一般にタモといえば、ヤチダモの事を指します。名前のとおり谷地などの湿地や川岸の湿潤な土地に生えることが多く、日本国内では長野県付近の本州中部より北に自生しています。まっすぐに伸びる木で幹の横断面がおおむね円形をしています。樹皮は縦に裂け目が入った彫り込みが特徴的です。北米産のホワイトアッシュやヨーロピアンアッシュにも勝る良材で、堅めの木ですが加工をしやすく、乾燥も難しくないので、様々な用途に使える材として重宝されてきました。特に北海道産は質が良いと言われ、どんどん伐採され、材が不足してきています。
北海道に冬の訪れを伝えるユキムシ。4mm程度で綿が付いているように見えるので、飛んでいるとまるで粉雪のようです。正式には「トドノネオオワタムシ」といい、アブラムシの一種です。このユキムシが晩秋の頃にトドマツからヤチダモの葉の香りを頼りに飛んで行くのですが、この光景を見ると、北海道では「初雪が近い」と感じ、襟を立てて皆足早に歩いていきます。
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