ガネーシャルームシューズが出来るまで Vol.4
前ページのVol.3で「ソールを4度変えた」と書きましたがまだ話は終わらないのです。ある日お客様からのこんなレビューが目に止まりました。
「ソールを縫い付けている糸が切れる」
レザーに変えることで「滑りそうで危ない」と言うご意見は無事解決したかのように思えたソール問題。今度はレザーを縫い付けた糸が以前のフェルトのソールとは違い沈み込まず床面と摩擦を起こし綻んでしまうとのこと。
うむむむむ。思わず唸ってしまいました。
この問題もどうにかならないか現地と何度もすり合わせをしました。結果通常のレザーではなくスエードを使ったらどうか?とのフィードバック。
ここでもまた問題が起こります。更に製造原価が上がるのです。目眩がする程に膨れ上がったネパールからの輸送費に加え製造原価まで値上がりしたらもう販売を継続することが出来なくなります。
答えは現場にありました。どうしたものかと訪れたネパールのラムジーさんの工房。丁度フランスからのバイヤーも来ていました。ラムジーさんからのすすめもあり彼女なら何かアイディアを持っているかも知れないと言うことで晩ご飯を一緒にと言う運びに。
画像左がお馴染み当店のガネーシャルームシューズ。そして右側に写っているストールがそのフランス人バイヤー「ソフィーさん」のプロダクツ。
聞けばフランスのデパートで1枚100ユーロ(約12,800円)程で売られているとのこと。面白そうなバイヤーです。晩ご飯が俄然楽しみに!
バイヤーすがっちとピースサインの右の女性がフランスからのバイヤーソフィーさん。上品な立ち振る舞いの方でラムジーさんを交え4人で楽しい晩ご飯。なにげにソールの問題を相談したところ的確なアドバイス!流石ベテランです。経験値が違います。
ソフィーさんからのアドバイスがなければ今頃販売を諦めてしまっていたかも知れません。現在の滑り止めを施したフェルトのソールはソフィーさんの発案で生まれたものです。
大分長くなってしまい自分でも驚いているのですが皆さんの手元にお届けするにはまだまだ現地ネパールでの作業が残っています。
次の工程は当店のロゴマークのボタンつけ。例えば10,000足のオーダーを出すと左右分20,000個のボタンが必要になります。
何気についているこのボタン。当店のロゴマークのガネーシャですがお手元にある方は左右を良く見比べて下さい。微妙に表情が違うはずです。
そうなんです。このボタンもハンドメイド。職人さんが手作業でひとつひとつ牛の骨を削って彫っているんですよ!ボタンひとつとっても呆れる程のハンドメイドなのです。
そろそろネパールでの作業は終わりをむかえます。このオバちゃん達が最後の仕上がりチェック部隊。
ソール縫い付けのほころびはないか?ボタンはちゃん付いているか?タグは?サイズは?チェックをしながら毛羽立った表面を丁寧にハサミを使い整えて行きます。
そして合格が出たものから順々にパッキング。
並行してインボイスと呼ばれる貨物の内容証明やどの箱に何が入っているかと言うパッキングリスト。それと確かにネパールで作られたと言う政府からの原産地証明書など輸出に向けて事務作業も大忙し。
貨物と書類が全部そろったらトラックで飛行場まで運び輸出許可を待ってヒコーキに乗せいよいよ日本へと飛び立ちます。
>>Vol.5へ続く
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