機材の魅力をアーティストが語るPower DJ'sスペシャルインタビュー第二弾。


KEN 使用機材

レコーディングルームに続き、兄であるKEN氏の部屋へ


スタッフ:主に使用している機材の紹介からお願いします。

Roland JUPITER8
ポリフォニック(同時に複数の音が出る)・シンセサイザー初期の傑作。今日のシンセサイザーへの道を開いた記念碑的な製品。

KEN:一番良く使うシンセがJUPITER-8です。
広域の精細感とか凄く特徴的で、その音像が凄い好きでよく使うんですけども…

SHIN:一音で勝負できるよう感じやな。
組み合わせとかじゃなくて、ほんま一音でその世界観が出し切れる。
その人の持つキャラクターもあると思うんすけど、KENが使うJUPITER-8は俺が聞いても凄く好きで、いいなーと思いますね。
俺とか使うとひっでー音になりますね(笑)
なんかこもったような(笑)

スタッフ:それはタッチとかでですか?

SHIN:いや、音の作り方ですよ。
ほんと幅広く音が作れるんで、「ここ」っていう一番この機材が鳴るポイントっていうか、そういう音作りって、やっぱ人の耳の感じで色々ちゃうからな。

KEN:そやな。

スタッフ:二人とも使ってる感じなんですか?

SHIN:いや、俺は使わないです。これはもうKENですね。

Roland TR-909
80年代前半に発売したドラムマシンでテクノ/ハウス界の名機。BMIの電源ケーブルが巻き付いてます。

KEN:マスターキーボードが、音はあんま使ってないけど、KORGのTriton。

スタッフ:KORG KAOSSPAD KP3も乗ってますね。
こっちのRoland TR-909は?

KEN:SiemensのEQを繋いでて、これでイコライジングして使う感じですね。

スタッフ:電源ケーブルがムチャクチャぶっ太いんですけど(笑)

KEN:これはアメリカのBMIいうケーブルなんですけれども。
音は凄くファットで良いケーブルっすね。



電源周り

スタッフ:電源周りはどのような構成ですか?

KEN:一応200VからDENTECのトランス(IPT1500)でステップダウンしてますね。

SHIN:100Vか117Vの2種類あります。

KEN:そう、200Vから100V、117Vに下げてます。

Equi=tech 2Q
パワーコンディショナー

117VからEqui=techの電源コンディショナー(2Q)。
アメリカのスタジオで普通に使われてるコンディショナーで、これは凄くレンジが広くて、音場表現とかも素晴らしくて現代的な音がする電源コンディショナーです。
メインの電源タップとかは基本的にCardasを使ってますね。

音はやっぱりアナログ的というか、音の彫りが深いというか、変に派手に見せようみたいな高域がないんですよね。
落ち着きのある重厚な音で凄く気に入ってます。
変なピーク感もないし、音のバランスも凄く良いし。
アメリカの方のBernie Grundman(マスタリングスタジオ)でも、Cardasですね。


ラック内機材

KEN:録音する時はミキサーを通さずに直接John Hurdy M-2(マイクプリ)に入れてます。
この部屋においては一番重要なマイクプリですね。
これは一番よく使う、絶対に通るものです。

スタッフ:マイクプリというからにはマイク録音用ですか?

KEN:マイクプリなんですけど、D.I的にも使ってるんですよ。本当はやったらあかんねんけど(笑)
ゲインの問題はあるけど、基本的にはJohn Hurdyを通してます。
信頼出来るマイクプリアンプです。

SHIN:NEVEとか、何でも使ってるようなエンジニアでも、例えばホーン録りとか、そういう時はJohn Hurdyは必ず使うとか。
凄いしっかりしてますね。NEVEより安いしな。

KEN:コンプレッサーで凄く良いのは、このCRANE SONG TRAKKER。
あんまり使いこなしていないんやけど音質は凄く好きで(笑)
John HurdyとCRANE SONGはアメリカのスタジオでは凄く使われてて、逆に日本じゃ少ないんだけど。

スタッフ:サンプラーもありますね。

KEN:ちょっと前はソフトサンプラーをずっと使ってたんですけども、最近になってこういうハードウェアのサンプラーがええなと思って、またE-MU E-5000 ULTRAを使い始めてます。

スタッフ:どんな感じで使っているんですか?

KEN:例えばストリングスなんかの音をサンプリングしてテープエコー(KORG STAGE ECHO)にかけたり、加工しつつ録音してますね。

スタッフ:サンプラーは二人とも使うんですか?

KEN:サンプラーはハードウェアもソフトサンプラーも二人とも使います。
元々SHINはハードウェアサンプラーは凄い好きで、SP-1200だとか、MPC-2000だとか

SHIN:やっぱ、何で作り始めるか言うたら、ほんと色んなスタイル試したんで、現時点で「これだ!」って言いにくいんすけど、ここ一年ぐらいの流れを見たらハードウェアのサンプラーが良いなっていう方に戻りつつあるのはありますね。
好きですね、やっぱ。
だからバッテリーの音とかでも気に入った音あったら1回MPCとかに入れたりとか、そんな事もやってて、なんかアタック感が違うんですよね。だからそういうのが気に入ってますね。


スタッフ:MPCはあんまり使ってないんですか?

THORENS TD190(ターンテーブル)
下にはテープエコーのKORG STAGE ECHOも

SHIN:使ってます。今作り始めるとしたらMPCから始めそうな感じやけどな。
AKAI S1000とかもやっぱ良いですね。古ーいやつ(笑)

KEN:ソフトサンプラーはやっぱ全然違うからな。

SHIN:違うな。

KEN:俺もライヴ用にMPC-500とか買って、音はMPC2000に比べたらチープなんやけど、ソフトシンセよりはなんか良いなーみたいな。

スタッフ:レコードのサンプリングはするんですか?

KEN:基本的に俺はあんまりレコードサンプリングはしてないんですよ。
リスニング用に近いかな(笑)
でもする時はTHORENS TD190を使いますね。

スタッフ:カートリッジはortofon OMB10を使ってるんですね。




SPANOVA

SPANOVA
プロフィール

ジャズやソウルを始めとするブラックミュージックへの深い愛情、現代音楽やポピュラーミュージックから受けた刺激を自宅スタジオ「Daily Planet Studio」でダイレクトに変換し続ける兄弟デュオ。

1998年に1st Album「Dead Music Flamingo」でデビュー以降、作品毎にサンプリングを多用した独自のサウンドスタイルを強めると、「トリップホップ」とも形容され、2003年に発表した5th Album「Fictional World Lullaby」で集大成と呼ぶに等しいソウルフルな音世界を表現。

その後、数々のアーティストや映画・CMなどへの楽曲提供、シカゴの音響・エレクトロニカ系レーベル「Hefty Records」10周年記念アルバムで、日本人アーティストとして細野晴臣、坂本龍一と共にフィーチャーされるなど、海外でも高い評価を得る。

2010年5月19日に約7年振りとなる新作のMini Album「SetsunaLised SetsunaRider」をリリース。


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