Tektite
テクタイト

隕石衝突の衝撃を実感

 テクタイトは隕石そのものだと思われがちですが、隕石では
なく、隕石が地表に衝突した際に形成した天然のガラスです。
主に珪素と酸素で形成しており、それ以外に隕石が衝突した
際に地表に存在していた鉄、アルミニウム、カルシウムなど
色々な成分を含んでいます。

 テクタイトは隕石の衝突によって砕け散った地表の物質がも
の凄い速度で飛散している間に形成されます。飛散している
間に空気との間に摩擦が生じます。その摩擦によって円盤状、
球状など様々な形になります。

 空気との摩擦によって表面上に溶解の「窪み(ディンプル)」が
できます。隕石が衝突した時に発生した熱が、飛散している際
に空気中で急激に冷えることで内部に「気泡」もできます。また、
飛散している際に空気との摩擦によって生じる「飛翔痕(ひしょう
こん)」もできます。これら3つがテクタイトの最大の特徴です。

 テクタイトは形成された過程だけを見ると「モルダバイト」や
「リビアングラス」と同じで、違う点は主に色と産地です。モルダ
バイトは緑色でリビアングラスは黄色です。それぞれ隕石が衝突し
た場所が異なり、地表に含まれていた成分が違うことで色に違い
が生じています。しかし、ほとんどのテクタイトは含まれる不純
物が多いため黒色をしています。

テクタイトグループ説明

ニセモノには出会えない??

 テクタイトは同じ天然ガラスであるモルダバイトやリビアングラス
に比べてほとんどと言っていいほど模造品は流通していません。
モルダバイトなどに比べ、採れる量が多いことや見た目が黒いた
め美しくないという印象などが影響していると考えられます。モル
ダバイトやリビアングラスの模造品を作る人たちは作れば利益が
あるので作っています。しかし、テクタイトの模造品を作っても市
場で利益があるほどの人気がないため作る意味がありません。

 もし、今後何かの拍子で日本市場においてテクタイトに人気が出
た場合、いまのような価格での取引は難しくなるかもしれません。テ
クタイトが形成された経緯や規模の大きさなどを考慮するともっと価
値があると認められるべきもののひとつです。

気泡について

気泡について

飛散している間に空気を取り込んだまま固まった状態(ライトを当てています)
窪みについて

窪みについて

飛散している間に空気との摩擦によって柔らかい部分や地表の不純物が削げ落ちて窪んでいます
飛翔痕について

飛翔痕について

飛散している間に空気を切り裂くように飛び、強烈な空気の流れによる摩擦が生じていたことが判ります
気泡について
窪みについて
飛翔痕について