機材の魅力をアーティストが語るPower DJ'sスペシャルインタビュー第二弾。


モニター環境

スタッフ:SPANOVAといえば、やっぱりみんな電源ケーブルとかにこだわってるというイメージが強いと思うんですが(笑)
なにかオススメのケーブルとかはありますか?

SHIN:ほんとどういう音楽やるかによっても変わりますよね。例えばJPOPみたいな音楽やったら世界的に見ても凄い稀な音なんで。

スタッフ:そうなんですか?

KEN:高域が歪んでて、例えばハイエンドオーディオのスピーカーで、ボリューム上げて行くとうるさくて聴こえなくなりますよね。
例えばほら、ドイツだとかテクノとか上げれば上げる程カッコいいでしょ。

SHIN:ヒップホップでもそうですよね。かっこいいヒップホップは。

KEN:そう。今のJPOPはもう音が壁になってるから上げればうるさくて上げれないですよ。低域とか殆どないから。
60Hz以下の低域とかほとんどカットしてるんですよね。

SHIN:テレビとかで聴いた時にああいうレンジの狭いちっちゃいスピーカーで聴いた時に、なんか派手っぽく聴こえるような音作りでやってるから考え方が全然違うんですよね。
だからそういう音場感の人とケーブルの話してもたぶん話合わへんしな。

KEN:だからオススメは?って言われても困るところあって、どういう音を志向してるかっていうかバランスやから。

SHIN:ある程度やっぱり参照する音楽なり、例えば交換する時に必ずかける音楽とか、そういうところで基準を持たして話して行かないと、なかなか良いケーブルとか言い難いところはあるよな。

スタッフ:確かにクラシックとジャズだけでも音の趣向性は全然違いますもんね。
海外の状況とかはどうなんですか?

KEN:世界的にアメリカの音も特別良くなくて、ビルボードのTOP10に入ってるような曲とか、あんまり音良くなかったりするんですよね。JPOP的になってきてる。
音の聴き方がやっぱり変化してきとるな。

SHIN:音のピーク感は良く聴くようになってるんですよね。
昔とか、例えばアナログとかで聴く時代やったらやっぱりこう中域のアタック感とか、Lowの感じとか中心に聴くじゃないですか。あーいう気持ち良さとか。
今は確実にHiとかエッジ感とかそっちを中心に聴いてますよね。
だからiPodを差して聴けますよっていうような、ラジカセとかもいっぱい出てるけど、そういう基本的な音の作り方が変わってきて、なんかメタリックというかちょっとチャリチャリしたところを気持ちよく聴かせるようなラジカセが増えてきてるし、結局何で聴くかによっても音楽って様変わりするから、今はリファレンスがやっぱりそういったiPodとか携帯とかそっちの方に変わってきてるから、再生装置もそっちに行っとるし。

KEN:携帯電話でも聴く人が増えてるし、着うたとか。
だから小ちゃい頃からそういった音聴いてたら、それで耳が慣らされちゃう。
やっぱり一つ音の感性の教育じゃないですか。
だからまあ気持ち良いと感じる音いうのが全然違うんですよね。そういう音楽を聴いて育った層というのは全然。

SHIN:だからあんまり音楽における音響っていうものを特別視しないような感じの音楽っていうか、そういう風なのももっと増えたら良いなとは思うんですよ。
今ここで喋ってる音響とか、やっぱ良い音っていうのは普段からの生活で聴いていたんだけど、それを音楽に限りなく近い音響として認識する事は普通の生活じゃなかなかないと思いますし、でも人の元々も機能も良いし、この世に溢れとる音は凄い良い音多いんで、だからまったく良い音聴いた事ないかって言うと、みんな聴いてるんですよね。普段から。
ただそれを音楽として認識するような耳はないかな。
それで凄い極端にデジタルで作り込んで刺激だけ伝えるような音作りっていうのが凄く今増えてるかな。
その間がないような音楽がもっと増えてくれたら良いなとは思うんですよね。
自然に聴けるけどエキサイティングなところもあって、みたいな。

KEN:ラジカセもどんどん音が悪くなってるから、良い音のまともなラジカセがない。
だからどうしようもない部分はあるわな(笑)
何で聴くかいうたら良いラジカセがないから。


スタッフ:コンピューターで聴く時もMP3とかに換えちゃってるじゃないですか。
またそのファイルのビットレートとかによっても全然変わっちゃうし、DJもScratch Liveとか使うようになって、どのくらいの音質まで下げても大丈夫なのかみたいのが人によって違うんで、みんな色々言ってますけど、結局アナログじゃんみたいな(笑)

SHIN:音質やっぱ全然違うやろ?

スタッフ:違うし、Scratch LiveにしてもSL1とSL3っていう2種類あるんですけど、クラブで聴き比べするとやっぱ違いますね。

SHIN:どっちが評判良いんですか?

