーネット ダイヤ フラワーブローチ

また、この映画の主人公もそれぞれの作品で、その名乗る姓こそ違いますが三十郎という名の浪人を演じた三船敏郎のカッコよさといったら、もう典型的な映画のヒーローそのもの。実際この後の時代劇に登場する腕の立つ浪人の原型がこの三船演じる三十郎であり、なおかつそのかっこよさを超えるキャラクターは皆無。このスーパー浪人侍の原型は映画、テレビの時代劇の枠を超え、後の劇画の世界にも影響を与えたのでございます。

テレビや映画にもなった伝説の劇画「子連れ狼」などでお馴染みの小島剛夕先生は、その「子連れ狼」の主人公、拝一刀の作画のイメージを三船敏郎の浪人姿をモデルにしたというほど。また、この小島先生の師匠である白土三平先生もその作画の上で、刀によって人間が惨殺されるシーンで、血しぶきの飛び散る描写など、まさにこの両シリーズ、特に「椿三十郎」のラストシーンに大きく影響を受けていると見られます。

ルビー ガーネット ダイヤ フラワーブローチ

さて、この二つの剣豪浪人モノのなかの一つ「椿三十郎」。そのなかで印象深いのが、この浪人の名前にもなっている椿の花。

物語の舞台となるのが通称、椿屋敷と呼ばれる椿の花が美しく咲き乱れるお屋敷。この椿の花が後々物語の展開にも重要な役割を担っていく訳でもあります。

わたくし、この映画を思い浮かべる時、まず鮮明な印象として脳裏に浮かぶのが劇中に出てくる真っ赤な椿の花。しかし実はこの映画、初期黒沢作品共通のモノクロ撮影。つまり白黒の映像な訳で、赤い椿の花の印象が残る訳はないのでございます。

実際撮影秘話として、黒沢監督は椿の花のシーンだけパートカラー、つまり部分的にカラー映像にしようかと企んだらしいのですが、技術的に不可能。そこで、撮影スタッフは赤い椿を黒い色に塗り、モノクロで見た場合の深紅のイメージを創作したという事。こういうのをきっと匠の技と言うのでございましょう。黒を赤に見せるなんて。

ルビー ガーネット ダイヤ フラワーブローチ

さて、こちらにご覧いただいておりますのも、椿の花のようなイメージのブローチ。

大変大判の商品で縦横およそ6センチ四方で目方もずっしりと46グラム。実に立派なサイズのブローチの使われているルビーが20キャラット、葉っぱの部分に使われているグリーンのガーネットですら4キャラットを超えるボリュームの超大作。ブローチとは云えど下手に薄い生地のブラウスなんかに着けるとブローチの重さで服がずり落ちてしまうからご用心。

さてこちらのお品、ご覧いただく画面からもその迫力が伝わってくるかと存じますが、これはなにも、製品の大きさと、豪華に散りばめられた宝石だけのお陰だけではございません。

実は黒澤組撮影スタッフの工夫と同様の細かい工夫がこの製品の細部には施されているのでございます。それは何かと申しますと・・・・

ダイアモンドを除く石留部分の小さな18金ホワイトゴールドの爪部分は全てブラックメッキが施されております。この石留の爪全体を黒くすることによりまして、この花の赤と葉の緑がよりはっきり鮮やか、いきいきして見えるようになっているのでございます。

ルビー ガーネット ダイヤ フラワーブローチ

ただ驚くべき事に、このブラックメッキは、石留の後のサシメッキという手法で施されている点なのでございます。つまり、先ずブローチの土台となる地金部分全体に一括でロジウムでホワイトゴールドメッキを施した後、この細かいルビーとグリーンガーネットを一個ずつブローチ枠に石留していきます。

そして全ての石留が終了した後、このそれぞれの石を留めている爪一本づつに黒の部分メッキをメッキペンという道具でもって施していくのでございます。この細かいルビーとガーネットの総数がおよそ500個前後はございますので、爪の数はそれを遥かに上回る数。想像するだけで気の遠くなる、細かく根気のいる作業。したがいまして、この石留とサシメッキの工賃だけでも相当な金額が想像できるというもの。

こちら、一見アクセサリーかとも見紛う大判のブローチ、実はスゴ技撮影技師の職人技が凝縮された黒澤映画作品のように、目の肥えた人にはおのずとわかるジュエリーの逸品なのでございます。

見くびってはいけない一流ブランドの底力

ティファニー バイザヤード ネックレス

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

ティファニー定番人気の一粒ダイヤのネックレス「バイザヤード」。独特の世界観で知られるデザイナー「エルサ・ペレッティ」の魅惑的なジュエリーは、官能的で立体的なデザインが特徴です。 頑張っている自分へのご褒美や、大切な方へのプレゼントに最適な逸品です。

わたくしが以前ご厄介になっておりました宝石屋は宝飾品だけではなく、日銭稼ぎの為にハンドバッグや財布といった皮革製品も取扱っておりまして、営業の新入社員は大抵ハンドバッグ部門からスタートするといった慣わしでございました。これはひょっとすると手癖の悪い奴をふるいにかける為の方便だったのか、あるいは売り子の向き不向きを見定めるための方策だったのか、今となってははっきりわかりませんが、私は売り子向きではないという烙印が押されたのか結構バッグ部門にも長く滞在いたしておりました。

今ではブランドのバッグというものは、そのブランドの直営店で買うという事が当たり前のようになっておりますが、わたくしがまだフレッシュピチピチ純情可憐な新入社員だった40年も前の昔は、ブランドといっても、代理店が入って間接的に販売するか、あるいはライセンス契約といって、日本の鞄メーカーがそのブランドとのライセンス契約を締結し、その条件の下で製造販売するという事が一般的でございました。

わたくしの勤務してましたお店もサンローランとかバーバリーなどといったブランドバッグを扱っておりましたが、これらは全て国内製造のライセンス商品。たまにバリーとかボッテガヴェネタなどの海外で生産されたバッグが入荷したりしてましたが、これらは三崎商事などの輸入商社が間に入って仕入れたもの。そういやその頃その三崎商事から仕入れていたゲラルディーニのパラシュート素材のバッグが飛ぶように売れましたねー。今でも有るんでしょうかねこのブランド?

さて、宝石のメーカー、問屋が多く集まるのは、ご存知東京は御徒町。全国の小売店や問屋さんはみんなこぞってこちらに仕入れに訪れるわけですが、バッグの場合は同じ東京でも浅草橋や蔵前と相場は決まっている。

ティファニー バイザヤード ネックレス

同じメーカー、問屋でも宝石とハンドバッグですと会社の雰囲気もガラっと違ってまして、宝石なんてものはやはりその商品の性格上、そういった会社の社員もツンとオツにすまして、みんなジュエラーでございてな顔してる。そこいくとバッグの方はなんつったって、下町は台東区浅草てことで、江戸の下町情緒が色濃く漂っております。歳のいった創業者の社長さんなんかはホント寅さんの映画か、落語の中に出てくるようなオイチャン。

「みなさん昼はもうお済みで、えっ、まだ?そりゃいけねー。ちゃんと食べねーと身体に毒だ。おーい誰か、こちらさんちょいと寿司ぃでもご案内して」なんて感じで、実にまあなんというか江戸情緒ってものをしみじみ感じさせていただいたものでございます。

さて、そういった浅草橋の爬虫類専門のハンドバッグメーカーさんで仕入れた、オーストリッチの話。

ティファニー バイザヤード ネックレス

オーストリッチといっても一般の、特に男の方はピンとこないかも分かりませんが、これはダチョウのこと。あの動物園にいる飛べないけど、図体ばかりやたら大きな鳥ね。

この鳥の皮革、即ち皮を鞣して革にした、ハンドバッグなんかに使われる高級素材なのでございます。一応鳥の皮ですが、バッグ業界ではこれは爬虫類の分類に入ってて、ワニやトカゲなんかの皮革を扱うメーカーが一緒に扱っているのです。

デカい図体だから取れる皮も多いだろうに、なんで高級素材かというと、その皮の値打ちがあると言われている、斑(フ)のある場所が大きな身体の中でもほんの僅かな部分に限られているから。この斑と言うのはオーストリッチの実物の製品をお持ちの方ならすぐご理解いただけるのですが、皮革表面に均一に分布するブツブツの突起の事。これは形状からしても明らかに毛穴。つまり鳥の羽毛の生えていた跡なのでございます。

つまりオーストリッチという鳥は写真で見ると羽毛がふさふさ生えているかに一見観えますが、実は首から上と足の部分はハゲちょろけで、この様子から見て、胴体の部分も一九分けのオッチャンの頭部よろしく、きっと範囲の広い地肌部分の露出を、他の部分の長い羽毛がカバーしているのでございましょう。

この大判の鳥肌、ブツブツがキモいと言えなくもないオーストリッチの皮革の魅力は、なんといってもその非常に強靭な丈夫さにあります。

一般的によく皮革製品に用いられる牛革などですと、ひっかき傷に対しての耐久性がそれ程高くございません。特に高級素材カーフスキンなどと呼ばれます子牛の革などになりますと、人の爪がこすっただけですぐひっかき傷が生じます。

ティファニー バイザヤード ネックレス

しかし驚くなかれ、このオーストリッチの革はなんと五本の指の爪を立てて大人の男性がしっかりひっかいてもびくともしない。お疑いならお手持ちのオーストリッチのバッグなり財布で実験なさってみてくだい。見事キズが付きましても責任は持ちませんが、キズが付けばそれは他の動物、あるいは人口素材の皮に型押し加工を施したオーストリッチ類似皮革でございましょう。

オーストリッチの魅力は何も丈夫なだけではございません、この皮革を用いた製品を長らくご愛用いただきますと、このブツブツの突起から油分がじわりじわりと沁み出しまして、あたかも磨き込まれた銘木かなんぞの様な、何とも言えない良い艶を帯びてまいります。大概の皮革は使うほどに小傷が堆積し、美観が損なわれていくのに反し、この皮革だけは使えば使い込むほどツヤが出て魅力が増していくといった特徴がございまして、この魅力を一度知ったユーザーは二度とオーストリッチ製品から離れられなくなるのでございます。

さてこの高級皮革でありますダチョウの皮ですが、これから申し上げますことはあくまで、わたくしが浅草橋に仕入れ行ってました40年程前に聞いた話である事を念頭に、現状とはいく分かけ離れた話としてお聞きくださいませ。

当時、ダチョウという鳥は、何かと昨今話題にのぼる南アフリカで、一社独占で養殖、即ち人工飼育にて皮革及び食用として生産管理されていたのでございます。

良質のオーストリッチの皮革を手に入れるにはこの養殖のプロセスが欠かせない手段だそうで、何故かというと、この大きな斑、即ち立派な大きくしっかりしたブツブツの鳥肌を作るためには、その生えている羽毛を何度も人の手で毟り、毛穴を大きくさせる必要があるからだそうです。まあ人間でも手足の毛をカミソリで剃ると濃くなるなんて言いますが、きっと同じ原理なのでしょうが、何やらむごい光景ですねぇ。

ティファニー バイザヤード ネックレス

さてこうしてブツブツの立派な毛穴に育ったダチョウの皮革ですが、なかなかいいモノを仕入れるのが難しいらしいのです。浅草バッグ屋の大将の言うには・・・

「いやね、日本人が行ったって良い皮はそう簡単には売ってくんねーの。まあ、南アフリカだから人種差別かと思ったらそうじゃねーんだよ。良質の原皮はみんなエルメスが金に糸目は付けずに、ごっそりかっさらっていっちまうんだ。そりゃあんだけ高けー値段で売るんだもの、相場無視の王様買いよー!だからここにあるオーストなんてアレだよ、エルメスの食い残し、残飯みたいなもんだよ、べらぼーめ!」

流石天下のエルメス、最高の原材料を仕入れるには金に糸目を付けぬ大人買い。

ただし、こういった大人買いは何もエルメス一社の専売特許ではございません。

あれから40年の時を経た今日でも、多くの有名ブランドがそのブランドイメージ維持のため、その製品の元となる原材料の調達には最大の努力と最高の予算を注いでいる事に変わりはございますまい。

という訳で今回もまた、弊社一押しのバイザヤードペンダントの賛美となる訳でございます。

ティファニー バイザヤード ネックレス

さあ、回りくどくダチョウの皮の話からここにたどり着いたからには、察しの良い皆様ならもうお分かりでしょう。このペンダントに留まって燦然と輝くダイアモンド。これだってエルメスのオーストリッチと一緒。ティファニー社のダイアモンド仕入れにおける大量大人買いの賜物!

まあこの辺の最高クラスのダイアモンドとなりますと、いくらメレサイズとは言え、というか逆にメレダイアモンドはアクセサリーの様な小品からハイジュエリーの脇石にまで幅広い用途がございますので、有名ブランド間でもこの辺の良質の小粒のダイアモンドはもう一番争奪戦の激しいところ。もう大手ブランド入り乱れての大乱闘の有様。

ティファニー バイザヤード ネックレス

まあそれぞれ各社、独自の確実なルートをちゃんと開拓されてるのでしょうが、そういったルートの開拓にも定期的な量と金額の仕入れ約束をしない事にはおいそれとは確立できない。全世界に販売ルートをもつ人気ブランドジュエリーならではのその販売力、その実力に裏打された剛腕力業の商品調達力がこの一粒のまばゆい輝きに集約されているのでございます。

しかもまともに買うとその力業の反動としての、あたしたち庶民にとっちゃ厳しい一流ブランド価格のお支払いを余儀なくされるところ、中古なればほれご覧の通り、お財布に優しい一般ジュエリー価格で買えるといった寸法。

これを見逃す手は無いと思うよ、オイチャンはさぁ?。

バイザヤードの卓越したデザイン

ティファニー バイザヤード ネックレス

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

ティファニー定番人気の一粒ダイヤのネックレス「バイザヤード」。独特の世界観で知られるデザイナー「エルサ・ペレッティ」の魅惑的なジュエリーは、官能的で立体的なデザインが特徴です。 頑張っている自分へのご褒美や、大切な方へのプレゼントに最適な逸品です。

「俺の!俺の!俺の話を聞け―」

とばかり横山剣バンドのヒット曲の如く声高に、毎回軽佻浮薄なブログを皆様方に嫌がおうにも押し付けているわけでございますが、この様にコンスタントに、たとえ内容の無いようなお話でも、発表し続けるというのはプロの物書きでないわたくしにとりましてはかなりの難行苦行。

まあ適当な世間話、無駄話、特に下ネタなら得意なのですが、とりあえず宝石ブログとうたっているからには、なんとか宝石でオチを付けなければならない。落語の大喜利なんぞでよく見かける、何々とかけて何と説く、その心は何とやら、という「謎かけ」。この最後のその心はという所を全部宝石で締めくくらなきゃいけない。しかもその宝石は当社の在庫品でこれを賛美し、皆様の興味を掻き立て、購入意欲の増進に繋げなくてはいけない。こりゃなかなか普通の馬鹿には出来ない芸当、アホにしかでけん。

そこで、まあこちとら素人なんだから、やはりプロの先生の雑文をば参考にさせて頂かねばという事で、古い本を引っ張り出しては日々研鑽に余念がございません。ウソやけど。

ティファニー バイザヤード ネックレス

こういった雑文というかエッセーというかコラムというのか何と言うのんか知らんねけど、わたくしの好きな作家先生が三人ほどいらっしゃいます。

先ず、そのうちのおひとりが、以前にも書いたと思いますが、尼崎が生んだ天才、ダウンタウン松本か中島らもかというくらいの、中島らも先生。先生のご存命中は正直あんまり関心がなかったのですが、亡くなったあと何かのきっかけで読んだ雑文がやたら面白く、以来すっかり虜になってしまったわけなのであります。

中島先生はかつて雑誌「宝島」に連載されていた「啓蒙かまぼこ新聞」に代表されるような、いわゆるサブカルチャー系のご出身。ご自身も幾度か薬物所持で警察のご厄介になるなどの経歴の持ち主。それゆえ我々凡人と違った視点で物事を観察し、またさらにそれに独特の、思わず微苦笑がこぼれるような解釈を加えるといった非凡な才を発揮され、いまだ多くのファンを抱えている人気作家。自らの薬物所持による逮捕をネタにした「牢屋でやせるダイエット」などといった作品など、そのタイトルだけで氏の真骨頂が伺えますね。

ティファニー バイザヤード ネックレス

さて二人目は東海林さだお先生。この方、作家というよりも本業は漫画家さん。しかも劇画なんかのシリアスな漫画ではなく、明治のポンチ絵の伝統を今に引き継ぐユーモア漫画の正統派。ですから文章の方も愉快な漫画のイラストが添えられた、いたってほのぼのとしてたのしい内容。

代表作のコラム集の一つ「満腹シリーズ」なども普通のありきたりな食リポなどと違い、食物の擬人化、また逆に人物の食物化と縦横無尽なレトリックを駆使しつつも、実に読みやすい、親しみやすい読み物。しかも連載ものの毎回毎回のクォリティーを高度均一に保ち、長年にわたり書き続けておられる才能は本当に驚異的でございます。

ティファニー バイザヤード ネックレス

さて三番目の先生は先のお二人とはがらりと違い、大正生まれの偏屈頑固親父、山本夏彦先生。この方の文、正統派中の正統派。冗談やユーモアなどの付け入る隙も無い、簡潔で無駄の無い硬質な筆致で世間に起こるあらゆる事象の本質を暴いていく。なんならタイトルだけで氏の言わんとすることの半分は分かるような気がして、本文を読んでさらに深く納得するという寸法。

例えば、「生きがいと差別」という題の中身に「我が家にピアノがあって、燐家に無くて、はじめて豊かなのである」と記されている。

また、こんなことをしれっと描いていらっしゃる。「人は分かって自分に不都合なことなら、断じて分かろうとしない」。あるいはまた「何用あって月世界へ」などなど、実にみごとな偏屈頑固意地悪爺ぶり。

氏は大正一桁の生まれで、幼少より漢文に親しみ、若くしてフランスで学んだとございますが、大正生まれで外遊経験があれば誰もがこんな文を書けるかと言えばさに非ず。やはり天賦の才のなせる技なのでしょう。

ティファニー バイザヤード ネックレス

まあ、上に挙げたお三方ともお見事で、とても私如き凡俗が真似しようとて真似できるような文章術ではございませんが、このお三方の中でも最もわたくしが憧れと羨望を禁じ得ないのが、最後に挙げた山本先生の文章。端的にして明瞭。無駄というものが一切なく、しかも物事の本質を的確についておられる。わたくしの冗長で不明瞭、品性、知性のカケラすらうかがえぬ駄文とは月とスッポン。

さて、この切れ味鋭い山本夏彦先生のコラムの味と一脈通じる宝飾品がこちら!よく聞いといて下さいよ、ここからが冒頭に挙げました「なぞかけ」の肝心なところなんすから、ホント。

ティファニーバイザヤードペンダント、“デザインド バイ エルサ・ペレッティ”とクレジットにございます通り、こちらティファニーバイザヤードシリーズはティファニー専属デザイナー、エルサ・ペレッティの手によるものでございます。

ティファニー バイザヤード ネックレス

でも、デザインってどこをどうデザインしてるの?キラキラもモフモフもドッカーンも何もあらへんや無いの?

そうです、おっしゃる通り。こちらバイザヤードシリーズは徹底したデザインの排除によるデザインなのです。

かつて、日本人服飾デザイナー川久保玲氏が自身のブランド、コムデギャルソンにおいて黒一色のモノトーンを用い、徹底した色の排除を行い、パリはおろか世界中のファッション業界に衝撃をあたえたように、このバイザヤードシリーズも一種のデザインというものへのアンチテーゼとしての非デザインがそのコンセプトの中核を成しているのではないかと思われるのでございます。

一切のデザインを排除して、そして後に残るものとは、そう、山本夏彦先生が文章から一切の無駄をそぎ落とし、真理を明らかにしていったが如く、ダイアモンドの真理本質、そのまばゆい輝きがより一層明らかにされているのでございます。

タンザニアの夜は紫

タンザナイト ダイヤペンダント

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

ペアシェイプのタンザナイト。キリマンジャロに広がる青紫色の夕暮れ時をお楽しみください。

ケンドーコバヤシという芸人さんがおられます。

なぜ、ケンドーなんでしょうか?剣の達人あるいは、剣道の有段者なのでしょうか?あるいは、名前が兼道とか健道とかで、それを音読みに変えたのでしょうか?そして何故カタカナ表示なのでしょう、もしや外国の方なのでしょうか?あるいはこれに対抗してジュード―タナカなどと名乗る相方の芸人もいるのでしょうか?

ことほど左様に、一人のお笑い芸人の名前一つを取ってみても、最近の芸能人、芸人の名前は昔と違い複雑化の傾向いや増すばかり。

昔の芸人、例えば漫才師などで言えば、やすし、きよし。さぶろう、しろう。いとし、こいし。お浜、小浜など非常に分かりやすいネーミングが多かったものです。

もちろんお笑いですから普通じゃないトリッキーな名前もございまして、例えば、エンタツ、アチャコ。ダイマル、ラケット。おぼん、こぼんなど、とても人の名前とは思えないようなものがそのクチ。阪神、巨人なんてのもその流れをくむ、現実にはありそうも無い名前。実際巨人師匠なんて聞くと、とてもイカツイ大師匠の様なイメージ。名は体を表すで、実際ご本人も如何にも口うるさい怖そうなオッチャンですな。

ただ、そういった昔のふざけた芸人っぽい名前も、現在の乱れた芸人のネーミングに比べれば可愛らしいもの。

たとえば、「霜降り明星」。

なんですかこれは?霜降り肩ロースとかならまだ理解できる範囲ですが、霜降りの後になんの脈略も無く明星て?明星いうたら平凡ちゃうんと昭和のオッチャンはツッコみたくなるんよね。ほんでなんでそのうちの一人の名前が粗品なん?どこが粗品か知らんけど、そない卑下せんでもええんちゃうの?

あるいは千原ジュニア。

なんでせいじの弟やのにジュニアなわけ?せいじの子供や無いでしょ?ヤンガーブラザー言わんとあかんのちゃうん?千原ヤンガーブラザー、ださ。

あるいは「もう中学生」って、はあ?どう見ても立派な大人ですけど。

「四千頭身」てどんだけでかいねん?進撃の巨人か?「アインシュタイン」どう見てもフランケンシュタインやん。

お笑い以外でもいてますよ。「みちょぱ」と「ゆきぽよ」。おっちゃんらこの二人の見分けすらつかへんし、まったく訳が分かりません。

「王林」。てっきり中国か台湾のお嬢さんか思ったら、青森県出身って、国籍詐称ちゃいますのん?

タンザナイト ダイヤペンダント

とまあ、ボヤキ漫才の様相を呈してまいりましたが、実はここでわたくしが申し上げたいことは、ネーミングの重要性という事なのです。

お笑い芸人などは特に目立ってナンボ。ネタやそのパフォーマンスより以前に、まずはとりあえずインパクトある名前で目立っておこうという腹積もり。

もちろん他の芸能人、俳優や歌手の方たちにしましても同様。ただこちらの場合は目立つことのみを狙った突飛な名前という事ではなく、その人物、キャラクターがより際立つような、ファンにイメージが浸透しやすいような名前が選択されます。

例えば、加藤和枝は美空ひばりとなり、吉田芳美は天童よしみ、蒲池法子は松田聖子、鬼束ちひろは鬼束ちひろ、わっ、これはバッチシ、強烈キックが連想しやすい!

あるいはまた、芸名を変更したお陰で、人気が爆発。大物歌手の仲間入りをした方もおられます。

松山まさる、一条英一、三谷謙と芸名を変えるも鳴かず飛ばずの歌手が、当時読売テレビの人気番組、全日本歌謡選手権で10週勝ち抜き、レコード歌手としての再デビューの権利を獲得。再デビューするからには芸名も心機一転と変更した名前が「五木ひろし」。

この五木ひろし改名後の彼の快進撃は、わざわざ説明するまでもなく皆様もよくご存知のところでありましょうが、実は宝石の中にもこの五木ひろし氏のように、名前を変えたとたんに人気が急上昇した宝石があるのでございます。

それが、こちらペンダントにセットされております、タンザナイトというお石。

タンザナイト ダイヤペンダント

この宝石、実は1967年にタンザニアで発見され、その年には一応歌手デビューを果たしたのでありますが、最初の芸名がゾイサイト。ゾイサイトには他の宝石と同様色んな色の発色が見られますので、特にこのブルーの色に因んで、ブルーゾイサイトと命名されたわけであります。

しかしこの名前、そもそもゾイサイトという音の響き自体が、自殺を意味する英語“suicide”に似ていて、さらにそれに追い打ちをかけるが如く、ブルー、つまり憂鬱な、と冠が付くから縁起が悪いってことで、どこからも出演依頼のお呼びがかかりません。

そうなるとゾイサイト本人も面白くない、昼間から酒ばかりあおり自暴自棄、自堕落な生活を送り、肝心の歌の練習も疎かになりがち。

しかし捨てる神あらば拾う神あり。

こうした捨鉢ヤケクソのくすぶった生活を送るゾイサイトを都会の片隅、スラムのあばら家で見つけ出し、その宝石としての真価を見抜き、社運をかけて歌手再デビューを支えてくれたのが誰あろう、ニューヨーク五番街のハイジュエラー、ティファニーなのでございます。

さて、再デビューにあたっては、まずこの忌まわしい名前を変えなきゃいけない。そこは世界のティファニー、金にモノを言わせ、きっと一流のコピーライター、向こうの糸井重里やら中島らもみたいなのを集め、新しい芸名を練りに練ったわけでございましょう。

タンザナイト ダイヤペンダント

そして出来上がったのが、原産国のタンザニア、そしてブルーの色から連想する夜のイメージ、さらにはディジー・ガレスピー作曲のジャズの名曲、「チュニジアの夜」をも連想させるこのロマンティックな名前、「タンザナイト」が誕生したのでございます。

いやー、以前ご紹介いたしました映画「ティファニーで朝食」でのプロパガンダ作戦といい、ティファニーの販売戦術は見事としか言いようがございません。きっとナチスの宣伝相ゲッペルスの様な切れ者宣伝マンがいるのでしょう。

さて、このゾイサイト改名再デビュー作戦はモノの見事に当たり、ブルーゾイサイト改めタンザナイトは大人気となり、晴れて人気歌手の仲間入り。いまでは古参歌手のサファイアの地位をも脅かすほどの大出世を遂げたわけでございます。

タンザナイト ダイヤペンダント

しかし、皆様、ここからはティファニーも敢えて大きな声では言わない、タンザナイトの欠点を申し上げなくてはいけません。えっ、アル中やろって?いや、それはワシや。

このブルーの宝石、サファイアによく似てますけど実はサファイアほど硬くない。硬いモノなどに当てると欠けやすいのです。

ですから、正直申しまして、あまり指輪向きではないのであります。いかんせん、手というものは人間の触覚のようなものですから、いろんなものと接触する機会が多い、当然当たる確率が上がるわけです。

そこへいくとこのペンダント。首元にちょこんとおとなしくぶら下がってるだけですから、まあ滅多に硬いモノと接触する事はございません。という事で、タンザナイトを気兼ねなくお楽しみいただくには、これこれ、ペンダントに限ります!

首元にアフリカの澄んだ夜空の輝きを是非おひとつ。

顧客育成はママ活の巻

パール ダイアリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

陰陽道の太極図を彷彿とさせる白と黒のコントラスト、パワー出るかも

相撲の世界にはタニマチという言葉がございます。

これは力士個人や部屋の後援者、パトロンの事で、飲み食いの世話はもとより化粧まわしの寄贈、いわゆる夜の街の接待を伴うお店への接待、何やかやの差し入れ、小遣いの援助などなど、ありとあらゆる世話を焼いてくれる有難いお客さんの事。昔大阪の谷町に相撲好きで、お相撲さんは無償で診てくれる外科医の先生がおられたらしく、その住所の谷町がこの語源になっているそうでございます。

タニマチは何も相撲の世界に限った事ではなく、プロ野球、サッカーなどのプロスポーツ選手や芸能全般のいわゆる人気商売といった分野に幅広く広がっているらしゅうございます。

また更には水商売、特にホストクラブの世界では贔屓のホストの売上向上に貢献しなければなどといった、タニマチ的顧客がその稼業を支えているそうでございますが、そのタニマチ的顧客にならんが為に、客自らが水商売や風俗といった業界に身を沈め、このスポンサー料の原資を稼ごうとする涙ぐましい努力を傾注される若い婦女子もおられるやに伺っております。

さて、こうしたタニマチ的風潮はさらには小売り業界の一部の客層にも浸透致しております。

ご承知の通り、小売店、特に高級品を扱うようなお店では、店員個々人に売り上げ目標、即ちノルマというものが割り当てられている事が多く、これの達成いかんによって給料やボーナス、ひいては将来の出世にまで影響を及ばすというから皆もう必死のパッチ。

この必死のパッチの様子に、つい情にほだされて買ってあげたくなるのがタニマチ気質の気風の良いところ。

パール ダイアリング

さて、宝飾業界もご多分に漏れず、と言いますか、売り上げの大部分をこういったタニマチ的顧客に支えられていると言っても過言ではございません。

高級ブランドのファッション、アパレル業界などでは春夏、あるいは秋冬など季節ごとの新作発表に伴い、その受注会などと称して優良顧客、すなわち上得意と呼ばれるタニマチ的顧客様を店頭なり、特別会場なりへ招待して、店頭に並ぶ前の新作をいち早く入手して頂こうといった試みが行われているようでございますが、宝飾業界とて実は同様。

宝飾業界はアパレル業界ほど商品に季節感というものがなく、別に春と秋に新作発表会というものを敢えてする必要はないのですが、どういう訳か昔から春と秋が多いようですな。まあ、温暖な気候で外出しやすいと言った加減もあるのかも分かりませんが。

さて、こういった展示会、宝飾品の場合はやはり圧倒的に一流ホテルの大宴会場を借り切っての大掛かりなものが多ございます。天井から豪華シャンデリアのきらめきが会場全体を照らし、その光を受けて陳列のあまたの宝石が眩く光り輝く。もうこの光景だけで宝石好きは陶酔の極みへ昇る詰める仕掛け。

ただ、こういう場所へいざ顧客を動員するのが一苦労。

この様な展示会はその宝石屋なり百貨店外商部なりが一丸となって取り組む事が多いため、新入社員でも容赦なく動員目標はあてがわれます。運よく良いお客を既に掴んでいる新入社員は幸運ですが、そんな有難いお客に恵まれない子は哀れなもの。親、親戚に泣きつくより他ありません。

パール ダイアリング

さて、ではそんな未熟な新入社員中野クンですが、何回か展示会を乗り越え、とうとう泣きつく親、親戚が途絶えたのちはどうしたらいいのでしょうか?

そうです、ついに、とうとう、本来あるべき形としての客に泣きつくのでございます。しかし、そういった新入社員の顧客というものはベテラン社員の見捨てた残りカスと言っちゃ悪いが、見込み薄のお客さんですから、普通に誘ってもおいそれとはのってくれません。

しかし中野クンも必死です。鬼の店長からの顧客動員できなかった場合のつるし上げは火を見るよりも明らか。それが展示会ごとに続けば異動か最悪クビ。もう演技も何もない本当の泣き落としがここでやっと出来るわけであります。

「今度の展示会なんとかお越しいただけませんでしょうか?」

「ホテルの展示会やなんて私ら分不相応やわ、他の人に頼んだらええやん」

「いや、ぼく高橋さん以外こうやってお願い出来るお客さんいてないんですわ、お願いです、頼みます、せやないと店長から大目玉くらう羽目になるんですわ」

「いやー、そんなんやったら行ってあげたいけど、私らそんな高級なとこで買わしてもらうモンあれへんし」

「いえ、何も買って頂かなくていいんです。お顔だけ出して頂ければ、それで一応僕も努力してお客さん呼んだ言う事で顔が立ちますねん。お食事も出ますし、ご飯だけ食べに来ていただいたらええんで、なんとかたのんます」

「そんなん、行って買わんでええのん?食い逃げみたいで義理悪いやん」

「いえ、買う買わないはあくまで商品との出会いですから、お好みに合うモノがなく、結局買わないでお帰りの方も結構おられます。どうか僕を助ける思ってなんとか!」

「そう、そこまで言うんやったら行ってもええけど、ホンマ買わんよ、言うか、買えんよ私ら、貧乏人やねんさかい」

「ありがとうございます!」

これが新入社員中野のタニマチ第一号獲得の瞬間。

買わないと断言してた高橋さんも、シャンデリア煌めく異次元空間に呑まれ、凄腕販売員にからめとられ、前言を翻し宝飾デザイナーブローチ壱点五十萬円也のお買い上げ。

それからというもの、あらあら不思議あら不思議この高橋さん、展示会の常連客になったとさ、めでたしめでたし。

パール ダイアリング

さて、一般的にこういった宝石屋の顧客層は大体が40代から60代の女性客が大半を占める訳で、片や営業にあたる方の社員は20代から30代の若い男子が中心。ついつい母性本能か女性本能か定かではございませんが、よんどころない本能をくすぐられてタニマチ化していく訳でございます。

実際、宝石の購入が目的で展示会に行くのではなく、その担当の社員を助けてあげたい、力になってあげたいという屈折した愛情が購入動機となっている場合が多々見受けられます。

現在、わたくしが勤務しております質屋でも、さらには前に勤めていました質屋でもそうしたタニマチ買いして溜まった品物を定期的に処分されにくるお客様がおられました。しかも双方とも私が以前勤務しておりました宝石屋の得意客。いやー、良心が痛みますねー。

しかし、実はそういったタニマチ顧客の処分品こそが、何と言っても質屋販売の宝飾品の中ではダントツの一押し商品となるのでございます。

何せ、高級ホテルの展示会で売られている素性の確かな一級品である事に加えて、義理で買ってるだけに使っている回数も少ないか、全く未使用の場合すらあるのです。例えるなら中古ジュエリーのサラブレッド。

さて、そんな典型的なサラブレッドがこちら。

パール ダイアリング

こちらはクイーンジュエリーという和製ブランドの商品なのでございます。

かつては、ホテル催事と呼ばれるそういった大掛かりな展示会のレギュラーメンバー。このブランドはかつてあった平和堂貿易という時計宝飾品の輸入・卸商社が、海外の一流ブランドにも一歩も引けをとらない商品をという事を目指し開発したオリジナルブランドでございます。なにせこの宝飾ブランドを立ち上げたのがあのバブル全盛期。最高の素材を使い、しかも海外の一流工房で制作し、それを日本に逆輸入してという手の凝りよう。

パール ダイアリング

こちらのパールの指輪も、非常に上質なピーコックカラーと呼ばれるブラックの地色の上に赤系統のオーバートーンを呈する黒蝶真珠とシルバーグレーの南洋真珠を上下にあしらい、そのリングのウデにはこれも最上級のメレダイアを贅沢に1キャラット弱、見事なパヴェセッティングによって配してあります。腕の内側にある金性の刻印もK18ではなく750と打刻されているからには海外製造に相違ありますまい。

このリングを製作致しました平和堂貿易なる会社はバブル崩壊とリーマンショックのあおりを受け、残念ながら2016年に倒産したそうでございます。しかし、虎は死して皮を残す、宝石商死して名品を残すの譬え通り、こちらのお品、正にバブル景気の伝説を将来に伝える証したり得る逸品であることに相違いございますまい。

必須!宝石のアンチエイジング

ダイヤモンド リング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

ペアシェイプのダイヤを大胆にフクリン留め。どーです、斬新ざんしょ!

最近は美容整形というものが広く世間に認知され、ごく普通の主婦、OLはおろか男性サラリーマンから会社経営者、政治家の先生に至るまで、ありとあらゆる階層にまたがり、まるで美容院やエステの延長の様な感覚で、多くの方がご利用なさっているようでございます。

私なんぞの若い時分には「身体髪膚、之を父母に受く。敢て毀傷せざるは、孝の始めなり」などといって、父母から授かった尊い容姿にメスを入れ改造するなどという事など、もってのほかと言う意見が大勢を占め、そういった施術を受けるという事は、死して後の成仏も叶わぬ罪深い行いの様に思われていた節がございます。

実際、仮面ライダーなどに登場する「改造人間」という者たちは、悪の組織ショッカーによって肉体を改造されたサイボーグで、こやつ等がショッカーの手先として様々な悪事を働くということで、肉体の改造は悪に身をゆだねた証しであるかのような風潮が一時期世間一般の常識として蔓延ったものでございます。

ただ、何事にも言える事ですが、古い価値観は新しいものにどんどん刷新されてまいるのが世の常人の常。「男女七歳にして席を同じゅうせず」などといった戦前の古い貞操観念は今では完全に雲散霧消。男女齢七十の坂を超えてさらに愛欲の曼陀羅、恋の炎を激しく燃やす時代へと突入しているありさま。

それが為に自らをより美しくグレードアップし、異性の関心を引きつけたいという欲求は、枯れる事を忘れた年寄り連中にまで広がりを見せ、父母から受けた身体の幻想などまったく説得力を持たない戯言となり、美容整形業界はますますの隆盛を極める状況にあるそうでございます。

さて、美容整形などといいますと何やら顔面の骨を削ったり、鼻っ柱にさらに芯を埋め込んだり、眼窩をさらに掘削し広げたりと大変な作業の様に思いがちでありますが、これら大掛かりな工事は人相そのものの改造。その目的は一般的に見て理想の形状から大きく逸脱した目や鼻や顎や額やまた、それらすべてをひっくるめた全体のリフォーム、改良。すなわちテレビなどでよく観る使い勝手の悪い古民家なんかを根太ごと入れ替え、見違えるほど近代的な住まいへと造り替えるといった匠の技の大工事。

ダイヤモンド リング

さて、それとは別に最近特に需要の高まりを見せておりますのが、エイジングケアの美容整形と呼ばれる若返りの為の施術。

こちらは年齢とともに現れる肌のシミの除去に始まり、ヒアルロン酸注入によるシワ、たるみの解消。医療用糸による顔面のリフトアップなどなどで、こちらは人相の改善、変更というよりは、本来そうであった若かりし頃の面影への回帰、回復が主眼となります。

実際こちらはもって生まれた本来の人相を父母の許し、断りもなく変更するのとは違い、父母から頂いた尊いお顔を修復しようという事ですから、施術を受ける側の罪悪感も大きく軽減されるわけでございます。従来の施術を増改築の大掛かりなリノベーション工事に例えるとすれば、さしずめこちらはあくまでも家のメンテナンス、補修工事。せいぜいが新築そっくりさんならぬ、昔の自分そっくりさんへのお色直し、外壁塗装。

「ウチら言うて悪いけど整形なんて無縁の別嬪さんにでけたあんねん最初から、悪いけど。若い頃はこれでも駒川小町言われとってん、知らんやろうけど。

いや誤解せんといてや何も自慢してんちゃうよ、誤解せんといて。ただ事実をありのまま包み隠さず陳述しとるだけやさかいね、誤解してもーたら困るし。

ただな、アレやねん、こうして毎年やね歳を重ねていくとや、やっぱり長年の積もり積もったわが身に及ぶ地球の引力いうのん重力言うのん、には勝たれへん。ほんまニュートンのオッサンもしょうもないもん発見しくさってからに、正味の話が、ねー奥さん。

ダイヤモンド リング

ほんでや、やっぱりここは現代医学の最新鋭の英知と技術をもってしてやね、この重力から被った被害をや挽回、復興せんものと毅然と立ちあがったんよ、かく言う私は。それがアンタ、エイジングケア―いうやっちゃ。

アホ、整形ちゃうちゃうわ。整形いうのんはやな、不幸にしてアンタみたいに生まれつき人相の不自由な人がや、人間性の復興、人生の再出発として意を決して行うやっちゃがな。

私のんは元からあった美を復元しょーちゅーナニやさかい、そんな大層なナニやあらへんねん、ごくごく気楽な、カジュアルなノリのナニやさかいね」

と、まあ当ブログでもお馴染みの駒川のサダ子はんも積極的にエイジングケアに乗り出す勢い。きっと新しい獲物がカラオケ喫茶で見つかったに違いない。

ダイヤモンド リング

さて、このエイジングケア、実は人間だけに留まらず、宝飾品においても広く行われているのでございます。

皆様方の中にも、宝石屋などで宝石、宝飾品のリフォームという事で、現在お手持ちの指輪やネックレスをリフォームによって、全く違うデザインの新たな品に生まれ変わらせませんか、という販売員の誘い文句にまんまと乗ってしまった経験のある方もおられるのではないでしょうか?

こういったリフォームの場合も、婚約指輪で昔流行った立爪のゴツイ枠から、現在主流の小さい爪のものにリング枠を変えるくらいですと、リングの空枠を買うようなものですから、そんなに高い代金を支払わなくて済みます。

しかし店員の言葉巧みな誘導に乗せられ、ネックレスにぶら下がってるルビーと婚約指輪のダイアを合体させて新しい、この世に一個しかない完全オリジナルな指輪を作りましょう、などという事になろうものなら大変な出費を覚悟せねばなりません。

まず、その世界に一個だけの指輪をデザイナーに依頼してデザインを起こしてもらわなくてはいけません。そこでああでもないこうでもないと試行錯誤をかさね、さてこれを製品化する段になると、職人さんの一からの手作業。オーダーメイドという事ですからもちろん高くつく。

そして出来上がったものは、最初にデザインありきで、後に材料をそろえるといった通常の制作過程と異なり、リングとネックレスから外した石を無理やり合わせ、取り繕った細工だから碌なものじゃないのがほとんど。わざわざ高い工賃を掛けて、世界に一個しかない珍妙な品物が出来上がるという事が往々にしてございます。

この様なことに高いお金をかけるより、実際わたくしどもが皆様にお薦めしたいリフォームが、人間同様のエイジングケアー。名前もそのものズバリの新品仕上げ!これは、今お手持ちの宝飾品を切ったり貼ったりすることなく、地金部分表面の研磨を行うだけ。それだけでその品物は買った当時そのままの状態に限りなく復元されるのでございます。

ダイヤモンド リング

さて、ご覧いただいておりますダイアモンドの指輪。ペアシェイプカットのなんと1キャラットのダイアモンドを中央にでんと据え、太いプラルナ枠がこれをぐるっと囲み、さらにこの枠とバランスをとるようにプラチナの太い腕がこれを支えます。このようなデザインは石の輝きもさることながら、この地金部分のブライト研磨された硬質な輝きが一つの魅力となるわけでございます。

しかし悲しい事にこの地金部分、ダイアモンドと異なり非常に傷つきやすいのでございます。別に乱暴に扱わずとも、ある程度の年月お使いいただくと小キズの蓄積によって地金部分全体が曇ったような見かけを呈してまいります。只今お着け頂いてます結婚指輪をご覧いただきますれば、そのさまが良くお分かりいただけるはず。

ダイヤモンド リング

さらにダイアモンドはご存知の様に滅多な事ではキズつきませんが、反面、親油性が高く非常に汚れやすい。キズまみれの枠に、汚れの為に輝きを失ったが如く見えるダイアモンドが留まった品物はまるで年老いてくたびれ果てた老人の様。

「こんなだったかしら、なんかぱっとしないわ、もうしないと思うから質屋にでも売っ払ちゃお」という事で入荷いたしましたであろう本商品。

されど新品仕上げのお陰でほれこの通り。しまったー!こない成るんやったら売らんかったらよかったーと手放した方が見たら地団太を踏んで悔しがるであろう変わりよう。いえ、若返り!

中古といっても当店の商品は全てこの様な新品仕上げを必要なものには施しておりますゆえ、実にお買い得な訳なのでございます。

ダイヤモンド リング

しかし、この宝飾品が蘇り、輝きを取り戻す素晴らしいアンチエイジング加工をなぜ小売屋は積極的にお勧めしないのでしょうか?

答えは明らか、儲からないし、新しいのが売れないから。

でも、尋ねて断るところは少ない思いますから、お手持ちの宝飾品を一度、お買い上げになったお店にでも新品仕上げの依頼をなさってみてはいかがでしょう。見違える事請け合いです!

ナスターシャの瞳 キャッツアイ

クリソベリル キャッツアイ ダイヤリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

このような神秘的な宝石をお洋服と上手にコーディネートされますとオシャレ度が一機にグンとアップしますのよ奥様。

今月の7日、ハリウッドの俳優ディーン・ストックウェル氏が85年の生涯を閉じました。

彼は幼少の頃より子役として活躍し、大人になっても、数多くの映画に出演し、名脇役として存在感のある演技でその出演作に深い色どりを添えてきました。名前は聞き覚えが無くてもそのお顔を見ると、あーっ知ってるって方も多いかと存じます。

その数多くの出演作の中でも、特にわたくしの印象に強く残っていますのが、ドイツの巨匠ヴィム・ヴェンダース監督の名作「パリ、テキサス」の中で演じた、主人公トラヴィスの実直な弟役。

「パリ、テキサス」というこの映画、実は私の好きな映画ベスト5にも入るのでございますが、1984年製作とありますから、まあ毎度の事ながら古い映画の話で恐れ入ります。

映画のストーリーは、4年前に若い妻と幼い一人息子の家族を捨て去り失踪した男、トラヴィスがテキサスの砂漠で行き倒れになっているところを発見されるところから始まります。その所持品から身元が判明し、実の弟つまり、亡くなったディーン・ストックウェル演じたウォルトの元に連絡が入ります。

ウォルトは早速とる物もとりあえず、車で自宅のロサンゼルスから遠く離れたテキサスまで兄を迎えに行きます。しかしこのイカレた兄貴、なかなか一筋縄ではいきません。弟と再会した当初はまったく口もききません。

さらに何度もウォルトの元から逃げ出そうとするのです。しかも仕事を抱えたウォルトが時間の節約にと、飛行機に二人で搭乗しようとすると、その飛行機からも逃げ出す始末。まあなんとか苦労の末、長い道のりをようやくウォルトの自宅にまでたどり着くと、そこには4年前に捨てたトラヴィスの一人息子がウォルト夫妻の子供として育てられています。

しかし実直なウォルトは本当の父親が見つかったからにはと、我が子の様に慈しみ育てている妻の反対を押し切り、その息子に真実を告げ、何とか二人の親子の絆を回復させようと色々苦心いたします。

クリソベリル キャッツアイ ダイヤリング

さて、その甲斐あってか、親子の絆を取り戻した親父と息子は、ウォルトの妻からの情報を元にヒューストンに居てるらしいという二人の妻であり母であるジェーンを探す旅に一緒に出かけます。

その間、色々あってドラマは複雑に展開するのですが、結局家族は再び巡り合い、誤解は解け、ようやく家族の再出発と言う段になって、この駄目親父トラヴィスはまたまた姿をくらまし、THE ENDとなる結末。ハッピーエンドと思わせてのこの不条理な結末。

そして映画全体を通してバックに流れるライ・クーダ―の何とも切ないスライドギターの音色。そしてこうしたロードムービーの見どころ、アメリカ中西部の様々な幻想的な、目を見張るような美しい景色。そしてその若く眩いばかりの美しいさゆえに、老いたトラヴィスに逃げ出さずにはいられないほどの激しい嫉妬心を起こさせた妻役が、まさに適役と言えるナスターシャ・キンスキー。

とまあ魅力満載の映画ですが、なにぶんわたくし経験不足ゆえ男女の愛に関してのコメントは差し控えさせていただいて、今回取り上げたいのはこのトラヴィス兄弟の愚兄賢弟ぶり。

と申しますのも、私事でまことに恐縮ですが、手前ども兄弟もまったくこのトラヴィスとウォルトのような典型的な愚兄賢弟の兄弟、つまりアホな兄貴に賢い弟という組み合わせなのでありまして、いつも弟に世話や迷惑のかけっぱなしな愚かな兄こそが、誰あろう、かく申す私なのあります。別に威張らいでもええがな。

クリソベリル キャッツアイ ダイヤリング

以前にもブログで少しご紹介した通り、マンガ家になるだのロックギタリストになるだの、若い頃から全く地に足のつかない夢まぼろしを追いつつも、ただ漫然と日々を過ごし、結局人生何事をも成しえず、今日いまに至った愚兄の私。

それに引きかえ、弟は幼少よりこつこつと真面目に勉学に励み、優秀な成績を納め、名のある大学に進学したうえ、堅い会社に就職し、定年まできっちり一つの会社で勤めあげ、今でも某大学の職員として勤勉に勤めているしっかり者。

昨年の母親の死に際しても、葬儀その他もろもろから、後のややこしい整理全般も全て一人で引き受けてやってくれたのでございますから、愚兄はまったく面目なく、頭が上がりません。

という訳で今回のディーン・ストックウェル氏のご逝去に際しては、何やら弟と重なるような人物の役を演じられたせいもあり、ご冥福を祈らずにはおれません。更には我が実弟におかれましては、いつまでも頼りがいのある賢い弟でいてくれるよう、その健康長寿をば祈らずにはおれません。

クリソベリル キャッツアイ ダイヤリング

さて、という事で本日のご紹介は、失踪おやじトラヴィスの美しい妻を演じましたナスターシャ・キンスキーに因みまして、キャッツアイの指輪でございます。

ナスターシャ・キンスキーと言えばその猫目顔からキャットピープルという西洋版化け猫ストーリーの映画に抜擢された事でも有名。

化け猫と言いますと本邦では、鍋島の化け猫騒動が有名でございますが、その他にも「ゲゲゲの鬼太郎」に鬼太郎の彼女として登場するねこ娘。この化け猫、日本では結構ポピュラーな妖怪なのですが、西洋の方でも、古くから化け猫は生息しているようで、こ奴らはキャットピープルと呼ばれるそうでございます。

クリソベリル キャッツアイ ダイヤリング

さて、ナスターシャ・キンスキーが演じたキャットピープルの女性は人間の男性と愛し合うとなんと豹に変身し、その相手の男を食い殺さないと元の姿には戻れないという呪われた身の上。

いやーこない綺麗な女性とやったら食い殺されても本望やけどなー、ワシやったら。

ええ歳こいてアホな事いうとったらあかんでアニキ!

あっ!弟の声や。マズい、また叱られた。

という訳で、こちらにご覧いただいておりますのは、キャットピープル、ナスターシャの眼窩で燦然と妖しい光りを放っていた瞳と瓜二つ、まさに金色に輝くキャットピープルのキャッツアイでございます。

クリソベリル キャッツアイ ダイヤリング

キャッツアイと一言で申しましても、実際にはこれは宝石における猫の目状を呈する光の特殊効果の総称でありまして、こうした猫の目模様が出る石は、その石の種類にかかわらず全てキャッツアイなのでございます。

ただその中でも、このクリソベリルという宝石に浮かぶ猫の目が何と言ってもキャッツアイとしての評価が断然高く、人気も一番。なぜなれば、ご覧の通り、この宝石は妖しく光る猫の目そっくりそのままだからなのです。

クリソベリル キャッツアイ ダイヤリング

ただし、その中でも良し悪しの評価が分かれるのは他の宝石と一緒。クリソベリルキャッツアイの評価のポイントは何と申しましてのこの真ん中の瞳にあたるラインがまっすぐ、途切れることなく上下端から端までスッと一本、まっすぐに通っている事が重要。

ホームページの写真でご確認いただけますよう、実物は本当に途中で瞳が切れて三白眼になることもなく、ぴっしっとした、食べられてもかまわない、いや、食べられたいほど魅力的なナスターシャの瞳を呈しているのでございます。

さて、愛し合った男を食い物にしている世の多くの奥様方よ、さらに多くの恩恵がご主人から授かりまする様、キャットピープルの守り石クリソベリルキャッツは要らんかね?

芸能人が歯が命、ダイアモンドはカットが命

バイザヤード ペンダント ネックレス

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

ティファニー定番人気の一粒ダイヤのネックレス「バイザヤード」。独特の世界観で知られるデザイナー「エルサ・ペレッティ」の魅惑的なジュエリーは、官能的で立体的なデザインが特徴です。 頑張っている自分へのご褒美や、大切な方へのプレゼントに最適な逸品です。

最近ではテレビやインターネットの普及によって地方色、ローカルカラーというものがどんどん薄れてきております。特にお国訛りなどといった、その地方独自の文化が育んだ情緒ある、その土地ならではの方言が消えていくのは寂しいかぎりでございます。

例えばテレビの人気番組、所ジョージの「笑ってこらえて」のダーツの旅や、笑福亭鶴瓶の「家族に乾杯」などで、全国津々浦々、どこの地域にまいりましても、若い人たちは大体が標準語でインタビューに対応をしております。

ただ、そういった時代の趨勢に取り残され、標準語化が最も遅れているのが大阪。関西漫才の全国的な人気を盾に、若人達も普通に大阪弁でインタビューに対応しておりまして、中には調子に乗って、「なんでやねん!」などとツッコミを入れてくる輩もいる始末やから始末に負えん。

まあ、そうは言ってもやはり私の子供時分に比べますと、大阪弁もかなりその濃度が薄まってきているのもまた事実。

「河内のおっさんの唄」という唄が昔流行りましたが、この唄、その歌詞全編が大阪弁の中でも特にガラの悪いとされている河内弁で構成されております。この唄、このガラの悪さが当時世間にウケて、大ヒット致しまして、なんとヤクザも恐れぬ東映ピラニア軍団、川谷拓三氏主演で映画にもなったほどなのでございます。

わたくしがご幼少のみぎり、まだ小学生低学年の頃、兵庫県宝塚市から大阪府は河内市へと引っ越してまいりました。現在、この河内市は隣接する二つの市と統合され東大阪市となっておりますが、当時は堂々と河内と名乗るほどですから生粋の河内、中河内、本河内、マジ河内。

バイザヤード ペンダント ネックレス

さて、越してきて早々、近所の田圃に幼いわたくしと弟が網なんぞ携えて蛙を取りに行ったおり、ちょうどそこへ通りかかったその水田の持ち主であろう農夫が幼い兄弟にこの様な言葉を投げ掛けたのです。

「おんどれら、どこどのがっきゃ、おーっ?」

これを直訳すれば「君たちはどちらのお子さんかな、ねえ?」くらいの事で、何という事もないのでありますが、乙女の聖地、お上品な宝塚育ちのやわな幼子にとっては、まるでナマハゲの恫喝の様に聞こえ、たちまち憐れ幼子兄弟は手に手を取って泣き出してしまったのでありました。ホンマモンの河内のオッサンの迫力たるや物凄いものがありましたねー。

しかしえらいもんで、小学校から大学卒業間際までその地で暮らしておりますと、もうそこはウサギ美味しい古里。河内がバッチリ身に沁み、もう生粋の河内っ子と何ら変わらぬようになるもので、卑猥な冗談を女の子に投げかけては顰蹙を買い、それに喜びを見出すような立派な河内の兄ちゃんに成長を遂げたのでございます。

お陰で心斎橋の老舗宝石店に就職した際には「君、なんか言葉遣い汚いよ。客が買ぉーていによりましたて、そんな言葉お客さんに使こたらアカンわ、お買い上げ頂きましたや、気を付けなさい、高級品を扱うお店やねんから下品な言葉遣いはあきませんよ」などとよく咎められたものです。

バイザヤード ペンダント ネックレス

さて、古典落語の中には今では滅多に、というか全く滅びてしまったような言葉がいくつも出てまいりますが、その中にあって飛びきりガラの悪い言い回しが出てまいりますのが、家族に乾杯、駆けつけ三杯の笑福亭鶴瓶師匠、のさらなる師匠、名人六代目笑福亭松鶴が得意としておりました「らくだ」というお噺。

この「らくだ」というお噺は元々が関西落語の演目なのでございますが、今では東京でも多くの噺家さんが演じられる人気のお題。

さてこの題名の「らくだ」ですが、このらくだは何も動物園にいてる月の砂漠からはるばる連れて来られたあの動物のラクダではありません。図体ばかり無駄に大きいが定職にも就かず、人を脅したり、商店の商品をかっぱらったりしながら、家の家賃すら払わぬ傍若無人な暮らし向きをしている横町の鼻つまみ者が、その巨体ゆえにラクダというあだ名で呼ばれております。

お噺は、この街の鼻つまみ者のらくださんが、フグの毒に当たって死んでいる場面から始まります。噺の題の主人公がのっけから死んでいるというのもけったいな話ですが、この死体が後々噺の中の重要な小道具となるカラクリ。いや大男やから大道具ですかな?

バイザヤード ペンダント ネックレス

さて落語の方はこのらくだの兄貴分、ヤタケタの熊五郎がこのらくだを訪ね、その長屋を訪れ、その死骸を発見するところから始まります。

おうッ! 卯之よッ! ラクダッ! けつかれへんのか? おいッ……!

ハハぁ、まだどぶさってけっかるねんな……、おい……! 

やっぱりそや、どぶさっとぉる……、どやこれ、よぉこんな器用などぶさりよぉさらすで、

敷居枕に足庭へ放り出しやがって……、何ちゅうざまや。おいッ! 卯之ッ!

ラクダッ! 起けぇ! あッ!!

何じゃい……! どぶさっとぉる思たら、ゴネてけつかる。

枕元にかんてき(七輪)が置いたぁって、鍋が掛かったぁる。あたりに骨がぎょ~さん散ら

ばったぁる……、そぉか……、ゆんべ日本橋で会ぉたときフグぶら下げて歩いとった

「旬はずれのフグみたいなもん食ぅたらえらい目に遭うで」言ぅたら

「そんなもん、だいじょ~ぶや」言ぃやがったけど、

さてはあのフグ食らいさらして当たりやがったな……

【上方落語メモ第1集】その三十一より

さあ、いかがでしょう、この小気味よいまでのガラの悪さ。

噺が進行して行きますと、この兄貴分の熊五郎が博打ですって無一文という状況が明きらかになってまいります。それから察するに彼は博打打ち、すなわち渡世人、つまりはヤクザ。そのいかつく、コワモテな人物像を演出するためのガラの悪さなのでありましょう。

あまりのガラの悪さゆえに、よく理解できない、とくに関西以外の方には、もはや外国語並みや思いますので、解説を少しばかり。

バイザヤード ペンダント ネックレス

最初、卯之よッ!と呼びかけてますがこれはラクダさんの本名なんでしょう。その後の<けつかれへんのか?>これは<居てないのか?>。

そして次の<どぶさっってけっかる>凄いですね!これは<どぶさる>は<寝る>、<けっかる>は先ほどの<けつかれへん>の肯定形<居てる>ですから、二つが合わさって、<寝ている>となります。また<器用などぶさりようさらすで>は<器用な寝相をしてるものだなー>ですね。

さて次のフレーズがまた凄い<どぶさっとぉる思たら、ゴネてけつかる>。ゴネるといいますと、普通は不平不満を言う、文句をつけるというほどの意味でございますが、この場合は死ぬという意味でつかわれております。ですからこのフレーズは<寝てると思ったら、死んでいるではないか>という事になます。

次の<ゆんべ>というのはゆうべ、昨夜ですね。さて、最後は大体検討がつくとは思いますが、<あのフグ食いさらして、あたりやがったな>は<あのフグを食って、あたったのだな>普通に言えば良いところを<さらして><やがった>が入ると断然強力になりなす。これらは河内の喧嘩、脅しの常套句としてよく耳にするフレーズ。「ワレ、なんさらしてんねん」「メンチ切りやがったな」怖いですね。

さて、この「どぶさる」も「ごねる」も大阪とはいえ今ではまあ使う人もおりませんし、その意味をご存知の人も少ないでしょう。現代の落語家さんはどうなさっているのでしょうか?やはり分かり良い様に現代語訳でやっておられるのでしょうか?それもまた味気ない事ですな。

さて、方言ではございませんが、どのような業界にもその業界ならではの独特の言い回し、「業界用語」というものがございます。宝飾品業界にも実際一般の方が聞いても分らない語句が結構ございます。

例えばダイアモンドに関して。ピケ石という言葉があります。これはダイアモンドの内包物が肉眼で確認できるほどに多く目立つもので、グレードで言うならばI1クラス以下の、ざっくばらんに言いますとキズ石のことです。

また、ゴロ石、スケ石というのもあります。これはダイアモンドの深さの度合いが理想から大きく外れているものの呼称で、ゴロ石は深すぎるもの、スケ石は浅すぎるものを指します。

ダイアモンドの輝きはそのカットに負うところが多く、理想的なダイアモンドの深さはその直径に対してだいたい60%くらいが良いとされ、この数値から大きく外れると輝きが落ちるのです。

バイザヤード ペンダント ネックレス

例えばこの数値が大きすぎるという事は石が深いということで、ゴロ石となります。その様な石はダイアモンド内での光の反射が再び上部に戻らず、脇からあらぬ方向へ漏れて行き、結果見た目が全体に暗い印象になります。その見た目の印象からこの様なゴロ石はネイルヘッド(釘の頭)などとも呼ばれたりいたします。

逆に数値が60%を大きく下回りますと、深さの浅いダイアモンドということになり、スケ石と呼ばれます。これは言葉通りダイアモンドに入った光が底のパビリオン部分で反射されることなくそのまま透過してしまい、見た目ガラスかプラスティックのように透けた素材のように見えてしまいます。その透けた空虚な様子が、死んだ魚の眼の様な有様なのでフィッシュアイなどとも呼ばれます。

さて、こういったピケ石、ゴロ石、スケ石といったダイアモンドはどういった製品に良く使われているかと申しますと、大体が鑑定書があまり必要とされないネックレスやブローチなどの装飾品。

キャラット数と値段だけに惹かれ、こういった光らないダイアモンドを買わされている方はけっこう多いのでございます。

バイザヤード ペンダント ネックレス

さて、そこへいくと当店一押し、ティファニーのバイザヤードペンダントのダイアモンドというものは実に素晴らしい。同じキャラット数の商品の枠の直径はほぼ全て同一のサイズ。つまりダイアモンドの直径がほぼ均一。したがって深さもそれのほぼ60%に統一されて同一。すべてが理想のプロポーションで統一されて一糸乱れぬ有様。製品によって当たり外れの出る事の無い徹底した厳しい品質管理。

もちろんキズ気の無いのは当然なんですが、このダイアのカット、プロポーションが何と言っても輝きの元。ここをおろそかにするとダイアの輝きは充分に発揮されません。さすがティファニーさん分かってらっしゃる!色、クラリティ、カットこの三位一体の優越こそがバイザヤードペンダントの最大の魅力の秘密なのでございます。

なんやワレ、ぱっとせんガラス玉みたいなモンぶら下げとる思たらピケのゴロ石やんけ。そんなもんダイヤはダイヤでも、ゴネさらしてけつかるようなダイヤやで。ワレ買おた時、どぶさってけつかったんちゃうんけ?それとも店員にたぶらかされたんちゃうんけワレ。ちゃんと目の玉ひん剥いてようモノ見て買わんとあかんどワレ。そこいくと、このティファニーのダイヤ見てみい。どや、眩しいやろワレ?これだけ光ってはじめてダイア云えんのじゃワレ。そっちのんもダイアには変わりはあらへんてか、アホぬかせワレ、それはネイルヘッド、つまりや、釘のドタマちゅーんじゃワレ、よう覚えとけアホンダラ、ボケ、カス、ワレ!

