読みもの:世界を代表するテキスタイルブランド、marimekko

北欧のブランドはデザイン性に優れ、身近なちょっとしたものまでもが美しく心に留まるものばかり。中でもmarimekko(マリメッコ)は、北欧ブランドに詳しくなくたって、誰もが一度は目にしたことのある世界的に有名なブランド。UNIKKO(ウニッコ)を始め、鮮やかで大胆なデザインが多く、今なおファンを増やし続けています。
当店でも長く取扱いをしているブランドですので、ここで一度ぐっと掘り下げて、marimekkoの魅力をご紹介していきたいと思います。

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marimekkoの歴史

当店でmarimekko(マリメッコ)を取り扱うようになってから、10年ちょっと。marimekkoの歴史を考えるとほんのわずかなお付き合いです。marimekkoのはじまりは1949年のこと。70年くらい前になりますね。marimekkoがいかにして生まれ、どんな風にして世界に広がり、今日に至ったのか。少しずつ紐解いていきたいと思います。

marimekkoの創業者はアルミ・ラティアという女性です。彼女の夫であるヴィリヨ・ラティアが買収したオイルクロスとプリントファブリックの会社、「Printex(プリンテックス)」に彼女が入社し、友人のマイヤ・イソラへデザインを依頼したところ、斬新で素晴らしいものが上がってきました。そして新しい会社、「marimekko」が1951年に設立されることとなりました。marimekkoは「小さなマリーのためのドレス」という意味です。その翌年、ヘルシンキにmarimekkoのショップ1号店が誕生しました。

marimekkoの始まりはテキスタイルデザインで、プリントされた生地でしたが、それを世に広めるきっかけとなったのは洋服です。ヴオッコ・エスコリン-ヌルメスニエミがデザインした洋服は、コルセットで締め付けられた当時のフィンランドの女性の身体を開放する、のびのびと動き回れるものでした。ワンピースやシャツなど、今も世界で愛されるデザインも、marimekko創業から間もない頃に生まれたものもたくさんあります。
marimekkoの目指すものは流行ではなく、時代を感じさせない、使い続けられるもの。それが偶然かつ往々にしてファッショナブルであると、アルミ・ラティアは言いました。

1954年には今も使われる、marimekkoのロゴが誕生します。シンプルで時を感じさせないmarimekkoロゴは、それを見るだけで私たちに高揚感を与えてくれる、ブランドの顔としての役割を成功させていると言えます。
そして1960年代にはUNIKKOを初めとする、marimekkoの代名詞的なテキスタイルが生まれます。このUNIKKO誕生には裏話があり、marimekkoの創始者であるアルミ・ラティアが、marimekkoではもう今後花柄はプリントしないと決めたそうですが、その発表の直後、デザイナーであるマイヤ・イソラが抗議の意味を込めて、このUNIKKOを世に放ったそうです。今もなおmarimekkoを背負って立つデザインは、強い信念のもと生まれたと思うと、なんだかぐっとくるものがありますね。

1960年代、marimekkoは世界でも国際的に注目されるブランドとなっていました。アメリカの大統領候補の妻、ジャクリーン・ケネディがmarimekkoの服を購入し、スポーツ紙の表紙を飾ったことがきっかけです。1968年には脇阪克二が日本人初のデザイナーとしてmarimekkoの門を叩きます。フィンランドの小さなブランドもどんどん世界進出をし、デザイナーからも憧れのブランドとして大きくなっていきました。しかし1979年、アルミ・ラティアが死去。ブランドとしての変革が迫られることとなってしまい、marimekkoを他社に売却するなど、約10年ほどの間は試行錯誤が続きました。

1991年、キルスティ・パーッカネンの率いるワーキデアによって再び買収され、CEOに就任したパーッカネンの下で再建を果たしました。marimekkoは明るさを取り戻します。これまで以上に若い世代のデザイナーに着目、起用します。
2000年代には世界的にUNIKKOブームとなり、現在も発売されているテーブルウェア「OIVA」が店頭に並び、新しい風が吹き込みます。2010年代に入るとmarimekkoの国際化が加速。世界でのmarimekko店舗数は倍以上に増え、東京やニューヨーク、ストックホルムやコペンハーゲンのファッションウィークにもmarimekkoのファッションショーが登場します。

