個性豊かなロワールワインで旅行気分
お家でゆったりワインを楽しみながら、風向明媚なロワール地方への旅行気分はいかがでしょう。外食や旅行も控えている私たち。たまには外の空気を感じたくなりますよねー!そんな時にぴったりの、個性豊かなロワールワインたちをご紹介します。
美味しいワインを味わいながら、その土地のテロワールを感じてみませんか。
ロワール地方はブドウ品種が多様で個性豊かなワインが造られる銘醸地。
著名評価誌で最高評価のドメーヌ デ ロッシュ ヌーヴやビオディナミの伝道師、ニコラ ジョリーなど、今回は厳選のロワール各地のワインをご紹介します。
フランスの庭と称される風光明媚なエリア、ロワールの地に思いをはせながら、個性豊かなロワールワインをお楽しみください。
大西洋に注ぐフランス最長の大河、ロワール川は東京と大阪間を往復できるほど長く1,000km以上にも及びます。
ロワール川流域は同じワイン産地にも関わらず、場所により気候も土壤も異なり、海洋性気候(大西洋沿いのペイ ナンテ地区からトゥレーヌ地区の西側あたりまで)と大陸性気候(トゥレーヌ地区の東からサントル ニヴェルネに渡るエリア)の影響を受け、主要栽培品種も異なります。
その広範囲のワイン産地は、「ペイ ナンテ」「アンジュー・ソミュール」「トゥレーヌ」「サントル 二ヴェルネ」の4つの地区に分けられ、それぞれの特色のあるワインを造り出しています。
ドメーヌ デ コニェット
ビオロジック栽培を行い、手摘み収穫を行う
ミュスカデでは稀有な生産者の1つ。ミュスカデの魅力を知ってもらいたいと長熟向けキュヴェを造るなど、手間暇も情熱も惜しまないワイナリーです。
このアペラシオンでは珍しく手摘みで収穫。伝統的なシュール リー製法。ミュスカデらしい爽やかな果実味とふくらみ、複雑味が感じられます。厚みがありながらディテールもしっかり。海風にのってきた若干の塩味を思わせるようなニュアンスも。フルーティかつすっきり感が残る後味です。
ニコラ ジョリー
シトー派修道僧により12世紀に植えられた由緒ある畑、クレ ド セラン。1962年からジョリー家が所有し、1976年に現当主である二コラ ジュリーが運営に参加。「美味しいワインである前に、その土地固有に繊細さを表現した本物のワインでなくてはならない」と、1980年から部分的に、1984年からすべての畑でビオディナミ栽培を行っています。2001年からはビオディナミの団体「Return to Terroir」を創立。世界中で講演し、原点への回帰を提唱しています。2002年からは娘のヴィルジニーもドメーヌに参加しています。
クレ ド セランに比べやや傾斜が緩やかな東向きの区画。クレ ド セランにある樹齢80年以上の古木から選別したマサル セレクション。熟した果実味にエレガントな酸が心地よく、ナッツやフレッシュフルーツのニュアンス。旨味、複雑味がぎゅっと詰まっています。
1130年にシトー派修道院によって拓かれた由緒あるブドウ畑。平均樹齢40年。熟した果実、ドライフルーツ、カリンのようなニュアンスにミネラルを思わせる味わい。口の中でめくるめくように味が変化し、もう一口飲みたくなるような魅惑的なワイン。和食との相性がいいワインです。
ベレ エ コンパニ
ラ フェルム ド ラ サンソニエール等の偉大なビオディナミ生産者で手腕を発揮してきたプリュノ シオフィ。
彼がロワール地方で頑張っている小規模なビオロジック生産を支援するために2018年から始めたネゴシアンがベレ エ コンパ二です。
発酵時に発生するガスとアロマを抽出し、瓶詰め時にワインに合有させ発泡させる斬新な独自の醸造方法。糖分や酵母の添加はなく、SO2も瓶詰め時に極少量のみ使用するナチュラルな製法。ほんわりとした優しい気持ちにさせてくれる味わいです。
ドメーヌ デ カール
2007年にセドリック、ヴェロニク夫妻がドメーヌを取得。その後の改革を通して品質を大幅に向上させました。
アンジュー地区、ラブレ シュール レイヨンに位置し、約30haの畑を所有。海洋性気候特有の温暖な冬や夏場の十分な日照時間に恵まれています。
茎まで完熟した全房を使用して発酵、マロラクティック発酵を行い、約8ヶ月間タンクで熟成。まじり気のない純朴な果実香や野性味のあるタッチで、アロマに白胡椒のニュアンスがあります。アタックの瞬間的な印象は「飲みやすい一本」ですが、複雑で奥行きある滋味深い味わいが印象的です。
ドメーヌ デ ロッシュ ヌーヴ
