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TTバイクはリーチ(Reach)とスタック高さ(Stack height)
でフレームサイズを選ぶ

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最近のTTフレームはさまざまな形状をしていて、どのフレームが自分にフィットするのか、つまり現在使用しているバイクと同じエアロポジションを出すにはどうすればよいかを調べていくうちに、リーチとスタックハイトにたどり着いたのです。
その前に初心者の方によく質問を受けますので簡単にTTバイク/フレームについて書いてみます。


TTバイクとエアロポジション

各ブランドのTT/トライアスロンフレームのリーチとスタックハイトを調べたのは、希望する落差とサドル先端から肘パッドへの距離が取れるかどうかを、調べたかったためです。
これは自分のように身長が低い人には重要な項目なのです。
トライアスロン用途として、落差を10cmは取りたかったためです。

逆に身長が175cmなど、あるいはサドル高さが720mm以上とれるような方には、落差あまり問題になりません。
落差をとりたければ、ワンサイズ小さいフレームをチョイスして、ステムを少しだけ伸ばしてやればすぐに実現できます。

例えば2011ハワイ・アイアンマンで優勝したクレイグ・アレキサンダーはスペシャライズドのニューマシンSHIVに乗りましたが、彼のバイクは『S』サイズです。彼の身長は約180cmほどあるので(正確には5', 11")ワンサイズ以上小さいフレームです。 同じくMサイズのSHIVに乗ったラスムス・ヘニングスは身長189cmあります。おそらく落差をとるために(あるいはSHIVのフレーム・スタックハイトが大きいために)小さいフレームを選んだものと思われます。

大柄というか、この程度の身長がある方であれば選択肢はかなり広がります。

●TTバイクの意味
TTバイクに乗る方が増えていますが、TTバイク(=フレーム)にはどのような意味があるのでしょうか?
かなり乱暴な図ですが、次のような図式が成り立つと考えています。
左側(紺色)が一般的なロードポジションです。一応クランクが下死点にきた時に膝に多少余裕があり、ハンドルを握る肘も余裕があるような絵にしたつもりです。
これは上体が起きているために、それなりの空気抵抗を受けます。おそらく正面の投影面積の大部分はライダーの身体、それも腰から上の上半身になるでしょう。


次に腰の角度(図のα)を変えずにペダル位置を支点に時計回りに図を15度回転させたのが真ん中の絵です。頭の位置が下がり空気抵抗が低くなることがわかります。
この程度であれば、ロードポジションでもブラケット先端を握り、肘を深く曲げれば実現できます。
あるいはロードバイクにエアロアタッチメントを付けてもよいでしょう。
但しこの腰の角度αを維持するためには、サドルを前方に出す必要があります。サドルを前に出さないと、かなり深く腰を折るスタイルとなり、パワーが出しにくくなったり、腰痛の原因になることもあります。

そして、さらに10度時計回りに回転させたものが右端の緑色の絵です。
この下側にサーベロのP3を重ねてみると、もちろんエアロバーを握る前提で、肘の角度は100度程度にしてありますが、ほぼフィットすることがわかります。

実際には高いパワーを出せる(あるいは疲れにくい)ようにするには、腰、背中、肘の角度など微妙調整が必要でしょうが、話をわかりやすくするために単純化しています。
空気抵抗を低減させるエアロポジションを取るためのバイクが、TTバイクです。
このP3に重ねたポジションでは、サドル上に出るライダーの前面投影面積は半分近くになります(たぶん)。


このように低いエアロポジションを取るために、ロードバイクと較べてTTバイクのジオメトリーはBBセンターよりフロント側が長くなり(直進安定性も良くなる)、サドルが前に出せて、低いハンドル位置を取れるようにヘッドチューブが極端に短いジオメトリとなっているのです。
アイアンマンハワイなどの海外アイアンマンの写真を見るとわかりやすいのですが、大柄な選手はびっくりするほどサドルとエアロバー肘パッドの落差があります。これらもTTフレームでないとなかなか実現しにくいのです。

フレーム・スケルトンの遷移


一昔前の自転車は、たいていトップチューブが水平であったため、フレームサイズ=ほぼトップチューブ長という式が成立していました。そのため、身長から大まかなフレームサイズが決まりました。

20年くらい前に購入した自転車は、ほとんどクロモリかアルミで、トップチューブが水平になる『ホリゾンタル』デザインでした。

次にカーボンフレームが一般的になり、デザインの自由度が上がってくるにつれ、じょじょにシートチューブが短くなる『スローピング』が主流になり現在も続いています。
これは軽量化とフレーム剛性を上げるのに一役買っています。
フレーム重心が下がるので、安定したりダンシングで振りやすくなるというメリットもあります。