お後がよろしいようで。

超えられないプロの壁

グロッシュラーライトガーネット ルビー ダイヤ リング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

グリーングロッシュラ―ライトガーネット、別の名をツァボライト、かみ砕いて言うとグリーンガーネット。エメラルドを脅かす貫録でございましょ?

マンガ界の巨星、さいとうたかを 白土三平 両先生続いてのご逝去、昭和のマンガ世代といたしましては大変寂しい思いでございます。

出来の悪かった子供時分、唯一成績の良かったのが図画工作。漫画好きという事も手伝って将来は漫画家になろうと心に決め、石森章太郎先生が著した「漫画家入門」という本を購入いたしまして、それを頼りに画材店を訪れ、ケント紙、ペン軸とペン先、墨汁、烏口など作画道具一式をそろえ、マンガを描く台まで材木で工作致しました。

さて、いざマンガを描く段となって、まず行うのがコマ割り。烏口を使って定規に沿ってコマの線を墨汁で引いていくのですが、これが思うように出来ない。まっすぐの直線が引けない、均等な太さの線が引けない。定規に墨が付着して定規を動かした途端、紙に墨の汚れがさっと広がる。何枚かケント紙を無駄にしたのち、すっかり嫌になって漫画作成はあっさり放棄。

いやはや我ながら諦めが早いというか、根気が無いというか。昔からちょっとした困難にぶつかると何でもすぐ放り出してしまう。そんなんやから長じて大成せんかったんも無理はない。老境に至りて後悔先に立たず、じっと手を見る。

しかし、言い訳するわけやないけど、実際マンガを描くなんて仕事は大変な難行苦行。場面のカット割りを考え。それに合わせてのコマ作成。この時点で既にアウトやってんね僕の場合は。

そしていざ作画の段になると人物は言うに及ばず、背景、乗り物、建物、動物、植物、宇宙船に宇宙人、そのストーリーに出てくるありとあらゆる物を描かないといけない、当たり前やけど。しかもそれらを同じタッチで描かねばなりません。人物はカリカチュアした、いかにもマンガチックなドラえもん風なのに、車はリアルなゴルゴタッチなんてのは許されません。

そして何と言っても話の筋、ストーリーというものを考えねばならない。映画で例えるなら製作、脚本、監督、配役、美術、衣装、小道具、メイキャップ、全部すべて一人でやらねばならないのですから、これはもう大変な作業。飽き性で根気の無いわたくしなどには到底できない過酷な仕事。早めに見切りをつけたのは賢明な判断だったのでしょう。

グロッシュラーライトガーネット ルビー ダイヤ リング

実はこの漫画家断念の判断が間違いでなかったと納得したエピソードがもう一つあるのでございます。

今勤務しております質屋の前に働いてました、これまた質屋。そこでも今と同じように小売販売を担当しておりましたのですが、ちょくちょくご来店くださり、時には、お目が高いと唸るような逸品を買って下さる、四十年配のご婦人がおられました。

この方、身なりは質素ながら、お召物の生地は高級素材、モノが良いのは明らか。佇まいもいたってお上品。

ただ、あまり生活感と言うものが感じられず、来店される時間帯もまちまちなので、いったい何をされている方か全く見当がつかない。主婦ではなさそうだけど、キャリアウーマンて感じでもない。眼鏡をお掛けになって色白、インテリっぽいからお医者さんじゃないだろうか、いやいや公認会計士、いや司法書士、いや不労所得で暮らしている独身資産家、などと店員同士でいろんな職業を挙げては、はしたなくも、あれこれお客さんの素性を詮索いたしておりました。

グロッシュラーライトガーネット ルビー ダイヤ リング

さて、そんなある日の事、突然お店に来られたそのご婦人、実は探しているデザインの指輪があるとのこと。なんでも偶然出会った見ず知らずの人が着けてた指輪が大層気に入ったらしく、同じようなものがないでしょうかとのお尋ね。

さて、どういったデザインの指輪かを尋ねるも、口頭でのやり取りではなかなか埒が明きません。

「じゃあ、ちょっと紙とペンお借りできますか」とのご要望を受けてメモ用紙とボールペンをお渡しすると、そのご婦人さらさらっと結構複雑なデザインのリングの絵をこともなげに、しかも実に見事な3D画像で描き上げたのでございます。

「こんな感じかな・・」とおっしゃる言葉も上の空。そのお描きになった絵の完璧な描写力に感心のあまり言葉も出ません。こちらも職業柄、プロの宝飾デザイナーが書いた指輪のデザイン画というものは、それまでにも何枚何十枚と見てきた経験はあったのですが、そういったプロが時間をかけて描いた完成図に全くひけをとらない、リアリティー溢れるラフ画を僅か1分足らずで描き上げられたのですもの。

なまじこっちも漫画家になろうか、進学にあたっては、芸大に行こうかなんて夢を膨らませていた、ちょっとばかり絵には自信のある身なれば余計その腕前の凄さが分かります。

グロッシュラーライトガーネット ルビー ダイヤ リング

そうなると、もうお客さんのご依頼より、その絵の方への興味が断然上回ってしまい、「あの、失礼ですがこの画、無茶無茶お上手なんですけど、てかプロ並みで正直ビビってますねけど、あの、ひょっとしてデザインとかそんな関係のお仕事されてるのですか?」思わず聞いてしまいました。

するとご婦人ちょっとはにかんだご様子で、「いえ、デザインなんてそんな高尚なことは、・・・実は少女漫画をちょこっと描いてるんです」

「ええーっ、漫画家さんですかー、ひぇーっ!これはお見それ致しました」

なにせこちらにとっては子供の頃の憧れの職業、野球少年だったオッサンがプロ野球選手に偶然会ったようなもの。

それからの会話はもうわたくし舞い上がってしまって、しどろもどろになり何をどう話したか全く記憶がございません。だだそのボールペンによる指輪のラフスケッチによって、プロとアマチュアの大きな隔たりをまざまざと見せつけられ、漫画家の夢を断念したのは正しい選択だったと大いに納得したのでありました。

グロッシュラーライトガーネット ルビー ダイヤ リング

さて、その様な完成度の高いラフ画ならば、その図面一枚を渡せば腕の良い職人さんは、その頭脳の中でキャド顔負けの立体設計図を組み立て、見事指輪を手造りで作り上げる事が出来る事でありましょう。

しかし、実際手作りの職人さんに製品の製作を依頼する場合は、指輪なら指輪を着けた場合の真上から見た正面図。それに側面のリングが丸い円を描いている方向、さらにそれを90度回転させリングのウデが一本の棒に見える向きの3方向の図を提供することにより、職人さんにより立体的なイメージを理解してもらうようにいたします。

しかし、この図面を描くのもなかなか難しい技術なのです。下手な人、未熟なジュエリーデザイナーがこの3方向の図を描くと、たまにその3方向の整合性が取れていないものが出来上がり、職人をより混乱させる結果をもたらします。

例えば、側面図ではリングのウデから伸び上がるようにして地金の花模様が中石に覆い被さるようになっている風に描かれているのに、正面図では本来、石の左右をこの花模様が横断し、リング接合部分を繋ぐ細工となるはずが、中央縦方向にこの模様が描かれていて、この模様を支える部位は?みたいな混乱が起こるわけであります。

さすがに現代では先程も挙げましたキャド等の立体画像をパソコンで簡単に作画できるようになっておりますゆえ、こういったミスは少なくなっているのでしょうし、実際には作画を超えてそのまま3Dプリンターでリングの原型まで作ってしまうのですから凄い進歩でございます。

ただ、そういったテクノロジーの進歩を凌駕致しますのが熟練職人の凄技!

グロッシュラーライトガーネット ルビー ダイヤ リング

こちらにご覧いただいております指輪は以前にもご紹介致しました、現代飾り職人の名工、生野の巨匠にお願いして拵えていただきました、中石に色鮮やかなツァボライト、即ちグリーングロッシュラ―ライトガーネット、両サイドにハートシェイプのルビーを配し、中石を囲むように10個のメレダイアが取り巻く、実に見事な出来栄えの指輪でございます。

さてこちらの指輪、驚くなかれ、制作にあたって、設計図はおろかイメージを伝えるスケッチ程度のものすら職人には渡していないのでございます。各石のサイズバランスだけを平板なトレイ上であわせ、大体のデザインの骨子のみを伝えただけ。いくらパソコンでもそれだけではデータ不足でどうにもならない。

ところがこの出来上がり、どんなもんだい!

中石の石座への沈み具合、ルビーおよびメレダイアの傾斜角度、リング部分の腕の絞り具合と下へ向かうほどに膨らむそのバランスの妙。どれ一つとしてデータとして職人に指示したものはございません。全ては巨匠が長年培ってきた勘を頼りに形作られたもの。

グロッシュラーライトガーネット ルビー ダイヤ リング

実際これだけのものを手作業のみで創作できる職人さんは、キャドなどのテクノロジーの進化によって絶滅の危機に瀕しているのが現状。こんなのもう50年後には、たとえ精密なデザイン画があったとしても、誰も手作業では作れないんだから。早い者勝ちだよ!

しかし、宝飾職人にもならなくて良かったなー、こんなん百年修行しても絶対よう作らん自信あるわ!まさに天賦の才のなせる技やね。

因みに絵のお上手なご婦人の正体が判明した当日、仕事帰りに駅前の本屋に立寄りました。

さあ果たしてこんな本屋に普通に売ってる漫画書いてはるほどの有名人ではないやろな、ご本人もちょこっと言うてはったし。それにペンネーム使ってはるやろうさかい、多分わからんわなー、と半信半疑で漫画の単行本コーナーに近づくと、なんと真っ先に目に飛び込んで来たのがそのお客さんのフルネームの記した本がずらっとならんでる棚。

こちらが漢字で記憶してるのそのお名前が全部ひらがなで書いてあるからそりゃインパクトありますわ。何がちょこっとや、人気作家さんやん!

思わず一冊買って、今度来はったらサイン貰お思てたんですけど、結局言いだしかねて・・・

将来の夢はすぐ諦めるし、ホンマ我ながら、あかんたれやね。

ニューヨークジュエラーの裏事情

ティファニー バイザヤード ネックレス

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

ティファニー定番人気の一粒ダイヤのネックレス「バイザヤード」。独特の世界観で知られるデザイナー「エルサ・ペレッティ」の魅惑的なジュエリーは、官能的で立体的なデザインが特徴です。 頑張っている自分へのご褒美や、大切な方へのプレゼントに最適な逸品です。

わたくしが勤めておりました宝石屋の本店がまだ大阪の心斎橋にあって、バブル崩壊後とは言え、まだ栄耀栄華を極めブイブイ言わせていた当時の事。

ニューヨークから名の通ったジュエリーデザイナーを呼び、その店の三階にありましたちょっとした展示スペースにて展示会を行う事になりました。展示会に先立ち、展示会前一週間をそのブランドの社員と商品を営業車に乗せ、各外商員が順番にそれぞれの得意先のお宅を訪問しそのブランドの商品を売り込むという、いわゆる同行持ち回りという販促が展開されました。

この同行持ち回りと呼ばれる販売方法は、百貨店外商部などがよく行う販売方法で、主に宝石、時計、呉服、紳士服、絵画美術品等の高級品を、そのテナント業者なりメーカーの社員を同行のうえ客宅を訪問して売り込んでいく販売方法。

まあ体のよい押し売りみたいなものですな。しかも複数人で押しかけるからその圧も半端ない。こんなことを普通のお宅にアポ無しで行えば、警察沙汰にもなりかねません。

しかし相手はお金持ちのお得意様。その辺は心得たもので、買う買わないは別として、ちゃんとご主人のゴルフの優勝カップなんかが飾られ、鹿の首のはく製が壁からにょっきり生えてるような立派な応接間に通してくれて、一応商品はご覧下さる。

ティファニー バイザヤード ネックレス

本番のお店での展示会には、ニューヨークからわざわざ遠路はるばる、その会社のオーナーにしてデザイナーご本人が来日して販売に当たるのですが、その前のプレ販売の同行持ち回りにはそのデザイナーさんの息子、ローレンスという兄ちゃんがやってまいりました。もちろんデザイナーご本人もローレンス君も日本語なんて一言もしゃべりませんから、通訳が必要。

ところがその会社、通訳を雇う費用をせこって、ちょうど香港から帰ってきたばっかりの私にその任をまかせようと白羽の矢が立ったのです。いやー、香港人とはお互い外国語としての英語をコミュニケーションツールとして、日本語まじりの片言英語のやり取りで何とか日々過ごしていたものの、本チャンのアメリカン、ネイティブの方の通訳なんて滅相も無いと固辞するものの、聞き入れられず、その一週間はニューヨークジュエラー御一行様担当となり、同行持ち回りにも“通訳”として同行する運びとなりました、いやー参ったね。

困ったのは何も私だけではありません。そのアメリカ人のジュエラーを営業車に同乗させ得意先に連れて行かねばならない外商部の各社員も弱り切っておりましたねー。なにせ外国人の同行なんてみんな初めての体験ですからね。

ティファニー バイザヤード ネックレス

いや、それだけじゃない、そんなことをアメリカでは全くしたことが無いローレンス君も面食らっておりました。大体アメリカでは外商なんてシステム自体が無いらしいのです。

「そんな事やってるって悪い奴等が知ったら、車止められ一発でホールドアップよ、頭おかしいんじゃね?」と両手の平を天に向け肩をすぼめる例のポーズ。わっ、よう映画とかで見るやっちゃこれ、ホンマモンやこれ!

ティファニー バイザヤード ネックレス

さあ、そのプレセールの外商持ち回りはまさに珍道中。

担当外商員がいつもと同じような調子で客宅へ訪問するまでは良いのですが、奥さんがひとたびローレンス君を見つけるなり「ちょちょちょと待って、何なん、外人やん!あんたなんで外人なんか突然、・・・困るわー、困るやん、デザイナー連れて行く言うさかいエエよ言うたんや。そんなん外人て言うといてくれんと、いやーどうしょ?ウチ土足厳禁やさかいね!」まあ皆さん大体こんな感じの反応で、こちらは気楽な通訳の立場ですから、そのいちいちが面白いのなんのって。

担当者ももう平身低頭で「すんまへん、ホンマすんまへん、せやけど奥さん最初から外人連れて行く言うたら絶対アカン言いはりますやん、僕っかて、会社の命令で、板挟みで辛いんですわー、堪忍してください。もう奥さんとこしか頼るとこ有らしませんねん、たのんますー、すんませーん」 こんなやり取りを横でぽかーんとローレンス口開けて聞いとるわけです。

このローレンス、いかにもアメリカ人気質というのか気さくな兄ちゃんで、すぐ打ち解けて車中では外商員の緊張をよそに色んな話を致しました。もうかなり昔の事ですから内容はほとんど忘れましたが、一つだけ覚えているのがタバコの話。

彼はアメリカ人にもかかわらず、かなりのヘビースモーカー。そのころは私も喫煙者だったのですが、吸ってるタバコがなんと同じマルボロライト。

ティファニー バイザヤード ネックレス

「おっ、一緒やん。なんて偶然!せやけど日本で売っとるマルボロライトとアメリカのマルボロライト違うん知ってる?」

「ホンマ?知らんかった。せやけどどこがどうちゃうん?味か?」

「おせたろか?実はな吸い口がちゃうねん。吸い口の紙質がちゃうんよ」

「どないちゃうん?」

「日本のは吸い口の紙が唇にネバってひっつく感じやねんけど、アメリカのんはさらさらでそれがないんよ」

「うそ?」

そこでやおらローレンス胸ポケットから煙草の箱を取り出すと「これはアメリカのんや、吸うてみ」

「おおきに、ほな一本いただくわ。わっ、ホンマや、サラッとしとるわ。こっちのんがエエな」

ここでローレンス片目でウインク。わっ!映画で見るやつや!

ティファニー バイザヤード ネックレス

さて、本番の展示会はいよいよお父さんのデザイナー先生のお出まし。この方、子供時分にナチスのホロコーストから逃れるために家族ともどもヨーロッパから南米に渡り、その後アメリカに移り住んだというなかなかの苦労人。

そのせいか非常に人当たりの良いジェントルマンでユーモアのセンスもなかなかのもの。展示会でそこの商品を売りそこなった営業社員に面と向かって “ Shame on you ! “ ( 恥を知れ!)なんて言って笑わせてくれました。

ティファニー バイザヤード ネックレス

さて、このデザイナーのおじさんの会社、自社ブランドの製造だけに留まらず、なんとティファニーの下請けもやってるとの事。

ちょうどお昼休憩に一緒に出まして、何が食べたいかと聞くと、なんとうどんが好きだとおっしゃる。そこで近所のうどんの名店、心斎橋「にし屋」にお連れしたのですが、その後当時心斎橋筋商店街内にあったティファニーのお店を見物したいと仰る。

そこでうどん店を出た後、このニューヨークのジュエラー社長をお連れしてティファニー心斎橋店を訪れたのですが、お店の方もまさか自分とこの商品を実際作っている下請けメーカーのオッチャンだとはまさか知る由もなく、ただ、外国人という事で声もかけず遠巻きに見てるだけ。

ティファニー バイザヤード ネックレス

「なるほど、ところ変われば品かわるって言うけどやっぱり商品構成が大分違うねー」などと言いながら商品を細かく見ていきます。

「ちょっとこの留め具の細工見てごらん、これはティファニー独特の細工で、これ拵えるのなかな難しいんよ。ティファニーってホント下請け泣かせでさー、細かいとこにまで、いちいちホント厳しいんだよ。もちろん下請けはウチだけじゃなく沢山あるんだけど、仕事が悪いとすぐ切られちゃうんで大変なのよ。ここの丸い輪っかも日本じゃ最初からこういった出来合いのパーツがあるじゃない。実際ウチのオリジナルにはそんなの使てんだけど、ティファニーのはこんなのでも金の線を丸めて一から作らされてんだぜ、勘弁してよって感じ、ホント大変なんだ。それにあそこのエルサって女性のデザイナーがまた小うるさくてさー、ここがダメ、図面どうりじゃない、イメージが違うとか、センスが悪いとか言ってすぐ返品してくるからたまったもんじゃない。それにさ・・」

ティファニーのお店で散々ティファニーのグチを言いだす始末。ティファニーやから英語のわかる店員もおるんちゃうんと小心者のわたくしはひたすらびくびくしていたのを思い出します。

ティファニー バイザヤード ネックレス

さて、現在こうしてティファニーのバイザヤードを当店の一押し商品として集中販売いたしております今となって、商品検品時のルーペによる細部のチェックを行う際など、あらためてあの下請会社の社長さんのグチが思い出されます。あのオッチャンのグチがこの完成度の高さとなって結実してるんやねー。

エエもん作るには妥協を許さない厳しさが必要いうこってすな。

ホント、キャッツには目がないんですよ!

アクアマリン キャッツアイ ネックレス

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

瞳はほとんど見えませんけどアクアマリンのキャッツアイ

落語の演目の一つに「道具屋」と言うのがございます。よく出来たお噺なので、東西の噺家さんの多くが得意の演目として、そのレパートリーのひとつに加えております。

噺の筋はいたって簡単。いい歳をしても定職に就かず、ふらふらしている甥に、自分が副業としてやってる道具屋をやらせて一人前にしてやろうという大家の旦那。

つまり愚者でありまして、いざ露天でお店は開帳したものの、来る客来る客みんなしくじる。このしくじるサマの間抜けな様子の面白いところが落語の肝となっております。

アクアマリン キャッツアイ ネックレス

さて、このお話でおかしいのが、その売ってる品物が一つとしてまともなものが無いところ。

火事場で拾ってきたノコギリの錆を落として、柄を付け替えだけのものとか、短刀に見えて実は抜けない木刀。首のとれるお雛様。脚が一本欠けてまっすぐ立たたない扇風機。ボラが素?食ってる様にしか見えない鯉の滝登りの掛け軸やら。この内容から察するに道具屋は道具屋でもこれは古道具屋なのでございましょう。

まあこんなとんでもない品ぞろえですから、この甥っ子が一つも商品が売れなくても当然じゃあないの、と思召す方も多い事かと存じますが、商売と言うもの必ずしもそうとは限りません。

実際、関西版のお噺のほうには、おじさんが道具屋を開店するにあたって、甥を戒める場面。「こんなもんでも、そこらに並べときゃ、どこぞのアホが買おていによるやろ」なんてひどい台詞が出てまいります。(どこぞのアホが買おていによるやろ=どこかの馬鹿が買っていくであろうに)

また、江戸版の方では、この甥っ子が商いをしくじる度に、隣の露店商が親切にも、客にゃ世辞の一つも言って懐に飛び込むんだ、などといってアドバイスしてくれたりも致します。

アクアマリン キャッツアイ ネックレス

まあ、ここに出てまいりますような欠陥商品を上手い事言って売りつけるとなりますと、一種の詐欺でございますが、実際商売と言うものものは詐欺と紙一重のところが往々にしてございます。欠陥商品を言葉巧みに装飾して売ると犯罪になりますが、普通の何の問題もない品を言葉巧みに販売すれば、これはれっきとした接客商売。

さあそういう事で、こちら当店の欠陥商品、なんて滅相もございませんが、何と目の出ないアクアマリンキャッツアイの販売と言う難題に、不詳ネットテキヤ、わたくしハリー中野が果敢にチャレンジしてみたいと存じます。

さてこちらは、ペアシェイプのこんもりとした、ナリの良い、まるで拡大した雨のしずくのようなカボッションにカットされましたアクアマリン。大きさは10キャラット近いけっこうなボリューム。

アクアマリン キャッツアイ ネックレス

こちらの石、半透明と言うまでの濁りはございませんが、若干の曇りがございます。その原因は宝石内部にございます極めて微細な針状のインクルージョンによるもの。

実はこの針状インクルージョンによってシャトヤンシー、すなわち猫の目効果が生まれるのでございます。この猫の目効果の原理とは、キューティクル豊富な美しいストレートヘアの女学生などの頭頂周りに現れる天使の輪と呼ばれる光の反射の原理と一緒。極細の線上の突起が並んで広がる面に対して、その線と直角に交わるように現れる光の反射の帯がこの猫の瞳となるのでございます。

アクアマリン キャッツアイ ネックレス

では、このアクアマリンのキャッツアイ、なぜ猫の瞳が極めて薄く微妙で見分けがつかないのかといいますと、それはこの天使の輪の元となる針状インクルージョンが少ないせいなのです。半面、それゆえこのアクアマリンの透明度が高いわけなのでありまして、そこがこの宝石の魅力ともなっているのでもあります。

それならなにも、キャッツアイと名乗らなくてもいいじゃないか、とのお叱りの声が聞こえてまいりそうですが、実は猫の瞳とまでには形がさだまりませんが、微妙な光のシーン、あるいはシラー効果と呼ばれる光の移ろいが認められるからでなのであります。

このシラー効果の代表的な宝石がムーンスト―ン。ご存知の方も多いかと存じますが、石の内部からぼやーっとした光が浮き上がってきて、石の移動に伴いこの光りも揺らぐといった非常に神秘的な効果を宝石に与えます。それと同様、こちらのカボッションアクアマリンもその石の動きに合わせ、石の内部から、行燈の和紙を透かしてぼんやり見える焔の反映のような光のうねりが見てとれます。

アクアマリン キャッツアイ ネックレス

ならば分かりやすくアクアマリンムーンストーンと名乗ればいいじゃん、とまたまたお叱りを受けるかもわかりませんが、実はムーンストーンの変種ですでにそう呼ばれる固有の宝石がございます。ですからあくまでアクアマリンであるこちらの石は仕方なくアクアマリンキャッツと名乗っている様なわけなのでございますが、実際にはアクアムーンスト―よりも断然魅力的なのでございます。

メレダイアが連なる長めのバチカンの最下部に、このダイアモンドの鋭い輝きと対照的なまったりとした、石の奥底から、身体の動きに合わせて、うねるような光のウェーブを放つ大きな雨粒ようなアクアマリン。

この何とも言えない幻想的、神秘的な風情。このしっくりした色目の上品な風合いを見るにつけ、宝石の名前など別にどうでもよくはなりませんか、美しければ。

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?知らんがなそんなん の巻き

合成エメラルド ダイヤ リング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

天然の原石のような合成エメラルド。生成が同じって事ね。

アメリカの偉大なSF作家フィリップ・K・ディックの小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」を鬼才リドリー・スコット監督が映画化したのが、かの伝説のカルトムービーとも呼ばれる「ブレードランナー」。1982年の公開とございますからもう40年も昔の話。毎度古い話ですまんこってございます。

近未来の厳めしい建物が蝟集する都市空間。その暗く湿った夜空に、未来の広告看板でしょうか、突如現れる謎の笑みを浮かべた大写しのゲイシャガールの顔、それとともに現れる「強力わかもと」の文字。このインパクトある異様な映像でこの映画をご記憶の方も多いのではないでしょうか。

さてこの「ブレードランナー」映画マニアの間では凄い人気で、近年続編が製作されたほどですから、ご存知の方も多いかと存じます。なので今更わたくしのヘボな説明などご不要かとも存じますが、念のため、ざっと概要だけ。

このお話の近未来の世界では、既にレプリカントと呼ばれるアンドロイド、すなわち人造人間が製造されております。

これらのレプリカントは宇宙開発の最前線などでの過酷な労働に投入されているのですが、このレプリカントになんと人間の心が芽生え、主人である人類に歯向かい始めたのです。この造反するアンドロイドたちを取り締まり抹殺する仕事こそが、この映画の題名そのもののブレードランナーなのです。

映画では、名優ハリソン・フォードが演じる一人のブレードランナーが、造反レプリカントグループの捜査の成り行きから、一人の美女と出会います。実は彼女も、偽の記憶を脳に植付けられ、自らを人間だと信じこんでいるレプリカントだったのですが、ハリソン演じるベテランのブレードランナーはこれを見破ります。

合成エメラルド ダイヤ リング

それを察した美女のレプリカント、レイチェルという名前なのですが、は彼を激しく問い詰め、遂に真相を聞きだすのです。その結果、言わんこっちゃない、レイチェル大いに取り乱し、絶望のどん底につき落とされて涙を流します。

何せ、人間でないばかりか、レプリカントの寿命はたった4年。しかしその様子にハリソン君、不謹慎にも生唾ゴクリ。美女の涙ほど罪深いものはございませんね。正にチャンカワイの「惚れてまうやろー!」じゃないですが、惚れてしもたんですな、アンドロイドに。

そんなアホな話あるかい。なんぼSFか知らんけど話盛りすぎやで。人間がロボットに惚れるて、寝言言うてもたらかなんわ。そんな話が通じんねやったら、道頓堀歩いてるお姉ちゃん等がこぞって、食いだおれ太郎に次から次としがみついて大ごとになるで、ホンマ。

その様なご意見も当然でしょうが、まあ論より証拠、ちょと映画観て、予告編でもエエからYouTubeで。

ホンマや!無茶綺麗!むべなるかな!

合成エメラルド ダイヤ リング

そうなのです、この映画の要となる重要なポイントは、何と言ってもこのアンドロイド、レイチェルの配役にあると言っても過言ではございません。なにせ人間が人造人間に恋心を抱くなどという荒唐無稽な話に信ぴょう性をもたせるには、このレイチェルが並みの女性を遥かに超えて美しく魅力的でない事には話として成り立ちません。

このレプリカント、レイチェルを演じたのは、厳しいオーディションの末この大役を勝ち取ったショーン・ヤングという当時、若干23歳の女優さん。

いやー、ホント人間離れした美しさ。実際、この映画をご覧になった数多くの男性が、彼女が演じたレイチェルの虜となり、むさくるしい部屋中をレイチェルのポスターで埋め尽くし、親からもらった大事な身体の一部に「レイチェル命」などと彫物を入れたり、自分の娘に後々の子供の災難も顧みず、日本人でありながらレイチェルと名付けたりと、もう当時は凄い人気。

いえいえ、美しいのはなにも女性のアンドロイドだけではありません。映画の最後、ハリソン・フォードのブレードランナーと対決するレプリカントのリーダーのバッティ、演ずるはオランダ出身の俳優ルトガー・ハウアー。

この人も主演のハリソン・フォードを凌ぐほど美しくカッコイイ。お陰で当時この映画を観た多くの女性が部屋いっぱいにルトガー・ハウアーのポスターを貼り、その内腿に「ルトガー命」と、もーエエちゅうねん!

合成エメラルド ダイヤ リング

さて、なぜに人造人間であるレプリカントがこの様に美しいかというと、それはごく当たり前、至極当然な成り行き。神様はご自分に似せて人間を作り給うたそうですが、ディテールにはあまり拘れへんかったらしく、個体の出来不出来には大きなばらつきがございます。

その点、人間は細かい点にいちいちこだわるというか、どうせ作るならエエもん作らな損やいうんで、とりあえず見てくれ第一のエエもんが出来上がるわけでございます。

そうした人間の創作特徴が顕著に表れているのが、何と言っても人工宝石なのではないでしょうか?

GIAの宝石研修なんかで使う試験石によく混じってました、初期の合成石のリンデンスタールビーとかスターサファイアなんかもう本当にバッチリ星もきれいに出て、色も鮮やか、実に美しい。それゆえにすぐバレちゃう。肉眼の目視だけでわかってしまう実にありがたい試験石でした。

あるいはまた、質屋や買取り屋でインクルージョンの少ない透明なエメラルドが持ち込まれた際は先ず、偽物を疑えなんて言われるくらい、人造の宝石は美しいのであります。まあ普通、お金かけてわざと汚い宝石作ろうなんてことはしませんわな。

合成エメラルド ダイヤ リング

さて、ここで合成石と人造石と模造石の違いを簡単にご説明しなければなりません。

まず合成石とは、人工的に本物の天然宝石と同じ化学組成をもつ石を人工的に作り出すことをいいます。

人造石は人工的に本物の宝石に似たものを、化学組成は異なっていても、見かけさえ同じであればという事で作られる別の物質。

模造石は本物とはかなりかけ離れた組成、見かけながら、そのニュアンスを醸し出して装飾的用途をみたします。

レプリカントの場合は、遺伝子工学の進歩の恩恵にあずかって作り上げた人間と同じ肉体をもつ人造人間なので、合成石と同じになりますね。ちなみに整形美人を陰でアンドロイドやで、などと揶揄いたしたりしますが、この場合レプリカントのように一からすべて人工的に作られたものでは無く、天然の物の一部を人工的に改変した状態ですので、宝石に例えると天然石の処理改変という事で、処理石という事になりますね。

合成エメラルド ダイヤ リング

ですから陰口を言うときは「あの人処理石やわ、その割には値打ちないなー」などという表現が穏当かと存じます。

さて人造石の代表はダイアモンドの代用品として、広くアクセサリーなどに使われているキュービックジルコニアが有名ですね。見た目は非常に似ているけれども、化学組成はまったくダイアとは異なる、違う物質。

最後の模造石は、例えるなら食いだおれ太郎。一応人間の形してるけど誰も本気で人間としては見ないやつ。いくら道頓堀で屯しているいかれたギャルでもそんなんには食いつきまへんわ、悪いけど。

ということで、本来は本物よりも美しく、そこがかえって胡散臭い合成石なのですが、その欠点を巧みにかわし、見事本物っぽく仕上げられたのが、只今ご覧いただいておりますこちらの指輪。

この指輪、いったいどういう目的で拵えられたのか全くの謎なわけですが、なんとエメラルド原石を模した合成エメラルドのリングなのでございます。

合成エメラルド ダイヤ リング

みごとに六方晶系の鉱物が六角柱状結晶となって生成されている様を表している本商品、ぱっと見絶対合成石とは疑いません。ほう、もの好きにもエメラルドの原石をそのままリングにしたんやな。さしずめ石オタのマニア狙ったクセの強い商品やろ、と思わせといて―の合成石。いったいどういった顧客に向けて作られたのか全く不明。

合成石で有名な京セラさんのクレサンベールエメラルドなんて、宝石界のレイチェルやー!と思わず彦丸になって絶叫するくらいの美しさやのに、わざわざこんな粗削りな原石作るって?

多分これは、合成石の製造過程が天然石の生成過程と同様の工程をたどるため、同様の結晶形が出来上がると言うところを確認したい、マニアのさらに先を行く、超マニアの為に作られた逸品なんでしょうな。

そんなん好きな変わり者の人おりまへんか?言うても滅多ないよ、こんなん。原石に似せた合成って・・・

ヘビーユーザーは見逃さない平凡で非凡な指輪

サファイアダイヤリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

この柄をみて新選組を想起するあなたは時代劇チャンネルの観すぎかも

以前にもちらっと書かせて頂いたのですが、お店者(おたなもの)根性と言う言葉がございます。

これは何かと申しますと、お店の店員が来店したお客の品定め、値踏みをする、その卑しいありさま、さもしい性根を指している言葉なのでございます。

すべからく、どのようなお店であっても売上向上こそが商売においての最終目的。

その為、店員個々人にも月々厳しいノルマが課せられ、その売り上げいかんによって給料の額が変わったり、ボーナス支給に差が出たり、さらには将来の出世にまで大きく影響を及ぼすというからくり。

その為、個々の店員は鵜の目鷹の目で来店客を物色し、購入の可能性の高そうなお客をつかもうと必死なのです。特に高額品を扱う宝石店ともなりますと、一人の客の購入一件でその月の予算達成なんて事もあり得るわけなので、みんな戦々恐々、アフリカのサバンナに生息するハイエナのように貪婪に獲物を物色致すわけであります。

では具体的に宝石店に巣食うハイエナどもはお客のどういった点を観察し、獲物に的を絞っていくのでしょうか。

先ずは、何と言っても身なりの観察。

やはり高級品を買ってもらおうというくらいですから、基本富裕層、お金持ちでないといけません。ですからその着けている宝飾品はもとより、服装、時計、履物、コロンの香りから口紅の色、毛染めの毛根の白髪の露出具合、肘膝踵の角質に至るまで、これらを瞬時に観察いたします。

老練なハンターともなれば、これはほんの一瞥、あたかも香りをかぐ様に一瞬で嗅ぎ分け、即座に判断が下されます。もしその時点で似非奥様のNG判定が下されますと、まだその辺の判別に疎い新入社員や後輩に親切ごかしに「中野君、ほら良いお客様よ、頑張って行っておいで」などと振って次の獲物を待ちます。

さて、外見上の見かけの次に観察が大切なのが、お客の態度。買い物慣れしていて堂々としているか、あるいは買物が不慣れでドギマギしているかによって、アプローチの仕方はがらっと変わります。

買物慣したスレた方には旧知の知り合いかなんぞのように、礼節をわきまえながらも胸襟を開いた親密さで、おどおどちゃんには優しい看護師や介護職員のような慈母の心で接せねばなりません。間違えて、この反対をすると前者はプライドを傷つけられたように感じて怒り出し、後者は後ずさりして遂には退散と言う望まぬ結果に終わります。

サファイアダイヤリング

さて、その後ですが、何と言ってもマズイのが、「何かお探しですか?」などと不躾に問いただしたりする事。まさか八百屋じゃあるまいし。

「えーと、ジャガイモ、ニンジン、それに玉ねぎ欲しいんやけど」

「あっ、わかった奥さんち今晩カレーでっしゃろ?」

「ピンポーン!」

んなアホな。

サファイアダイヤリング

大体、宝石屋に目的買いで来る人は滅多にいてません。せいぜいが婚礼の一式か、急な葬式用のパールネックレス。前者は見たら一目でわかるし、後者は入ってくるなり向こうから焦って聞いてくる。

一見のお客には先ずは付かず離れず、邪魔にならないように影のように付き添います。そしてなにかの拍子に、今初めて気づいたかのように装いつ、最初から目星をつけておいたお客さんご自慢の持ち物を褒めそやします。

「あら、こちらバーキンじゃございませ?しかも25センチ!なかなかエルメスのお店行っても売ってないらしいですねー、昨日来られたお客様が嘆いておられました」

「そうなのよー、これはね、たまたまワイキキのお店の前を通りがかったら飾ってたので即買いしたのよ」

「エーッ!ハワイでエルメス、おっ洒落―っ!」

「ハワイでエルメスってなんかピンとこないわね。こちらのお財布の方はパリの本店で頂いたんだけどね」

「エルメスは我慢するから、せめてハワイとフランスだけでも行きたいわー!」

「あら、よく仰るわ、オホホホホ!」

これで下ごしらえは完了。あとは気分の上がったお客を自由気ままに店内を回遊させ、

「あら、こちらの指輪変わってるわね」なんて目に留まる商品に行きつくのを待つべし。

サファイアダイヤリング

さて、このお目に留まる品によってもお客のランク、センスが分かるって寸法。

まあ、大体買い物好き、ヘビーユーザーなんて言われるような人ともなると、さすがにセンスの良いものをお選びになる。一見平凡に見えてセンスの良さが光るものに目が留まれば、こりゃもうビンゴ!

さて、そういったよく判っておられる、お買物の手練れ、買い物マニアが如何にも手に取りそうなのがこちらの指輪なのでございます。

ちょっと見は平凡なサファイアとダイアモンドの並んだハーフエタニティー風なデザインで、ジュエリー初心者なら完全スルーの可能性の高い一見地味にも見える指輪。

サファイアダイヤリング

しかしながら、よくよく見ると、全く同じ形大きさにカットされたダイアモンドとサファイアが交互に組み合わさるようにセットされています。こういった細工を、最初は色姿形照り、全てが異なる天然石で作り上げるという事は想像をはるかに超えて大変な事なのでございます。

いい加減な石の揃えで拵えると、隙間だらけのまだらな印象になっちゃいますからね。

サファイアダイヤリング

ダイアモンドの方はまあ出来合いのルースの中から根気よく見繕えばなんとかなるでしょうが、この三角のサファイアなんかになりますと地道に探すより、石屋にオーダーかけて拵えさせた方が手っ取り早いほど。指輪ひとつ作るのに材料全部を石から削り出したんじゃないでしょうか?大変手間と根気の掛る作業なのでございます。したがってお値段も...

てな事を実際のメーカーの裏事情も知らぬ癖に、推測だけで商品説明するのも宝石販売員の重要な資質。「宝石屋見てきたような嘘を言い」などという古くからの格言もあるくらいですから。

サファイアダイヤリング

さて、お客さんの方も自分が目に留めた商品が、そのような値打ち物と店員に太鼓判を押されりゃ悪い気はしない。「お客様、さすがお目が高こうございます」という店員のキメの一言で陥落と相成るわけでございます。

まあ、陥落なんて大げさに書きましたが、この様なクラスのお客にとりましては、これしきの買い物はエルメスバーキンを褒めてくれた駄賃、チップの様なもの。あるいは、お客になってあげても良いわよ、あなたもちゃんと心得てるみたいだし、の名刺代わり。実際にはここから、この一見客をもっと大物、ハイジュエリーを買ってもらうような上得意先に育て上げるのが販売員の腕の見せ所。長期的戦略へと移行してまいります。

「じゃあ、サイズ直しはまたこちらに取りに来たら良いのかしら?」

「何をおっしゃいます、またまた御足労をおかけするなど滅相もございません。ご都合の良いご指定の日時にご自宅にお届けにあがります。」

普通の庶民だと、そんなのお忙しいのに悪いからと遠慮するのですが、こういったお客は当然、有名百貨店外商の顧客でもあるので、そんなことは当然と思ってます。ですから、取りに来たら良いのかしらと聞いた時点で、お届けのオファーを当然のごとく期待しております。

「あら、そう悪いわねえ、じゃお願いしようかしら」

はたしてかくの如き成り行きにて、客と店員の腐れ縁が始まるのでございます。

ダイアモンドスートラの威力備わるペンダント

GIMEL(ギメル) ダイアペンダント

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

裏側の蜂が目に入らぬか、こちらにおわすペンダントをどなたと心得おる!って殺生やわ、裏にあるもんどないして見たらよろしいんでっか?

日もとっぷりと暮れ、鈴虫が心細く鳴く暗い秋の夜道。

一杯機嫌でストーンズの「悪魔を憐れむ唄」などを口ずさみながら家路をたどって歩いておりますと、人気のない道を後ろから誰かがつけてくるような気配。

何奴!と勢いよく振り返るが、そこには誰もいない。

なんだ気のせいか、と気を取り直し再び、プリーズトゥミーチューホープユーゲスマイネーム、フン!なんぞと口ずさみつつステップを踏み、こけつまろびつしながらもまた田舎のあぜ道に歩を進めてまいりますと、再び何やら後方に気配が立ち現れるのでした。

今度は慎重に、歩きながらも歌いながらも、気取られぬよう、ゆっくりした動作で振り返ってみる。

振り返って見たところ、また誰もいないし、例の気配もすっと消えうせてしまっている。

やはり気のせいか、あるいは、わずかな量とは言え、アルコールの酔いが変な具合に回って来たんだろうと自分に言い聞かせ、気を取り直し、またぞろ千鳥足で歩き始める。

ところがしばらくすると、また例の気配が後ろから近づいてまいります。

もう今度はその手には乗らない、どうせ気のせい、無視して歩こう。そう心に決めて歩みを進めてまいりますと、なんとその気配がだんだんと間隔を狭め、明らかに近いてくるじゃないですか。

いやいや、これはあくまで気のせい、気の迷い。こういうのは無視するに限る。ここであわてるからみんなオバケやら幽霊などという在りもしない幻覚を見て取り乱すんだ。その手にゃ乗らないよ、こちとらなんつったって江戸っ子だい...と独りごちた刹那、その気配がすっと私の背中から入ったかと思ったら、身体を通り抜け、ふっと前方へ抜けたのです。

わっ!と思った瞬間、私の身体を抜けたそれが居ると思われる方角の暗闇に目を凝らしますと、暗黒の空間に微かな輪郭らしいものがあり、それが先ほど私がしたのと同様のゆっくりした動きで、こちらを振り返ったのであります。

「ギャーーー!!南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経」

もう怖さのあまり目を閉じ、無我夢中で念仏を唱えます。

GIMEL(ギメル) ダイアペンダント

さて、我が家の宗旨は日蓮宗でありますので、この様に南無妙法蓮華経と唱えるわけでありますが、これが違う宗派ですと南無阿弥陀仏となったり、般若波羅蜜多となったりと、さまざまなバリエーションが展開される事でありましょう。

ただ、このブログをお読みいただいている方は宝石好きの方が多くおられるかと存じますので、本日は宝石好きの方にお勧め、一押しのお経をご紹介いたしたいと存じます。

さて、そのお経と言うのは聞いて驚く事なかれ、名前もそのものずばり!

ダイアモンドスートラ・金剛般若経というお経。

GIMEL(ギメル) ダイアペンダント

いかがです!ダイアモンドは日本語というか中国語?では金剛石ですから金剛般若経。

さて、このダイアモンドスートラというお経の説明をする前に、まずお経と言うものについて一言説明申し上げねばなりません。

一般的にこのお経と言うものは普段はあまり我々の生活とはかかわりがなく、大体が葬式や法事などの仏事に僧侶が読経してるのを、畏まって聞いているものなのでございます。

世間では、このお経と言うものは一種の有難い霊力を帯びた呪文のようなものであるやに思われている節があるのですが、これは大間違い。冒頭の逸話で恐怖に支配された私が南無妙法蓮華経と唱えるくだりも、この呪文の効力を信じ、そのパワーにすがりつかんがゆえの行動と言えましょう。

GIMEL(ギメル) ダイアペンダント

しかし、実のところ、お経とはブッダ、ゴーダマ・シッダールタが生前に説いた教えを、後世その弟子たちがまとめ編纂した、いわば仏教の経典のようなもの。

ですから、その内容を能く理解し実践する事こそが大切な訳で、その音読した音声自体に何か有難い効能、効果が含まれることは一切なく、ましてや生きてる遺族ですらその意味している事すら理解できない漢語の朗読を、死者に聞かせたところでどれほどの効果があるのか甚だ疑問でございます。

ただ、これを純粋に呪文、マントラとして用いた密教などに代表される宗派もございます。

マントラとは一般的に単純な文節を繰り返し、長時間にわたって唱える事によって、心に空白を生じさせる。すなわち瞑想に準ずる効果を期待して行われる業であります。そういった意味においては、私が恐怖に見舞われ、お経を誦したという行為は、その恐怖心、つまり心の動揺を打ち消すといった目的には、かなっているのかも分かりません。

GIMEL(ギメル) ダイアペンダント

さて、肝心のダイアモンドスートラでございますが、これは金剛般若経、正確には金剛般若波羅蜜経というらしいのですが、ウィキペディアによりますと比較的初期の大乗仏教の般若経典とあります。金剛は先ほどの説明通りダイヤモンドのことで、般若とは智慧、波羅蜜は完成されたものという意味になり、ダイヤモンドのように硬いもので煩悩を打ち砕く智慧の完成された教えと言うほどの意味になるらしいのです。

この経典の現代語訳は偉大な仏教学者、中村元先生の翻訳により岩波文庫より出版されておりますので、迷い多き皆様方におかれましては是非そちらを熟読せられ、じっくり勉強して頂きまして、悩み苦しみの元となる煩悩をダイアモンドのパワーで打ち砕いて頂きたいものでございます。

え、そんなんまだるっこしい?邪魔くさい?もっと簡単便利な方法ないのて?

そうですな、そんなずぼらなお方には、やはり本物のダイアモンドのお力をばお貸し願わずには問題は解決いたしますまい。

GIMEL(ギメル) ダイアペンダント

ダイアモンドをパワーストーンとして見た場合、これはもう最強の威力を備えた石であると言われております。

マイナスの波動をプラスに変換する。邪気を払いのけ、精神を強化してくれる。金、恋愛、健康、ありとあらゆる人生の局面において運命を拓いてくれる開運の威力。肉体、精神を癒すヒーリング効果も絶大。

と、まあそのパワーはすさまじいのです。

ただしこの効能は薬のように科学的に実証されているものではございません。信じるか信じないかはあなた次第。

しかし、こちらにお示しいたしましたギメルのペンダント。

GIMEL(ギメル) ダイアペンダント

これだけの最高級品質のギラギラ輝くダイアモンドがぎっしり満タンに隙間なく敷き詰められておりますと、如何にもパワーがありそうでございませんか。もしも秋の心細い夜道において、わたくしがこのペンダントをハナから着用さえしておけば、何の災いもなく無事に帰宅出来たことでございましょう。

まあ第一、こんなピカピカギラギラは着けるだけで気持ちが良い、気分が高揚するのは間違いございませんから、ヒーリング効果だけは確かかも。それに裏側に潜んだ蜂は何か吉兆の印かも?信じる者は救われる。

だって、あなたギメルの信者さんて全国に相当数いらっしゃるんですよ。

早い者勝ち!

最早アート、ブラックオパールの美

ブラックオパール ダイヤ リング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

あたかも油絵の名画のような色の重なり。こうなるともう芸術ですね!

近頃はエエかっこして横文字でセレブ言いまんのかな?昔で言う有名人いうんか芸能人いうんか、たまにそんな人を街角で偶然見かけたりいたしますと、やはりなんか得したような、嬉しいような気がするもんです。

若い時分から都会の繁華街にある宝石屋の支店各店で働いてた加減で、そう言った有名人に出会う機会はけっこうあったように思います。

ただ、残念なことに、いや残念言うたら叱られるけど、大阪の場合は、なんというても出会うのは吉本や松竹の芸人さんが圧倒的に多い。

今では芸人さんの地位も昔と違って大幅に向上し、若手の人気者などになりますと、アイドル並みに若い女性からキャーキャー騒がれたりするのでしょうが、昔はホンマそこらのおっちゃんおばちゃんと何ら変わらん感じ。

「おっ、西川きよしや、きよっさーん!」

「おーっ、ありがとー!ほんま、ありがとーな!」

「あっ、やすしもおるがな!声かけたろ」

「止めとき、止めとき!下手に声かけたらどつかれるで」

そんな感じで、昔の関西の芸人さんは、あちらの方からも手が出たり足が出たりと、とても気さくな感じで接してくれはったものです。

ただ、たまに東京から来られている全国区の有名な俳優さんや歌手の方なんかに接しますと、やはりその芸能人オーラと言うものが半端無く、下手に声なんか掛けられません。もちろん先生などと呼ばれる大御所ともなりますと、お付きの方が周りを取り巻き、サイン一つ頼むのも畏れ多い感じ。

ただこんなローカル大阪人の私でも、ある時期非常に沢山のスター、有名人の方に接する機会に恵まれたのでございます。

それは、私が勤務しておりました宝石店がバブル景気に踊らされ、なんと無謀にも海外は香港へと支店出店に踏み切ったお陰。私はその海外出店の名誉ある海外駐在社員第一号として、何かの間違いで選ばれ、勤務した場所が、当時香港では最も由緒あるホテルと言われておりましたホテルペニンシュラ。

今でもそうかもわかりませんが、当時香港観光というと、ヴィクトリアピーク昇って夜景を眺め、ペニンシュラホテルショッピングアーケードでお買物と言うのが定番のコース。

もう毎日毎日、世界の一流ブランドが軒を連ねるペニンシュラホテルショッピングアーケードはバブル景気で浮かれた日本人観光客でごったがえしとる。ヒマなんはウチの店だけや。

そんなわけで、トイレに出たついでなどにショッピングアーケードをうろついておりますと、色んな日本の有名人にお会いすることができました。皆さんお忍びやら息抜きやら不倫旅行やらで手近な外国香港に羽根伸ばしに来てはったんやろね、知らんけど。

ここで、誰それにあったとか申しますと何かと差しさわりがあるやも分りませんので、個人名は敢えて伏せさせて頂きますが、芸能人だけじゃなく、大物政治家から大物野球選手は言うに及ばず、大物全裸監督までお見掛けいたしました。そや、裸で思い出しましけど、大相撲香港場所言うのがあって、日本の関取衆の一団にまで出くわしました。

ブラックオパール ダイヤ リング

さて、香港にて多く目にしたのは何もそういったセレブ有名人だけやおまへん。なにせ、香港と言う場所はアジアの宝石流通の中心地。

毎年香港コンベンションセンターではアジア最大規模のジュエリー、ジェムストーンの展示会が開かれる。もちろん我々の取引先である香港の業者さんも世界を相手にしてるだけにとんでもないシナモノを持ってる。

いやー、ホント目からうろこ棚から牡丹餅鼻から牛乳。香港に来て初めて本物のジュエリーに接した感を強くもったのでございます。

なにせわたくし、香港に派遣される前は大阪は天王寺にあります、天王寺ステーションデパートなる所謂JR駅ビル内にある、社内でも陸の孤島、てんのじ村などと蔑まれていた支店勤務。

正直まともな宝石なんか置いてない。置いたところで誰も買えへん。仕方がないから、四天王寺さんにお参りに来はるついでのお買物のおばあちゃん相手に、財布や袋物を商っては日銭を稼いでいたのであります。

それが突然のペニンシュラホテルショッピングアーケードですから、もう足元の自分の店の商品ですら今まで見たことが無いような高級品ばっかり。

幸い、私の仕事はリエゾンパーソン言うんでしょうか?会社の事務系統のシステムをペニンシュラホテルのヴァンクリーフから引き抜いた敏腕女性マネージャーを筆頭とする現地スタッフ達に指導伝達する役割。この伝票はこう書いて、月末になったらこれとこれして、みたいな事を伝え監督する役目。

後は日本から順番にやってくる社内や取引先のエライさんたちの観光ガイド。ですから、幸いそんな今までお目にかかった事もない高級品を値打ちも分らず接客するという畏れ多いことにはなりませんでした。

ブラックオパール ダイヤ リング

さて、肝心のお店の方はというと、先ほどもチラッと書きましたように来る日も来る日も閑古鳥の鳴くような塩梅でさっぱり。大体世界の一流ブランド店ばかりの中にあって、日本の無名な小売店なんて誰からも見向きすらされません。

しかもお店の場所はショッピングアーケードとは言え中二階の一番隅。訪ねてくる関係者ですら、なかなか辿り着く事の出来ないような場所。一日通しての来店客がゼロなんて事はざら。

そのお陰で暇な時間は元ヴァンクリーフ&アーペルズの敏腕マネージャー女史から直々に宝石のレクチャーを受けたことで、宝石の知識だけは飛躍的に向上いたしました。何せ目の前に生きた教材がようけ並んでる訳やさかいね。

ブラックオパール ダイヤ リング

さて、そうした生きた教材の中でも一番の感動をもって目にしたのが、これからご紹介いたしますブラックオパール。

もちろんそれまでにも、曲がりなりにも宝石屋ですからオパールぐらいは見知ってますが、扱ってたのはたいてい安価なホワイトオパール。たまにホテルの展示会でブラックオパールを見かける事はあっても、なるほど黒いわ、言うぐらいの、ほとんどがブルーとグリーンとグレーの混じり合ったようなぱっとせん石。

ところが香港で目にしたブラックオパールというのは、それまでの私のブラックオパールのイメージを完全に吹き飛ばし、木っ端みじんにしたのであります。

その石たちは、そのマネージャー女史知り合いのオーストラリアのブラックオパール専門の業者さんが、香港ジュエリーフェアの為に持ち込んだ自慢の逸品たち。出品前か出品後かは忘れましたが、お店に立ち寄り、わざわざご自慢のお宝をご開帳して下さったのでございます。

ブラックオパール ダイヤ リング

私の子供のころはテレビと言っても白黒、モノクロの時代。それがカラーテレビの時代の幕開けに伴い、カラーテレビを売らんが為の宣伝文句でよく目にしたのが「総天然色」。

その時のそのカラフルなブラックオパールを目に致しまして先ず脳裏に浮かんだのがこの言葉、総天然色!

