キムラとシマダは、普通に高校、大学を出て、企業に就職してというよくある道を歩んできました。少なくとも、幼い頃より将来独立しようと思って、経験を積んできていませんので、「はて独立はしたがこれはどうやってやるんだろう?」ということが多々あるわけです。しかし、今回のテーマなら司法書士の方にお願いしようと人任せにはせず、極力自分らで調べて自分らでできる事は自分らでやって行こうと今までやってきています。
ここでは、そんな普通の三十男がブルワリーを立ち上げるまでの苦労と失敗、時には裏ワザをご紹介して行こうと思っています。誰でもできる事なんだ、と将来独立を考えている方の勇気づけになれば幸いです。

会社設立

私たちの登記簿上の正式な社名は「有限会社ベアレン醸造所」です。
2001年2月20日に資本金300万円で設立しました。ここでは、会社設立の方法を詳しくお話しする事は避けまして(他に資料はたくさんあるでしょうから)、私たちの視点で会社設立を追っていきたいと考えています。

さて、私たちの会社は有限会社ですが、株式会社と違って有限会社はなにが違うのか、つまり何かに限りがある訳ですが、それは出資者の人数です。有限会社では出資者は謄本50人以下と制限されていますが、株式会社にはそれはなく広く出資者を募る事ができます。私たちは立ち上げに際して、当初は自分らの考えを守ってやって行ける有限会社という形態の方がいいだろうと判断しましたが、正直に言うとお金の問題もありました。設立時の資本金300万円は、有限会社設立の最低限の金額で、株式会社設立には最低1000万円が必要です。資本金というのは使ってしまっても構わないのですが、一旦は現金で用意していなくてはなりません。私たちにはスポンサーは付いておりませんので、当初大きな金額を用意する事ができなかったのです

会社設立のもろもろの手続きはほとんどキムラが行いましたが、わからない事は図書館で関連の本を借りてきたり、インターネットで調べたりしました。最近は大変便利な本やサイトが多く、感謝の念が絶えませんでしたが、それに伴って手続きを進めました。

写真は会社の謄本の写し。よく見えませんが、会社名や住所は本人(キムラ)の手書きです。私の机の上なので、余計なものが写っています。スミマセン・・・

定款の作成

定款まずは、定款の作成です。つまり会社の内容を定めたものですが、ひな形がありましたのでそれをベースにしました。物の本には良い書き方、悪い書き方がありまして大変面白いものもありました。私たちは将来の可能性を考えて、目的の項目に「飲食店業」と記載していますが、「店」が入っていないと「飲食業」になりこれでも意味は通じるように思いますが、飲食する事が業になってしまうので駄目だそうです。そんな仕事があればやってみたいものですが・・・

さて、この定款、普通にワードでバチバチと打っていった訳ですが、もちろんこれだけではただの文章が書いてある紙切れです。まず社員(有限会社では出資者の事をこう呼ぶんですね)の印を押し、公証人役場に行って認証の手続きを行います。盛岡の公証人役場は大通の七十七銀行の向かいにありますが、机が二つだけの寂しい事務所でした。ここで印を押してもらって、出来上がりですが、不思議なもので朱色の印が押してあるとそれらしく見えてくるものですね。

写真が当社の定款(現物)。最後のページに公証人の印があります。

会社の登記にはこれと、出資金を銀行で引き受けてもらい、この証書を持って法務局で行います。盛岡の法務局は県庁の向かいにありますが、ここで6万円の登記手数料を印紙で払って手続き完了です。この窓口に提出した日が2月20日で、会社設立日となります。残念ながら結婚記念日のような、しゃれたエピソードはこの日にはありません・・・

社名について

トレードマーク最後に社名について。ベアレンとはドイツ語で「熊」という意味です。なんで熊なの?という疑問、実はスタッフ一同も持っている疑問なのですが、皆の記憶を元に考えると、どうもキムラとイヴォがこの計画の話しをする当初に仮にでも名前をつけておこう、と言ってつけた名前のようです。岩手には熊も多いし、ドイツには動物の名前が付いたビールも多いのでいいんじゃないかということだったらしいのですが、その後これに変わる名前もなく今にいたっています。私たちは結構有りそうでない不思議な音だと、気に入っていますが・・・

マークはその熊をモチーフにして、当社マイスターのイヴォがデザインしたもの。詳しくは、近いうちにこのコーナーの中でご紹介します。

そして、ベアレンに醸造所とつけたのは実はキムラの強いこだわりです。日本に多いビール会社の呼び名は「○○ビール」や「△△ブルーイング」「□□ブロイ」などですが、醸造所とお堅い名前にしたのはこの言葉から時代に流されないこだわりや本格感を感じられると考えたからです。いかがでしょうか?

けど、結構言いにくいんですよね。「ジョウゾウショ」、初めての方に電話で名乗る時など、まず一回では聞き取ってもらえません。皆さんにきちんと認識してもらえる、これも私たちの頑張りの成果の一つの指標だと思っています

いかがでしたか?実際にはもっと細かなやり取りや準備がありましたが、かなり端折って書きました。けど、雰囲気は伝わったかなあと願っております。

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Presented by 株式会社 ベアレン醸造所 2007年05月20日更新
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