7色もの本革を組み合わせて作る「シャルロットシリーズ」。永年、愛され続けている、AETHER(旧店舗名:代官山クロシェット)を代表する製品です。
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まず、どんなお財布にするかイメージを膨らませます。例えば、「持つ人に幸せが訪れるように」と私たちの願いを込めて、その花言葉のすずらんをイメージしたカラーリングをしたことや、長年シャルロットを愛用してくださっているお客様のお声をお伺いし、そのアンケート結果をもとに制作したこともあります。 |
色合わせは何万通り。
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ただ、色見本やサンプルだけでは納得できる色がないことも多いので、一枚ずつ色だしをして、一番ベストな色になるまで革を染め、新たなサンプルを作ることもしばしば。 何度染めても納得のいく色出しができない場合は、サンプルを作るだけでも3年もの月日がかかることもあります。 |
こうしてカラーサンプルが完成したら、革をなめし、1色ずつ染めていきます。一つのお財布に、7色も使うシャルロットシリーズ。染めるだけでも時間のかかる大変な作業です。 |
【なめし】「皮」というのは原皮のことを指し、時間がたつと徐々に腐敗が進んだり、性質が変わってしまったりします。 「皮」のコラーゲン繊維になめし剤を結合させることで、腐らない物質に変性させて「革」を作り出すことを「なめし」といいます。 それにより、防腐性を高めたり、乾燥による硬化や変形の少ない「革」に変化させることができるのです。 |
巨大なドラムでなめされた革は、出したい革の色味によって、染料染めと顔料染めの両方を使い、理想の色に染めていきます。染料、顔料の特徴と、それぞれの良さを熟知している職人が、こちらの要望を組みとって、染料染めと顔料染めの比率を何対何にするのか、1枚1枚の革それぞれにレシピを作ります。 |
【染料と顔料】染料は水に溶けやすい成分のため、均一な色合いにするのは難しいが、革本来の風合いや表情を残した、自然な色に仕上がるため、革の染色は染料染めが常識。その反面淡い色味で染めようと思っても、革の風合いが残り、どうしても暗い色味になる 一方、顔料は、革の表面を水に溶けにくい塗料で塗ることで、均一な色合いを表現できる技法。ただし、革の風合いは消えてしまう。 |
しかも、すべての革を同じ工場で染めているわけではありません。
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さらに、染色だけだはなく、ドット柄のカッティングや、凹凸を付ける素押しの加工を施していき、やっと7色すべての革の加工が終わります。 |
【素押し】熱と圧力を加えることで、くぼみだけで柄を表現する方法。 |
こうして莫大な時間をかけて美しく染色された革は、やっとお財布のパーツへと形作られていきます。
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革には本来、原皮に応じた厚み(元厚-ゲンアツ-)があり、革によって厚みは様々です。また、どの部位の革かによっても厚みが変わります。革の厚みは見た目や手触りに影響を及ぼすため革を仕入れる時には必ずこの厚みをチェックします。 そしてさらに、裁断されたパーツを合わせやすいように、その箇所に合わせて革を漉いていきます。 仕上がりが一番美しくなるよう、熟練の職人0.01mm単位で革の厚みを調整していく、重要な作業になります。 |
【漉き-スキ-】裁断された革を使用箇所に合わせて薄く削ること。 |
そして仕上げに、ヘリ先数ミリの場所に、熱したコテで圧力を加え、まっすぐなラインを引くネン引きを施します。これにより、革の粘着性を高めると共に、ブレのない一直線のラインが、製品の表情を引き締める効果があります。
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【ネン引き】革のヘリに一本のラインを平行に入れる工程のこと。 |
こうしてパーツがそろったら、ようやくお財布の形へと組み上げられていきます。 一つのお財布ができるまでに、莫大な時間と、何人ものベテラン職人の技術が注ぎ込まれているのです。 |
原材料等の高騰により価格を改定いたします。
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シャルロットシリーズ |
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