CROUKA

鬼の棲む山をめぐる
Fukuchiyama
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CROUKA

CROUKAの本拠地、京都府福知山市─。
ここには古より鬼伝説が伝わる山「大江山」がある。
鬼といえば、その恐ろしい姿から悪の象徴として表現される一方、「節分」などの伝統行事をはじめ、「鬼才」「心を鬼にする」といった言葉や「鬼ごっこ」といった遊びなど、人々の暮らしの様々な場面に登場します。
恐るべき存在でありながらも人の暮らしに密接に関わる「鬼」。
そんな鬼たちの姿に思いを馳せながら、人間と鬼の深い関わりを伝えるこの地を巡りました。

Scene1

まず初めに訪れたのは、大江山の玄関口ともいえる「元伊勢内宮皇大神社」。
あいにくの雨模様ですが、壮厳な雰囲気の境内に響く雨音や瑞々しく光る木々の緑が非日常的な空間へといざないます。

旅の無事を祈願したこの神社の参道にそびえる注連縄を施された大杉は、大江山の鬼伝説のひとつ「麻呂子親王の鬼退治伝説」ゆかりのもの。
聖徳太子の弟、麻呂子親王の手植杉で、英呉(えいこ)、軽足(かるあし)、土蜘蛛(つちぐも)という3人の鬼を討つため祈願した御印といわれています。

Scene2

元伊勢内宮皇大神社をあとにし、二瀬川沿いに車で山道をしばらく進むと頭上に吊り橋「新童子橋」が見えてきます。
近くの駐車場に車を停めて、新童子橋までの道を歩きます。

新童子橋が架かる二瀬川渓流は、奇岩と清流、そして四季折々の美しい自然の風景が魅力。
新童子橋の周辺には「鬼の足跡」や最強の鬼といわれる酒吞童子を退治した源頼光が腰掛けたとされる「頼光の腰掛け岩」など鬼伝説にまつわるスポットがあります。

新童子橋からさらに進むと巨大な鬼瓦「平成の大鬼」が見えてきます。その大きさ、高さは5m、重さは10tもあり、日本一の大鬼瓦と言われています。
そしてこの大鬼瓦のすぐとなりにあるのが「日本の鬼の交流博物館」です。「鬼」をテーマにした珍しい博物館で、鬼にまつわる資料や伝統芸能、世界の鬼面などを展示しています。

Scene3

「日本の鬼の交流博物館」をあとにして、さらに山道を登っていくと徐々に霧が濃くなり、いかにも鬼が現れそうな雰囲気に。
道を間違えないように慎重に走り、行き着いたのが「鬼嶽稲荷神社」。ここは雲海の絶景が見れる名所なんだそう。
鬼嶽稲荷神社の奥に山肌を降りていく道があります。好奇心旺盛な私たちはこちらの道を進むことに。

霧深い中、道なき道を進むと現れたのが「正一位鬼丸稲荷大神」。
こんな場所にも神様が祀られていることにとても興味深く感じます。静かな森の中、霧が発生した神秘的な雰囲気になんだかパワーをもらったような気持ちになりました。
この先をさらに進むと「鬼の洞窟」があるそうですが、足元も悪く、ここで引き返すことに。

「鬼嶽稲荷神社」の先には千丈ヶ嶽の登山道もあり、少し登ってみることに。
整備された登山道は歩きやすく、天気が良い日にはトレッキングを楽しむのも良さそうですね。
惜しくも撮影はできませんでしたが、野生の鹿に見送られて、この日のショートトリップは幕を閉じました。

styling items

shooting location

今回の「鬼の棲む山めぐり」で最初に訪れた元伊勢内宮皇大神社は福知山市街地から車で30分ほど。そこから先のスポットへもそれぞれ10分程度と気軽に行ける距離ながら非日常が味わえるのでオススメです。

CROUKAを運営する有限会社アキヤマは2023年4月に地元福知山市と「福知山千年の森づくり推進パートナーシップ協定」を締結し、三岳山・大江山連邦周辺の魅力発信に協力して取り組んでいます。

Photo_Naotaka Kinugawa, Daichi Iseki
Composition&Text_Yohei Nishikawa
Page Design_Akiyo Sakao
Cooperation_福知山市, 元伊勢内宮皇大神社, 両丹日日新聞社
©Akiyama Co.,Ltd.