BB(ボトムブラケット)解説
従来比較的BBの種類は、近年増加の一途をたどっています。同じブランドでもモデル/年式によって異なるBBシステムを採用することが多くなりました。
現在では乱立状態ともいえ、ハイエンドのロードバイクはフレームタイプによってほとんど異なるといっても過言ではないでしょう。
さて、種類が増えたBBですが、近年セラミックベアリングを採用したBBが増えてきました。
現状では、BBはブランドや年式ごとに違う という認識を持っていた方がよいでしょう。
オーバーホール時などはBBを交換することが多いのですが、特にチェーンを張る前にセラミックベアリングを採用したBBに交換すると劇的にクランクが良く回ることに驚きます。
以下ではBBの種類と、アフターマーケットで購入でき比較的価格が安く性能がそこそこの商品を紹介しています。
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■BB規格を調べるには→シェル幅と内径を測る
従来のハンガー(BBを入れる部分)の幅は概ね70mmのイタリアンと68mmのJIS/BSC規格が主流でした。
イタリアンは現在でもコルナゴやピナレロなどイタリアブランドのバイクに利用されています。
内側にはネジが切ってあり、BBをねじ込んで固定し、クランクを取付けます。
近年はBB戦国時代ともいえるほど種類が増えてきましたので、基本は左写真のように
「フレームのBBハンガー幅を測り」→「さらにBBが入っていない状態で内径を測る」とよくわかります。 |
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旧来から使われてきた4スクエア・テーパードBBです。
JIS/BSCとITA(イタリアン)の2種類があり、ネジ切りなどが異なります。現在のロードバイクの主流からは外れましたが、スチールバイクなどで利用されています。
現在シマノでは比較的安い価格のスクエア・テーパードBBは生産を続けています。
BBによっては軸長が選べます。
NJS公認は現在もこのタイプです。
カンパニョーロのRECORD等でスクエア・テーパードBBを出していますが、入荷が不安定です。スギノの新製品が回転性能、シェル精度も高くお勧めです。
この後にシマノはオクタリンクという8セレーションのBBシステム(77デュラエースの頃)を、FSA等でISISドライブというBBシステムを使用していましたが、現在は下火です。 |
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現在最も多く使用されているシマノ・ホローテックIIクランク(シャフト径24mm/通称IDS24)用のBBです。
ベアリングがシェル幅より外側にくることで安定性を高め、かつベアリング径を大きくできるために剛性が上がります。
カンパニョーロのコンポを使用する場合はカンパニョーロのBBシェルを使うことになります。 |
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キャノンデールが提唱したBB30(サーティ)はクランクのシャフト径が30mmと太くなり,ペダリング時の剛性やベアリングの剛性を上げることができます。
シェル内部にはネジ山が無く、サークリップと呼ばれるリングを左右から入れ、そこにベアリングを直接圧入するタイプとなります。BBシェルの両側にベアリング受けがあります。
IDS24に較べてかなり軽くなり、FSA等多くのサードパーティクランクシステムもあります。
このBB30でシマノのホローテックIIクランクを使用したい場合には、コンバーターが必要となります。すなわちシャフト径24mmとなるベアリングに入れ替える必要があります。
TNI、スギノ、KCNC等でリリースされています。
FELT,TIME、ORBEA、スペシャライズドのS-WORKSやロードのOSBB(オーバーサイズBB)モデルに使用されています。 |
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プレスフィット、またはBB86と呼ばれる規格です。
ハンガー幅が86mmとなり、BB30と同じように内側にはネジが切っておらず左右からベアリングが入ったシェルを圧入するタイプです。シェル圧入後に幅が90mmとなります。
最も新しいといわれる規格で、今後増えそうな予感があります。
シマノ純正BBもありますが、TNI、スギノ、KCNCなどもリリースしています。
スコット、BMC,GIANT,最新のBOMAなどに使用されています。 |
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BB RightはROTORが提唱し、サーベロの一部モデルで利用されています。
BBは通常中心より左右の距離が同じシンメトリー長で作られていますが、右側のクランクには実際はチェーンリングがつき、外側に広がってしまいます。つまりQファクターが左右で一致しません。
BB RightはこのQファクターを均等にするために、左シェルを広げています。
基本的にはBB Rightは同じ組み合わせで使用するのがベターですが、BB Right規格のフレームにシマノクランクを使用したい場合には、スギノのBB