見せてもらったのはほとんどがルース、すなわちリングやペンダントと言ったジュエリーの枠が付かない裸石の状態だったのですが、そのカラフルで艶やかな事。

一個一個がまるでステンドグラス細工の様に、一つの石の中で様々なカラフルな色がせめぎ合い、混じり合う。こんな美しく色鮮やかな石が地中から掘り出されたとは到底信じられず、しばらくの間ただ茫然と立ち尽くし、言葉もなく見とれていたのを今でも、昨日のことのように思い出します。

ブラックオパール ダイヤ リング

さて、ご覧いただいております指輪の石も、そのコレクションに収まっていたのではないかと言うくらい美しいブラックオパールなのでございます。

ブラックオパールで最高の游色パターンはハーレクインと言って大柄の鮮やかな色のパターンがはっきり区切られて現れているもの。これはその様子があたかもピエロの衣装の柄の様であることから、道化師=ハーレクインという風に命名された、と最近GIA-FGAダブルホルダーという凄い肩書をお持ちの、宝石鑑別も出来る宝石作家の先生にお教えいただいたのですから間違いございません。

ブラックオパール ダイヤ リング

さて、こちらのブラックオパールはそういった道化師の服ようなポップなイメージはございませんし、また目を見張るビビッドな色合いと言うほどの事もございません。寧ろイメージ的にはその逆で、暗めのトーンが石全体を覆っております。

その中にあって、部分部分で地底深くより湧き出た溶岩の燃えさかる炎のような鮮烈な赤が、煌めき萌立っています。その暗いオパール地色との明暗のコントラストによって、赤がより生々しく際立ち、実にえも言われぬ妖しいい魅力をたたえた宝石となっているのでございます。

このような色彩は、例えば高級ホテル、リッツカールトンの薄暗い内装を飾るにふさわしい中世の油絵の、顔料を幾層にも塗り重ねられた末に現れる、重厚な色の深みにも相通じる味わいとも言えるのではないでしょうか。

ピエロの衣装の派手さ軽さはございませんんが、この如何にも日本人好みの、渋くかつ鮮やな趣の宝石を手にされたなら、あなた様もきっと過去のわたくし同様、言葉を失いただ呆然と立ちつくされるのではないでしょうか。

ちょいとおつな通好みのアレキの指輪

アレキサンドライト ダイヤリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

小ぶりながらパーフェクト!由美かおるのようなリング。比喩がジジイですんまへん

スポーツや芸能などを観覧しておりますと、やはり世間の脚光を一身に浴びるのは、その中でもごく限られた少数のスター選手やスター俳優、歌手といった方々。

例えば、今年大活躍のメジャーリーグの大谷選手。走攻守に加え、ルックス、スタイル、さらに性格まで良いと言う、もう神様の依怙贔屓を一身に浴びたような人物。

正にそういう星の元に生まれたという、文字通りのスターという言葉がピッタリの人ですね。

さて、まあこうした年端も行かぬ童子、乳呑児ですら知ってるような人気アスリート、あるいは芸能界のトップアイドルなどと言われるような方々ですが、逆にその道でも、ある特定のファン層からの人気はあまり芳しく無いのであります。

もちろん野球選手などの場合は敵対する相手チームのファンには活躍すればするほど嫌がられるわけですが、そういう勝負なんかの利害関係を抜きにして、スターと言うものを敢えて敬遠する人たちがいるのでございます。

そういった方々は総じて「通」(つう)なんていう風に呼ばれたりしますが、この通というのは、ご承知の様に、その世界の事情に精通しているから通と呼ばれるわけでありますね。

このような人々はその物事の内情に深く通じてるがゆえ、誰が見ても喜び浮かれ騒ぐような表面的に好印象な人物、事柄、味わいには目もくれず、内情に通じている者にしか分からぬ、細部や暗部、素人の目が及びもしない裏の技術やその違いと言うものに着目しては、ああでもない、こうでもないと同好の志と批評し合う事に生きがいを見出すのでございます。

歌舞伎なんぞの伝統芸能の世界から、芸術、グルメ等々幅広い範囲で使われている誉め言葉に、通好みと言う言い回しがございます。

いかにも通好みの所作だとか、玄人好みの造詣の妙味とか、あるいは通好みのきりりとしまった辛口の酒なんてよく耳にいたします。あまり口にした事はないねけどね。

「おまえ、なんか聞くところによるとロック聴くらしいけど、誰のファンやねん?」

「オレか?俺は、三十年来の筋金入りのサザンのファンや!」

「サザンて、あれかサザンオールスターズのサザンけ?」

「当たり前やろ、ロックでサザン言うたらほか、誰がおるねん?」

「お前な、ロックでサザン言うたら、先ずはサザンロックの雄、オールマンブラザーズバンドやないかい」

「なんやそれ?あー、あちゃらのバンド?オレ洋モンあかんねん、何言うとるか分からんやろ」

「サザンかてなに言うてるか分からんがな、第一あんなんロックちゃうで流行歌、歌謡曲。あかんコイツ話にならんな」

「お前、何も洋楽やったらエエ言うモンでもないやろが、この西洋かぶれの売国奴めが!」

「洋物一辺倒やていつ言うた?日本のロックかてちゃんと昔から応援しとるよ。古くは外道、村八分、頭脳警察、四人囃子、ちょっと手前ではかの町田町蔵率いるINUとか」

「誰やねんそれ?」

とまあ、同じロックミュージックファンとて一般と通とでは話さえ通じんようなありさまですな。

これを映画の俳優さんとかに例えて言うともっと分かり良い。

一般のミーハーなファンが好むのが主演男優女優賞を取る様な主演を張る美男美女。例えば、キムタク、佐藤健、石原さとみ、オールドファンには小百合ちゃん?と言うところ。

ならば通好みの俳優さんはというと、助演賞をかっさらっていくいぶし銀の演技派陣、例えば、大滝秀治、岸部一徳、樹木希林に市原悦子らへん?知らんけど。

さて、宝石ファンにおいても、こういった通のお方が当然おいででございます。

宝石道入門は以前のブログでも申しましたように、ダイアモンドが最初の第一歩でそこからルビーやエメラルドと言った色石に流れ、まあ大抵はその辺で止まる訳なんですが、何の趣味でもそうですが、ハマる人はどんどん堕ちるところまで堕ちて行くわけでございます。

さて、そうした普通の宝石好きから宝石の通、マニアに転換、開眼する分岐点となるのがこれからご紹介いたします、アレキサンドライトという宝石。

アレキサンドライト ダイヤリング

宝石業界で昔から言われております通説が、宝石の趣味はダイアに始まりアレキで終わるというもの。これは一応、大体名だたる綺麗どころの宝石は揃いまして、最後ちょっと珍しい高級宝石で締めといたしまひょか、という意味合いで使われているらしいのです。

ただ、何事も普通ですまんのがマニアなどと呼ばれる凝り性の人。

最後と言われるアレキサンドライトのさらに向こうに聳え立つ人類未踏の危険な山岳地帯とでも呼ぶべき希少石の群を目指さずにはおれません。

アレキサンドライト ダイヤリング

さて、その石マニアの入門の最初の第一歩、賭場口、地獄の一丁目に立つのがこのアレキサンドライトなる宝石。

ジュエラーのバイブル、諏訪恭一郎先生の著した「宝石」によりますとこの石は、1830年ロシアの皇太子アレクサンドル二世の12歳の誕生日に発見されたのに因んでアレキサンドライトと命名されたとか。

この宝石の一番の特徴はご存知の方も多いかと存じますが、その変色性。

アレキサンドライト ダイヤリング

太陽光の下ではエメラルドのようなグリーンの石が、白熱灯の下ではルビーのような赤に変わるという、まことに神秘的な特徴を備えた宝石なのでございます。

と書きますと、どんなに素晴らしい不思議な色合いやねんやろねー、と想像される一般の方も多いのですが、さて実際は、通の方は先刻ご承知のとおり、ぱっと見ははっきり言って冴えん宝石なんよ。

実際に諏訪先生もご指摘のとおり、太陽光線下での色もエメラルドのような美しいグリーンではなく、くすんだグリーンで、白熱灯下の赤のルビーのような純色に近い赤ではなく、パープルに近いくすんだ赤でございます。

アレキサンドライト ダイヤリング

さて、ご覧いただいております指輪も実際、実物を普通に室内の灯りで見ますと暗い小豆色の宝石が、両サイドに四角いダイアモンドがあしらわれた平凡なリング枠に留められた見事なまでに地味な印象。

なにこれ、全然ぱっとせんやん、ダッサー!と口走るあなたは宝石全般に佐藤健を求める一般的ミーハーファン。

では、通の方向けのセールスピッチを一声

こちら中石のアレキは0.4キャラット台と大きさはございませんが、内包物は無傷と言って過言ではないほどのクリーンな石でございます。

またナリも色石にありがちなカットの歪みや偏りが無く、綺麗なシンメトリーを呈しております。

アレキサンドライト ダイヤリング

さて、その気になる色でございますが、自然光ではインディゴライトのようなブルーグリーン、白熱灯下ではロードライトを感じさせる赤色を呈し、はっきりと判別できる変色効果が認められます。産地証明付き鑑別書はございませんが、この色味よりブラジル産、あるいはそれに準じる高品質のアレキサンドライトと申せましょう。

勿論脇石のダイアモンドは中石の品質に準じ無色透明、形も相似の高品質のバケットダイアモンドが使用されている事は言うまでもございません。

この宝石にして、何とも言えぬ渋みをたたえた逸品、同好の志のお目に留りますれば幸甚に存じます。

名工が鍛えし業物 翡翠の指輪

翡翠 ダイヤ リング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

琅?なんて大層な事を申し上げるつもりはございませんが、こりゃ良いものでございます、はい。

みなさまごきげんよう、さて今回は。などと毎回毎回、口から出まかせの与太話にお付き合い頂きまして誠にありがとうございます。あらためまして厚く御礼申し上げます。

さて、こうやって曲がりなりにもブログが書けておりますのは、何といってもパソコンに内蔵されておりますワープロソフトWordのお陰。

あらためてこちらの方にも感謝の意を表したいと存じます。マイクロソフトWord殿ありがとうございます。

さて、わたくしの歳で、拙い人差し指入力ながら、曲がりなりにもパソコンで文章を作成するなどという作業をこなすことは大変な偉業、と言うほどの大層なことやおまへんねけどね。

だいたいわたしらの歳ですと元々がアナログにでけとるさかい、文章書くのも先に紙に下書きせんとどんならん言う人多いんですが、私は単刀直入の直入力。なんでか言うとね、自分で手書きした字が下手くそ過ぎて、よう読めん。難儀なこっちゃね、これまた。

実はわたくし、パソコンというものに接したのは結構早く、1990年代中ごろには既に自前のパソコンを持っておりました。

その理由がまた情けない事ながら、先ほども申しました生来の悪筆のせい。

当時勤務しておりました宝石屋、なにを行うにも業務日報、営業計画書、催事結果報告書その他諸々、いちいち書面での報告が義務づけられていたのでございます。

さて、自分の課で行った催事結果報告書を上司に提出した時の事。「こら、ちょっと来い!」と怒りを声に滲ませた上司に呼びつけられのです。

これはてっきり催事の結果の不出来を叱責されるものと覚悟してその人のデスクまで行くと、「これなんや、汚い字で書きなぐりやがって、しかも誤字脱字だらけで何書いてるかわからへんがな。お前、上司、ひいては会社、いわんや社会全体そのものを舐めてけつかんなー、おーっ!?」と、もうえらい剣幕。

こちらは何も悪意があってワザとやってるわけではなく、字の下手なのは生まれつき、誤字脱字が多いのは学校で劣等生やったからで、それを承知で雇といて急にそない言われても、と言い返したいところ。なれどそこは悲しいサラリーマン、平身低頭で謝り、再提出を余儀なくされたのでした。

しかし、書き直したところで、多少はましにはなるものの、特段の進歩は期待できるはずもなく、再提出の書類を受け取った上司、一目見るなり無言でテーブルの片隅へ投げ捨てたのであります。

これに衝撃を受けたわたくし、こんなことが続くようでは出世はおろか、現在の地位までも危ういと焦り、早速解決策へ考えを巡らしたわけであります。

「今更習字を習いに行くなど手遅れやし、例えそうしても一朝一夕に字が上達するわけあらへん、そや、これはもう最新のテクノロジーに頼るほかない。」

かように結論づけたわたくしは早速、大阪の昔は電化の街、現在はオタクの街日本橋へ行き、当時最新のノート型パソコン、マッキントッシュのパワーブックと、持ち運びできる簡易なHP社製プリンターをなけなしの自腹を切って購入したわけでございます。

ただ、そこからが一苦労、全くのパソコン素人が市販の入門書と首っ引き、夜も寝ないで悪戦苦闘。

まあ、その甲斐あって会社へ提出するさまざまな書類の雛型をスプレッドシート等を用い作成し、利益率や前年比なども数字を入力すれば自動的に算出されるようにした、初心者としてはなかなかの出来の社内提出用書類のテンプレートを数種類完成させたのでございます。

まあその後、書類に関しての叱責は無くなりましたが、バブル崩壊後の事とて売り上げは低迷続き、上司の叱責はなおも果てしなく続いたわけでございます。めでたしめでたし。

落語のお題に「代書屋」というネタがございます。元々は関西落語のネタらしいのですが、今では東京の方でも演じられることが多い演目らしいです。

このお話が出来ましたのは昭和初期。

その頃は今と違い、字の書けない人も結構おられたようで、またわたくしの様に一応は書けるが、その書いた字が汚なすぎて人に見せる事を憚られるといったような人が、履歴書や何やらを書くときに頼みに行ったのがこの代書屋さん。

何せその頃は、落語にもあります通り、履歴書などは毛筆書きだったようで、今でもそんな慣習が残っておりましたならば、私なんぞいの一番に頼みに行かんならんクチやさかい、そんな商売も残っていたかもわかりませんな。

しかし時代の変遷というものは恐ろしいもので、今やそういった本来毛筆で書かねばならないものまでも、パソコンに取って代わられている始末。

例えば百貨店で菓子折りなどを贈答品として買ったとしましょう。

のし紙を頼み、お祝いなりお礼なりと書いて、その下にこちらの名前を入れてもらったりする場合、ひと昔前ですとちゃんと売り場売り場に書道に長けたおっちゃん、おばっちゃんが控えておりまして、毛筆で墨痕鮮やかに綺麗に書いてくれはったもんです。のし紙の代書屋ですわね、簡単にいうと。

それが今は全部パソコンですわ。

題目と名前言うたら係のお姉ちゃんがその場でパソコンに入力しまして、プリンターから習字の見本のようなフォントで印刷されたのし紙が出てくる仕組み。

何や味気ないもんですなー。もらった方のありがたみも薄れそうな塩梅。

さてさて、そういったテクノロジーの進化は、宝飾品の作成といったことにも実は大きく影響を及ぼしているのでございます。

ほんのひと昔前までは宝飾品のオーダーメイドと申しますと、元になる設計図を宝飾デザイナーさんにお願いし、出来上がった図面を職人さんに渡し、これに基づき熟練の職人さんが実際に棒材やら板材などの貴金属の材料を、切ったり、叩いたて伸ばしたり、曲げたりして手作業で細かいパーツを拵え、それを順々に組み立てていくという工程をたどるのございます。

しかし、現在そのような技工は、なんとパソコンを駆使したキャドというコンピューター設計システムなるものにとって代わられているらしいのです。

例えば、リングならリングの枠の3Dの設計図をパソコンで作成すれば、それに基づいて自動的に3Dプリンターでポンと自動でジュエリーの原型が出来上がるという寸法。

我々年寄りからすれば、まるで手品でも見ているかのような具合。便利、かつ地金の無駄を省き、出来上がりも早い、更に量産も出来るということで、今ではオーダーメイドの注文もほとんどが、このキャドなるもので行われるのが主流だそうでございます。

しかし、どのような時代のどのような品でもそうですが、名人と呼ばれるような人によって拵えられた手作りの品に及ぶものはございません。実際昨今では結婚指輪の販売においても一本一本を職人の手作りによって製作する事をわざわざ「鍛造」(タンゾウ)などと称し、付加価値をつけて販売する業者も現れるほど。

とは申しましても手作りで最も重要となります点は、何といってもそれを拵える職人の腕。

マリッジリングのような地金の輪っかを拵えるだけの簡単なものなら職人の腕の差で大きく違いが出ることはございませんが、実際、正統派のハイジュエリーともなりますと、その留める宝石を生かすも殺すも、その職人さんの腕一つに掛かってくると申し上げても過言ではございません。

さて、そこでご覧いただきたいのがこちらの翡翠の指輪。

翡翠 ダイヤ リング

この品は当店が、このとろける様な、濡れたような何とも言えない翠の宝石の魅力を最大限発揮させるべく、頑固な手造り職人、名工小川先生に依頼し作成いたしました秘蔵の逸品でございます。

こちらは一般的にメレダイア取り巻きの中石リングなどと呼ばれる指輪のスタイル。

さて、この中石のヒスイを取り巻くメレダイアが合計十個。それぞれが一粒当たり0.2キャラットを超えるラージメレダイアモンドを贅沢に使っているのですが、裏から伺いますと、ダイアそれぞれが丸いリング状の枠によって支えられているのが確認できます。

翡翠 ダイヤ リング

この輪状のパーツは針金状の地金素材からひとつひとつ、ダイア下部のパビリオンと呼ばれる部位のちょうど頃合いの良い部分に納まるように、その大きさも緻密に計算され一つ一つ拵えられたもの。そしてそれらがヒスイの周りをきっちりと均等に取り巻くよう寸分の隙も無くロー付けによって接合されております。

さらにこの取り巻きのパーツを、ちょうどヒスイの真下、リングの天井部分に設えられた楕円形の受けの部分から放射状に延びた10本の細い針金状のパーツが、微妙なアーチを描いてこれを支え、かつまた同時にメレダイアの座を乗り越え上部へさらに伸び、それぞれがヒスイの脇を飾るダイアモンドのそれぞれを留める爪としても機能するという工夫が施されております。

もちろんこちらのパーツも一本一本が同等のサイズ、角度でもって手作業によって生み出された事は言うまでもありません。さて細かい事をいくら言ってもキリがございませんので、この指輪の細工において、最もご注目頂きたい点を最後に指摘しておきたと存じます。

この指輪を真横からご覧いただきますと、ヒスイの石がわずかに下のプラチナの台座からはみ出しているのがお分かりいただけるかと存じます。

翡翠 ダイヤ リング

これは何も職人が寸法を違えたわけではなく、真上から見た場合に石枠が視野に入らないようにする工夫。それと同時に、石がより立体的に高くせり出す躍動感を伝える、視覚効果を狙ったものでございます。

目論見どおり、ヒスイが、恰も椿の葉に乗った朝露が今にもこぼれる落ちるが如き風情をたたえている様子にお気づき頂けますでしょうか。

また、同様に真横からの視点で取り巻いているダイアモンドをご覧いただきますと、ダイアモンドが微妙に外側に向かい傾斜している事がお分かりいただけるかと存じます。

これも、リング全体の見かけをぺたっとした平板な印象から、より立体的な存在感のある印象に見せる為の工夫に他なりません。

さて、いうった細部の入り組んだ細工の冴えは当然の如く肝心ではございますが、最終的に最も重要となりますのは、もちろん出来上がりのトータルとしての形状のバランス。これが崩れていてはいくら細部の細工が優れていても何にもなりません。この最終的な一つの品物としての出来栄えこそが職人のセンスの見せどころ。

さてその出来はというと、それはもう覧の通り。

翡翠 ダイヤ リング

名実ともに名人名工のマスターピースと呼ぶにふさわしい完璧なバランスを保った素晴らしい出来栄であることは、一見すれば今更わたくしがお節介に言うまでもございますまい。

しかし、こういった高度な技術を持つ職人さんは、どのような世界でも同様、業務従事者の高齢化に伴い、減少の一途をたどっているのが現実でございます。

キャドでジュエリーを造れるエンジニアは増えても、本物の手造り職人は減る一方。

そういった意味合いも含めて、こちらのお品は近い将来にはますます入手困難となるであろうお値打品であるという事は、みんな、もちろん解かるよね!?

ダイアとフナの相関関係

Cartier(カルティエ) 1895 ソリテールリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

あら、そちらの3連の指輪ってもしかしてカルティエ?、素敵だわー!とこれ着けて世辞を言う優越感、圧巻。

わたくしがまだ小学生の時分と言いますから、1960年代、えらい昔や!アメリカのバンド、ベンチャーズの人気とともにテケテケテケテとエレキブームというのがやってまいりました。

世の軽薄なお兄ちゃん連中は我先にと、女の子にモテんがために、当時はまだ高額商品であったであろうエレキギターを我先にと入手してベンチャーズ風なバンドを組んでは、テケテケテケテケとやったものでございます。

(テケテケとはベンチャーズのギター奏法の代表とも呼ばれるクロマチックランという奏法。老婆心ながら申し添えておきます)

映画の方でも加山雄三さんが「エレキの若大将」というタイトルで、日本のエレキギターの神様と呼ばれた故、寺内タケシ氏を招き、自らも往年の名器モズライトギターを小脇に抱え、自身で作曲した曲を自ら歌い奏で、映画、楽曲双方のヒットを得、一躍時代の寵児となったわけであります。

またこの頃、海の向こうのイギリスではビートルズが鮮烈なデビューを果たし、これをきっかけにロックが音楽だけに留まらず、文化や社会生活、はたまた政治にまで影響を及ぼすような一大ムーブメントとして発展して行きます。

もちろんそういった流行に敏感な日本の芸能界でも和製ビートルズ、ストーンズみたいなバンドを作り出して一儲けしようじゃないかというタクラミの下、とりあえず見かけ長髪、ミリタリールックのご本家完コピ、お姉ちゃんウケしそうなイケメン、やさ男をヴォーカルに据え、今で言うところのアイドルグループ風なバンドを沢山作り出したのです。これが所謂世に言うグループサウンズブームとなったわけでございます。

Cartier(カルティエ) 1895 ソリテールリング

ただし、こうしたコマーシャリズムに則った大人の手で造られた即席ロックグループであるグループサウンズは当然、本来ロックミュージックの持つ、既成のモラルや社会通念に対する若人の反抗という核心になるコンセプトが欠如しているが為、一時のブームとしてあっさりと若者たちに飽きられてしまったのでございます。

さてその後、日本のミュージックシーンには、いかにも日本人らしく叙情に訴え、社会にすねた背を向ける若者たちの姿を投影したフォークソングブームが到来いたします。

履き古したフレアジーンズにちびた下駄をつっかけ、四畳半一間で同棲する彼女と近所の銭湯に行ったりする事にささやかな喜びを見出すなどといった、まことにしみったれた暮らし向きが貴ばれるという、珍妙な社会現象を引き起こしたわけでございます。

Cartier(カルティエ) 1895 ソリテールリング

そんな中、少数派となり世間から白眼視されるようになったロックファンどもは虐げられる者の常として、より過激に先鋭化し、マニアックなものを追い求める様になっていったのは当然の帰結。

例えばビートルズ、ローリングストーンズというビッグネームには飽き足らず、キンクス、ドアーズなどと言ったマイナーどころのグループに目を向け始めたのを皮切りに、ジャズのセッションよろしく長時間ギターソロのインプロヴィゼーションを延々と繰り広げる、神エリック・クラプトンを擁したクリーム。ステージ上でギターに火を放ったり、叩き潰したりするパフォーマンスで有名なジミ・ヘンドリクスやザ・フー。

さらには過激な思想と難解な音楽の融合を目指したフランク・ザッパ。おまけにセックスピストルズなどと破廉恥な名前を堂々と看板に掲げるパンクロッカーなどという不埒な者どもが次々と現れ、ロックシーンは混迷の一途をたどるわけであります。

まあこのような先鋭化の流れは、何もロックに始まった事ではなく、ロックが流行る前の世代、すなわちジャズエイジの世代でも同じように、お気楽なデキシーランドジャズがあれよあれよという間に、ジャズ喫茶でサルトルなどを読みふけるインテリゲンチャのBGMとして、その嗜好に沿うべく、どんどん難解な方向に発展して行き、最終的にはフリージャズなどという、あたかも現代音楽か実験音楽かと思わせるようなアヴァンギャルドなものに変化していった模様と相通ずるところがあるように思われます。

まあいち様に人間の趣味道楽というものはなんでも、初手は簡単でとっつきやすいものから入門するわけでありますが、その趣味が高じて参りますと、だんだん難しいもの、難解なものを求める様になってまいります。

Cartier(カルティエ) 1895 ソリテールリング

さて、こういった傾向はジュエリー好きの方々の中にも見受けられます。

まあ、大体みなさま最初はティファニーのバイザヤードあたりを就職を機にファーストジュエリーとしてお求めになったりするのでございますが、そこから宝石にハマる方はまず、エメラルド、ルビー、サファイアの三大宝石を手掛かり、足掛かりとして、様々な宝石をリング、ネックレス、ブローチにブレスレットと様々な形態でもって収集されていくようでございます。

また、ちょっと学究肌のお方になりますと、ガーネットやサファイアなど、一つの宝石において色の変化によって様々な変種が存在するのですが、その変化を追い求める様に系統立てて収集されているような方もお見受けいたします。

更には希少石を追い求めたり、有名作家、有名ブランドにのめり込んだりとその指向は様々な方向に分散されて、趣味の世界は広がっていくのでございます。

Cartier(カルティエ) 1895 ソリテールリング

まあ、極端にマニアックな趣味に走る方は別として、宝石道楽はダイアにはじまり、アレキサンドライトで締めとすると昔からよく言われているところでございます。

まあそれで一通りの代表的な宝石は揃ったという意味合いで、そのように言われるのでしょうが実際、はいアレキ買いました。これにて一件落着。あー、楽しかった、とは簡単にはまいりません。

どんな道楽でも簡単に抜けられないのが道楽の恐ろしさ。下手すりゃ身代喰いつぶすというくらい入れ込んでしまう人もいるくらい。

Cartier(カルティエ) 1895 ソリテールリング

さて、一旦アレキに行きついた人はどうするかというと、また振り出しに戻る、じゃないですがダイアモンドに帰ってまいります。

釣り道楽には「フナに始まりフナに終わる」などという言葉があるそうでございますが、宝石のほうは差し詰め、ダイアに始まり、ダイアに終わる言ってよろしいかとぞんじます。

さて、そんな二周目、あるいは三周目を迎えられた懲りない宝石好きのあなた様にお薦め致しますのが、こちら、その名も高き宝石商の王、カルティエの堂々たるダイアモンドソリテールリングでございます。

Cartier(カルティエ) 1895 ソリテールリング

さあ、ご覧くださいませな、この煌びやかな光を四方八方に放つ極上のキャラットダイアモンドを優雅に捧げ持つは、カルティエが長年培ってきたデザインの粋を凝らした優雅なゴールドの指輪。もうご覧いただければ、わたくしの下手な説明などまったく不要。

ロックの王者ローリングストーンズの例えば、昔ウィンドウズ95のコマーシャルにも使われた名曲スタートミーアップ。キースリチャーズの出だしのワンフレーズが、しかつめらしい渋谷陽一のもったいぶった解説を木っ端みじんに粉砕するが如くのインパクト!

百聞は一見に如かず、良いーものです!

不気味なくらい美しいギメルの指輪

Gimel(ギメル) 非加熱 スピネル ダイヤリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

ギメルのレアな大粒宝石のリング。こりゃもうオークションアイテムだね

前回に引き続いての映画のお話。映画と言えばこの語り口、わかるかな?

さて皆さん、前回も少し触れましたが、今回のお話は、映画とその元になった原作の関係についてなんです。

たいていの人気小説は映画化されることが多いのですが、さて、そのどっちが、つまり元の小説がええのんか、いやいや、やっぱり百聞は一見に如かずというが如しで、視覚に訴える映画の方がええんちゃうのという議論が、そういった人気小説の映画化、あるいはその作品が話題作や人気作になる度に起こりますね。

例えば、古くはアメリカ南部ジョージア州はアトランタに住んではった、マーガレット・ミッチェルというごくごく平凡な普通の主婦が書きました、アメリカ合衆国の国土を分断した争い、南北戦争に題材を取りました長編小説「風と共に去りぬ」。

このお話、このおばちゃんが初めて書いた処女作にもかかわらず、一躍世界的な大ベストセラー小説となってしまったのです。

主婦やのに、処女作とはこれ如何に。いちいちしょうもない事言わいでよろし。

Gimel(ギメル) 非加熱 スピネル ダイヤリング

さあ、そこで抜け目のない映画業界、これをハリウッドのメトロゴールドウィンメイヤーという、あのオープニングでライオンがガオー言うて吠えとる映画会社ね、この映画会社が主演ヴィヴィアン・リー、クラーク・ゲーブルその他、キラ星の如き豪華俳優陣をそろえ、三時間を越える上映時間の超大作に仕立て上げました。

この映画もご存知の通り空前の大ヒットとなりまして、アカデミー賞は当然の如く総なめ、映画史上に燦然と輝く、誰もが認める名画、名作となったわけでございますが、この時分から、やっぱり原作のほうがええで、いやいや映画が原作を超えたんちゃうんと、喧々諤々の議論が巻き起こったんですねー。まあ、そんなん観る人読む人の勝手やと僕なんか思うんですけどねー。

また、こういった小説と映画の論争の中には、なんと原作者が出来上がった映画が不服や、勘弁でけん言うていちゃもん付けてくる場合もあるんです。

その代表例が、アメリカのホラー小説の第一人者にして、人気小説家のスティーブン・キング、この人の小説「シャイニング」を、これをまた天才、鬼才の呼び声高い映画監督スタンリー・キューブリックが映画化し、タイトルもそのまま「シャイニング」として作った映画のケース。

Gimel(ギメル) 非加熱 スピネル ダイヤリング

さて、原作者のスティーブン・キングはなんでいちゃもん付けたかというと、原作に忠実なのはタイトルだけで、中身はストーリーから、キャラクターの設定や性格までもが映画では大きく変更されていたんですねー。

「ちょっと兄ちゃん待ったりーな。これちょっとおかしないか?ワシこんな話書いた覚えあらへんで。勝手な真似してもたら困るわ、洒落ならんで、正味のはなし」

言うてね、もうスティーブン頭から湯気出してかんかんに怒って怒鳴り込んできたらしいんです。しかし時既に遅し、もう映画は公開されてて、泣こうが喚こうが後の祭り。

しかし映画は大ヒット。今でもホラー映画の金字塔の呼び声高い伝説の作品となったわけでなんです。

皆さんも例のジャック・ニコルソン演じる主人公が、斧で叩き割ったドアの隙間から鬼気迫る恐っそろし気な顔出してるスチール写真、いっぺんくらいは見たことありますやろ。

まあ、映画が当たれば当然原作を読んでみようかという人も増え、したがいまして本の売れ行きも、そのシャイニングだけに留まらず他の作品にも波及して伸びたんです。

そんな具合の痛し痒しで、そんならまあ今度目だけは堪忍しといたろかと、スティーブンも渋々鉾を納めたという訳。知らんけど。

ただ、スティーブン・キング先生余程ムカついたのか、後年自分でプロデュースしてこの「シャイニング」をテレビ映画という形で再度世に問うたんです。

ただし、やはり餅は餅屋で、同じ映像の土俵で争えば当然結果は明らか。なんせ相手は映像の魔術師なんですからね。

Gimel(ギメル) 非加熱 スピネル ダイヤリング

さて、この映画「シャイニング」、粗筋をざっと述べますと、売れない小説家ジャック・トランス、映画では先にも申しましたとおり、かの名優ジャック・ニコルソンが演じておりますが、その彼が、冬の間は厳しい気候のせいで閉館され、全くの無人となるコロラド山中の高級ホテルに住み込みの管理人として雇われ、妻と一人息子の一家を引き連れてこのホテルへやってまいります。

採用面接の際、実は過去にも冬季の管理人を雇った事があるのだが、長期に渡る豪雪に閉じ込められた閉塞した生活の為、その管理人は精神に異常をきたし、あろうことか、自らの双子の娘を斧で斬殺した挙句、自らも命を絶ったという事件を、面接に当たったホテルの支配人から知らされます。

そうは聞かされても、ジャック・ニコルソン演じるジャック・トランス、少しも動じる気配無く、こちらは作家が本業、むしろそういった静かな環境は作品執筆にあったて望むところと一笑に付してしまいます。後々同じ運命が自らの身に降りかかるなどとは思いもしないで...

さて、この同じ不幸な運命をもたらした元凶は、ホテル支配人が説明した長期の閉塞生活のせいではなく、その豪華ながらも古いホテルに巣食う悪霊に取りつかれたがゆえの暴挙だったのです。

Gimel(ギメル) 非加熱 スピネル ダイヤリング

さて、物語の顛末はDVD等で本編をご覧いただくことと致しまして、その管理人ジャックがあちらの世界に取り込まれていく過程として暗示的描かれておりますのが、巨大なボウルルーム、つまり舞踏会場のシーンなんです。

最初は当然、無人の空っぽで広大、暗い空間がしんと静まって広がっているのだけの部屋なのですが、ある日気分の滅入ったジャックが腰掛けた舞踏会場の片隅にあるバーカウンター。ふと見上げるとそこだけ煌煌と灯りが点り、なんと正面に突然バーテンダーの姿が。

正気であればここで腰でも抜かすほど驚くはずが、あちらの世界に引き込まれかけているジャックには平常の光景と映り、「今日はちょっとヒマそうじゃない?」などとバーテンに話かけ、最後はちゃっかり、ツケでバーボンのロックまで飲ませてもらうのです。

そして時がさらに過ぎ、二回目の舞踏会場のシーンでは会場の外までジャズ楽団の演奏する甘ったるいオールドジャズが流れ、会場内は居るはずのない多くの人々であふれ、宴もたけなわ、実に華やかな様子。

しかし良ーく目を凝らしてみると、なにか変だなと映画を観ている人は妙な違和感を感じる仕掛け。それは、日本人の我々にはあまりピンとこないかもわからないのですが、そのパーティーに集い興じる人々の服装なのです。

特に女性の衣装は、仮装パーティーもかくやとばかりの非常にクラシカルな雰囲気。

厳密に言いますと、ジャズエイジと呼ばれたアメリカで1920年代に隆盛を極めたフラッパーと呼ばれる緩やかで独特のシルエット。そうなんです、この宴は過去に生きるお化け達のパーティーなのです。

という訳で、突然ですが、このオバケの宴の雰囲気にピッタリな指輪がこちら。

Gimel(ギメル) 非加熱 スピネル ダイヤリング

大粒の非加熱スピネルをギメル社得意のダイアパヴェセットのリングの上、大胆にも八本のゴールドの爪でもって捧げる持つような、実に優美なデザイン。

そして何よりも魅力的なのが、この非加熱スピネルの妖しい紫の色。

いかにもアヤカシ、モノノケといった黄泉の国の風情をたたえた、この世もモノとは思えぬ蠱惑的で抗しがたい魅力が宝石の奥底から湧き出てまいります。

Gimel(ギメル) 非加熱 スピネル ダイヤリング

そしてこの魅惑の宝石を、奇跡のように煌めくダイアモンドが贅沢に敷き詰められてあるゴールドの台座が、豪華絢爛に縁どっているのでございます。

ボウルルームに集う、フラッパーファッションの緩やかな広がりのドレスをまとって、パッツンと切った前髪のショートボブの女性が、長いキセルのようなシガレットホルダーで紫煙をくゆらす、まさにその指こそが、この指輪の煌めく場所。その風情に幻惑されてジャックは、1920年代のジャズエイジの世界へ引きずり込まれて行ったのでしょう。

映画のラストシーン。

“Overlook Hotel July 4th ball 1921”と日付の入った舞踏会の記念写真の中央。取り込まれたジャックが、嬉々としたにこやかな表情で、その他大勢のゴースト達と一緒に写真に納まる様子を見るにつけ、妖の世界も悪くないんじゃない、とつい思ってしまうのでございます。

ティファニー スイングダブルドロップネックレス

TIFFANY&CO. (ティファニー) ダイヤモンド スウィング ダブルドロップ ネックレス

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

ニューヨークのジュエラーティファニーの真骨頂。ハイジュエリーダイヤモンドネックレス。ハリウッドセレブがアカデミー賞授賞式でつけてるやつ。

さて、本日ご紹介いたします当店秘蔵のお宝はこちら...

TIFFANY&CO. (ティファニー) ダイヤモンド スウィング ダブルドロップ ネックレス

ティファニーのゴージャスダイアモンドネックレス。

ティファニーのネックレスというと思い浮かぶのが、オープンハートとかビーンズ、バイザヤード、最近ですとTスマイルなんて可愛らしいデザインではないでしょうか?

その辺のデザインは商売的に言うと、買い回り商品などと呼ばれ、広く一般大衆に支持され、多くの人に買ってもらおうと言う、売上の基盤を作り、ランニングコストを賄う、言わば日銭稼ぎの商材。ブランドによってはアクセサリーラインなんて呼ばれます。

しかし、こんなのばっかりだと単なるアクセサリー屋で終わってしまう。天下のジュエラー、ティファニーのブランドイメージを保っているのが、こちらの様な本格的ハイジュエリーのカテゴリーなんです。

TIFFANY&CO. (ティファニー) ダイヤモンド スウィング ダブルドロップ ネックレス

ティファニーにかぎらず、海外の有名ジュエリーブランドの商品構成は大体、低価格の買い回り品と本格的ジェムクォリティーのハイジュエリーに分かれているのが一般的。

日本でも富の分配の二極化なんてことを言いますが、あちらの世界では、いまだに社交界なんて言葉があるくらいですから格差の規模がちがいます。確固としたハイソサエティ向けの需要がちゃんとあるんですね。とは言え、買い回り品て言っても庶民には高値の花なんですが。

威風堂々たる敷居の高いティファニーのお店に一歩足を踏み入れると、大体こういうのは陳列のコーナーコーナーのひと際高くそそり立ってるハイケースか、壁にかかる絵画のような壁面ケースに、恭しく飾られ、貧しく名もない冷やかし客はそれだけで威圧されてしまうのです。

しかし逆に臆すことなく、「ちょっと見せてよ」なんて言おうものなら、途端にVIP待遇、別室に通され、茶菓の接待など受けつつ、一般客が目にすることの無い凄いお宝が次々と開示されるのです。

もちろん、ちょっと見せてよの後、宝石の鑑定より、お客の鑑定にたけた老獪な店長による人品骨柄審査が瞬時に行われるので、誰でもというわけには、残念ながらまいりません。

TIFFANY&CO. (ティファニー) ダイヤモンド スウィング ダブルドロップ ネックレス

さて、それでは商品を見てまいりましょう。

こちらのネックレス、正式なお名前はスイングダブルドロップネックレス。まさに見ての通りの命名。

造りはいたって単純なもので2.5cm間隔に一回り大きなダイアをセットしたダイアモンドベゼルセッティングのダイアの連を、首下ペンダント位置で、一旦やや他より大きめのパーツでまとめ、そこからループタイのように、また同じ仕様の連が2本柄を違えて下に垂れるといった定番ともいえるデザイン。

TIFFANY&CO. (ティファニー) ダイヤモンド スウィング ダブルドロップ ネックレス

こうした種類のフォーマル、パーティー用のネックレスのデザインとしては、例えばハリーウィンストンのハリウッドセレブにアカデミー賞授賞式の時に貸し出す様なバルキーなタイプのものと比べてかなり控えめなこちらのお品。

その魅力がどこにあるのかといえば、ご覧頂きますようにデザインのシンプルさの中にある、計算されたバランスの良さと、そしてその中で煌めくダイアモンドの品質の高さでありましょう。この二つの要素が見事に相乗効果を上げ、このえも言われぬ気品に満ち溢れたノーブルな風情を醸し出しているのでございます。

TIFFANY&CO. (ティファニー) ダイヤモンド スウィング ダブルドロップ ネックレス

前出のアカデミー賞授賞式の例を再び使わせて頂くならば、ハリーウィンストンの豪華ネックレスがキムカーダシアンみたいな、見てくれ勝負の女優さんの勝負服ならぬ勝負ジュエリーとしての威力を発揮するなら、こちらはさしずめ、メリルストリープ女史あたりが地味目に決めて、逆にその知的で清楚な個性を際立たせる作戦の秘密兵器になるのでは。

その目論見が見事達成できるかどうかは、商品をじっくりご覧いただければ、想像に難くないと存じます。

いかにも作家物風ボルダーオパールリング

ボルダー オパール ダイヤ リング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

アートな風情のインテリ女を演出する個性派リング。これであなたの馬鹿は隠せる!

さて、本日ご紹介いたします新入荷のお勧め商品は、こちらのボルダーオパールの指輪。

ボルダーオパールとは聞き慣れない名前だとおっしゃる方も多いかと存じますから、まずは石の説明から。

これは、以前、オパール原石をそのまま活かして指輪に仕立てた商品の時もご説明した内容と重複しますがまあ、お聞きください。

ボルダー オパール ダイヤ リング

オパールという宝石は岩と岩の隙間にできるのですが、そのすき間があまりにも狭いと、原石のみを取り出す事が難しい。

それじゃ岩もろとも切り出しゃいいじゃん、ってことで切り出されたのが、母岩付きオパール、通称ボルダーオパール。

岩の表面に薄く張った氷のように岩にオパールが張り付いていますので、岩石部分を含めたこの石全体のキャラット重量を云々するのはあまり意味の無い事で、だいたい取引は大きさと、見た目の美しさで価格が決まる様でございます。

ボルダー オパール ダイヤ リング

綺麗なものは一瞬ブラックオパールかと見紛うようなものもございますが、ブラックオパールはしっかり厚みがあるオパールの塊なので、ちゃんとカボションカットにして、こんもり盛り上がったドーム状なのに対して、こちらは岩に張り付いた薄い層なので、いくら母岩と一緒に切り出しても盛り上がりの無いプレート状になってしまうんです。

しかしその分、ブラックオパールに比べてお値段は断然お安い。そこに目を付け一時期ジュエリーデザイナーの製品などによく使われていましたね。

ボルダー オパール ダイヤ リング

話はちょっと横道にそれますが、ジュエリーデザイナーの作品って結構安い宝石材使ってるものが多いんです

カルセドニー、クォーツの類の変わり種、例えばモスアゲートとかランドスケープアゲート。ルチレイテッドクォーツにスモーキークォーツね。あと、フェルドスパーの仲間のラブラドライトとかムーンストーンなどの特殊効果石。

見た目変わってるけど宝石材としては安価。こういうのを使ってデザインの妙でオリジナルジュエリーを拵え高く売る。みなさんなかなかの商売人です。

そうそう、誰とは申せませんが、ヨーロッパの蚤の市などで安く売られてるエマーユという七宝焼きのタブレットを使ってオリジナルジュエリーを仕立て、ひと財産を成した有名ジュエリーデザイナーのおられますね。

ボルダー オパール ダイヤ リング

さて、それではこちらのお品。彫金細工風の腕に枠留めのボルダーオパールを張り付けたような、いかにもジュエリーデザイナーの作品っぽい造り。

一瞬ボルダーオパールの使い手、翁淳先生の作品かと思ったんですが、トレードマークの「翁」の刻印が無い。有っても、無くても中古になりゃ大差ないんですけどね。

さあ、この美しくノーブルで、深く、かつ透明なブルーの非加熱サファイアを用いた完全手作りと思われる逸品。通常百貨店のホテル催事なんかで並んでたら五百万は下らないシロモノ。質屋で買うとホレこの通り嘘みたいなお値段。宝石マニアなら間違いなく放っておけない品物でございます。

それよりもオパールにご注目下さい。

全体に赤い斑が出ていますでしょ。ブラックオパールでもボルダーオパールでもこういった赤斑の入ったのが値打あるんです。

何でって?綺麗で華やかだからに決まってるでしょ。リング枠も厚みがあって全体的にずっしりしてます。如何にも手作りの逸品という風情でございます。

ボルダー オパール ダイヤ リング

まあ、唯一の欠点はリングの地金表面に施された彫金細工風文様がリング全体を覆っている為、サイズ直しがきかない点。

多分こちらのお品、最初からクチュール品として仕立てられたものなのでございましょう。やっぱ違いますね、商品としての気品が。

というわけでお客様の方でお指のサイズをライザップなどご利用いただき、調整いただく仕組みとなってございます。ごめんあそばせ。

非加熱ビルマサファイアの目にしみる青(GIAの鑑別書付き)

ビルマ産非加熱サファイアダイヤリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

非加熱という言葉に惑わされてはいけません。これは人に例えて言うと、スッピンということです。大事なことはスッピンで尚且つ美しいということ。そんな女性滅多にいませんよね。だからこその希少価値なんです。もちろん、こちらはその類稀なる美女の方。

天高く馬肥える秋と言うが如く、秋の空はどこまでも澄みわたり、どこまでも高く、まるで吸い込まれるかと思うほど美しいものでございます。

この美しさがきっとブルーサファイアの澄んだブルーと関連づけられ、サファイアが9月の誕生石となったのではないでしょうか。

ということで、今回ご紹介いたしますお勧めのお品は、こちらの大変美しいサファイアのリングでございます。

ビルマ産非加熱サファイアダイヤリング

百聞は一見に如かずと申しますよう、こちらの写真をご覧頂ければ、もうこの指輪の素晴らしさはほとんどご理解いただけたも同然。

美しいものをご覧頂いていながら、更にそれをお節介にも説明するなんぞは愚の骨頂、無粋の極みとは存じますが、これもわたくしのお仕事の一環。ご辛抱いただき、お付き合いの程よろしくお願いいたします。

さてこちら一目見ただけで、いいものだと分かるのは、この素晴らしい拵えのなせる業。ご覧の通り中石のサファイアをマーキーズとペアシェイプ、そして数個のメレダイアモンドが一見すると不規則に囲んでいます。

ビルマ産非加熱サファイアダイヤリング

しかし不規則にみせながらも絶妙なバランスを保ち、ちゃんと対象性を保っているところがにくい。

これは多分、実際に石を紙の上かなにかで実際に並べてみて、作り手の納得いく角度や数、配置を探りながらデザインしていったではないでしょうか?実際図面だけでごちゃごちゃやってるよか、そういったやり方のほうが現実味が出ていい場合あるんです。

ビルマ産非加熱サファイアダイヤリング

では、なぜにこの指輪の作者はそこまで凝って製作にあたったのでしょうか。

そうです、もちろんこの中石となるサファイアの美しさに魅了されたが故の献身、情熱のなせる業。

さて、こちらのサファイア、ご覧のとおり、まさに秋の空とはかくやと言わんばかりの、透明で澄み切った爽快なブルー、実に美しい、しかもその上非加熱!

ビルマ産非加熱サファイアダイヤリング

市場に出回っているサファイアやルビーといったコランダム宝石はほとんど加熱して色味を引き出したり、改善したりしているのです。

これは地中の中で起こる造岩作用の一部を人の手で完結させるという理屈で、宝石の処理、トリートメントとはみなされず、エンハンスメントと言って、まあ軽いお化粧程度ということで、業界内においては許容範囲内の改良と認められている方法なのです。

ところが、こちらのサファイアはそのようなお化粧が一切なされていないのにも関わらずこの美しさ。人間で例えますとスッピンのままの美女。それが、大方のお化粧したご婦人よりも抜きんでて美しいというような事になります。

ビルマ産非加熱サファイアダイヤリング

そりゃ作り手さん一目惚れで気合入ったんでしょう。

世間では非加熱をうたって全然美しくないサファイアを堂々と高額で販売したりするところもありますが、そんなのに騙されてはいけませんよ。それは単なるスッピンのブスですから。あら失礼、口が過ぎました私としたことが、ごめんあそばせ。

さあ、この美しくノーブルで、深く、かつ透明なブルーの非加熱サファイアを用いた完全手作りと思われる逸品。通常百貨店のホテル催事なんかで並んでたら五百万は下らないシロモノ。質屋で買うとホレこの通り嘘みたいなお値段。宝石マニアなら間違いなく放っておけない品物でございます。

何はさておき、早い者勝ち!とんだ掘出しモンでござんすよ、旦那。

オリジナル 花珠真珠のピアス

花珠 パールピアス

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

伊勢志摩直送とれとれぴちぴちの花珠真珠を用いたピアスを作ってみました。自信のオリジナル商品!

さて、本日ご紹介いたしますのは、こちら質屋でありながら、あら不思議。新品のパールピアス大量入荷のお知らせ。

花珠 パールピアス

質屋で新品と申しますと、たいていの方がご想像なさるのが、業者さんが資金繰りかなにかで在庫を処分したのではと思われがちでございますが、実はそうではないのです。

こちら、真珠の本場伊勢志摩から大量に買い付けましたるパールルースを用いまして、大阪は宝飾業者ひしめく街、南船場でピアス加工を施したという、まぎれもない当社オリジナルの製品なのでございます。

さて、この真珠の仕入先なのでございますが、実は今を遡る事四十年と申しますから、大層な昔でございますが、わたくしが新卒、新入社員といたしまして、某老舗宝石店に入社致しましたおり、一年先輩に伊勢志摩で手広く真珠養殖を手掛けておられます業者さんのお世継ぎ、御曹司が、宝飾の修行、昔で言うところの修行奉公の名目でこのお店に在席されていたのでございます。

花珠 パールピアス

この御曹司とは配属先が違ったので、職場ではあまり接する機会がなかったのですが、この方の同期でわたくしの配属先の先輩にとんでもない遊び人がおりまして、しょっちゅう私をカラオケだスナックだディスコだと連れ回す。こっちも先輩の誘いだから無下に断れない。その配属先の営業時間は夜9時までなんで、飲み会スタートが遅い分、いつも気がつくと電車が無くなっております。

お互いペーペーだから泊るったって碌なところにゃ泊まれない。オールナイトの映画館、サウナのごろ寝、せいぜいがそのころ出始めたカプセルホテル。

しかしそれも無理な場合は、この先輩の同期のよしみという事で、この御曹司の一人住まいのマンションに転がりこむ。随分迷惑な話なんですが、この御曹司極めて良い方で、いやな顔一つしないでグダグダの酔っぱらい二人を快く泊めてくださった。その頃からのご縁ですから考えたらもう長いお付き合いでございます。

花珠 パールピアス

そして、今回も後輩のお願いを快くお聞きいただき、秘蔵の海外輸出用の花珠真珠のルースをお安くお分け頂いたというわけなんです。

さて、ご承知の方も多いかとは存じますが、花珠真珠とは何かと申しますと、真珠研究の世界的権威、真珠科学研究所が定めた高品位真珠のグレード名で、真珠品質の4つの判断基準、テリ、マキ、ナリ、キズすなわち光沢、真珠層の厚み、真珠の形状、真珠表面のエクボ等のイレギュラーの4つの項目すべてが一定の高い基準でクリアされているものを言います。

簡単に申しますと極上品のパールというわけです。そんじょそこらの貝殻磨いたおもちゃとはワケが違う。

花珠 パールピアス

そんな凄い真珠のピアスをこのようなお値段でお出しできますのも伊勢志摩の先輩社長様のお陰と、弊社企業努力の賜物。

ただし、一つだけおことわりがございまして、こちらの花珠を証明いたすますギャランティーが、鑑定書の前段階の真珠科学研究所発行のソーティングという紙切れ一枚となっております。

花珠 パールピアス

この紙と商品を一緒に東京御徒町の真珠科学研究所に送りますと、もちろんちゃんとした花珠真珠鑑定書を作成してくれるわけなんでございますが、それには別料金がかかり、それを商品に添付するとおのずと価格に反映して高くなってしまいます。そんなこともちろん皆様お望みでは無いと勝手に判断しての紙切れ一枚、ご了承下さいませ。

昨今は装いすべてがライトなトレンドでございますれば、ネックレス、リング、耳飾りのパール3点セットを恭しく着けるなんて野暮の骨頂。

耳に軽く高品質パールのペアをお付けいただきますと、あらたまったお席から、普段の通勤のお供までオールマイティーにお使いいただけます。

さあ、普段ですと全部が1点ものなんで、早い者勝ちなんて事を申しますが、こちらは数がございます。ワンペアなんて言わず、ご進物、ご贈答、お茶請けに是非まとめてご注文頂けましたら幸いでございます。

花珠 パールピアス

驚愕のダイヤモンド配列に腰ぬかす指輪

ダイヤリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

マーキーズの大きさをそろえ綺麗な円にするだけでも大変な作業。しかもダイヤの質が良くで均質なもんだから輝きが半端ない。これは良いもんです!

さて、今般ご紹介の運びとなりましたるは、こちら。見るも艶やかなるピンクゴールドの枠に、マーキーズカットとプリンセスカットのダイアモンドを巧みに組み合わせ、見事な三つの輝く日輪を真横に並べたるが如き、大変美しくしい細工の指輪でござりまする。

なんて、芝居の口上みたいになっちゃいましたが、写真でもご覧いただきます通り、大層変わった、また美しい細工のダイアモンドリングでございますね。

デザインを構成いたしますのは、横に並んだ三つの輪。これを外枠が石座の輪郭に沿ってカーブを描いて囲み、メレダイアがその枠上に整然と綺麗に留めらおります。

ダイヤリング

さてこのそれぞれ三つの丸い円盤、真ん中が少し大きゅうございますが、ダイアの輝きもあって、一見それぞれ一つのダイアモンドと見誤ってしまいそうですが、よく見ますと、さにあらず。

さて、どうなっているかと申しますと、それぞれ円の中心には四角いプリンセスカットのダイアモンドがセットされ、これを井桁状に4個のマーキーズカットのダイアモンドが囲んでいる。そして。それぞれのマーキーズカットの輪郭をつなげて見ると見事な真円を描いているという絶妙な細工。

ダイヤリング

何故絶妙かと申しますと、ダイアのマーキーズカットの形状に定まった基準と言うものは無く、だいたいは元の原石の形から一番歩留まりの良い様にカットされますので、縦横の対比もまちまちなら、横に膨らむアールの度合いも様々。

つまり適当に縦の寸法だけ合わせてマーキーズダイアを井桁状に組んでも、決してこんな風な綺麗な真円には絶対にならないのでございます。

想像するにこれを拵えた職人さん膨大な数のマーキーズダイアを大変な思いをして、ちゃんと綺麗な丸になる様、ダイアとっかえひっかえそろえたのでございましょう、しかも3つ分!

ダイヤリング

職人さんの手間賃てのは、大体掛かった時間で計算されますから、これには相当な工賃が掛かっているはず。てことは売価もそれに比例してお高かったと容易に想像がつく。

もちろんこんな手間暇かかる事を安い石を使ってやるなんてへそ曲がりは居ないわけで、ダイヤも飛び切り上等。普段、楽天さんに載せる場合は後から文句でも出たら怖いからってんで小心、臆病な手前、遠慮して控え目に書いてますグレード評価も、意を決してAをつけさして頂いております。

ダイヤリング

というわけで良いダイアモンドに腕のいい職人さん(腕が良くなけりゃこんなの作れませんから)の工賃が合わさって、きっとものすごいお値段で売られていたであろうこのお品。

しかし、幸いというか不幸にしてというべきか、質屋は工賃は査定に入れませんし、細かいダイアの相場は安い。

というわけでこの素晴らしい指輪が皆様にはこんなに安く買えちゃうって仕組み。

さあこの滅多にない掘り出し品を手にする果報者はどなたかな?

王の宝石商カルティエの隙の無いダイヤリング

Cartier(カルティエ) マストマーキース ダイヤリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

あら素敵!そちらカルティエのラブリングじゃございません?良くお似合い。とこれ着けて言うたら気分よろしで。

「Jeweller of kings , king of jewellers 王の宝石商、宝石商の王」

とウィキペディアにもあるとおり、カルティエは1847年、ルイ・フランソワ・カルティエによってフランスはパリの地で創業されて以来、ヨーロッパの王侯貴族御用達の宝石商として不動の位置を築きあげ、今に至るも世界中の富豪、セレブたち憧れのジュエリー・時計ブランドなのでございます。

しかしカルティエさん、なにもお金持ちの方向ばっかり向いてるばかりじゃございません。ちゃーんと庶民のアタシらどもにもお情けをかけて下さってるのでございますよ。

あれ、お忘れでござんすかい?薄情だねーお前さんも。チャラついてた若い頃、先を争って3連のトリニティーリング着けてたのは、どこのどなたさんでしたっけね?結婚指輪はラブリング二人でお揃いで着けようなんて彼氏に我儘言ったのをもうお忘れですかい?

Cartier(カルティエ) マストマーキース ダイヤリング Cartier(カルティエ) マストマーキース ダイヤリング

そうです、カルティエさんはちゃーんと我々庶民の事も考えて、安価なアクセサリーラインも用意してくださってんですよ。

てか、王族、貴族、お金持ちだけにとらわれず、全階層、階級から儲けを巻き上げようって魂胆。まあ、商売としては当然ですが、商魂たくましい!

でも、これ言うは易し行うは難しで、なかなかできる芸当ではございません。高級ブランドだからこそ出来る、下々の者にも分けてつかわすといった芸当。

しかしやりすぎると今度はブランドイメージが壊れてしまいます。匙加減が肝要。これすなわちマーケティング戦略と言うそうでございますね。

さて、庶民がトリニティーだラブリングだと騒いでおりますのをよそに、本物のお金持ち、ブルジョアジーの皆様がおつけになる、ちゃんとしたカルティエのリングがこちら。ちゃんとしたとは前述のとおり、カルティエをカルティエたらしめる本格的ハイジュエリーラインの事。

ではこの指輪を詳しく見てまいりましょう。

Cartier(カルティエ) マストマーキース ダイヤリング

こちら中央が極端に幅広になったゴールド枠のダイアモンドパヴェセッティングのリング。その幅広中央部分に非常に良質のマーキーズカットのダイアモンドが縦方向にセットされていますのはご覧の通りでございます。

さて、こちらのマーキーズダイア、ブランドジュエリーのご多分にもれずリングに石目の刻印がございませんので、ダイアモンドの縦横深さのサイズからざっと割り出した数値で約0.6キャラット前後かと推測されます。

Cartier(カルティエ) マストマーキース ダイヤリング

またこちら販売された当初はダイアのグレードを表す鑑定書が付属していたものと思われますが、お買取りの時点では無く、これも目視での推測で恐縮ですが、Fカラー以上、VSクラス以上は間違いございません。

またこのようなファンシーシェープと呼ばれる変形のダイアモンドグレーディングにはカットの項目はございませんが、こちらも上下左右、シェイプもカットも完璧にシンメトリーのとれた、細すぎず太からず、姿かたち、色、内包物とすべてがとても美しいダイアでモンドございます。

そして、このダイアの留めですが、マーキーズの留め方で多いのが、形が歪という事もあって、やたら爪の多いのがあるのですが、これは中石がまるで蜘蛛に抱きかかえられてるみたいで、あまりいただけない。

Cartier(カルティエ) マストマーキース ダイヤリング

ところがこちらを見るとなんと上下2か所で押さえているだけなのでございます。

この留め方はマーキーズの理想の留め方。一番石で欠けやすい部分を保護すると同時に見た目もすきっとしてる。

しかし欠点はやはり石が外れやすいんですね。

ところがこちらのリング、上下の頑丈な爪が非常にしっかりとダイアを押さえていると同時に、石座の受けが石の形に添ってぴったり隙間なく、石が動く事の無いように支えているのです。この細工によって石の外れる確率は大幅に軽減されます。

しかしこんな留め方だと、ダイアそれぞれに合わせて枠を一から拵えないといけないから、大変コストが掛かります。ブランドジュエリーだてにお値段が高いわけではないのですよ。

Cartier(カルティエ) マストマーキース ダイヤリング

そして最後は周りのメレダイア。

カルティエに限らず有名ブランドジュエリーの何が凄いかって、このメレダイア。世界で流通している良質のメレはみんなこやつらが金に糸目を付けずに買い占めているに相違ございません。

というわけでこちらハイジュエリーといっても別に舞踏会や園遊会など、しゃっちこばってお出ましになる時用の勝負ジュエリーではなく、いたって普段用のさり気なくカジュアルに着お着け頂く指輪。

Cartier(カルティエ) マストマーキース ダイヤリング

お友達とのカフェのひと時、このリングをさりげなくお着けいただいて、お友達の結婚指輪代わりの傷だらけになったラブリングを褒めて差し上げては如何でしょう。

「あらっ、それってカルティエのラブリングじゃございませんこと?まあ、マリッジリング!素敵だわー、羨ましいー。私もそんなの欲しかったー」

その時のアールグレイのなんと香しいこと

白雪姫をも目覚めさせる眩しい林檎

ダイヤペンダントトップ

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

「君は僕の目の中のリンゴだ」と盲目のスティービーワンダーが歌ってて、何のことかさっぱり意味不明なんですが、これは一目瞭然、ビカビカに輝くダイヤのリンゴ。リンゴスター、違うか?

アップルと言えば、まず思い浮かぶのはiPhoneのアップルコンピューター。

しかし、我々ビートジェネレーションはアップルと言えば、ビートルズのレコードレーベル、アップルレコードが先ず念頭にうかびます。

日本では東芝EMIが発売元でしたね。昔の黒いビニールのレコード盤の真ん中に青りんごの図柄、A面がリンゴの皮つき側面図、B面が半分に切った側面断面図で遊び心があって斬新でした。

「そもそも、なんでリンゴなんやろ?」

「そりゃ、リンゴ・スターがおるからちゃうん」

と言うのが定番のジョークやったんですが、スティービーワンダーの名曲「You are my sunshine of my life」の一節に“Apple of my eye”というくだりがあります。

これはとても大切な人や物を形容するときに使う慣用句やそうで、日本語でいう目に入れても痛くない、というほどの意味だそうですな。ひょっとするとこんなところがネタ元かもわかりません。

といろいろ詮索いたしておりまと、天国からジョンが降臨してまいりまして

「勝手な出まかせ言うんじゃねーよ。陳腐な解釈などまっぴらだぜ。アップルの語感と見た目のクールさだけでポールと俺で決めたのさ。リンゴなんてなにも関わっちゃいないし。アップルのノートパソコンの蓋のリンゴのマークもクールだろ?畜生パクリやがって!」

わっ!ふと我に返るとこのペンダントが眼前に。

そや、このペンダントの事を書こうと思って色々思慮を巡らせてたらジョンレノンまで飛び出してきた。あーびっくりした。第一あのおっちゃん天国なんか無いと想像してご覧言うてたんちゃうん?

ダイヤペンダントトップ

という訳で、こちらのリンゴのペンダント。

ジョンに言われて初めて気づいたんですが形自体が非常にいいですよね、リンゴの形ってバランスが良くて可愛らしい。そう思いませんか?

それでもエライ高いやん。中古でそれっておかしない?ぼったくってんのちゃうん?とお叱りの声が画面の向こうより聞こえてくるような気がいたしますが、またジョンか?

ダイヤペンダントトップ

いえいえ、こちら、いたずらに高いわけではございません。

このお方をただの越後のちりめん問屋の隠居と思ったら大間違い。恐れ多くも…恐れ多くも実際の正体はよくわからないのですが、ダイアモンドの品質が半端なく素晴らしい。

ダイヤペンダントトップ

このリンゴの表面びっしり覆った2.1キャラットのダイアモンド。海外のブランドジュエリーに使われているダイアモンドに一歩もひけをとらない極上のメレダイア。

業者間の取引価格で申しましてもガイの10万は下らない、つまり1キャラットあたりの価格が10万を下回る事は無いような代物。という事は当然、輝きも半端ない。

こちら想像するに、現在はペンダントトップのみの状態でございますが、元はネックレスも付いた状態で、そのネックレスにこの凄い品質を裏付けるブランドなりメーカーの刻印があったのではないでしょうか。

ダイヤペンダントトップ

金性刻印がPt900ですから国産のものだと思われますが、元は由緒ある国産メーカー、ブランドが展示会用か何か、富裕顧客層向けにあつらえた品物に相違ありますまい。

実物をお見せできないのが残念なくらいの輝きは、毒入りリンゴで深い眠りに落ちた白雪姫を一瞬にして目覚めさすくらいの威力ででございますよ。

さあ、躊躇いは捨て、買い物かごにすすむのです。

ミラーボールのような凄い指輪

ダイヤリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

カラオケ舞台に良く映える、ミラーボールかと見紛うボール状のパヴェセッティング♪

昭和のキャバレー、高い天井からぶら下がるは七色に輝くミラーボール。

ドサ周りの演歌歌手の着物の上に、はたまた悩ましく腰をくねらす年増ダンサーの肌の上にキラキラ輝く鱗のような光を降り注ぎ、酔客をますます夢見心地に追い込み、財布の紐を緩めさす装置。

当時まだ若造であったわたくし、まさか自分の甲斐性でそんな場所へ行くほどヒネても無ければ、余裕もないわけだが、お客さんや先輩などのお伴で覗いた、コッテリ豚骨スープのような大人の世界。

まさに昔の日活の映画にでも出てきそうな雰囲気。未だあのような世界に繁華街へ行けばお目にかかれるのでしょうか?覗いてみたいが、未だに手元不如意。

という訳で、この度のご紹介は、ご覧の通りのまさにミラーボールそのまんまのダイアモンドリング。

ダイヤリング

このリング、ご覧の通りほぼ球体に近いボール状の石座に、綺麗にメレダイアが彫り留でパヴェセッティングされています。こういった球体にダイアを細かく留めていく作業というのは石留職人にとって至難の業。

なにしろ球体の面に沿って円やか、なだらかに、いびつに飛び出したところの無い様に留めていかねばならないのですから、これは石留職人にかなりの力量が無いとできない技。

こういった石留の技術料って石留一個いくらの計算だから、こちら2キャラットものメレダイアを使ってますから、石留代だけで馬鹿にならない。

ダイヤリング

しかもこのセットされているダイアがまた美しいAクラスの石。

いつもの事ながら、こう言った細かい原価を合計していきますと、自ずと最終的に高額なお値段が想像できるって寸法。

しかしご安心を。

これもいつものセリフで恐縮ながら、中古の原価には、そういった細かい工賃やら、デザイン料なんて余計なものは全く計算されませんから、こんなにお安くご提供できるってこと。素晴らしい!

ダイヤリング

さて、キャバレーの天井で煌めくミラーボールはおじさんのノスタルジーをくすぐるレトロなものですが、こちらの商品は斬新、ユニーク、そしてよく目立ちます。

お洒落女子ならばこいつを小道具として、並み居るライバルたちに、一泡吹かせてやろうという闘争本能に火が点くのではないでしょうか?

こんな突飛なデザインを着ける勇気がないなどとしり込みしないで、さあ飛び込むのよ、あなたの知らない未知の世界へ!

