タータンチェックについて
タータンの起源は、古代ローマまでさかのぼり、 高度な文明を持ったケルト民族が身にまとっていたタータンチェックに似た毛織物を基にしているといわれています。 ケルト民族はスコットランドに定住し、ハイランド地方におけるクラン (氏族) 制度の進展とともに、 どこのクランの所属であるかを表す “クラン・タータン”へと発展しました。
イングランド軍に大敗したことで、スコットランドのタータンは一時期消滅しましたが、 1822年、英国国王ジョージ4世がエジンバラを公式訪問した際にタータンを身につけたことでタータンが復活。 ビクトリア女王が度々スコットランドを訪問したことからも、 タータン熱が盛り上がり、現在に至っています
1500年前
時は中世、 スコットランドのハイランド地方には 「クラン」と呼ばれる小さな共同体がたくさんありました。
人々は、自分たちの味方や敵を見分けるため、自分たちが征服した区域(例えば谷や湖) を表すデザインの布を身につけ、それでお互いを見分けていました。これがタータンの原形となりました。
現在のように、緑や深紅の地色に、太くはっきりとしたチェック柄をのせるといったパターンとなったのは17世紀頃のことです。
タータンを着る
ハイランダー (ハイランド地方の民族)は、 タータンの一枚の布を様々なスタイルで身にまといました。 その多くはひだを寄せ、布を腰のあたりでまとめて、 皮ベルトで留めるものでした。 余った布は、昼間は動きやすいように上半身に巻き付け、 夜には身を暖め守るものとなりました。タータンは丈夫な生地でしたので、 身体を守る役目もあったのですね。
タータンは日本でいう家紋
タータンとスコットランドの歴史は切り離して考えることは出来ません。
スコットランドのファミリー (クラン) はそれぞれ代々のタータンを持っており、家族の絆の証となっています。 またロキャロンの作る全てのタータンには名前が付けられており、一見同じような柄に見えるものにも、それぞれにストーリーがあるのです。
タータンが制服に使われるわけ
ここまで読んで下さった皆さんはもうお分かりですね。 「あるグループを他と区別する」という本来の目的を考えれば、タータンは制服の原形とも言えるのです。
昔スコットランドの民族が、 身につけた布の柄でお互いを見分けていたように、「あのチェックのスカート、 ○○高校だよね!」と、現代に姿を変えてお互いを確認しているのです。 タータンは人々の絆の象徴です。 大切にしていきたいですね。
セレブをも魅了する確かな品質
ヴィヴィアンウエストウッド、 ラルフローレン、ポールスミス、ジャンポールゴルチエ、 バーバリーなどトップファッションブランドのデザイナーから愛され、 英国王室やハリウッドスターなど世界中のセレブを魅了するロキャロン社のタータン。 数百種類のタータンを保有し、 イギリス・ファッション業界で数多くの賞を受賞する世界最大手のタータンメーカーなのです。
ユアン・マクレガー
『トレインスポッティング』や『スターウォーズエピソード1」の主演で知られる人気俳優ユアン・マクレガーはロキャロンのタータンの愛用者。1999年3月22日、イギリスのBBC番組 「コミックレリーフ』 に出演した際、ユアンはロキャロン社が2000年を記念してデザインしたミレニアムタータン "マクレニアム”のキルトを着用しました。 自身も伝統あるマクレガー家のタータンを引き継いでいます。
エリザベス女王
確かな品質で、英国王室との深いつながりを持つロキャロン社。 1999年7月、スコットランド評議会創設という歴史的式典の際、エリザベス女王がロキャロン社のIsle of Skye (アイルオブスカイ)という柄のタータンをお選びになりました。英国北西部に実在するスカイ島、別名The Misty Isle (霧の島) の色を描き出したアイルオブスカイ。女王陛下は美しいパープルのスーツに合わせてこのタータンを装われ、当時大変話題になりました。
ショーン・コネリー
2002年には、 英国スコットランド出身の俳優ショーン・コネリーが、2001年9月11日ニューヨーク同時多発テロの犠牲者に対する追憶と、 ニューヨーク市民に捧げる目的でデザインされた<ニューヨークシティ>タータンに身を包み、アメリカで指定されているタータンの日(4月6日)に開催された大規模なパレードの先頭を行進しました。