タイプ別栄養必要性

タイプ別栄養必要性謝

   

● 仔犬

仔犬 生まれて間もない仔犬は、食事として十分な母乳の供給に依存する必要性があります。
というのは、栄養素および抗体など、母乳は仔犬が必要としているもの全てを与える最良のものであるからです。
さらに、母親とうちとけた接触は、仔犬の成長に決定的な影響を与えます。

しかしながら、例えば母犬がいない仔犬や母犬が十分な母乳を生成することができない場合、あるいは一度にたくさんの仔犬が生まれて母乳が皆にいきわたらない場合などでは、母乳のかわりにミルクを使う必要性があります。
ここで、代用のミルクは、栄養素の濃度や子犬が必要としているものという点からしても、母乳の特別な構成成とできる限り似た組成にしなければいけません。
特にタンパク質や脂肪は含有に気をつけなければいけません。
しかしながら、代用品のミルクを摂取した場合に生じる問題を回避するためにその”高品質の成分”だけでは十分ではありません。
また、摂取条件ができる限り自然にできる(液体密度、ミキシング温度、代用品のミルク溶液の温度、原材料、衛生全般)のようにすることも大切です。
ボッシュハイプレミアムパピーミルクは母乳の構成成分を徹底的に研究開発された製品です。
乳製品は、仔犬が生まれて3~4週間、栄養素を正しく供給します。
3週間目の終わりから、仔犬のための特別な食事を与えます。(離乳)
正しい割合のドライフードに液体(お湯・仔犬用ミルク)を加えますが、最終的には歯ごたえのあるドライフードを与えることになります。
近年、成長期の仔犬であるにも関わらず、なかなか食事を食べない、選り好みをするなど悪習慣がみられることがあります。
仔犬に見られる食事の悪習慣は離乳期に離乳がうまくいかず、きちんとした食習慣を付けることができなかったことが要因となっていることも多くあります。
仔犬は特にこの時期は感受性が強いため、余分で付加的な食事の過剰な接触を避けることが非常に重要です。
最も適切な食事を与えることが大切です。
間違った食を与えたことで(下痢や嘔吐、便の変化は危険です)そのような障害が起きた場合は、食事の量を減らし、全ての摂食を一時中止します。
獣医師の診断を受け回復を待つことです。
食事を母乳から仔犬用ドライフードに速やかに移行させるためにもミルクを温めて与えます。
仔犬が仔犬用のドライフードを食べることができるようになるまでミルクを与えてください。
離乳の決定的な要素は、仔犬の年齢ではなく食事の摂取です。
仔犬は自分の体重の約2%に当たる仔犬用のドライフードを摂取できるようになったときに離乳できるのです。

また離乳期から急成長期、その後のゆっくりとした成長期では必要栄養量が少しずつ異なりますので、それに合わせて摂取する栄養を調整してあげることがとても大切です。
身体ばかり早いスピードで成長してしまい、骨格や筋肉の成長が追いつかないと成長期のアンバランスが起こり、後々の関節トラブルなどにつながる恐れもあります。
また成長が終わってくると身体が必要とする栄養量が少なくなるため、それに合わせて一時的に食欲が低下することが多々あります。
(生後7ヶ月~10ヶ月頃、犬種によっても異なります) 自我の芽生えもあるこの時期に食べないからといって何か混ぜ物をしたり、犬の好みに合わせた食べ物を与えてしまうと「食べなければ他のものが出てくる」と覚えてしまい、食の我が儘、食の悪習慣につながることや無理に食べることで肥満につながることもあります。
上記の時期に食欲が低下し、成長が終わってきているようであればそのタイミングで成犬用のドッグフードを混ぜ始めるなど、食事内容の切り替えを行うことが大切です。

   

● 健康な成犬

成犬 仔犬と比較して、成犬は体重あたりの栄養素がはるかに少なくなります。
健康な犬は少なくとも18%のタンパク質を含む食事か必要です。
過剰なエネルギーは必要ではありません。
このことは全体的に犬の健康に障害を与える過剰な脂肪の蓄積をさけることです。
タンパク質の適切な供給は健康を保ち、皮膚をおよぼす病気、いろいろな障害を防ぐために、毎日摂取するタンパク質の量は以下に示した量が成犬の最大量と考えられます。