モテ男の必需品 ダイアメンズリング

ダイヤリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

安いのは結構だがネットで見る中古ジュエリーは時代遅れで碌なメンズリングは無~い!とお怒りの謙さん。これこれ、どーです?これなら臆することなくハリウッドにだって着けていけまさーね。

例えばレオンなどの男性向けファッション雑誌は「ちょいワルおやじ」などという魔法の言葉を編み出しては、世のおっさんのお姉ちゃんにモテたい、好かれたい、三密に接したいというスケベごころをくすぐりながら、様々なモテ男必携アイテムを紹介して、広告収入を稼ぐとともに発行部数も伸ばしていくという巧妙なマーケティング戦術を展開しております。

しかし、実のところは、いくらどんなモノをどれだけ身に着けようが、モテない男はモテないに決まっているのです。

もちろん、接待を伴う夜の街の飲食店のたぐいに行きますと、支払った対価に比して、若いピチピチしたお嬢さんがありがたいことに、モテた気分にさせてくれる訳です。

しかしながら、理屈上はその様な場所に行くのに、何もわざわざ装備品として、モテアイテムを所持、携帯、着用する必要などなく、まったくの丸腰、なんならスウェットの上下でもお金さえ落とせば、向こうは商売、当然モテた気分にさせてくれるわけです。

ただし、丸腰スウェットとだとお姉ちゃん達が困る。

なぜなら褒めるところが見つからないから。せいぜい「わーっ、かっこええスウェット!美津濃ちゃいますの?」で終わっちゃう。

男というのは間抜けなもので、持ち物や着てるものを褒めらると、自分がモテててると勘違いする習性がございますので、丸腰だとお姉ちゃんサイドの営業戦略上まことに具合が悪い。スウェットの下は腹のだぶついた、加齢臭発散する五等身、うすら禿げの冴えないおっさんな訳ですからもう手も足も出ない。

という訳で、世の道理をわきまえた遊び人のオヤジたちは、お店の女の子に敢えて賛美の会話の糸口を与える為という、お遊びの場所での暗黙のお約束事に従って、全身ブランドで固めて夜の街へと出陣するのでございます。

ダイヤリング

今回ご紹介いたしますこちらのメンズリング。そういった夜の街の遊びの達人に、是非お勧めしたい一品でございます。

昔はメンズリングと申しますと、印台などのデザインに代表されますよう、どうもガラの悪い印象があり、まっとうなカタギの紳士のするものではないという風に見なされてきたわけでございます。

ダイヤリング

しかし世の中は移ろい、チョイワルなどの言葉にも見てとれるよう、ちょっと不良っぽい男がセクシーなどというファッション業界のまことしやかな誘導のもと、小心小市民のお父さんも、イタリアンマフィアもかくやとばかり、めかしこんで所謂夜の街関連施設に乗り込むご時世。

そんな時こそ、お洒落な指輪の一つでも着けて、ダサさに堕ちることなく、しかし不良っぽく、セクシーにキメたい。そんな高望みのあなたにピッタリな指輪がこちら。

ダイヤリング

どうですこのスタイリッシュな構造美。幅広で分厚いプラチナの平打ちリングに、長方形のバケットダイアを横置き等間隔で4つ埋め込んだ、いたってシンプルな作り。

しかしこの肉厚でソリッドなリング本体部分のプラチナムが、無色透明鋭い輝きを放つダイアとあいまって、極めてクールな印象をかもしだしているではありませんか。これぞサイバー社会の現代を生き抜く男の象徴!

しかし、こんなお洒落な指輪着けて行きゃ、おとうさん、ひょっとすると瓢箪から駒、マジでモテちゃったりするかもしれませんぜ。まったく隅に置けないんだから旦那。

よっ、色男!

バブルなんて目じゃない、狂乱のジャズエイジを彩ったティファニー

ピンクダイヤ ダイヤネックレス

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

庶民の方々はビーンズネックレス着けて喜んでていいの。でも立場上わたくしはこれぐらい着けないと世間体が許しませんの、オホホホホホ

ニューヨーク五番街の宝石店ティファニーは言わずと知れたアメリカ合衆国を代表する宝石商でございます。

映画「ティファニーで朝食を」のお陰で、お店がニューヨークの観光名所になるはるか以前より、映画の原作者トルーマン・カポーティがわざわざ小説のタイトルに店の名前をすえるくらい、すでにその名声は広く人々の知るところでありました。

現代日本の人気作家、村上春樹氏が敬愛して止まない、アメリカ人小説家、F.スコット・フィッツジェラルドはその妻ゼルダとともに1920年頃の「狂乱のジャズエイジ」と呼ばれる、アメリカ経済が爆発的な活況を呈した時代に活躍した、まさに時代の寵児ともいえる人物。

その夫婦二人の破天荒なライフスタイルは、代表作「華麗なるギャツビー」のストーリーそのままに、アメリカンドリームの達成と、それがもたらす享楽の有様を如実に体現したものであったとか。

日々繰り返されるパーティーと飽食、贅を尽くした衣装と宝飾品の数々。

その宝飾品の多くが、すでに一流宝石店の名声をわが物としていたティファニー選りすぐりの逸品の数々であったことは言うまでもございません。

実際、2013年公開のレオナルド・ディカプリオ主演作、「華麗なるギャツビー」。二回目の映画化となった本作品、映画の中に出てくる煌びやかな宝石の数々は実際ティファニー秘蔵のコレクションから貸し出されたものだそうです。

世界最大の経済大国アメリカ合衆国。ロックフェラー家を頂点とするセレブ達代々の憧れの的、ハイジュエリーの伝統を中心となって支え育んできたティファニー。その凄さの片鱗がこちらの商品からも伺えます。

ピンクダイヤ ダイヤネックレス

ご覧いただいてお分かりの通り、こちらのペンダントネックレス、一見なんの変哲もないいたってシンプルなもの。真ん中が空のドーナツ状の円盤型ペンダントを鎖で吊るしているだけの、実に単純な構造。

しかしよく観察いたしますと、その造りの拘りが浮かび上がってまいります。

こちらのドーナツ状の円盤、ご覧の通り三重の円で構成されているのがお分かりいただけるでしょうか。

中心部と外周部分が無色ダイアモンド。そして真ん中のサークリだけがピンクダイアで構成されています。

内と外のダイアモンドの大きさは直径1ミリにも満たない非常に細かいダイアを用いているのに対し、真ん中のサークル部分のピンクダイアはそれらより一まわり大きい1/100キャラット、約1.3ミリほどの直径のものが使われています。

ピンクダイヤ ダイヤネックレス

そしてこのピンクダイアの部分のみイエローゴールドの爪で石留が施され、しかもほかの部分より一段高く、ペンダントとして着けた場合は少し前に浮き出た感じで作られているのです。

しかも内側、外側の無色のダイアのサークルにも高さに変化をもたせ、内側のサークルが一番奥にへこんだ感じで作られているのです。

このダイアの大きさの変化、石留地金の色の変化とセット面の微妙な高低差が、ともすると凡庸に堕ちがちなデザインに躍動感を付与している事をお気づき頂けるでしょうか。

さで、ダイアモンド品質の説明は、もはやティファニーのこと、今更言うに及ばずではございますが、どうしても言いたくなるのがこのメレサイズのピンクダイアモンド。

ピンクダイヤ ダイヤネックレス

ピンクダイアモンドはその発色原因が他のカラーダイアと異なり、結晶構造の歪みに由来するということで、そのせいか結構インクルージョンの多い結晶が多ございます。

しかるに、こちらのピンクダイア、すべてが非常にクリーン。老眼のせいもありましょうがルーペを使っても、私には気になるインクルージョンが見つけられません。

しかもそれだけではございません。この澄んだピンク色のダイアモンドが、あたかも同じ材料から切り出したが如く色調、色相がピッタっと揃って寸分の狂いもない。

このこと一事をとってもこの会社、材料の供給に莫大な費用を費やしている事が想像できますしまた、その莫大な量の宝石材から妥協を許さぬ材料選定が行われていることが知れます。

もちろん全体の造り、構造のバランスなどすべての点において神経の行き届いた、一級品である事はあえて申し上げるまでもございますまい。

アメリカ人は大雑把なんて事をよく言いますが、このペンダントネックレスはそんな常識を根底から覆す、アメリカの名誉と威信の護符ともいえる逸品と言えるでしょう。

掘出し品として謹んでおすすめいたします。

デーブ、もといハリーより

あなたを輝かすイルミネーション、ダイアブレスレット

ダイヤモンド ブレスレット

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

綺麗で大粒のダイヤが程よい間隔でセットされている一級品!

クリスマスツリーを彩る様々なオーナメント。子供の頃は家族総出でこれをツリーに飾るのが楽しみでしたね。

そして、最後の仕上げは、チカチカ輝く色とりどりのイルミネーション。この電飾がない事には、クリスマスツリーもイマイチ締まりがなくていけません。

それと同様、女性の皆様のファッション、お洒落の総仕上げは、やはり光り物で決めてもらわなくっちゃ具合が悪い。その為に宝石、宝飾品というものがあるわけなんですから。

しかし指輪、ペンダントなんてのは、一応光り物なんだけど、どっちかというと、単独で自分と言うものを主張するオーナメントのような存在。

そこいくと、ご覧いただいております、このような、小粒の宝石が全体ぐるっと回ったブレスレットとかネックレスなんぞは、チカチカ輝くイルミネーションそのものじゃございませんか。

ダイヤモンド ブレスレット

さて、このブレスレット、構造的にはテニスブレスレットと言うより、ダイアとダイアの間が空いているからステーションブレスレットと呼ぶべきもの。

でもそうするとステーション、すなわち駅と駅との間が近すぎる。まるで近鉄奈良線のよう、と言っても近隣住民にしか分からないか。

駅と駅が近いと住んでる人にとっちゃ何かと便利。ダイアとダイアの間隔が狭いとそれだけ輝きが増すって寸法で、どちらにしても結構なことでございますよ。

しかも、こちらのダイアモンド一個一個がけっこうな大粒。一個が0.1キャラット以上ございますから、こういった連のブレスレットのなかでは、かなり大きい方でございます。

ダイヤモンド ブレスレット

そしてそれぞれのダイアモンドの品質も、無色でルーペクリーンの一級品のメレダイア。この綺麗なダイアがトータルで2.5キャラットも入ってるってから凄い!

細かい砂粒のようなダイアがたくさん入って2.5キャラットというのとは値打ちが段違いに、桁外れに違う。このダイアの卸価格、1キャラットあたり10万円として、トータル25万円は下らない代物。ダイアだけでですよ。小売値じゃなく業者間価格でですよ。しつこい?

そしてこのブレスレットの造りも、もちろん素晴らしい。

ダイアモンド一個一個を留める枠はスッキリ見せるために、ブレスの流れに沿った方向にのみ、天地に二つの爪を配し、これのみでダイアを押さえる構造。その為石留が緩まないよう、考慮して爪の根本を太く、しっかりした造りの枠にしてある。

ダイヤモンド ブレスレット

そしてこの一個一個のダイアを支える石座をつなぐのが、板状の7ミリほどのパーツ。

これがそれぞれの石座パーツの下方に穿たれた隙間に入り込み、そこで下方に45度の角度で可動するように留められている。この仕掛けが、ブレスレット全体があたかも繊維素材の様にしなやかに、自然に腕のまとわりつく動きを演出しているのでございます。

ダイヤモンド ブレスレット

さて、ブレスレットというと兎角夏のイメージが強いかと存じますが、冬とていい仕事をいたします。

クリスマスイヴの聖なる夜。彼と二人きりで腰掛ける薄明りのバーカウンター。モダンジャズが静かに流れ、クライマックスへと流れるおぜん立ては充分。

ルビーのような色を湛えたマンハッタンのグラスを持つあなたの腕に輝くは、あなたを一層引き立てるイルミネーションかと見紛うようなキラッキラのブレスレット。

Take his breath away !

【当店オリジナル】ボディピアス(ダイヤ・ルビー・サファイア)(Pt900・K18)

一粒ダイヤ ボディピアス

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

オリジナルボディピアス好評につき価格据え置きの第二弾!色石もあるでよ、買ってちょんまげ!

さて、本日ご紹介いたします商品は、こちらのボディピアス。

こちらの商品は当店が自信をもって作成致し、ご提供する「当店オリジナルジュエリー」なのでございます。

質屋のオリジナルジュエリー?なんですかーそれ?

という事で、今回は弊社のオリジナルジュエリーの秘密を解説していきたいと存じます。

一粒ダイヤ ボディピアス

通常、宝飾品メーカさんの場合、製品を作るには、中石はそれぞれ専門の業者さん、脇のメレダイヤは専門のダイヤブローカー、そして枠は大体自社工場で鋳造し、これらを最終的に合体させ商品に作り上げていくというのが、大まかな製作の流れかと存じます。

当店のオリジナルジュエリー製作の流れは当然こんな大掛かりな作業ではなく、基本的にはお客様から買い取った商品を再利用して作っていきます。

お客様から買い取ったり、質流れになった商品は、その商品の外観を見てそのまま新品仕上げを施し、販売に回すもの、品質、デザイン、価格帯等の理由から業者売りに回すもの、そして地金枠部分の破損や石の欠け、欠損があり商品として再生できないものを石と地金部分に分けて処理する、大まかに言って以上の3つの方法がございます。

この最後に挙げた作業ははツブシともいい、文字通り商品を潰してしまう訳なんですが、リング枠などの地金部分は曲がってようが、ちぎれていようが地金の値打は変わりないのでそのまま処分できるんです。

一粒ダイヤ ボディピアス

さて、残るは中石やメレダイヤ。

割れたり欠けたりしている物はどうしようもないんですが、原型をきちんととどめ、ある程度の品質の物はどうするかと申しますと、普通の質屋ならこれろをまとめて業者さんなんかに売ったりするんですが、当店ではこれらを用いオリジナルの製品を制作してるのです。

凄いでしょ!

さて、どのように商品にしていくかは、それぞれの素材によって異なりますが、多くの場合いは出来合いの空枠、つまり中石や脇石のセットされていない指輪やペンダントなどの貴金属で作られた土台に、適宜それぞれのデザインに合いそうな石をセットするといった方法をとります。

しかし、こちらのボディピアスはちょっと凝ったことしてるんす。

まず、ボディピアスを作ろうという意見が女性スタッフより出ました時、ジュエリークォリティーのボディピアスがあまり出回っていないせいか、出来合いの空枠がなかったのです。

一粒ダイヤ ボディピアス

そこで、こりゃ枠から誂えなくちゃいけねーとなり、生野の巨匠、名人宝飾職人小川先生にご相談申し上げたところ、リピートの効くように、原型を作って鋳型をとり、鋳造するキャスト枠にいたしましょう、と本格的な話になってしまったんです。

リピートがないと、初期投資が分散されないというリスクを背負いながらも、恐る恐る製作致しました本邦初、質屋が造るボディピアスもお陰様でコンスタントにはけて行き、こちらのものはリピート2回目の製作品でございます。

前回は試作品ということでダイヤの18金枠の物しか拵えなかったのですが、今回はダイヤに加え、ルビー、サファイアをそれぞれ18金とプラチナ枠に留め、ラインナップも増やしておりますので是非とも第三弾にたどり着けますよう、皆さまにはジャンジャンお買い求めいただきたいものでございます。

しかし日本広しとはいえ、こんな事してる質屋、他に無いと思うんやけど。

大輪の花のようなパールペンダントトップ

南洋パールダイヤペンダントトップ

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

大輪の花のような見事なペンダントトップ。見事としか言いようがないです!

さて、本日ご紹介いたします新入荷のお勧め商品はこちら、大輪の花のような南洋真珠のペンダントトップでございます。

こちらのパールペンダント、ご覧のようにダイアモンドが埋め込まれた枠で形作られた花びら、外側が無色ダイアモンド、内側はブラウンダイアで変化をもたせ、そして中央に白蝶貝からとれます白蝶真珠、別名南洋真珠とも呼ばれます大粒の真珠を配した実にダイナミックなデザインとなっております。

南洋パールダイヤペンダントトップ

真珠のペンダントは通常片穴のルースにバチカンを設え、チェーンからぶら下げるデザインが圧倒的に多いのですが、こちらはペンダント自体が真珠の受け皿となり、デザインの中心で真珠をより引き立てる細工となっております。

通常このような細工のものは真珠の形がボタンとか餅などと呼ばれる、ひしゃげたり、扁平な形状のものか、半球状のマベパールを使う事が多いのですが、こちらの真珠はリングにしてもいいような新円、しかもマキ、テリともに素晴らしい良質の南洋真珠が使われているのでございます。

南洋パールダイヤペンダントトップ

さて、この真珠を評価する場合のマキ、テリという点を少し詳しくご説明いたします。

真珠はご承知のようにほとんど養殖によって生産されているのですが、その原理はいたって簡単。

真珠を作り出す性質の貝にヒトが故意に真珠の核となる異物と、同時に貝殻成分を生成する外套膜を挿入し、この核に外套膜が細胞分裂をして生成される真珠層を巻きつかせていく仕組み。この幾重にも重なった真珠層が真珠独特のオリエントと呼ばれる虹色の干渉色を生み出し、真珠特有の美しさを醸し出すのでございます。

マキが良いとはこの真珠層が厚く、干渉色が強く、また深い事を指します。またテリとは文字通り光沢の意味で、この真珠層自体が持つ光沢の強度を指します。

養殖とは言え生成のほとんどが天然の生物と、そのおかれる環境によるところが大きいので当然出来る真珠にも個体差がでてくるのです。

さて、マキという点については白蝶真珠の方が日本で採れるアコヤ真珠よりも大きい分、マキも厚いので当然テリも良いと思われがちですが、実はそうでもないのです。

テリに関しても然り。ただ大きいだけで、昔の電灯の白熱球の様な珠はいくらでもあります。

南洋パールダイヤペンダントトップ

しかし、こちらのお品の珠に関しては、真珠層の厚みを正直に反映し、実に美しいオリエント効果を発揮するとともに、またテリもすばらしい。

更に白蝶真珠はアコヤ真珠に比べややグレーがかった色味が多いのですが、こちらはむしろアコヤ真珠っぽいピンク系のオーバートーンを呈しているので、見事にフェミニンな印象を醸し出しているのでございます。

真珠と言えばフォーマルなイメージが強おございますが、このようなお洒落なペンダントをどんどん日常使いとしてお召しいただき、真珠の魅力を常日頃からお楽しみ頂きたいものでございます。

傑作オリジナル ルビー・ダイヤモンドリング

ルビー ダイヤモンド リング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

その腕前、関西では3本の指に入る言われる小川名人作のオリジナルジュエリー。お値打ち!

さて、本日ご紹介いたすますお品は、当店オリジナルジュエリーのこちら。

18金製ルビーダイヤモンド指輪でございます。

こちらのデザインは元々、某一流ブランド人気のデザイン。そちらをパクリまして、もとい、剽窃いたしまして、もとい、参考にいたしまして、いえ、インスパイアされまして、拵えたものでございます。

だいたい素人が自分の感性で好き勝手にデザインしても、碌なものはできません。やはり実績のあるデザインを拝借、参考にするのが一番。

良い例がティファニータイプの6本爪ダイヤモンドソリティアリング。

本家本元のティファニー以外、国内外あまたのメーカーが同じようなデザインを発表していますよね。基本、石をセットして指輪に着け、それを美しく見せるという厳しい制約の中では、なかなか目新しいデザインを作り出すと言うのは難しいのかも。

ルビー ダイヤモンド リング

こちらのデザインは、俗にフラワーデザインなんて呼ばれる、お花をモチーフとしたデザイン。

こういった花モチーフのデザインは宝飾品に限らず、アパレルやバッグ、小物類に至るまで、女性の身の回りの物には非常に多く使われるデザインなんですよね。

やっぱり女性は花と夢、いくつになってもロマンチックで美しいものに心惹かれるのでございましょう。

ルビー ダイヤモンド リング

さて、こちらの商品、参考になる元のデザインがあるとはいえ、いい加減な作り方はいたしておりません。

ちゃんと有名なジュエリー学校の講師を務められているジュエリーデザイナーの先生にデザイン画をお描き頂き、それをもとに、名人の誉れも高い、生野の巨匠とも呼ばれる宝飾職人に制作を依頼した、なかなかの労作なのでございます。

下段の写真でご覧頂いておりますのが最終決定のデザイン画というか設計図。

指輪のデザイン画はこのように大体、立体3方向からの図面で描かれる事が多いのですが、マズイ画だと3方向の整合性が取れてなく、職人さんを非常に悩ます事にもなるのですが、この図面はもちろん完璧。

ルビー ダイヤモンド リング

このような完璧な図面を渡しても職人がヘボだと、これまた碌なものが出来ません。

こういった集合石の商品の場合だと、まず石のセッティングバランスの正確な対称性。石と石座に高さや角度のバランス。石座から腕にかけての自然なライン。ウデ腹部分のしっかりとした重量感。

そしてこれら全体のトータルとしてバランスが最も重要。

1か所でもおかしな部分があると、全体に影響が及びつまらぬ駄作になってしまうのです。どうでですか、この完璧なバランス!

そして最後にこの作品に要した材料についてでありますが、ここが質屋ならではの注目のポイント。

なんとこれを作るにあたって使用したルビー、ダイヤモンドそしてリングの枠として用いた18金地金、実はすべてお客様から買い取ったりした品物のリユースなのでございます。

ルビー ダイヤモンド リング

もちろんルビー、ダイヤモンドは製品から外して材料として取ってあるものの中から最高のものを厳選し、地金はスクラップ地金を職人に渡し、溶かしてもらって、一からパーツを作り上げていくという工程。

正しくすべてリサイクルによって作り上げた質屋ならではのオリジナル商品なのでございます。

とは言え、こんな事している質屋は多分ウチだけやろなー。

アレキサンドライトの密やかな愉しみ

アレキサンドライト ダイヤ リング 12号

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

小粒でもアレキ!アレキ知らない人はアレクサにでも聞けば?

さて、本日ご紹介いたしますお品は、こちらの一見花も実も無い、てか、むしろ地味ともいえる指輪。

わたくしがまだ30歳前後だった昭和バブル全盛期のころ、宝石、宝飾品といえばバブル成金のご婦人の象徴。

「見てみい、どんなもんじゃこれ、これ、これ、これが目に入らんかーっ!ここにおわす私をどなたと心得る、畏れ多くも…」という具合の自己顕示の小道具としての役割を司っていたわけであります。

内容よりも見かけ重視。いわゆるオバケと呼ばれ、質は大したことないけど、とりあえず中石の大きい指輪とかペンダントが良く売れてました。

10キャラ20キャラの決して綺麗とは言い難いルビーやサファイア、エメラルドなんぞにテーパーダイアを取り巻いたド派手な、決して上品とは言えないデザインが人気を博しておりました。

わたくしも売りながら「こんなんどこがええんやろ?」と思いつつも、お客様のニーズに合わせ、厳しいノルマをこなすのが売り手の義務。心にもない事を口から出まかせ、オバケせっせとを売り込んだものでございます。

まあこういうものを買う心理と言うのは、にわか成金にありがちな、金持ってるぞアピール。男性の場合だとベンツや高級時計を着けて見せびらかしたい、自慢したいというのと同根、人の少しでも上位に立ちたいという、人間の浅ましい性根に由来しているものと考えられます。

アレキサンドライト ダイヤ リング 12号

さて、バブルではじけ、リーマンでコテンパンに打ちのめされた日本経済。

にわか成金は淘汰され、アベノミクスにより、きっちりとブルジョアジーとプロレタリアート、お金持ちと貧乏人の二極化が進み、にわか成金、プチブルという宝飾品の最大の買い手が居なくなってしまったので、宝飾品業界も規模が一気に最盛期の1/3にまで縮小。

見栄張る必要のない本物のお金持ちと見栄の張る余裕すらない貧乏人しか残ってないんですから。

アレキサンドライト ダイヤ リング 12号

さて、それでは宝石の買い手、購入層は市場から姿を消してしまったのでしょうか?

いえ、滅相もございません。

最後に宝石、宝飾品の買い手として残っている購買層こそは、本当の宝石好き、宝石オタクの方々なのでございます。

宝石マニア、宝石オタクの方々というのは、それを着けた自分がどう世間に評価されるかということにはさほど関心が無く、純粋に宝石そのものに感情移入する。入れ込んじゃうのでございます。

宝石にまつわる故事来歴から化学組成、光学特性、産地等々細かく知識をためこみ、同好の志とSNSなどを通じ情報交換する。この辺は他の種類のオタクと多く共通点がございますね。

さて、大変前置きが長くなりましたが、こちらのアレキサンドライトの指輪、まさにそういったマニア、オタク向きのお品。まさに自己満足完結型のリングと言ってよいのではないでしょうか。

アレキサンドライト ダイヤ リング 12号

地味な服装の不思議ちゃんが、この指輪をひっそり着けてても、だれも気にやしません。

まして世間の人の多くは宝石の王様、高級宝石アレキサンドライトなんて知りませんから、誰にも注目されません。

しかし、そこにこそ宝石オタクの醍醐味、真骨頂があるのです。

「人知れずアレキ身にする、密やかな愉しみ」

緋色珠の指輪はサラサーテの音色

サンゴ ダイヤ リング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

ハレの日に着けたい大玉珊瑚。らくらくあなたの一人勝ち!

新卒で入社した宝石屋ですが、入社二十年目にして転職したのが、現在勤めている会社の前に居りました質屋。

質屋の看板に掲げるからと、多忙な社長になり代わり、GIA(米国宝石学協会)の宝石鑑定士の資格を取りに行くようにとのお指図がありまして、大嫌いな勉強を四十になってしぶしぶ再開する羽目となってしまいました。

なーに、多忙が聞いてあきれる。単なる無精で根気がない怠け者なだけなのですが、一応社長と名前が付けば逆らう訳にもまいりません。

聞けば、その研修はなんでもAGTというところで開講してるとの事。

いったい何で映画会社が宝石鑑定士の教育までやってんだろ、と訝しく思っていたら何のことは無い、そそっかしいわたくしがAGTとATGを勘違いしてただけ。

AGTとは、もともと日本宝石鑑別協会(Association of Japan Gem Trust)と名乗っていた宝石の鑑別鑑定及び各種宝石セミナーの提供といった業務を行っている会社で、もちろんGIAの勉強はこちらに行かないといけません。

片やATGとは日本アートシアターギルドという映画製作配給会社で、わたくしが若かりし頃、アートと名乗るだけあって、何やら難解で暗い映画ばかり作って、屈折した若者をより屈折させんが為に映画を作っているような会社でありました。

例えば現代の人気テレビドラマシリーズ「相棒」で主役の杉下右京なる気取った刑事を演ずる水谷豊でございますが、なに昔はATG制作、原作 中上健司 監督 長谷川和彦と聞いただけでもディープな内容を予感させる「青春の殺人者」という映画の中で、なんと両親を二人とも殺めてしまう残虐非道ぶり。

何を今さら刑事に化けて、しれっと紅茶なんかすすってやがんだテメー、と豊の暗い過去を知る者としては憤らずにはおれません。

まあ、こんな映画を独り見に行く学生だったわたくしもかなりの屈折君ですけどね。

サンゴ ダイヤ リング

さあ、そんなATG制作の映画の中でも特に印象深いと申しますか、わたくしが深く感銘をうけた作品が鈴木清順監督による「ツゴイネルワイゼン」という、そうそうたる内外の映画賞を総なめにした映画史に名を遺す傑作。

この鈴木清順という人、元々は日活でマイトガイ旭やエースのジョーなんて俳優をキャスティングしては、無国籍映画などと呼ばれた娯楽アクション映画を撮ってた監督なのですが、あまりの内容の難解さ故、とうとう日活を馘になってしまったというなかなかの曲者。

この偏屈なおっちゃんがなんと、一切の妥協を許すことなく自分の取りたい映画を撮ると宣言して作ったのがこの「ツゴイネルワイゼン」。

この映画、原作はかの文豪夏目漱石の弟子であり、また元祖鉄道オタクで愛猫家。大飯喰いの大酒呑み、そしてこれもかなりの偏屈者として有名な内田百ケン(門構えに月)という人が書いた、「サラサーテの盤」という小説が原作。

百ケン先生、この小説のほかにも「冥途」などという小説もそうですが、筋がある様で無く、しかもそこはかとない不気味さを孕んでいる物語を書くので有名。

さて、「ツゴイネルワイゼン」と名前も変えた映画の方も原作同様、というか原作を更にアレンジし、より難解にしたような、ストーリーがあって無きが如きの映画。

サンゴ ダイヤ リング

じゃあ、なにが良いんだというと、その圧倒的な映像美なのでございます。

「清順美学」と後に評されるよう、独特の美意識で見るものを圧倒する、まさに映像芸術の究極的な形。ワンシーン、ワンシーンがそれぞれ一幅の絵となって観る者の心を揺さぶるのでございます。

小説の映画化に当たっては、原作と映画化されたものをよく比較され、やはり元の小説が良いという意見もあれば、出来上がった映画は小説と別物。別の視点で論ぜられなければいかんとか、様々な意見がございます。

しかし、小説に無くて映画にある最大の売り物はやはりその映像。その映像がどのように素晴らしいかを言葉では言い表すことは至難の業で、実際の映像をご覧いただくより他ございますまい。

それでも、敢えてこの「ツゴイネルワイゼン」において表現されている核となる点を指摘するならば、それは日本的な美意識である様な気がいたします。

映画の舞台となった鎌倉の景色。

和洋折衷の明治以降に登場した独特の日本家屋。

その軒下に吊るされた白熱球がぼんやり灯る球体の電灯。

大きな蒲焼をまるまま一本載せた青磁の大皿。

そして登場する女優たちの美しい着物姿やその容姿。

日本的な色使いは西欧絵画と日本画を比較すれば明らかなように、色彩の暗さというか鈍さがその特徴なのではないでしょうか。

西欧ではゴッホの絵画の様に、燦燦と降り注ぐ惜しみない太陽の光の下で、眩しいくらい咲き誇るヒマワリを描写するのですが、日本の場合、薄暗い部屋のちゃぶ台の上かなにかに置かれた柘榴の実を描き、暗さとの対比の上で色の鮮やかさを表現すると言った、屈折した日本人の心情が投影されているような表現方法が多いようでございます。

この映画全体を一貫してしてつらぬいていますのも、こういった日本独特のネガティブな耽美主義とでも言うべき、暗く屈折した美意識ではあるまいかと思うのでございます。

さて、宝飾品におきまして、そう言った日本的な美意識に最も則った宝石というのが、これからご紹介いたします珊瑚ではございますまいか。

サンゴ ダイヤ リング

この赤い珊瑚、その色は血赤(チアカ)などと表現されますように、まさに血液の色。

ただ同じ血液の色で評される宝石、ルビーのピジョンブラッド、鳩の血色とでは性質的にも大きく異なります。

ルビーの色が動脈を流れる生命力溢れる鮮やかな色の鮮血とするなら、こちらは静脈を流れる暗い血の色。

サンゴ ダイヤ リング

宝石、特に色石の評価の基準はその色の彩度が高い事、つまり鮮やかさが一つの要因となるのでございますが、この赤珊瑚だけは独特の評価基準がありまして、鮮やかな真っ赤より、それにさらに黒を混ぜて色を濃くしたようなものが良いとされるのでございます。

さて、ご覧いただいておりますこちらの赤珊瑚の指輪。お色は黒い血とまでは行きませんが、安価な橙色の物とははっきり異なる、しっかり均一に赤色の乗った充分に美しい赤玉。

そして凄いのがこの大きさ。直径17ミリを超える滅多にない大玉。

その大きな珊瑚の周りを1個がどれも0.2キャラット以上ある美しいダイアモンドが合計14個豪華に取り巻く贅沢極まりない造り。

サンゴ ダイヤ リング

今の様に世知辛い世の中、着物道楽などと言って和服をお召しになり、生け花やお茶を嗜む優雅な暮らし向きをなさっているご婦人はそう沢山いらっしゃるわけではございますまい。

ただ、そのような伝統的な日本の美を体現され暮らしておられるお方には是非お勧めしたい逸品でございます。

この様な大玉珊瑚は環境汚染や乱獲の影響でますます希少性がますばかり。

日本の美を、そのライフスタイルを通して頑なにお守りいただいている、麗しくたおやかな大和撫子にこそ、ぜひこの掘り出し品の珊瑚の指輪を後世にその暮らし向きともどもお伝えいただければと思う次第なのでございます。

【CHAR】非凡な凡人チャーのダイアペンダントネックレス

CHAR(チャー) ダイアクロスペンダントネックレス

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

一見何気なく、でも輝き半端ねー、二度見を誘うチャーのダイアペンダント

今は亡き人気作家の中島らもという人の書くものは面白いと思っていたところ、喋ってるご本人は更に面白いという事を最近YouTubeを観て発見したのである。

江戸落語を評してテンポ良い小気味いい喋りなどと申しますが、氏の語り口調はこれの真逆。

噺口調のベースになっているのが、尼崎ご出身の事とて、もっちゃりした関西弁。

このベースの関西弁をとろろ汁でのばして、卵白を加え納豆であえたような粘りのある、また途切れる事のないダラダラ喋りがのろのろと進行していくのである。

そして、その話す内容たるや、氏の書くエッセーや小話と同様、諧謔溢れる抱腹絶倒の内容だからたまらない。

もちろん最近のM1なんぞのテンポの速いノリツッコミに慣れた若人諸氏にとってはいささかタイミングの合わない、それこそカッタルイぼそぼそ語りで、そのペースについて行く事すら難儀であろうことは想像に難くない。

しかしこのスローな話術に一度引き込まれるともう癖になって抜け出すことは困難。明らかに中毒性をもつ危険な喋りと言える。

さて、この中島先生、兵庫県尼崎は立花というところで歯医者を営むお家に生まれ、幼少のころは神童と呼ばれた優等生。

進学校として名高いかの灘中、灘高と学業の道を順調に邁進するも、どういう訳か高校半ばで勉強に嫌気がさし、ロックンロールに溺れ、酒や薬物に手を染めた末、ついにドロップアウト。

まあドロップアウトとはいうものの、そこはお医者様のお坊ちゃま、一応は大阪芸大に進学、無事就職も果たし、ちゃんとしたサラリーマンにひとまずは落ち着く。

CHAR(チャー) ダイアクロスペンダントネックレス

その後アル中になったり、うつ病になったりの紆余曲折を経て、コピーライターに転じたあたりから運命は好転し、その後はとんとん拍子に名コラムニスト、作家、劇団主催者、ミュージシャンと時代の寵児として大活躍する事となったのはご存知の通り。

さて、最初コピーライターだった氏が、何故コラムや小説の道に進むようになったのかという理由がまた振るっている。

周りを見渡しても、読んでみたいようなおもろいコラムや小説が見当たらない。それなら自分で書いてみようという、言わば自給自足の精神からというから面白い。

CHAR(チャー) ダイアクロスペンダントネックレス

そう言えば、私自身もはたして最近読んでみたい小説やら雑文などというものが見当たらない。

いっそのこと中島先生に倣って自分で自分をエンターテインするオモロイ話でも執筆してみるか。弊社会長も「オマエいっそ物書きにでもなったらどやねん」と以前ご助言下さったことですし。

と、こういった他者のおちょくり半分の甘言に惑わされ、自惚れに乗じ、勘違いをする人が後を絶たない為、地道に職工勤めでもすれば、貧しいながらも幸せな家庭を築けたかも知れぬものを、一生を筒井康隆先生の小説「大いなる助走」ではないが、無駄な時間を無駄な事に費やし一生を棒に振り、生涯貧乏文学書生で終わる痴れ者が後を絶たぬのである。

こういった、自分の見果てぬ夢を追うが故に人生をしくじる者は何も物書きの世界にとどまらず、芸能、芸術、スポーツの世界と、ありとあらゆるジャンルで自らの才能を過信し、その結果、人生の終末を貧民窟のあばら家、スラム街の路上で無残な孤独死を迎える人がどれほど多くいる事であろうか。まことに嘆かわしい。

かかる不幸な道を前途ある有望な青少年に歩ませぬ為の警鐘という意味において、以下の文を熟読されたい。

さて、青少年諸君、まずはこのダイアモンドペンダントネックレスを観たまえ。

CHAR(チャー) ダイアクロスペンダントネックレス

宝石、宝飾品に疎い諸君等には解るまいが、こちらは日本が世界に誇るチャーという高級ブランドジュエリーの素晴らしいネックレスなのである。

素晴らしいと言っても、素人諸君には一体なにが素晴らしいのか一目ではわかるまい。

何故なればこのネックレス、デザインの面においてはまったく定番のどこにでもあるダイアモンドを縦横三個ずつ並べただけの、プラスマークのようなデザイン。つまり何の変哲もない凡庸なデザインといって過言ではないのである。

ならば、なにが素晴らしいのかというと、このペンダントに使われている五つのダイアモンド。これが凄い!

CHAR(チャー) ダイアクロスペンダントネックレス

鑑定書が付属してないからはっきりとした事は言えないが、全てのダイアが婚約指輪にそのまま載せ替えて使えそうな高品質。DEFカラーのVVSからVSの範囲で、カットだってどれもエクセレントが出るんじゃないかというくらいの素晴らしさ。

因みにこんな定番のデザインを甲府あたりの宝飾メーカーが普通に作りゃ、ダイアのグレードがGからIの間の色で、SIかIあたりのクラリティ、 せいぜいカットもグッドが出れば御の字のダイアで拵えるはず。

当然、出来上がりの差は歴然。

そこそこのダイアで制作した製品はこの平凡なデザインも手伝って、どこにでもある凡庸で退屈な装飾品となる。

CHAR(チャー) ダイアクロスペンダントネックレス

かたや、こちらチャーの方はどうかというと、高品質ダイアモンドのみがもつブリリアンス、シンチレーション、ファイアーといった輝きの迸りが奔流となって放射され、見る者の眼を眩ませるわけで、それゆえ過度なデザインはかえって邪魔。

このような抑えた定番デザインがダイアの輝きをお楽しみいただくには最適ということでこのデザインに治まったわけ。知らんけど。

CHAR(チャー) ダイアクロスペンダントネックレス

さて、皆様方におかれましては、自分自身をこの非凡なチャーのネックレスでは決してないと心得る事が肝心。

蛙の子は蛙、かもめはかもめ。

大体自分の親を見れば自分の正体は自ずと知れるもの。トンビが鷹を生むなんて事は、実際そんなことが自然界で起こりえぬように、起こりえません。

平凡なオッサンに見えて実はノーベル文学賞でも取ろうかという村上春樹のようなのに騙されてはいけません。大方の平凡に見るオッサンオバハンは、あるいは一見非凡に見える人でさえ、大概は凡人なわけですから。

前途ある青少年の皆様、あたら非現実的な妄想に取りつかれること無く、是非親御様同様凡夫凡人として人生を過たぬよう、地道に生き抜いて頂きたいものでございます。

その様な凡夫凡人に生まれた方への慰みとしてこちらのチャーのような、頑張れば手に入る非凡な商品があるわけですから。

因みに小生只今芥川賞直木賞泉鏡花賞あたりを狙い、質屋を舞台とした抱腹絶倒なお笑い小説の構想を練っておるところでございます。

以前、難波利三先生が実際大阪にあった質屋をモデルに「草暖簾」という退屈な小説を書いておられますが、これをパロって、これも実在する大阪の質屋をモデルに「臭暖簾」という題で文学史に金字塔としてその名を刻む傑作小説を執筆すべく、余生の手慰みとして準備進行中であります。

乞うご期待!

【ティファニー】Breakfast at Tiffany's

TIFFANY&CO. (ティファニー) バイザヤード ペンダント ネックレス

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

ティファニー定番人気の一粒ダイヤのネックレス「バイザヤード」。独特の世界観で知られるデザイナー「エルサ・ペレッティ」の魅惑的なジュエリーは、官能的で立体的なデザインが特徴です。頑張っている自分へのご褒美や、大切な方へのプレゼントに最適な逸品です。

夜明け間近、まだ薄暗いひと気のないニューヨークの街角。

一台のイエローキャブが、都会の喧騒と言うにはまだしばらくの時を要す、寝静まった大都会の大通りに静かに現れ、荘厳な意匠を凝らしたビルの前で一人の華麗な衣装をまとった女性を降ろします。

女性はビルの一角にある大きく設えられたショーウィンドウの前に佇むと、紙袋からパンと飲み物の入った紙コップを取りだし、そのパンをショーケースを眺めながら、おもむろに頬張り始めます。

これは、映画「ティファニーで朝食を」の有名なオープニングシーン。

バッグに流れる美しい調べは、この映画の為に書き下ろされ、のちに不朽のスタンダードナンバーとなる、ヘンリー・マンシーニの傑作「ムーンリバー」。

そして、このティファニーの軒先で大胆にもパンを頬張る女性を演じた女優こそ誰あろう、永遠の妖精「オードリー・ヘップバーン」その人なのは言うまでもありませんね。

映画の内容は、オードリー演じる不幸な生い立ちを背負う田舎出身の女性が、巨大都市ニューヨークでの大成功を夢み、金蔓になる大富豪を見つけんと怪しげな人間関係の中で一見、今でいうところのパリピ生活を謳歌している風に装って暮らしています。

しかし、実のところは明日の見えない現状ゆえの葛藤によって生じる鬱々たる気持ちを、唯一ティファニーのお店を訪れる事よって解消している心の荒廃を抱えているのです。

そんな中、売れない作家ゆえにお金持ちのマダムのヒモとして糊口をしのいでいる男性と偶然知り合い、紆余曲折を経ながらも、最後ハッピーエンドで結ばれるという、まあ他愛ない、典型的なハリウッド式ラブロマンス。

ただし、この映画にはもう一つの側面があるのでございます。

TIFFANY&CO. (ティファニー) バイザヤード ペンダント ネックレス

それは、壮大に仕掛けられたティファニー社のコマーシャルメッセージ、つまり宣伝広告、プロパガンダ戦略という点でございます。

さて、このマーケティング手法、デ・ビアス社のそれの様に綿密に計算された戦略なのか、あるいは有名宝飾店ティファニーを映画の舞台としたため偶然、結果的にそうなってしまったのかは、浅薄なわたくしの知識の及ぶところではございません。

しかし、この映画をきっかけに五番街ティファニーがニューヨークの観光名所の一つとなり、ブランドの名声も一段とその地位の向上を見たのは間違いのない事実。

TIFFANY&CO. (ティファニー) バイザヤード ペンダント ネックレス

なにせ、冒頭に挙げたオープニングシーンだけで充分、現代においてすらそのままプロモーションフィルムとして使えるような仕上がり。

しかも、そのシーンでオードリーが身にまとってるコスチュームはなんと「モードの神童」と呼ばれたフランスの有名ファッションデザイナー、ジバンシーの手によるもの。

このドレスはその後「オードリー・ヘップバーンの黒のジバンシードレス」と呼ばれるほどにモードの世界で名声を博したとか。

このドレス以外にも劇中にはジバンシーをはじめとする有名デザイナーの作品が衣装としてオードリーの華奢な姿態を包み、映画自体があたかも雑誌ヴォーグを眺めるかのような、お洒落好きにはたまらない趣となっていて、否が応でもティファニーのイメージアップに貢献しているのです。

もちろん宣伝は、このようなお洒落なムードのみの感性に訴えるだけのイメージ広告だけでは終わりません。

こちらもまた映画のワンシーン。

大のティファニー好きのオードリー演ずる主人公に連れられてティファニーをカップルで訪れた売れない作家の彼。

彼女へのプレゼントに相応しいものは無いかと対応に出たおじさんの店員に聞くのですが、なにせ貧乏文士とて予算は何と10ドル以下で賄えるもの。

流石のベテラン店員も頭を抱えて困ってしまいます。

TIFFANY&CO. (ティファニー) バイザヤード ペンダント ネックレス

ようやく思いついたのが、銀製のティファニーオリジナルの電話のダイヤルを回す棒。今で言うところのノベルティーグッズとでも言うものでしょうか。

さすがにこんなものではと思ったのでしょう。青年やおらポケットから指輪を取りだし、この指輪に刻印はしてもらえるのかと問い質します。

一旦指輪を受け取った店員、矯めつ眇めつこの指輪を検分した後、「これは当社の商品ではございませんね」と青年に問うと、お兄ちゃん悪びれる風もなく、お菓子かなにかのオマケの指輪だと告げます。

ここで、さすがの慇懃無礼な紳士面した店員も態度が豹変。ついに堪忍袋の緒が切れて「無礼者めが、ここを天下のティファニーと知っての狼藉か?身分をわきまえぬ貧民が言うに事欠いて...」とでも怒り出すかと思いきや、おじさんにっこり笑って

「こういったご注文はあまりお受けしてないのですが、手前どもは物わかりの良い店でございます故、かしこまりました。お引き受けいたしましょう」とあっさり引き受けてくれるのです。

TIFFANY&CO. (ティファニー) バイザヤード ペンダント ネックレス

まあ、なんと粋で親切で素晴らしい対応なのでしょう!赤井英和が婆さんおぶって階段昇るより、宣伝効果が上がる事間違いなし!

この映画の世界的大ヒットにより絶大な宣伝効果を得たティファニーではございますが、世の中何事も良い事の裏には難儀が潜むもの。

何が難儀かというと、この映画のあまりの大ヒット故、<ティファニー=オードリー・ヘップバーン>のイメージが固定化され、顧客のニーズも無意識のうちにオードリーのイメージを商品のうちに求める様になってしまったわけでございます。

TIFFANY&CO. (ティファニー) バイザヤード ペンダント ネックレス

特にティファニーをニューヨークの観光スポットの一つとして訪れる様な本来のティファニーの顧客層とは大きく隔たりのある一般顧客にウケる商品を開発しなければなりませ。

なにせ映画の中で物わかりの良いなんて言っておきながら、いざお店に入ったら目の玉の飛び出る様な、庶民には無縁なハイジュエリーばかり並んでいたのでは、顧客の期待を大きく裏切る事となり、せっかくの赤井英和効果が水の泡。

そこでティファニーもシルバー製のお土産グッズに始まり、いろいろな買回り品をたくさんそろえる羽目になったのでしょうが、中でも秀一なのがこれからご紹介いたすところのバイザヤードペンダントのシリーズ。

TIFFANY&CO. (ティファニー) バイザヤード ペンダント ネックレス

こちらはティファニー専属ジュエリーデザイナー、エルサ・ペレッティーの代表作とも言われる商品群なのでございます。

ダイアモンドのペンダントネックレスなのでございますが、そのデザインを極端なまでに無駄をそぎ落とし簡素化し、それによって逆に良質なティファニーのダイアモンドの煌めきを最大限に引き出そうという目論見。

この狙いは見事的中し、これ以上ないシンプル&エレガンスな雰囲気を醸し出しているのでございます。

TIFFANY&CO. (ティファニー) バイザヤード ペンダント ネックレス

その様子はあたかも映画の中での一場面、着飾らない普段着の姿でギターを爪弾き、自ら映画のテーマ曲、ムーンリバーを歌ったオードリーの様子そのままを表しているよう。

デニムパンツにスウェットシャツのような衣装の中で、美しいダイアモンドはジバンシーの高価なドレスにくるまれているよりも尚一層、強い輝きを発しているように見えるのでございます。

小粋な女性のネックレス

マルチストーンネックレス

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

本来色石はこういう具合に楽しまないとね

粋(イキ)なんて言葉は最近あまり流行らないようでございます。

下手に「おっ、粋だね!」とか「小粋なナリしてんじゃねーかい」なんて言おうものなら、一体いつの時代の人間かなんて疑われちゃいますよね。

「いき」あるいは「すい」という言葉の意味はウィキペディアによりますと、

“江戸時代に生じ、時代に従って変転した美意識(美的観念)で、遊興の場での心意気、身なりや振る舞いが洗練されていること、女性の色っぽさなどを表す語”

となっております。

この言葉の逆は野暮という事で、現代で言うところのダサイということになるのでしょうか。

ではこの「粋」という言葉、現代では粋の代わりにどんな風に表現しているのでございましょう?

アカ抜けている?洗練されている?スタイリッシュ?カッコイイ?どれもみんなピント外れなようでしっくりきません。

昨今はファッションも多様化してまいりまして、一概にこれがお洒落、イキで、こういうのはダサイ、つまり野暮だと簡単に選別する事が難しくなってきているのも事実でございます。

今では普通に男性のシャツの着こなしとなっている、シャツの裾をズボンの内側にたくしこまず、外に出して着る装いも、一昔前では「野郎なんてだらしねーカッコしてやがるんだ、近ごろ流行りのフーテンに違げーねー。ひとつとっちめてやらねーと」なんて事でいきなり見知らぬ人に殴られたりしたものです。

マルチストーンネックレス

この様に時代の流れと粋という事も深い関係がございまして、「時代遅れ」なんて言う言葉通り、その時代、時代にマッチしてなくては、なかなか粋とは言われないようでございます。

さて、それではファッション雑誌の教え通り、時代に即した風体の身繕いをし、流行りのブランドで見の周りを固めればそれでOKかというと事はそんなに簡単なものじゃあない。

そういったキメキメの風体をしていると、人物観察に優れた百貨店やブティックの、いわゆる、お店(たな)者根性というひねくれた視点を待つ店員からは、その肩ひじ張った勇んだ心根を見透かされ、小ばかにされた挙句、絶好のカモとして恰好の餌食にされてしまうのです。

「(おっ、オバハンえらいイキッテもて、小鼻ふくらまして歩いとんで。ええカモや!よっしゃ一勝負かけてこましたろかい) いらっしゃいませ、あら―奥様、素晴らしい指輪で!」

ここで店員が使った“イキル”という言葉。

これは関西地方独特の下品なスラングでございますが、音声的にはイキに似ておりますが、まったく似て非なる違う意味合い。標準語に変換すれば、粋がって、とでも言いましょうか。無理して背伸びし、虚勢を張ってるサマという風な態度で、粋というより野暮に近いありさま。

成金などと呼ばれる社会階層の方々が、どんなもんじゃいとばかり、大粒ダイアその他大粒宝石をこれ見よがしにお着けあそばし、横柄な態度で店員に接するような行動はその代表的なパターンではないでしょうか。

さて、それでは粋なジュエリー、宝飾品とはどんなものかというのが、これからご紹介いたしますこちらのネックレス。

マルチストーンネックレス

こちら全長70センチメートルの長めのネックレス。

パステルカラーの色違いのセミプレシャスストーンをベゼルセッティングで留め、これをホワイトゴールドのマルアズキチェーンがステーションネックレスの体裁で繋ぐ、いたってシンプルな作り。

「なんや、アクセサリーみたいやん。ダイヤの飾りもないんかいな、折角の宝石やのに、こんなん値打ちあらへんやないの!」

そういう風に思うあなたは野暮な人。

もちろんこんな風なアクセサリーはいくらでもございます。しかももっと安価で。

そこを本物で装おうっていう心根が粋なんでございますよ。

マルチストーンネックレス

無粋な人には分かりますまいが、本物には本物にしかないオーラってもんがございます。それを知ってこだわる人が粋な人、すなわち粋人てことになるのでございます。

このようなネックレスをさりげなくマーガレット・ハウエルの軽い素材のカジュアルなお召物にでも合わせて頂くと、もう一目で惚れちゃうね。

えっ、惚れいでエエ、爺さんお断り、迷惑てか?エライすまんの

ニルヴァーナに誘うダイアモンドの輝き

トリリアントシェイプ ダイヤリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

これはなかなかのもんで御座いますよ。この佇まいをご覧いただければ百貨店外商顧客のアナタ様には手前の陳腐な説明なんぞ一切不要。さらに価格をご覧になって驚きと疑念が脳裏に渦巻いていることとお察し申し上げます。

もう30年以上昔になるでしょうか、「ビートたけし氏絶賛!」なんて書かれた、本に巻かれた帯の宣伝文句にまんまと引っ掛かかり、衝動買いしてしまった本のタイトルが

「 町で一番の美女 The most beautiful woman in town 」

作者はチャールズ・ブゴウスキーというアメリカの作家。

この作家、それまで読んだアメリカの小説家とはまったく異なる稀に見る無頼派、というかそんなありきたりな言葉など頭から拒絶するようなパンク野郎。

小説の体裁は日本で言うところの私小説のような、自らの身におきた事柄、体験を元に小説化していくといった体ながら、その生活そのものが、<poor white trash , 白人のくず>と呼ばれる、合衆国における白人低所得層のヤサグレ野郎の捨て鉢生活。

日本において同様の社会階層に属し、うらぶれた暮らし向きのわたくしと致しましては共感、感銘するところ多く、以降この作家にどっぷりはまってしまったわけであります。

さて、この「町で一番の美女」がどんな話かというと、実は昔の事とて細部はすっかり忘れてしまったのですが、主人公のアル中放蕩ヤサグレおやじが、若くて町一番の美女のアバズレ女とねんごろとなり、有頂天になったは良いが、それも束の間、この女の子があっけなく自殺してしまい、失意と絶望のどん底に突き落とされるといったやるせない話だったかと記憶しております。

美人薄命などという様に、昔から美人美女は薄幸薄命と相場は決まっております。

わたくしも同年代の美女、女優の夏目雅子さんが若くして白血病で亡くなった時など、まさに美人薄命よなー勿体ないと嘆き、悲しみに暮れたものでございました。別に自分の彼女でもないのに。

しかしながら、実はこの美人薄命という言葉、あまり真理をついた言葉ではございません。

もちろん美人は薄命なのですが、それ以外の美人でない老若男女その他大勢も、人間というものすべて、否、生きとし生けるものすべからく薄命に出来ているのでございます。

「朝には紅顔ありて夕べには白骨となる」の諺どおり、人の運命はまさに一瞬先は闇。

お釈迦様の説かれた諸行無常の教え通り、かたちあるものは全て滅びゆく定めとなっているのでございます。

トリリアントシェイプ ダイヤリング

なれば、なぜ美人だけを殊更薄命などと言い立てるのかというと、やはり美しいものは失くしたときの喪失感が大きい。惜しい気持ちが半端無い。簡単に言うと目立ってしまう。

美しく生まれるというのもなかなか面倒なもので、良きにつけ悪しきにつけ何かと目立つ。

ニコッと微笑んだと言ってはギャラリーがどよめき、涙ぐんだと聞けばファンがもらい泣きし、屁をひったと聞けば、あんな美女がまさか!という事で重大ニュースになる。なかなか気疲れの多い、心の休まる暇のない因果な商売でございます。

因みにこの「無常」と「無情」という言葉を混同して理解されている方も多いようで、全ての事物が移ろい消えゆく運命をなんともむごい事であるよなー、と解釈される向きもあるやに存じますが、それはまったくの誤解。諸行無常とはそんな人間のセンチメンタリズムなど一切入り込む余地のない宇宙の大原則、真理そのものなのであります。

と申しましても我々は生きている者全員、死の滝壺に向かい、今は亡き国民的歌手、美空ひばりが歌うところの、川の流れに乗って、ただ漫然と流されて行くだけ。いかに医療が進み、僅かな抵抗によっていくばくかの猶予を得たとしても、行きつく先は同じこと。嗚呼無情とも言いたくもなるわけです。

トリリアントシェイプ ダイヤリング

我が国の一日当たりの平均死者数は、パンデミックに関係なく3000人以上。年に換算すると100万人以上が死んでいく計算。つまり100人いれば一年後に一人は確実にいなくなる勘定。その確率の高い事、宝くじの比では無い!

そんな、明日をも知れぬ儚い定めの人間、どうしても永遠に変わらぬものに対する憧れの念が強くなるのは当然。

“ダイアモンドは永遠の輝き!”

などと申しますが実はダイアとて永遠ではない。

無常の法則に照らし合わせるとダイアモンドすら必ず滅する運命。ただその寿命の尽きるのは人間の想像を超えた遥か彼方の未来。ですから蜻蛉のような人の人生からすると永遠のようなもの。

この永遠の輝きと最強の硬度の鉱物に、死の危機と絶えず隣り合わせの儚く脆い人間は何らかの心の拠り所を見出そうとするのでしょう。

トリリアントシェイプ ダイヤリング

さて、ご覧いただいておりますのは、三角形の大粒イエローダイア2キャラットと、こちらも三角形の透明ダイア0.6キャラットを、底辺x高さ÷2の底辺同士で合わせました実に大胆なデザインのお洒落なリングでございます。

大粒のダイアモンドのリングというものは作る側も緊張するのか、冒険するのが恐ろしいのか凡庸なデザインが多いもの。

ところがどうですこちら、なんとも遊び心が溢れた斬新かつ無駄のないデザイン。

トリリアントシェイプ ダイヤリング

しかもオーダーメイドなのでしょう、リング枠も実に骨太、しっかりとした重厚感が着けた瞬間に伝わります。大粒イエローのトリリアントカットのまばゆい輝きはまさに未来永劫衰える事のない永遠の煌めきでございます。

このダイアモンドの輝きの一瞥のみで、見る人はその美しさに心を奪われ、瞬時死の概念、死への恐れは消え去るのです。

テック・ナット・ハンというベトナム生まれ米国在住の高僧がおられます。彼の著作に「死もなく、恐れもなく」という本がございます。

死やその他諸々の不安はどこから来るかというと、全てはその人の心が作り出す幻だと彼は説きます。

モンキーマインドといって、枝から枝へ絶えず飛び移り、休むことのない猿のような心。これを治める事が出来れば、自ずと死に対する不安は無くなるというのです。

言うは易く行うは難し。この思考が消えた状態こそが悟りと呼ばれる「無」の境地。

しかし、これに達するには相当な修行が必要。

しかしほんの一瞬でしたら、息を呑むような美しいものを見る事によって、あなたの思考も止まるはず。

わずかなひと時ではございますが、こちらの強力なダイアモンドパワーによってあなた様もニルヴァーナ、涅槃の境地へ行ってみたいと思いませんか?

【ツァボライト】グリーングリーングラスオブホーム

グリーンガーネットダイヤリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

あら、奥様素敵なエメラルドの指輪ですこと。いえ、これはそんな良いもんじゃございませんわ。ガーネット、緑のガーネットなんですのよ。まっ、グリーングロッシュラーガーネット別名ツァボライトじゃございませんか、珍しー!あら、よくご存じネ、おほほほほ。

お盆も過ぎますと季節も晩夏という事で、忍び寄る秋の気配がそこかしこに漂い始め、侘しいような、心細いような気分がふつふつと湧き上がってまいります。

この情感を、夏のはじまりとともに燃え上がり、その季節の終焉とともに終わりをつげた切ない恋の想い出と重ね合わせ、叙情豊かに歌い上げたのがユーミンこと松任谷由実がまだ荒井の姓を名乗っていた頃の名曲、その名もずばりの「晩夏」。

しかし、このような叙情効果も暑い夏があればこそ引き立つわけで、今年のような梅雨のような長雨、豪雨続きだと、もうまるっきり季節感が薄れてしまい、そう言った季節の移ろいを愛でる、あるいはそれに託し屈託の想いを歌にする、なんて悠長な事は言っていられません。

イギリスのSF作家J ・Gバラードがその作品「沈んだ世界」で描いた世界は、地球規模の気温の上昇により、極地の氷がすべて溶解し、地球上のほぼすべての都市が水没していまうという、ぞっとするような内容。

照り付ける灼熱の太陽の下、熱帯の植物が繁茂する高温多湿の残された土地で、何の有効な手立てもなく、滅びの道を歩む人類の様子がたんたんと描かれています。

最近の日本列島を襲う異常気象を目の当たりにし、昔読んだSF小説の不気味さがふと蘇ってまいりました。

バラードの小説では、ありきたりのスペースオペラのように、人類が目の前に迫った困難、危機を打ち破り、希望の明かりを見出す仕掛けなど一切見られず、実存主義の不条理小説の様に、人類に降りかかる艱難辛苦がリアルかつドラスティックに描かれ、読む人の心の内に不安を増殖するのです。

しかし、これはあくまで人類の視点に立てばこその感情で、実は地球は単に自らの、人に例えるなら免疫作用のような自己防御の働きにより自分の身を守っているだけなのかもわかりません。

スタジオジブリの名作「風の谷のナウシカ」の中で描かれている逸話。

最終戦争後の荒廃した地球で、腐海と呼ばれる猛毒を噴出する菌類の広がる地層奥深く、実は空気の浄化がその菌類によって粛々と行われているというエピソードもこういった生きている星、地球自体の有機体としての免疫のプロセスを暗示しているのではないでしょうか。

「国破れて山河あり」と漢詩の一節にある様に、人類の盛衰とは無関係に、まったく別の次元で地球は自らを修復する活動をダイナミックに行っているのです。

地球温暖化に伴う、大雨大洪水もそういう見方をすれば単に地球自身の修復作用、文字通りの自然治癒の活動なわけで、そんな修復作業を起こすきっかけは、さて誰が作ったのでしょうか。

グリーンガーネットダイヤリング

SFの世界だけでなく、荒廃した大地をまず始めに癒す働きを担うのが、バラードの小説でも登場する緑豊かな植物の働き。

例えば、人口減少のせいでしょうか、近ごろなにかと目につく街中の廃屋。

住人のいない家屋というものは、その鬱蒼と草生し蔦絡まる様子で一見してそれと分かります。

こういった光景、人の眼から見れば荒廃したありさまという事になるのでしょうが、例えば神の眼で眺めたとすると、ヒトの傷が血液で覆われ凝固し、かさぶたとなり傷を癒すように、自然が本来あるべきカタチへ回帰しようという、癒しの過程と映るのではないでしょうか。

実際こいうった家屋に侵食してくる緑の草木を目にしましても、我々は例えば害虫などを見て怯え嫌悪するような感情は不思議と起こりません。

それどころか、観光として訪れる風光明媚な景勝の土地などでは、その緑豊かな風景そのものを愛でる事が目的。

例えば、「目には青葉山ほととぎす初鰹」などと昔の有名な俳句に詠われておりますように、緑の木々が人々の心に与える癒し、安らぎの効果は計り知れません。

それはきっと我々も自然の一部で、独り人類だけが自然からかけ離れて地球上に存在しているのではないという証なのでありましょう。

ということで、今回は着ける方に癒しの効果を約束する、緑鮮やかなのジュエリーのご紹介という運びとなっております。

グリーンガーネットダイヤリング

ご覧いただいておりますリングは鮮やかなグリーンガーネットが横二列に規則正しく並び、それを細かいダイアモンドが豪華に縁どり、グリーンと相性のよいゴールドの枠がしっかり支える構造となっております。

ガーネットと聞いてまず思い浮かぶのは、赤色系統のアルマンダイトやロードライトガーネット。

しかし実際に魅力的なのはグリーンのガーネット。こちらのグリーングロッシュラ―ライトガーネットや非常に希少なデマントイドガーネットの類。

グリーンガーネットダイヤリング

特にこちらのグリーングロッシュラ-ガーネット、別名ツァボライトとも呼ばれるこの石は、その緑色がエメラルドのそれとやや異なり、黄色味が強く鮮やかで照りもあり、如何にも葉緑素をふんだんに含んだ肉厚な植物の葉っぱのような色合い。

19世紀末から20世紀初頭に活躍したフランス人画家アンリ・ルソーが描く不思議な雰囲気をもつ絵画の中に、数多く出てくる熱帯のジャングルの鮮やかで印象的なグリーンがまさにこの色、この雰囲気。

見る者をして、その世界に思わず引き込まれそうになるルソーの絵画空間同様、グリーンのガーネットに引き込まれ、熱帯のジャングルを感じて頂ければ、何処からともなく、化鳥や野生動物の鳴き声がこだましてくるかも分かりませんよ。

炎の癒し、ファイアーオパール

ファイアオパール ダイヤ リング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

炎の女が着ける炎のオパール。煉獄さーん!って男やないかい!

