羽毛布団の種類 【目次】

  ●羽根と羽毛の違い
  ●ダウンの種類
  ●
種類毎の品質差
  ●
採取方法の種類
羽根と羽毛の違い 似ているようですがまったく違います


   水鳥の胸元から摂れる非常に軽くて保湿性・保温性に富んだ羽毛(ダウン)。
   それを中綿に使用している比率が50%以上のものを「羽毛布団」と呼びます。

   それ以下の比率のものは、一般的には「羽根(フェザー)布団」と呼び、 防寒機能や保温機能、
   ふっくらした柔らかさなど、全般的に羽毛布団に比べ劣り、ガサガサ音がするためおすすめできません。

   また硬い羽根の軸が布を傷めてしまい、羽毛の吹き出しの原因になったりもします。
 
■ダウンの種類 …羽毛布団にはどちらかの羽毛が使用されます
グース ガチョウ(鵞鳥、英: goose

   分類:鳥類 カモ目 カモ科 ガン亜科
   学名:Anser anser var.domesticus

   全長:約84cm


野生の雁(ガン・かり)を飼いならして
家禽化したもの。
体は大型で飛ぶ力はほとんどない。
アヒルよりも首や足が長く、ゆったり歩く。


体毛の生え変わり時期である換羽(とや)は
夏の終わりだが、春にも一部の換羽期が
あるものもいる。
幼鳥はその年の夏の終わりの換羽で
若鳥の羽毛になり、本格的な成鳥となるには
約4年ほど。良質な羽毛を備える。

食性は草食性。穀物も食べるが大好物は
新鮮な緑餌(りょくじ)。
畑の雑草除去に畑で放されたりもする。

その羽根や羽毛は羽根布団や衣料品などに
用いられるが、基本的には羽毛の利用は
副次的産物とされ、鵞鳥の肉は世界中で
ポピュラーに食されている。

警戒心が非常に強く、見知らぬ人間や
他の動物を見かけると大声で鳴き騒ぎ
対象を追い回し嘴で攻撃を仕掛ける。
古来より番犬代わりとなる事が知られ、
日本ではペットとして飼育する事が多い。

ダック アヒル(家鴨、英: duck

   分類:鳥類 カモ目 カモ科
   学名:Anas platyrhynchos var.domesuticus

   全長:約59cm


カモ科のマガモから人為的に作り出された
水鳥で家禽。
ガチョウに比べると首や足が短く、
小型
歩き方は尻を振ってよちよち歩く。
野生のマガモを飼いならして家禽化する際、
体が大きく重くなり、翼は小さくなって
数メートルほどしか飛ぶことが出来なくなった
(個体や品種にもよる)。

生まれたヒナが卵を産むようになるのは
生後5ヶ月〜6ヶ月。
繁殖が可能になるのは雌で生後6-7カ月頃。
こちらも、体毛の生え変わり時期である
換羽(とや)は夏の終わり。

食性は雑食性で、家禽用の穀物類を主に
草の新芽や、小型の昆虫類、土壌動物、
野菜類やフルーツ、加工肉類など、
個体差はあるが基本的には何でも食べる。

ガチョウと同じく羽根や羽毛は副次的産物と
され、多くは食肉用に飼育される。
肉の味はガチョウの肉よりも高く評価されて
世界中でポピュラーに食されている。
アヒルも、日本ではあまり食されず、
やはりペットとして飼育されることが多い。

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■種類毎の品質差 同じ羽毛でも違いが出ます

 
・マザーグース ・マザーダック ・ダック
・グース
おおまかな目安です。産地や品質によってはこの限りではない場合がございます

 グース羽毛とダック羽毛、更に母鳥の羽毛か若鳥の羽毛かで、4種類にわかれます。

 単純に大きさだけをみても、若鳥よりも母鳥の羽毛のほうが成熟しており、
 空気をはらむ力につながる羽枝の長さやダウン全体の大きさ、はずむような弾力などに優れ、
 これらの性能が、布団の軽さと暖かさに直結します。

 また、精肉加工の際に副産物として出る若鳥のダウンに比べ、4年間健康管理をしながら成熟し、
 卵を産んで暖めるようになるまで大事に育てられるマザーグースのダウンは高品質を誇っています。

 グースダウンとダックダウンを比較すると、

 両方の身体の平均的な大きさが20cm前後も差があり、グースの方が体が大きい為に
 ダウン自体も大きくなり、よりカサ高や保温性があるということで「軽く暖かい布団」ができること。

 ダックは雑食性で何でも食べるのに大して、草食性のグースは緑餌を好んで食べる草食性のため
 ダウンに鳥のにおいが残りにくく、よりクリーンで快適に眠れるということ。

 ダックよりも寒い地方に対応して生きるグースダウンの方がより防寒機能に優れていること。

 ・・・などが理由に挙げられます。

 もちろん、ダックといえどもマザーダックダウンやとっても高品質のダックダウンであれば、
 グース並に、ロイヤルクラスのカサ高数値を叩きだすパワーがあります。

 一概に、全てのダックがグースより劣っている訳ではなく、
 逆に、グースに比べて安価なおかげで、ちょっと価格の張る2層立体キルティング仕様の構造にして
 十分に防寒対策用としておすすめできる性能と、リーズナブルさを実現できます。

 ※個人的には、ダックは素直なフカフカ感を感じ、グースは、よりしなやかなフンワリ感と強さを感じます。

 

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■採取方法の種類
…採取方法表記についての裏話


  鳥からの羽毛を採取する方法は以下の3種類に分けられます。
 

  ● マシーンピック(機械摘み)

  ● ハンドピック(手摘み)

  ● ライブハンドピック(生きた鳥からの手摘み)

   <羽毛が傷つかず高品質な順> ライブハンドピック>ハンドピック>マシーンピック
 

    このうち、高級高品質なマザーグースの羽毛採取などに用いられる
 ライブハンドピック(
「ライブハンドプラッキング」とも呼ばれる)という採取方法が、
 
2009年頃、動物愛護精神に反するとIDFBやEU諸国で物議を醸した結果、
  日本国内では「ハンドプラッキング」「ハンドピック」と言う表示を、今後はしていかない方向になりました。

 鳥達が年に何回も残酷に羽根をむしられている!ということで反対運動が起こったようですが、
 本来、適切な「ライブハンドピック」は、羽毛や羽根の毛根が肉に根を張っていない状態…
 つまり、ダウンが成熟して摘んでも血が出ずぽろっと取れる時期に、
換羽の助けを兼ねて行うもの。
 (犬猫の、換毛期にもっさりと固まって取れるアンダーコートの抜けようを想像してください)

 肉にはりついている状態の羽毛を無理やりむしっているのであれば、生体に傷がつくよりも先に
   繊細なつくりの羽毛が痛まないわけがなく、
 その羽毛が最高級の品質を保つことなど無理であるということ。

 また、「ライブハンドピック」を数回行っていき、3回目からの羽毛が大きさも品質も最良、という事実と
 ハンドピックを何度か受けた立派なツヤの成鳥の群れが悠々自適に農場で実際に暮らしている光景を
 併せて鑑みれば、「適切な手段で行う手摘み採取」が規制されるような残酷ショーではないことが
 お分かりいただけることと思います。

 現在のところ、

 【ライブハンドピック】【ハンドピック】…非人道的に羽根や羽毛を抜いているものとして使用禁止 
 【ハーヴェスティング】…上記に挙げたような、適切な方法で行われた手でのダウン採取

 として分類されてきており、当店でも名称移行の如何を検討しております。

 

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