善にも悪にもなる!?
睡眠とアルコールの関係

作成日:2020年01月08日

睡眠とアルコールの関係イメージ

「酒は百薬の長」と言いますが…

アルコールは付き合い方によって善にも悪にもなります。睡眠においては就寝前にお酒を飲むと、入眠しやすくなる反面、眠りが浅くなるために睡眠の質を落としてしまいます。

飲酒は一時的に入眠を促進することがあっても、その後の利尿作用などから、夜間後半の睡眠が浅くなります。また、就寝直前の飲酒が習慣化すると、アルコール耐性が上がるために飲酒量が増えて、徐波睡眠の減少や中途覚醒の増加などの睡眠に対する悪影響もさらに増大します。

少量のアルコールは入眠後に数時間で代謝されてしまうので、全睡眠時間は延長せず、短縮することもあるようです。※アルコール分解酵素の種類や量、あるいは飲酒習慣に個人差があることから、その催眠作用や睡眠に及ぼす影響にも個人差があります。

徐波睡眠とは?
急速眼球運動を伴わない睡眠のことをノンレム睡眠 (Non-rapid eye movement sleep,Non-REM sleep) または徐波睡眠(じょはすいみん)という。ノンレム睡眠は一般的には「脳の眠り」と言われる。

一方、古来より「酒は百薬の長」と伝承されているとおり、成人においては夕食時に料理との組み合わせで適量の飲酒をすることは、心身の過度の緊張をほぐし、気分転換や精神的不安の緩和につながり、入眠に向かって適した状態をもたらすことが期待されています。

カフェイン同様、アルコールにおいても代謝能力や耐性には個人差が大きいので、自分に適した飲酒量とそのタイミングを知っておくことが大切です。入眠だけを目的とする就寝直前の飲酒は、睡眠導入剤の代わりにはならずにむしろ、睡眠全体としては悪影響をもたらします。個人差はありますが、目安として、眠りにつくまでに最低1時間くらいあけることをおすすめします。

就寝直前には、カフェインやアルコールを含まない飲み物(麦茶や白湯など)が適しています。温湿度環境にもよりますが、夜間睡眠中には発汗などにより体内から150~200mlの水分が失われ、血液粘度が増大し、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクにつながるので、入浴後から就寝前にかけての水分補給は重要です。就寝前そして起きてから、コップ1杯程度の水分をとりましょう。