Right→IDS24コンバータを使うことで実現できます。
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PF30(プレスフィットBB30)はSRAMが提唱する規格で、BB30の延長上にあります。
BB30との違いは、ベアリング受けがなく、ハンガーは単なる筒状態になっているBB30のプレスフィット版です。。
クランクはBB30のものが使用できますが、フレームのBBハンガー幅がBB30とは異なるためベアリング自体は専用となります。
キャノンデールの一部で利用されていて、Truvativ PressFit 30 BBと表記があります。
シマノクランクを使用したい場合には、スギノのPF30→IDS24コンバータを使うことで実現できます。
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番外編:
BB90 はトレックのマドンやトップフューエルにのみ使われているシステムです。BB装着後の幅はホローテックIIのIDS24や、BB80等と同じ90mmとなります。
アフターマーケットではTNIからBB90 Kitが販売されています。
BB386 EVO はFSAが提唱するBBの規格で、BB90等と同じようにBB外側幅が90mmになります。
BB30よりクランク軸が長くなります。内径φ46mm、幅86.5mmのシェルに圧入し、クランクシャフト径はφ30mmとなります。BHで採用されています。
TNIより「PressFit BB30 Kit」が発売されています。 |
通称 |
BBハンガー幅 |
BBシェル内径 |
特徴 |
お勧め製品 |
ベアリング |
価格 |
スクエアテーパード
(JIS) |
68mm JIS/BSC |
BC 1.37x24T |
ねじ山あり |
スギノ BB-SG75 SuperCeramic |
セラミック |
1400 |
スギノ CBBALカートリッジ 軸長各種 |
シールド |
6370 |
70mm ITA |
36×24 |
ねじ山あり |
スギノ CBBALカートリッジ 110.5 |
シールド |
6300 |
シマノHollowTech II
クランク用 |
68mm JIS/BSC |
BC 1.37X24T |
ねじ山あり IDS24 |
スギノ MB-608-II SuperCeramic |
セラミック |
13650 |
TNI Ceramic BB |
セラミック |
12600 |
スギノ MB-608-II |
スチール |
6825 |
シマノ SM-BB7900 |
スチール |
2634 |
KCNCホローテックII対応BB |
ステンレス |
6720 |
イタリアン |
70mm /ITA |
M36 |
ねじ山あり IDS24 |
シマノ SM-BB7900 M36 |
スチール |
2634 |
BB30 |
68mm |
φ42mm |
ねじ山なし |
スギノ BB30-IDS24
SuperCeramic Converter |
セラミック |
13650 |
スギノ BB30-IDS24 Converter |
スチール |
6825 |
TNI Ceramic BB kit |
セラミック |
14700 |
KCNC BB30シマノ |
スチール |
4620 |
BB RIGHT |
79mm |
φ46mm |
ネジ山なし |
スギノ BR-IDS24 SuperCeramic |
セラミック |
13650 |
スギノ BR-IDS24 |
スチール |
6825 |
BB86 PressFit |
86.5mm |
φ41mm |
ネジ山なし |
TNI PressFit BB86 |
セラミック |
12600 |
スギノSHPD-IDS24 SuperCeramic |
セラミック |
13650 |
スギノ SHPF-IDS24 |
スチール |
6825 |
KCNC プレスフィットBB |
スチール |
4620 |
89.5/92 |
φ41mm |
ネジ山なし |
KCNC プレスフィットBB |
スチール |
4620 |
PF30 |
68mm |
φ46 |
ネジ山なし |
スギノ PF30-IDS24 SuperCeramic |
セラミック |
13650 |
スギノ PF30-IDS24 |
スチール |
6825 |
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TOKEN TK-PF30 BB セット |
TBT |
4745〜 |
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※スギノのBBはベアリングだけでなくボディの精度が高いためフレームにジャストフィットし、フレームを傷めにくいという特徴があります。
※フリートではスギノ、TOKEN、スギノ、TNI、KCNC等多くのブランドのBB取扱いがありますのでお問い合わせください。
デザイン価格は2012年8月現在のもので予告なく変更される場合があります。
※商品は左メニューの『クランク 変速 駆動系』→『ボトムブラケット』からお入りいただけます。
ボトムブラケット商品一覧