●当店で主に使用する羽毛の原産国
 



 

  羽毛布団の原料である水鳥のダウンは、殆どが日本の最北端よりも北緯の高い北国で生産されます。

  代表的な5国を挙げましたが、上記以外でも、農業国家であるフランス産の羽毛や、他の北部ヨーロッパ各国、
  中国北部でもダックやグースが飼育され、羽毛の産地となっています。

  良質な水鳥の育成に欠かせないのが良質な水場と豊かな自然。
  これは、良いグースやダックを育てるには必須のものです。

  ただ、身体は環境に適応して保温性能があがるとはいえ、原産国が寒ければ寒いだけ良いものが採れる、と
   いうものでもないのです。

   つまりは、どれだけ健康な水鳥を育てるか、ダウンを損なわず採取や洗浄選別が行われるか、といった
  作業工程での要素も多分に含まれるため、やはり、同じ国でも農場により品質のばらつきがあるのです。
 
   そのため、国名だけで羽毛の評価を判断するには、なかなか難しいものがありますが、
  その中でも昔から高い評価を受け続けるポーランド産ダウンは、安心と実績、という意味で広く好まれます。

   また、EUに加盟国の多いヨーロッパ産ダウンは、EU加盟による物価の高騰や経済状況などから
  今後の値上がりが予想されています。

 


南部を除き国土のほとんどが北ヨーロッパ平野であり、平均高度は173 m。全体が非常にゆるやかな丘陵地帯となっている「平原の国」です。深い森が多く、「ヨーロッパ最後の原生林」と呼ばれる北部ヨーロッパには珍しい全体に広葉樹が生い繁る巨大な森や、9300もの数が存在する湖水地方があります。湿原が特に多く、そのうち最大のものは釧路湿原の10倍以上の面積がある「ヴィェブジャ大湿原」は国立公園として維持管理され、多くの水鳥の故郷。水の豊富な湿原地帯、豊沃な大地、厳しい冬の気候と良い水鳥が育つ自然環境が揃い、更に、世界大戦の影響で海外資本の参入をよしとしなかった事によってポーランドグース原産の「コーダヴィエルカ種(Kołuda Wielka)」を筆頭とした品種の厳密な管理、優良な農場に雛を入札させ、飼育農場が国立獣医協会などの専門家によって常に指導が行われる事、専門のスクバチカ(適切な手摘み採取技術者)によって、伝統的手法に則って行われる羽毛採取方法など、小規模だからこどできる運営が、かえって他国より高品質な羽毛生産を可能にしたのです。
 

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ハンガリーは、ポーランドと並んで世界的な羽毛の一大産地。国土の大部分はなだらかな丘陵で、ドナウ川などに潤される東部・南部の平野部には肥沃な農地が広がっています。ハンガリーの国土はハンガリー平原と言われる広大な平原を中心としており、大陸性気候に属する気候は、寒暖差の激しい四季が存在します。地中海から海洋性気候の影響を受け、冬も湿潤で曇りがち。その厳しい気温差が、嵩高・保温性に優れる羽毛を生み出します。1989年の体制転換以来、外国資本を受け入れて積極的に経済開放を進め、ポーランド等に比べて比較的大規模農場が多く、農場ひとつ分あたりの鳥の飼育数も数万羽と大規模なのが特徴。2004年にEU加盟を果たし、その結果、国内での飼料価格が上がったため比例して羽毛の価格も上がってきております。段々と値上がり吸収が困難になって参りますので、安価で高品質のハンガリー産羽毛を入手するなら今の内かもしれません。
 

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ウクライナは、西部の高原・東部丘陵・北部の湿地を除く国土の大半が平野という農業に適した地形の国。中部から南部に広がる肥沃な黒土地帯は、ロシア帝政時代から「欧州の穀倉」と呼ばれていたほど、農業が盛んな地域です。農業国として知られるウクライナでは、その豊かな土壌と広大な自然を活かし、豊かな草地に水鳥を放し飼いにして、健康に育った生草を思うさま食べらせます。自由な環境でストレスを与えず、水鳥はすくすく健康に育つ事ができるのです。大陸性気候で夏と冬の温度差が大きく内陸に行くにしたがって寒くなり、冬になればマイナス20〜30℃にもなる寒さ。他国との違いとして、ウクライナ産のグースは年1回しか羽毛をとりません。ですので、ウクライナのグースは全てが十分に生育したダウンボールの状態で採取されるのです。
 

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ロシアはその国土のおよそ2/3を極寒の大地シベリアが占める国。冬になればタイガ(針葉樹の原生林)の森はマイナス40℃もの寒さで凍結し、湖は1Mもの厚みで氷に覆われます。5月頃になるまで続くこの酷寒の過酷な気候によって、タイガや周囲の雄大な自然に暮らす動植物は「寒さ」に絶えうる身体のつくりが形成されていったのです。ですのでダウンボールの大きさは十分!1個辺りの保温力もとても期待できます。農場の技術水準や設備など、伝統あるポーランドにはまだ及ばない部分も有りますが、EUが提唱するハンドピック採取の禁止条約によって、加盟国の羽毛生産量の確保やモチベーションの低下が危ぶまれる中、広大な国土とEUに縛られない生産体制による飛躍が期待される産地です。
 

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イングランドは、グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国(イギリス)を構成する四つの国の一つ。グレートブリテン島南部の約2/3を占め、北方はスコットランド、西方はウェールズ、海では北海、アイリッシュ海、大西洋、イギリス海峡に面している海洋国家です。イングランドは温帯であり、冬の最低気温は−5℃ほど。海にかこまれているため気候は比較的穏やかなものの、季節によって気温は変動し冬の時期が比較的長いともいわれます。昔から羊などの畜産業も盛んで地形は変化に富み、大小様々な湖も多く存在します。自然の中で育てられた水鳥のダウンは、全て登録された検査官の厳しい検査に合格した品質の良いものだけが輸出認可されますので、羽毛品質が安定しているのが特徴です。

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