ダイヤモンドを選ぶ際に一つの目安となるのが、鑑定機関により鑑定されたグレードになります。一般的にはキャラット(重量)、カラー(色)、クラリティ(内包物、キズ気)、カット(形、研磨の状態)の鑑定がなされた3グレードソーティ ングが品質の指標とされています。
キャラット(1ct=0.2g)は重量ですので、キャラットが大きければ大きい程ダイヤモンドのサイズ(体積)も大きくなります。ただフェイスアップ(ダイヤを真上から見た状態)で見たときのダイヤの大きさは、カットの具合によって変わって参りますので、必ずしもキャラットの大きいダイヤの方が見た目にも大きく見えるというわけではありません。 ダイヤは大粒になればなるほど輝きも強いものです。 ダイヤモンドはサイズが大きくなればなるほど、輝きの絶対量も増し美しく見えます。 例えば、0.3ctのエクセレントカットダイヤと、0.5ctのGoodカットダイヤモンドを横に並べて比較して見た時、どちらにインパクト・存在感を感じるかといえば、0.5ctのGoodカットダイヤの方によりインパクト・存在感があると感じられる方が多いかと思います。 しかし、0.5ctのエクセレントカットダイヤと、0.5ctのGoodカットダイヤを比較して見た場合は、明らかにエクセレントカットダイヤの方が輝きが強く、存在感もありますので、ダイヤのサイズとカットグレードのバランスをいかにとるかということが、ひじょうに悩みどころになるのがおわかり頂けるかと思います。
カラーはダイヤモンドの色の評価になります。 白色系ダイヤモンドは無色に近い程、高評価がつけられます。Dカラーを無色、最高の評価とし、少しずつ黄色みを帯びるに従って、E、F、G、H、I、J、K〜〜Zカラーと段階的に評価付けがなされてゆきます。無色にどれくらい近いか、離れているかが評価基準とされているのです。 カラーグレードの違いは大変微妙なもの カラーグレードはひじょうに微妙なものですので、1グレード程の違いを肉眼で判別することは困難です。希少性にこだわるのであれば高グレードのダイヤモンドがお勧めですが、一般的に美しさを楽しむのであれば、Hカラー程のものでも充分にご満足頂けるかと思います。また、ゴールドジュエリーの場合は、多少カラーグレードの低いダイヤでも充分美しく見えますので、カラー評価が低めでも問題ないかと思います。 カラー評価の仕方 カラーグレードはマスターストーン(基準石)と比較し、グレード付けが行われています。 カラー評価はひじょうに厳密な色の検査となりますので、光源も常に一定している必要があります。光源としては、北半球の北側の窓からの午前中の光が良いと言われますが、現在ではこの光の条件に合わせた人工光源の下でカラー評価が行われています。 ファンシーカラーダイヤモンド Zカラー以下のダイヤモンドや、ピンク、ブルー、パープル、グリーン、オレンジ等のファンシーカラーと呼ばれる様々な色調を帯びたダイヤモンドは、白色ダイヤとは別の分類評価がなされます。
クラリティグレードの評価は、ダイヤモンドを専門家が10倍に拡大検査してインクルージョン(包有鉱物)の有無、位置、大きさ、性質、数、色を総合的に判断して行われます。グレードは、Fl、IF、VVS1、VVS2、VS1、VS2、SI1、SI2、I1、I2、I3と段階的に評価付けされますが、左から右へゆくに従ってダイヤに含まれるインクルージョンが目立つものとなります。 クラリティSI〜VS程がお勧め
ダイヤの美しさに大きく影響するのがカットです。 カットの善し悪しは、輝きの善し悪しにそのまま反映致しますので、ご予算の許す限り、カットグレードの良いダイヤモンドをご選択頂くと、最終的に良いお買い物となるかと思います。 基本的にはGoodカット程(Good寄りのFairもOK)のダイヤであれば充分に美しいものですが、より輝きにこだわるのであれば、エクセレントカットダイヤ等もぜひご検討されてみてはいかがでしょうか。なお、ダイヤの評価の中ではカット評価だけが、ダイヤ本来の資質に関係なく人為的に評価が上下するものですので、(ダイヤモンドのカッティングは人の手により行われますので)原石の希少性を重視する場合は、カット評価を多少落としてでも、ct、カラー、クラリティのより良い石をご選択頂いた方がよろしいかと思います。 近年のカット評価の傾向
