オーバーフロー水槽とは水槽の下に独立したろ過槽を設置しそこから水槽に汲み上げた水があふれてろ過槽に戻るというシステムのことです。
ひと昔前はオーバーフローといえばマニアックなイメージがありましたが、最近では60cm以下の小型オーバーフローも登場しアクアリストの中でもなじみ深いシステムとなりました。
特に最近はオーバーフローが適している海水魚の人気も高まっていることもあり需要が伸びつつあります。
それではオーバーフロー水槽について学んでいきましょう!
水の流れについては右図をご覧ください⇒
※右図はあくまでも参考であり、用途によりあらゆるカスタマイズが可能になるところがオーバーフローの魅力の一つといえるでしょう。ベーシックなところから脱却して独自のオーバーフローシステムをくみ上げるのも面白いかもしれません!
●目立つものはろ過槽に収納できます
ヒーター、クーラー、殺菌灯などはろ過槽内やキャビネット内に収容することができます。
特にサンゴ水槽の場合はプロティンスキマーやカルシウムリアクターなど機材を多く使いますがそれらも収納することが可能です。
水槽内がすっきりしますのでインテリア性にも優れた水槽と言えるでしょう。
●水量を確保できます
厳密な決まりはありませんが60×30×36cm(約56リットル)の水槽に40リットルのろ過槽をセットにすると総水量は100リットル近くなります。 これはひとまわり大きい60×45×45cm水槽に匹敵します。 水量が大きいと水温・水質の変化が小さくなりますので通常の水槽より魚やサンゴを状態良く飼育することが出来ます。
またろ材も多く入れることができるのと、大きなゴミを濾しとるウールの交換も容易なため水の汚れも早く分解できます。 そのため数を入れたり餌を良く食べる魚を飼育する場合にも適したシステムと言えるでしょう。
●水槽の上面も活用できます
水槽の上面を覆うものがありませんのでメタルハライドランプを多灯する場合など照明を当てる面積が確保できます。
また生体の量に応じて補助的に上部フィルターを設置するといったことも可能です。
●CO2は発散させてしまいます
水槽内の水がろ過槽に落下する際空気を巻き込みますのでCO2を必要とする水草の育成には適していません。
逆にさほどCO2を必要としない水草や一般的な生体を飼う場合には問題ありません。
●オーバーフロー水槽
水槽からあふれた水がろ過槽に落ちるよう底に穴を開け塩ビやアクリルパイプを取り付けた水槽が必要です。 魚やエビがろ過槽に流れてしまわないように三重管やコーナー加工をした水槽を用いるのが一般的です。
当店のガラス及びアクリルオーダー水槽はオーバーフロー加工も承っておりますのでお気軽にお問い合わせください。
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●専用キャビネット
フロー管が通るように穴の開いたキャビネットが必要です。
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●ろ過槽およびろ材
キャビネットに余裕で入る大きさのろ過槽を用意しましょう。使わなくなった水槽などを利用することも出来ます。
ろ過槽が広い場合は仕切りを設けてろ過槽を分割し、水がまんべんなく流れるようにします。
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●揚水ポンプ
一般的に最低1時間に3回総水量を回せるくらいのパワーを持つポンプが必要とされます。
抵抗を受ける複雑に配管を取り回したり水槽の高さが高い場合、水を汚す生体が多い場合はもっと強いものが必要になります。
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●配管機材
塩ビパイプと耐圧チューブを用いて配管をします。
水槽内をすっきり見せるため三重管方式にする場合はピストルが必要です。
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●ウエット式システム(淡水・海水)
外部や上部など一般的なろ過に近いシステムで、魚をメインに飼育する場合にはこちらをおすすめします。
生体の食べ残しや排出物が変化した有害なアンモニア・亜硝酸を大量のろ材に繁殖したバクテリアによって速やかに分解させます。
フロー管の直下にはにはろ過槽のメンテナンス期間を延ばすためゴミが入らないようウールボックスを設置する場合が多いです。
●ベルリンシステム(海水のみ)
ろ材を入れずに大型プロティンスキマーとライブロックによるろ過により水を浄化するシステムです。
特にミドリイシなど硝酸塩の蓄積に弱いサンゴをメインに飼育するのに適しています。
プロティンスキマーによりタンパク質をバクテリアにより分解させる前の段階で取り除いてしまいます。
その反面エサを食べる魚を多く入れることができないのが欠点です。
●マッドシステム(海水のみ)
自然に近いろ過方法でろ過槽に海藻を入れサンゴに有害な硝酸塩及びケイ酸塩を吸収させるシステムです。
ろ過槽には海藻のほかに、根を張らせるのとミネラルを供給するための専用の泥(マッド)を入れ、pHが下がらぬよう24時間ろ過槽に照明をつけ常に光合成が出来るような環境にしておきます。
ベルリンシステムより生体を多く入れられるなど、近年注目されているシステムです。