なるほどミシンQ&A

ミシン初心者の方も長年ミシンを使っている方も!
もっとミシンの事を知って、ソーイングを楽しみましょう♪

ミシンの種類・選び方

● 電動・電子速度制御・電子・コンピューターミシンの違い
● 職業用ミシン・ロックミシンとは?
● フットコントローラー式と手元スイッチ式どっちがいい?
● 水平釜と垂直釜について
● 縫い模様はどれくらいあった方が良いのでしょうか?
● 付属品は購入できますか?

使い方:ミシンのトラブル解決

● ミシンを箱から上手く取り出せない
● ミシンが動かない
● 下糸をすくえない、針が折れる・曲がる
● 布を送らない
● 上糸が切れる、糸が絡まってしまう
● 布の裏がタオル状になってしまう
● 縫い目がとぶ
● 薄物が縫えない
● 釜の部分に糸が絡んでしまう

ミシンの種類・選び方

電動ミシン・電子速度制御ミシン・電子ミシン・コンピューターミシンの違い

ミシン業界では・・・

1.針上停止装置(針が最上点で停止する)
2.スロースタート(縫い始めにゆっくり動き始める)
3.電子速度制御(低速~高速まで無段階に速度調節できる)


上記3点を備えたものを【電子ミシン】と呼んでいます。

【電動ミシン】にはこの3つの機能はついていません。
【電動ミシン】の場合、スピードコントロールは、手元スイッチ式は高速と低速の2段階。
フットコントローラー式では、一見フットコントローラーによる無段階の速度制御に思えますが、 ただ踏み込んだ分だけの電圧をモーターにかけるだけなので、縫い始めや厚地を縫うときなどには 速度を上げて勢いをつけなければなりません。
そのため、ゆっくりとした速度で縫うことができない場合が多くなります。

これに対し【電子ミシン】は、電子基板をもちいてモーターの回転数と電流値を制御・コントロールし、 ゆっくりとしたスピードでも力強く縫って行くことが出来ます。
つまり、【電子ミシン】なら厚地の布もゆっくりと縫うことが出来ます!

【電子速度制御ミシン】とは、【電動ミシン】に電子速度制御の機能がついたものです。 いわば、電動と電子の中間です。

【コンピューターミシン】とは、電子ミシンの機能に加えて縫い模様がプログラムされたものや、 プログラムカードを取り替えたり、最近ではインターネットを使用してデータを取り込みミシン本体に記憶させることにより多彩な刺繍まで行えるようになったもの等があります。

職業用ミシン・ロックミシンとは?

【職業用ミシン】は工業用ミシンのサイズをコンパクトにし、自動給油を必要としないモーター速度(1800回転/1分まで)の1本針本縫いの直線縫い専用ミシンです。工業用ミシンを一般家庭向けにしたミシンです。
押え金などの規格が統一されているので、多くの工業用ミシンのアタッチメントが利用できます。
家庭用ミシンに比べてシンプルな機能のミシンで、手軽さよりも縫い能力を重視しています。

【ロックミシン】は裁ち目かがりやニット地の縫製専用のミシンです。
市販の洋服の布端を処理している縫い目と言うと解りやすいでしょうか?

『環縫い』と呼ばれる“編み合わせる縫い目”が特徴です。強い糸締まりがなく、ニット等の布地の伸縮にも対応できます。
家庭用ミシンでも縁かがりの模様があったり、ニット用の糸等を利用して、ニット地を縫う事は出来ますが、ロックミシンの模様を似せているだけですので、ロックミシン本来の縫い目はロックミシンにしか出来ません。

フットコントローラー式と手元スイッチ式どっちがいい?

フットコントローラー フットコントローラー
手元スイッチ 手元スイッチ
フットコントローラー式は、足の踏み込み加減で布を縫うスピードのコントロールが出来ます。
常に両手が使えるため、縫い始めの細かい作業や、大きな作品を作る時にとても便利です。
また、急なアクシデントの時にも足を離すだけで運転が止まるので、素早く対処できて初心者の方でも安心です。
ただし、座卓など低いテーブルでは座布団の下にコントローラーを置いて膝で操作される方もいますが、使いづらく危険なため、あまり推奨できません。
手元スイッチが操作可能のミシンなら、どんなテーブルでも使いやすくて便利です。ただ一方で、停止・スピード調節を手で操作する必要があるため、初心者の方などは特に、布地を縫っている最中にミシンを停止するタイミングが遅れる可能性があります。

水平釜と垂直釜について

家庭用ミシンの釜の形には垂直釜(すいちょくがま)と水平釜(すいへいがま)の2種類あります。
垂直釜には、全回転と半回転の2種類があります。
垂直全回転釜 垂直全回転釜
垂直半回転釜 垂直半回転釜
垂直半回転釜 水平全回転釜
垂直全回転釜は高速での使用にも対応でき、職業用・工業用ミシン等でも良く使用されています。
垂直半回転釜は縫い締まりがよく、寸法も日本工業規格(JIS-B-9022)で標準化されており、故障時の交換、修理が容易です。
水平全回転釜は各メーカーサイズがまちまちですが、糸絡みが少なくボビンケースが不要でボビンの装着が容易、ボビンの下糸の残量が見えます。
また、全回転釜の方が音・振動が半回転釜より静かです。
どちらが良いとは一概にいえず、それぞれに一長一短がございます。

垂直半回転釜のお手入れ方法

垂直半回転釜のお手入れ方法

水平全回転釜のお手入れ方法

水平全回転釜のお手入れ方法

縫い模様はどれくらいあった方が良いのでしょうか?

