神道の祖先まつり

神徒壇とは

仏教の仏壇にあたるものが神道では神徒壇(祖霊舎)とされており、神徒壇(祖霊舎)は御霊舎、祭壇宮、霊床、霊棚とも呼ばれています。 神徒壇(祖霊舎)は祖先の魂の依り代である霊璽(御霊代)と神具を納めている祭壇です。
購入を検討している場合は小型、上置型、台付型、地袋付型と豊富な種類の中から毎日参拝しやすいタイプを選び、 霊璽(御霊代)を神職にお祓いしてもらう「五十日祭」までに準備を済ませておきましょう。
安置に関しては南向きか東向き、東南向き、神棚よりやや低い位置とすることが重要です。
白木を傷つけないように優しくハタキをかけてホコリをとる程度のお手入れも日々欠かさず行いましょう。

神徒壇の祀り方例

神鏡・勾玉・剣の三種の神器に加えて、榊をお供えします。
霊璽(御霊代)は神徒壇、祖霊舎の最上段、中央の中扉の中に安置します。
そして中扉は閉めて、その前に神鏡を置きます。
榊以外のお供えものは毎日替えて、榊は毎月1日と15日に新しいものに取り替えるようにします。

祖霊舎・御霊舎とは

神道において仏式の厨子に相当するのが「祖霊舎」「御霊舎」であり、霊璽をおまつりするためのものです。神札(御礼)を祀る神棚とは別に安置するもので 神棚より低い位置に安置することが原則です。祖霊舎の内部には霊璽を安置します。霊璽は日頃祖霊舎の中に安置し、神事の際には祖霊舎の外にだします。

霊璽・御霊代とは

霊璽とは祖先の霊の依る所であり、御霊代(みたましろ)と呼ばれます。祖先祭祀における最も重要な神具になります。前述にも記述した通り、 霊璽は日頃は祖霊舎・神徒壇の社の中に安置し、神事の際には外に出すようにします。
正面には故人・祖先の神号・霊号を記し、裏面には「何年何月何日帰幽享年何歳」と記します。神号・霊号は神職に依頼して書いてもらうことが正式です。

神徒壇(祖霊舎)のお参りの仕方

神徒壇(祖霊舎)へのお参りは神棚に参拝したあとでおこないます。

お供えするもの

酒、水、塩、洗米、をお供えします。
季節にとれる食べ物や故人の好物、生花などをお供えしても良いでしょう。

二拝二拍手一拝の作法例

二拝二拍手一拝は2回お辞儀をし、2回拍手を打ち、1回お辞儀をする、という流れになります。

※神様には願い事を頼むのではなく、自分の叶えたい目標などを神前で誓うのが拝礼の基本となります。


神道の供養儀式

神道では、仏教の法事・法要にあたる追悼儀式を、故人様の死後100日目までの儀式を「霊祭」、1年目の命日以降の儀式を「式年祭」といいます。
なお、霊祭と式年祭は、神社ではなく、仏教の位牌にあたる「霊璽(れいじ)」がある自宅や墓前などに神職を招いて執り行います。
葬儀の後は、翌日祭、十日祭、二十日祭、三十日祭、四十日祭、五十日祭を行い、五十日祭をもって忌明けとします。 五十日祭では葬儀後の祭壇から祖霊舎・御霊舎に故人の霊を還す神事を行います。
その後は、毎年の帰幽当日(命日)に行う正辰祭、式年祭として三年祭、五年祭、十年祭、それ以降は10年単位で式年祭が執り行われます。

よくある質問

Q1.「神棚」と「御霊舎(祖霊舎)」の違いは?

「神棚」には天照皇大神宮や氏神様などをお祀りします。
「御霊舎(祖霊舎)」にはご先祖さまを神様としてお祀りします。
目的が異なりますのでご注意ください。

Q2.「神棚」と「御霊舎(祖霊舎)」は一緒の棚板に置いてもいいか?

同じ棚板に置いて構いませんが「神棚」の方が「位」が上となりますので、板を敷くなどして神棚が御霊舎よりも一段高くなるようにして下さい。

Q3.神棚しかないご家庭の場合、神棚に霊璽を安置してもかまわないでしょうか?

神棚と霊璽は必ず別の場所に安置してください。

Q4.祖霊舎をまつらず霊璽と神具だけでおまつりしても大丈夫でしょうか?

形式的に問題はございませんが神棚がある際には位置関係にはご注意ください。

Q5.祖霊舎に神宮大麻や崇敬神社の神札をおまつりしてもかまわないでしょうか?

祖霊舎は祖先や個人の霊をまつるものですので、神札はおまつりしません。

Q6.祖霊舎の安置場所に故人の写真を置いても大丈夫でしょうか?

問題ございません。また故人の好みの食べ物や飲み物、花などもかまいません。

Q7.何年祭まで行うのでしょうか?

年祭には毎年の命日に行われる正辰祭と、三年、五年、十年、二十年、三十年、四十年、五十年の命日に行われる式年祭とがあり、 故人の御霊を慰め、子孫の繁栄を祈ります。祖霊舎の扉を開き、命日にあたる祖先の霊璽を手前に出し、毎日のお供え物のほかに、故人の好物等をお供えします。 正辰祭は家族や近親者などを、また式年祭には故人と親しかった方などを招いて行います。

Q8.神道の追悼儀式に招かれた祭、香典はどうすれば良いでしょうか?

霊祭・式年祭では、香典として、現金を包む場合や供物などを持っていく場合があります。 もし、案内状に香典や供物を辞退される旨が記載されている場合は、どちらも持参してはいけません。 香典の表書きについては、「御神前」「御玉串料」「御供」などと書きましょう。神道にも宗派が存在しますが、宗派によって表書きが異なることはありません。