スタッフ:SL3のインターフェイスは音が良くなってますね。

SHIN:そうなんすか。じゃあいいんですね。良い方向に向かって行ってるんなら。

スタッフ:でも、あんまり大きいサイズのファイルはハードディスクの容量に関わってくるし、どこまでファイルサイズを下げて良い音で鳴らすかみたいなのはあるんじゃないですかね?
だから音源の取り込み時の音質も含めて、今後は電源ケーブルとかのハードウェアも重要になってくると思います。

SHIN:それ用にシステム組んどったらな、クラブでもアナログを基準にせずに、もうScratch Liveを基準にサウンドシステム作れば良い音が鳴る可能性はあるけど、アナログを中心にシステム組んどったらやっぱもの足りんとこは実際出てくるよな。
再生装置を限定してしまういうのはイベントとかではありで。
そうやって再生システムを限定して、そこまで作品や言うて聴かすいうのは形としては有りやなーというか。
何で聴くかによって結局評価が変わるから。

スタッフ:ほんと携帯で聴く人を目の当たりにしてきてますけど、凄いですよね。

SHIN:まあ今は途中やからな。どんどん変わって行くからな。

KEN:せめてモニタースピーカーみたいのな。
ある程度のレベルのモニタースピーカーで聴いてくれるんやったら良いんやけど、なかなか普通の人はそうはいかんもんな(笑)

スタッフ:そうですね。FOSTEXのPM0.4とか安いモニタースピーカーも良いのが結構あるんで使って欲しいですね。

SHIN:あれ値段の割に良いですよね。 ちゃんとな、奥行きもあって。音も乾いてるし。

スタッフ:そうですねー。

SHIN:今な、スピーカーの種類は結構色々出とってな、チェックしたいなーっていうのもいっぱいありますけど、たぶん進化してると思いますね。

スタッフ:どんどん小さくなってますね。人気のヤツは。

SHIN:まあ、あのFOSTEXくらいで聴いてくれんのやったらなあ。

KEN:なあ。でもパソコンのスピーカーで直接聴く人が増えてるから、あーいうのは辞めて欲しいですね(笑)

SHIN:だからもうちょっとなんか気持ち良く音楽を聴ける環境でみんな聴いて欲しいし、そっちにもうちょい音楽に全般的にお金使わんようなってきとるやん?
昔やったらやっぱステレオ良いの買ったらすっげえ嬉しそうにしとったし、うちにステレオが来たみたいな…あの感じもうないじゃないですか。

スタッフ:そうですねー。

SHIN:もう懐かしいよな(笑)

スタッフ:もうこんな(手でポータブルプレイヤーの形を作る)ですからね、今(笑)

SHIN:そうそうそう(笑) だから友達んち行っても新しいステレオ買うた言うたら、俺も好きなCD持って行って「ちょっと聴かしてくれ」って言うて(笑)
あの時代ちょっと懐かしい(笑)

スタッフ:電源入れた時のスピーカーから出てくるノイズすら好きでしたね。「サー」って(笑)

SHIN:そうそう俺も大好きです(笑)

スタッフ:で、針を落として「ブチ」っていう時の緊張感とか。

SHIN:そうですねー(笑)
だから今はもう社会全部がそういう風になる事は、多分今はないんだと思うんですよね。
みんな勝手に気持ち良いと思う事を追求する時代にますますなって行ってるやろうから。
だから良いって思う事も最大限に自分で楽しんじゃうみたいな。
もう他の人にはでも別に勧めないっていうか強要しないけど、もうそういう時代になってきてるな。

KEN:うん。

SHIN:ほんま昔やったらMichael Jacksonみたいな人がおって、スーパースターみたいのがおったし、この時代はこの人だっていうのがわかりやすかったけど、今ってわからへんし、パーパラパッパーと小宇宙がいっぱいあるよ。



SPANOVA

SPANOVA
プロフィール

ジャズやソウルを始めとするブラックミュージックへの深い愛情、現代音楽やポピュラーミュージックから受けた刺激を自宅スタジオ「Daily Planet Studio」でダイレクトに変換し続ける兄弟デュオ。

1998年に1st Album「Dead Music Flamingo」でデビュー以降、作品毎にサンプリングを多用した独自のサウンドスタイルを強めると、「トリップホップ」とも形容され、2003年に発表した5th Album「Fictional World Lullaby」で集大成と呼ぶに等しいソウルフルな音世界を表現。

その後、数々のアーティストや映画・CMなどへの楽曲提供、シカゴの音響・エレクトロニカ系レーベル「Hefty Records」10周年記念アルバムで、日本人アーティストとして細野晴臣、坂本龍一と共にフィーチャーされるなど、海外でも高い評価を得る。

2010年5月19日に約7年振りとなる新作のMini Album「SetsunaLised SetsunaRider」をリリース。


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