雷の基礎知識

雷の発生時期

雷の発生時期は、7〜9月が最も多くなります。
また夏場だけでなく秋から冬にかけても落雷は多いため、一年を通して警戒が必要です。

雷による被害

落雷時には瞬間的に3,000〜4,500Vもの高電圧が流れます。
パソコン本体・周辺機器の電源が入らないなどの故障や、最悪の場合は発火の原因にもなります。

雷サージとは

落雷時、電線などの高所にあるものに瞬間的に発生する有害な過電圧や過電流のことです。
電話線、電源線、アンテナ、大気中を通って家の中に進入し、このサージ電圧によってパソコン・ルーターなどの電子機器は、絶縁破壊や誤作動・劣化などの影響を受けます。「雷ガード」は、内蔵された吸収素子(バリスタ)が雷サージを吸収することで、接続するパソコンなど故障を防ぐため、雷サージ対策として最適です。

雷サージの種類

誘導雷・・・電線から、モジュラージャックやコンセントなどを伝って屋内のパソコンなどに侵入する雷サージ。電線近くに落雷した時の電磁誘導により高電圧が発生する、最も多い雷サージの発生原因です。

侵入雷・・・大気中を伝わって侵入する雷サージ。
避雷針などから侵入した場合、パソコンなどの電子機器と地表との間の電位差によって起きる現象です。

直撃雷・・・接続された電線に直接落雷して侵入する雷サージ。
高い電圧や電流が発生するため、直撃雷からパソコンやルーターを守ることは非常に難しいのが現状です。対策として雷ガードを設置した場合でも、パソコンなどを保護できないことがあります。

雷サージによる被害内容

電気ストーブやドライヤーなど、電気→熱、電気→動力のような単純に変換をかけている機器では雷サージによる被害はほぼ起こりません。
これは半導体集積回路が過電圧、過電流に大変弱い事に端を発しています。
また、雷サージで機器破損が起こる事例のほとんどは、通信系(電話線)に集中しています。

雷サージ保護素子の種類

■バリスタ 落雷時、雷サージ(3,000V〜4,000Vもの高電圧が習慣的に伝染及び通信線などに発生する現象)が、各家庭のブレーカがはたらく前にパソコンなどの電気器具に到達することで、電気器具の基板が壊れます。これを防止するのが雷サージ吸収素子「バリスタ」です。電源系のサージ保護対策としてよく使用される素子で、電気抵抗体の一種であり、両端に加える電圧が高くなると抵抗値が急激に小さくなる特性があります。
その動作原理は、半導体のトンネル効果を利用し、ある一定の電圧になると端子間の抵抗値が小さくなります。この電圧をバリスタ電圧と呼び、この時の電流値は 1mA で試験を行っています。
構造的にコンデンサの成分を持ち、信号自体の減衰の原因となるため、微妙なアナログ波である電話などの信号系のサージ保護には使用されず、主にコンセントや電源タップからの電源系の雷サージ対策に使用されています。
バリスタが破損するとショートモードになり発火する可能性があるため、その対策としてヒューズを取り付けており、ヒューズが切れたときは連動してLEDランプが消えることで新しいものへの交換を促します。 ■ガスアレスタ 通落雷時の雷サージ対策として、通信系の保護によく使用される素子が「ガスアレスタ」で、アーク放電(大気中の放電現象)を利用しており、その放電開始電圧は中に封入しているガスによって決定されます。バリスタと比較すると耐久性に優れるため、破損して事故につながることはほとんどありません。
また、一定電圧に対して有効であるため、微妙なアナログ波である電話などの信号系のサージ保護によく使用されます。

「バイパス回路+アース」でさらに安心

雷サージ対策に従来の雷サージ吸収素子(バリスタ・アレスタ※)に加えて、さらに有効な「雷サージをバイパス回路からアースへ逃す方式」を採用しています。 これによって、誘導雷だけでなく、侵入雷も防ぐことができます。

※セラミックでできた素子(アレスタ)が雷サージを吸収し、接続機器に安定した電圧を供給させる働きを持つ機能を、雷サージ吸収素子(アレスタ)といいます。