UNIKKO 50周年を記念した1点もののドレスが生まれたり、ホームアイテムの方では新しいグラスウェアやカトラリー、キャンドルホルダーなどのアイテムも誕生し、2012年にはmarimekkoとフィンエアーとのコラボレーションも実現します。現在2機のUNIKKO柄飛行機が長距離フライトで活躍し、機内ではmarimekkoの食器やテキスタイルも使用されています。
長い歴史の中、ブランドとして改革を迫られたり危機を乗り越えながらも、新しいことに挑戦し続けるmarimekko。デザインがユニークであるのも、それが力強いのも、確固たる信念を持ったブランドとしての誇りがあるから。きっとこれからも息を呑むような美しいデザインを生み出したり、ハッとするような新しいアイテムや試みと私たちを引き合わせてくれたりするのだと思います。ますます楽しみなブランド、それがmarimekkoですね。

デザイナーの紹介


■Maija Isola(マイヤ・イソラ)

≫ MINI UNIKKO 生地

ここからはmarimekkoを支えるデザイナーを少しご紹介させていただきます。まずはマイヤ・イソラ。marimekkoの歴史でもご紹介させていただいた通りで、彼女がいなければmarimekkoの繁栄はなかったと言っても過言ではないかと思います。marimekkoの創始者であるアルミ・ラティアの友人であったことから、marimekkoでのテキスタイルデザイナーとしての活躍をスタートさせてはいますが、marimekkoでのキャリアは38年。常に第一線で活躍し続け、500以上ものデザインを手がけました。いまだにこの数に並ぶデザイナーは現れていません。
ケシの花をモチーフにしたUNIKKOをはじめ、幾何柄のKIVET(キベット)やKAIVO(カイヴォ)、写実的な木々を描いたTUULI(トゥーリ)やPIKKURUUSU(ピックルース)やVIHKIRUUSU(ヴィキルース)の元デザインとなったMAALAISRUUSU(マーライスルース)。今なお人気の衰えない作品が数多くあります。marimekkoと言えばマイヤ・イソラ。まさにレジェンド的デザイナーです。

■Annika Rimala(アンニカ・リマラ)

≫ PUKETTI オーダーカーテン

アンニカ・リマラは1960年から82年にわたってmarimekkoのデザイナーを務めました。当店ではPUKETTI(プケッティ)の取扱いがありますが、彼女の作品は洋服にも多く採用されています。現在でもmarimekkoの洋服の定番として人気を誇るボーダー柄のTASARAITA(タサライタ)もそのひとつ。時代の若者文化、ポップミュージック、美術の潮流が、彼女のデザインのリズミカルな柄や炸裂する色彩に反映され、1960年代はじめの頃から世界有数のファッション誌の表紙やページを飾りました。時代を感じさせない普遍さ、すっきりしたデザインでありながらユーモアもあるのが特徴です。

■脇阪克二

≫ PIKKU BO BOO 生地

日本人で初めてマリメッコの門を叩いたのが、脇坂克二。お金もなく、言葉もわからず、知り合いもいない、そんな24歳の青年が、マリメッコに5枚のデザイン画をぶつけ、marimekkoでのデザイナーとしての活躍をスタートさせます。のびのびしていて遊び心があって、力強さとやさしさが色彩からあふれているのが彼のデザインの特徴です。
1975年にデザインしたBO BOO(ブーブー)は今もmarimekkoには欠かせない定番のひとつです。アメリカでは特に人気が爆発し、さまざまな商品が登場しました。
今は京都のテキスタイルブランド、2002年に設立したSOU SOU(ソウソウ)でデザイナーとして活躍しています。