現在のロードバイクは、スローピングフレームでも水平換算のトップチューブ長が表示されているため、それを基準にすれば、あまりフレームサイズ選びに悩むことは、あまりありません。

ホリゾンタル
スローピング

TT/トライアスロンバイクのフレーム

ところが、TT/トライアスロン用カーボンモノコック・フレームが各ブランドから続々とリリースされています。
フレーム設計の自由度が上がったため、特にTT/トライアスロンフレームは、従来のロードバイクのスタイルに捕らわれることなく、よりエアロ形状に変わってきました。

前から見ると薄っぺら(前衛投影面積の減少)に、横からみるとボリュームのあるティアドロップ型のエアロ形状です。
大手ブランドは風洞実験を行い、空力的に優れたフレームを作り出しています
空力的にトップチューブは水平に作られるようになりましたが、BBからサドルまでのシートチューブはリアホイールを覆うような形状となり後方にくるようにでなりました。そのため、シートポスト(シトチューブ)は「寝かされずに」垂直に伸びるようになってきました。。

右の写真のように、サーベロP3ではシートチューブがホイールに沿って後ろの方まで湾曲し、エアロシートポストは垂直に伸びています。また、サドルを取り付ける位置が2カ所用意されています。

前と後ろで実質的なシートアングルも変わってきます。
サドル取付位置穴の前後で5cmも差があり、さらにサドルレールをクランプする位置があるため、水平換算トップチューブ長だけではフレームを選びにくくなっています。

同様に難解になるフレームの例として写真右下のラピエール「AERO STORM」があります。

50cmというフレームサイズを見ると、水平換算トップチューブ長は「547mm」となっています。ところがシートポストは直立しているため、実際の値よりはトップチューブが短くなります。

547mmを通常のロードバイクで考えてしまうと「身長178cm〜」などとなってしまいますが、シートポストが垂直なため、実質的なトップチューブ長は短くなります。
実質的なトップチューブ長はいわゆる「サドル高さ」(BBセンターからサドル上端までの距離)が低い、背の低い人ほど長くなってしまうという逆転現象が起きます(脚が短いとは書きません!)。
ところがリーチとスタックから判断すると、このフレームは身長165cmでも乗れるのです!


リーチとは?

話が少しそれますが、特にTT/トライアスロンバイクのセッティングをする上で重要になるのが、サドルの前後位置です。
エアロポジションをとるとサドルは前に出る傾向にあるため、サドル先端とBBセンターの距離をしっかりと把握します。
これは当店にもあるポジショニング/サイジングマシンでも、しっかりとおさえておく数値です。
たとえばプロ選手でも同じポジションでフレームを入れ替える場合、まずサドル高さを設定し、続けてサドル前後位置をこの数値に合わせます。
その後、サドル先端からハンドルやブラケットまでの位置があうようにステムで調整します。

例えばBBセンターとサドル先端の距離が「0」はトライアスロンやTTで一般的な数値です。簡単にいうと、BBセンターの垂線上にサドル先端がくることになります。

これを考えると、このBBからヘッドまでの水平距離が、トップチューブ長に代わる重要な指針になってきます。
この値がリーチ(Reach)です。

実は多くの海外ブランドで、通常のロードバイクのジオメトリー表には水平換算トップチューブ長が表記されていますが、TT/トライアスロンバイクの場合、このリーチがしっかりと記載されています。
サーベロでもスコットでも、キャノンデール、トレック、FELT、スペシャライズドでも同じです。ピナレロのようなイタリアブランドでもすぐに分かるようになっています。

自分のポジションが決まっている人であれば、フレームのリーチが分かれば、自分が何ミリのステムを使えばよいのかすぐに分かるのです。TTフレームにトップチューブ長は不要です。


スタックハイト(高さ)

次に必要な数値が、ハンドル高さを決める値です。
フレームによってヘッドチューブの形状や長さがさまざまですが、多くのフレームではヘッドチューブ長が表示されていますが、
ステム(ハンドル)を取り付ける高さは、BBセンターからトップチューブ上端までの値で求めることができます(厳密にはヘッドパーツの高さも関係しますが)。
この値がスタックハイトです。

つまりサドル高さ(BBセンターからサドル上端)とスタックハイトがわかると、サドルとハンドルの落差をすぐに求めることができます。

■例:自分がCEEPO VENOM Sサイズでバイクを組むと想定して、セッティングをおおざっぱに計算してみます。

・サドル先端とBBセンターの距離: 0
・サドル高さ: 670mm
・スタックハイト: 493mm (VENOM S)

サドル高さとトップチューブ上の落差は約177mmとなります。
フレームによってヘッドパーツを取り付けるヘッド部分が高くなっているものもあります。VENOMも約10mmほど、ヘッドが盛り上がった構造です。
そこにヘッドパーツが乗りますが、薄い5mmのものを使うとします。
計算をおおざっぱにするために、アングル70度程度の地面と水平になるステム(Deda Zero100 pistaや3T ARX)を使ってOSハンドルをくわえると、ステムクランプの上下方向の厚み(上下10mmずつ)とハンドル直径(31.8mm)が計算に加わります。