夏真っ盛り、毎日暑い日が続きますが、皆様お変わりございませんでしょうか。

もうじきお盆という事ですが、最近ではすっかりお盆の行事というものが廃れ、かく言う私も仏壇に線香一本花一凛たむけるわけでもなく、ご先祖様各位にはまったくご無礼申し上げておる次第でございます。

私がまだ子供の頃には各家庭それぞれお盆を向けて、冥界から帰省するご先祖様の魂を迎えるべく、色んな拵えや飾りつけに余念がなかったように思います。

ただ、わたくしの育った家に関して言えば、母子家庭で男児二人兄弟の環境。母親一人が家事全般を取り仕切らなければいけなかった事も手伝って、ほとんどと言って良いくらいお盆らしい支度は無かったように記憶しています。

ただ、この時期に友達などの家に遊びに行けば、提灯や行燈を灯し、迎え火を焚き、仏壇周辺にはキュウリや茄子に爪楊枝を刺して造ったような動物やお花、お菓子、果物などを飾りつけ、盛大にお盆の機運を盛り上げ、ご先祖様の帰宅を寿ぐ?様子が垣間見られたわけでございます。

さて、このお盆の飾りつけにおける照明設備でございますが、西欧のクリスマスのピカピカ輝く電飾とは対照的に、提灯、行燈、灯篭といったぼんやり点るろうそくが光源の灯りが中心。

ろうそくの灯りと言いましても、もちろんわたくしが子供の頃より、火災防止の観点からすでに電灯にとって替わっていたわけですが、その電気の灯ももちろん、ろうそくの灯を模した白熱電球の輝き。

ファイアオパール ダイヤ リング

ぼんやり点った行燈が仏壇左右に設えられ、中央には百目ろうそくの炎がゆらぎ、祭壇からは線香の煙たなびく景色はいかにも厳かな雰囲気で、だらけがちな蒸し暑い夏をキリっと引き締めてくれるような効果がございましたね。

さて、このろうそくを光源といたします行燈、提灯、灯篭などの日本の伝統的な灯りに相通じるのが、ご覧いただいておりますファイアーオパールの輝きなのでございます。

ファイアオパール ダイヤ リング

ダイアモンドの輝きを最新のLEDの冷たく鋭い光に例えるなら、このファイアーオパールの輝きは本当に名前のとおり、ファイア、すなわち炎のような如何にも熱、ぬくもりを感じさせてくれる輝きではないでしょうか。

火災を例にとるまでもなく、すべてを焼き尽くす炎は本来恐るべきものであり、実際野生動物は火を本能的に恐怖するわけでございます。

しかし不思議と人間だけは原始時代から火の利用、活用によって文化文明を築き発展させてきたと同時に、火や炎そのものに安らぎや、癒しを見出し、さらには死者の弔いや五穀豊穣祈願などのスピリチュアルな儀式には欠かす事の出来ない神聖なものと見なしてまいったのでございます。

ファイアオパール ダイヤ リング

キャンプでの焚火や暖炉の炎は実用面だけではなく、深く心を癒し、その場所の雰囲気を和ませてくれる働きがございます。

また、洋の東西に関わらず、あらゆる宗教儀式においての蝋燭や護摩行などによる炎の演出は、邪気を払い、聖なるものを讃えるしるしとされてまいりました。

事実、拝火教とも言われる、偶像ではなく火そのものを拝むゾロアスター教という宗教すら古代ペルシャに存在していたそうでございます。

さて、そのような心を癒し、死者の魂を鎮める輝きを本物の炎に替わって、常に携帯できるという便利な指輪がこちら。

ファイアオパール ダイヤ リング

この指輪、真ん中には、1.78キャラットの大きすぎず、また小さすぎない、そして山高の姿の良いころ合いのカボッションにカットされました、オレンジが鮮やかなファイアーオパール。

これを四本の爪でしっかとリング枠に留めまして、それを細かいメレダイアモンドがひと巻きぐるっと囲みます。

さらには、腕にも左右三つずつ小さなプリンセスカットダイアモンドがレール留めで留められているといった、なかなか凝った造り。

そして、何をおいてもこの中石のファイアーオパールの游色効果、プレイオブカラーが実に良い。

ファイアオパール ダイヤ リング

写真ではなかなか上手く伝わりませんが、指にはめ、微妙にあらゆる向きに動かして頂きますと、石の奥底より黄緑色の細かい煌めきが、あたかも勢いよく燃え盛るたき火が、中心から爆ぜるようにメラメラと湧き出してまいるのでございます。

この文を書きながらも、その様子を眺めて、ついその神秘的な美しいサマに思わず書く手が止まり、見入ってしまうくらいなのでございます。

さて、神様仏様極楽地獄死後の世界などという事にとんと無頓着な罰当たりなわたくしではございますが、そんな非道な人間の心をもつかみ、癒しを与えてくれる聖なる炎の輝き。

最早この世には無いご先祖様にではなく、毎日が大変な人生を生きてるあなたへの癒しのお守りとしておひとついかがでございましょう。

貴女を強く印象付けるピアスの輝き

バケットカット 一粒ダイヤ ピアス

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

ダイヤモンドの輝きがシャープにソリッドにクールに引き立つスクエアカットのダイヤピアス。知ってる英語皆使こてこましたった、どや!言うても綴り知らんねけどねアホやさかい

人生も黄昏時に差し掛かってまいりますと、不思議と幼い時の記憶の断片が、古池に湧き上がってまいりますあぶくのように、ふと浮かんでまいります。

それは明方の夢の中であったり、はたまた通勤途中の電車の中の白日夢であったりと場面は様々なのですが、その時の状況とは何の脈絡もなく唐突に脳裏に去来するのでございます。

つい先日も帰りの電車の車窓から、暮れなずむ空に広がる茜色に染まった雲を何気なく眺めておりますと、急に昔見たクルマについていた三角窓の記憶が不意に浮かび上がってまいったのでございます。

あれはまだ、私が幼稚園に行くか行かぬ頃。早世した父の勤めていた会社の社宅に住んでいた時の頃でしょうか。

当時はまだ道路の舗装も普及しておらず、住宅街と言えども砂利を敷いたような道だったように思います。

その未舗装の砂利道に停車していた車は、きっと当時の事ですから、初代のトヨペットクラウンかなにかで、今から思えば光岡自動車が作ってるような如何にもクラッシックカーという趣の車だったに相違ありません。

当時はまだ自家用車というものは一般家庭には馴染みがなく、きっとそれはタクシーか社用の車かだったのでございましょう。

幼児の背丈からすると、きっと今眺める大型トラックほどの重量感、迫力で当時の私の眼には映ったことでございましょうが、それよりも、というかその車全体を強く幼い私の脳裏に印象付けたのが、三角窓の輝きだったのでございます。

バケットカット 一粒ダイヤ ピアス

自動車の三角窓などと申しましても、今の方にはまったく馴染みのないもので、何のことやらと当惑されている方がほとんどだと思うのですが、これは車内の換気や、エアコンの無い時代、自動車の走行に伴う送風による冷房の為に設けられた工夫。

大抵はフロントドアのウィンドウの前方部分に装備され、縦軸方向の可動により人力にて開閉する仕組みになっていたのです。

今でも、たまに街で見かける古いタイプのフォルクスワーゲンビートルにこの装備を見る事ができます。

その時は車の中にきっと運転手か誰かが乗っていて停車していたのでしょう。三角窓が開けられており、その開いた角度がちょうど太陽光線を反射して、まるで三角形のライトの様に明るい光を放射していたのです。

さて、その反射した日光が朝日か、夕陽か、昼間のものか、あるいは母や祖母が一緒にいて、その光について問いかけをしたかどうか、また車の車体の色がどうだとかいう事はもう半世紀以上も昔の出来事なのでまったく記憶の埒外でありますが、その鮮烈な輝きにたいする驚きが車の印象と共に幼い私の脳裏にしっかり残り、鮮やかな記憶として刻み込まれたのでございましょう。

一瞬の煌めきが人間の記憶に与える効果を期せずして体験した幼子の私でございますが、この作用、仕組みこそが、文字どおり光り物と言われる、宝石、宝飾品がファッション、服飾、美容の分野で果たす重要な役割となっているのでございます。

ファッションにおけるジュエリーの重要性は今更申すまでもございませんが、実際いかに高名なデザイナーのワードローブで着飾ろうとも、最後の仕上げともいえるジュエリー、アクセサリーといった装飾品の存在無くしてその完成を見る事は出来ません。

料理の盛り付けではありませんが、最後の仕上げは光のアクセントでフレーバーを効かすわけでございます。

バケットカット 一粒ダイヤ ピアス

さらに、もはやファッションの一部とも言える美容の観点からも、ジュエリーの応用、特に美顔においてのイヤリング、ピアスの存在はメイク術と切っても切り離せぬ関係性が有るようにうかがっております。

数あるコスメティックの中にはハイライトといって、肌に塗布して顔色をよりよく見せる顔料があるそうでございますが、実際派手やかなお色の耳飾り、首飾りをお着け頂きますと、これと同様の効果をそのお顔の表情にもたらすことができると言われております。

さらには、また小さくとも輝き鋭いダイアモンドのピアスなどをお着け頂きますれば、幼き日のわたくしが自動車の三角窓から得たと同様のインプレッションを見る人に与えることが可能となります。

すなわち、閃光のような一条のダイアモンドの輝きが、あなたの印象を強く見る人の心に焼き付ける事となるのです。

実際、無邪気な童子が長じ、むさくるしい青年へと成長を遂げた私は、今度はこの耳朶からの閃光のせいで多くの女性の印象を心に強く焼き付けられる羽目とあいなり、叶わぬ片思いの苦い記憶とともに、今でも明方の夢から涙ながらに目覚めるのでございます。

さて、あなた様もこちらにお示しいたしました、ちょっと珍しい角ダイアのピアスの透明な輝きでもって、世の男どもの心に、消すに消せない鮮烈な印象を焼き付ける罪作りな女になってみてはいかがでございましょうか?

こちらのダイアモンドピアスは、買い取ったりした商品から外してパーツとしてストックしているダイアモンドの中から厳選して拵えた、当店のオリジナル商品でございます。

バケットカット 一粒ダイヤ ピアス

こういった四角い形状のダイアモンドは、大きい色石のリングの脇石として良く見かけるタイプで、ステップカットあるいはバッケットカットと呼ばれる長方形にカットされたダイヤモンドでございます。

こういった形状のダイアモンドはラウンドブリリアントとはまた趣が異なり、キラキラした煌めく光ではなく、透明で、まるで鏡からの反射光のようなストレートで純粋の光の反射を見る人に届けます。

こういったステップカットのダイアモンド、カット面がラウンドに比べて少ない分、ごまかしが利きませんのでキズや色味はすぐ目に付きます。

バケットカット 一粒ダイヤ ピアス

しかしこちらのペア、よほど良い中石のお供だったのでございましょう、クリーンで無色透明。非の打ち所がございません。

この非の打ち所の無い透明純粋無垢の輝きこそが、あなた様の非の打ち所を見事消去せしめ、あたかも地上に降り立った女神の如き印象を、健全な青少年から脂ぎったオヤジまで、全ての男性の脳裏に深く刻み込まずにはおかないのでございます。

【希少石グランディディエライト】真夏のホラーの一席

グランディディエライト ダイヤリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

とんでもない石が出ましたよ。この道40年、GIA.GGの小生をして初めてお目にかかったレアストーン!いやー長生きはするもんです。

夏の風物詩と申しますと昔から西瓜にかき氷、ビールに枝豆、浴衣に風鈴、花火に蚊遣と相場は決まっております。

ただ最近は季節感が薄れてきたとかで、そういった風情を愛でる、楽しむてな風流はとんと下火だそうで。

もののけ、幽霊 妖怪のたぐいなども、昔から夏場の流行りモノと相場は決まっているようでございまして、扇風機やクーラーなんてものが無かった時分に、ぞーっと胆の冷える恐ろしい気分を味わって涼を取ろうなんて言う、庶民の苦し紛れの工夫がそもそもの始まりだそうでございます。

さて、普段は陽気なお笑いが売り物の寄席ではございますが、夏場ともなりますと笑ってばかりじゃ汗が噴き出てたまらない。

少しはお笑いの合間に涼を取る工夫をしなければ、という事で、普段は毎度ばかばかしいお笑いの一席を演じる噺家さんが、身の毛もよだつおどろおどろしい怪談噺を演じるという事にあいなったのはそういう事情があればこそ。

さて、落語の怪談噺を語る上で、いの一番に挙げなければいけないのが三遊亭圓朝という江戸明治の時代に活躍した名人の誉も高い大師匠。

名人上手と呼ばれる噺家数あれど、この人の上手さは頭抜けて凄く、その凄さゆえに先輩後輩同僚はおろか自らの師匠からすら疎まれ、嫉妬をかい、陰湿ないじめを被ったというのでございます。

グランディディエライト ダイヤリング

どのような、いじめかと申しますと、この人の得意な演目を本人の出番が回ってくるまでに他の噺家が先を越して演ってしまうという嫌がらせ。

普通は寄席内の暗黙の了解があって演者それぞれが遠慮し合って上手く回していくところをわざと意地悪をして得意の出し物を封じてしまおうという魂胆。しかも自らの師匠が率先してするのだからたまったものではございません。

しかしこれでへこたれる様なヤワな圓朝ではございません。

それじゃあ他の噺家が先回りのしようの無い、自分にしか演じることの出来ないオリジナルの噺をこさえて演ってやろうじゃないかてんで作った話の数々が、これまた後世に残る名作揃い。

中でも代表作の一つと言われる「真景累ヶ淵 (しんけいかさねがふち) 」は全九十七章からなる超大作。とてもいっぺんに語ることなどできない大河ドラマ顔負けの一大スペクタクル。内容とて落語とは名ばかりのシリアスな人間の欲と業の絡み合い。

グランディディエライト ダイヤリング

またその末に生じた殺生沙汰によって殺された者の怨念が亡霊となって祟り、更にはこれが子々孫々まで続く因縁因果となり、陰惨な物語が螺旋の如く繰り返えされるという。まさに背筋も凍る怪談噺の傑作なのでございます。

このお話があまりによく出来ているという事で、後年映画になったり、歌舞伎になったりと大層な人気を博したわけでございます。

残念ながら、三遊亭圓朝師匠のオリジナルの高座の音源は昔の事とて、現存いたしませんが、その孫弟子あるいはひ孫になるのか定かではございませんが、昭和の名人と言われた三遊亭圓生師匠がこの「真景累ヶ淵」を得意の演目としており、現在も在りし日の名人圓生の話芸の粋をYouTubeなどでお楽しみいただけます。

ご興味のあるお方は是非そちらの方で。

とまあここまで引っ張っておいての今回は宝石、宝飾品の中のオバケの話。

グランディディエライト ダイヤリング

わたくしがまだ宝石店に勤務いたしておりましたバブル前からバブル期にかけて、日本中はまるで熱に浮かされてるかのように好景気に浮かれ騒ぎ、もう毎日がお祭り騒ぎ、年中ブラジルのサンバカーニバルの様な体。

不動産価格はずっと右肩上がりで、地上げ屋などといわれる胡散臭い連中が暗躍し、普通の主婦ですら株取引に手を染め、ひと月で何百万儲けたなんて話はざら。

どの企業も業績絶好調につき決算賞与に海外社員旅行と、もうどちら様も大層な大盤振る舞い。

さて、そんな時によく売れたのが宝石のオバケ。

オバケたって、なにも指輪に卒塔婆がたって人魂が青白くその上を浮遊しているわけじゃございません。平たく言えば大きさ重視品質軽視のジュエリーなわけであります。

分かりやすい例えでダイアモンドを例にあげれば、DカラーVVSIの透明度、エクセレントのカットグレードの0.5カラットのダイアモンドよりも、Mカラー、I2の内包物どっさりのカットがプアーで3カラットの大きな方が断然人気。

「そんなもんな、石の良し悪しなんか素人には解らへんねんて、なんせ大きさやて。ガツーンとはったりかませるようなん嵌めてやんと舐められんで、ほんま!」

とまあそんな如何にも、あぶく銭をつかんだ、にわか成金的風潮が世間一般に広がり、オバケ宝石の需要は高まったのでございます。

グランディディエライト ダイヤリング

先ほどは分かり良いようにダイアモンドを例に挙げましたが、実際のオバケ宝石の主流は色石でありました。

ダイアモンドはどうしても鑑定書というものが付いてまいりますので、そこを突かれるとマズイわけなのでございますが、色石はそんなややこしいものは無い。

20,30,40キャラットを優に越える、灰色不透明なスターサファイアや赤かぶの様な色の不透明なインドスタールビー、ラッカーで着色したような不透明で濁ったヒスイ、内包物だらけのまるでストーンウォッシュ加工かと見まがうようなエメラルド。

そんなデカいだけで何の美しさも魅力も感じられぬオバケ宝石がよく売れてたのでございますが、果たしてみんないったいどこに行ったのでしょう。オバケだけに無事な成仏を願わずにはおれません。

品質重視の当店におきましては、あいにくオバケの見本になる様な手ごろな商品がございません。

そこで、お化け同様滅多にお目にかかる事の出来ない幻の希少石を良い意味でのオバケという事でここにご紹介いたしとう存じます。

グランディディエライト ダイヤリング

さて、こちらのグランディディエライトという舌を噛みそうな宝石名の石、実はわたくしもまったく知らなかった宝石なのでございます。

実際わたくしが宝石屋に勤務しておりました頃は商品として流通すらしていなかった。バブル紳士淑女がどうあがいたって手に入れる事すらできなかった、まるでオバケのように存在すら不確かな宝石なのでございます。

実際この宝石が最初に発見されたのは1902年ということなのですが、このような透明の宝石品質の結晶が発見されたのは今世紀初頭のこと。

なにせ、かの世界的な経済誌「フォーブス」にレッドダイア、ターフェアイトについで世界で3番目に高価な宝石と評価されたそうでございます。

いかがでございましょう、この清涼感あるマリンブルーの輝き。

グランディディエライト ダイヤリング

まさにこの夏の季節にピッタリなクールなイメージ。しかも誰もこの石の正体を見抜ける人がいないという怪奇現象を引き起こす実にミステリアスな宝石。

「あら、素敵なアクアマリン」

「いえ、アクアマリンじゃないの」

「ブルートパーズ?」

「ブー!」

「じゃ何?教えて」

「オバケ」

ギメルダイアリング神聖な輝きの秘密

GIMEL(ギメル) パヴェ ダイヤモンド リング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

25個のダイヤがギラッギラッ!まともに見たら眼ぇ潰れんで!

「玉磨かざれば光なし」などと申しまして、折角のもって生まれた天賦の才も、たゆまぬ努力によって研鑽し続けなければ、その真価は発揮されない。というほどの意味の格言でございます。

現在行われております東京オリンピックに出場しているアスリートの諸氏たちはそういった才能と努力の融合が見事に実を結んだ見本のような人たちばかりでございましょう。

その点悲しいかな、わたくしなんぞは、何の才の持ち合わせも無き十羽ひとからげの凡人としてこの世に生を受け、その上何の努力も切磋琢磨も修行もせぬまま、その日暮らし無為徒食暴飲暴食の生活を長きにわたっておくってきた顛末として、かくのごとくに貧しく、うらぶれた果てた孤独な年寄りとなり、無惨にも朽ち果てた老醜を世間に晒し、恥を忍んで生きているような有様でございます。

げに恐るべきは、お釈迦様の説かれた因果律の道理でございます。

さて、「玉磨かざれば光なし」の格言、一般的な広義の意味合いは上述の如くでありますが、わたくしが長きにわたって調査研究いたしてきました東洋体育、すなはちヨガ、気功、陰陽道、漢方医学、整体などの観点から論ずる場合、見解がいささか異なるようでございます。

東洋では心身健康の要諦、さらには宇宙を司る原理原則の根幹に位置する概念が「気」あるいはヨガで言うところの「プラナー」と呼ばれるもの。

「気」とは簡単に言うと、元気の「気」の事であり、一種の生命エネルギーであります。

「気は意によって導かれ血がそれに従う」と言われるように、東洋医学では気の滞りが病気を引き起こし、逆にその気を意識の力で体内にこれを能く巡らせることができれば、健康長寿の道は開けるという考え方で、これこそがヨガや気功の根本理念でもあるのです。

GIMEL(ギメル) パヴェ ダイヤモンド リング

ヨガ、特にクンダリーニヨガと呼ばれる流派は、クンダリーニという言葉自体がこの気そのものを表しており、この気を開花させる、すなわちクンダリーニの覚醒を起こし、そのエネルギーを操る事を主眼に置いたヨガであります。

また、中国で盛んな気功もこの生命エネルギーである気を身体全体に巡らせる事を大周天、小周天などと呼び、ヨガ同様この気の体内循環が重要視されております。

このヨガと気功には共通する点が多くあり、これはヨガが仏教などの伝播と同じくインドから中国に伝えられ、気功に発展したという説もあるのですが、そもそも人体における原初の気、あるいはプラナーの発生すると言われる場所がヨガ、気功ともにまったく同一の身体の部位なのでございます。

その部位とは日本で言うところの臍下丹田という身体の一部、つまりお臍からさらに下の下腹部の体幹部あたり。

気功ではこの場所を気海と呼び、ヨガではクンダリーニというエネルギーの蛇がとぐろを巻いて眠っていると言われる、ムーラーダーラチャクラと呼ばれる場所がそれです。

この思想が日本に渡来し武道の基本、胆力を育むと言われる、先述致しました臍下丹田の教えへと移行したものと考えられます。

GIMEL(ギメル) パヴェ ダイヤモンド リング

さて、この臍下丹田、気海に眠るエネルギー、クンダリーニの蛇が目覚め活性化されるとどうなるかと申しますと、丹田から頭頂へとエネルギーが火山噴火のマグマの如くに一気に上昇いたしまして、身中はエネルギーが満ちあふれ、頭脳の回転が飛躍的に向上し、洞察力がまし、更にはサイキックなパワーが開花し、アニメでお馴染み、ドラゴンボールにおけるかめはめ波の波動の放出が可能となります。

さらに心は愛と慈しみに満たされ、最終的に解脱、悟りの境地に至るそうでございます。

この丹田に秘められた無尽蔵の気のエネルギーの開放こそが真の意味での「玉磨かざれば光なし」の格言が指し示すところの、東洋における超人思想の根幹をなすものなのでございます。

さてこのクンダリーニ上昇のメカニズム、実は不思議な事にダイアモンドの輝きのメカニズムと見事に符合するのでございます。

GIMEL(ギメル) パヴェ ダイヤモンド リング

そもそもダイアモンドといっても原石の時からピカピカ、キラキラと輝いているわけではなく、カットに一番適していると言われる理想的な原石の形、ピラミッドを上下に合わせたような正八面体のソーヤブルと呼ばれる良質な原石でさえ、見た目は氷砂糖か氷の欠片の様な状態で、決して目を見張り驚くほどの美しさではございません。

それを皆様お馴染みの、まばゆいダイアモンドの輝きに昇華させているのがダイアモンドカット研磨の技巧。

特に1919年にマルセル・トルコフスキーによって開発されたラウンドブリリアントカットはダイアモンドを最も輝かせるように屈折率等の光学的特性を十全に考慮した結果生まれた宝石ダイアモンドの究極的な形。

GIMEL(ギメル) パヴェ ダイヤモンド リング

このカットの仕組みを簡単に説明いたしますと、ダイア上部のクラウンと呼ばれる部分がレンズの役目を果たし外部の光を集めます。

そしてその光はダイア下部のパビリオンと呼ばれる部分へと導かれ、そこで光が外に漏れ透過する事無き様周到に設計されたパビリオン角度の妙によって、再び光は全反射され上部に跳ね返され、お馴染みのまばゆい輝きとなって見る人の眼に映るわけなのでございます。

まさにこの下部に蓄えたエネルギーが眩い光となって放出される仕組みこそ、人体におけるクンダリーニの上昇そのものではございますまいか。

もちろんクンダリーニの覚醒がすべてのヨギ、すなわちヨガの修行者に起こるわけでないのと同様、ダイアモンドにおいてもこのラウンドブリリアントカットの精度が高くなくてはクンダリーニのような神々しい光を得る事はできません。

という事で、いつもの事ながら談志師匠のような長いマクラ、前置きとなってしまいまことに恐縮でございます。

さて、お立合い!

ここにお示しいたしたるは、かのギメル社製ダイアモンドパヴェリング。

GIMEL(ギメル) パヴェ ダイヤモンド リング

GIMEL(ギメル) パヴェ ダイヤモンド リング

この指輪、豪華にセットされておりまする宝石は大小すべてが言わずと知れたダイアモンド。

これらすべてのダイアモンドは一つとして欠ける事のない、最高のカットが施された最高品質のダイアモンドでありまする。

がゆえに、まさにムーラーダーラチャクラより上昇すると言われるクンダリーニのエネルギーかと紛うばかりの神々しい輝きがすべての石から発せられ、あたかも発光しおるやと人の目を欺くほどの強い光が目も眩むほどの輝きで煌めいているのであーる!

GIMEL(ギメル) パヴェ ダイヤモンド リング

そして驚くことなかれ、この輝きの一瞥のみによって、ある者には真我の目覚め、則ち覚醒、エンライトメント、悟りが訪れるというから凄まじい!まさに驚異のクンダリーニパワー!

百聞は一見に如かず。

さあ、すかさず買い物籠に進み、自らの秘蔵の家宝として存分にお楽しみくだされい!

美しいものが地球を救う

TIFFANY&CO. (ティファニー) バイザヤード ペンダント ネックレス

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

ティファニーの定番人気のネックレス「バイザヤード」。普段使いはもちろん、ビジネスでも一粒ダイヤのシンプルなこのネックレスはコーデの邪魔をしません。爪留めではなくフクリン留めで柔らかい印象がグッド!

皮肉なことに日本国の崩壊は大震災でも富士山大爆発でもゴジラ上陸でも列島沈没でもなく、愛と平和の祭典オリンピックによってもたらされた。

2020年東京オリンピックが2021東京オリンピックと改名されたのを見た占い師、野山悦山は腰が抜けるほど驚いた。

「こりゃ、アカン!大凶の語呂合わせやがな!どえらい事になるど、こりゃ」

勤務先の尼崎「占いの館フォーチュンクッキー」でヒマを持てあまし、客が置いていったスポーツ新聞の記事を何気なく読んでいた彼は思わず大声をあげてしまった。

「どないしたん、急に大きな声出して?ビックリするやないの!」

同僚のトランプ占い熟女マギー峰子が野山を非難するように問い詰める。

「これ見てみコレ、この文字2021東京、この字画。これ大凶やで。どえらい天変地異が起こる前触れや。なんとしてもオリンピック止めさせなアカン!」

「大丈夫や!アンタの占いやろ?んなもん当たったためしあれへんや無いの。心配しな。もっと自分の無能を信じなあかんわ。」

「?...それもそやな」

それから半年

「緊急速報を申し上げます。本日予定されておりました陸上競技全試合が関係者のコロナ感染によってすべて中止となりました。繰り返します........」

出勤前の慌ただしい時間、時計代わりにつけているテレビの緊急速報に、ネクタイを締める手を一瞬止めた信用金庫勤務の山田和夫。くわえたトーストをおもわず口から落し、

「全試合?マジで?」

「総理、総理!」普段冷静沈着の官房長官が珍しく血相を変えて執務室に飛び込んで来た。

「なんだ、ソーリソーリって、野党の辻元君かと思ったら君かね」といつもの皮肉まじりの口調で返す総理大臣の言葉を無視し、内閣官房長官は矢継ぎ早にことばを発した。

「大変です、オリンピック大会のバブル内でコロナのオーバシュート、感染爆発が起こっております!」

「何を興奮してるんだね。そんな事はハナから想定内のことじゃないかね。感染が広まったところで、大方の人間がすでにワクチン接種者だから無症状か軽症で済むはず。一般庶民のように数字に踊らされちゃいけないねー、君ともあろう者が」

「違うんです、全世界、205の国と地域から集まった選手、関係者が持ち込んだ様々なウィルスが混ざり合い刺激し合い、変異などと呼べるような生易しいものではないミューテーションを遂げ、とんでもなく恐ろしい変異株に変化してるのです」

「ほう、治療薬のカクテル療法に対抗してのウィルスの方もカクテルか?敵もさるものじゃないか?」

「感心している場合じゃありませんよ総理!新しい変異ウィルスには既存のワクチン、治療薬はまったく効果が無く、さらに感染力も強烈でマスクは何の役に立ちません。恐るべきことに致死率はほぼ100パーセントなのですよ!まだ公にはなってませんが選手村での死者はすでに100人を超えています。早急に手を打たねば大変なことになります」

「......わかった......じゃ、私は早急に入院、ユリコちゃんに倣って過労で入院することにしよう。後は君にまかせる、次は譲るから、ねっ」

一週間後のとあるやんごとなき場所。

「陛下、やはりご心配が的中した模様で、国中は未曾有の大混乱となっております」

「長官がせっかく異例の声明をだしてくれたのも無駄となってしまったようですね」

「力及ばずまことに心苦しいかぎりでございます」

「いや、民をおもう心すら為政者には一顧だにされぬわたくしの不徳のいたすところでありましょう」

「そのような制度、体制を革めるべしとする自衛隊若手将校が決起せんものと陛下の勅諭を今や遅しと待っております」

「・・・・・・・・・」

「陛下!」「陛下!」

などというコロナ禍が引き起こす恐怖による妄想に取りつかれ、暗いストックルームで独り芝居を繰り広げていたわたくしの心に差し込んだ一条の光。

TIFFANY&CO. (ティファニー) バイザヤード ペンダント ネックレス

「目を覚ましなさい。なにも恐れる事はないのです。このクリアーで透明な光が日常を照らす時、あなたの生活はとこしえに変わる事の無い平安で満たされるのですよ」

そまるでオードリーの優しい声と慈愛に満ちた眼差しに包まれたるかのように、ティファニバイザヤードペンダントのダイアモンドの輝きが優しく私を照らし、そしてそのようにささやきかけてくれたのでございます。

TIFFANY&CO. (ティファニー) バイザヤード ペンダント ネックレス

「困難の中でも『美しいもの』が支えになるのです」というモデル、タレントの森泉、森星さんのおばあちゃまであらせられる服飾デザイナー森英恵先生のお言葉通り、日常の生活の中で、常に十万光年先の恒星のように、小さくも美しい輝きを放つティファニのダイアモンドを身に着けることにより、あなたの心は常に平穏で前向きに保たれるのでございます。

さあ、正気に還って元気を出して、皆でオリンピックを応援いたしましょう、ガンバレ日本!!

おとぎ話から抜け出た指輪

CISEY(チセー) ピンク トルマリン ダイア リング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

あたかもマリーアントワネットがつけてたようなラグジュアリーな指輪。宝石てなやっぱこうでなきゃいけませんやね

折角のオリンピック日本開催が、コロナ禍のおかげで本来なら明るく楽しいお祭りムード一色となるところが様々な問題を孕み、開催自体に疑問符がつくような暗雲がもわっっと日本全体に覆いかぶさっている空模様。

されど毎朝日本の朝を明るく元気付けててくれているのが、なんといってもメジャーリーグ大谷選手の大活躍。

「喝!」でお馴染み辛口野球ご意見番の張本さんですら手放しで大絶賛するほど。

巷ではアニメ、漫画の世界を超えたスーパーヒーローという事でアンビリバボー、アメイジングの大合唱。

かの劇画界の巨匠梶原一騎先生をしても、その産み出したるヒーロー星飛雄馬、矢吹ジョー、タイガーマスクを軽く凌駕する大活躍を見せる大谷翔平級のスーパーヒーローは産み出しえなかったのでございます。

さて、そのようなアニメ、絵空事の世界をさえ超えたとまでは言えないかも知れませんが、あたかもそのような仮想、空想の世界から抜け出したかのような指輪がこちらでございます。

いかがでございましょうか、まるでディズニーアニメの女王様の宝石箱のなかにしっかと鎮座ましますような、あるいは極悪非道な海賊のかっさらってきたお宝の中でひと際燦然と輝き、ヒーロー、ヒロインが目を輝かせながら海賊の眼を盗みこっそり手に取るような、このなんとも言えぬ存在感。

このなんとも言えぬ漫画チックなデフォルメ感。

こうやって実物を手に取って見ても、まるで実写版ディズニー映画の小道具の宝石かと怪しむほどの出来映え。

CISEY(チセー) ピンク トルマリン ダイア リング

さて、この御伽草子の挿絵、あるいはファンタジックなアニメから抜け出たような指輪こそは、幼少期のあなたの心に宝石への関心、憧憬の萌芽を芽生えさせ、現在の石オタ、宝石マニアの道へと踏み出す第一歩のきっかけを生んだ原点。

それゆえ、一目見ただけで、久々の邂逅、懐かしさ、デジャブ感を感じずにはいられぬはずでございましょう。

さてこの指輪、いかにもヨーロッパのヴィンテージ、アンティークという外観ながら、驚くべきことになんと現代のしかも、日本人デザイナーの手による作品なのでございます。

CISEY(チセー) ピンク トルマリン ダイア リング

こちらはジュエリデザイナー清田智誠氏のオリジナルブランドCISEY (チセー)の作品でございます。

ブランドホームページによりますと清田氏はイタリアで8年間のジュエリー製作修行ののち帰国して自らのブランドCISEYを立ち上げたとございますから、技術もヨーロッパ仕込みの本格派。

こちら、全体的にもっこりしたデザインの中心ともなる中石でございますが、いかにも中世ヨーロッパという雰囲気を醸し出す暗いピンクが妖しい魅力のルベライト、すなはちピンクトルマリンが使われております。

ただし、この石の使い方、尋常ではございません。

通常石留した際、見えない底の部分に位置するパビリオン部分を逆さまにして上部に出して、敢えて指輪から天空へ向けて飛び出た感じにセットしてあるのでございます。

CISEY(チセー) ピンク トルマリン ダイア リング

こういった拵えは、バフトップカットと呼ばれる宝石のカットのカラクリと同様なのですが、バフトップの場合は上に飛び出た部分はカボッションカットのようににドーム型に丸みを帯びた研磨が施されているのですが、こちらはちゃんと面をとったファセット加工。

しかもパビリオンのままのファセット加工ではなく、チェッカーボード状に細かく均等にファセットがカットされているのでございます。

この工夫は中世に人気があったダイアモンドのオールドマインカットやローズカット。

あるいはブリオレットなどの雰囲気を狙った作者の意図があるのではないかと思われます。

CISEY(チセー) ピンク トルマリン ダイア リング

さて、その中央に屹立した中石を幾重にも細かい彫金細工のような層が、ホワイトゴールドの色違いの部分を間に挟み豪華に取り巻いているのでございますが、その繊細な細工こそが、作者清田氏がヨーロッパで学び培った伝統技法をいかんなく発揮した、作品の真骨頂なのでございますまいか。

まあそういった、細かい細工や石留の爪の間にもメレダイアがセットされている凝ったところなどはじっくり写真の方でご検証いただきます方がよろしゅうございましょう。

CISEY(チセー) ピンク トルマリン ダイア リング

さて、話は一気にとんで車の話題。

いまだに一部カーマニアの間で人気のある1990年代に日産から発売されたフィガロという小型車。

そのレトロな風情が人気となり、製造中止となった今でも中古車市場で高値で取引され、なんとカーマニアとしても有名なロックギターの神様、エリッククラプトンすらフェラーリと並べて所有しているというほど。

しかし実はこの車、完全な日産オリジナルのデザインでは無いようなのであります。

アメリカの人気刑事ドラマ「刑事コロンボ」。

このドラマをユーチューブで観てましたところ、コロンボの乗っているださいポンコツ車がなんとこのフィガロそっくり。

早速ググってみるとこの車は1950年代から1960年代にフランスで造られたプジョー403という車種。

このプジョー403のポンコツぶりがコロンボのよれたレインコート姿とマッチし実に何とも言えない風情を醸し出しているのですが、そこを技術の日産、やっちゃえとばかり大幅に新車デザインの参考にされたのでございましょう。

さて、それと同様この指輪にも大なり小なり、きっとそのデザインの元となったアンティークの逸品があったのではないでしょうか。。

CISEY(チセー) ピンク トルマリン ダイア リング

いえ、何もそういったデザインの流用を批判しているのではございませんよ。

これは、何も宝飾品のデザインに限らずすべてのデザインに関して言えることですが、全く斬新、新機軸のデザインだけがデザインの進歩という事じゃなく、古い、あるいは現行のものを改良改善アレンジして新しい局面を開拓していくっていうのも、立派なデザインと言う事が出来ると思うのでございます。この指輪を見るにつけ。

あっそうだ、「刑事コロンボ」を参考にしてるのがもう一軒ありました。こっちはダサイおっさん刑事とは正反対の二枚目おっちゃんの起用でしたが、コロンボ同様、最初から正体の分かっている犯人の周到な犯罪計画を、切れ者刑事が見事暴いていく筋仕立て。

そう、古畑任三郎でした。

夏の装いはブレスレットが吉

ダイヤモンド ブレスレット 10.5g

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

綺麗で大粒のダイヤが程よい間隔でセットされている一級品!

みなさまごきげんよう。

鬱陶しい梅雨の季節も過ぎ去りいよいよ夏真っ盛り日本盛りは良いお酒といふ事で、いかがお過ごしでしょうか?

山へ海へと、コロナの予防接種を済ました年寄りどもが我先にと修学旅行自粛の青少年を尻目に勇んで繰り出す今日この頃。

遊泳解禁のビーチには、老いらくのトキメキ、出会いを求め、時代遅れのラジカセでチューブなどを大音響で鳴らしながら元サーファーの爺さん婆さんがドルフィン飛び出すラッセン柄のアロハを小粋に羽織り、イモの子を洗うが如く浅ましく蝟集するというありさまらしゅうございます。知らんけど。

さて、夏場はやはり何かとお肌を露出する機会が多くなります。

淑女の方々も日々のバスルームでのムダ毛のお手入れに余念のない事かと存じますが、なにもそれだけ済ませば事足れりとご安心召されてはいけません。

雑草を駆除した後のお庭に綺麗な草花を育成するが如く、そのむき出しとなったカイナまわりの飾りつけ、装飾を行わねば片手落ちと言うもの。

腋の除草ならぬ除毛に加えて、コリアンダーかクミンの香りかと訝るが如き腋臭をデオドラントで封じ込めた後は、華やいだかほりのパヒュームをば降りかけ、仕上げは豪華なブレスレットでキメたいものでございます。

唐突ですが、夏場の腕時計ほどやぼったいものはございません。

暑いさなかに腕に密着するベルトはもう汗と油でムレムレ。

ことにレザーベルトともなりますともう皮革のベルトが汗と油のヅケ状態となり、これが高温でボイルされた結果、アジの南蛮漬けのタレが腐ったかのような異臭を放ち、せっかくの強力デオドラント制汗が無駄骨となってしまいます。

金属製のブレスバンドとて油断はできません。

その細かいメタルパーツのジョイント部分に汗と垢の混合物が黒いカスとなり蓄積し、これも悪臭の元凶になったり、油断すると黒い一筋の汁となりせっかくの美肌を汚す狼藉を働いたりいたします。

スマートフォンを常に携帯されている現代を生きる皆様におかれましは、そんなわけで、もう腕時計は、特に夏場においては無用の長物ときっぱり手放して頂き、これからご紹介いたします素晴らしいブレスレットでもって暑苦しいむさ苦しい夏場を、優雅に、エレガントに、無味無臭に乗り切って頂きたいものでございます。

ダイヤモンド ブレスレット 10.5g

さて、ご覧のこちらダイアモンドのブレスレットでございますが、ひと頃人気となったテニスブレスが細かいダイアモンドの切れ目のない連なりなのに対して、こちらは一定の距離を置いて大粒のメレダイア等間隔で留められている造りとなっております。

このような形状のブレスレット、あるいはネックレスはダイアモンド一粒を「駅」に例え、見覚えのあーるレインコオトなどと歌とてる場合ではなく、ステーションブレスとかステーションネックレスなどと呼ばれる事が多いわけでございます。

ご覧のブレスレットも分類的には確かにステーションブレスなのですが、ダイアモンドとダイアモンドの間隔が非常に狭く、路線で例えるならば、JR大阪環状線くらいの密を形成し、ナニワ市民の便宜に寄与するが如くに、腕廻りの装飾に一層絶大に寄与しているのでございます。

さて、ひと頃人気爆発であったテニスブレスでございますが、その品質たるや、ピンからキリで、しかもキリの粗悪品がやたら多く出回っていたのでございます。

その理由は、テニスブレスのダイアモンドのトータル重量が1キャラットとか2キャラットほどのものは一個一個のダイアの粒が非常に細かいため、質の悪いものを留めたとしても分かりにくい。

そんなわけで、ひと頃特価用、特売等にこの様な劣悪なテニスブレスが大量に出回っていたのでございます。

「プラチナ枠ダイアモンドテニスブレス2カラット感謝大特価 ~ 円!!」

と云うチラシの文句に踊らされ買ったは良いが、お店の強い照明下ではキラキラして見えたのに、お家で見たら全く輝かない。

しばらく置いといたが着けないからと質屋に処分しに持って行くと地金スクラップの価格しか出なかった、ガックリ。

ということが往々にございます。

しかるに、こちらのブレスレットはその様な粗悪品、インチキ商品とは全く異なる、一線を画する素晴らしい一級品なのでございます。

なにせ2.5キャラットの石目に対してダイアモンドが全部で21個。

つまり一個当たり0.1キャラット以上ある計算。

ダイヤモンド ブレスレット 10.5g

これだけの大きさのダイアモンドだと目視で良いか悪いかすぐバレちゃう。

もちろんこちらは最上級と言っても良いくらいの上質なメレダイアがセットされております。

そしてデザインの邪魔にならない様に、ダイアの輝きの妨げにならない様にダイアモンドの留めはブレスレットのラインに即して2点のみの爪留めとなっており、実にスッキリとした見た目の仕上がりとなっております。

このような高品質かつ上品で着け心地の良いブレスレットをお着け頂き、アロハ瘋癲老人が徘徊するウザイ熱帯夜の屋外とは別世界の空調の程よく効いたお洒落なバーで、フローズンダイキリなどのグラスを捧げ持っていただきますれば、もうそれだけであなた様はハリウッド映画のヒロイン。一幅の絵画のモデル。

横にむさくるしい漢など配さずとも、物語はそれだけで完結するのでございます。

密やかな悦楽に耽る宝石道楽の愉しみ

アウイナイト ダイヤ パヴェリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

単なるサファイアのデザインリングと思わせといてのー、アウィナイト。宝石マニア、背徳の秘やかな愉しみ、どこまでも堕ちて行く私。

みなさまごきげんよう。

梅雨の合間、初夏の日差しが降り注ぐ穏やかな昼下がりのひと時いかがお過ごしでしょうか?

本日も皆様に掘出しヴィンテージジュエリーをお勧めいたします、ハリー中野の宝石ブログのお時間がやってまいりました。

お相手はわたくし、宝石業界に携わって早四十年。宝石の事なら何でもお任せあれと言いたいところながら、まだまだ勉強途上。

石にご興味のある皆様方に有意義で、楽しい宝石のお話をお聞かせ出来たらなという事で、皆様方とご一緒に学んでいくつもりで進めて参ります。

お気軽にお茶のひと時、お寛ぎ頂きながらお楽しみいただければ幸いでございます。

さて、本日皆様にご紹介いたしますおすすめの宝石は、こちら。

アウイナイト ダイヤ パヴェリング

「なんやしょうもない、ようあるサファイアのファッションリングやないけ。そんなもんアマタある宝石のネット販売の中で腐るほど出とるがな。そんなんを掘出ジュエリーなんて威張っとったら嗤われるで、ええ加減にせなあかんわジブン、ええ歳こいて」

とお叱りの声がどこからかこだましてまいろうかと言う気配でございますが、お客様、お恐れながら申し上げます。

それは早合点、早とちりというものでございます。

「なにが早とちりじゃワレ?洒落たことぬかすやないけ。ええ度胸しとるの。ほたら、これがサファイアのファッションリングちゃうん言うんやったら、一体なんどいワレ?しょもないこと言うとったら殺てまうど、ワレ!」

いやいや、これは弱った、こんな些細な行き違いで殺てまわれると、わたくしといたしましても立つ瀬がございません。

まあ、そう怒髪天を衝くが如くに御立腹なさらずとも、ちょっと心落ち着けて最後までわたくしのお話をお聞きいただきますれば、ご納得いただけるかとぞんじます。

ここのところはひとまず、この越後のちりめん問屋の隠居に一切合切お託しいただきまして、しばしのご辛抱を何卒、何卒良しなに。

アウイナイト ダイヤ パヴェリング

さて、そういうことで、こちら、一般消費者の眼にはサファイアとダイアモンドをあしらった、ありふれた、どこにでもある、月並みな、ありきたりな、凡庸なパヴェセッティングの指輪に見える事は、先にご指摘賜りましたそちらの関西ご出身のいなせな紳士のおっしゃる通りなのでございます。

がしかし、However でございますが、この青い、誰の眼にも一見サファイアに見える宝石は実はサファイアに似て非なるもの。

サファイアではないのでございます。

「ウソやん?」

さてそれが証拠に画面に近寄ってよーくご覧ください。

このブルーの色、サファイアのブルーに比べてちょっと鮮やかではないですか?よりクッキリスッキリしてませんか?より明るい印象ではございませんか?

アウイナイト ダイヤ パヴェリング

「ホンマや!そない言われたら、そんなように見えるなー」

そうなんです。これこそが皆様、この色こそが伝説の希少石アウィナイトの瑠璃色なのでございます。

「ギョエーーーーッツ!アウィ、アウィ、アウィナイトやてーーー!?」

この何の変哲もないサファイアファッションリングに見せといての、アウィナイト。

いかがでしょうか、このフェイント。このドッキリ。このモニタリング。

かなりの石マニアでもないと見破れないトリック。

アウイナイト ダイヤ パヴェリング

「あれっ?何か気になるあの指輪。変よね、何の変哲もない変わり映えしない十羽ひとからげのサファイアのファッションリングが私の第六感を過度に刺激するのはなぜ?えっ?ひょっとしてあれは何かのブランドかしら。

確かに脇石のダイアの輝きは良いわ。こんなの作るとすればカルティエ?いや、ひょっとしてギメル?うーん何だろ、宝石マニア、石オタク、宝石界のしょこたんと自他ともに認めるこの私に小癪にもこんなにチャレンジを挑んでくるこの凡庸なデザインの粗品は。

あれ、ちょっと待って、いま一瞬着けてらっしゃる手の動きで宝石から鮮やかなブルーが見てとれたわ。

あのブルーはサファイアのそれでは無い。でもなんだろ?どこかで昔観たような気がするんだけど思いだせない。

あーーーイライラする!いっそあの着けてらっしゃるご本人に聞いてやろうかしら?

ダメダメそんな見ず知らずの人に、唐突に着けてる指輪の正体聞くなんて。きっと頭のおかしな人に思われるに違いない。

第一、オタクの私にそんな積極性は元から備って無い・・・

あーーっ!わかったアウィンだ!アウィナイトだ!

絶対そうよ、間違いない!まだ実物には一度しかお目にかかってないけどきっとそうだわ。

あの鮮やかな煌めき。良いわー!素敵!私も欲しい!人知れずこっそり希少石を身に着けたいという石オタ理想のデザインよ!欲しい!欲しい!てか、ホントにアウィナイトかしら?

あーーーーー!ますます聞きたくなる!

で、もしそうだったら、厚かましくも譲って頂けませんかなんて恥知らずにも口走ってしまうかも。

そんなの絶対無理、無理。バカ!私のバカ!もうどうしたらいいのかわからない、ヒーーーーーーーッ!」

凡庸に見えて、実はかくのごとくに宝石マニアをパニックに陥れる、まことにアブナイなジュエリーなのでございます。

という事で本日の格言

「凡庸な意匠に希少石を忍ばせ密やかに悦に耽る宝石道楽の愉しみ」

ア・イ・シ・テ・ルのサインリング

ダイヤ サファイア ハート リング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

珍しいハートが指輪に対し垂直になってるデザイン。実際人から見るとこのほうがハートってわかりやすいかもネ。

みなさまごきげんよう。

梅雨の合間、初夏の日差しが降り注ぐ穏やかな昼下がりのひと時いかがお過ごしでしょうか?

本日も皆様に掘出しヴィンテージジュエリーをお勧めいたします、ハリー中野の宝石ブログのお時間がやってまいりました。

お相手はわたくし、宝石業界に携わって早四十年。宝石の事なら何でもお任せあれと言いたいところながら、まだまだ勉強途上。

石にご興味のある皆様方に有意義で、楽しい宝石のお話をお聞かせ出来たらなという事で、皆様方とご一緒に学んでいくつもりで進めて参ります。

お気軽にお茶のひと時、お寛ぎ頂きながらお楽しみいただければ幸いでございます。

さて、本日皆様にご紹介いたしますおすすめの宝石は、こちら。

ダイヤ サファイア ハート リング

横から見ればハートモチーフ、ピンクゴールド枠のサファイアリングでございます。

さて、ちょっとここで話は大きく脱線するわけでございますが、何卒しばしのご猶予を。

皆様、ご自分自身の見た目、外観というものを正確にご存知でしょうか?

「当たり前だろ、自分が自分の見た目わからなくってどうする。馬鹿な事を聞くもんじゃない」

と、お叱りのお言葉が聞こえてきそうでございますが、ちょっとお待ちください。

皆様がお馴染みのご自身のお顔というものは、あくまでも洗顔時などで相対する鏡に映ったお顔でございましょう?

あるいは最近ですとスマホの自撮り画面?

それって世間一般が認識しているあなたの印象そのままでしょうか?

第一、鏡の顔は左右反転してますから、その時点でもう双子の兄弟姉妹ほどの差はある訳でじゃないですか?

実際第三者に映る自分の顔、姿の印象というものは第三者の視点にたって、例えば写真や動画などにとって観察でもしない限り正確な印象というものはなかなか掴めきれないのではないでしょうか?

ダイヤ サファイア ハート リング

さて、それと同様に自分の着けている宝飾品が人からどういう風に見えているかっというのも意外と皆様無頓着。

指輪なんぞは指にはめてそれを上から眺め、あら良いわね、なんて自己満足に浸っておられますが、あなた以外にその角度、その方向から件の指輪を見る事のできる人は他にいない訳ですよね。

実際お着けになっている指輪の着け映え、つまり、他人様がご覧になったらどう見えるか、どう人様に映るのかという事をよく考えて着用しないと、せっかく大枚をはたいて購入に及んだジュエリーが単なる自己満足、独り相撲、東海大相模になりかねません。

さて、そういった他者、第三者の眼を意識して指輪が作られる様になったのは意外と最近のことなのです。

ダイヤ サファイア ハート リング

指輪以外の宝飾品は最初から第三者の眼を意識して作られています。

例えばブローチやペンダントなどのそれを着けてみて、見降ろしてみて自分にどう見えるなんて事は端から考えていませんし、ピアス、イヤリングなどになりますと、もう着けた時点で自分には見えない訳ですから、着けて他人にどう見えるかしか考えて作られていません。

ところが不思議と指輪だけはどういう訳か自分で着けて、その着けたサマを見降ろし改めてその指輪の美しさにひしひしと感動に浸るように、としか考えられないような造り。

すなわち着けた指に対して垂直方向の視線に向けてメインのデザインが展開されているのであります。

もしこのメインのデザイン、すなわちデザインの肝を他人に十全に知らしめようとするなら、バイバイと手を振るポーズで手のひらを反転させ、手の甲を相手に向けるか、あるいはその手を自らの心臓の鼓動を確かめるかの様に常に胸に押し当て、手の甲を絶えず正面に向くようしなければなりません。

そんな奴おらんやろ、という大木こだま師匠のつっこみを待つまでもなく、これは明らかに不自然な動作。

そういう訳で、こちらの商品もそのような第三者の視線を意識して製作された指輪でございまして、従来なら非常識ともとれるリング側面にハートのモチーフを配した指輪なのでございます。

ダイヤ サファイア ハート リング

この指輪、着けた本人が自らの指を真上から眺めれば、単なるダイアモンド三列並びのリングにしか見えないのでございますが、さてこれが、例えばこの指輪をお着けあそばして、お茶などを召し上がっていると仮定いたしましょう。

するとカップを捧げ持つそのか細いお指から、あなた様を見つめる第三者の視線にハートマークがクッキリ、ハッキリと写り込むわけでございます。

例えばこの第三者が気になる異性であった場合などそのハートマークが、お相手の意識下にスルリと忍び込みサブリミナル効果を発揮いたし、予想外の効果が得られるやもしれません。

いえいえ、それだけではございません。

こちらハートを形作る宝石が二面別々なのです。

ダイヤ サファイア ハート リング

片方はブルーサファイア、もう片方はピンクサファイアと寒色暖色正反対の色違いとなっているのです。

さてこの違いがこそがこの指輪に素晴らしい秘密の機能を付加しているのでございます。

例えば、人目を忍ぶ社内恋愛、社内不倫などのオケージョン。

今夜のデートの有無とて気軽に確認し合うことができない熾烈な環境下。そんな時OKならばピンクサファイア、NGならばブルーサファイアを相手に見えるよう着けると決めとけば問題は一挙解決。

いや、なにもそんな小細工に使わずとも、正攻法。

メット五回ぶつけたり、ブレーキランプ踏んだりわざわざせずともこれなら恥ずかしいくらいモロのアイシテルのサイン。

さあ、その他もろもろ色んなサイン、暗号にも使えて、他人の目に映える。

もちろんインスタにもバエルお洒落な最新デザインハートモチーフリングいかがでございましょう?

夏はブルーダイアでクールにきめて

トリートブルーダイヤリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

天然より美しいトリートブルーダイヤ。整形成功例イエス○○クリニック!

みなさまごきげんよう。

梅雨の合間、初夏の日差しが降り注ぐ穏やかな昼下がりのひと時いかがお過ごしでしょうか?

本日も皆様に掘出しヴィンテージジュエリーをお勧めいたします、ハリー中野の宝石ブログのお時間がやってまいりました。

お相手はわたくし、宝石業界に携わって早四十年。宝石の事なら何でもお任せあれと言いたいところながら、まだまだ勉強途上。

石にご興味のある皆様方に有意義で、楽しい宝石のお話をお聞かせ出来たらなという事で、皆様方とご一緒に学んでいくつもりで進めて参ります。

お気軽にお茶のひと時、お寛ぎ頂きながらお楽しみいただければ幸いでございます。

さて、本日皆様にご紹介いたしますおすすめの宝石は、こちら。

トリートブルーダイヤリング

これからの季節にふさわしい涼やかなブルーのダイアモンドをあしらったデザインリングでございます。

ブルーのダイアモンドと申しましたが、厳密に申しますと放射線照射によってブルーの着色をほどこされたダイアモンドでございまして、一般的にはトリートブルーダイアなどと呼ばれている宝石材でございます。

さて、こちらのトリート、つまり染色処理を施されたブルーのダイアモンドと天然のブルーダイアとは、そもそもどう違うかと申しますと、分光光度計などで色の起源を探ればその違いは明らかになるのですが、単に色のついたダイアモンドと言った観点からすると何ら変わりはないのです。

トリートブルーダイヤリング

着色処理したからと言ってダイアモンドの特性である高い屈折率と分散、それによってもたらされるダイアモンド独特の強い輝きと煌めきは変わりなく、見た目の相違はまったくございません。

また、この着色されたブルーの色も半永久的に色褪せることなく保たれるのでございます。

ただしお値段の相違は天と地ほどの差。

これは天然のブルーダイアが極めて希少であるのと、トリートの場合、原料に使われる安価なイエローやブラウンのダイア自体の価格の差。

トリートブルーダイヤリング

それなら、無理に高い天然のブルーダイアを使わずとも、見た目変わらなきゃ安いに越したことは無い。

ましてやこういった日常使いのファッションリング、逆に天然のブルーダイアなどで作れば、万一の石落ちが心配でおちおち着けていられません。

巷にブルーの宝石数あれどダイアモンドに匹敵する輝きのものはございませんし、またその耐久性の面においてもダイアを凌駕する石は無いのであります。

腐っても鯛ではございませんが、着色されたとてダイアはダイア。見くびってはいけませんよ。

トリートブルーダイヤリング

さて、こちらのリングですが上下に波形のような輪郭をもたせた形状。リングの幅もちょっと広くに取ってあります。

そしてそのリング中央を横切るラインには、輪郭と相似するように同様の波形のラインが平行に刻んでありますね。

そしてその中央のラインの波形の波型が上下で波頭となって分厚くなる場所、都合5箇所ありますが、そちらに同じ大きさ、同じ色合いのトリートブルーのダイアモンドが均等にセットされております。

トリートブルーダイヤリング

そしてその間隔の隙間と外枠部分には細かいメレダイアがびっしりと埋め込まれているのがご確認できますでしょうか?

さらにこの真ん中のラインのパーツと外側のパーツの間には細い隙間がとってあり、一種の透かし細工となっております。

このひと工夫こそがブルーダイアに増して一層の清涼感を商品にもたらしているのでございます。

まあ、下手な文章で説明いたしましても、いまひとつピンとこないでしょうが、そこは写真をじっくりご覧いただきまして、さらにご興味の湧いたお方は弊社楽天ページへ下記のリンクから訪れていただきますと、更にさまざまな角度から写しました画像がございますので、じっくりご検分頂きまして、お気に入りいただきま節は、ご購入の方へそのままお勧め頂ければと、左様に願う次第でございます。

ゴージャスなピンキーリングで演歌の花道

ダイヤモンド リング ピンキー

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

非常にユニークなデザインでございますが、サイズ的にもピンキーとしてお着け頂きますとまことに映えるんですのよ。

どーっぞー!お立ち寄りくださいまっせー!ご利用、ご利用、ご利用下さいまっせ―!

はーい!本日はこちら丸余百貨店五階エレベーター脇のこのゴージャスな矮小スペースを拝借致しましての、高級ジュエリーお値打ち品のご案内でございまーす!

さっ、どーっぞーお立ち寄りくだっさいまっせー!いらっしゃいまっせー!