■Aino-Maija Metsola(アイノ-マイヤ・メトソラ)

≫ JUHANNUSTAIKA 生地

ハッとさせられるような美しい色彩を放ったかと思えば、メルヘンでかわいい世界観も見事に表現するデザイナー、アイノ-マイヤ・メトソラ。デザインのツールは多様で、水彩やフェルトペン、ペン、グアッシュと自在に使いこなします。さまざまな天気を自由に表現したSAAPAIVAKIRJA(サーパイバキリヤ)の食器シリーズは、marimekkoに新しい風を吹き込み、衝撃が走りました。アーティスティックでありながら、誰もが欲しくなるようなポップさも兼ね備えていて、いつまでも古くならずに人気であり続ける。なかなかこれを実現できるデザイナーはいないと思います。
まだまだmarimekkoの歴史の中では新しいデザイナーなので、これからの作品も楽しみですね!

■Maija Louekari(マイヤ・ロウエカリ)

≫ SIIRTOLAPUUTARHA 生地

今のmarimekkoを語る上で外すことのできない、ヒットメーカーであるマイヤ・ロウエカリ。2003年に行われた、marimekkoとヘルシンキ芸術大学で主催したデザインコンペに勝ち、一躍デザイナーとしてのキャリアをスタートさせました。
それ以後、今やmarimekkoの定番デザインにもなっている、SIIRTOLAPUUTARHA(シールトラプータルハ)やRASYMATTO(ラシィマット)、PUUTARHURIN PARHAAT(プータルフリンパルハート)など続々発表。2009年に一新されたテーブルウェアシリーズ「OIVA」に第一弾のデザインを手掛けたのも彼女です。彼女が生み出すグラフィカルでキャッチーな世界観は、今後のmarimekkoを担う重要な役割をもっていると言えます。

■Sami Ruotsalainen(サミ・ルオッツァライネン)

≫ OIVA マグカップシリーズ
≫ OIVA プレートシリーズ
≫ OIVA ボウルシリーズ
≫ OIVA ティーポットシリーズ

彼がmarimekkoでデザインしたのはテキスタイルではなく、OIVA(オイヴァ)というテーブルウェアシリーズ、プロダクトデザインです。それまでのテーブルウェアからまるっと入れ替えられた2009年。OIVAに課せられた役割は相当に重要だったと言えます。OIVAには様々なmarimekkoのデザインが、色が乗せられます。どんなデザインをも引き立てる必要があり、それでいてテーブルウェアとしての美しさ、使いやすさを兼ね備えなければなりません。ミリ単位にまでこだわり抜いて作られたフォルムは、それらを見事にクリアしており、いまもなおシリーズは拡大を続けています。marimekkoのデザインを支える影の実力者、それがサミ・ルオッツァライネンの作るOIVAです。

人気のmarimekko商品

さて、ここからはmarimekkoの人気商品を少しご紹介したいと思います。まずはBUDDY ROADIE(バディ・ローディ)。Ristomatti Ratia(リストマッティ・ラティア)がデザインしたmarimekkoの定番ナイロンバッグです。ほどよいメンズライクなデザイン、シンプルで女性の背中にも収まりの良い形、そしてなにより軽くて使いやすさに特化した使用感の良さがヒットの理由です。オールシーズン、デイリーにもショートトリップやアウトドアにも使える、まさに万能リュック。ご夫婦共用も可能。年に数回登場する限定カラーも注目です。


いかがでしたでしょうか。marimekkoのこととなると語ることが多くなりすぎて、長くなってしまいました。改めてmarimekkoというブランドをじっくりと見つめてみると、その魅力を再認識できた気がします。marimekkoに心奪われるのには、ただデザインが可愛いだけではなく、生活、暮らしに寄り添い、背伸びをしない普遍的な毎日の豊かさを教えてくれるからかもしれません。
きっとこれからもたくさんの出会いを届けてくれると思いますので、marimekkoのいちファンとして、楽しみにしていたいと思います。

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