例えば35kgの成犬は、21.5%のタンパク質(食事100g当たり21.5%のタンパク質)を含む食事の場合、1日のタンパク質要求量は、食事として最大量で約400gを摂取することになります。

   

● 運動犬や使役犬

運動犬や使役犬は、活動レベルが特別に高いため、ある特定のビタミンや微量元素とともに大量のエネルギーを必要としています。
そして、それらは何を必要としているかに依存しています。
その一方で少量のタンパク質だけを必要としています。
過剰のタンパク質は食事由来のタンパク質を分解に関連する代謝系への負荷を増すので、犬の健康に害を与えることもあります。
活動レベルが高い犬に最も重要なエネルギー源は脂肪と炭水化物であり、供給されるエネルギー量に違いがあります。
簡単に言いますと(例えば競技犬の場合)短期間のエネルギー燃焼は食品中のタンパク質の増加で補われます。
一方で(犬ぞり犬の場合)長期にわたる連続した運動に必要なエネルギーは、脂肪によって供給されます。
運動レベルは胃腸管による影響はうけないで、正しい濃度の栄養分を含む食品、つまり運動、仕事に応じて特別に選択した食品を摂取すべきなのです。
食事の摂取に適した時期は、激しい運動をする少なくとも5~6時間前、もしくは運動後2~3時間後です。 特に激しい運動をする犬(ショードッグ・アジリティードッグ・フリスビードッグ・警察犬・猟犬・レスキュー犬・犬ぞり犬・競技犬)には、新鮮な水の適切な補給が必要です。

   

● 妊娠中の犬

妊娠の過程で、妊娠中の犬は様々な異なる栄養素を必要とします。
妊娠の初期段階では、栄養要求性は同じ品種の妊娠していない犬と変わりありませんが、妊娠15週目から、急速に成長している仔犬のためにもっと多くの栄養素が必要となります。
(仔犬の成長具合によっても異なります)
とくに十分な炭水化物と高品質のタンパク質が必要であることに注意しなければいけません。
この時期のあまりの過剰摂取は、避けなければいけません。
それは、一般的に出生時や授乳期、繁殖に害を与えないためです。
出産時には必要とされる栄養素の摂取は、何匹の仔犬が生まれたかによりますが、通常の4倍量まで増加します。
そのため、この時期は、高濃度の栄養素を含む食品の摂取が重要なのです。
理想的な量を摂取することが重要です。

   

● 繁殖用の犬

繁殖用の犬(種犬)食事は、ビタミンや微量元素と同様に、アミノ酸や重要な脂肪の適切な供給が必要です。
交配に必要なエネルギー量は非常に少ないものです。
過剰なエネルギーは、過剰な脂肪の蓄積の危険をともない、交配意欲を減少させます。

   

● 高齢犬

高齢犬 個体差や犬種によっても異なりますが、一般的に犬は7~10歳位になると、老化現象(活動性の低下)がはじまり、必要エネルギー量も少なくなります。
消化酵素や代謝過程の効率も年齢とともに低下し、その一方でタンパク質やカルシウム、微量元素やビタミンの必要性は増加します。
老犬の食事には、消化されやすく、適切な濃度の栄養素が含まれているというような特別な要求性に注意することが重要です。

但し、犬の活動状態や身体の状態に変化が見られていないにも関わらず、年齢に達したことで不用意に食事内容を変更することは避けてください。
活動や身体が成犬時と変わらない状態を保っていれば必ずしも食事内容を変える必要はありません。
摂取と活用の栄養バランスが崩れてしまえば逆に老け込んでしまうこともあります。

高齢犬に合わせての食事内容に切り替える場合は年齢を重ねたことによる体調の変化

  • 運動量が極端に減ってきた
  • 同じ食事を食べているのに太りやすくなってきた
  • 同じ食事を食べているのに軟便になってしまう
などが見られてきた際にご選択いただけると良いと思います。
わんちゃんそれぞれによって代謝の状態も異なり年齢の重ね方も個体差がありますので状態に合わせて対応してあげることが大切です。