さて、皆さま―。百貨店と申しますとわたくしの様な一般庶民などからしますと何やら高級なイメージ。敷居が高い。恐れ多い。

一階にはヴィトンカルティエシャネルといった世界の一流品が軒を並べ、これが同じ日本人ピテカントロプスペキネシスの子孫かと思うような美麗な店員さんが愛想を振りまく。

その様な場所で、お買い得品、特売品、見切り値下げ品、ましてやリサイクル、中古品の販売なんて滅相もないと思し召しの事でございましょう?

さよう、まっこと百貨店の信頼、信用の看板と言うものがございますから、おいそれとその権威、威信を傷つける下手な事は出来ません。

しかし皆様何事にも抜け道というものがございます。

商売も四角四面じゃ世の中と一緒、面白味に欠けてしまう。

優雅なお茶のひと時、お寛ぎ頂きながらお楽しみいただければ幸いでございます。たまにはちょっとした息抜き、おふざけといふものをば顧客、ユーザーに提供しようじゃあないか、どうだねキミ?

はい、まことに左様でございますな部長。さすが慧眼、さすが国立大学出身。目の付け所がちがいますネェ~(揉み手)。

なんて営業会議があったかどうかは定かではございませんが、その結果わたくしのような百貨店様の品格からは程遠いむさくるしい男が場違いにもしゃしゃり出た様な次第でございます。はーい!

という訳で、本日は週替わりの特別催し、中古ジュエリー格安ご提供のご案内となっております。

ダイヤモンド リング ピンキー

さて皆様、先日ご紹介いたしましたダイアモンドの連結リング、ご記憶にまだ新しいところではございますまいか?

そのご紹介のおり、その造り見た目の如何にもパーティー用、フォーマル用のゴージャスな拵えを転用いたしまして、日常のパーティー、普段の非日常の空間、異空間でありますところのカラオケ喫茶での着用を大いにお勧め致しましたわけでございますね。

カラオケ喫茶とは、今更皆様にご説明いたすまでもないかとは存じますが、昨今街中のいたるところに知らぬ間に広く蔓延るに至った、中高年が昼日中から日ごろ鍛えしその美声を競い合う集いの場。

というのはあくまで表向きで、実のところは何を隠そうシルバー世代男女の出会いの場。

ヒトとの接触が不器用な所謂コミショな若者たちがマッチングアプリなどの文明の利器の力を借りてパートナー選びに四苦八苦しているのを尻目に、昭和の尻軽女、好色漢どもはやはり直截な出会いを求めて、もちろんアプリなどを使いこなせる技能の持ち合わせの無いのも手伝って、恋の歌を歌いつつ、老いらくの恋のお相手を捕獲せんものと虎視眈々、カラオケチケット大量買いの上、大人の社交場カラオケ喫茶に日参致すのでございます。

さて、そのようなおり、ミラーボール輝くステージの上で哀しい女の未練心切々と歌うあなたのもっとも目を引く身体の部位といえば、もちろんマイクを握るまさにその手、その指!

そこを豪華絢爛にデコレートする事こそが、恋の駆け引き勝負の分かれ目。

そこに着目致しましたわたくしがその第一弾として放ったのが先日のダイアモンド連結リングであったのですが、それに負けず劣らず衆人環視の耳目を集め、餓えた瘋癲老人の食指をそそらずにはおれまいというのがこちらの指輪!

ダイヤモンド リング ピンキー

こちら、ピンクゴールドの実に変わったデザインのリング枠にダイアモンドがそのデザインに沿って綺麗にセットされましたリングでございますが、実はこちら驚くべきこと恐るべきことに、このボリューム感でもってピンキーリングなのであります。

いえ、そこはそれ、もちろんお好きな指にお着け頂いて差し支えはございません、決して違法、筋違いという事ではございません。

ダイヤモンド リング ピンキー

がしかし、この指輪真上からみて左右膨らんでいる方を外側に向くように右手小指にお着け頂くとき、びっくりするほど最高の視覚効果が得られるのでございます。もちろんそれを狙ってデザインされたものである事は一目瞭然。

マイクを握る手で一番目立つ指は?

そう、オーディエンスに一番近い小指。ここを飾る事こそ、歌手として成功するかどうかの分かれ道。

てか、イカス爺さんをゲットできるかどうかの分かれ道。

このピンキーリングにしては極めて重厚な、舞台映えする指輪こそあなたの人生の最終章まで恋する女で燃え尽きさせくれるための媚薬なのでございますよ!

はい、ライバルに先を越されないうちに、早い者勝ち!!

アールデコポンサファイアリング

サファイア ダイヤリング 18金ホワイトゴールド

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

まるで王冠のようなゴージャスなデザイン。落ち着いたサファイアの色が落ち着きと気品を醸し出します。

みなさまごきげんよう。

梅雨の合間、初夏の日差しが降り注ぐ穏やかな昼下がりのひと時いかがお過ごしでしょうか?

本日も皆様に掘出し品のヴィンテージジュエリーをお勧めいたします、ハリー中野の宝石ブログのお時間がやってまいりました。

お相手はわたくしハリー中野、宝石業界に携わってはや四十年。

宝石の事なら何でもお任せ下さいと言いたいとこながら、まだまだ未熟者。

勉強途上の半端者ではございますが、宝石にご興味のある皆様方に有意義で、楽しい宝石のお話をお聞かせ出来たらなという思いで毎回奮闘努力いたしております。

優雅なお茶のひと時、お寛ぎ頂きながらお楽しみいただければ幸いでございます。

さて、本日皆様にご紹介いたしますお勧めの宝石は、こちら、見るも優美なサファイアの指輪でございます。

サファイア ダイヤリング 18金ホワイトゴールド

サファイアに限らず色石全般の製品において言えることなのですが、デザインのバラエティー、多様性というものが、ダイアモンド製品に比べますと非常に少ない様に思われます。

もちろん、ダイアモンドの宝石としての圧倒的な人気、消費者からの需要の多さがその原因なのでしょうが、カラーストーンファンにとっては非常に残念なことでございます。

さて、そのような宝飾業界のトレンドにあって、今からご紹介いたしますサファイアのリングは色石といたしましては、極めて大胆、斬新にデザインの可能性を追求した逸品ではないかと思うのでございますがいかがでございましょう。

サファイア ダイヤリング 18金ホワイトゴールド

ご覧いただくとお分かりの通り、こちらのデザインは数字の8をたてに引き伸ばしたような、あるいは無限大の印を縦にしたような形状のピースが、中央を最大として左右均等指下に向かいグラデーションになる様に並べられております。

そしてその無限ループの空いた場所、つまり8の字の2ヶ所の丸のところに美しいブリーサファイアが均等に埋め込まれており、さらにそのそれぞれのサファイアを支えます枠部分にもびっしりと細かいメレダイアがあしらわれております。

また、8の字型のピース各々をを繋ぐ真横のセンターライン、パーツ同士の間に隙間が広く空く部分には大きめのメレダイアモンドがあたかもパーツを繋ぐビスの様に均等に配置されセットされております。

この曲線を中心とした大胆なデザインと計算された規則正しい石の配列の組み合わせは、幾何学的図形をモチーフとしたかつてのアールデコ様式をも彷彿とする、クラシカルなものとモダニズムの融合といった風情を醸し出しております。

サファイア ダイヤリング 18金ホワイトゴールド

さて、このような一見大胆なデザインに、中には着け心地を危惧なさる方もおられるやもわかりませんが、実はこちら大胆なデザインのわりに、指輪そのものの厚みはその幅に比してに薄うございます。

またメインの石となるブルーサファイアは全て爪留めではなく枠全体で抑えられている状態なので、お着け頂いても殆ど引っ掛かりや当たりが気になりません。

さらに指輪の幅も結構ございますので、中指にお着け頂きましてもバランス的に何ら問題はございません。

サファイアと言いますと寒色系のお色。

シンプルなデザインでございますと、ともすると地味になりがちな宝石素材でございますが、これだけデザインが大胆ですと、プラスマイナス、陰と陽バランスがとれて程よい加減でよろしいのではないでしょうか?

それでは本日はこれまで、またのお目汚しまで

Until next time, pleasant dreams.

【CASATO】シャルウィーダンス、パートナーの肩越しで輝くは

CASATO(カザート) ダイヤ連結リング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

映えること重視、ふだんづけ絶対不可のノーブルな指輪。

どーっぞー!お立ち寄りくださいまっせー!ご利用、ご利用、ご利用下さいまっせ―!

はーい!本日はこちら丸余百貨店五階エレベーター脇のこのゴージャスな矮小スペースを拝借致しましての、高級ジュエリーお値打ち品のご案内でございまーす!

さっ、どーっぞーお立ち寄りくだっさいまっせー!いらっしゃいまっせー!

さて、皆さま―。百貨店、デパートメントストアと申しますとわたくしの様な一般庶民などからしますと何やら高級なイメージ。敷居が高い。恐れ多い。身がすくみ金縛りが襲う。

お買い得品、特売品、見切り値下げ品、ましてやリサイクル、中古品の販売なんて滅相もないと思し召しの事でございましょう?

左様、まっこと百貨店には信頼、信用の看板と言うものがございますから、おいそれとその権威、威信を傷つける下手な事は出来ません。

しかし皆様何事にも抜け道というものがございます。

商売も四角四面じゃ世の中と一緒、面白味に欠けてしまう。

たまにはちょっとした息抜き、おふざけといふものをば顧客様に提供しようじゃあないか、どうだねキミ?

はい、まことに左様でございますな部長、目の付け所が違います。さすがですね、さすがの慧眼、さすがの切れ者、知恵者、賢者お見事!(揉み手)。

なんて営業会議があったかどうかは定かではございませんが、その結果わたくしのような百貨店様の品格からは程遠い野暮、野卑な野郎が場違いにもしゃしゃり出た様な次第でございます。はーい!

という訳で、本日は週替わりの特別催し、中古ジュエリー格安ご提供のご案内となっております。

さてさて、前回ご好評いただきましたJPモルガンのモルガナイトのペンダントトップの後は、こちら非常に奇抜、奇天烈な連結リングのご紹介でございます。

CASATO(カザート) ダイヤ連結リング

さて、連結リングとは何ぞや?

という命題に皆様一般消費者は只今直面し、それを解決せんものと個々人各々に純正装備されておりますお粗末なCPUをば只今フル稼働させながら過去の記憶を手繰り寄せ、はたまた些末な情報の断片をつなぎ合わせこの難解なる問への回答を図らんものと努力を傾注されている事でございましょうが、それはまったくもって無駄な努力、所謂無駄骨とまずはお断る致しておかねばなりますまい。

というのも、実際連結リングなんてものは世の中にそうそう出回っているわけじゃなく、私とてこの外観からして仮にその様に呼んでいるまでで、果たして正式名称は何と呼ぶのかすら実際のところ皆目見当がつかない次第なのでございますよ。

ただ、はっきり致しておりますのは、通常指輪と言うものは、一つの輪っかを一本の指に嵌め、これにてその職務の完結に至るさだめの小間物であるはずのものが、この指輪たるや中指薬指小指の三本の指をば一挙に絡めとり、その3本の指が占める一帯をば一辺に占拠し装飾せんものと企てられた大胆かつ強欲、さしずめ中国が推し進める一路一帯構想の如き企てなのでございます。

CASATO(カザート) ダイヤ連結リング

はてさて、中指薬指小指を一挙に占拠した人民軍の意図はどこにあるのか?

それはもちろんその広域にわたる地域を総括して、豪勢に盛る付けたるダイアモンドの輝きでもって派手やかに装飾し、よってそのオーナーをば豪華絢爛に飾り立て、その権勢を世に知らしむ事が第一の目的であろうことは明らか。

しかし、この様なオーバードースなダイアモンドの装飾をばどのようなオケージョンで展開いたせばよろしかろう。

CASATO(カザート) ダイヤ連結リング

もちろん日常のお買物、例えばスーパーイオンスーパー玉出にこれをば着用の上、食料品をお買い求めにお出ましいただきましても何の不都合とてございませんんが、それではあまりにこの商品の特性が活かされません。折角この子の生まれ出でた甲斐といふものが無いものを、とヨヨと泣き崩れる次第でございます。

では、この指輪同士が連結したド派手な装飾品をどのような場面、状況でお着け頂くとその商品の目的が遂行達成出来えるのか?

それは敢えて言うまでもなくスッペッシャルなオケージョン。ハレとケで分ければもちろんスッペッシャルなハレの日をおいてとしか考えられますまい!

CASATO(カザート) ダイヤ連結リング

具体的に申しますとパーティー、舞踏会、園遊会など大手を振って自らを飾り立ててどこからも非難、文句、苦情の出ない、というかそう言った華美な装飾を求められる場にこそ相応しい商品なのでございます。

例えば高級ホテルのボウルルームで催される舞踏会において、シャルウィーダンス相方の男性の肩にそっと添える手にこの指輪が輝けばそれだけで一幅の絵画。映画のワンシーン。

そんなもんワテらさっぱり縁のない世界や、アホらしもない、イノイノ、とこの場を立ち去りかけているそこな関西のご婦人よ、しばしのご猶予を。話はこれからが佳境へとなだれこむのでございますから。

もちろん、ここにお集りのお客様、ぱっと見渡しましても華麗なるギャッツビーの様に毎日がパーリーで夜ごと社交ダンスをお楽しみになっている上流パリピとお見受けいたしますようなお方は一人としていらっしゃいません、無残にも。

CASATO(カザート) ダイヤ連結リング

がっ、しかし忘れちゃいけないカラオケ喫茶の存在を。

街中のいたるところに知らぬ間に広く蔓延るに至ったカラオケ喫茶は何を隠そうシルバー世代出会いの場。

ヒトとの接触が不器用な若者がマッチングアプリなどの文明の利器の力を借りてパートナー選びに四苦八苦しているのを尻目に、昭和の尻軽女、好色漢どもはやはり直截な出会いを求めて、もちろんアプリなどを使いこなせる技能が無いのも手伝って、恋の歌を歌いつつ、老いらくの恋のお相手を捕獲せんものと虎視眈々とカラオケチケット大量買いの上、大人の社交場カラオケ喫茶に日参致すのでございます。

さて、そのようなおり、おっ、関西のお母さん身を乗り出して、俄然、聞く気満々!結構ですよ。

はい、そのようなおり、マイク握る手にギラリ輝くのがこのリング。

天井から輝く七色のミラーボールの光を反射しこの指輪の能力がすべて解放され、獲物が潜むであろう客席へめくるめく煌めきを惜しげもなく放出されるのであります。

CASATO(カザート) ダイヤ連結リング

もちろんその光の煌めきを浴びたオヤジどもはひとたまりもありません。一瞬にしてその輝きをあなたそのものと勘違いし秒殺で悩殺されてしまうのでございます。

さあ、このオヤジ秒殺ゴキジェットの如き効力優れた連結リング。

残り一点!ハイ、早い者勝ち!!

あれはお雪といふ女

モルガナイト ダイア ペンダントトップ

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

J・Pモルガンに因んでの命名は有名な話。といってこれ着けてるから株で大儲けできるとは限らない。綺麗だけでいいじゃん!

どーっぞー!お立ち寄りくださいまっせー!ご利用、ご利用、ご利用下さいまっせ―!

はーい!本日はこちら丸余百貨店五階エレベーター脇のこのゴージャスな矮小スペースを拝借致しましての、高級ジュエリーお値打ち品のご案内でございまーす!

さっ、どーっぞーお立ち寄りくだっさいまっせー!いらっしゃいまっせー!

さて、皆さま―。百貨店、デパートメントストアと申しますとわたくしの様な一般庶民などからしますと何やら高級なイメージ。敷居が高い。恐れ多い。身がすくみ金縛りが襲う。

お買い得品、特売品、見切り値下げ品、ましてやリサイクル、中古品の販売なんて滅相もないと思し召しの事でございましょう?

さよう、まっこと百貨店には信頼、信用の看板と言うものがございますから、おいそれとその権威、威信を傷つける下手な事は出来ません。

しかし皆様何事にも抜け道というものがございます。

商売も四角四面じゃ世の中と一緒、面白味に欠けてしまう。

たまにはちょっとした息抜き、おふざけといふものをば顧客様に提供しようじゃあないか、どうだねキミ?

はい、まことに左様でございますな部長、目の付け所が違います。さすがですね、さすがの慧眼、さすがの切れ者、知恵者、賢者お見事!(揉み手)。

なんて営業会議があったかどうかは定かではございませんが、その結果わたくしのような百貨店様の品格からは程遠い野暮で下品な野郎が場違いにもしゃしゃり出た様な次第でございます。はーい!

という訳で、本日は週替わりの特別催し、中古ジュエリー格安ご提供のご案内となっております。

さてさて、前回のモルガナイト ダイア ペンダントトップの後塵を拝し登場致しましたのがこちら!

モルガナイト ダイア ペンダントトップ

薄いピンクが美しいモルガナイトを贅沢、豊富に使いまして作り上げられたる、この素晴らしいペンダントトップでございます。

さて、モルガナイトと申しましても宝石にあまり興味のない一般のお客様には馴染みのない宝石名かと存じます。

さあ、そのモルガナイトはご存知なくても、皆様エメラルドならご存知でございましょう?

奥さんどうです?

ハイもちろんご存知ですね。持ってないけど、知ってる。そんなに包み隠さず打ち明けてもらっては恐縮してしまいますが、正直で結構。

で、そのエメラルドという宝石は元々ベリルと言う宝石の緑色のヤツをそう呼ぶんです。同じベリルでもこれが水色になるとアクアマリンとなる、ね。わかりますよね?

色によって名前が変わるのですよ。赤鬼とか青鬼なんてな単純な区分けとは訳が違う。だって宝石なんだもの。

という事で、そのモルガナイトの正体はお察しの通り、ピンクのベリルなわけでございます。

モルガナイト ダイア ペンダントトップ

さて、この20世紀初頭にマダガスカルで発見されましたピンクのベリルは当時宝石の収集家としても名の知られた、かのアメリカ合衆国のというか世界に冠たるモルガン財閥の創始者J・Pモルガンの功績をたたえ命名されたのであります。

この功績とは何かというと、1907年にウォール街の恐慌に端を発した金融崩壊に対し、ニューヨークの主要投資家125人を自宅書斎に文字通り監禁し、大惨事を回避する為の資金拠出の約束を強引に取り付け、国難を救ったいう事であります。

正に国士、今時の経営者には爪の垢でも煎じて飲ませてやりたいねー、ホント

モルガナイト ダイア ペンダントトップ

さて、このアメリカ合衆国の国難を救ったヒーローの名を与えられた宝石名は、その栄誉にふさわしく明るい未来、明るい社会を予見するかのような淡い透明なピンク色でございまして、神々しいばかりのみごとな美しさ!

ルベライト、ピンクトパーズ、ピンクサファイア、ピンクダイア、ピンクの宝石数あるなかでもこのモルガナイトはその淡い透明感溢れる清々しい色合いにおいて他のピンクの石の追随を許しは致しません。

しかもこのペンダントトップに留められている九つのモルガナイトはあたかも九つ仔かと見まごうばかりに色、形がピッタリと一致しているのです。

この石合わせの妙はただ者の仕業では無い!と言っても中古品ゆえどちらの名工、名人の手によるものかは定かではございませんが、造り手わからずとも、実物を一目見りゃそれとわかる正真正銘のマスターピースでございます。

モルガナイト ダイア ペンダントトップ

さて皆さん、モルガンと言えばモルガンお雪。日本のシンデレラとして今でも花柳界の語り草となっている伝説の芸者。

京都は祇園で左褄を取っておりました、つまり芸者稼業をしておりましたお雪がなんとJPモルガンの甥ジョージ・デニソン・モルガン(もちろん大富豪)に見初められプロポーズされたのが1901年。

それからというもの、このモルガン君、お雪の元へ旅客機の無い時代に4年の間に3度アメリカから通いつめ、なんと当時のお金で4万圓、現在のお金に換算すると8億円という途轍もない金額で落籍した、すなわち身請けをし、めでたく結婚にこぎ着けたのであります。

これが、日米に渡る世紀の玉の輿婚ということで、当時は凄いセンセーショナルなニュースとなったわけなのでございます。

さあ、その恩恵にあずかるかどうかは定かではございませんが、玉の輿を目指す現代の芸妓、芸子諸君よ、ゲン担ぎのチャームとしていかがですか?

ええ、もちろん既婚者の方も大歓迎。大富豪に見初められたらダンナなんかさっさとお払い箱でしょ?

副大統領閣下のネックレス

タヒチパールネックレス

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

常夏の楽園タヒチが育んだ黒蝶真珠。首に巻いた刹那潮騒が聴こえる。(注:個人差があり聴こえないこともございます。)

どーっぞー!お立ち寄りくださいまっせー!ご利用、ご利用、ご利用下さいまっせ―!

はーい!本日はこちら丸余百貨店五階エレベーター脇のこのゴージャスな矮小スペースを拝借致しましての、高級ジュエリーお値打ち品のご案内でございまーす!

さっ、どーっぞーお立ち寄りくだっさいまっせー!いらっしゃいまっせー!

さて、皆さま―。百貨店、デパートメントストアと申しますとわたくしの様な一般庶民などからしますと何やら高級なイメージ。敷居が高い。恐れ多い。身がすくみ金縛りが襲う。

お買い得品、特売品、見切り値下げ品、ましてやリサイクル、中古品の販売なんて滅相もないと思し召しの事でございましょう?

さよう、まっこと百貨店には信頼、信用の看板と言うものがございますから、おいそれとその権威、威信を傷つける下手な事は出来ません。

しかし皆様何事にも抜け道というものがございます。

タヒチパールネックレス

商売も四角四面じゃ世の中と一緒、面白味に欠けてしまう。たまにはちょっとした息抜き、おふざけといふものをば顧客様に提供しようじゃあないか、どうだねキミ?

はい、まことに左様でございますな部長、目の付け所が違います。さすがですね、さすがの慧眼、さすがの切れ者、知恵者、賢者お見事!(揉み手)。

なんて営業会議があったかどうかは定かではございませんが、その結果わたくしのような百貨店様の品格からは程遠い野暮で下品な野郎が場違いにもしゃしゃり出た様な次第でございます。はーい!

という訳で、本日は週替わりの特別催し、中古ジュエリー格安ご提供のご案内となっております。

さて、それでは先ずは何を置いてもお薦めさせて頂きたいのがこちら。

南洋黒真珠、別名黒蝶真珠、更にはタヒチパールなどとも呼ばれるこちらの黒い真珠のネックレスでございます。

タヒチパールネックレス

私のラバさん酋長の娘、色は黒いが南洋じゃ美人なんて文句で始まる、戦時中の流行り歌がございましたが、今そんな唄作ったら人権問題で即発売禁止でしょうねー?

まあ、こちらの黒真珠はタヒチパールと言うくらいで、南洋も南洋、かのフランスの画家ゴーギャンが愛した南海の楽園、タヒチアイランドで採れる真珠でございます。

黒蝶貝と言う貝から採れるんで黒いパール、白蝶貝からとれれば白いパールね。

じゃ、その赤い球は赤蝶貝から採れんのかと言うとさにあらず、これは残念、珊瑚でござい。難しいよ宝石の道は。

タヒチパールネックレス

で、この黒蝶真珠のネックレスなんですが、昔、私なんかが老舗宝石屋の丁稚小僧で奉公してましたころなど、もうビックリするようなお値段だったのでございます。

ほんと百万二百万三百万なんてのはざら!とても庶民に手の届く品じゃなかった。

なぜ、そんなに高額だったかと申しますと、現在の様にタヒチにおいて黒蝶真珠養殖産業が確立されてなく、黒真珠の供給そのものが不安定だったからなのでございます。

そもそも、真珠養殖なんて技術がなかった時代はこの黒蝶真珠が天然でとれる確率というのは、1万5千から2万個の貝の中からわずか一個見つかるかどうかというほど稀な事だったのです。

ですから、もう王侯貴族の秘宝とか秘宝館でしかお目に掛かれなかったほどの代物だったのでございます。

タヒチパールネックレス

さてそれが時を経て、タヒチにおいて日本の養殖技術導入で養殖が盛んになりましたのはまだほんの前世紀の末のころ。

ですから、こうしてこの黒蝶真珠、タヒチパールの製品が堂々と一般消費者のもとへ安価に流通し始めましてから、まだほんの20年かそこらなのでございます。

昔は王族貴族とておいそれとは手に入れる事の出来なかったこの南洋黒真珠。

ようやく庶民の手に入るようになったと申しましても、これが百貨店正規の宝飾品売り場でお求め頂きますれば、やはり二十、参十、四十満はゆうに致します高級ジュエリーでございます。

しかるに、これが一度そういったところで品の良いマダムがお求め頂いたものが、どういう経緯かわかりませぬが、市井の質屋で買い取られますと、これはもう立派な中古品。

しかし中古品と言って見くびってはいけません。

こういった黒真珠一昔前は専らお葬式用のフォーマルジュエリーとしてお買い求めいただいておりましたので、大体が未使用に近いものがほとんど。

たとえ数回使っていたとしても、首に巻くだけだからキズやイタミの付け入る隙などありゃあしません。

タヒチパールネックレス

そんな新品とほとんど変わるところの無い、ただ一度人様の手に渡ったというだけの悲しいさだめ故のこのお値段!こげん無慈悲な激安価格!このまたとない機会を見逃しては一生の不覚。末代までの恥。

なに?葬式、法事の予定は近々にない。

いえいえ葬式専用は一昔前のお話。今じゃ堂々と普段のおしゃれ用に皆様お着けになっておられますよ。

アメリカ初の女性有色人種の副大統領のハリス女史だってお着けあそばされておられたではございませんか。

それに最近はなんと男性だってパールを着ける時代。そんな抹香臭い年寄りみたいなこと言ってたら笑われちゃいますよ!

さあ、早いもの勝ち、早いもの勝ち!

【GRIMA】グリマの甘~いジェリー

GRIMA(グリマ) シトリン ダイヤリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

無敵の超ド級超大作の一大スペクタクル!

ちょっとちょっと見て見てコレ、凄くない!?

ヤダー何これ!ビックリしちゃう!おったまげーよネ。

なんかこれってスイーツみたいじゃん。スイーツって言ってもあれよ、その辺の駄菓子屋やスーパーとかで売ってる安物じゃなくて、自分じゃ絶対買わない、てか買えないけど、金持ちの親戚のおばさんとかがさー、お土産とかで持って来てくれるヤツ。

百貨店のスイーツ名店コーナーとかでメイクバッチリのお姉さんが慇懃に接客してくれてさ、レジ袋すら金取るくらいのこの世知辛いご時世にさあ、いかにも高そうな包装紙にくるんで、その上これまたなんか和紙みたいな凝った衣装の分厚い袋に入れて、エコの人が激怒るような過重包装しまくりでさ、最後両手を添えて渡してくれるあれよ、あの手のお菓子、わかるー?

で一体お菓子の正体は?って話だけど、ぱっと見の印象は、アタシ的にはモンブランじゃないかって思うの?ネッ、思うよねー!

真ん中に大きな甘-いマロングラッセがあってそれをクリーミーなマロンのクリームがグルグルまきにしてんのよねーっ、駄目!

想像しただけでヨダレが出てきちゃう、見て、ほら、糸引いて、ビザールよね、キモイよねー、まるで雌犬よね、息子はいないけどさ。

GRIMA(グリマ) シトリン ダイヤリング

でもさー、和菓子でもこんなのなかったっけ?

ちょうど周りの細かいチップみたいなところがまるでこんな感じの竹細工っぽい感じでさ、真ん中がさー、この感じだとオレンジのゼリーかな?みたいなのが入ってたりするの。

あったわよねー、あれあれ、茶道?茶の湯?そういった格式ばったところで出されるような高級和菓子。

そんなお上品なお席にはとんと縁遠いからよくわかんないんだけどさ。

GRIMA(グリマ) シトリン ダイヤリング

でもね、これってホントはスイーツじゃなくてジュエリーなのよ。しかも指輪!

驚きじゃない?ビックリでしょ?なんだ―、ちょっとはビックリしなさいよー。ヒトがさんざもったいぶって喋ってんだからさー。

これはねイタリアの貴族出身のジュエリーデザイナーの作品、貴族よ、凄くない?

アタシみたいな単なる族出身とは訳が違うんだから。

で、その貴族出身のジュエリーデザイナー、アンドリュー・グリマていうひとのデザインしたユ・ビ・ワ!

GRIMA(グリマ) シトリン ダイヤリング

英国王室御用達だって、凄くない?

畏れ多くもエリザベス女王陛下もお着けあそばされてるのでございますよ。メーガンなんかにゃ呉れてやるもんか、とかおっしゃってるのかしらね?怖いわー!

で、このグリマさんがこだわったのは独創的な形と素材だっていうんだけどさー、ホント独創的よね!

この真ん中ににひと際大きくデンと収まってる大きな宝石はシトリンクォーツっていう石なのよ。

日本語じゃ黄水晶てんだけど、ダサいわねー、そのまんまじゃん!センス無さすぎよね日本の宝石屋。

どうせだったらもっと売れそうな名前つけろって言うの、あたしに言わせればよ。

GRIMA(グリマ) シトリン ダイヤリング

で、このシトリンていうのはフランス語のシトロンつまりレモンに由来してるんだって。

だからこれはマロンでもオレンジでもなくレモンってことになるのかしら?

レモンのゼリーよ、って宝石だっちゅーの!どこまで食い意地はってんだろアタシという女は?良いーの女なの!

で、よくこういったボリューミーな指輪には絶対ケチつけるヒトがいる訳よ。引っかかるとか、普段着け出来ないとか、こんなの着けてどこ行くのとか、ねっ、いるでしょう、そういう事必ず言うやつ。

GRIMA(グリマ) シトリン ダイヤリング

大体普段てなに?家事炊事主婦と生活ってこと?そんなときは横着しないで全部外すもんでしょ?

どんな指輪だってはめたまま炊事や水仕事なんてしちゃ駄目よ。

汚れをわざと付着させてるようなものでしょ。こんなの着けてどこ行くのって、知るもんか自分で決めろって話よね。

GRIMA(グリマ) シトリン ダイヤリング

あのね、自分が気にするほど人サマはアナタになんか関心ないの。

着けてるか着けてないかわかんないような指輪なんか着けてて誰が感心して褒めてくれるもんですか。

誰の印象にも残らない控えめな自己顕示欲。陳腐だわ!間抜けだわ!いかにも小市民的よね。

アタシのようなクロスドレッサーの立場から言わせてもらうとね、せっかく女に生まれたんだからもっと身を飾ることに真剣になって欲しいわけ!控えめにしてたら上品だとでも思ったら大間違いよ。

だってこちら英国王室御用達よ。

上流階級のお方というのはこういう奔放大胆なジュエリーをお着けあそばして、なお気品を失わないんですもの。

GRIMA(グリマ) シトリン ダイヤリング

コーディネートやTPOなんて考えずに気に入ったら買っちゃうのよ。

そのあと、ああでもないこうでもないってとっかえひっかえお洋服や靴、バッグの組み合わせを考えるのって女として生まれてきて味わう最高の至福の時よ。

オッサンのアタシが言うのも変な話だけどさ

【岩間 大】パオーン、アフリカ象が好き!

岩間 大 作「アフリカの王」

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

パォ~ン!アフリカ象が好き!解んないだろーなこれ?

以前書いたブログで、自らを称してサイバーテキヤ、ネット寅さんなどと臆面もなく名乗ったわけでございますが、実際、宝飾業界にも、お祭りに露店を出し、それで全国を旅してまわる寅さん同様のテキヤ稼業のような方たちがおられます。

と申しましても、実際縁日や夜店などで露天商に交じって金魚すくいの隣なんぞでジュエリーを売ってるわけではなく、お店を開帳致しますのは、全国津々浦々の有名ホテルの大宴会場などで開催されます宝石展示会。

お祭りはお祭りでも「宝石の祭典」。

こうした宝石の展示会というものは有名百貨店や大手宝石製造卸などが主催し、それぞれの得意先を招待し、まとまった売り上げを作らんかなの魂胆の下、1~3日くらいの期間開催されるわけなのです。

このような会場の売り場構成は大雑把に分けて、

ダイアモンドジュエリーのコーナー。色石ジュエリーのコーナー。パールジュエリーのコーナーといった一般ジュエリーの大きな流れのメインとなる陳列スペースと、デザイナーの作品やブランドジュエリー、カメオやサンゴ、アンバーなんかの特殊な装飾品や細工物。

たまには高級な眼鏡や腕時計などがそれぞれ小さなブースやコーナーに分けられ配置されます。

こういった小さなブースはその主催者の一部門が担っている事は稀で、大体が外部委託の業者さん達。

この業者さんこそが実は宝石テキヤの正体。

今日は東京のニューオータニ、明後日は大阪のリッツカールトン、来週は下関の地場産業振興会館といった具合で全国で開催される宝石の展示会やお着物お見立て会などカモ、もとい優良顧客の集まりそうなところならどこでも参上いたすわけなのです。

その会場でお客さんに売れた商品は、伝票上では一旦大元の主催者の会社に納品される形で最終的にお客さんの手に渡るという流れ。

その流れの中で業界風にいうとショバ代、カスリが差っ引かれるわけでござんす。

岩間 大 作「アフリカの王」

こういった業者さんは大体小規模な個人商店に近い形態が多く、文字通り旅から旅のテキヤ稼業なのでございます。

大体、会場の搬入設営というのは宝石展示会の前日。

まず陳列用の大きなステージやらひな壇、ガラスのショーケースや陳列のコーナーにひと際そびえたつハイケース、宝石を飾るリングの台やらネックレス用の首、クッション等が専門のケース什器リース業者によって搬入されます。

そのあと、商品陳列という事で主催者及び参加業者が商品を搬入陳列に及ぶわけであります。

ただし、物がモノだけにその後が大変。

主催者がセキュリティー会社なんかと契約してて設営後は万全の監視体制と補償を完備してる場合は良いのですが、なにぶんお金のかかる事、大抵は商品管理は自己責任にてお願いします。てな場合が多いので、せっかく並べた商品を全部撤収してその日の宿に持って帰らなければいけないのです。

さて、こういった宝石テキヤの中でも多いのが所謂ジュエリーデザイナー。

ジュエリーデザイナーと言えばいかにも華麗で華々しい職業のようなイメージ。

実入りも大層多い様に思われますが、これはどの世界でも同様ですが、そんなのは一部のトップクラスの人々だけ。あとはしがないその日暮らしのテキヤ稼業。

搬入搬出設営全部ひとりでやって、安いビジネスホテルに帰って商品抱えながらコンビニ弁当の夕食をわびしく食べる。

今を時めく、かの梶光夫先生すらそういう不遇の時代があったとか。

ま、梶先生の場合は前職の歌手の名声があまりにも大きかった為、あっという間に人気が高まり、今では面倒な搬入搬出はスタッフに任せて、ご本人登場は本番のみ、いや、もう本番も息子さんに任せて滅多にお出ましになる事すらないのではないでしょうか?

岩間 大 作「アフリカの王」

そんな業界のレジェンドを目指して若きクリエーター達は信じた自分の才能を一つ一つの作品に込め世に訴えかけるのですが、世の中そんなに甘くはない。

黙って台の上に並べてたってそんなものは誰も買ってやくれません。テキヤはテキヤなりの創意工夫と言うものが大切。

まず、陳列なんかでも出来合いの什器じゃ駄目。

ネックレスを引掛ける首一つとっても凝った別誂え、ネーム入りロゴ入りなんかのお洒落陳列セット一式が必要。

それだけじゃない。宝石を売るには宝石を売るプロが必要。

もちろんデザイナー先生本人が寅さんよろしく手八丁口八丁、立て板に水とばかり弁舌爽やかにお客を引きつけ、持ち上げ、いい気持ちさせて買わせられりゃ面倒は無いのですが、天は二物を与えず。

大体独り工房でシコシコ宝石を拵えようてな人は、お口の方は不調法にできてるもんです。

そこでどうしても頼りたくなるのがマネキンと呼ばれるプロのセールス。

マネキンは女性が圧倒的に多いのですが、大体芸能事務所のように、専属事務所に所属し、こういった勝負のかかった展示会などでは、ヤクザの出入りの用心棒さながら腕貸し稼業として事務所を通して雇われるわけであります。

実際腕っこきの用心棒、A級マネキンともなると私が現役当時と言えばかなり昔になりますが、当時で日当3~5万円と聞きました。

こういったマネキンさんをデザイナーさんはワンブースで最低二人は雇います。ケチってひとりにすると戦力は大幅ダウン。マネキン二人がかりの熾烈な攻撃はハイエナの狩りのごとくでございますから。

しかし、いかな凄腕のマネキンを雇っても勝負は時の運。

まったく売れないなんて事もございます。そんな時この高級マネキンの日当がデザイナー先生の肩に重くのしかかってくる事は言うまでもございますまい。

さて、そんな艱難辛苦の末世に出たデザイナーの作品の一つがこちら。

岩間 大 作「アフリカの王」

岩間 大 作「アフリカの王」

いかがでございましょう、このタイトルどおり、正にアフリカの王と呼ぶにふさわしいこのアフリカ象の威厳に満ちたお姿。

陸上動物では最大の大きさ、10トンもの体重に達するその巨体は百獣の王ライオンすら道を譲る貫禄。

アフリカにおいてはその圧倒的な存在感により、聖なる動物とも崇め敬われる巨象を、見事ジュエリーとしてその魅力を余すことなく再現した岩間大のこの技巧。

象の額にはルビーとサファイアが燦然と輝き、ダイアモンドの鋭い眼光があなたを射すくめる正に王者の威厳。

岩間 大 作「アフリカの王」

イタリアン伝統技法をもちいてデザイン、制作までを手作りにこだわる作者の魂があたかも乗り移ったかの如きジュエリークラフトの傑作!

「パオーン、アフリカ象が好き!」少年警察官こまわり君の名台詞も還暦過ぎの方ならご記憶でございましょう!

岩間大、岩間大を何卒皆様のお力によって艱難辛苦、地方ドサ周りの苦労がここに結実致しますようお力をお貸しくださいませ。

岩間大岩間大アフリカの王アフリカの王を何卒宜しくお願い致します。

ありがとうございます。ありがとうございます。パオーン!

驚き!スーパースターローズクォーツのリング

スターローズクォーツ サファイア ダイヤリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

大きな桃がどんぶらこーどんぶらこーと流れてきました。

さて、いつも皆様方にはお目汚しのこのブログ、酔狂にもご愛読いただいているお方様が万におひとかたでもおられますれば、この場を借りまして厚く御礼申し上げる次第でございます。

毎度毎度いい加減な、ふざけたようなことをば書き連ねておるやにお思いかと存じますが、これはこれで、何かと苦労のかかる作業なのでございます。

なにせ、わたくし一応、三流とは言え大学こそ出ているものの、幼少よりその愚鈍ぶりに父母が手を焼き、一家の名折れとまで蔑まれてきた劣等生。

文章なんてこの歳になるまでまともに書いたこともないのが、慣れぬパソコン相手に拙い人差し指入力。

無知蒙昧の私の唯一の助けはWord君の変換機能とウィキペディアちゃんの豊富な知識。

この二つの素晴らしい機能の助太刀により何とか毎回くだらぬ駄文をば呻吟悶絶の末絞り出しているような次第でございます。

さて、ブログのお題は毎回当店の在庫品の中から選んだお進め品。

しかし、このお奨め品の選択がまた大変。

商品選定の為、階下のストックルームに降りまして、奥に鎮座する頑丈な金庫の扉をおもむろ開きます。

まず、上段に恭しく納まるのがブランドジュエリー御一行様。

カルティエ、ブルガリ、ティファニー、ギメル等々そうそうたる宝石のセレブ達が勢ぞろいいたしますケースがございます。

こういったセレブの為のセレブな宝石たちともなりますとやはり気位が高い。私が覗き込んでもプイと横を向いて知らん顔。

中には、何をいきなり無礼なと言ってにらみつけてくる猛者もおります。

スターローズクォーツ サファイア ダイヤリング

まあこういう連中はいつも暗い金庫も中で、お互いに愚痴の応酬を繰り広げている事でございましょうから気持ちも荒んでおります。

「勘弁してよ、何でわたくしの様な高貴な血筋のジュエリーがこんな目に合わなきゃいけないの?本来ならセレブ、ブルジョアの豪邸のファンシーな宝石箱に納まるさだめが、何の因果かこんな場末の質屋風情の金庫のなかに、他の質流れの雑魚、雑兵どもと十羽ひとからげに監禁の憂き目に遭わなければならないの?信じられない。まったく馬鹿げているわ!」

「何をおっしゃってるの?ブランドでございって大きな顔あそばしてるけど、あなたなんかどうせ日本製、Fabrique au Japon でしょ?つまるところあなたが仰る雑魚、雑兵と同じ穴のムジナじゃない。そんなに憤慨なさる事ないわ。その点わたくしなんか花の都パリ-はヴァンドーム広場のお店でしなやかなギャルソンの指でラッピングされたと思いきや、気が付けばこの薄汚い島国に運ばれ、ギャルソンならぬギャルとか呼ばれる小娘の手に渡ったかと思う間もなく右から左でここに売り飛ばされたんですもの。怒りに打ち震え、己が運命を呪わずにいられないのはこっちの方ざます!」

スターローズクォーツ サファイア ダイヤリング

まあこんな愚痴や怨嗟の言葉を無視すれば、やはり一番ブログの題材にしやすいのはこういったブランドジュエリー達。

なにせ知名度は高いし、ネットを検索すればいろんな情報が得られる。

そして、品質は間違いなしだから、お奨めしても無問題(モーマンタイ)!

いや、問題が一つあるのです。

それはお値段。

いくら良いものでも、やはり今のこのご時世、しかもインターネットの画面上だけ買って頂くにはいささかハードルが高こうございます。

実際、商品実物を目の前に置き、かの香港はペニンシュラホテルで世界のセレブ相手に宝石を売ってきた宝石販売永世名人のわたくしめに直接接客をお任せいただきますればこんなものは、赤子の手をひねり、老婆にかわず掛けをかますがごとく朝飯前の仕事なのですが、口惜しゅうございます。(閉店したから言うたもん勝ちや)

それに、ブランドジュエリーばかりを贔屓にしてはいけません。

名もなき市井の隠れた名品にスポットを当ててこその掘り出し品のご紹介。さよう、安易なブランドジュエリーお勧め過多は職責逃避の誹りをも免れますまい。

さて、そこで今回は入荷したばかりのブランニュー中古ジュエリーのお勧の一席。落語やないちゅーねん!

スターローズクォーツ サファイア ダイヤリング

さてこちら、ご覧いただいておりますのは重量が63.11キャラトすなはち12.6グラムもございますほぼ真円に近いカボッションカットのローズクォーツを用いました指輪なのでございます。

しかもこのローズクォーツはただのローズクォーツではございません。

リングの真上からペンライトなどで光を照らしますと表面に星のマークが浮かび上がるという、所謂アステリズムという視覚効果を現す、スターローズクォーツなのであります。

スターローズクォーツ サファイア ダイヤリング

もちろんこの大きさの中石ともなると、この大きさに合う出来合いの空枠などございませんので、こちらのリング枠は完全な別誂えのハンドメイド。

脇石にはピンク色の中石にあわせてピンク系統のカラーサファイアを、これまた豪華に盛り付けておりますねー。

サファイアだけでトータル4キャラット以上。これだけで充分一個のファッションリングが作れちゃうほどのボリューム。

お着けいただきますと、その嵌めた指から大きくはみ出すこの特大サイズの指輪。

スターローズクォーツ サファイア ダイヤリング

これを見て「冗談じゃない、こんなばかばかしいリング着けてるだけで人格疑われちゃう」なんて端から全否定される方は残念ながら、いくら年齢的肉体的にはお若いかもわかりませんが、固定概念に妄執する老婆の精神構造。シンディー老婆。

ブッダの教えにもある通りこの世は無常。

常非ざる世の中を固定概念で乗り切ろうなどする生き様は正に冥府魔道の修羅の道。

この事を悟らぬ愚者どもは時間に縛られたひとつの概念もろとも時間の潮流に飲み込まれ、滝壺に吸い込まれるちり芥の如く阿鼻地獄に引きずり込まれて行く運命にあるのです。

スターローズクォーツ サファイア ダイヤリング

しかるに、ただ独りタオに生きる賢者のみが逍遥游、何ものにも束縛されることのない自由の境地を軽やかに楽しく、この刻一刻と流れる生のダイナミズムを謳歌できるのございます。

そのような方はこういった風変わりな指輪、否、目新しいものを見るたびにそれをどう活かして生活や、服装に取り込み新たな楽しみを創造しようかと前向きに思考するのでございます。新しい潮流を自ら作り出そうとなさるわけです。

新聞やテレビなど、目にするもの片端から否定、批判し、その見返りにちっぽけな自己のエゴの愉悦を受け取る。

そんな自分の愚さに気が付いたあなた、この指輪から新しい自分を発見してみては

【ギメル】アンティークの先物買いどう?

Gimel(ギメル) リボン ダイヤリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

深窓の令嬢のファーストジュエリー。ここまでの品質でないとお眼鏡に叶いませんの残念ながら

新聞も取らないテレビも見ない無為徒食の身の上、何かと世事に疎いのですが、ここ最近耳にして驚いたことに、なんと日本で1980年代頃に流行った所謂ニューミュージックが世界の音楽シーン、特にインターネット上ではCITY POPなどと称され、人気沸騰しているとか。

中でも人気は山下達郎、竹内まりやご夫妻で、ネット上ではCITY POP のキングアンドクイーンなどと呼ばれて大人気だそうでございます。

いやはや、ちょうど80年代と言えは、不詳わたくし二十代のチャラ男の頃。

よく悪友どもと繁華街のディスコティークに繰り出しては、達郎さんの曲に合わせ「おおーレッツダンス素敵なーディスコおおーレッツダンス朝まーで」歌詞にあわせて能天気にも、文字通り朝まで踊り狂ったものでございます。

ちなみに日本で達郎さんの人気に火が点いたのは、なんと大阪のディスコかららしいので、わたくしなんぞは正に「その時歴史は動いた」の生き証人。

なにせ達郎さんが流行りだす前は、もちろん大阪のディスコでかかる曲もモータウン系ウエストコースト系なんかの洋楽ばかり。

それが、達郎さんのおかげか達郎さん以外にも桑名正博、南佳孝なんて人の曲もかかり、一時期大阪のディスコはなにやら当時の人気番組「ザ・ベストテン」のような状態になっておりました。

まあ、その頃はじっくり曲に耳を傾けるなんていう余裕のある聴き方はしない訳で、同じアホなら踊らにゃソンソンとばかり安物のウイスキーを煽り、酔いにまかせて千鳥足で「スッテップ踏んで踊れるはずさー」とばかりにフロアーで飛び跳ねるのに夢中だったわけでございます。

Gimel(ギメル) リボン ダイヤリング

しかしながら、CITY POP隆盛の報を小耳にはさみ、四十年の時を経て再度じっくり聞き直してみますと、音楽とともに蘇るは、懐かしきあの頃、チークタイムに誘ったあの娘やこの娘の麗しいお顔。

それと同時に、今更ながらに達郎氏のダイナミックかつ緻密な音作りに改めて驚嘆してしまうわけであります。

重厚なりズムセクションに、嵩にかかって波の様にめくるめく被さる華麗なブラスセクション。小気味よい氏自身のギターカッティングの妙技。

そして多重録音による虹のような七色の独りコーラス。いや正に時を超えて世界を震わす素晴らしい音の曼陀羅(マンダラ)。

実際にネット上で先に大反響を呼んだのは奥様の竹内まりやさんの「プラスティック ラブ」という曲で、この曲はYouTubeで凄い再生回数を記録したうえ、世界の様々なミュージシャンがカヴァーしているのですが、この曲とてアレンジからバックの演奏まで全部山下氏及び彼のバックミュージシャンがサポートしているわけで、サウンド的にみれば紛うことない達郎サウンドなわけなのです。

Gimel(ギメル) リボン ダイヤリング

さて、此度の山下ご夫妻の海外からの再評価を目の当たりにし、思い起こされるのが、江戸時代に活躍した絵師・伊藤若冲の平成になっての国内再評価。

元々は京都の大きな青物問屋の旦那さんだった若冲は四十にして家督を弟に譲り、早々と隠居。

その後は余生を好きな絵一筋に打ち込んだ創作三昧。お金があるから絵の具や道具も最高の物でそろえるといった凝りよう。

ただ、この人の場合これが単なる旦那芸、下手の横好き、絵道楽で終わらず、実に見事な芸術へと昇華させてしまったのがすごいところ。

生前よりその名声は高く、中央の画壇にも属さぬ一匹狼的な立場ながら、その圧倒的な画力、精緻な筆使い、芸術性は当時の人気絵師丸山応挙と並び称されるほど。

しかし時は移り、若冲も応挙も全ての江戸時代の絵師たちが明治、大正、昭和の時代の波に呑まれ、もはや、歴史書のページにその名は有れど、多くの人はその作品とて知らぬ過去の人となり果ててしまっていた、かもわかりません。

あるアメリカ人の目に留まっていなければ...

Gimel(ギメル) リボン ダイヤリング

オクラホマの田舎資産家のお坊ちゃま、ジョー・プライスは1953年パパの仕事を助ける一環でニューヨークに滞在していました。

たまたま入った東洋古美術の店で彼は初めて若冲の作品を目にします。

彼は雷にでも打たれた衝撃を受けたのでありましょうか、パパが大学の卒業祝いの為に買ってくれるはずのメルセデスの購入資金を、なんと名前すら知らぬ東洋の画家のその一幅の掛け軸につぎ込んでしまったのです。

その後、パパが激怒したかどうかは定かではございませんが、彼の伊藤若冲を中心とした日本絵画のコレクションはこれをきっかけに、あれよあれよと見る間に膨れ上がり、世界でも有数のコレクターになっていったのであります。

Gimel(ギメル) リボン ダイヤリング

2006年東京国立博物館での「プライスコレクション『若冲と江戸絵画』展」においてそのコレクションが初めて日本で公開されるや、天才絵師若冲の超絶的技巧と鮮やかな色彩、奇抜な構図が時代の移ろいを超え人々の胸を打ち、その人気はたちまちのうちに日本国中に広まっていったのであります。

黒沢映画「羅生門」のヴェネツィア映画祭のグランプリ獲得に遡るまでもなく、どうも日本人は自分たちのやっている事や作り出すモノにあまり自信がないようで、海外から脚光を浴びて、ようやく初めてその真価を再確認するといった傾向にある様でございます。

さて、そういった事柄に着目してか、これを見事逆手に取ったマーケティングプランを展開したのが、芦屋奥池にアトリエがあるジュエリーブランドのギメルさん。

Gimel(ギメル) リボン ダイヤリング

ギメルのオーナー兼アートディレクター穐原かおる氏は1970年代に渡米しGIAにて宝石学とデザインを学んだ後帰国、自らのブランド「ギメル」を立ち上げ、品質に一切の妥協を許さないモノづくりを目指すとともに、まずは海外で認められなければという発想から、香港ジュエリーショーに15年連続で出展し続けたとの事。

その結果目論見どおり海外から人気に火が点き、日本で一気に名声が広まったらしいのでございます。

Gimel(ギメル) リボン ダイヤリング

その作品の多くが海外に流出し、ジョー・プライスのようなコレクターの手に渡った若冲の掛け軸。はたまた、都内の中古レコード店では一枚何万円というプレミアムがつけられ売られているという達郎さんの昔懐かしい黒いLPレコードを買いあさる海外のバイヤーやコレクター。

このような有様を見るにつけ、希少なギメル製品の海外流出を危惧せずにはおれません。

海外のジュエラーから100年後も価値の変わらぬ「未来のアンティーク」とまで絶賛されるギメルの商品。

これらの海外流出を防ぐのは、あなたの今の決断一つにかかっているのであります。

愛犬家胸キュンブローチ

犬モチーフ エメラルド ダイヤブローチ

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

愛犬家の多いキャスト嬢を籠絡する切り札のブローチですよ、先生、社長!

昔、まだおっちゃんらの学生時分、いうからまあ大概昔やね。

大阪はミナミの千日前に国際劇場いう映画館があって、今で言うところの十八禁の映画とかをよう上映してたんや。

いや、早合点せんといてや、そこによう映画観に行ったいう話ちゃうで。こう見えても学生時分は石部金吉、堅物、まじめ一本で通っとったんやから。そんな不謹慎な所なんぞいくかいな、一人では。

いや映画の話やのうて、その映画館の横に、たしか「マルエイ」さん言うたかな?バッタ屋があったんよ。

あっ、バッタ屋がわからんか?そやな、バッタ屋って最近見かけんわなー。

今の言葉でいうとディスカウントショップ言うんかな?倒産品とかを安う仕入れてきて、安売りするお店やね。

ほんで、そこのお店の名物が「啖呵売」。

啖呵売いうのは、昔は縁日やお祭りの屋台なんかでよく目にした風景やけど、最近はそういう場所でもすっかりお目に掛かれんようになってきたわねー。

まあ、早い話が映画「男はつらいよ」で主人公の寅さんがテキヤの本業でやってるアレ、あの販売方法。

犬モチーフ エメラルド ダイヤブローチ

えっ?寅さん知らん。さよか。寅さんを演じてた渥美清さんが亡くなって二十年以上たつもんなー、そりゃ無理ないわなー。

まあ、簡単に説明すると、お客さんをある程度寄せといて、その前で面白い台詞、可笑しい話をしながらお客さんの興味をグーっと引き寄せておいて、それを一気に商品の興味へ転換させ販売に繋げるという、エンタテイメントと商売を掛け合わせたような独特の販売方法なんやね。

例えば、「さて、いいかねお客さん。角は一流デパート、赤木屋・黒木屋・白木屋さんで、紅白粉(べにおしろい)つけたお姐ちゃんから、ください頂戴で頂きますと、五千が六千、七千、八千、一万円はする品物だが今日はそれだけくださいとは言わない!」

などというセリフを立て板に水の如く、矢継ぎ早にまくしたて見物、お客を話術に引き込んでいくわけや。

こういった販売手法は、今でも百貨店やスーパーでよく見かける鍋窯包丁なんかの実演販売とか、テレビのジャパネットタ○タさんのやり方に相通じるわね。

犬モチーフ エメラルド ダイヤブローチ

さて、話は戻るけど、先の国際劇場横のバッタ屋さんの場合は店頭に販売の為のテーブルを設えて、その後ろに啖呵売する売り手のおっちゃんが立ち、マイク片手にテーブル上に出された品物を次々色んなことを言いながら売っていくわけやねんけど、そこは大阪、立て板に水とはいかんねん。

せいぜいが横板に泥いうか、もっちゃりしとんねんこれがまた。まあ、江戸落語と上方落語の違いみたいなもん?知らんけど。

まあ、私なんぞも学校さぼって用も無いのにミナミうろうろしてた時、よく見物させてもろたんですが、まあそんな学生は格好の話のツカミの餌食やね。

「はーい、ほな始めるでー、ええか?ほらほら、遠慮せんともっと前に来て聞いてや、聞くだけではゼニ取らんねさかい。ほら、そこの兄ちゃんももっと前へ前へ。別に買おてもらおうなんて思てへんさかい。学校サボって、こんなとこうろついてる学生の懐具合に期待はしとらんよおっちゃんも。なんぼかでお金に余裕あったらこんなんモン見物せんとお隣の映画観たいわな、その若さなら、ちゃうか?わはははは!」

これにつられ他の見物からも笑いが漏れ、観客と演者が一体となっていくわけやね

その頃はこっちも今みたいな爺さんやのうて、まだウブな青年や。一人顔面紅潮しとるわけやねんけどね。。

でや、何で啖呵売の話をしとるか言うとやね、まあ、おっちゃんのこの毎回のブログちゅーもんを通じてやっとることも、これ一種の啖呵売みたいなもんちゃうか、いう話やねん。

言わば、サイバーテキヤ、ネット寅さんや。違うか?

さあそこでや、今日はおっちゃんの原点、青春の一ページとも言うべき千日前のバッタ屋風に商品をお勧めしてこうかという趣向やねん、まあ、たいした趣向でもないねけど。

さて、ほな、これからが本番や、いくで。

はい、始めまーす。はい、遠慮せんともっと前へ、グーっとパソコン、スマホの画面に近寄ってよ。急に画面から商品が飛び出したりせえへんからね。当たり前やっちゅーねん。

さて、こちらに取りい出しましたるはご覧の通りの可愛らしいワンちゃんのブローチ。

犬モチーフ エメラルド ダイヤブローチ

ワンちゃん言うても現ソフトバンクホークスの会長違うよ。って、古い例えや。誰もわからへん。

あの王会長を今でもワンちゃんなんて呼んでるのは、野球解説で元チームメイトの張さんくらいちゃう?「喝-ッ」言うてはる怖そうなおっちゃん。浪商やからね、イカツイよ。野球やってなかったらきっと渡世人になってたクチやね、きっと。

さあ、太古の昔より、犬は人間のベストフレンドちゅうくらいで、「忠犬ハチ公」やら「南極物語」ね、犬と人間の心温まる話はなんぼでもある。

お集りのみなさんの中にも犬飼ってるまたは昔飼ってた言う人も多いんちゃいますか?なー、いや別の手エ上げいでもええからね。

どうです?このブローチとは言え可愛らしい笑顔!犬飼ったことのない人は「なんで犬が笑うねん、笑う訳あらへんがな」とおっしゃるでしょう。

でも笑うんですねー!だいたいがこのように舌を出して口角をあげて笑うんですな。

いや、それって、単に笑ってる様に見えるだけちゃうん?と、疑念を抱くそこな青少年よ。いや、見えるだけやない、ちゃんと目が笑っとる。瞳が喜悦に満ち満ちとる。おっちゃん等の商売用の死んだ魚の目の愛想笑いとは全然ちゃう。本物の喜びに満ちた笑顔や。

犬モチーフ エメラルド ダイヤブローチ

しかも、こちらのワンちゃんの笑った目は何とエメラルドで出けたーる。

そして、首輪はなんとダイアモンド、ついでに尻尾にもダイアがあしらってあるから贅沢なワンちゃんや。きっとエエシの家の子やね。しょうもない雑種犬とは大違いの血統書付きの子や。

そしてこの胴体部分の細工もちゃんと毛並みの良いところを見せたろいうことで、つや消しのヘアライン仕上げが施してある。

犬モチーフ エメラルド ダイヤブローチ

どう、この凝りよう。ホンマに生きてるような存在感、愛くるしさ!

そしてこのワンちゃんのポーズ、愛犬家のあなたならもうお分かりですやろ。

そう、マテのポーズ。

何を待ってるかというと、もちろんあなたのお買い上げを待っているいるにきまってますやん。健気でっしゃろ?

小さいながらも手の込んだ細工と、エメラルド、ダイアモンドを贅沢に使ったこのワンちゃんのブローチ。

金価格高騰のおり、ここから目と鼻の先、大阪なんばの高島屋、あるいは心斎橋筋の大丸百貨店の宝飾品売り場、はたまた老舗宝石店芝翫香さんなんかで紅おしろい付けたおねえさんからお買い求めいただくと二十万、三十万は下らぬ代物。

犬モチーフ エメラルド ダイヤブローチ

いやほんま。それが、ネットで姿は見えんとはいえ、むさくるしいオッサンから買う、中古品というだけでこの安さ!

もちろん新品仕上げ済みで使用の痕跡はまったくナシ。こんなん買おとかなアカンわ、ハイ本日の一押し掘り出し品!!

「買ったー!」

ここでホンマのテキヤやったら佐藤蛾次郎扮するサクラが一声かける訳やけど、そこはサイバーテキヤの弱点。悲しいかなサクラがおらん。

しかしウチはどれも大概一点ものばかりやから、先にサクラに買われると困んねけどね。

本物のハイジュエリー クリヴェリのネックレス

CRIVELLI(クリヴェリ) サファイアダイアペンダントネックレス

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

あら、あまり馴染みの無いお名前だわね。あらそう?欧州の社交界じゃ人気なんですのよ、ご存じないのは、むべなるかなですわね、オホホホホホ

これはこれは遠路はるばる遠方よりお越しくださいましてありがとうございます。

江戸の昔でございますれば、東海道てくてく歩いて二週間。脚に自慢の早飛脚、走りに走って三日がやっと。

それが、どうでございましょう、このインターネットの普及であっという間に、日本国中はおろか世界のあらゆる場所から、こちら大阪市内とは言え、辺境のこのうらぶれた町にクリック一つでお訪ね頂けるわけでございますから驚くべきことでございます。

だいたい、今までの弊社売上実績を見ておりましても、お高いお品の売上は東高西低。関東の方が買ってくださる率が断然高うございます。

しかも、その買い方というものがまた粋じゃございませんか。

「ホームページの商品コメントが他所と違ってふざけて珍妙だから、物は試し、からかい半分で一つ買ってやろうじゃないか」てんで百万を超えるお買物をカード一括払い。

並みのカードなら限度額オーバーになってしまう金額を実物も見ないでスパッとお買い上げ下さるんですから、もう有難いを通り越して呆れてしまうばかりでございます。

あははは、これは失礼いたしました。歳のせいか老いの繰り言、ついつい無駄話が過ぎてしまいます。

さてさて、それで、本日のお目当ては先ほどちらっと伺いましたが、こちらのクリヴェリのペンダントネックレスでございますね?