1850年に設立されたドメーヌ デ ロッシュ ヌーヴをボルドー出身のティエリー ジェルマンとマリーが1992年に取得。ソミュール シャンピニーでいち早くビオディナミを取り入れるなど、ロワールを代表するビオディナミの造り手の1人。1代で高評価を獲得し、ベタンヌ+ドゥソーヴや旧クラスマンの両ワインガイド誌で最高評価を得ている数少ない生産者の1人。クリーンで綺麗な酸味、見事なバランスの緻密で高貴なワインを造りだしています。
表土が浅く、根が石灰の母岩に達するほどで、土壌由来のミネラルによる引き締まったワイン。フローラルでみずみずしいサクランボのようなフレッシュな果実味。優しいタッチできめ細かく、綺麗でピュアな酸味。非常になめらかで溶け込んだタンニン。凝縮した旨味が楽しめます。
チュロニアン期の石灰質土壌(テュフォー)。空気式圧搾機で圧搾後、52mm厚みのある1200Lの楕円形の樽で3ヶ月間発酵。澱と共に9ヶ月間熟成。パイナップルや洋梨のコンフィのような熟した果実の香り。しなやかで、果実味豊かなリッチな味わいです。長い余韻が楽しめます。
シャトー ド クーレーヌ
15世紀に建設された歴史の趣を感じるシャトー。ボナヴァンチュール家が代々所有しており、現当主ジャン ド ボナヴァンチュールは16代目。ワイン造りは曾祖父の時代から行われています。94年からビオロジック栽培を行い、97年シノンで初めてビオロジック認証を取得。現在畑の面積は約20haまで拡大。赤も白も旨味を感じる味わいで、和食とも合わせやすいスタイルのワインです。
ビオロジック栽培、手摘み収穫。600Lの大樽で発酵、熟成(12ヶ月)。淡い黄金色。ふくよかで、丸みのある果実味が広がり、いきいきとした酸とのバランスがよくきれいな味わいで、アペリティフでも食事とも楽しめるワインです。
区画名がボー ソレイユである事と、このキュヴェの最初の輸出国が日本である事を記念して「ソレイユ」名付けられたキュヴェ名。ほのかな赤系果実のアロマにスミレの花やクローヴ、黒胡椒などのスパイス香が優美に混じり合い、穏やかでしとやかな味わいです。
ドメーヌ ミショー
現当主ティエリー ミショーがドメーヌを引き継いでから30年間、安定した品質が評価に繋がっており、コンクールでメダルを欠かすことのないソーヴィニヨンを生み出しているドメーヌ。シェール川右岸の斜面のシレックス(火打石)を含む砂利・砂質土壌の為ブトウが完熟しやすく、よく熟れた果実味とキリリとした酸味、土壌由来のミネラルを思わせる風味のバランスが素晴らしいワインを造ります。
非常にいきいきとした柑橘系の香りが華やかに立ち上り、よく熟れた果実味に酸味がキリリと利いています。後味のミネラルを思わせる全体的なバランスの良さが素晴らしいワインです。
トゥレーヌ シュノンソーAOP。シレックス(火打石)を多く含む砂利・砂質土壌の為、日中の熱をためこんでブトウが完熟しやすく、よく熟れた果実味とキリっとした酸味、土壌由来のミネラルを思わせる風味のバランスが素晴らしいワイン。熟成も楽しみなワインです。
ドメーヌ デュ ノゼ
ドメーヌはAOCサンセールの中でも最も北にあるサント ジェムという村に位置しており、フランス革命以前に先祖が持っていた土地を、現当主の祖父が1970年に買い戻し、土地を切り開いてブトウ畑にしました。現在は2代目のシリル ド ブ ノワが当主となり、栽培・釀造を行っています。
シリルの母であるマリー エレーヌは、ドメーヌ ド ラ ロマネコンティのオーベル ドヴィレーヌの妹で、彼は甥にあたります。また弟のピエール ド ブノワは、「ドメーヌ ド ヴィレーヌ」の運営をまかされています。2008年からビオロジック栽培、2011年からはビオディナミ栽培を実践しています。
サンセールならではの果実味、フレッシュな味わいを保つため醸造には全てステンレスタンクを使用。透明感があり、いきいきとした果実味に加え極めて上質でエレガントな酸味が広がります。余韻は長く、繊細な香りと爽やかな酸味にいつまでも包まれます。
ロゼ専用の小さな区画より造られるピノ ノワール100%のロゼワイン。直接圧搾法。小粒のベリー系の香り。辛口で骨格がしっかりとしており、程好い苦味が心地良く、食前酒としてはもちろん、お食事にも合わせやすいワインです。
ドメーヌ ジットン
1945年にマルセル ジットンにより創業。現在は息子のパスカルが引き継いでいます。所有畑は0.5haの畑から始め、33haまでに拡大しました。土壌の異なるそれぞれの畑の特性を活かして区画ごとにワイン造りを行い、ラベルに畑名を表示して個性を高めています。
キンメリジャン期の泥灰土のクロ ジョアンヌ ドリアンの畑。ステンレスタンクで発酵、熟成(6ヶ月)させます。よく熟した果実のアロマが香り高く、厚みのある味わい。アフターテイストの長さも特徴です。