楽天トラベルアワード5年連続受賞の宿、伊豆・伊東 金目鯛の宿こころねオーナーに直撃取材
1
2
3
4
ガイド:
まずは楽天トラベルアワード5年連続受賞おめでとうございます。
率直な感想をお聞かせ下さい。


AKIO:
宿を開業当時、まさか自分たちが国内最高栄誉の
楽天トラベルアワードを受賞するなんて・・・(沈黙)
夢にも思いませんでした!しかも連続受賞なんて・・・(笑)
ただただ夫婦でがむしゃらに走ってきました。

ガイド:
全国紙の新聞にも掲載されておりましたね。
伊東の宇佐美から初の受賞。
しかも誰も知らなかった小さな規模の宿の連続受賞は
私もびっくりしました。
大きな旅館やホテルを差し置いての受賞は
何が評価されたと思われますか?


AKIO:
6組限定の宿。
大型施設様と比較をすれば、設備面で大きく引けを取ると思います。
まずは私たちにしか出来ないものは何かを考えました。
1人1人のお客さまの顔を覚え、皆さまと触れ合える。
その1人のためを思ってお料理も作れる。
全員を大切なお客さまと思える。
当たり前な感じがしますが、もしかすると
そんな当たり前のことを出来た事が「こころね」のような
小さな宿が評価された理由なのかもしれません。

ガイド:
その積み重ねが「伊東温泉エリアお客様評価1位」や「楽天の口コミランキング伊豆地区1位」
など、数々のお客様評価につながっていったのですね。
お客様をおもてなしする、という事に心掛けている事はありますか?
AKIO:
宿のみならず自分の家に友人や大切な方を迎える時、
「何か特別な事をしてあげよう」をなどのように、
精一杯もてなしてあげようと思うと思います。
ただ、友人や常連のお客様が泊まりに来てくれた時は
新規のお客様より大切にしている宿、飲食店を多く見かけたりします。
私たちはそうではなくて、新規の方も常連の方も来てくれた
お客さま全員をそんな気持ちで迎えられたら、
きっと喜んでくれるのではないかと思い
「一人一人が大切なお客さま」
というコンセプトを掲げおもてなししているんです。
ガイド:
なるほど、どんな状況や、どんなお客様に対しても特別な思いで接していらっしゃるのですね。
頭がさがります。また様々なお客様と接する事が多いとは思いますが、特に気をつけている点などはありますか?

AKIO:
寡黙で私たちとは一切かかわりたくない、そっとしていて欲しいタイプのお客様も多くいらっしゃいます。
実はただの人見知りで、本当は私たち夫婦ともっと話したかったというお客さまがとても多いんです。
後になってくちこみでもっと話したかったということが以前度々ありました。
なので最近はまずは話してみるところから初めてます。
滞在中に心を開いてあれこれと話してくれる方もいらっしゃいます。
要するに年齢や容姿にもとらわれず全ての方に平等に接するように心がけているんですよ。
ちなみにFacebookをはじめたのはこのように人見知りで中々自分から話す勇気の持てない方のために、
話すきっかけ作りのために始めたんです(笑)
ガイド:
お話しを伺っていると、AKIOさんとYUKIさんの絶妙なコンビネーションにとても癒されます。
まさにおしどり夫婦ですね。AKIOさんにとって、
奥様であり女将YUKIさんの存在が大きいのではないですか(笑)?

AKIO:
そうですね(汗)
彼女無しには「こころね」は成り立ちません。
私にはたりない物を持っていますね。
行き詰まったときには必ず相談しますし、
愛する家族でもあり「こころね」に欠かせないスタッフです。
私にとってかけがえの無い存在ですね(笑)
彼女の性格を一言で言うと
自分に厳しく人に優しいタイプではないかと思います。
お客さまに対しても同じで
お越しいただいたことに心から感謝している姿が
よく分かるので、こんな人世の中にいるんだな〜と
感心してしまうほどです。
あっ私がこんな事を言ってはいけないですよね(汗)
でも本当に接客に対する彼女のプロ意識には脱帽してしまいます。
たとえ夕食の時間に間に合わないお客さまがいても
「お疲れ様でした。お待ちしておりました」と満面の笑みで
接している彼女がいるからこそ、
私が料理に打ち込めるんだと思います。
彼女から感じるプロ意識は本当に刺激になります。
・・・ここまでお話してからなんですが、
もう勘弁していただけませんか。(照れ笑い)

ガイド:
失礼しました(笑)では、いつも素敵な笑顔のYUKIさんに伺いましょう!
YUKIさんが考える「おもてなし」とはどんなものでしょうか?

