ご先祖様に対する思いは人それぞれだと思いますが、少なくとも今の自分が存在するのは過去の時代を生きた数多のご先祖様があってのことです。その中のたった一人でも欠けていれば、病気や事故で命を繋ぐ前に亡くなっていたとすれば、自分は存在しない事になります。そんなご先祖様の存在と偶然の繋がりに感謝の気持ちを示すのが先祖供養です。
親は2人、祖父母は4人というように先祖を遡っていくと、たった10代（約200年位）だけでも合計2046人ものご先祖様がいらっしゃいます。その方それぞれのお位牌を作って供養を・・・というのはもちろん無理なので、「◯◯家先祖代々之霊位」と記されたお位牌を1つ用意してまとめておまつりさせていただきます。この位牌を先祖位牌と呼びます。一般的に33回忌、50回忌を迎えた故人はこの先祖位牌に入っていただきます。
先祖位牌はその家庭のルーツとなる方々を供養するためのとても大切なお位牌で、たとえ分家のご家庭であっても（むしろ分家のご家庭こそ）ご用意いただくのが望ましいです。
形やデザインに関する違いはありません。特定の故人をおまつりするための位牌と同じものでお作りいただけます。ご注意いただくとすれば、位牌は先祖のお位牌よりも大きなものを作らないというのが慣例ですので、既にお位牌をお持ちの場合はそれらのお位牌よりも大きなサイズのお位牌でご用意いただくとよいでしょう。
初めてお位牌を作られる方にお位牌の予想金額を伺うと、かなり高額なイメージを持たれていることがわかります。しかし、実際には高品質な国産のお位牌でも9,800円からお作りすることができます。
仏典の中に "七分獲一（ひちぶんぎゃくいつ）" という言葉が書かれています。これは亡くなった人に対して一生懸命に供養をしても、その功徳(くどく)は亡くなった人には七分の一しか届かない。残りの七分の六はどこにいくのかというと、生きている私たち､供養をした私たちにかえってくる・・・という意味の言葉です。
実際、お仏壇の前で手を合わせ「祈る」という行為は私達をとても幸せな気持ちにさせてくれます。少し気楽に考えて、まずは”自分のため”にお祈りするところから先祖供養を始めてみませんか？
先祖位牌を作るには札位牌の表面に「〇〇家先祖代々之霊位」と記します。個々のお位牌では裏面に没年月日や俗名を記しますが、先祖位牌は何も記しません。位牌の形や大きさに制限は特にありませんが、他にお位牌がある場合はそれらよりも大きめのお位牌で作るのが一般的です。また、札位牌だけでなく回出位牌を使用する場合もございます。
