機材の魅力をアーティストが語るPower DJ'sスペシャルインタビュー第二弾。


アナログとデジタル

スタッフ:今後もこんな感じのシステムで行くんですか?

SHIN:俺はなんか機材を減らす方向に確実にきてまして、なんか多過ぎて発想が湧き難いよりかは、例えばサンプラー1つで行くとか、そういう時のが楽しかったなみたいなのもあって。
もちろん生とか色々含めてやる場合は、マイクプリも要るし、コンプも要るし、色々必要なんですけど、でもなんかその「よし、作るぞ!」っていう時になんかシンプルな機材が頭に浮かぶような部屋構成にはしたいなってのは思ってますね。
今はほんとデジタルはダメだとかっていうのもないし、昔はなんかアンチデジタルみたいな時期もあったんですけど、かといって文句言いながらProTools使ってたりもしたし中途半端だったんですけど、今はなんかデジタルの良い面とかProToolsの良い面もわかってきたんで、こういうハードウェアのも好きだし、そういうのがなんか同居出来る段階に来つつあるんじゃねーかな?みたいな(笑)
そういう予感はしてるっていうか、失敗するかもしれないすけどね。
やってみないとわかんない。
ほんまはまあ何が良いかわかんないすけど。
でもまあ良いって思うヤツ使うしかないし、ちっとこの辺の機材で今からのやつは作って行きたいかなと思ってます。

KEN:これだけアナログが好きで、日本では初期のProToolsユーザーなんですよ。

SHIN:そうやな、当時のメジャーだと最初ぐらいちゃう?
マスタリングまで、そのミックスエンジニアがマスタリングエンジニアでもあったんで、だから彼が自分でミックスして、マスタリングして、それ全部ProToolsでやっちゃって。
1stのフルアルバム出した時は録りに関してはADAT使ったんですよね。
ADAT XTやったっけ?あれを使って。
で、次からはもうProTools。やっぱADATの録りも良かったな?

KEN:うん。悪くなかったな。

SHIN:やっぱりテープの音なんですよね。すっげーその後苦労しまくってましたけどね。
ドラムとか録ってもなんかいらん音がいっぱい入ってるっていうか。
で、大事なところが抜けて聴こえるっていうみたいな感じで。
ADATはデジタルやけど、やっぱテープの音やったな。

KEN:そやな。揃えてくれるんよな。

SHIN:そうそうそう。だからまたADATなんかも今は使ってみたいなと思いますね。
なんか昔なあ、よう家でADATで作っとんやけど、いざプロのスタジオ行ってSONYの3348とか、あーいうデジタルレコーダーに移し込んでやったら、なんか急にショボくなったとか。
ADATでデモを作っとった時は「すげーファットだったのに!」みたいな、そういう悩み持っとる人も凄い多くて。
ADATって良かったな。

KEN:うん。


アナログ盤リリース

スタッフ:今回お邪魔して思ったのは、想像してた通りあんまりデジタルじゃない感じでした(笑)

SHIN:だけどソフトシンセとかも好きですよ(笑)
自分達が普通に生活とかで喋った時の音場感とか、やっぱそれが基本なんじゃないかな?みたいなのは、ずっとミックスで悩んだ時期とかも超えて凄い感じるし。
だからそういうトータルの音場感ていうものは、なんかこの世界の感じで、それに馴染む感じやったら音源はこだわらないっていうか、そういう風な方には来たよな?

KEN:うん。

SHIN:Native InstrumentsのREAKTORとかの音も使う時は使うし。
でもまあアナログは、やっぱ好きやな(笑)

KEN:うん(笑)またそういう風になって来てるな。

SHIN:そうやな(笑)

スタッフ:それを期待しちゃいます(笑)

SHIN:ははは(笑)やっぱ欲しい機材とかになるとやっぱりあれやんな。
KENとかもアナログシンセとかそっちやな?

KEN:アナログシンセやな。

SHIN:Prophet5とかな

KEN:そやなぁ。欲しい。 Prophet T8とかな(笑)

SHIN:現行で出てるヤツも結構カッコいいなと思うアナログシンセもあるんで。
だから一回完全にデジタル行ったような人も、なんか極端にテープだけのドローンミュージックに行っちゃったりとか。そのアメリカのヤツとかで。
そんなヤツもおるし、やっぱなんかみんな色んな形を探してますね。
何でも出来る時代やから、逆にある程度、自分の道を見つけたいっていう求道心みたいなのが強い時代になり始めとんやないかな。

KEN:やっぱり感じるな。だからちょっと若い世代やったら、迷いなく出来たら行くんやけど。
狭間の世代とかやったら両方知ってるから、やっぱ葛藤とかもあって、俺らなんか完全にその世代やからな。

SHIN:そう、だから昔はアナログで普通にポップスのレコード買って来て、それが楽しみで。
俺、中学出るまでぐらいはずっとアナログだったんですよ。
ほんで中学の途中ぐらいからぼちぼちCDが出始めて、周りは結構CDになり始めてたけど、俺、なんかアナログ買ってて。
で、なんかいつの間にかCDになってて高校になったら買うのもCD。
したら今はもうCDが危ないって言われるような時代になってね。

スタッフ:今回はCDでは発売されないんですよね?

SHIN:そうですね。なんかどうせやったら極端な事をやったら良いんじゃないかっていう話しがスタッフの方から出て来て、ほんでそのアナログと配信っていう、そこに絞っちゃって、CDはどっかの良いタイミングがあったらまた出すっていう。
まずそこの極端な形からスタートしようかなっていう。
もう7年ぐらいかかってるんで。もう流れも1回途絶えてる部分もあるから、こっからリスタートなんすね、俺達。
だからそういうところからもう一回ゼロからっていうのはありますね。そういう流れですね。

スタッフ:アナログも出すんですか?!

SHIN:出しますねー。



SPANOVA

SPANOVA
プロフィール

ジャズやソウルを始めとするブラックミュージックへの深い愛情、現代音楽やポピュラーミュージックから受けた刺激を自宅スタジオ「Daily Planet Studio」でダイレクトに変換し続ける兄弟デュオ。

1998年に1st Album「Dead Music Flamingo」でデビュー以降、作品毎にサンプリングを多用した独自のサウンドスタイルを強めると、「トリップホップ」とも形容され、2003年に発表した5th Album「Fictional World Lullaby」で集大成と呼ぶに等しいソウルフルな音世界を表現。

その後、数々のアーティストや映画・CMなどへの楽曲提供、シカゴの音響・エレクトロニカ系レーベル「Hefty Records」10周年記念アルバムで、日本人アーティストとして細野晴臣、坂本龍一と共にフィーチャーされるなど、海外でも高い評価を得る。

2010年5月19日に約7年振りとなる新作のMini Album「SetsunaLised SetsunaRider」をリリース。


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