177-5-31.8-20=120mm

エアロバーは肘パッド位置の低いプロファイルデザインT-MAGを使っており、肘パッド高さはほぼステムのクランプ上端と同じになるので、このステムを使いコラムスペーサーをステム下側に入れないと、落差が120mm程度になるということがわかります。

現在の自分のセッティングは落差108mm前後ですので、ステムを84度などの一般的なアップライトのものにするか、コラムスペーサーで10mm持ち上げてやれば、ほぼ同じポジションで組むことができます。

逆にいえば、スタックハイト520mmのフレームを選んでしまうと、前下がりのステムにするなり、肘パッドやベースバーを工夫しないと、現在よりもアップライトなポジションになるということです。

各ブランド・モデルの例

下に各ブランドのTT/トライアスロンフレームのリーチ、スタックをまとめます(2011年12月調査)
下の表を見るといくつかわかることがあります。かなり独断ですが、わかりやすいように箇条書きにしてみます。

最もリーチが長いのがCEEPO各モデル、続けてサーベロP2〜P4。他のブランドに比べてステムは1cm以上は短くなる。遠く低いポジションを実現したい場合には最適。

最もリーチが短いのは、スペシャライズドのSHIV。身長150cm台の女性では、ほぼこのフレームで決まりか?

FELTはロードモデルも大きめだが、TTモデルもワンサイズとは言わないがハーフサイズほど大きめ

KESTRELはスタックハイトが高く、ややアップライト。スペシャライズドもアップライト気味で、今後プロロードのTTではなくトライアスロンをターゲットにしたフレームは、スタックハイトが高くなる傾向となりそう。

その他ラピエール、BOMA、スコット、ウイリエール、キャノンデール、トレックなどは標準的な値。

サーベロのエアロロードS5をトライアスロンにと調べてみたが、リーチ、スタックを見る限りエアロバーを付けて走るバイクではない(サドルを引いてロードポジションで乗るバイク)


ブランド モデル 表記サイズ 水平トップ長 リーチmm スタックmm 独断コメント
ラピエール AeroStomTT S 547 386 479 SHIVのS相当スケルトン
M 560 399 508 標準的な値
L 560 399? 508? 元データ間違い?
BOMA ELAN-TT S 510 388 497 ELANTTは標準的
M 530 398 497
L 550 402 402
48(650C) 514 389 461
サーベロ P3-P4共通 51 535 405 482 SHIVのMと同じだが、ハンドルが5cm低くなる
54 557 419 498 CEEPOに続いてリーチが長い
56 573 433 516
P2 51 510 405 482 CEEPOに続いてリーチが長い
54 530 418 512
56 545 429 531
S5 51 531 369 530 S5はリーチが短くアップライト
54 548 378 555 TT向きではない
56 564 387 580
スコット Plazma Premium S 517 390 NA スタックは低めか?標準的
M 550 410 NA
L 572 430 NA
XS 481 365 495 小柄な女性にはこのモデル!
Specialized SHIV and S 504 385 515 リーチが短くハンドルが高いのがSHIV
S-WORKS SHIV M 530 405 540
AL A1 Apex L 557 425 565
CEEPO VENOM S 515 412 493 CEEPOはどのモデルもリーチが長い
M 535 413 517  直進安定性を求める方向
L 560 434 543
STINGER S 510 405 494
M 530 409 513
L 555 420 534
KATANA S 510 406 493
M 530 409 513
L 555 432 534
QuintanaRoo CD0.1 S 500 396 497 ややスタックが低いが標準的
M 520 420 497
FELT DA1 S 510 391 515 表記サイズより、ひとまわりくらい大きめ
M 540 409 524
L
B2 S 510 391 467
M 540 406 502
ウイリエール Blade S 513 390 494 標準的な値
and TwinFoil M 535 407 514
L 557 424 534
AGRON18 E116 XS 520 調査中
調査中
S 535
M 550
L 560
AVANTI Chrono EVO II S 490 360 485 標準的な値
2012モデル M 511 390 490
L 535 410 505
KONA(Alumi) S 510 372 515
M 530 390 521
L 550 405 540
TREK SpeedConcept 9 S 495 390 492 標準的
M 518 408 517
L 541 426 541
KESTREL 4000LTD 47(650C) 509 397 467
500 520 394 525 スタックが高め(アップライト)
525 535 403 530
550 552 418 536
Cannondale SLICE Hi-Mod 51 505 371 494 ごく標準的
54 535 398 509
56 550 407 529

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