3.オーガニック認証

天衣無縫(株式会社新藤)のオーガニック製品は、オランダに本部のある世界最大級の認証機関CUC(コントロールユニオン)の審査によりGOTS(オーガニック繊維製品世界基準)の
「オーガニック製品」としての認定を受けています。


オーガニックコットン製品の認証は、(1)綿花生産=農業段階の認証(2)製品の製造工程=工業段階の認証の2つの過程に分かれています。

(1)綿花生産の認証基準について
ヨーロッパ基準である「ECC 規制2092/91」と米国農務省の基準である「USDA/NOP(米国農務省/自然有機プログラム)」が主な国際基準とされています。(日本の有機農業基準には有機JAS がありますが、日本では綿花生産が産業として成立していないので綿花の認証の項目がありません。)農業段階の有機認証の内容は、主に「3年以上農薬と化学肥料を使用していない農地で、有機栽培された綿花である」という内容に収斂されます。

(2)製品の製造工程の認証基準について
天衣無縫(株式会社新藤)は、全国約40カ所の契約工場の書類審査と実地検査を受け、2009年1月15日にコントロールユニオン(Control Union Certifications/通称CUC)オランダ本部からGOTS(オーガニックテキスタイルの世界基準)の正式認証を取得しました。コントロールユニオンは、オーガニック認証において世界で最も実績のあるオランダのオーガニック製品認証機関です。GOTSの認証基準は、以下の7項目です。

1.有機製造方法に関するEUの「ECC規制2092/91」あるいは、アメリカの「USDA/ NOP(米農務省/ナショナル・オーガニックプログラム)」認証を受けた原綿を使用している。
2.認証されたオーガニック繊維が70%以上含まれている。
3.同一の非オーガニック繊維とオーガニック繊維の混合を認めない。
4.製品にはGMO(遺伝子組み換え)技術を使用した材料を含まない。
5.製造及び加工は、環境に悪影響を及ぼすことのない状況のもとに行われている。
6.加工助剤はGOTSの規程に従って使用される。
7.原綿までのトレーサビリティ(生産履歴の追跡)が可能である。

トレーサビリティ

農場や工場自体の「オーガニック証明書(Scope Certification/略称SC )」と、各工程間の「商取引証明書(Transaction Certification/略称TC)」。このふたつの認証が揃ってはじめて、オーガニック製品の認証が完結します。ここでは、トレーサビリティ、つまり製品の流通経緯の追跡を可能にする「商取引証明書(TC)」についてお話します。

テキスタイル製品は原料から最終製品まで、いくつもの工程を経て生産されています。このなかで各工程の担当者は前後の工程としか直接関わりをもちません。ですから全体の結びつきを明らかにするためには、直接の製造工程に関わらない第三者が全体を俯瞰できる位置から、各製造工程の結びつきを客観的に証明する必要があります。オーガニックの認証機関は、各工程の入荷・出荷・保管時の管理や、製造時の製品の取り扱いについて、伝票や加工指示書等の書類審査と現場の実地検査によって、各工程がオーガニック製品の製造に適しているかどうかを検査します。また加えて原料の綿花が形を変えて各工程を移動する際に、その移動を裏付ける書類を点検することで、製造工程のつながりを証明します。

天衣無縫の製品は、この第三者認証機関による「商取引証明書(TC)」の発行により、「原料から最終製品まで追跡可能なオーガニック製品であること」を販売先やお客様に明らかにすることができるようになりました。
トレーサビリティの第三者証明はオーガニック製品認証の最も重要な部分と私たちは考えています。そして、その上でさらに、綿花生産から最終製品にいたる各工程のモノの流れの背景に「オーガニックであること」にこだわる各生産者の「想い」がつながっていることを、正しく最終消費者の皆様にお伝えしていく責任があると考えています。

GOTSマークは、確かな品質の目印です。

世界に数多くあるオーガニックコットンの認証機関のなかには、書類審査しか行われないケースも多く、日本の機関ではそれが一般的です。一方、CUCの認証では実地検査も行われます。天衣無縫の認証にあたってはオーガニックコットンの含有率や禁止有害化学物質の有無はもちろん、製品保管時の異物混入やさらには従業員の労働条件まで、さまざまな角度から約1年かけて検査が行われました。GOTSマークは、こうした非常に厳格な審査で証明された“確かなオーガニック製品”の目印です。