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逸品館式ルームチューン

音の良いリスニング・ポジション

多くのリスナーはスピーカーに近づくことを嫌い、リスニング・ポジションを部屋の後方中央付近にとりがちです。しかし、スピーカーから離れれば離れるほど「反射の影響」を強く受けることになるので、ルームチューンを行っていない場合、これはあまり良い方法ではありません。
ルームチューンの目的は2つです。
1つは「反射の悪影響を低減すること」です。もう1つは、「反射波を良い音に変えること」です。「反射波」の悪影響を低減する最も簡単な方法は、スピーカーに近づくことです。
ルーム・アコースティックの改善が難しい場合には、ニアフィールドでのリスニングが可能な「小型スピーカー」で音楽を聞きましょう。小型スピーカーを直近で聞けば、驚くほどピュアな音質と身体が包み込まれるような音の広がりが実現します。

AIRBOW IMAGE11/KAI3 45,600円(ペア・税込)

逸品館お薦めのアンプ内蔵スピーカー「Tannoy Reveal402」

響きを消すのではなく整える

私が最初にルームチューンに取り組んだときは、「余計な響きを取り去ることが大切」だと考えて多くの吸音材を使用しました。吸音材を使うことで余計な濁りが取れ、音の純度はどんどん高まりました。調子に乗って吸音材を増やしたので、最終的には部屋中が吸音材だらけになってしまいました。
吸音を強化すると、音の純度がすごく高まったにもかかわらず、音の広がりや響きの良さが失われてしまい、なんだか巨大なヘッドホンの中で音楽を聞いているような感覚になりました。澄みきった音ですが、音楽を聞いて楽しいか?と問われると「決してそうではなかった」と思います。
ちょうどその頃、サーロジックがLVパネルの開発を開始し、サンプルが逸品館に届けられました。サロジック代表の村田さんは、吸音材を使いすぎると中高音が吸収されすぎて「低音がもやもや」したり「音の元気がなくなる」と教えてくれました。そこで吸音材を反射パネルに置き換えて再調整すると、音楽が生き生きと楽しく鳴るようになったのです。

反射体の共鳴に気をくばろう

スピーカーから出た音は、壁や天井で反射すると共に、壁や天井を共振させます。段ボール箱の表面を叩くと「ボコボコ」という低級な音がしますが、それは「素材が容易に共振する」からです。
段ボールや卵ケースを代替吸音材として使う安上がりのルームチューンが知られていますが、「強度の低い材質」を吸音材に使った場合、それらは音に共鳴して「素材の音」を盛大に発生します。楽器の響きに、「段ボールの響き」が加わることを想像してください。済みきった美しい音色で音楽を楽しめるはずがありません。
拳で叩いたとき、不明瞭な濁った音がするものを「吸音材や反射パネル」に使ってはなりません。部屋の中にそのような「悪い音色」の反射物(薄い戸フスマ、フスマ、ベニヤの壁や天井など)が設置されている場合には、交換するかあるいは「表面の反射を低減する(布などで覆う)」と音場の透明感が驚くほど改善します。
壁紙も同じなので、布や紙などの天然素材が使われ、壁紙に触れたときに不愉快な音が発生しない壁紙を選びましょう。表面が柔らかく、音を吸収する効果のある壁紙は、吸音効果が高くよい音響が得られやすいのでお薦めです。
防汚処理がされた硬いビニール系の壁紙は、反射が強くリスニングルームには向きません。

効果的な吸音と反射のモデル

壁と壁の間で発生するフラッターエコーを低減するために、カーテンを設置します。カーテンレールをWにして、「厚手」と「薄手」の設置できるようにしておけば、それぞれのカーテンの開け閉めでルーム・コースティックを微調整できるので便利です。
カーテンの施工が難しい場合には、Kripton(クリプトン)「Mystic White(ミスティックホワイト)」を壁に貼り付けましょう。 Mystic Whiteは、薄い特殊な不織布で、非常に細い繊維が組み合わされており、音響エネルギーを「繊維の滑り摩擦」に変換して効率的に吸収します。ミスティックホワイトを擦り合わせても、ほとんど音が出ませんが、それは効果的に音響エネルギーを吸収しているからです。

Kripton Mystic White MW-40502  メーカー希望小売価格 8,800円(2枚入り・税別)(商品詳細はこちら)

ウールなどで作られた、タペストリーなどを壁に掛けても吸音効果が期待できます。ただし、吸音措置が行き過ぎると音のメリハリが減少し音楽の躍動感が削がれる、低音過多になって音がもこもこするなどの問題が生じます。そのような場合には、吸音材を減らすか、カーテンを開けて吸音を減らしてください。
天井と床の間で発生するフラッターエコーを低減するために、床の上に絨毯を敷きます。毛足が長く吸音性の高いカーペットが最適です。カーペットのサイズは、横幅が「スピーカーの設置幅よりも大きく」、縦(奥行き)は「1−2m程度の大きさ」が必要です。

