ガネーシャルームシューズが出来るまで Vol.2



染め上がったウールはラムジーさんの工場へと車で運ばれいよいよ熟練のオバちゃん達の出番です。

ネパールは世界の最貧国とも言われ北は険しい山脈と中国。そして南は大国インドに挟まれた資源も産業もない国。つまり仕事がありません。

その為彼女達は現金を得るすべがなくこうしてボクらがオーダーを出すことによって仕事が得られ手を動かし初めて現金を手に入れることが出来ます。

お手元にルームシューズがある方は今一度ご覧下さい。内側と外側の色が違ってますよね?

先ずは内側の色から。そして外側の色と。染め上がったウールを少しずつちぎっては馴染ませる工程です。ここで初めてガネーシャルームシューズの原型が出来上がります。

画像のオバちゃんは人気のグリーンカラーの内側の色を型に沿って石鹸水でならしながらペタペタと貼り付けている最中。そして外側のカラーウールを重ねて行きます。

2色の違う色を使うことにより彼女達にはちょっと苦労をかけてしまいますがその分売れ行きがよければ彼女達の実入りも良くなるのです。

ルームシューズの製作が始まる春先はネパールの標高が高いこともあり朝晩は冷え込みます。なので一日中水仕事のオバちゃん達の手はガサガサ。労いの現地訪問の際はニベアクリームなどお土産で持っていったりするとみんな大喜び!

日本人のボクらからすれば小さな小さな缶に入ったニベアクリームをお土産にして良い物なのかな?そう思っていましたが中々どうして。そんなほんのちょっとした感謝の気持ちで十分現地の人達に気持ちが伝わりボク達まで嬉しくなってしまいます。



こちらでは2色重ねてルームシューズの形になったウールの圧縮作業中。ひと口に「圧縮作業」と言ってしまうほど彼女達の労力は簡単ではありません。

手芸でフェルトを扱った事がある方は尚更ご理解頂けるかと思いますが手作業でこの厚さのフェルトを圧縮すると言うのは大変な労力が要ります。

縦にしたり横にしたりひっくり返したり。何度も何度も。そして何度も。タオルに巻き込んでは「ギュッ!ギュッ!」とまるで音が聞こえて来そうなほど力強く圧縮を繰り返す根気のいる作業が続きます。



しっかりと圧縮されたルームシューズは一旦木型に入れられ形を整えやっと乾燥の工程へ進みます。

この辺で製造工程の半分ぐらいでしょうか?ここまでオールハンドメイドです。一足一足丁寧に手間隙をかけてガネーシャルームシューズは出来上がります。そしてこの後ももちろん全ての工程が彼女達の手によるハンドメイド。呆れる程の手作業はまだまだ続きます。


>>Vol.3へ続く


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