流石はお目が高い!

いや、これはホント当店一押しの掘り出し品なんでございます。

CRIVELLI(クリヴェリ) サファイアダイアペンダントネックレス

えっ、なんですって、どの商品でもそんな事言って売りつけてんだろーって?

いやいや、それはあらぬ疑い、とんだ濡れ衣でございます、お奉行様。そのような事は断固としてございませぬ。

まあ、もちろん手前どももそこはそれアキナイ、商売でございますれば、多少の脚色、多少の演出をば行うことは否めない事実な訳でございますが。何でもかんでも掘り出し品なんて気安く呼んでいるわけではございません。

なにせ、こちらクリヴェリはイタリアはフランス国境近くの丘陵の街、かの国におけるジュエリー産業の中心地ヴァレンツァという街を拠点といたしますハイジュエリーのトップブランド。

その人気はイタリー国内だけにとどまらず、世界各国のセレブに愛され慈しまれているのでございます。

CRIVELLI(クリヴェリ) サファイアダイアペンダントネックレス

さて、ご覧くださいませこの造り、この細工。

円盤状の大振りなペンダントでございますが、その中身は実に繊細。

円盤の内側は細かいホワイトゴールドの網目が宝石を支える基盤部分として張り巡らされ、そこに細かいダイアモンドとサファイアがまるで星屑の様に散りばめられているのでございます。

もちろんそれぞれの宝石としてのグレードは最上級。

メレダイアは無色無傷、クリーンでテリのある石であることは言うまでもなく、サファイアにいたっては、濃い色と、薄い色の石を見事に使い分け、その濃淡の妙をお楽しみいただけるといった趣向が凝らされているのでございます。

CRIVELLI(クリヴェリ) サファイアダイアペンダントネックレス

そしてこの大ぶりのペンダントを吊り提げますネックレスでございますが、ペンダントの大きさに比例して、50センチメートルの長尺のものが用意されております。

ネックレス地金自体は最もオーソドックスな丸アズキタイプのチェーンでございますが、そこに等間隔にペンダント部分と同様のサファイアとダイアがベゼルセッティングでもって並んであしらわれていますのが、ペンダント部分との抜群のハーモニーを醸し出し、商品の完成度を一気に押し上げているのでございます。

はてさて、こういったジュエリーとのコーディネートとしてふさわしいのが...は?はい?

「あの、せっかくご親切にいろいろご説明下すっている途中で申し訳ないのですが、わたくしそちらのブランドはおおかた揃えて持っておりますの。ですから。掘り出し品とか言って大騒ぎしておられる田舎の質屋様よりかは、殊このブランドに関しましては多少なりとも存じているつもりでございますの。

ただ、こちらのネックレスに関しましては、以前外商さんの展示会で目をつけてたのをつい買いそびれちゃったものですから、ちょっと興味をそそられたとでも申しましょうか。

お宅様のホームページには付属品としてギャランティーコピーとおしるしあそばされていたかに存じますが、それはいったいどちらのギャランティーでなぜコピーなのでございましょうか?」

あっ、こ、これは説明不足でまことに申し訳ございません。こちらのギャランティーカードは平成二十五年九月吉日付けの高島屋新宿店様が発行元となってございます。

CRIVELLI(クリヴェリ) サファイアダイアペンダントネックレス

ただし、原本にはお買い上げお客様名の記載がございますので、これは個人情報に関わることでございますので、商品とともにお渡しいたします物は、そのお客様名を削除させて頂いたコピーという事でご勘弁頂いている次第でございます。

「あら、それは奇遇!実はわたくしもずっと新宿の高島屋さんにお世話になっておりますのよ。

そうよね、確かにわたくしの頂いたギャランティーにも全部名前が記入してあったわ。それを聞いて安心しました。

ひょっとすると、そちらわたくしが密かに目をつけていたものかもわかりませんわね、ほほほほほ。

これも何かのご縁、是非前向きに検討させていただきますわ」

ありがとうございます!是非ともこれこの通り、伏して伏してご検討のほどお願い奉りまする―っ!

Ruby, My Dear

ルビー ネックレス

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

花の道で行列してるヅカファンのおばさんのレースひらひら衣装とかにドンピシャのルビーペンダント。阪急今津線に乗るにはこれぐらいはしやんとネ!

セロニアス・モンクはマイルス・デイヴィスやジョン・コルトレーンと並び称されるジャズシーンにおける伝説の巨人、偉大なるジャズピアニストなのは周知の事実。

数々のジャズのスタンダードと呼ばれる名曲を残しているのですが、その演奏スタイルは非常にトリッキーで、一見不協和音の羅列のようにも聞こえる摩訶不思議な調べは一度聴いたら病みつきになるか、二度と聞きたくないかのどちらか。

もちろん私は病みつきのクチで、今でも帰宅途中の電車でワンカップをひっかけながら彼の曲を聴きつつ茫然自失の体。傍から見れば完全な不審者。瘋癲老人。

さて、その彼の数あるレパートリーの中でもお気に入りの曲の一つが " Ruby , My Dear "

この曲は一応ラブバラードという範疇に入るのでしょうが、ラブはラブでも若者たちのフィジカル主導、リビドーおもむくままのホットな、一刹那の沸騰する情熱といったラブではございません。

どちらかと言えば艱難辛苦を共に乗り越えてきた老夫婦の、昇華した愛の形。もはや家族愛とも言える、落ち着いた深みのある愛情を表しているような気がいたします。

ルビーという名の女性に捧げる体の曲のタイトルながら、モンク自身は特定の女性を意識して付けたわけではなく、その音の響き自体が気に入ってルビーという言葉を選んだとか。

なるほど確かに良い感じですし、英語の字面も粋じゃないですか?

ひと頃、スイートテンダイアモンドと呼ばれる、結婚10年を記念して妻に送るダイアモンドリングが宝石屋どもの企みのもと、結構世に出回った時期がございました。所謂アニバーサリーリングというヤツですね。

しかし、十年じゃまだまだひよっこ。諦めの境地にはまだまだ達しません。

そうです、深い愛情とは、長年の抗争、権謀術数のせめぎ合い、裏切りと怨嗟の果ての諦観の境地から生まれるのでございますよ。

さあ、そういった諦めの境地に立たれた銀婚式、金婚式を迎えられるような素敵なカップルにお勧めしたいのが、やはりルビー。

ルビーなんて若い時分に贈るから寺尾聡の「ルビーの指輪」の唄にあるように、ふられた挙句にドブにでも捨てられてしまうのです。

さて、結婚三十有余年の月日、さんざん泣かしてきた、あるいは泣かされてきた苔むした老妻に感謝の気持ちと長寿を祈念して贈るにふさわしいお品がこちら。

ルビー ネックレス

プラチナ枠に雫型のルビーをセットいたしまして、それを細かいダイアモンドが二重に取り囲み、更にはネックレスを通すバチカン部分にも真ん中にマーキーズカットのダイアモンド、そしてその周りを更にメレダイアが囲むといった非常に豪華な造りのペンダントトップ。

このペンダントを吊るしますのがまるで一本の紐の様に見えるという細かい目のスネークチェーン。

これで首元も実にスッキリと見える。商品全体のバランスの良いのは写真からも見てとれるのではないでしょうか?

ペアとは洋梨、即ち洋梨を模したかのようなカットなんです。

大体色石の場合はこのペアシェイプあるいはオーバル、マーキーズといったカットが多く、意外にもダイアモンドに多いラウンド、真ん丸というのは少ないのです。

これは元々の原石の形に由来してまして、なるだけ無駄のないカットを施している結果なのです。

ルビー ネックレス

さて肝心のルビーですが、お色目はフルボディーのレッドワインを彷彿とする、やや暗い感じのレッド。こういう色目が熟年の女性には良いのでございます。

派手さを押さえた落ち着いた貫禄というものが石自体から滲み出ているかのようで、年輪を重ねられたお肌にもしっくりと抵抗なくなじむはず。

お歳を召されたからと言って地味な宝石は逆効果。

こういった赤系統のお石でもって、あたかも、お花を飾る様に華やかさを添えてあげるのです。

これぐらいのお色目なら奥ゆかしい奥様も抵抗なくお着け頂けるのではございませんか?

ルビー ネックレス

さて、母の日も間近。

常日頃、親でもないのにお母さんと呼んでいる昔の恋人に、ちょっと気障ですがモンクの「Ruby, My Dear」のCDでも一緒に添えて、プレゼントされてみてはいかがでございましょう。

実感!ダイヤモンドに目が眩むチャーのリング

CHAR(チャー) ダイヤパヴェリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

日本を代表するロックギタリストとは何の関係もないと思いますが、同じぐらいブリリアントな輝きを放って、気絶するほど悩ましい!

パヴェセッティングと言いますのは、ご存知の方も多いかと存じますが、ダイアモンド等の小さいサイズの宝石を、フランス語で言うところのパヴェ、即ち石畳の様に並べて指輪やペンダントといった宝飾品の台座に石留していく技法で、様々なブランド、メーカーが製品製造に用いております。

しかし、これらの出来栄えの良し悪しは本当、ピンからキリ。

悪いのになりますと曇りガラスのカケラのような不揃いのダイアを一応爪らしき形状の枠部分に、あろうことか接着剤で張り付けてあるだけというお粗末なものがございます。

そこまでひどいのは論外と致しましても、商品のグレードは枠の造りとダイアの質、そして石留の正確さによって決まってまいります。

石畳とは言え不揃いの石ででこぼこ、歩けばけつまづきそうな田舎道。

あるいは古寺の苔むした石畳と言った風情のB級品なら質流れの宝石にもよく見かけます。

しかしこれからご紹介いたしますのは全く真逆のピンの方、即ち超一級品のパヴェリングでございます。

こんなのは質屋のお預かり品どころか、世間一般の市場においても滅多お目にかかる事の無い、幻のチョモランマ、マチュピチュの如きもの。意味不明。

さて、その商品の正体とは国産ブランドの雄「チャー」がマニアックにも贅を凝らして作り上げたパヴェセッティングダイヤモンドリングなのです。

CHAR(チャー) ダイヤパヴェリング

この指輪の石留をパヴェ、即ち石畳で例えて申しますと、地面に石ころの代わりに強烈な光を放つライトを規則正しく埋め込んで、一斉に点灯してるかのごとしなのであります。

このようなライティングともなると一流ファッションデザイナーのファッションショーにおけるキャットウォークの照明すら足元にも及びません。

なぜならこのような強烈な光を足物から直に浴びせられると、もう対象物は光に飲み込まれ、それを満足に鑑賞する事は叶いません。

CHAR(チャー) ダイヤパヴェリング

さらに、そのような下からの光の逆シャワーにさらされたモデルさんは強烈な光でその刹那視力が奪われ歩く事すらままならないでありましょう。

いや、失明の恐れすらございます。

なーんて申しますと、古くからの諺、宝石商見てきたような嘘を言い、という言い伝え通りやんけ、ええ加減な口から出まかせ吹聴さらしくさって、とお叱りを被りそうなので、一言おことわりを。

「いえなに、旦那何も言葉通りを鵜呑みになすっちゃいけませんやね、どうせしがない香具師の口上、多少の針小棒大という事もお含み頂いたうえで、そこはそれ大人の対応、大人の風格、酸いも甘いもかみ分けて頂いてお楽しみ頂きますれば、はい、まことに左様で、はい恐れ入ります。はい、ご指摘の通り、ダイヤモンドは電球、ランプの類とは異なり、自ら発光する事はございません。あくまでその環境下にある光を反射し輝いているにすぎません。」

上記の如き記述は過剰広告の誹りをば免れますまい。

しかし敢えて私はここで声を大にして申し上げたい。

「だってそう見えるんだもん!」

CHAR(チャー) ダイヤパヴェリング

よく、一般の方はダイヤが光ってるとか、宝石が光って入るなんて事をおっしゃいますが、プロの業者はそうは申しません。

では、どういうかと言うと「照ってる」「照りがある」なんて事を良く申します。

これは光の照り返しというニュアンスが含まれているからだと思われるのですが。

この商品に関してはジュエラー歴四十年のわたくしをして「光っている!」と年端もいかぬ童子のように思わずつぶやいてしまうような輝きなのでございます。

では、なぜそう見えるのか?

それは簡単。すべてのダイアモンドが最強のツワモノ揃いだからに他なりません。

例えて言うなら1番から9番までが全員大谷選手みたいな野球チームみたいなものであります。

野球選手の素質が打つ、投げる、走るの3点に集約されるようにダイアモンドの良し悪しはご存知、カラー、クラリティ―、カットで決まります。これがすべて最高の基準で統一されているわけなのですね。

もちろん全員大谷選手のチームがありえないように、全石最高品質のパヴェリングも普通はありえないのですけど、チャーさんやらかしちゃったんです。

もう呆れるばかり。オタクな造り手、ダイアばか一代!と言わざるを得ません。

CHAR(チャー) ダイヤパヴェリング

しかも良―くご覧くださいな、石のサイズも指輪の中心に向かって大きくなっていくグラデーションの造りでダイアのサイズも均一じゃないのです。

普通一般的なパヴェリングは材料が揃えやすいという事で均一のサイズのダイアで拵える事が多いのですが、こちらはデザイン優先、見た目優先。

しかも品質には一切の妥協がない。もう病気やね。

さてそれでは、こちらをお求め頂いたあなた様はどうなるかというと、この化け物のような指輪の光があなたのオーラと同化して、行く先々で人々の驚嘆の眼差しが、羨望の眼差し、憧憬の眼差しがあなたに熱く降り注がれることでございましょう。

また、奥ゆかしくて、そういうのが苦手な方は、独り夜ごとこっそり宝石箱の上蓋を開き、遠くユーラシア大陸奥地に莫として広がるゴビ砂漠で、深夜仰ぎ見る満天の星空から降り注ぐ針の様な光のビームを驚嘆の心持ちで飽くことなく眺むる快楽を、お部屋の片隅で、月の砂漠に赴くまでもなく存分に独り占めできるのでございます。

話半分で聞いとくんなさいよ、旦那!

パパラチアはモルディブの海に沈む夕陽の色

パパラチアサファイア リング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

出たァ!パーッ、パパラチアサファイア!!インド洋に沈む夕日の色と称される幻の宝石。この色、このデザイン、この作り。こんなに安くていいのかな?まともで買うと一桁上行くんだけどね。

「真っ赤な太陽」とは、いまからもう半世紀も前に歌謡界の女王「お嬢」こと美空ひばりがグループサウンズの雄、ブルーコメッツを従え、大胆にも当時流行りのミニスカートをば腰に巻き、ビヨンセもかくやとばかりのセクシーな腰つきで熱く歌った和製ロック?のタイトル。

「真っ赤に燃えた太陽だから、真夏の海は恋の季節なの」という歌詞で始まるこの歌。

しかし実際、真夏の空にある太陽って真っ赤なの?実際は眩し過ぎて直視できませんが、色で表すとすれば光そのものの色、真っ白なんじゃなかろうばい?

そもそも太陽が赤く見えるのは夕日の時に限られるのではないでしょうか。それも真っ赤、深紅というよりもどっちかというと、朱色とかオレンジ色のような若干黄色が混ざったような、いわゆる茜色というやつ。

童謡「赤とんぼ」で歌われる茜色の空の色は、いかにも日本の秋の風情が漂い、郷愁を誘う色でございますね。

しかし、ところ変われば品変わるなどと申します通り、この夕日も見る場所が変わるとがらっと違った風に見えるというから驚き桃ノ木。

この世の楽園、インド洋に浮かぶサンゴ礁の島国、モルディブ。

天国の島とも呼ばれるほどの絶景に恵まれ、人として生まれたからには、一生のうち一度は行きたい言われるほどの人気の観光スポット。あるいはハネムーンカポー達の憧れのデスティネーション。

さて、その天国の島で拝む夕日の色こそが、これからご紹介いたします、パパラチアサファイアのこの何とも言えない美しい色として例えられているのでございます。

パパラチアサファイア リング

まさにモルディブが浮かぶ、インド洋に沈む夕日の色と評されるパパラチアサファイアの色は、帯橙ピンクなどと呼ばれます通り、橙(だいだい)色つまりオレンジ色を帯びたピンクなわけで、日本で見られる素朴な茜色とはまた一味ちがう微妙な色合い。

この色はまたお釈迦様に非常にゆかりの深い、蓮の花の色にも例えられます通り、まさに西方浄土に沈むゆく、心が洗われるような有難い夕日の色な訳でございますね。

こちらのパパラチアサファイアの指輪。中石にはちょっとアンバランスな三角形のパパラチアサファイアが使われております。

なぜ、正三角形でなく変形の三角かと申しますと、もとの原石の形に出来る限り沿った、宝石の目減りをなるだけ減らそうとした努力の現れ。つまり原石からの歩留まりが高いカットを行った結果なのです。

パパラチアサファイア リング

そうして生まれましたアシンメトリーの宝石の形に合わせ、この宝石が生きるようなデザインのリング枠を拵えなければなりません。

その結果、出来上がりましたのがご覧のデザイン。

こういった高級素材のリングにありがちな、ありきたりの左右対称のオーソドックスなデザインでは無く、如何にも現代的なこのモダンなフォルム。

三角形のパパラチアサファイアをホワイトゴールドの枠が、さらに三角を基調として幾重にも取り囲む。

さらにメレダイアも全ての方向に入れるのではなく、わざと三角の一辺方向だけを地金のままの状態でおいてあるという凝りよう。

パパラチアサファイア リング

入荷当時、この卓越した中石とデザインのバランスの妙を見るにつけ、これはきっと有名デザイナーの名前を冠した作家物に違いあるまいと思ったのですが、刻印を探すもそれらしき形跡が見当たらない。

ただし金性の表示が750とございますから、海外で作られたものかと推測できます。

やっぱりこの辺の感性というものはインポート品独特。宝飾品文化の歴史が古い分、一日の長というものが伺えますね。

パパラチアサファイア リング

さて、この希少なパパラチアサファイアでございますが、今から20年ほど前になりますでしょうか、マダガスカルから良質なパパラチアサファイアが多く産出されたという事で、大量に市場に出回ったことがございます。

しかし、実はこれがベリリュウム拡散処理という人工的に着色した処理石。

当時は大手鑑別機関もこれを看過し、大問題に発展したことがございました。

「ほんだら、これも中古やし怪しいんちゃうの?」

と訝る向きも多いかと存じますが、ご安心下さい。

こちらは製品化するにあたって、もちろんベリリュウム拡散処理も看破する最新の鑑別技術により、新たな鑑別書を日本最大の鑑別機関、中央宝石研究所にて取り直しております。

パパラチアサファイア リング

天然本物のモルディブの夕日の色を、日本に居ながらにして是非ご堪能頂きたいものでございます。

ゾッカイは湯婆婆のネックレス

ゾッカイ スモーキークォーツ ネックレス

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

かのスモーキー・ロビンソンの甘いヴォイスを彷彿とさせるセクシー&ゴージャスなネックレス。

アンタ、何それ?鼻くそみたいなペンダントぶら下げて。ダイヤてか?そんな小マイもんダイヤや何や判れへんがな。ウチ等目エ悪いさかいよう見えへんし。そんなもん着けん方がましやで。貧相なんがよけ貧相に見えるわ、ビンボ臭!止めとき、止めとき!

なに?若い娘等に流行ってる?

アンタのどこが若い娘や?いっこも若ないがな。どう贔屓目に見ても立派なオバハンや、オバタリアンや。

アンタな、若い娘いうたらな、別に何んにも着けいでも綺麗やねん。お肌でもピーンて張りつめとるがな。何も塗らいでも頬っぺたでもピッカー光っとるし。お尻でもパーンとはち切れんばかりや。アンタみたいに垂れ尻ほっぺのほうれい線が二重にも三重にもなっとらんねさかい。そんな子らと同じ土俵で勝負しょうちゅーのがそもそもの間違いや。

アンタの無残な老いぼれ加減が余計に目立つだけで、世の憐れみこそ誘えど、誰もエエなんて思てもくれへんねん。そやろ、違うか?

無茶苦茶言う?

何も無茶苦茶なことあらへんがな。アンタの事を慮って正論を述べとるだけやろが。アンタの事を思えばこその親心や、な?実際ホンマにあんたみたいなオバハンの親やったらエライ歳になるけどな、ハハハハハ!

それやったらどないしたらエエてか?ホンマ世話焼けるオバタリアンやで。

まずはこのウチを見てみいや。このわたくしをば見いなさい。かの哲学者ニーチェが言うとる「この人を見よ」いうのはウチのこっちゃ、知らんけど。

どや!この手。

十本の指全部にゴツイ指輪がしのぎを削ってひしめき合おおとる壮観なサマ。持ってる指輪全部刺しとんねや。せっかく高いゼニ払ろて買おたんや、着けやな損やろ?

なにが下品や?

なにを小癪にも知った風なことを身の程知らずな上から目線でほざいとんねん。便所のスリッパごとき面構えの下品のサンプルみたいなアンタになんど言われたないわ。

ほたら、何か?数が沢山あって下品やったら千手観音さんはどないなるねん、えっ?別名下品観音とでも呼ばれます、とでもお寺の小冊子に書いてまんのか?しょうもない事言うとったら承知せんで、ホンマ正味の話が。

これはな、湯婆婆着け言うて、今流行っとんねん。ツイッターなんぞのSNSでもみんな指輪両手にいっぱい刺せるだけさした写真アップしてはるんや。

知らん?そら、知らんやろ、未だにガラケイ使こてはる様な人には。せやけど湯婆婆は知っとるやろ?

え、娘と映画館へ「千と千尋の神隠し」観んに行ったん?

ほなら話は早いがな。アンタの娘時分みたいな、あか抜けんダサイ小娘が、なんや知らん、妖怪の温泉旅館みたいなところで下働きの修行するいう筋のスタジオジブリのアニメや。宮崎駿な。よけ儲けてからに、なー?

そこの旅館の女主が湯婆婆や。この婆さんが指いっぱいにゴツイ指輪刺せるだけ刺しとるんや。

それがカッコええちゅうんでツイッターでいろんな人が自分の持ってる指輪両手の指に刺せるだけ刺してやな、それを写真で写してからアップしてはるんや。

「どんなもんじゃ凄いやろ、これ全部でなんぼする思う?貧乏人には遠く想像のおよばん額やで、ヒヒヒヒ」ちゅーてな。成功のあかしや。明石家さんまちゃうで言うとくけど。人生の艱難辛苦なんのその、功成り名遂げ、こうなりました偉いでしょ私、言うてはるんや。

なに?自慢しいやんそんなん。

てか?甘い事言うとったらあかんで、この世知辛い世の中、自分で自慢でもせん限り誰も褒めてくれんねんさかい。せいぜい自慢して高笑いしたらよろし。そのほうが気分爽快ストレス解消でええんちゃうん。大体これだけ指輪はめたら、汚い指の地肌も見えんようになって、皺もシミも変形した関節も皆隠れて一石二鳥、キルツーバーズウイズアストーンやがな。

さて、これからが本題や。

指輪だけようけ刺してるだけじゃあ片手落ちや。ネックレスはどないするちゅー話やわな。これだけ指輪刺して、アンタのその貧弱な鼻くそペンダント着けて映えるか?な?答えを待つまでも無い。ほんならどうする?首にもいっぱいじゃらじゃらネックレス着ける?

残念でした。両手に宝石じゃらじゃらさせて、首までじゃらじゃらさせたら、しつこいやろ?うるさいやろ?鬱陶しいやろ?だいたいやね長いネックレスを何本もつけると絡まって外す時難儀するんや。下手したら首しまってまうがな。殺す気かー、ちゅーてな、人殺し―、ちゅーてな、ハハハハハ!

湯婆婆見てみ、あの婆さんそんなんじゃらじゃらつけてはれへんねん。ゴツーイ石のペンダントをや一個ドカッと着けてはるだけや。その方がおさまりエエがな!

それでや、ウチもそれに倣って、どう、このペンダントネックレス!

ゾッカイ スモーキークォーツ ネックレス

言うとくけどチンケな国産とちゃうで。舶来や舶来!

今の若い子ぉに舶来ちゅーたかて通じんで、気いつけや、南蛮渡来言わんな通じんさかい。ハハハハハ!

びっくりしいなや、これは何とイタリア製!メイドインイタリーや!ゾッカイいうイタリアの有名ジュエリーメーカーの逸品。

どう?もう製品としての雰囲気からして違うがな。いかにもイタリアンいうオーラがほとばしり出てるやろ?

ローマ、ミラノ、ベニス三都物語いう感じやん!エンリオモリコーネいう感じやん!ルキノ・ヴスコンティ「地獄に堕ちた勇者ども」いう感じやん!カリギュラいう感じやん!知らんけど。

ほんで肝心なんがこの大きい宝石。

ゾッカイ スモーキークォーツ ネックレス

どう?スモーキークォーツいう石やねんけど、日本では煙水晶と呼ばれてんねん。邪気を払う魔よけの石らしいねんて。パワーストーンちゅーやつやな。貫禄あるがな!色目もシブイがな!

それにこの石を支えるペンダントの枠よ。この細かいダイヤと二重のバチカン、側面の雫型の透かし。さすがただ者や無いわ。

ネックレスかて、ほれ見てみ、この如何にもイタリアンチェーンいうボリューム感。

チェーンの中途こら辺にゾッカイのZのイニシャルがさりげなくぶら下がってるのがまた粋やがな。

ゾッカイ スモーキークォーツ ネックレス

ほんでこれが18金は18金やねんけど、なんとピンクゴールドの18金ででけたーるからびっくりや。どう、こんなんしてはる人滅多いてないんちゃうん?

アンタもそんなしょーもないネックレスなんか質屋で売り飛ばして、代わりにこれ買いよし。

今やったら楽天で、ドゥペールノエルいう店がお買い得掘り出し価格で一個出しとるさかい急いで買わんな!早よせな売り切れてしまうで!心配しな、ローンも有るさかい!

ダイアモンドの邪魔をしないギメルのダイアリング

Gimel(ギメル) ダイヤモンド ソリティアリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

控え控え控えおろー、ギメル様の御前でござる。一同頭が高ーい!おおーっ!へへー!ギメル様!?

夏井いつき先生の厳しくも的確な俳句添削が人気の、テレビ番組「プレバド」

目玉の俳句だけではなく、水彩画、色鉛筆、消しゴム版画など色んなジャンルで腕に覚えのある芸能人が技を競い合うのですが、上手な方々の技術の高さに毎回舌を巻いております。

そうしたお上手な方は、回を経るごとにどんどん段位が昇格して行く仕組み。名人ともなればもう玄人はだし。

若かりし頃、絵の道に進もうかと悩んだ私。毎回タレントさんたちの達者な筆さばきを観るにつけ、間違った道に進まず良かったと変に納得させられるわけであります。

さて、先日も色鉛筆を用い、与えられた題材を描くコーナーで、名人四段から五段への昇格をかけて、毎回ビックリするような卓越した腕前を披露してくれるモデルの辻元舞さんが登場。

お題はなんとダイアモンド。職業柄、こりゃおもろいやんけ、と注視したわけであります。

結果は見事名人五段に昇格を遂げられたのですが、しかし宝石に携わって四十年、GIA・GGディプロマ取得のわたくしの眼は誤魔化せませんぞ。

残念ながらダイアには見えない。

もちろんファイアーと呼ばれる光の分散もちゃんととらえて、上手くは描けているのですが、ダイアモンドのそれではない。どちらかと言えばダイアモンドの類似石、合成ルチルに近い。

これは何も辻元さんの技量不足であるという事ではなく、彼女ほどの達者な腕の持ち主でも、ダイアモンドの美しさを絵で表現するのは難しいうことであります。

すなわち、浦島太郎の歌にもある通り、ダイアモンドは「絵にもかけない美しさ」なのです。

絵だけではございません。写真あるいは動画ですら目の前にある実物のダイアモンドを正確に伝えることは不可能なのです。

さて、そのような絵にも描けない美しきダイアモンドを一番美しく見せる装置、仕掛けがダイアモンドソリティアリングなのです。

Gimel(ギメル) ダイヤモンド ソリティアリング

こんにゃく、もとい婚約指輪などでよく見かけるダイアモンドのソリティアリングというものは大体デザインのパターンが決まっておりまして、ダイアを留める爪はほとんど6本か4本。デザインオプションとしては、腕にダイアを入れるか入れないかくらい。

脇石としてダイアを入れる場合はラウンドのメレ、あるいは小さいファンシーシェイプを両サイドに1個づつ、または2個、3個ずつ位を左右対象に入れる。

Gimel(ギメル) ダイヤモンド ソリティアリング

あるいはご覧の写真のリングの様に細かく一列にメレダイアを並べて入れるか、または細かいパヴェセッティングに仕上げる。大体それくらいのパターンなんじゃないでしょうか。

ですから、こういったダイアモンド婚約指輪用の出来合いのリング枠というものは、国産メーカーの多くが、石のサイズに応じて、幅広く用意し新規ご婚約用としてはもちろん、昔の爪の大きな立爪タイプからのリフォームにも対応すべく準備万端怠りないのでございます。

さて、そういった市場に数多く出回っておりますダイアモンドソリティアリングとこちら、日本が世界に誇るギメル社製の指輪どこがどう違うのでございましょう?

中石が違う?

いえいえ、たしかにこちらのセンターに留まっておりますダイアモンドはDカラー、VS1、トリプルエクセレントという最高品質のダイアモンドでございますが、婚約指輪というものは大体良いダイアを使うのが常でございますから、こちらが特段優れているわけではございません。

Gimel(ギメル) ダイヤモンド ソリティアリング

じゃあリング枠を一個一個手作りしてる?

いえ、枠をじっくり観察してみてもロー付けなどの手作りの痕跡はなく、量産のきく通常のキャストによる枠であろうかと思われます。

ではこちらのリング、御徒町や南船場で売ってる空枠とどこがどう違うのか?

実はほとんど違いはございません。

ただし微妙な違いがございます。そのわずかな違いこそが、それギメルのギメルたる所以。

日本のビバリーヒル、芦屋奥池、神秘のヴェールに包まれた宝飾品工房ギメルの アートディレクター・穐原かおる氏がこだわった微妙な違いを、不詳わたくし、荒くれ者、DQNがたむろする大阪は針中野の質屋の老丁稚が恐れながらも解説つかまつります。

まず、第一に挙げたいのは素材。

通常こういったプラチナのリング枠というのは大体プラチナ900が使われます。

しかしギメルはプラチナ純度にこだわってのプラチナ950。95パーセントプラチナ含有率の地金を使用しております。

Gimel(ギメル) ダイヤモンド ソリティアリング

これは単に純度の高いプラチナに地金部分を変更するという簡単な事ではございません。

プラチナは非常に柔らかい金属ですから、純度が高いほど柔らかくなって細工が難しいのです。製品化に耐えるほどの地金の圧縮、あるいは化合する5パーセント部分の金属の工夫が必要となります。

そして、デザインの細かいディテールの拘り。

リングの真上から見ると腕がダイアに向かって徐々に細くなっているのがお分かりいただけますでしょうか。

Gimel(ギメル) ダイヤモンド ソリティアリング

この細工によってセンターのダイアがより大きく見える効果を産み出しているのですが、その分センター寄りの幅の細い部分の腕の強度が落ちる。その点を補うべく、腕の縦方向の厚みは逆に厚くしてあるのです。

またセンターのダイアの留めですが、こういった立爪タイプの枠は留めるダイアのガードルの角度が一様では無いため、留めるダイアモンドに合わせて職人が後から切れ目を刻んで留めていくのですが、結構これが難しい作業のようで、爪とダイアの間に隙間があるものをよく見かけます。

しかし、こちらはさすがギメルのクラフトマン、文字通り寸分の隙も無くきちっと留められております。

Gimel(ギメル) ダイヤモンド ソリティアリング

また、腕に留められた細かいダイアモンドをセットしているそれぞれの小さな爪ですが、こういったキャスト枠ではこれだけ細かい部分になりますと、結構不ぞろいだったり、上下左右が均等でなかったりするのですが、そういうアンバランスが全く見られず、もう最初の図面通りの仕上がり。

もちろん留まっているダイアのサイズもセンターに向かって腕の太さとともにスムースなグラデーションを呈しております。グレードは言うまでもなくギメル基準、最上級クラスのメレダイアであることは言うまでもありません。

とは言え、これらの細工の工夫はギメルさんとしては、中石に対して行う最低限の礼儀程度。

あとは最上級のダイアモンドが邪魔な障害物の無い舞台で独壇場。

絵にも描けない神々しくもまばゆい輝きを燦燦と見る者皆に等しく与えたもう。

乙ちゃんに捧ぐ!ブラックダイアの指輪

ブラックダイヤ リング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

大人の魅力をグンと引き出すブラックダイヤ。大人の恋は40から!

ブラックダイヤというものはには、どうも悪の香りが漂いますぞ。

普通の無色透明のダイアモンドが天使だとすると、こいつは身を持ち崩した堕天使とでもいうべきでしょうか?

堕天使とはすなわち悪魔。サタン、デーモン、ルシファー、とにかく悪い奴なんです此奴等は。

しかしどういう訳か人間、清く正しく美しくという宝塚歌劇団のモットーような事ばかりだと退屈してしまうようです。

自分の身にはあまり危険の及ばない限り、ほどほどの距離を保って悪のフレーバーが欲しいのですね。

例えば、そのものずばりのデーモン閣下。

吾輩、お前たちなどとテレビの視聴者の前で居丈高にふるまいながらも、最近ではコメンテーターとしてすっかり文化人におさまりかえっている。

お茶の間の視聴者は悪魔のご宣託を聞きたくてうずうずしているのでしょう。

あるいは、コミックでお馴染み、ナニワ金融道の萬田はん。

先日初めてテレビでドラマ化されたのを拝見いたしましたが、主人公はトイチの金利を債務者に要求する、闇金と呼ばれる金融業者。

つまりはヤクザのシノギ。演じる千原ジュニアの凶相とも相まって実にイカツイ。

でもこのイカツさに引き寄せられるんですね大衆は。

この傾向は何も今に始まった事じゃなく、ヤクザ映画の老舗東映が連綿と続けてきたお家芸。

東映実録シリーズなんて、俳優がヤクザを演じてるのか、ヤクザが映画に出てるのか区別がつけられないくらいの迫力。

実際、安藤昇さんなんていう元本職の組長をキャスティングしてるくらいだから凄いのは当然。

しかもこの安藤氏、身体こそ短躯ながら並みの俳優など足元にも及ばぬ凄みのあるイイ男。頬にドスの傷跡も生々しい、本物のスカーフェイスでかっこいいんです。

そもそも、ピカレスクロマンという小説のジャンルが昔からございまして、これは悪漢小説などと訳されますが、文字通り悪漢、悪党が主人公。

例えば、古いところでは「羊たちの沈黙」。

映画化にあたっては主人公のサイコパス、人喰いハンニバル・レクター博士をアンソニー・ホプキンスが好演。オスカーを獲得いたしましたね。

また最近ですと大ヒットした映画「ジョーカー」。

これも元々はアメリカンコミックの人気作「バットマン」の悪役。

残念ながら本作は未だ見ていないのですが、以前映画化された「バットマン」でのジャック・ニコルソンのジョーカーの怪演も見事でしたねー!

ブラックダイヤ リング

なにも、外国人ばかりじゃございません。

かのカルトムービーの傑作と呼び声も高い「ブレードランナー」の監督リドリー・スコットが日本を舞台にした映画「ブラックレイン」の悪役、日本人ヤクザ佐藤を演じた松田優作も自らに命と引換にした鬼気迫る演技、見事でした。

あと、日本映画で言うと荒又宏原作の伝奇小説を映画化した「帝都物語」。

これなんかは平将門の怨霊とともに帝都東京を破壊せんものと暗躍する魔人、加藤保憲という悪役そのものが主人公。

と、いろいろ悪のヒーローを挙げて参りましたが、男性ばっかり、女が居ねーじゃねーか?いったいどーなってんだ

とお叱りの声が聞こえてきそうでございますが、これはなに、ブラックダイアに話をつなげていく為の段取りでございますので、もうしばらくのご辛抱を。

さて、いよいよ女性の悪役。

世間では悪女などと呼ばれたりいたしますが、これは単に職場の意地悪、イケズなお局様やスーパーで万引きしたりクレーマーになったりするようなメンヘラ女は当てはまらない。

では、どういう女性が悪女かというと、先ず美しくなくはいけません。

悪女という言葉自体がすでにストリート性を孕んだ言葉ゆえ、並みの女性だと話が前へ進みません。

そして賢くないとダメですね。もちろん氷の様に冷たく、一切の妥協を許さず悪を追求する姿勢が肝要。

この理想の悪女象にピッタリ当てはまるのが、モデル、女優としてご活躍の菜々緒様なのです。

なにせ彼女自ら「プロ悪女」と名乗り悪女を堂々と自らのアイデンティティとされてるのですから大したもの。たとえCMで乙姫様を演じても演技の端々に悪女が垣間見える。

良いですねー!そんな悪女の彼女にピッタリお似合いなのが、このブラックダイアなのでございます。

ブラックダイヤ リング

ブラックダイアと申しますと一般の方はブラウンダイアや、その他のカラーダイアの様に透明のダイアに墨色なんぞがかかっているように想像される方が多いかと存じますが、これはまったくの見当違い。

ブラックダイアは一切光を透過いたしません。

しかも光の選択吸収の理屈から言えば、すべての光を吸収してるゆえに黒く見えるわけなのです。

つまりブラックダイアは透明なダイアの様に光を透過し、これを反射させ輝かせる働きは一切行わず、まるで宇宙のブラックホールのように光を吸収するだけで外部には一切漏らさず、取りこみ蓄えているのでございます。

それゆえ、パワーストーンという観点から言うと凄い威力が石に潜んでいることになるそうなのでございます。

ブラックダイヤ リング

さて、ご覧いただいておりますこちらのリングも、如何にも強烈なパワーを内包してるかのような、マーキーズカットのブラックダイアを中央に据え、それを透明ダイアのメレが囲み、そしてさらに二重になった繊細なウデをさらにブラックダイアのメレが華麗に装飾致しております。

この指輪をば黒いマニキュアを施した猛禽のようなネイルの指にお着け頂きますれば、あなた様も菜々緒の一味。

あるいはアンジェリーナ・ジョリー演じるところのマレフィセント。男がひれ伏すブラックマジックウーマンのためのリング。

男の心情を常に忖度する、物わかりの良い女の仮面なんてこれを着けて捨て去るのです!

「ジェンダー、はあ?知らねーよそんなこたー。男女平等、はあ?何とぼけたことほざいてやがんだ!女の方が偉れーに決まってっだろーが!」

素敵!!

李香蘭がつけていたかも?ヒスイの腕輪

翡翠 バングル アンティーク

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

中古というよか、こりゃもうアンティークの域。なかなかの掘り出し物でございますよ。是非コレクションのひとつに加えてやちゃもらえませんか?

三十年ほど昔、仕事で香港に居住しておりました事は今までにも幾度も申し上げております故、くどいとお叱りを受けるやも分りませんが、年寄りの繰言とご辛抱頂きお付き合い下さいませ。

さて、日本で言う終戦記念日はあちらでは戦勝記念日。

テレビ、マスコミでは、日本軍の占領からの解放、勝利を祝う特番などが頻繁に流され、抗日運動をたたえる機運が最も盛り上がりを見せるのがこの時期。

その期間、在留邦人のわたくしどもとしましては何やら肩身の狭い、居心地の悪い気分を味わったものでございます。。

なにせ、我々が出店しておりました、香港ペニンシュラホテルは日本統治時代には東亜ホテルと名前も改め、日本軍専用のホテルだった場所。

何かにつけ当時のニュースフィルムで登場するわけで、どうもバツが悪い。

それに加え、わたくしの祖父は帝国陸軍の軍人として中国に出征した経歴の持ち主。そんな事は向こうのスタッフなんかには口が裂けても言えません。

実際、大日本帝国は現在の中国東北地方に満州国なる、表向きは清朝最後の皇帝愛新覚羅溥儀を元首に据えて、中国人による独立国家の体を装った日本の傀儡国家をつくったのでございます。

この経緯は巨匠、坂本龍一先生のテーマ曲でも有名な映画「ラストエンペラー」にも詳しく描かれているところでもございます。。

翡翠 バングル アンティーク

さて、その映画で、俳優としも出演した坂本龍一が演じたのが、満州国、影の黒幕、甘粕正彦。

まだ、テレビなどというものが無かった当時、映画こそが娯楽の王様。

これを利用して満州国民、しいては中国全土に日本の影響を与えんものと設立されたのが、満州映画協会、略して満映。いわゆる国策映画なる映画を通じてのプロパガンダ戦略の発信元。

そして、この満映の理事長であったのが時の宰相、東条英機の教え子でもあった甘粕であったのです。

彼が満映を通じ、中国全土を睨み、いったい何をもくろんでいたのかは今となってはまったくの謎として歴史の彼方に埋もれ果ててしまいました。

しかし満映が生んだスーパースターは、いまだに歴史に翻弄された美人女優として伝説の中に生きているのでございます。

その人の名は李香蘭。

絶世の美貌と美しい歌声で当時、中国、日本を通じて絶大な人気を誇っていたのでございます。

その人気たるや現代のわれわれの想像を遥か超えて凄まじく、日本公演の開催会場となった日劇には、彼女を一目見んと集まった群衆が7周半取り囲み、消防車まで出動する騒ぎになったほどだとか。

さて、この李香蘭、名前だけ見るといかにもの華人なのですが、実は本名、山口淑子というれっきとした日本人。

中国で日本人の両親の元生まれ育ったがため、日中の完全なバイリンガル子女。

映画デビューに際しては、満州、中国人の人気を獲得するために敢えて中国名の芸名を付けたのでございましょう。

この作戦が功を奏したのか、はたまた彼女の本来備わっていたスター性の賜物か、日中両国で一挙にスターダムに昇りつめます。

翡翠 バングル アンティーク

しかし、突然悲劇が彼女を襲います。

日本の第二次大戦の敗戦が彼女の運命を大きく狂わせるのです。

なんと彼女は中国人でありながら、日本のプロパガンダ戦略に加担した反逆者という罪で中国当局に捕えられ、銃殺刑に処せられる運命が待ち受けていたのであります。

この窮地を友人、知人等の助けを得てようやく日本人である事が証明され、九死に一生を得、国外追放という形で日本に帰国いたします。

もちろんこれだけの大スター、帰国後も山口淑子として銀幕で引きつづき活躍した後、テレビの司会、そしてなんと国会議員の先生にまで昇りつめ、94歳の天寿を全うされたのでございます。

翡翠 バングル アンティーク

彼女の波乱の生涯は何度かテレビドラマや舞台化されてまいりました。

1989年フジテレビ製作の「さようなら李香蘭」はその物語の最後、李香蘭の名前を捨てて、日本に帰国する場面。

美人女優李香蘭を演じるには彼女をおいて他に無いと抜擢された沢口靖子演じる李香蘭こと山口さんが、引き揚げ船から通り過ぎて行く懐かしい上海の街を眺め、惜別の涙を流すシーンで終わります。

このシーン、バックに流れるのが、歌の上手さは日本一と評判の玉置浩二が歌う「行かないで」という曲。

この曲は後年、カヴァー曲として香港の人気歌手、張學友がなんと曲名もずばり「李香蘭」と変え、広東語に歌詞を置き換えて歌い大ヒットさせております。

いまでもこの曲は中国語圏で様々な歌手がカヴァーするポピュラーソングの定番となっているそうでございます。

これにはきっと李香蘭という大スター、人気アイドルを戦争の終焉とともに突然失った、当時の中国の多くのファンのやるせない気持ちが込められているからではないのでしょうか。

理由は明らか、日中の歌のタイトルを合わせれば「行かないで」「李香蘭」。

翡翠 バングル アンティーク

さて、今回ご紹介いたしますのはそんな世紀の大スター李香蘭が着けていたのではないかというくらいに時代がかった、かつまた、中国風な豪華なヒスイのバングルでございます。

こちら、なにせ金性の刻印がPM850とあります。今ならPt850と刻印するのが当たり前のところ。

調べてみれば1960年あたりからPt表記変わったしいと言いますから、最低でも60年以上は前の物。

ちょうど李香蘭が活躍していたのが約80年前ですから年代的にもピタリと一致。

翡翠 バングル アンティーク

この留め部分の細工なども、いまなら様々なスタイルの出来合いのクラスプ金具があり、そのバングルやブレスレットの形状に合わせ付け替えるのですが、こちらいかにもそういった物が一切無かった時代の職人さんの工夫といった感じ。

そして地金部分に穿たれている花模様は手彫りの細工。そしてヒスイやダイアモンド使われている宝石の石留めが全部フクリン、ミル打ちの拵え。

いやー、こりゃもう立派なアンティークでございますね。

だいたい戦前にこれだけ贅沢に本ヒスイを使い、ダイアモンドも一個が0.3キャラット以上はありそうな大きさのを2個。

これは当時としてはかなりの大盤振舞の造り。

翡翠 バングル アンティーク

いったいどのような方がお着けあそばしておられたのでしょう?

まさか、李香蘭その人がって事は万に一つもないでしょうが、ヒスイを愛してやまぬ華僑の奥様が、出入りの宝石商にでも命じてお造りになられたものではないのでしょうか?

なにせ完全ハンドメイドの一点物、例え量産されてても、もう多分現存する片割れはない事でしょう。

この博物館クラスのアンティークのブレスレット、掘り出し品として秘蔵のコレクションにおひとつ加えて頂ければ幸いです。

ただし、かなりの年代物であります故、仕上げ研磨を施してはいるものの、取り切れていないキズ、イタミは商品の貫禄という事でご容赦くださいませ。

翡翠 バングル アンティーク

パパ活恰好の標的、チャーのピンブローチ

CHAR(チャー) パイナップル ダイヤブローチ

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

よくもまあこんな最高の石を惜しげもなく逆さまに留めて、いくらパイナップルったってちょっとイカれてるよね。なんなんこれ?

入荷すれば必ず売れる大好評、チャーのピンブローチがついに再入荷でございますよ皆様!

今回は、更にパワーアップいたしましたヴァージョン、爆裂!ダイアモンドパイナップルのピンブローチでございます。

以前ございましたチャーの二つのピンブローチも、このブログでご紹介させて頂いたのですが、正直、こんな襟に着ける子供だましのピンバッジ如きものが、中古にもかかわらず20万円を超えるお値段で、しかもインターネットショッピングで売れようとは、不詳わたくし、ご紹介いたしながらも、想像だにいたしませんでした。

そこがそれ、庶民貧民の浅墓なところ。

つい自分の尺度、懐具合でもって世の中を推し量ろうとする。

さて、今回はさらにお値段もグーンと跳ね上がって、私ごとき下賤の輩の思惑なんぞをば、はるかに凌駕するダイアモンドまみれのパイナップルでございます。

CHAR(チャー) パイナップル ダイヤブローチ

以前、お店のお客様で昔、百貨店で外商さんの同伴で紳士服の販売をされていた方がおられ、色々と面白いお話をお聞かせいただいたのですが、その背広の価格帯の凄い事。

普通サラリーマンとかが仕事に着るようなスーツといいますと、だいた一着、一万円から三万円。

そこにちょっとブランドなんかの名前が入って、ささやかな満足感得て5万円。

私のような貧乏人なんぞは、セカンドストリートで買った中古の三千円。

バブル時代に流行ったアースカラー、ダブルブレスト、ツータックのやつで5年は辛抱しなけりゃいけません。

CHAR(チャー) パイナップル ダイヤブローチ

ところが、一流百貨店外商部で売ってるスーツなんてのは安くて三十万円!

高いのになると一着、百万越えはざら。

もちろん出来合いの「吊るし」なんかじゃなくて、完全テーラーメイド。

百貨店外商部は客宅に服を売りに行くのじゃなくて、採寸に行くわけであります。

もちろん生地はゼニア、スキャバルをはじめとする世界に冠たる高級紳士服地。

そして、そういった外商が出入りするお宅の旦那様は必ず毎シーズン、替えのスーツ、シャツ、ネクタイを数着まとめて新調なさるのでございますから、 その都度のお支払総額は軽く乗用車一台分。

「行ったがなー、外商員助手席乗せて片道二時間半。西脇の田舎まで。ごつい家やこれがまた。車ごと門入って、まだなんぼか走らなあかんねん。しばらくしたら、これまたお城みたい母屋見えてくるねんけど、その向こうの遠くの方に山が見えんねん、そこまでみんなその家の土地や」

CHAR(チャー) パイナップル ダイヤブローチ

さて、そのような高級紳士服をまとった旦那さまが夜な夜なお出ましになるのが、東京では銀座、大阪は北新地の所謂高級クラブ。

「黒革の手帳」武井咲さんのような美しくも聡明な女性が、和服姿もあでやかに、凛とした所作でお迎えしてくれる紳士の社交場。

紳士の社交場とは言いえて妙。銀座、新地などと気どってみても、所詮は水商売。

旦那たち、なにも単にお酒を呑む為に行ってるわけではない。呑めない人でもなぜか不思議と行ってしまう。

水商売とは男女に社交の場、つまりは自由闊達に異性が交じりあう空間を与え、恋愛を謳歌してもらおうという、ありがたい社会奉仕の精神に則ったお店。

花柳界と呼ばれた昔から、芸者を「落籍す」(ひかす)「身請けする」などと申しまして、借金の年季が明ける前に借金を払ってやり、女中付きの家屋敷をあてがい、自分一人の妾として囲い者にするという事が、男の甲斐性。

功成り名を遂げた男の勲章、ステータスとして社会に認知されていた訳でございます。

CHAR(チャー) パイナップル ダイヤブローチ

今の時代、親が作った借金の為に苦界に身を落とす、なんて女性はあまりいてないでしょうが、それでも、もっと自由でリッチな生活がしたいという、さらなる上昇志向がどのような女性、いえすべての人間に備わる煩悩でございます。

毎夜、助平な脂ぎったオッサン、ジイサンを何人もお相手をして、厳しいママに叱られ、意地悪な同僚にはいじめられるお店勤めよりか、助平おやじ一人我慢すりゃ良いだけ、それも毎日来るわけじゃないし。

後はプール付きの高級マンションに住まわせてもらい、湯水のごとく与えられる月々のお手当でエステにジムにヨガにグルメ、もう遊び放題。もちろん年四回ほどの海外旅行は当たり前。

そういった都合の良いパトロンのオヤジいねえかなー?

これがいわゆるパパ活の根本思想

旦那、何も旦那の方だけが、お店のお姉ちゃんを品定めしてるわけじゃございませんぜ。

敵もさるもの引っ掻くものつってね、姉さんの方でも、しっかり旦那方を品定めしてるんでございますよ。いくらスキャバルの背広着てパテックの時計腕に巻き、エルメスの財布懐から出しても駄目。

だってこんなお店来る方は、みんなそうなんだから。制服かと思っちゃうよ、ほんと。やっぱそれを一段超えたところで勝負しなきゃ。

なんだそれ?って?

じゃあおせーてあげましょう。

CHAR(チャー) パイナップル ダイヤブローチ

さあ、いよいよここからが本番だ。いつもながら長げー前置きだね。

良いですかい、だいたいこうした場所のお姉さんがたの殆どは、ヒカリモノに目がない。ヒカリモノったって何も鮨のネタじゃあございませんよ。

そう、ジュエリーってやつでございますよ。

尾崎紅葉先生不朽の名作「金色夜叉」、寛一お宮の昔から、ダイヤモンドに目が眩みなんていう言葉のとおり、女人を堕とすにゃダイアモンドが一番。

下手な口説き文句や怪しい薬よか絶対的な効き目、効能がWHOから報告されてんでございます。

ご覧くださいこのパイナップルの形状をしたピンブローチ。

実はこの形状、デザインなんかは二の次。これははっきり申しまして、最高品質ダイアモンドの爆弾と思って下さいまし。

CHAR(チャー) パイナップル ダイヤブローチ

パイナップルの本体部分にはダイアモンドがあろうことか逆さまに留めてある。

これは宝飾産業の常識を大きく覆すと言って良いほどの暴挙と言って良い。

なぜならダイアモンドてーものは上から入った光を跳ね返し輝くっていう仕組み。それをひっくり返したんじゃ元も子もないわけ。

ところがどうだい、使ってるダイアモンドがあまりにも良いもんだから逆さにしてもギラギラに輝いてる。尖っている方が前面に突出してるんで、本当に光の爆発の様に見えるでございます。

凄いねー、チャーのやることたー!

こんなのをクラブにお出ましになる時なんぞに、スキャバル、ゼニスの襟にでもお着けになって行ってごらんなさいましな、もう虫取りライトに引き寄せられるが如く、夜の蝶が群がり、もう引く手あまた。

パパ活の恰好の餌食になっちまいますよ。

なに?怖い?

なーに言ってやんだ。スケベ。

女性を桃源郷にいざなう夜王のリング

ムーンストーンリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

ミスタームーンライト!シャンパンタワー誇るホストのお兄様、純白のスーツにバッチリお似合い!いかがっすか?

男性憧れの職業といえば、もちろんホスト!

女性に貢がせ、毎晩高級シャンパン、高級フレンチを喰らい、高級外車を乗り回す。

もうかなり前になりますが、「夜王」というホストクラブを舞台にしたテレビドラマがあり、そのドラマの主演TOKOIO松岡氏の敵役として、売れっ子ホストを演じていた北村一輝氏のホストっぷりが実に見事で、初めて観た時、芸能に疎いわたくし、てっきり本職の人をキャスティングしたのではと思ったほど。

俳優よか最初からホストになってた方が良かったんちゃうんと思うほどでした。

男の宝石セールスなんていうのも、人によっては、恵まれた容姿を利用し、かなりホストに近い営業スタイルをとっている者もおりました。

私の宝石屋セールス現役当時、お客のマダムからの、飲み食いから小遣、その他何やかや、幅広いお世話を享受していた不届き者が幾人もおりました。

ムーンストーンリング

実際、私の一年先輩、「遊び人のフクちゃん」と異名をとった、不良社員の鏡のような御仁は、なんとホストクラブからスカウトされてましたからね。

結局両親の反対にあって断念されましたが、転職してたらきっと面白い人生が開けただろうに、ああ残念。

その点、私なんぞは、むさくるしい外見と要領の悪いのが祟ってか、そういった浮いた話は一切ございません。

せいぜいが、おばあちゃんウケが良かったので、たまに饅頭や最中なんぞをもらうのが関の山。

お陰様で今でもおばあちゃんウケの良いのは続いてて、こっちも爺さんになって来た分、今後いい出会いに期待がもてます。

ムーンストーンリング

さて、そんなわけで、本日はそんなネオン街のジャングルで虎視眈々と美しい獲物を狩る、ホストの方にイチオシ!

こちらのでっかいムーンストーンのリングでございます。

どーです!いかにも夜王って感じのゴージャス&セクシーな指輪ではございますまいか?

センターのムーンストーンだけでなんと14.5キャラット、脇のダイアも1.90キャラットとなかなかの貫禄。

これを、海外有名ブランドの純白のスーツと光沢シルバーのシルクのインナー、ルブタンのエナメルシューズのコーデでもって、最後ホワイトムスクのフレグランスで仕上げればもう完璧!

ムーンストーンリング

この神秘的なムーンストーンの妖しい輝きが、シャンパンタワーの煌めと溶け合い、その夢幻のごとき様が、顧客の女性をして夢うつつ、前後不覚の放心状態へと至らしめ、この世とは思えぬ桃源郷へといざなうのでございます。

「なんや、それやったら何もホスト風情に着けさせて、エエ目さすことあれへんがな。」

「ワシが買おてやな、そないな風体してキャバに乗り込んだら、お姉ちゃんにモテるんちゃうんけ?」

と、早合点してはいけませんよ、そこのお父さん。

この指輪はあくまでプロ仕様。素人が下手に手を出したら、とんでもないしっぺ返しを食らうは必定。

と言うほどの災難は起きませんが、お姉ちゃんからの失笑は免れますまい。

お父さんはおとなしく、せいぜい背広の襟に可愛らしいラペルピンでもお着けあそばし、そのような、いわゆる接待を伴う夜のお店で、たんまりお金を落とせばそれでいいのです。

そのお金でもってお姉ちゃん達は、夜王が待つホストクラブに夢を見に行くのですから。

瞬く間!ブルージルコンリング

ブルージルコンリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

アクアマリンでもないブルートパーズでもない独特のブルーが味わい深い

ご年配の方の中には、ジルコンと申しますと、ダイアモンドの偽物というイメージを強く持っておられる方が多いのではないでしょうか?

今でこそ、キュービックジルコニアなど、人工的に作られた合成石でダイアモンドに似た石がいくらでもございますから、わざわざ天然石の無色ジルコンをダイアモンドの代用、あるいは贋物として使い、質屋を騙してこましたろ、なんて人はいてませんが、そんな合成石の無い時代は、ジルコンという鉱物、特に無色透明の結晶がダイアモンドの代用として、広く用いられていたのです。

ですから今でも質屋の爺さん連中の中には、キュービックジルコニアも含め、ダイアモンドの類似石を全部ひっくるめて、ジルコンと呼ぶ方がたまにおられます。

「けたくそわるい!クソガキがジルコンなんど持てきさらして、この目利きのワシをクサマせるとでも思てけつかんのか、アホンダラが」

こんな感じで使われます。ガラ悪質屋!

ブルージルコンリング

そんな背景がございますこの宝石の歴史は、どうもなにやら胡散臭いイメージが付きまとい、それを嫌ってか、宝飾品メーカーもこの石を使って積極的に製品を作っていこうという姿勢に欠けていたのではないのでしょうか。

「わっ、この石なに?よう光って綺麗やないの」

「こちらはジルコンでございまして、この石の・・」

「なんや、ジルコンかいな、しょーもな。こんなもん置いてんのアンタとこ?ええんかいな?老舗の名折れやで」

と一昔前ならこんな会話が交わされた事でございましょう。

ブルージルコンリング

しかし、キュービックジルコニア、その他もろもろの安価で製造できる、ダイアモンド類似石の登場がジルコンの汚名返上に一役買って、ジルコンも晴れて今では、ちゃんとした宝石の仲間入りと相成ったのでございます。

なにせダイアモンドの偽物として使われたくらいですから、ダイアモンドに近い高い屈折率と分散のお陰でその輝きは非常に素晴らしい。

高屈折率のデマントイドガーネットが値打ちあるなら、こっちかて負けてへんで、という事で近年その人気はウナギ昇り。

ブルージルコンリング

さて、そこでご紹介いたします、こちらの指輪でございますが、中石のブルージルコンがなんと9.3キャラットもあるという大物。

このブルーのジルコンていうのはジルコンの中でも一番人気のある色だとか。

しかも大きい結晶が珍しいらしく、その点からしても、こちらなかなかの掘り出しモノでございます。

とここまでブログを書いたところで、こちらのお品、楽天スーパーセールで売れちゃいました!

やっぱり良いものは足が速いや!

まあ、せっかく書いたので、もったいないからとりあえずアップいたします。

なにせ、あんまり出ない石なので、もうブルージルコンをコメントすることもありますまい。

なんか淋しい。

ギメル ベリーリング クランベリー

Gimel(ギメル) ベリーリング ルビー

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

芦屋奥池で造られるという贅の極みを尽くした最高のジュエリー。何故故に場末の質屋に流れ着いたかは全くの謎である。

さて、本日のご紹介は、任せて安心、預けて便利、じゃございませんが、大船に乗ったつもりで、安心して皆様にご案内できます、日本が世界に誇るジャパニーズブランドの登場。

トヨタ、ニンテンドー、アンドータダオ、クロサワにジブリと肩を並べて、一歩たりと退けをとらぬ、日本の誇りとも呼べる宝石ブランドの雄の登場。

日本のビバリーヒルズとも呼ばれ、皇居周辺に次ぐ厳戒態勢が敷かれているとも噂される超高級住宅地、芦屋六麓荘の地にて、穐原かおるオーナー兼デザイナーの寸分の妥協も許さぬ厳しい監修の下で制作される珠玉のジュエリー、ギメルの作品でございます。

さて、こちらギメルと申しましても、いたってひかえ眼なデザインのルビーリング。

さりげなく、普段使いでお召頂ける、可愛らしいデザインでございます。

Gimel(ギメル) ベリーリング ルビー

本物のお金持ちというのは、こういった普段のさりげない装いに、良いものをさりげなく着けるものなのです。

このへんが三日天下の成りあがり成金と大きく異なる点でございます。

成金てのは、大抵ちょっと人目に触れるような場所に出かける時は、これ見よがしにバーキンだハリーだと大枚はたいて勇んで買った一張羅をこれでもか、どんなもんじゃいと気負いこんで着用に及ぶわけですが、逆に普段はかねてより慣れ親しんだジャージに雪駄履き。

相も変わらず、スーパー玉出で特売品を漁る習性から抜けきれません。

しかし本物、ジェニュインなお嬢様、例えば幼稚園から大学まで同じエンブレムのミッション系私立学校などに通われ、上場企業の創業者をご先祖にもつようなお方は、逆にそんな人目を惹くようなド派手なパフォーマンスは致されません。

そのようなお育ち、御家系の方は先ずもって家名と言うものを大切になさります。

したがいまして品格、品性と言うものに重きを置き、これに反するような振る舞いは、幼少のみぎりより厳しく、乳母や侍従より諭されてお育ちあそばされているのでございます。

Gimel(ギメル) ベリーリング ルビー

ただし、逆に普段の生活は、些末なところにまで、贅のほとばしりが現れる。

何せ有産階級、資産家のお家。

湯水のごとく湧きいずる不労所得が行き場所を求めて絶えず逆巻いているわけでございますから、とりあえず家具調度から生活雑貨に至るまですべて一級品で設えられる。

理由は「別にお金に困ってるわけじゃ無いから、良いもの買っといたら間違いないでしょ」というあくまで品質重視、クォリティーオブライフの精神。

そのような環境でお育ちあそばされた人物と言うものは、身の廻りすべてが一流品、一級品でありますから、その環境下、自ずとモノを見る目も育つわけであります。

このような方が、例えば人気テレビ番組「芸能人格付けチェック」にでも出ようものなら確実に超一流にランクインされることでございましょう。

まあ、まかり間違ってもそのような事は起こりえませんが。

Gimel(ギメル) ベリーリング ルビー

さて、こちらのギメルのルビーリング。

これは正確にはベリーリングという名称。

中東の美女が露出させた下腹の脂肪をプルプル震わせて踊るベリーダンスのベリーではなく、小さな果実、ブルーベリー、ストロベリーのベリーの方でございますので誤解無きよう。

ちなみにこちら、赤いルビーに因んでモデル名はクランベリーと名付けられているそうですが、如何にも甘い果汁を一杯含んだ、みずみずしい朝摘みの可愛らしい果物の風情ではございませんか?

