KORG 本社訪問インタビュー!

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脅威のミキシングコンソールZERO4/ZERO8

「ZERO4」

「ZERO4」

「ZERO8」

「ZERO8」

坂巻: はい。ソフトアプリケーションの方ってDigital Audio Workstationが生まれて進化したじゃないですか。ただコントローラー系などのハードウエア側の方があまり進化していないなあと思っていたんです。

数年前まではパソコンだけでライブをやっている方が多くて、見てて物足りないような感じがあったと思うんです。おそらくパフォーマンス側にも。それで何かコントロールできるものを作ったら、その足りない感じが補えるのではないか?パソコン側のワークステーションとしてホストアプリケーションがいるんだったら、ハードウエア側のワークステーションみたいな。そこを丁度繋げる橋みたいなイメージで作った商品です。

市原: 切り替えスイッチによってオーディオとMIDIとコントロールできるツマミの用途が選べ、しかも色が変わるという発想はどういったところから生まれたんでしょうか。

用途によって色の変わるツマミ(写真はZERO8のパネル)

用途によって色の変わるツマミ(写真はZERO8のパネル)

坂巻: 一般的なアーティストのライブパフォーマンスでよくあるのが、卓ミキサー持っていって、MIDIコントローラー持っていって、エフェクターも使ってオーディオインターフェイス使ってやっていますよね。MIDIコントローラーでパソコン内部のDAWのミキサーをコントロールして、さらに卓ミキサーで生の音源をコントロールするっていうのは結局やっていることは基本的に同じなんですよね。だったら一箇所にしてしまおうと。さらにツマミでコントロールする情報はオーディオかMIDIのどちらかわからなくなってしまうので、色変えは絶対できるようにしようと決めて解りやすさを追求しました。

市原: MIDIコントローラーとして使用したかったら全部青色(ZERO4は緑)、オーディオの入力用ミキサーとして使用したかったら、全部オレンジ色にすればいいですし。しかもエフェクターを搭載しているっていうところもすごいです。あと、ZERO8の8個のコントロールノブは汎用的に使えるようにという理由ですか?

坂巻: そうですね。各チャンネルのツマミなどもMIDIコントローラーになるんですが、そうするとトラックをコントロールしたくなると思うんですよ。でも同時にソフトの中にはSENDやマスターの部分にエフェクターがマウントされていたりといろいろありますよね。そういうトラックに収まらないようなものをコントロールするのに8個使ってもらえたらなあと思います。

市原: 各チャンネルには2列のツマミがあって[Audio + MIDI]に設定すると左一列がオーディオのEQ、右一列がMIDIコントローラーになるという柔軟さもさながら、ZERO8で[Audio]に設定した場合、右一列がSENDアウトになるというアイディアも素晴らしいと思います。VUメーターもカッコイイです。ZERO8ZERO4はチャンネル数以外で若干仕様が変わっているのは、異なるプレイヤー層をターゲットとしているからなのでしょうか。

坂巻: ZERO4はラップトップDJなどの流れでDJ側やプレイヤー側からパソコン側に近づいていった方、ZERO8は制作やプロデューサータイプでライブを行われる方に使っていただきたいと思って開発しました。

市原: エフェクターの種類や仕様も違いますね。

上段:ZERO4のエフェクター、下段:ZERO8のエフェクター

上段:ZERO4のエフェクター、下段:ZERO8のエフェクター

市原: さらにZEROシリーズのすごいところはTRAKTOR SCRATCH用のインターフェイスにもなるんですよね。

坂巻: タイムコードコントロールDJシステムって配線が難しく感じる方も多いと思うのですが、FireWireケーブル一本で出来るのでスッキリしますね。

市原: これはNative Instruments社からのオファーで実現したのですか?

坂巻: ソフトウエア会社さんとは普段から常にコンタクトを取っているので、お互いに話し合って実現したという感じですね。

栗原: ハード側で総合的にノウハウがいろいろあって、エフェクト、MIDIコントローラー、オーディオミキサーというところですべて高いクオリティで網羅しているっていうところがKORGにおける強みなので、今後もそういったソフトとの相乗効果が期待できると思います。

パソコンとハードウエアシンセサイザーの連携の重要性

KARMA機能を搭載する「M3」

KARMA機能を搭載する「M3」

栗原: あのパッドにはプリセットの音色に合うようなコード展開をアサインしてあって、順番に押していくとバッキングパターンができる仕組みですね。

坂巻: KARMA機能っていうのはかなりDJの方にはオススメだと思います。KARMAをオンにしてパッド押してフェーダーを動かすとパターンが変わるんで、言い換えればパターンがカスタマイズできるサンプリングCDみたいな。同価格分のサンプリングCDを購入するよりは膨大なサンプリングライブラリーになるのではないでしょうか。

市原: もちろんM3はワークステーションシンセサイザーなのでこれ一台で十分楽曲制作が行えるんですが、そういった新しい使い方も面白いですね。我々販売店ももっとこれらの製品をお客様にアピールしなくてはいけないなあと考えています。

最近のシンセサイザーはメーカー限らず、ものすごくハイクオリティーな音色が膨大に入っており、正直どれを選んでも特に問題ないというレベルまできていると思うんです。だからどこで差別化を図るかというところがポイントになってくると思うんですが、例えばM3だったらデザインだったり、EXB-FireWireのオプションボードを取り付けることによりオーディオインターフェイスになったり、DAWのプラグインとしてM3をコントロールできたり。

坂巻: やっぱり演奏したり触って遊ぶためという役割もあるんですが、同時に楽曲を作るという目的が大きい製品ですので、今のパソコン環境になじむ必要があったんです。それでEXB-FireWireは必要不可欠ですよね。トータルリコールとか必要なものは大体提供できているのではないかと思います。

水原: OASYSはトータルワークステーションとして一台でオーディオまで録音できて最終的にCDまで作れてしまうというのがコンセプトだったのに対して、今パソコンを抜きにミュージックシーンは考えられないので、よりパソコンと連携をとったシステムで音楽制作ができるツールとしたコンセプトがM3なんです。

坂巻: パソコンはオーディオレコーダーとして、シンセサイザー部分はM3でバッチリみたいな。

市原: 今後シンセサイザーもどうなっていくんでしょうね。個人的な思いとしてはシンセサイザーはいつまでも憧れ続けられるものであって欲しいというのがあって、まさにOASYSがそれで。あっ、もちろん憧れているだけじゃなくて購入しないといけないんですが(笑)。

全員: (爆笑)

市原: ハードウエアとして持っていて価値があるようなものというか。

栗原: 全くその通りだと思います。

水原: やっぱりソフトウエアって安くて良いものが多いじゃないですか。ハードウエアって物としての存在感であったり、デザインであったり操作感であったりというのが重要だと思うんですね。

インタビュー風景

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