天然素材では「羊毛」が使えます。特にムートンは「悪い音」を吸収し「艶のある音」を反射しますので、スピーカーの前に敷くだけでスピーカーの音が抜群に良くなります。カーペットを敷いた上で、スピーカーの直近に「ムートン」を敷けば、音場の透明感と広がり感の改善に大きな効果があります。
ムートンを中央に置くと、ボーカルの定位感が向上し、声に艶が出ます。
カーテンやカーペットを使ったフラッターエコー対策は、効果が高くさほどコストもかかりません。

壁のコーナーからの反射を抑える方法

天井のコーナー部分では壁に反って流れる音が集まりぶつかり合って、コーナーを中心に(メガホンを想像して下さい)「圧迫感のある残響音」を発生させます。「天井のコーナー」からの残響を低減するには次のような方法が効果的です。

各社から発売されているコーナータイプの吸音材を天井の四隅に設置する。設置は必ず、一対のコーナー又は全部のコーナーに行って下さい。(近日、AIRBOWから低価格で効果的なコーナー吸音材を発売する予定です)

天井のコーナー部分は、直径20mm前後・厚さ3〜5mm程度の丸いフェルトを放射状に張り付けるとコーナーからの反射低減に大きな効果を発揮します。フェルトとフェルトの距離は15cm〜20cm程度が最適で、それよりも細かい間隔で多く張りすぎると、逆に効果がなくなりますので注意してください。
※近日AIRBOWから、丸形状の吸音材を発売します。
AIRBOW Swing Chipも効果的です。

AIRBOW スイングチップ(商品詳細はこちら)
φ9oの真鍮製のチップ。オーディオ機器や壁面などに貼り付けて、共鳴を止める効果があります。

お薦めのルームチューンパネル

カーテンやカーペットは「音を吸収する働き」には優れていますが、「音を反射する働き」はありません。しかし、スピーカーの音を単純に「吸収」するのではなく、「良い音として反射」することができれば、リスニングルームの音響ヲよりコンサートホールに近づけられます。
「耳に不愉快な音を吸収し」、「心地よい音を反射する」。そのために開発されたのが、「サーロジック 音響パネル」です。サイズの違う角材が組み合わせられて作られるこのパネルは、「特定の音が強調される」ことがなく、パネルに充填された梳毛フェルトが不要な中低音を素早く吸収するため、低音の膨らみが抑えられるなど、ご家庭のルームチューンに最適な特性が与えられています。日本音響の製品に比べ、価格もお手頃です。

Sa-logic(サーロジック)LV-1500CT ラーチ無選別 59,100円(税込)(※楽天オーディオ逸品館ではお取り扱いしておりません。)

天然素材では「羊毛」が使えます。特にムートンは「悪い音」を吸収し「艶のある音」を反射しますので、スピーカーの前に敷くだけでスピーカーの音が抜群に良くなります。カーペットを敷いた上で、スピーカーの直近に「ムートン」を敷けば、音場の透明感と広がり感の改善に大きな効果があります。
ムートンを中央に置くと、ボーカルの定位感が向上し、声に艶が出ます。
カーテンやカーペットを使ったフラッターエコー対策は、効果が高くさほどコストもかかりません。

パネルを使った理想的な吸音と反射のモデル

音響パネルは平行面を減少させ、必要な方向に音を反射させるために使います。
@のパネルは、スピーカー中央の定位感を向上させ、さらに前後方向の奥行きを深めます。このパネル一枚の追加でも驚くほどの効果があります。
スピーカー後方の壁両端部Aに設置する音響パネルは、部屋のコーナーで発生する悪い反射を抑え、身体が包み込まれるような音の広がりを実現します。
使用するパネルの高さは、スピーカーの大きさにかかわらず、1.2〜1.5m程度で十分ですが、天井高が高い場合には1.8mのパネルをお使いください。

次にスピーカー中央部に反射・吸音パネルBを設置します。
このパネルは、空間のチャンネルセパレーションを向上させる働きがあり、体が包み込まれるような音の広がりを実現します。このパネルには、軽くて持ち運びやすい、Kripton AP-R50(R100)がお薦めです。

Kripton AP-R50 メーカー希望小売価格 40,000円(1枚・税別) (お求めはこちらからどうぞ)
Kripton AP-R100 メーカー希望小売価格 80,000円(1枚・税別) (お求めはこちらからどうぞ)
YAMAHA ACP-2(ナチュラル) メーカー希望小売価格 60,000円(1枚・税別) (お求めはこちらからどうぞ)


パネルと絨毯を敷いて、Cにムートンの敷物を置けば、自宅コンサートルームの完成です。
ルーム・アコースティックの調整では、効果的なパネルの設置場所を探すことが重要ですが、頭で考えてもなかなか正解には遠い場合が多いので、実際に色々な場所や角度をお試しになられて、効果的な場所をお探しください。

逸品館3号館のパネル配置

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