基本の直線縫い以外には、縁かがりに必要な「ジグザグ縫い」と「まつり縫い」、つくろい縫いに必要な「点線ジグザグ縫い」及び「ボタン穴かがり」等が良く利用される模様です。

▽ 基本的な縫い模様一覧 縫い模様

付属品は購入できますか?

アタッチメントとして、ロックカッター上送り押えシシュールボタンホーラールビーロック等もあります。 ミシン部品などに関しましては、機種により異なりますのでご不明の場合はお気軽にお問い合せください。

使い方:ミシンのトラブル解決

ミシンを箱から上手く取り出せない

【ソフトカバータイプ】
【ハードカバータイプ】

ミシンが動かない

・電源が入っていない。
・下糸を巻く軸が右側になっている。(左側に戻してください)
・フットコントローラーがささっている状態では手元スイッチは効かなくなります。
・垂直釜の場合、釜に異物が噛みこんでいると動かない事がありますので一度釜を分解してください。

間違った使用方法によりミシンの中に糸が絡んでしまう場合があります。内部に糸が絡んだ場合は修理が必要となりますのでお問い合わせください。

布を送らない

押え上げレバーを下げてください。下がった状態でないと布を送りません。
折り重なりの段差や厚物の縫い始めなど、押さえ金に極端な角度の付く状況では押え金が水平になりません。
水平になるように厚紙や布を敷いて角度の調節をしてください。

厚物で止まる場合はスピードを少し上げたり、送り目を大きくしますと送り易くなります。
布を送る「送り歯」の周りにホコリが溜まっている事があります。掃除をしてホコリを取り除いてください。

上糸が切れる、糸が絡まってしまう

・ご使用の針が曲がっている可能性があります。新しい針に交換してみて下さい。針に合わない厚物の布地を縫ったり、針が刺さったまま布地をひっぱたりと、針が曲がる原因は様々です。

・糸の調子が正しくセットされていない可能性があります。
お使いいただいている糸が絹又は綿のものでしたら 糸の劣化が原因の可能性があります。
新しい糸に交換していただくか、ポリエステル等の化繊の糸を使ってみてください。

・針板(針が下りる穴の周りの鉄板)にキズがある可能性があります。
押さえ金を取り外し、針板の穴の前後にキズが無いか確認してみてください。キズがあった場合は細いヤスリで磨いていただくか、針板を交換していただきます。

布の裏がタオル状になってしまう

上糸がちゃんとセットされていない可能性があります。
布押えを上げた状態で上糸をかけ直してください。
上糸の調子が弱すぎる可能性があります。糸調子ダイヤルを強い方へ回してください。

布押えが上がったままになっていませんでしょうか?
厚地を縫う時等は特に注意して確認してください。

縫い目がとぶ

・針が曲がっている場合や針と糸が布地に対して合っていない場合があります。また、長期間保管されている場合など針が錆びてしまっている事もあります。
一度針を新しい針に交換してください。

・針が正しくセットされていない可能性があります。目で確認してみてください。

・その他の原因では、釜の中に糸又はホコリが残っていたり、傷が出来て糸が引っかかっている可能性があります。
釜のお手入れをしてみてください。

薄物が縫えない

縫いずれが生じたり、布が針穴に食い込むなど送りがうまくいかない時は、ハトロン紙(薄手の紙)などを敷いて縫い、縫い終わってから、ミシン目に沿ってやぶいて取り除いてください。(布の縫い縮みにも有効です)

他の原因としては、上糸調子が強すぎる可能性があります。
一度弱くしてみてください。

釜の部分に糸が絡んでしまう

糸かけが間違っている可能性があります。上糸のかけ方を確認してみてください。
布送りがスムーズに出来ていない可能性があります。
同じ所で足踏みしてしまうと糸絡みにつながります。生地や場所に合わせて縫い方を工夫してみてください。

垂直半回転タイプの場合

ボビンケースがきちんとセットされているか確認してみてください。
ボビンケースを奥までしっかりセットすると釜にボビンケースのツノが引っかかり回転しなくなります。
ボビンケースがくるっと回ってしまうようでしたら奥まで入っていないため、中釜の軸に糸が絡まってしまいます。
釜の中に糸くずやホコリがあり引っかかっている可能性があります。
下の釜を開いて中釜を取り出し、まず中に糸くずやホコリが無いか確認してみてください。
ホコリなどがある場合は付属のブラシなどで取り出して、ティッシュ又は柔らかい布でふき取って下さい。

中釜に傷があり引っかかっている可能性があります。
中釜の片方の先端にが尖っているところがあります、 その先端から外側のカーブしているところに細い筋や、爪の先でなぞるとザラザラとした感触がありましたらそこに糸が引っかかっている可能性があります。
紙ヤスリ(400~1000番)等で磨くように手入れしてみてください。
糸が釜の内部を通る時は非常に細いところを通っているので、小さな引っ掛かりが原因で糸が絡んでしまうのです。

水平全回転タイプの場合

使用しているボビンのサイズが間違っている可能性があります。ご確認ください。

一度糸が絡まった時にボビンケースに擦り傷が出来ている事があります。
傷がある場合は紙ヤスリ(400~1000番)等で磨くように手入れしてみてください。