女将YUKI:
お客さまが「宿に歓迎されている」とはっきりと伝わらなければ、
心からくつろぐ事は出来ないと思います。
どんなお客さまにも「幸せな1日だった」と思っていただけるように
気持ち良く過ごしていただく事が大切です。
例えば、自分が接客を受ける側に立った時、
出すぎた事や押し付けは一番不愉快ですよね。
その全く逆の事が私にとっての理想です。
そのためには常に自然体でいたいですね。
相手の心にスーッと受け入れられるような、
そうですね〜。まるで宇佐美の海や空と一緒に
お客さまの心にそっとお邪魔するような。。。
そんな接客を目指しています。
そして、「一期一会」。
ありきたりの言葉かもしれないのですが
とても大切で、大好きな言葉です。
私にとって一番大切にしている事かもしれません。
たくさんの人に出会える事。
心のコミュニケーションがとれた時、
胸が熱くなりますね。
もっともっと大切にしたいと思います。
ひとつひとつの出逢いが、私の宝物です。

ガイド:
YUKIさんから見たAKIOさんはどんな方ですか?
女将YUKI:
主人はとても変わった人です(笑)
頑固で真っすぐで意地っ張り。。。
でもとっても繊細な心の持ち主で何事も心に受け止めてしまって
聞き流せない。きっと素直すぎるんでしょうね(笑)
でもその心はとても尊敬してます。
何事に対しても、決して手間を惜しまなくて、
寝る間を惜しんででも一生懸命応じ、諦めない姿、
この心が今の「こころね」を表していて、
料理1つにとってもこだわりを持ってやっているんだと思います。


ガイド:
その料理がとても人気ですね!
口コミでは金目鯛料理の評判で盛り上がってます。
その若さであれだけの料理を作れる。
さぞかしとてつもない修行を積まれたのでしょう?


AKIO:
修行はしましたよ。
市内の魚専門店で魚の目利きから、下ろし方、
その他も和食の基本的なことを主に学びました。
まじめな話、お金は要らないので
働かして下さい!仕事を教えて下さい〜って
その世界に飛び込んでいきました。
職人の仕事を教えてもらうのは、それくらいの覚悟が無ければ
駄目なんだって思っていましたから。
どこどこの有名料亭で何年も修行したとか、
とてつもない修行したわけではありません。
基本的なことをみっちりと覚えましたので
後は日々の試行錯誤かと思います。
料理って、誰かのために作る事が殆どだと思います。
技術や知識はもちろん必要ですが
それ以上に食べる人に喜んでもらいたいっていう気持ちが、
何よりも大切だと感じています。


ガイド:
基本を徹底的に、そしてAKIOさんの「思い」
というエッセンスをつける。
その試行錯誤が今の金目鯛料理なのですね。
金目鯛にこだわるのはなぜですか?

AKIO:
都会暮らしをしていた時は、魚の臭いが気になって正直な所あまり魚は好きじゃなかったんです。
伊豆に来てからですね。魚を食べるようになったのは。
中でも金目鯛の煮付けを食べた時の感動は、今でもはっきりと覚えています。
たっぷりと脂が乗って身もふわふわ、もちろん臭みなんてありません。
お箸がすすむ君状態になりました(笑)
でも、自分で買って煮付けに挑戦しようとしましたが、スーパーで見ると小さな切り身でもお高い事・・・(涙)
これじゃあご家庭ではめったに食べられない高級食材だと思いました。
私が金目鯛の煮付けを、お客さまにお出ししようと思ったのは、そんな伊豆屈指の高級魚、
金目鯛の煮付けを食べていただけたらきっと喜んでもらえると思いました。
しかも丸ごと一匹で。そこが金目鯛にこだわる理由になるんでしょうかね。

ガイド:
なるほど。5年連続の楽天アワード受賞の裏にはご夫婦の努力はもちろん、
こだわり抜いた「金目鯛」が大きな原動力となっているのですね。
ガイド:
今回その金目鯛を中心とした「こころねの味」をご家庭用にと、遂にネットショップ楽天市場店をOPENさせましたね。
インターネットという、顔の見えないお客様を接客することになる難しさ、さらに言えば通販で「こころねの味」を
どこまで再現できるのか?個人的にとても興味がありますね。


AKIO:
もちろん宿でお客様に接するようにはいきません。でもだからこそ目の前にいるお客様以上に考えます。
ネットショップはお互いに顔が見えませんから、どこか寂しく感じてしまいがちです。
それでも私共の心が少しでも伝わる商品をお届けしたいと思っています。
特に当店の代名詞でもある「金目鯛の煮付け」ですが、商品到着後にお客様に煮付けていただくんです。
既に煮付けて温めて食べるだけの商品とは異なり、いわゆる「鮮度の騙し」が出来ないんです。
「当店秘伝のたれ」も宿用(実店舗)とは異なりご家庭でも簡単に使える用にアレンジを加えました。
お料理が苦手な方や、週末にしかキッチンに立たないお父さんにでも簡単にできるように、
「煮付けデビューガイド」もスタッフ全員で制作しました。
その他にも私が食べて、使って本当に良いと思ったものだけを販売して行きたいと思います。
どうぞご期待ください。

ガイド:
では、最後にこの対談を読んでいる皆様へメッセージをお願いします。
AKIO:
よく耳にする言葉で、
「私たちはお客さまに支えられています」
開業当時は言葉の真意を分からなかったのですが、
ご意見や励ましのお言葉を頂くことで
改善し進歩していけるのだと感じています。
私たちは、私たちにしか出来ないおもてなしを
皆様に提供して行ければと考えています。
また、商品に関しては大手の大量生産商品とは違い、
本当に美味しいものだけにこだわって、お買い上げいただいた方には
本物の味を召し上がっていただければと思います。
皆様、どうか私共「こころね」の成長を見守ってください。

ガイド:
ではAKIOさん、YUKIさんありがとうございました。
※2013年2月某観光サイト取材掲載より抜粋