これもギメルさんならではの最高の素材で拵えたればこその印象。

ルビー、ダイアの質を少しでも下げたら、いっぺんに塩垂れた腐りかけの果実になっちまいます。

Gimel(ギメル) ベリーリング ルビー

さて、こちらの指輪が、いかにして深窓の令嬢のか細い可憐な指にたどり着くかと申しますと、この様なお金持ちのご家族様は、わざわざ下々の者が危険なウイルスをまき散らす、不潔な繁華街などにお出ましになる必要はございません。

ご自身で行くまでもなく、お店の側からいつでも電話一本で来てくれるのです。

左様、セレブの特権、百貨店外商口座の活用でございます。

「奥様、本日はギメルの同行持ち回りで、ギメル社コーディネーターを伴いまして、世田谷方面を回る予定なのでございますが、ご都合の方はいかがでございましょう?」

「あら、そうなの。今日は娘もたまたま学校が休みで、お家にいるようですから、せっかくですから一緒に拝見させていただきましょうか」

という事で話はとんとん拍子に進み、お嬢様指輪を一目見て「カワイイー!」

セレブ育ちの目の肥えたお嬢様のお眼鏡に見事叶い、サイズもピッタシ、現物即納となったという運びでございます。

もちろん値段なんていちいちお尋ねにならない。

毎月の売掛引き落としで、他の高級食材なんぞと一切合切の一括口座引き落とし。

ふつうなら庶民の目に触れる機会とて滅多と無い、こちらギメル社の高品質の素材を高度な技術によって作り上げられた、いたって普通な、しかし深窓の令嬢には違いの分かる可愛らしい指輪。

下町のお嬢様もどうですおひとつ?違いが判るセレブのお坊ちゃまのお目に留まるやもしれませんぞー

東洋の神秘ヒスイの魅力

翡翠 ダイヤリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

透明感あるアップルグリーン。非常に爽やかな色立ちの翡翠でございます。

今からおよそ三十年程昔、どういう運命のいたずらか、わたくし香港に二年程住んでおりまして、宝石関係の仕事という事も手伝って、数多の宝石を目にする機会がございました。

香港と言いますとアジアにおける宝石産業の中心地。

定期的に香港島のワンチャイにあるコンベンションセンターでは大規模なジュエリーショーが毎年華々しく開催されています。

さて、その香港にあって香港の人々、いえ、全ての中国人に一番愛されている宝石がヒスイなのです。

中国の人々にとってヒスイは身を守るお守り、幸運を運ぶチャームとして、多くの人々が指輪やペンダントとして肌身離さず身に着けているのでございます。

翡翠 ダイヤリング

香港の九龍半島にはジェイドマーケットというところがございまして、名前の通りヒスイ製品から、その他色んな種類のアクセサリーやお土産品を売っているのですが、こちらはあくまで観光客相手のお土産物が中心で、実際ヒスイとして売られている石の9割以上は本ヒスイではないとの事。

まあ、これはお国による見解の違いによるところが大きいのですが、あちらではとりあえず緑の石は何でもヒスイ、玉(ギョク)なんだそうで、ヒスイ類似石のクリソプレーズ、アベンチュリンクォーツから染色の白ヒスイ、瑪瑙や水晶などあらゆるヒスイ類似石、模造石がヒスイとして売られているので注意しなければいけませんよ。

翡翠 ダイヤリング

しかし宝石の本場香港、もちろん何もそんな怪しげなヒスイばかり売ってるわけじゃございません。

というか、実際良いヒスイを仕入れようとするならば、香港に行かねば良いものは買えないというくらい。

実のところ良質のヒスイは、今何かと騒がしいミャンマーで産出されるのですが、伝統的な政情不安ともあいまって、それがまわりまわって結局は世界中から買い手の集まる香港へとたどり着くって寸法。

しかし、このヒスイと言う石、色石の中にあって一番良し悪しの判定が難しい、業者泣かせの石なのです。

香港当時に、あちらの大手宝石商社の王社長に聞いたところ、

「ヒスイの良いものの見極めが一番難しい。これが出来るようになったら本物の宝石商ね、がんばんなさい」

と早稲田大学卒業の流暢な日本語ではげまされました。

翡翠 ダイヤリング

さて、それでは、今回ご紹介のこちらのヒスイの指輪でございますが、こちらをこれから存分に賛美してまいりたいと存じます。

ヒスイの良し悪しを見る第一番目は、その石の透明感。

ですから、完全に透明な石と言うものは存在いたしません。

しかしその中のあってもやはり透明感、透け生地のものが高く評価さこいれるのです。理由はもちろんその方が美しいからですね。

翡翠 ダイヤリング

昔、バブル時代、石は大きいし、色もちゃんとグリーンが乗ってるんだけど、まるでペンキで着色したかのような透明感の無いヒスイを良く売ったものですが、こういうのはいただけない。

いい加減なこと言って騙してごめんなさい当時のお客様。

そして色なのですが、これは個人の好みにも大きく左右されるところではございますが、私の宝石のバイブルGIAのジェムリファレンスガイドによりますと、インペリアルジェイドと呼ばれる最上級のヒスイとは、エメラルドグリーンの色が鮮やかで均質、そして半透明、こういうのが最上級のクォリティーであるとあります。

たぶん昔からロウカンという風に呼ばれるタイプのヒスイでございますね。

そして、もう一つの人気の色味がアップルグリーンと呼ばれるやつで、彩度の高い黄緑色。

ちょうど青りんごのような感じの色ですね。もちろんこちらも半透明に近づけば値打ちが上がる。

翡翠 ダイヤリング

さて、こちらの指輪に留まった石はどうかと申しますと、色味はアップルグリーンと言うにはちょっと濃い。

ただ、エメラルドグリーンかと言うと、確かにこんな色味のエメラルドのあるにはあるが、理想のムゾーエメラルドの色から比べれば、黄緑と言わざるを得ません。

ですからちょうど真ん中ら辺の、程よい色目と言えなくもない。

そして、透明度なんですが、これはなかなかのもの。

石の表面には色ムラは無いのですが石の内部に少し色の薄い部分がある様なのですが、それがほんのりと透けて見てとれる感じで、本来のムラが逆に透明感をアピールするかのような、良い風情を醸し出しておりますね。

もちろん石の形もシンメトリーがバランス良くとれたオーバルシェイプで、ドームの高さの均一な盛り上がりをみせる、ナリの良いカボッションカットでございます。

翡翠 ダイヤリング

写真でご覧いただいてもこのヒスイの美しさは充分にお分かりいただけると存じますが、この本来不透明であるはずのヒスイが醸し出す、えも言えぬ透明感が、神秘的な美しさと相成り、見る者をして陶酔の極みに至らしめるところまでは残念ながら伝わるまいと、面映ゆいばかりでございます。

この美しいヒスイにふさわしく、美しいラージメレダイアトータル1.48キャラットにて取り巻きましたるこちらの素晴らしい指輪。

是非あなた様の家宝としてお収め願いたく、ここな白髪のコウベをば垂れ、七重の膝を八重に折り、御願い奉る次第でございまする。

特大ハートペンダントは可愛さ倍増!

ダイヤモンドハートペンダントトップ

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

これでもかっちゅーくらいにダイヤがぎっしり詰まったハート。否が応でも目立たざるを得ない!

愛のシンボルと言えば、ご存じハートマーク。

ハートのモチーフは街中のあらゆる所で目に致しますが、特に女性に関わる衣装、グッズの中に多く見受かられられるのは、女性の方の多くがラブロマンスに対して強い憧れがあるからなのでしょうか?

もちろんジュエリー、アクセサリー類にもこのハートのモチーフは多く用いられ、廃れる気配がございません。

しかし、こちらのペンダントのサイズにもなりますと、これはなかなかのレアなサイズでございますよ。

こういったダイアモンドパヴェセッティングのハートペンダントというのは所謂十字架のクロスペンダントと双璧、洋の東西を問わず様々なブランド、メーカーが趣向を凝らしたデザインから陳腐なものまで、大量に出回っております。

ダイヤモンドハートペンダントトップ

しかし、こんなにデカいのは滅多にございません。

こういったダイアパヴェのハートペンダントですと、よく見かける大きさは縦横のサイズが1センチX1センチくらいで、石目が0.5キャラットあたりのもの。

そのようなサイズのハートシェイプのコロンとしたペンダントをちょうど鎖骨の間付近にお着けあそばしますと、非常に愛らしい印象を醸し出すのでございます。

ダイヤモンドハートペンダントトップ

ところが、こちらなんと大きさがそれの3倍ほどもあり、ダイアに至っては5倍の量。

5キャラット、150個以上のメレダイアが留められているのです。

実物大と言えばオーバーですが、ひょっとすると赤ちゃんの心臓くらいはあるんじゃないかというくらうのサイズ。

ダイヤモンドハートペンダントトップ

さてこれをお着けあそばすと、どのような効果が見込めるのでしょうか?

小さいサイズはコロンとして可愛らしいけどこの大きさだとねぇー、どうなの、変じゃない?

と疑問をお持ちの方に私は声を高らかにして宣言したい!

コロンがゴロンになってさらに可愛らしさが増すのでございます!

通常、ペンダントの法則と申しまして、ペンダントのサイズが大きくなるにしたがって吊り下げるチェーンも長く、すなわちペンダントが下の方の下がるように着けるのがバランスの良い着け方とされております。

ダイヤモンドハートペンダントトップ

しかし、このペンダントをお着け頂く際は、そのような常識は度外視して頂きたいのです。

左様、小さいハートのペンダント同様、鎖骨の間あたりにペンダントヘッド部分が来るようにお着け頂くのでございます。

えっ、何それ?そんなの招き猫の鈴みたいにならないの?

なります。まさに招き猫スタイルのペンダント装着法なのでございます。

ダイヤモンドハートペンダントトップ

招き猫の鈴ダサいですか?可愛いでしょ?

招き猫はあの鈴によって可愛らしさが倍増していると言って過言ではございません。

森会長の首に誰が鈴をつけるとか、大坂なおみさんが全豪を制した際のシューズに招き猫があしらわれてたりとか、時代はまさに招き猫が来ているのでございます。

時代に先駆け、でっかいダイアペンダント首元にあしらい、可愛らし招き猫スタイルを、先陣を切って浮世に流布していこうではありませんか!

ティアラのようなダイアリング

ダイヤモンドリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

透き通るような肌には透き通ったダイヤに白い地金のリングがよく似合うのさ。まさにキミにうってつけのリングだよ。

さて、本日のご紹介はこちら、お洒落なダイアモンドのリングでございます。

実際、宝飾品の中でもっとの需要の大きいのはやっぱり何といってもダイアモンドの指輪でしょう。

なんたってダイアモンドは宝石の王様。女性の憧れの的。かのマリリンモンローをして、ダイアモンドは女の子の親友よ、てな歌を歌ってるくらい。

かのマリリンモンローをして、ダイアモンドは女の子の親友よ、てな歌を歌ってるくらい。

本当は旦那や彼よか大切な存在かも。

ダイアモンドは硬いから着けっぱなしでも欠ける恐れが少ない。

無色透明だからお洋服を選ばない。

誰にでもその輝きで、一目でダイアと判る。

まあ、そんなところがダイアモンドの人気の秘密ではないのでしょうか。

という事で、みんなが着けてるダイアリング。

ありきたりの物だと目立たない。

かといって突拍子もないデザインを着ける勇気もないとお困りのあなた様にうってつけなのが今からお勧めいたしますこちらのリング。

ダイヤモンドリング

いかがでございましょう、こちら、この西洋のお姫様がその麗しいおつむにお着けあそばすティアラのようなデザインの指輪。

中央のラインに大きめのメレダイアモンド、直径が3ミリちょっとございますから、だいたい0.1キャラットの石が横に5つ等間隔でならんでおります。

そして、その間を上から見るとか細い線のブリッジがそれぞれの石を支え、視覚的に実に繊細な感じを醸し出していますね。

ダイヤモンドリング

そしてさらにその繊細な石の並びを上下から、これも細かいメレダイアが隙間なく並んだ枠が挟むようにして支えている、 といったなかなかの凝った造りとなっております。

この様なダイアモンドの配置の仕方は、西洋の王室などに代々伝わる王冠やティアラなどのちょうど頭を直接囲むベース部分などに見かける細工によく観られる、伝統的なダイアモンド細工の手法でございます。

決して斬新なデザインではございませんが、かといって古臭いわけでもない、西欧の伝統技法を現代の指輪製作に活かしたアレンジメントの妙。

ちょっと人目を惹くんじゃないでしょうか?

ダイヤモンドリング

ファッションのトレンドも複雑多岐に渡り、決してこれと言った本流があるわけではないお洒落の流れ。

そのなかにあって、このデザインは意外に幅広く、年齢層も広範囲にわたってカバーしてくれるのではないでしょうか?

母娘共有でお着け頂く事も可能ですよ。

ただしサイズが合えばですがね。

ヴァレンタインデーお勧め!チョコダイアリング

ブラウンダイヤモンドリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

Brown Diamond , how come U feel so gooooood !!

さて、今日はヴァレンタインデーということで、若い恋人達はチョコレートとともに趣向を凝らしたプレゼントを送り、送られまことに結構な事でございます。

かく申す年寄りの私とて、昔から老人と言う訳ではなく、若いころにはチョコの一つや二つは貰った事もある訳なのでございます。

そのなかで、一番印象に残るヴァレンタインの想い出は、なんといっても、同僚女子やその他もろもろに頂いたチョコレートを、その夜一人で立ち寄った立ち飲みバーで、すべて忘れて来てしまったことでございます。

翌日チョコレートのお味の具合を、頂いた女の子から問われる度に、まさか飲み屋に忘れたとも言えず、あたふた、ドギマギして適当な事をいって誤魔化した事は、今も忘れえぬ苦い思い出でございます。

ひょっとしたら本気のやつ入ってたんちゃうやろか?

チョコレートに忍ばせた恋文があったんちゃうやろか?

とあらぬ妄想にしばらく苦しめられたものでございます。(笑)

さて、本日はそんなヴァレンタインデーに因みまして、チョコレートのような指輪をおひとつご紹介いたしましょう。

ブラウンダイヤモンドリング

こちらご覧いただいております指輪。

ピンクゴールドの地金で拵えたリング枠のセンター部分に、ブラウンダイアの細かいプリンセスカットをミステリーセッティングでまとめて配置いたしました指輪でございます。

この部分、良くご覧いただきますと、四角いブラウンダイアがお行儀よく整列いたしまして、まるで板チョコの様ではございませんか?

まあ、板チョコをバレンタインデーに送る粋人もあまりおられないでしょうが。

ブラウンダイアと一口に申しましても、ピンからキリ。

イエローダイアにも当てはまる事なのですが中途半端な色はいけません。

茶色がかってる、褐色っぽいなんて言うのは、単に無色透明なダイアが濁って見えるだけ。好き好きもございましょうが、あまり美しいとは評価されません。

ブラウンダイヤモンドリング

しかし、逆にこれだけしっかりとした色が乗っていますと話は別。

ブラウンダイアの前にファンシーがついて、ファンシーブラウンダイアモンドという評価になり、商品価値もグッと上がってまいります。

一種色石のように評価されるわけでありますが、何せ石の正体はダイアな訳ですから輝き、テリは半端ない。

どんな色石も敵うものではございません。そういう意味で、宝石材としても非常に面白い素材と言えますね。

あとは、この素材をどのように活かして製品を作り上げていくかと言うところが各宝飾メーカーさんの知恵の見せどころ。

ブラウンダイヤモンドリング

さてこちらのリング枠は先にも述べました通り、ピンクゴールドでしつらえてございます。

ピンクゴールドというのは、18金のものにしましても14金のものでも、その元の24金に混ぜる金属を、赤い色の銅を加えて赤っぽくしているわけなのです。

ピンクゴールドと申しますが、正確な描写としましては赤っぽい金色。

これに同じく赤色の彩度が落ちた結果生まれる茶色、この色のダイアモンドが同系色という事で非常によく合うわけですね。

そしてこのピンクゴールドは我々東洋人の肌の色にも非常によく馴染むとされているのです。

もちろんこちら、ご覧の通りブラウンダイアだけじゃなく周囲の装飾には無色のメレダイアがふんだんに使われ、見た目も非常に豪華。

チョコレートだけをもらいっぱなしじゃ男が廃る。これぐらいのモノをホワイトデイにお返ししないと、いわゆる接待を伴う夜のお店じゃモテませんよ社長さん。

さっ、今からちゃんと用意しとかなきゃ!

お洒落なパールペンダント

パールペンダントトップ

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

一風変わったデザインのパールペンダント。この一ひねりが大きな差をつけるんですよ

さて、この度ご紹介のお品はこちらの南洋パールのペンダントでございます。

中古のパールペンダントと言いますと、たいていパールの天辺にちゃちなバチカンが安直に取りつけられたものがほとんどと言って良いのですが、その中にあってどうですこちら、洒落ているじゃございませんか?

こちら、ネックレスを通すバチカン部分が縦に伸びたモダンな造り。

そこに綺麗なダイアモンドが真ん中に開いた空間を挟んで二列左右対称に7個づつ綺麗な細工でセットされております。

パールペンダントトップ

このバチカン部分の幾何学的なデザインとホワイトゴールドのクールなイメージが、丸いパールとは対照的に非常にソリッドで現代的。

そして、その硬質な感じがパールの魅力を打ち消すのではなく、その硬軟の対比によって、お互いの魅力を浮き彫りにしているわけでございます。

デザインの要諦はあらゆる芸術や音楽にも通ずるかと思われますが、この硬軟、強弱のアクセントが大きな決め手となるのではないでしょうか。

パールペンダントトップ

そして、こちらのパールですが、これは白蝶貝から採れます白蝶真珠、または南洋真珠と呼ばれる真珠でございます。

この真珠は日本がその主生産地でもあります、アコヤ真珠と異なり、母貝が大きい分、採れるパールのサイズもアコヤ真珠よりもずっと大きいのです。

アコヤ真珠の大きさは最大でせいぜい直径10ミリどまりなのに対して、この南洋真珠は最小サイズが10ミり、大きい物になると、18ミリにもなると言いますから、かなりのサイズの開きがありますね。

パールペンダントトップ

違いは大きさだけではなく、アコヤ真珠がピンクがかった色味の物がが多いのに対し、こちらの南洋真珠はややグレーがかった色味のものが多い様でございます。

また、パールの弱点としまして、経年劣化と申しまして、長くお使い頂いているうちに黄ばんできたり、ツヤが無くなってきたりという問題点があるのでございますが、南洋真珠の場合は真珠層の巻き厚が厚いため、その劣化のスピードがアコヤ真珠よりも遅いとされております。

ですから、直接地肌に触れる機会も多いペンダントとしては好都合。

パールペンダントトップ

さて、ご覧のパール、お色目はグレー味の薄いホワイト系の珠で、直径は12.5ミリと大きすぎず小さすぎず程よい大きさ。

そして専門用語ではナリと言うらしいのですが、真珠の形そのものは、このペンダントで言いますと微妙に縦に長いオーバル型で、これがデザインと非常にマッチして、すっきりと収まっている印象を与えます。

そして最後に、こちらの商品の隠れた秘密を明かしましょう。

実はこのペンダント、リバーシブルになっておりまして、裏表両面でお使い頂けるのでございます。

パールペンダントトップ

裏を返しますと一瞬ホワイトゴールドの地金だけの裏面の様にみえますが、実は真ん中に開いた空間の最下部にダイアモンドが一個キッラと輝いているのです。

遊び心溢れるリバーシブルのデザインを充分活用して頂き、幾通りにもファッションの変化を楽しめる、そんな素敵な装いの小道具として、是非お勧めいたす次第であります。

耳飾りは美貌アップの飛び道具!

ダイヤフープピアス

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

いわゆる一つのダイヤフープピアスですよね。これさえあればもう他ピアス要らないっしょ!

女性の皆様は美容、特にお顔の美容は一大関心事。

男の小生などには全く得体の知れない液体やら個体、粉をば何種類も揃え、これをば顔面に幾重にも塗布いたし、オリジナルとは大きくかけ離れた美顔を手間暇かけて創造していくわけでございます。

昨今では、それだけでは飽き足らず、ヒアルロン酸注入にはじまり、様々な改築、リフォームを自らの顔面に、大枚をはたいて施すことを厭わぬ方も多いとか。

いやはや、女性の自らの美に対する執着心の大きさに改めて驚嘆致す次第でございます。

ただ、わたくし思うに、お顔そのものに集中することも重要でしょうが、その顔面周辺のエリアの開発によって、さらにお顔に良い影響を与えると言うことも肝要ではございますまいか。

例えば、ヘアスタイルやその髪の毛のお色なんてのはその代表格。同じお化粧でも髪の毛がロングかショートかにだけによってその印象が大きくかわってしまいますね。

それと同様、顔のすぐそば、耳を飾るジュエリーと言うものも大きくお顔の印象を左右する重要な要素として、私はこれを重要な美容の小道具、いや、その影響力の大きさから飛び道具であると断言したい。

ダイヤフープピアス

ピアスやイヤリングといった耳飾りの類、これは例えていうなら舞台を照らす照明設備のような働きがございます。

舞台上、いくら素晴らしいお芝居が演じられようが、華やかなプリマドンナが跳躍してようが、照明が無ければ、これはもうエンターテインメントとして成立しない。

それと同様というにはおこがましいですが、美しくお化粧品でデコレートした美顔を、一層際立たせてくれるのが、お顔の両わきで輝く美しいファインジュエリー。

例えばルビーに代表されます、赤系統の宝石。

こういうモノを使った耳飾りをおつけ頂きますと、明るいチークを刷いたのと同様の効果で、一気にお顔が華やぎます。

また、サファイアなどのブルーのお石をお着けあそばすと、今度がガラッと雰囲気が変わり、ソリッドでクールな印象となります。

ビジネスシーンなんかで交渉相手に隙を与えたくない時など、キリっとしたいい女を演出してくれますよ。

さて、それでは、今回ご紹介いたしますダイアモンドはどうかともうしますと、これはもうオールマイティー。

喪の時以外なら、いついかなる時でもおつけ頂き、あなた様の美しさを更に側面から盛り上げてくれる、強力な助っ人でございます。

ダイヤフープピアス

今回のご紹介のこちらのダイアモンドフープピアス。

こちらなんかはそういったオールマイティーなダイアモンドピアスの中にあっても、かなり幅広くお着け頂けるタイプのデザインなのでございます。

普段のお洒落は言うに及ばず、披露宴や入卒のちょっとしたフォーマルの装いにも最適。ダイアモンドの神々しい光があなた様の魅力をさらにグッと引き上げてくれる事間違いございません。

ダイヤフープピアス

ご覧のピアスは片方だけで0.5キャラット、セットの合計でなんと1キャラットと贅沢にダイアモンドがつかわれております。

これだけのボリュームがございましたら多少の大顔、福耳の方でも大丈夫。

ダイアのグレードも内包物がルーペでは確認できるSI~I クラスではございますが、お色は黄色味の無く、裸眼で見た目には何ら支障がなく、さらにその分お財布にも優しいお値段となっております。

さて、気合いを入れてお顔を入念に拵えたはいいがイマイチ何かが足りないな、やっぱり私って、と落ち込む前に、こちらのピアスで最後の仕上げ、気分アゲアゲとまいりしょう!

伝説のムゾー鉱山エメラルド

コロンビア産 ムゾー エメラルド ダイヤリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

マニア垂涎の的、幻のコロンビア産ムゾーグリーンがこんなところに、あら不思議?

東男に京女なんてことを申します。

日本国中いろんな人間が住んでおりますが、その中でも男性ならば、東京の出身。女性ならば京都の出が一番良いとされております。

器量なのか、性格なのか、いったいどこを基準に良いとされているのかイマイチ分かりませんが、昔からそういうのですから、間違いないのでしょう。

浪花節の次郎長伝などでも、江戸っ子である事をよいしょされた森の石松が上機嫌になり、相手に「寿司食いねえ」と寿司をふるまうシーンが出て参ります。

事程左様に、江戸っ子と言う言葉自体がすでに誉め言葉になるほど、東京出身の男子は値打ちがあるとされていたわけであります。

実は宝石にもそうした「出身地」によってハナから良いとされているものがございます。

例えばカシミール産のサファイア。ミャンマー産ルビー。ブラジルはパライバ地方で採れたパライバトルマリン。

こういった産地で産出されるものは、おおむね品質の良い、その宝石の代表的な美しさを示すものが多いという訳でございます。

コロンビア産 ムゾー エメラルド ダイヤリング

さて、それでは、エメラルドになると、どこの産地のものが良いかと申しましと、これはご存じの方も多いかと存じますが、コロンビア産という事はもう宝石の世界では常識。

しかし、コロンビアといっても、いささか広おござんす。コロンビア国内でもエメラルドを産出する鉱山はいくつもございますが、その中でも最高級品質のエメラルドが採れると言われているのがムゾー鉱山。

このムゾー鉱山は、かの宝石鑑定者育成プログラムGIA GG取得の為のテキストの中においても、きちんと取り上げられているほどの高い名声を得ているのでございます。

コロンビア産 ムゾー エメラルド ダイヤリング

コロンビア産 ムゾー エメラルド ダイヤリング

しかし、このムゾーのエメラルド、日本の宝石学の第一人者、諏訪先生のホームページによるとキズが多く、美しさの欠けるもの、透明度の低いもの、色みの悪いものなどの産出がほとんどで、ジェムクォリティーは全体の1%にも満たないとされています。

さて、これからご紹介いたしますのは、そのムゾー鉱山で採れるエメラルドの1パーセントにも満たない言われる、実にレアな、世界最高品質とされるジェムクォリティー、ムゾー鉱山産出のエメラルド。これをばセットいたしました指輪でございます。

コロンビア産 ムゾー エメラルド ダイヤリング

前出、諏訪先生のホームページの説明によりますと、ムゾーエメラルドの特徴として「濃いグリーンで柔らかな味」とございます。

実物を検分いたしますと、一般に広くいきわたってますエメラルドと比べまして、まず印象として、濃い、ディープという印象でございます。

普段安物の、薄いメロンジュースのようなエメラルドばかり見ておりますと、ともすると、濃すぎるという印象を持たれがちです。

これは普段安価なワインばかりを呑んで粋がっている庶民が、いきなりテレビの「芸能人格付けチェック」に出てくるようなフランスはブルゴーニュ地方秘蔵の一本ウン百万円もするというようなワインを飲んだ時の違和感に通ずるのではないでしょうか。

コロンビア産 ムゾー エメラルド ダイヤリング

長い年月を経て、樽の中で熟成されたフルボディの葡萄酒は、ともすると葡萄ジュースの焼酎割のようなワインしか飲んだことのない庶民、貧民の舌には、重く、渋く、苦く感じられることでしょう。

これと同様、このエメラルドも地色が深く濃いのに加え、諏訪先生ご指摘の様にインクルージョンが多く、透明度が低くなっております。

この欠点ともとれる特徴が、実は逆に色の奥行と、これも諏訪先生ご指摘の色の柔らかさを醸し出すことに貢献しているのでございます。

単に明るく、華やかなと簡単に表現できる表層的な美しさではなく、暗く沈んだイメージの中からジワリ浮き立つ、あたかも古美術品のような時間の蓄積の末に生まれ出る美。

何億年もの時間の堆積が結晶となる宝石の奇跡をまざまざと見せつけくれるような美しさが、この石には秘められているのでございます。

コロンビア産 ムゾー エメラルド ダイヤリング

さて、こちらの指輪は通常のお客様から買い取らせて頂いたものと異り、この希少なムゾーエメラルドのルース、つまり石だけの状態を、業界内のオークションで落札いたしました後、大阪でも三本の指に入ると名高い、名人飾り職人の親方によって指輪に仕立てあげたものでございます。

両サイドのダイアも勿論無色透明のエメラルドカット。中石留めの爪のみエメラルドの緑を引き立てる工夫でゴールドを使っております。

子々孫々まで家宝として受け継がれるほどの逸品として、自信をもってお勧め致します当店の完全オリジナル、ムゾーエメラルドの指輪でございますれば、是非ご購入ご検討賜りますよう、店主に成り代わり御願奉りまする。

常夏の島タヒチからの贈り物

タヒチ バロック パール ダイア ピアス

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

ハレの日にあなたをより一層引き立ててくれる海からの贈り物

さて、今回のご紹介はこちら、タヒチパールを18金とダイアモンドを贅沢に使ったゴージャスな枠にセットした素敵なピアスでございます。

まず、ご注目頂きたいのがこの黒い真珠。

これは冒頭でも申しましたとおり、タヒチパールと申しまして、かの南海の楽園、南半球にある、フランス人画家ゴーギャンが愛した常夏の島、タヒチ島で採れる真珠なのでございます。

タヒチ バロック パール ダイア ピアス

そのパールが採れます貝の種類、黒蝶貝にちなんで黒蝶真珠とも呼ばれることもある、黒色の真珠なんですね。

ただ、黒色と言いましても、真っ黒な炭のような黒一色で、ツヤのないのはダメなんです。

どういうのが良いかと言うと、黒の地色、つまりベースの色ですね。

その上にオーバートーンと言って、上に被さるように、例えて申しますと、絵の具の重ね塗りの様にグリーンの色が重なって見え、そして更には、その上になお、赤いオーバートーンが被さってくるとなおの事良いとされてるんですが、

どうですこちら、写真じゃなかなかお分かりいただけないかもしれませんが、そのようになっていませんか?

タヒチ バロック パール ダイア ピアス

こういう色目を専門家の間では、ピーコックカラーとよばれているのです。ピーコックと言うのはご承知のように孔雀の事。

このオーバートーン豊富なカラフルな黒い真珠が、孔雀の羽を彷彿とさせるところから、そう名付けられたそうです。

じゃ凄い真珠じゃない!と驚くのはまだ早い。ちゃんと欠点をお伝えしとかないと、詐欺商法になっちゃいまいますからね。

このタヒチパール確かに色の面はピーコなんですが形状がおすぎなのよ、じゃなくで形状が理想のパールの形からすると、少々外れてるわけです。

タヒチ バロック パール ダイア ピアス

真珠の理想的な形状というのは、まず真円。

真ん丸な球形が良いのでございますが、こちらはドロップといって、しずくのような形状。

さらに、サークルといってパールの表面に輪のような模様が、写真でご覧いただきますと、平行の線として、真珠表面を幾重にも巻いているのがお分かりいただけますでしょうか。

これは、残念ながらどちらも評価におけるマイナス面。

タヒチ バロック パール ダイア ピアス

しかし、この製品の凄いところは、このマイナスポイントを生かして、最終的な商品の出来栄えを良くしている点なのでございます。

先ず、この雫状の形状は、そのまま素直に活かして、耳からぶら下がるデザインの中で、本当の雫の滴りのような動きをデザインの中に生み出しておりますね。

そして、このサークルは、イヤリング金具にも同じようなサークル状の模様を更に幾重にも加えることにより、あたかもデザインの一部として見事に活かしきっているのでございます。

タヒチ バロック パール ダイア ピアス

そして最後の仕上げとして細かいダイアモンドを無造作に振りかけたが如くに巧みに散りばめてセットされている。

欠点を美点に変えてというところに、女性の美容や装いにも生かせるヒントが何やら潜んでそうなこちらのお品。

実際、専門家から見ると非常にあざとい、というか巧妙な造り、まさに玄人好みの逸品と申せましょう。

宝石上級者にお勧め !

LOVEネックレスで倦怠期を乗り越えようの巻

カルティエ ダイヤ ラブネックレス

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

リングはもう嫌ってくらいネットに出回ってますが、ペンダントネックレスはレアですぞー。早い者勝ち!!

さて、ご覧いただいております浮き輪のようなペンダント。こちらはカルティエの名高いラブシリーズのラブネックレスでございます。

カルティエと申しますと、以前もご紹介いたしましたが、

「Jeweller of kings, king of jewellers 王の宝石商、宝石商の王」とウィキペディアにもある通り、1847年、ルイ・フランソワ・カルティエによって花の都フランスはパリの地で創業されて以来、ヨーロッパの王侯貴族御用達の宝石商として不動の地位を築き上げ、今に至るも世界中の富豪、セレブたちのあこがれのジュエリー、高級時計のブランドなのでございます。

その中にあって不動の人気シリーズが、こちらのネックレスが属します、ラブコレクション。

ラブコレクションは1970年にニューヨークで誕生したとありますか、らもう半世紀の間カルティエの顔として人気を集める、奇跡的な定番商品でございます。

なぜ、これほどまでにこのシリーズは人気を博しているのでしょうか?

それは、第一にその名前の由来ともなるLOVEの命名。

恋人たちの愛がいつまでも続くようにとの、祈りと誓いのしるし。これを贈り合うことがロマンスの最終章。契約の調印。

そういう意味で、このシリーズの結婚指輪、婚約指輪は結婚目前のカップルに圧倒的な人気を得ているのでございます。

カルティエ ダイヤ ラブネックレス

さて、次にやはりデザイン。

シンプルでありながらユニーク。印象的なビスモチーフはこれまでに無い画期的、かつ斬新なデザインとして、新しいもの好きのニューヨーカーの度肝を抜いたとか。

なにせ、ジュエリーにマイナスのネジ頭が堂々とデザインとしてくっついている。なんじゃこりゃー、と当時のニューヨーカーが優作の真似して叫んだとか。

さて、このビスのデザインですけど、ちゃんと深い意味があるのでございます。

はなんと中世の女性が着けていた、あるいは着けさせられていたというべきか、貞操帯に刻まれていたビスをイメージしているとか。

これを贈り合う事で男女はお互い、操を守りましょうというお約束。

しかし、現代の若者、いえ、いい大人ですら貞操、操なんて言葉、あるいはその意味するところを知ってる人なんて稀。知らないんだから当然、貞操など守れるわけはない。

カルティエ ダイヤ ラブネックレス

ま、そんな意味合いの起源は知らなくても、愛し合う二人が贈り合って満足すればそれで一件落着。

それでは、こちらのペンダントネックレスを検分していきたいと存じます。

まず、ペンダントでございますが、直径が約23ミリ、厚みが約2.8ミリの大きさ。円盤部分の中身が抜けた輪っかの形状。その輪の幅が約3.8ミリ。ぱっと見はまるでホームセンターなんかで売ってるワッシャー金具そのもの。

このペンダント表面、時計の文字盤に例えて1・3・5・7・9・11時の位置にマイナスビスのマークとダイアモンドが交互に配してあります。

そして裏面下部にはLOVEと刻印がございます。ただしこの刻印Oの文字とEの文字にはマイナスビスのマークがそのまま使われていて、これを強引にOとEに読ませる仕掛け。おしゃれじゃございませんか。

カルティエ ダイヤ ラブネックレス

そしてこのペンダントを吊るす鎖でございますが、こちらもご覧の通り、ホームセンターで売っているような、いかにも機械のパーツ然とした角アズキと呼ばれる、鎖の原初のデザインが用いられているのでございます。

つまりこちらのペンダントネックレス、ビス模様の刻印とダイアモンドが無ければ如何にも無骨、まるで機械パーツで簡単に組み立てたかのような単純明快なデザイン。

これこそが、創業200年に達しようかという、世界に君臨するジュエラー、カルティエが試行錯誤の末達した愛・LOVEの形。Simple is best の境地ではありますまいか。

つまり、ビリージョエルが歌うところの“I love you just the way you are”いうことちゃいますん?知らんけど。

という事で、はるか昔、結婚指輪にラブリング送ったお父さん、長きにわたる結婚生活の間、操を守れなかった罪滅ぼしに、奥さんにおひとつどうどすえ?

夜の帳のむこうからサックスの音響きたる

ダイヤ サックス ブローチ

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

チョイ悪がバーカウンターでBGMをたよりにコルトレーンやマイルスを語りつ、甘い腰砕けカクテルをお姉ちゃんにグイグイ勧めるめる時、ジャケットのラペルに輝く下心のサックス。

「センセ、センセ。いかがでござんす、このサックスのブローチ。洒落てるでげしょ?」

「ああ、楽器の形のブローチか?変わっているね。しかし家内が気に入るかねえ?」

「何言ってんです。奥様になんて誰が言いました?センセにお勧めしてるんですよ」

「えっ!ワシがするのか?これを?冗談言っちゃいけないよキミ。子供じゃないんだから。第一、こんなの一体どこに着けるんだね」

「あれ、何にもご存じない無いんですねセンセ。ラペルピンといって、こういうのを紳士がスーツの襟とかに着けてるの見かけたことありませんか?」

「あーっ、そう言われれば、そんな景色を目にしたような気もするが。でもそういうのって、キミあれだろ、芸能とか、裏社会とか、いわゆるカタギでない人の装束の仕様じゃないのかね」

「何言ってんですか、ちゃんとまともな稼業のサラリーマンやお医者さんとかが、普通にお洒落としてお着けになっますよ。大体センセこそ人の事をカタギでない、なんて言えた義理じゃないでしょ」

ダイヤ サックス ブローチ

「何をキミ失敬な。しかしこれを着けると何かな、お洒落という事になるのかな?」

「そうですよ。だからお勧め申し上げてるのじゃないですか。こういうのをお着けあそばして銀座にでもお出ましになると、もう女の子からのウケが違う」

“キャー先生、お洒落なブローチ。素敵!でも、どうしてサックスなの?”

“いや、若いころちょっとかじってたもんでね。これでもミュージシャン志望だったんだゾ”

ダイヤ サックス ブローチ

「いや、ワシはそんなちゃらけたモンはやっとらんぞ、キミ」

「やってなくても、ここは、やってたって言っとくんですよ」

「嘘をつく訳か?」

「しょっちゅうついてるから、お得意でしょ?」

「キミ、人聞きの悪い事を言うのは謹んでくれたまえ。で、それから?」

「それからじゃありませんよ、ミュージシャンてのは女の子にもてると相場はきまってる・・・」

ダイヤ サックス ブローチ

「あい判った、皆まで言うな。なるほど、それを糸口に女の子の興味、親近感をぐっと高め、こちらへグイと手繰り寄せるわけだな?」

「手繰り寄せられるか、寄せられないかは先生の外交手腕にかかってますが、良い会話の糸口になるんじゃございません?」

「なるほど、合点がいった。外交ならお手の物。なにせ、そちらは本職じゃからな、キミ。では、早速頂くとしよう」

「ありがとうございます。せっかくだから、もうお着けあそばされたらいかがでございます?そんな野暮な議員バッジや党員のバッジなんか外して頂いて」

「そうだな、もう夕刻だし、早速いざ出陣とまいろう」

ことほど左様、世のセンセ、シャチョー、ダンナ、にアニキ。やっぱモテようと思ったら男とて装いに凝らないといけませんぜ。

今宵はひとつ、夜のシジマにむせび泣くサックスのブローチでめかしこんで、いわゆる夜の街へ歓楽に繰り出そうではございませんか。良い事ありますぜきっと、ヒヒヒヒヒ

ガチャポンから出たようなリアル指輪

フラワーモチーフ リング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

金地金の高っかい今日び、あらま贅沢!金地金のみで作られた大ぶりなお花の指輪。こんなん買おとかなアカンは奥さん。いや、お嬢さんでもええねんよ、てか、おっちゃん的にはお嬢ちゃんに買おて欲しな。ま、お兄ちゃんでもええよ。かめへんよ笑ろたりせーへんさかい。(笑)

「この花は私です」てな台詞を人気アイドル、花の三人娘の一角を担う桜田淳子ちゃんが、歌の前説で語ってたのは、今を去る事四十年以上も昔の話。

ちなみにこの三人娘とは中学生時代から健気に芸能の道で活躍されている山口百恵、森昌子、桜田淳子の諸氏である事は、同年輩にあたる還暦あたりのお歳の方ならちゃんとご存じのはず。

お三人とも結婚などを機に芸能活動から遠ざかり、それを嘆くファンも数多くおられましたが、ことに桜田嬢におかれましては、新興宗教教団入信、合同結婚式とセンセーショナルな話題で一時期芸能ジャーナリズムの恰好の餌食となっていましたね。

それはともかくとして、「この花は私です」のセリフで始まる歌の題名は「花物語」といって、自らを花に託した、少女の切ない初恋の気持ちを切々と歌っている楽曲でございます。

この歌の主人公ともとれる、可憐な少女の唄う歌を聴くは、ニキビ面の思春期、青年期の血気盛んな野郎ども。こやつ等は、歌の文句をまさに自分に向って打ち明けられた恋の告白のような錯覚に陥って聴き入り、もう前後不覚、無我夢中、全集中でアイドルの虜になってしまうのでございます。

これが、今でも連綿と続くアイドル商法の根幹ともいえる手法な訳でございますが、考えれば考えるほど奇妙なからくりでございます。

フラワーモチーフ リング

なにせ、この歌詞自体が可憐な少女、桜田淳子さん自身の創作ではなく、したがって本人の気持ちなどひとかけらも入っていない。

この歌の場合で言えば阿久悠先生という日本歌謡史に燦然と輝く、超大家の手によるもの。さすが巨匠、実にツボを心得た巧みな言葉の操り具合ではございます。

あの場末の安酒場でとぐろを巻いている、チンピラのような顔で、いけしゃあしゃあと臆面もなく「手に取って綺麗だと言ってくれるでしょうか」は恐れ入る。

つまり、血気盛んなお兄ちゃん達はアイドルの可愛い娘さんを媒介として、むくつけきおっさんに口説かれているようなもの。

すなわち、可愛らしいお嬢ちゃんが運んできたむさくるしいオッサンからのラブレターを、お姉ちゃんからのモノだと勘違いして舞い上がっているようなもの。勘違いも甚だしい!

結果、勘違いした野郎どもは、このお姉ちゃんのレコードを買いあさり、コンサートに押しかけ、グッズを買いあさり、その結果プロダクションは大いに潤うという仕組み。

よく出来たカラクリよな、越後屋。

恐れ入りまするお奉行様。

お主もなかなかのワルよのう。

なーに、これもみんなお奉行のお仕込みで。

わはははは!

わははははは!

さて、そこでわたくしも、阿久悠先生にあやかって、などとまことに畏れ多い事ではございますが、ここはひとつ、こちらの商品をあなた様に売り込んでみようではございませんか。

「この花は地金です・・・」

あかん、詩心が全くないから後が続かない。阿久先生参りました。

ではいつもの様に粛々と商品説明を進めて参りましょう。

フラワーモチーフ リング

こちら最初に申した通り、地金、つまり18金のホワイトゴールドとイエローゴールドのみによって作られたリングなのです。

「それがどないしたんや?」とまったく宝飾品に無頓着な方はおっしゃるでしょうが、実はこういう地金だけの指輪と言うのは近頃では非常に珍しい。せいぜいが結婚指輪がいいとこ。

しかもこちら、デザインがフラワーモチーフ。お花をモチーフにした宝飾品と言うのは、宝飾品の中でもダントツに多いカテゴリー。でも大概はダイアをはじめ色とりどり、色んな種類の宝石で飾り立てられているのです。

フラワーモチーフ リング

しかるにこのリング、なんと地金で作った花びらやガク、花弁などというパーツ、パーツを組み立てて作った。まるで単純なおもちゃの細工のような造り。これは実にユニーク!

最初どこかのブランドかと訝ったものの、それを表す刻印等もまったく見当たらない。誰がこんなハイセンスな指輪こしらえたのでしょうかね?

なにせ、見た目が実にカワイイ。なんかレゴブロックでできたかのようなこの外観。それでいて正真正銘のゴールドってんですから、洒落てるじゃございませんか?

いかがです、「手に取って綺麗と言ってくれるでしょうか?」

春の予感、ローズクォーツの指輪

ローズクォーツダイヤリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

甘酸っぱい果実のような宝石がプルンと乗っかってるジューシー指輪だよ。ヒアルロン酸よりお肌を活き活き見せてくれます。(あくまでも売らんかなという思惑が見え隠れする、商人特有のさもしい個人的意見でございます)

誰しも人生を歩む中で、人との出会いにおいて、メンター、即ち師と仰ぐような人物の存在の一人や二人はあるのではないでしょうか。

わたくしの場合も、そのような方が二人ほどおられます。

仕事の面においては、私が以前勤務いたしておりました宝石店が、初の海外出店を果たした香港時代。

ペニンシュラホテル、ショッピングアーケードにある、ヴァンクリーフ&アーペルズのショップマネージャーをやっていた香港人女性を引き抜き、新店舗の店舗運営、現地スタッフの管理をお任せしていたのですが、その方、商品知識面から管理、接客まですべての面において非常に秀でておられ、随分色んな事をお教えいただきました。

立ち居振る舞いから装いまで、非常にクール。まさに出来る女、いや、出来る人物。今でも尊敬の念を抱いておりますが、未だ足元にも及びません。

もう一人は、宝石店勤務当初の二人目の上司で、このおっちゃんは先に挙げた出来る女史とは裏腹に、仕事面では非常に不器用、と言うか、商売には全く不向きな方だったのですが、実は早稲田大学文学部哲学科卒業か中退だか除籍か、とりあえず大変なインテリ。

何せ同級生に、かの博覧強記のブラ・タモリ氏がいたと言うくらい。実際には一面識もないとの事でしたが、小百合ちゃんは見たよ、と誇らしげでした。

この人、文学部の看板どおり、大変な読書家。

古今東西の名著、名作は全て読破している勢いで、私のような薄っぺらな知識では全く太刀打ちできない。

一方、映画にも大変造詣が深く、しかもこちらの方のお好みは、サブカル傾向のマニアック好み。

ちょうどその頃ぼちぼち出始めたのが、レンタルビデオ店。このおっちゃんに勧められてレンタルで観たのが歴史的カルト映画「ブレードランナー」。

いやー参りましたね。いかにも小津安二郎とか言いそうなおっちゃんが、こんなん観てんねやー、ひょっとして趣味合うんちゃうん?

それを試すべく、その頃の私のお気に入りの「未来世紀ブラジル」という映画をお勧めし返すと「君なかなかいいセンスしてるじゃないか」って。

それからと言うもの、仕事の枠を超えての希少なサブカル、カルト、オタク仲間としてお付き合いいただくようになったのですが、「ブレードランナー」に次いでお勧め頂いたのが、先ごろお亡くなりになった名優ショーン・コネリー氏主演の「薔薇の名前」という名作。こちらストーリーの体裁はミステリーという事になっておりますが、中世ヨーロッパのカトリック修道院を舞台とした、実に幻想的な映像美。内容はすっかり忘れてしまいましたが。

という事で、宝石の中の「薔薇の名前」がこちら。

ローズクォーツダイヤリング

いやー、いつもながら回りくどい、ようやくたどり着いた!

ローズクォーツ、薔薇の水晶。日本じゃ雅に紅水晶てんですが、まさしく「薔薇の名前」の宝石でございます。

ローズクォーツダイヤリング

ご覧いただきますように半透明の実に柔らかい、はんなりとした色合いで、あたかも桜餅のような風合い。これですよ、日本女性の柔肌に映える色合いというのは。

ローズクォーツダイヤリング

ご覧のようにこの指輪、中石のカボッションに研磨されたローズクォーツは結構大きいのですが、不思議と全然威圧感の無い穏やかな印象。この上等の、ういろうのような半透明のピンクの色がさらに、ボタニカルデザインのゴールド枠に映えて何とも言えない。

いかがです、そこはかとなく春を感じさせる風情じゃございませんか?「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山際、少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる」と、かの枕草子に歌われている日本の春の気配そのもの。

さあ、まだ春遠い寒風吹きすさむ中、待ち遠しい春を指輪で先取り、どうですか?

フェルメールが恋に堕ちたアウィナイトのブルー

リサイクルマーク

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

フェルメールが愛したウルトラマリンのエキスのような群青色。サファイアがみすぼらしく見えるほど!

「一目会ったその日から、恋の花咲くこともある」のキャッツフレーズで始まる視聴者参加型恋愛バラエティー「パンチDEデート」。もう半世紀近く昔の関西ローカルでの人気テレビ番組です。

今や、関西お笑い界の重鎮となられた、三枝時代の若き桂文枝師匠と叙勲、西川きよし閣下、お二人の軽妙な司会で、一般視聴者の男女が登場してお見合いをするという、単純な内容ながら、高視聴率を稼ぐ人気番組でございました。

両師匠、一目会ったその日からとおっしゃってますが、厳密に申さば、一目会った一瞬にその相手に心奪われるのが、世に言われるところの一目惚れの正しい定義でありましょう。

目と目があった瞬間、まるで写真機のシャッターが切られたかの如く、その刹那の映像が強く心に焼き付き、どうにも消せない印象となって脳裏から離れません。

その印象を絵画に残したのが、フェルメールの傑作「真珠の耳飾りの少女」ではなかろうかと、わたくし勝手な解釈をいたしました。

何かの拍子に一瞬振り返る少女。

鮮やかなブルーの布でまとめられた髪と、大きな真珠の耳飾りがゆれる輪郭に縁どられる、白く輝く若い肌。

何かを呟いたのか、やや開いた、紅も鮮やかな瑞々しい唇。

そして、澄んだ瞳が一瞬こちらの視線を捉える。

その刹那、脳内のチャンカワイが雄叫びをあげる。

「惚れてまうやろー!」

この「美少女への一目惚れ」のテーマに託した、フェルメールの真意は何であったのでしょう。

それは、きっとこの少女の頭髪を覆うターバンの、鮮やかな青色を産み出した顔料への想いだったに違いありますまい。

この青色の元となった顔料「ウルトラマリン」に出会った瞬間、フェルメールはこの色そのものに恋をしたのです。画家として探し求めていた理想の色に漸く巡り合えた感動は、我々凡人のはかり知るところではございません。

しかも、後世【フェルメールブルー】とまで言われるほど、フェルメールのこの色への執着はものすごく、当時大変高額であったウルトラマリンを大量に買い占め、その結果、後年一家は破産に見舞われてしまうほどであったとか。

アウイナイト パヴェダイヤリング

さて、この天才画家の心を奪ったウルトラマリンという顔料は、宝石ラピスラズリから生成されるのでございますが、そのラピスラズリを構成する主要な鉱物の一つが、これからご紹介いたしますアウィナイト。

実際ラピスラズリという宝石は様々な鉱物が混じりあった岩石で、外見からしていろんな色がまじりあっております。その中にあってひと際鮮やかに際立って美しい鉱物こそが、このアウィナイトなのです。つまり、ウルトラマリンを魅力ある色に仕立てている主役なわけでございます。

アウイナイト パヴェダイヤリング

ご覧くださいませ、この目の覚めるような鮮やかな青色。いや、青なんて言ったら野暮ですね、瑠璃色てんですよ。瑠璃ていうのは、そのものずばりラピスラズリの事。しかもラピスラズリの一番鮮やかな色を抽出したエキスみたいな宝石の結晶ですから、もうウルトラマリンを超える美しさ。

ご存命ならフェルメール先生にも一目見せてあげたいほど。

さて、このアウィナイトまたはアウィンと呼ばれる宝石、世界広しと言えど、ほとんどドイツでしか採れない。しかも0.1キャラット以上の結晶は稀という極めつけのレアストーン。しかも高度が低い為、石留作業中に破損することも稀ではない。

その美しさと、希少性でダイアをも凌ぐ取引価格と言われる、この宝石を使ったのが、こちらの指輪。

アウイナイト パヴェダイヤリング

なんとアウィナイトが0.49キャラットもございます。0.1キャラット以上は稀と言われる石種でのこのサイズは、もう特大といっても過言ではございません。そしてこのリング枠がまた凄まじい。なんとリング指腹までダイアモンドで完全に覆われたエタニティパヴェセッティングとでも呼びたくなるような造り。

しかもこのパヴェ細工、一目見た印象で、あのギメル社製の物かと目を疑うほどの素晴らしいダイアモンドが使われております。

この細工からみてとれますのは、こちらの前オーナー様は、先ずアウィナイトをルースのままで購入したのち、ご自分のジャストサイズでフルエタニティ―タイプのパヴェリングを、金に糸目をつけずにオーダーなさったのでございましょう。

いやーいい仕事ですけど、お高かったでしょうね、これは。

アウイナイト パヴェダイヤリング

という訳でこのリング、少しでも宝石にお詳しい方がご覧いただくと、中古であるという事を差し引いても、実に格安である事は容易にご理解いただけると存じますが、一つ二つおことわりがございます。

先ず、このアウィナイト、ルーペを通して観察いたしますとテーブル面とファセットの稜線にいくつかの小キズがございます。 これは最初から有ったものか、あるいは前オーナーが着用の際に誤ってつけられたものかは定かでございません。

しかし実際この程度の小キズは通常ですとリカットで簡単に除去できるのですが、 なにぶん石自体の脆さと、それに伴うキャラット重量の低減を考慮にいれ、そのままにしております。

アウイナイト パヴェダイヤリング

そして、もう一点がこのリングサイズ。

こちらは先ほども申しました通り、リングの下部、指腹と呼ばれる部分までびっしりとダイアモンドが留められております。したがいましてサイズ直しができません。サイズ8号の方限定のシンデレラサイズとなっております。

さあ、この指輪に一目惚れしたシンデレラ、出でよ!

ギメル スペサルティンガーネットの逸品

Gimel(ギメル) スペサルティン ガーネット ダイヤリング

ハリー中野

ベテラン店長のひとこと

またまた出ました凄すぎてコメント出来ないギメルの逸品!いい材料が無いと作らないてんだから徹底してますね。出されたものは何でも頂いちゃう卑しい了見のアタシごときがとやかく言える筋合いのモンじゃございません。

偏見、バイアスというものは誰しもが持つ思考の偏りで、その大もとは、人生の初期段階における教育を含め、あらゆる種類の偏った情報のインプットがもたらす結果形成されるわけであります。

例えば人種差別などの元となる他人種、他民族への偏見などは典型的な例でありましょう。

○○人は邪悪だ、汚い、狡い、モラルが無い、アホだ、世界征服を企んでいる等々様々な偏見で一つの人種や国家集団を括り、断じてしまう。ひとたび友達付き合いをしていた人物が○○人だと判るやいなや、その偏見のラベルを彼ないし彼女に貼り、距離を置く、あるいは付き合いを断つ。

特に島国の我が国においては、長らく続いた鎖国の歴史のせいか、我々は非常に排他的で他民族、他人種を排除しようという傾向が強い様に思われます。

しかし昨今、グローバリズムという事で海外に仕事や生活の場を求め、世界に雄飛される方々も年を経るごとに増え続けております。

そのような人が先ず外国で暮らして真っ先に感ずる事は、当然と言えば当然ですが、一括りの民族性として思い込んでいたその国の人々が、実際には自分たちと同様、多種多様の個性の集まりであるという事実。

「卑しい下品な奴ばっかりや思ったら、まあそんな奴もおるけど、素晴らしい知性をもった人、優しい心人、ひょうきんでおもろい奴もおる。それぞれの配分は若干違うかもわからんけど、さして日本とかわらんやん」

まあ、これは個人的体験だけに私にはいい教訓となったわけですが、しかしそんなことで長年染みついたすべての偏見が雲散霧消するかというと、そこは元々が浅はかなな人間、おいそれとは上手くいきません。

これからご紹介いたしますお品も、わたくしの偏見に支配された暗愚な料簡をば木っ端みじんに打ち砕いた逸品でございます。

Gimel(ギメル) スペサルティン ガーネット ダイヤリング

“という事で、またも出ました日本が世界に誇る名品、ギメルの指輪でございます。

ギメルの詳しいご説明は、以前アレキサンドライトのリングをご紹介でさせて頂きましたおりに行っておりますので、そちらをご参照頂きますとして、割愛させていただきますが、もうギメルと言や、私などの回りくどい説明などもはやご無用、知る人ぞ知る素晴らしい国産の超一級ブランドでございます。

さて、このお品が入荷いたしましたる時、もちろんこの脇のメレダイアの只ならぬ、尋常で無い輝きで、刻印を確認するまでもなくギメルの品と見破ったまでは良かったのですが、騙されたのがこの中石。

Gimel(ギメル) スペサルティン ガーネット ダイヤリング

ギメルでこの造り。ははーん、こりゃ間違いなくオレンジサファイアに違げーねー。オレンジ色の石でこの造りに合う石が他に何があるてんだ、オレンジのダイア以外に。

とたかをくくってましたら、これが大間違い。上がってきた鑑別書を見てびっくりこきました。

スペサルティンガーネット。ええーっ!!ガーネット!ガーネットってあのガーネット?半貴石、セミプレシャスストーンのあれ?嘘やん?なんでガーネットなん?ギメルやろ?

スペサルティンガーネットあるいはスペサタイトガーネットと呼ばれるガーネットは前回、デマントイドガーネットのネックレスご紹介の時にご説明に及んだガーネット族の中にあっては、もちろんアルマンダイトやロードライトといった三下奴じゃございませんが、決してデマントイドガーネットに匹敵するような希少石でもない。

せいぜいが組の若頭補佐止まりってとこ。それがまさか天下のギメル様の枠に留まっていようとは、不届き千万、許せん、退治してくれるわっ!と意気込んでルーペで見直して「うーーーん」唸ったね。

Gimel(ギメル) スペサルティン ガーネット ダイヤリング

この長方形にカットされたオレンジ色の結晶。澄んだオレンジ色の中になんの曇りも、ムラも、内包物のチリひとかけらもない。もちろんカットは上下左右完璧に対称性を保ったシンメトリー。

完璧な宝石!

もし、これがサファイアだとすると、こうはいかない。

サファイアには様々な内包物、そして色帯、色層という色ムラが必ずあるので、このようなファセットの少ない、テーブルの大きいエメラルドカットにすると必ずそれが見えてしまう。

それを嫌ってこの商品の作者、すなわちギメルオーナー婦人は、石種の偏見に捉われることなく、商品の出来栄え、完成度の高さを目指し、敢えてこの石をお使いあそばされたのでしょう。

いや、ひょっとすると最初にこのスペサルティンガーネットの宝石としての美しさに惹かれて、偏見に捉われることなく良いものを作りたいという一心で制作にあたられたのかもわかりません。

Gimel(ギメル) スペサルティン ガーネット ダイヤリング

GIAの教科書には「宝石を扱う者は心して貴石・半貴石などと言う呼び名はさけるべきです。すべてが宝石で、すべて美しい」とちゃんと書いてたじゃないか。

三下奴って呼んでゴメンなアルマン

まだまだ修行が足りませぬ。喝!

オレンジの澄んだな石が、澄み切った真冬の夜空のキラ星のように輝くダイアモンドに囲まれて、えも言えぬ美しい指輪を是非お手元に。

筆者:ハリー中野
ハリー中野
自己紹介 1979年、大阪の老舗宝石店に入社以来、上は香港ペニンシュラホテルから、下は田舎の地場産業振興会館まで、 ありとあらゆる場所で宝石の伝道師としてジュエリーの普及に尽力。
現在はマルヨの姉妹店ドゥペールノエルにて正しい宝石の買い方からお手入れの仕方まで、 懇切丁寧な接客をモットーに主婦層を中心に幅広い支持を得るにいたる。
自称「宝石の伝道師」
「GIA(米国宝石学協会)」認定資格「GIA.G.G」保持
担当業務 宝飾品プロデュース、プロモート、コンサルト、商品コメント、ブロガー、Twitter