蛍光性について ダイヤモンドは一般的に紫外線を当てると様々な蛍光を発します。 蛍光性そのものはダイヤの品質とは無関係ですが、強い青色の蛍光は石の黄色みを打ち消す働きがあるため、蛍光性の強いダイヤの方がカラーがよく見えることがあります。 なお、このことはカラーグレーディングの際考慮されていますので、この欄はダイヤモンドの性質の一つを記載しているだけのものとご理解頂けるとよろしいかと思います。(例えばIカラーのBlue蛍光性の強いダイヤが、Hカラーと鑑定されるようなことはありません。単純に蛍光性の強いIカラーのダイヤと鑑定されることになります。) グレードソーティング、グレーディングレポート(鑑定書)には、個々のダイヤの蛍光性の度合い(NONE、FAINT、MEDIUM、STRONG、VERYSTRONG)、色調(BLUE、YELLOW、GREEN、PINK等) が記載されます。なお、最近はFaintのものにつきましては、色調の記載がされなくなってきています。 ダイヤモンドスパークレポート(Diamond Spark Report) ダイヤモンドに光を当てそのダイヤから放射される光のパターンを撮影し、輝きを映像化(可視化)しレポートにしたもの。 ラウンドブリリアントカットダイヤモンドでカットの総合評価がエクセレント、ポリッシュ及びシンメトリーがエクセレントのダイヤに限り発行されます。このレポートは光のパターンを映像化したもので、輝きやグレードを評価するものではありませんが、高精度なカットが施されたダイヤの美しい輝きを誰もが容易に理解することできます。 (中央宝石研究所発行) →ダイヤモンドスパークレポート見本画像 (Laser drillhole) レーザー光線で肉眼ではわからない程度の穴をあけ、目立つ黒色インクルージョン(包有鉱物)を取り除く処理が施してあるダイヤにはソーティングコメント欄にその旨が記載されます。レーザードリルホール処理ダイヤは日本ではあまり流通しておりませんが、欧米では、ごく一般的に施されている改良処理になります。 →レーザードリルホールソーティング見本画像 (Graded in a loose) グレードソーティング取得済みのダイヤを、ジュエリーへセットしたまま鑑定書へ移行した場合、その旨がコメント欄に記載されます。
ダイヤモンドの語源はギリシャ語で、”征服されざる”の意のアダマスに由来します。 和名は仏典の「金剛不壊」より由来。何者にも侵されない硬さ、強さを象徴する宝石です。彼の宮沢賢治はダイヤについて「まるで叫び出す位に美しく輝き」と表現。キューピットの矢の先にはダイヤがついていたとのこと。。 (ダイヤモンドカッティングの歴史) 1456年、オランダ人のベルケムがダイヤの粉を使用した研磨方法を発見。 新しい研磨方法によって、ダイヤモンドの強い輝きが引き出されはじめ、徐々にその美しさに注目が集まるようになってゆきます。 ヨーロッパでは15世紀頃から宮中の女性達がダイヤを身につけるようになり、17世紀中頃にはラウンドブリリアントカットの原形が考案されます。その後徐々にカッティングの改良が加えられてゆき(オールドマインカット→オールドヨーロピアンカット→ブリリアントカット)、現在のブリリアントカットに至っています。 ブリリアントカットは原石からのロス率が50%を超えてしまう、大変贅沢なカットですが、数学的、光学的見地から見てもほぼ理想的な形で、 ダイヤモンドの美しい輝きを引き出すのに、これ以上はないカッティングといえます。
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